JP2009180357A - Control device for variable displacement pump motor type transmission - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、動力源からそれぞれ差動機構を介して歯車機構に動力を伝達できる動力伝達系統を少なくとも二系統備え、かつそれぞれの差動機構に可変容量型のポンプモータが連結されるとともに、それらの可変容量型ポンプモータ同士に間で圧力流体を循環させる回路を備えることにより、機械式トルク伝達に伴って生じる流体圧を利用して、機械式トルク伝達と並行してトルクを伝達するように構成された変速機の制御装置に関するものである。 The present invention includes at least two power transmission systems capable of transmitting power from a power source to a gear mechanism via a differential mechanism, respectively, and a variable displacement pump motor is connected to each differential mechanism. By providing a circuit that circulates the pressure fluid between the variable displacement pump motors, the fluid pressure generated by the mechanical torque transmission is utilized to transmit the torque in parallel with the mechanical torque transmission. The present invention relates to a transmission control device.
エンジンなどの動力源と出力部材との間でのトルクの伝達を、互いに並列に設けられた機械式変速部(MT)と油圧式変速部(HST)とによって行うように構成した変速装置が、特許文献1や特許文献2などに記載されている。
A transmission configured to perform transmission of torque between a power source such as an engine and an output member by a mechanical transmission unit (MT) and a hydraulic transmission unit (HST) provided in parallel with each other,
特許文献1に記載された変速装置は、歯車機構を介したトルクの伝達経路をクラッチの係合・解放状態を切り替えることにより変化させて変速を行う機械式変速部と、油圧ポンプで発生させた圧油を油圧モータに供給し、その油圧モータから出力部材にトルクを伝達する油圧式変速部とを、動力源と出力部材との間に並列に配置して構成されている。そして、機械式変速部に対する入力軸と油圧式変速部におけるポンプ軸とが互いに噛み合っている歯車によって連結されており、したがってその歯車を介してエンジンの動力が機械式変速部と油圧式変速部とに分割されて伝達されるように構成されている。この特許文献1に記載された変速装置は、油圧ポンプと油圧モータとを連通させている閉回路にアキュムレータが接続されており、車両の減速時に、車両の有する走行慣性力によって前記油圧モータをポンプとして機能させ、また前記油圧ポンプの容量を減じ、ポンプとして機能する前記油圧モータで発生した圧油をアキュムレータに回収するように構成されている。
The transmission described in
また、特許文献2に記載された変速装置は、少なくとも二つの中間軸と出力部材との間にギヤ比を変化させる歯車機構が設けられ、それぞれの中間軸とエンジンなどの動力源とが差動機構を介して連結され、さらにそれぞれの差動機構に可変容量型のポンプモータが連結され、それらのポンプモータが閉回路によって連通されて構成されている。したがって、特許文献2に記載された変速装置では、いずれか一方の差動機構に対して動力源からトルクを伝達し、かつその差動機構に対してこれに連結されているポンプモータによって反力トルクを入力することにより、その差動機構から中間軸および歯車機構を介して出力部材にトルクが伝達される。これと同時に、その反力トルクを与えているポンプモータが流体圧を発生するので、これが他方のポンプモータに供給されてこれがモータとして機能するので、そのモータから出力されたトルクが他方の差動機構および他方の中間軸ならびに歯車機構を介して出力部材に伝達される。このようにポンプモータをいわゆる反力手段として機能させて機械的に伝達されるトルクと、各ポンプモータ同士の間での圧力流体の授受を介して伝達されるトルクとが合成されて出力部材に伝達され、したがって変速比は、機械式伝達と流体圧式伝達とを合成した変速比となる。その結果、各ポンプモータの押出容積を連続的に変化させることにより変速比を無段階に変化させることができ、無段変速機として機能する。
The transmission described in
なお、油圧ポンプと油圧モータとを閉回路で接続し、油圧ポンプをエンジンで駆動することにより発生した油圧を油圧モータに供給し、その油圧モータで発生したトルクを出力するように構成したハイドロスタティックトランスミッションが特許文献3に記載されている。この特許文献3に記載された変速装置では、蓄圧器に圧油を蓄えるとともに、閉回路に対する圧油の補給を行うチャージポンプが設けられている。
The hydrostatic system is configured to connect the hydraulic pump and the hydraulic motor in a closed circuit, supply the hydraulic pressure generated by driving the hydraulic pump with the engine to the hydraulic motor, and output the torque generated by the hydraulic motor. A transmission is described in
上述した特許文献1に記載された変速装置および特許文献2に記載された変速装置は、共に、機械式伝動と流体伝動とを併用し、機械式伝動での変速比と流体伝動での変速比とを合成した変速比が装置の全体としての変速比となるように構成されている。しかしながら、特許文献1に記載された変速装置と特許文献2に記載された変速装置とには大きな相違があり、特許文献1に記載されている動力の回収技術は特許文献2に記載された変速装置に、直ちには転用できない。
Both the transmission described in
すなわち、特許文献1に記載された変速装置は、機械式トランスミッションと静液圧式トランスミッションとを入力軸と出力軸との間に並列に設けた構成であって、蓄圧時には、出力軸に連結されている油圧モータをポンプとして機能させ、その油圧を蓄圧器に蓄えるように構成されている。そして、その場合、ポンプとして機能する油圧モータの容量を低下させて吐出圧を高くしており、またこのように油圧モータがポンプとして機能することに伴うトルクが制動トルクの一部となる。なお、蓄圧時には、入力側の油圧ポンプの容量をゼロにして空転させている。したがって特許文献1に記載されている変速装置では、出力軸は、蓄圧時に、機械式トランスミッションを介してエンジンに連結される一方、静液圧式トランスミッションに対してはその油圧モータに連結された状態になり、油圧ポンプはトルク伝達に関与しない状態になる。そのため、油圧モータで発生させた圧油を蓄圧器に送って蓄圧を行うことにより変速装置の全体としての変速比が変化するとしても、出力軸のトルクを、ポンプとして機能する油圧モータによって制御できるから、所望の車速を設定あるいは維持できる。
That is, the transmission described in
これに対して特許文献2に記載されている変速装置は、いわゆる固定変速比(あるいは固定変速段)以外の変速比(二つの変速用ギヤ対を介して出力軸にトルクを伝達している状態での変速比)では、一方の可変容量型ポンプモータがポンプとして機能することにより動力分割装置として機能している差動機構に反力トルクを与え、また他方の可変容量型ポンプモータが前記一方の可変容量型ポンプモータから圧力流体を供給されてモータとして機能し、その出力トルクが他方の動力分割装置として機能している差動機構に伝達される。すなわち、特許文献2に記載されている変速装置は、加速時および減速時のいずれであっても両方の可変容量型ポンプモータがトルク伝達に関与し、それらの可変容量型ポンプモータの押出容積あるいは流量に応じた変速比が設定される。したがって特許文献2に記載されている変速装置では、ポンプとして機能する一方の可変容量型ポンプモータから吐出された圧力流体を蓄圧器に供給して蓄圧を行うとすれば、モータとして機能する他方の可変容量型ポンプモータに供給される圧力流体の量が減少するので、変速装置の全体としての変速比が変化し、そればかりか、各可変容量型ポンプモータと出力軸との間には、動力分割装置として機能する差動機構が介在されていて、出力軸が可変容量型ポンプモータに連結されている訳ではないので、所期の車速を設定もしくは維持できなくなる。
On the other hand, the speed change device described in
なお、特許文献3に記載されているように、蓄圧器に圧油を送って動力を回収する際に、チャージポンプから圧油を供給することも可能であるが、その圧油は、ポンプとして機能するポンプモータの吸入側に供給することになるので、モータとして機能するポンプモータに対して供給される圧力流体の量が必ずしも十分にはならず、あるいは変化するので、変速比を維持することが困難であり、あるいは車両に用いた場合には車速が変化してしまう可能性がある。
As described in
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、可変容量型ポンプモータをいわゆる機械式伝動に関与させる構成の変速機で動力の回収を行う場合、変速比を所期通りに維持もしくは設定して動力を回収することのできる制御装置を提供することを目的とするものである。 The present invention has been made paying attention to the above technical problem, and when recovering power with a transmission having a configuration in which a variable displacement pump motor is involved in so-called mechanical transmission, the gear ratio is set as expected. It is an object of the present invention to provide a control device that can maintain or set and recover power.
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、反力トルクおよび駆動トルクを選択的に与える可変容量型ポンプモータがそれぞれ連結されている少なくとも二つの差動機構が動力源に対して並列に連結されるとともに、それらの差動機構と出力部材との間に伝動機構が設けられ、さらに前記各可変容量型ポンプモータ同士が閉回路を介して連通され、その閉回路に流体を補給するチャージポンプが設けられている可変容量型ポンプモータ式変速機の制御装置において、いずれか一方の前記可変容量型ポンプモータが吐出した相対的に高圧の圧力流体を他方の可変容量型ポンプモータに供給する高圧流路に開閉機能のある切替弁を介して連通された蓄圧器と、設定するべき目標変速比を求める目標変速比算出手段と、前記高圧流路から前記蓄圧器に圧力流体を供給して蓄圧する際に前記各可変容量型ポンプモータの押出容積同士の比率を前記目標変速比算出手段で求められた目標変速比を設定する値に維持する押出容積制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
In order to achieve the above object, the invention of
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記蓄圧器に蓄えるべき目標圧力を設定する目標圧力設定手段を更に備え、前記押出容積制御手段は、前記各可変容量型ポンプモータの押出容積の和を、前記比率を維持しつつ、前記目標圧力設定手段で設定された目標圧力となるように制御する手段を含むことを特徴とする可変容量型ポンプモータ式変速機の制御装置である。
The invention of
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記高圧流路の圧力と前記蓄圧器の圧力との圧力差が予め定めた値に低下した場合に前記蓄圧器での蓄圧を終了する蓄圧終了手段を更に備えていることを特徴とする可変容量型ポンプモータ式変速機の制御装置である。 According to a third aspect of the present invention, in the first or second aspect of the present invention, when the pressure difference between the pressure of the high-pressure channel and the pressure of the pressure accumulator is reduced to a predetermined value, the pressure accumulation in the pressure accumulator is terminated. The control apparatus for a variable displacement pump motor type transmission further includes a pressure accumulation end means for performing the operation.
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記押出容積制御手段は、前記蓄圧に伴って前記比率を維持するために変化させる押出容積として前記高圧流路から圧力流体を供給されてモータとして機能する可変容量型ポンプモータの押出容積を変化させる手段を含むことを特徴とする可変容量型ポンプモータ式変速機の制御装置である。 According to a fourth aspect of the present invention, in the invention according to any one of the first to third aspects, the extrusion volume control means uses a pressure fluid from the high-pressure channel as an extrusion volume that is changed in order to maintain the ratio with the accumulated pressure. The variable displacement pump motor type transmission control apparatus includes means for changing the extrusion volume of the variable displacement pump motor that functions as a motor.
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記押出容積制御手段は、前記蓄圧器に対する圧力流体の流量に応じて前記モータとして機能する可変容量型ポンプモータの押出容積を設定する手段を含むことを特徴とする可変容量型ポンプモータ式変速機の制御装置である。 According to a fifth aspect of the present invention, in the fourth aspect of the invention, the extrusion volume control means includes means for setting an extrusion volume of a variable displacement pump motor that functions as the motor in accordance with a flow rate of pressure fluid with respect to the pressure accumulator. A control apparatus for a variable displacement pump motor type transmission.
請求項6の発明は、請求項2ないし5のいずれかの発明において、押出容積制御手段は、前記各可変容量型ポンプモータの押出容積を、前記目標圧力に加えて、前記動力源の出力トルクもしくは前記動力源を外力で強制的に回転させる際の動力源の引き摺りトルクに基づいて制御する手段を含むことを特徴とする可変容量型ポンプモータ式変速機の制御装置である。 According to a sixth aspect of the present invention, in the invention according to any one of the second to fifth aspects, the extrusion volume control means adds the extrusion volume of each of the variable displacement pump motors to the target pressure and outputs the output torque of the power source. Alternatively, the control device for a variable displacement pump motor type transmission includes means for controlling the power source based on a drag torque of the power source when the power source is forcibly rotated by an external force.
請求項7の発明は、請求項3ないし6いずれかの発明において、蓄圧終了手段は、前記蓄圧器での蓄圧を終了する際に、前記各可変容量型ポンプモータの押出容積の比率および和を維持しつつ、前記蓄圧器に対する圧力流体の流量を徐々に減じる手段を含むことを特徴とする可変容量型ポンプモータ式変速機の制御装置である。
The invention of
請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれかの発明において、いずれかの前記可変容量型ポンプモータがポンプとして機能して前記高圧流路に相対的に高圧の圧力流体を生じさせている状態で前記蓄圧器の圧力もしくは前記蓄圧器における圧力流体の量が予め定めた所定値以下となった場合に前記高圧流路を前記蓄圧器に連通させるように前記切替弁を動作させる回収制御手段を更に備えていることを特徴とする可変容量型ポンプモータ式変速機の制御装置である。 According to an eighth aspect of the present invention, in any one of the first to seventh aspects, any one of the variable displacement pump motors functions as a pump to generate a relatively high pressure fluid in the high pressure flow path. In a state where the pressure of the pressure accumulator or the amount of the pressure fluid in the pressure accumulator becomes equal to or less than a predetermined value in a state where The control apparatus for a variable displacement pump motor type transmission further comprising means.
請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれかの発明において、前記切替弁は、前記動力源が動力を出力する駆動時に相対的に高圧となる流路と、前記動力源が外力で強制的に回転させられる被駆動時に高圧となる流路とに切り替えて前記蓄圧器を連通させる弁を含むことを特徴とするに可変容量型ポンプモータ式変速機の制御装置である。 According to a ninth aspect of the present invention, in the invention according to any one of the first to eighth aspects, the switching valve includes a flow path that has a relatively high pressure when the power source is driven to output power, and the power source is an external force. The control apparatus for a variable displacement pump motor type transmission includes a valve that switches to a flow path that is forcedly rotated and has a high pressure when driven to communicate the accumulator.
請求項1の発明によれば、一方の可変容量型ポンプモータが吐出した相対的に高圧の圧力流体を切替弁を介して蓄圧器に供給することにより蓄圧できる。その場合に前記一方の可変容量型ポンプモータを駆動する動力がいわゆる余剰動力であれば、エネルギの回収(回生)を行うことになる。圧力流体が蓄圧器に流れることにより、ポンプとして機能する可変容量型ポンプモータからモータとして機能する可変容量型ポンプモータに対して流れる圧力流体の流量が減少しても、各可変容量型ポンプモータの押出容積の比率が、目標変速比を設定するように維持されるので、蓄圧に伴う変速比の変化あるいは変速比が目標値から外れるなどのことを防止もしくは抑制することができる。 According to the first aspect of the present invention, pressure can be accumulated by supplying a relatively high pressure fluid discharged from one variable displacement pump motor to the accumulator via the switching valve. In this case, if the power for driving the one variable displacement pump motor is so-called surplus power, energy recovery (regeneration) is performed. Even if the flow rate of the pressure fluid flowing from the variable displacement pump motor functioning as a pump to the variable displacement pump motor functioning as a motor decreases due to the flow of the pressure fluid to the accumulator, each variable displacement pump motor Since the ratio of the extrusion volume is maintained so as to set the target gear ratio, it is possible to prevent or suppress a change in the gear ratio due to pressure accumulation or a shift of the gear ratio from the target value.
請求項2の発明によれば、各可変容量型ポンプモータの押出容積の比率が、目標変速比を設定する値に維持されつつ、それらの和が蓄圧の目標圧力を設定する値となるように制御される。したがって、蓄圧器にほぼ一定の圧力の圧力流体を蓄えることができ、また蓄圧器に蓄えた圧力流体を利用する場合に安定した圧力を得ることができる。
According to the invention of
請求項3の発明によれば、蓄圧の終了の判定を、高圧流路の圧力と蓄圧器の圧力との差圧に基づいて行うことになるので、蓄圧からその後の変速制御に切り替わる時点まで、蓄圧器に対する圧力流体の流量を検出もしくは判定することが可能になり、したがって蓄圧制御から変速制御への切り替えを連続して行うことができる。特に請求項7の発明のように、蓄圧器に対する圧力流体の流量を徐々に減じることにより各可変容量型ポンプモータに対する圧力流体の流量の変化が滑らかになり、蓄圧の終了に伴うショックを防止もしくは低減することができる。
According to the invention of
請求項4の発明によれば、ポンプとして機能する一方の可変容量型ポンプモータにおける圧力流体の量は、その可変容量型ポンプモータが動力源の動力もしくは出力部材側から伝達される動力によって駆動されるので、その回転数や押出容積に応じた量となるのに対して、モータとして機能する他方の可変容量型ポンプモータでの流量は、その前段で圧力流体の一部が蓄圧器に送られるので通常の変速制御時におけるように各可変容量型ポンプモータの間で圧力流体を単に循環させている場合に比較して少なくなる。その圧力流体の流量の減少の影響を補うように押出容積が制御され、その制御量すなわち押出容積が、前記比率となるように制御され、その結果、蓄圧時に変速比が目標値から外れることを防止もしくは抑制することができる。 According to the invention of claim 4, the amount of pressure fluid in one variable displacement pump motor functioning as a pump is driven by the power of the power source or the power transmitted from the output member side. Therefore, the flow rate of the other variable displacement pump motor functioning as a motor is sent to the accumulator in the preceding stage, while the amount is in accordance with the rotation speed and the extrusion volume. As a result, the pressure fluid is reduced as compared with the case where pressure fluid is simply circulated between the variable displacement pump motors as in normal shift control. The extrusion volume is controlled so as to compensate for the effect of the decrease in the flow rate of the pressure fluid, and the control amount, that is, the extrusion volume, is controlled so as to become the above ratio, and as a result, the gear ratio deviates from the target value during pressure accumulation. It can be prevented or suppressed.
請求項5の発明によれば、蓄圧を行う場合、蓄圧器に対して流れる圧力流体の流量に応じて、モータとして機能する可変容量型ポンプモータの押出容積が制御されるので、モータとして機能する可変容量型ポンプモータのトルクが、圧力流体の流量の減少による影響を補って所期のトルクに維持され、その結果、蓄圧に伴う変速比の変化を防止もしくは抑制することができる。 According to the invention of claim 5, when accumulating pressure, the extrusion volume of the variable displacement pump motor that functions as a motor is controlled according to the flow rate of the pressure fluid flowing to the accumulator, so that it functions as a motor. The torque of the variable displacement pump motor is maintained at the desired torque by making up for the influence of the decrease in the flow rate of the pressure fluid, and as a result, the change in the gear ratio due to pressure accumulation can be prevented or suppressed.
請求項6の発明によれば、蓄圧器に蓄えることのできる圧力は、各押出容積の和が大きいほど低く、またその和が小さいほど高く、また入力される駆動トルクあるいは引き摺りトルクが大きいほど高く、これらのトルクが小さいほど低くなるので、目標圧力が決まっていることにより、押出容積が駆動トルクもしくは引き摺りトルクに応じて制御され、目標圧力を発生させることができる。 According to the sixth aspect of the present invention, the pressure that can be stored in the pressure accumulator is lower as the sum of the extrusion volumes is larger, and is smaller as the sum is smaller, and is higher as the input driving torque or drag torque is larger. Since these torques become lower as the torque becomes smaller, the target pressure is determined, so that the extrusion volume is controlled according to the driving torque or dragging torque, and the target pressure can be generated.
請求項8の発明によれば、蓄圧の実行の判断を、蓄圧器の圧力あるいは圧力流体の残量に基づいて行うので、常時、所定圧力の圧力流体を確保しておくことができる。 According to the eighth aspect of the present invention, the determination of execution of the pressure accumulation is performed based on the pressure of the pressure accumulator or the remaining amount of the pressure fluid, so that a pressure fluid having a predetermined pressure can be always secured.
請求項9の発明によれば、動力源が動力を出力している回転している駆動時および動力源が外力によって強制的に回転させられている被駆動時のいずれにおいても蓄圧あるいはエネルギ回収を行うことができる。 According to the ninth aspect of the invention, pressure accumulation or energy recovery is performed both when the power source is rotating while the power source is outputting power and when the power source is forcibly rotated by an external force. It can be carried out.
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする変速機について説明すると、この発明で対象とする変速機は、少なくとも2つの動力伝達経路を備えており、それら両方の動力伝達経路を介して、動力源から出力部材にトルクを伝達できるように構成され、その結果、動力源と出力部材との回転数の比である変速比を連続的に変化させることのできる変速機である。 Next, the present invention will be described based on specific examples. First, the transmission that is the subject of the present invention will be described. The transmission that is the subject of the present invention includes at least two power transmission paths, and the output member from the power source via both power transmission paths. Thus, the transmission can continuously change the speed ratio, which is the ratio of the rotational speeds of the power source and the output member.
より具体的には、上記の各動力伝達経路は、ポンプおよびモータのそれぞれとして機能する可変容量型ポンプモータを備えており、それらの可変容量型ポンプモータの押出容積に応じたトルクを伝達するように構成され、さらにそれぞれの可変容量型ポンプモータが圧力流体を相互に授受できるように連通されている。したがって、一方の可変容量型ポンプモータがポンプとして機能することにより、その押出容積に応じたトルクが動力源から出力部材に伝達され、同時に、一方の可変容量型ポンプモータから他方の可変容量型ポンプモータに圧力流体が供給されて他方の可変容量型ポンプモータがモータとして機能する。すなわち、圧力流体を介した動力伝達が、並行して行われる。そのトルクが他方の動力伝達経路を介して出力部材に伝達される。その結果、出力部材に伝達されるトルクは、各動力伝達経路を介して伝達されるトルクの合計になり、しかも圧力流体を介して伝達されるトルクは、各押出容積に応じて変化するので、結局は、変速比が連続的に変化することになる。 More specifically, each of the power transmission paths described above includes a variable displacement pump motor that functions as a pump and a motor, respectively, and transmits torque according to the extrusion volume of the variable displacement pump motor. Further, the variable displacement pump motors are communicated with each other so as to exchange pressure fluid with each other. Accordingly, when one of the variable displacement pump motors functions as a pump, torque corresponding to the extrusion volume is transmitted from the power source to the output member, and at the same time, from one variable displacement pump motor to the other variable displacement pump. Pressure fluid is supplied to the motor, and the other variable displacement pump motor functions as a motor. That is, power transmission via the pressure fluid is performed in parallel. The torque is transmitted to the output member via the other power transmission path. As a result, the torque transmitted to the output member is the sum of the torque transmitted through each power transmission path, and the torque transmitted through the pressure fluid changes according to each extrusion volume. Eventually, the gear ratio changes continuously.
各動力伝達経路は、それぞれ変速比の異なるギヤ対や巻き掛け伝動機構などの伝動機構を備えており、一方の動力伝達経路のみを介して出力部材にトルクを伝達する場合には、変速機の全体としての変速比は、その動力伝達経路における伝動機構の変速比で決まる。このような変速比を仮に固定変速比(もしくは固定段)と称すると、固定変速比を設定している状態では、圧力流体を介した動力の伝達が生じないので、動力の損失が生じにくく、効率のよい伝動状態となる。なお、いずれかの伝動機構のみをトルク伝達に関与させるようにするために、クラッチ機構などの切替機構を各伝動機構に含ませることが好ましく、あるいは動力源もしくは出力部材と伝動機構との間に切替機構を設けることが好ましい。 Each power transmission path is provided with a transmission mechanism such as a gear pair or a winding transmission mechanism with different gear ratios, and when transmitting torque to the output member via only one power transmission path, The overall gear ratio is determined by the gear ratio of the transmission mechanism in the power transmission path. If such a gear ratio is referred to as a fixed gear ratio (or a fixed speed), power transmission via pressure fluid does not occur in a state where the fixed gear ratio is set, so power loss is unlikely to occur. Efficient transmission state. Note that a switching mechanism such as a clutch mechanism is preferably included in each transmission mechanism so that only one of the transmission mechanisms is involved in torque transmission, or between the power source or output member and the transmission mechanism. It is preferable to provide a switching mechanism.
この発明で対象とする変速機は、圧力流体を介して動力を伝達するように構成されているので、上述したように機械的な動力伝達によって変速比を設定する機能を兼ね備えたハイドロスタティック・メカニカル・トランスミッション(HMT)として構成されたものである。そのメカニカルトランスミッションの部分は、必要に応じて適宜の構成とすることができ、常時噛み合っているギヤ対を、クラッチ機構もしくは同期連結機構によって選択する構成の機構や、複数の遊星歯車機構もしくは複合遊星歯車機構によって複数の変速比を設定できる構成などを採用することができる。また、可変容量型ポンプモータは、動力源と出力部材との間に直列に介在させる構成以外に、反力手段として可変容量型ポンプモータを用いる構成とすることもできる。 Since the transmission targeted by this invention is configured to transmit power via pressure fluid, as described above, the hydrostatic mechanical having the function of setting the gear ratio by mechanical power transmission -It is configured as a transmission (HMT). The mechanical transmission portion can be appropriately configured as necessary. A mechanism in which a gear pair that is always meshed is selected by a clutch mechanism or a synchronous coupling mechanism, or a plurality of planetary gear mechanisms or compound planets. A configuration in which a plurality of gear ratios can be set by a gear mechanism can be employed. Further, the variable displacement pump motor may be configured to use a variable displacement pump motor as the reaction force means in addition to the configuration in which the variable displacement pump motor is interposed in series between the power source and the output member.
図4にこの発明で対象とする変速機の一例が記載されている。これは、車両用の変速機として構成した例であり、流体を介さずにトルクを伝達して設定できるいわゆる固定変速比(固定段)として4つの前進段および1つの後進段を設定するように構成した例である。すなわち、車両Veに搭載されたこの発明で対象とする変速機TMは、動力源(E/G)1に入力部材2が連結されており、この入力部材2から、動力分割機構に相当する差動機構にトルクを伝達するように構成されている。その差動機構としては従来知られている各種の構成のものを採用することができ、図4に示す例では、第1遊星歯車機構3(すなわち第1動力分割機構)、および第2遊星歯車機構4(すなわち第2動力分割機構)が採用されている。
FIG. 4 shows an example of a transmission targeted by the present invention. This is an example configured as a transmission for a vehicle, and four forward speeds and one reverse speed are set as a so-called fixed speed ratio (fixed speed) that can be set by transmitting torque without passing through a fluid. This is a configured example. That is, in the transmission TM that is the object of the present invention mounted on the vehicle Ve, the
動力源1は、内燃機関や電気モータあるいはこれらを組み合わせた構成など、車両に使用されている一般的な動力源であってよい。また、この動力源1と入力部材2との間にダンパーやクラッチ、トルクコンバータなどの適宜の伝動手段を介在させてもよい。
The
第1遊星歯車機構3が入力部材2と同一軸線上に配置され、第2遊星歯車機構4が第1遊星歯車機構3の半径方向で外側に離隔し、それぞれの中心軸線を平行にした状態で並列に配置されている。これらの各遊星歯車機構3,4としては、シングルピニオン型やダブルピニオン型などの適宜の形式の遊星歯車機構を採用することができる。図4に示す例はシングルピニオン型遊星歯車機構によって構成した例であり、外歯歯車であるサンギヤ3S,4Sと、そのサンギヤ3S,4Sに対して同心円状に配置された内歯歯車であるリングギヤ3R,4Rと、これらサンギヤ3S,4Sおよびリングギヤ3R,4Rに噛み合っているピニオンギヤを自転自在かつ公転自在に保持したキャリア3C,4Cとを備えている。そして、第1遊星歯車機構3におけるリングギヤ3Rに前記の入力部材2が連結され、このリングギヤ3Rが入力要素となっている。なお、これらの遊星歯車機構3,4は、ギヤ比(サンギヤの歯数とリングギヤの歯数との比)が同一のものであることが好ましいが、この発明では、これに限られない。
The first
また、入力部材2にはカウンタドライブギヤ5が取り付けられており、このカウンタドライブギヤ5にアイドルギヤ6が噛み合っているとともに、そのアイドルギヤ6にカウンタドリブンギヤ7が噛み合っている。このカウンタドリブンギヤ7は、第2遊星歯車機構4と同一軸線上に配置され、かつ第2遊星歯車機構4のリングギヤ4Rに、一体となって回転するように連結されている。したがって、第2遊星歯車機構4においては、そのリングギヤ4Rが入力要素となっている。各遊星歯車機構3,4の入力要素であるリングギヤ3R,4Rは、カウンタギヤ対がアイドルギヤ6を備えた構成であるから、同方向に回転するようになっている。なお、動力源1はカウンタドライブギヤ5とカウンタドリブンギヤ7とアイドルギヤ6とのいずれかに連結されていればよい。
Further, a counter drive gear 5 is attached to the
第1遊星歯車機構3におけるキャリア3Cは出力要素となっており、そのキャリア3Cに、第1変速軸に相当する第1中間軸8が、一体になって回転するように連結されている。この第1中間軸8は中空軸であって、その内部にモータ軸9が回転自在に挿入されており、このモータ軸9の一端部が、第1遊星歯車機構3における反力要素であるサンギヤ3Sに、一体となって回転するように連結されている。
The
第2遊星歯車機構4も同様な構成であって、そのキャリア4Cが出力要素となっており、そのキャリア4Cに、第2変速軸に相当する第2中間軸10が、一体になって回転するように連結されている。この第2中間軸10は中空軸であって、その内部にモータ軸11が回転自在に挿入されており、このモータ軸11の一端部が、第2遊星歯車機構4における反力要素であるサンギヤ4Sに、一体となって回転するように連結されている。
The second planetary gear mechanism 4 has the same configuration, and the carrier 4C serves as an output element, and the second
上記のモータ軸9の他方の端部が、可変容量型ポンプモータ12の出力軸(ロータ軸)に連結されている。この可変容量型ポンプモータ12は、斜軸ポンプや斜板ポンプあるいはラジアルピストンポンプなどの吐出容量を変更可能な油圧ポンプがその一例であって、その出力軸にトルクを与えて回転させることによりポンプとして機能して圧力流体(圧油)を吐出し、また吐出口もしくは吸入口から圧力流体を供給することにより、モータとして機能するようになっている。なお、この可変容量型ポンプモータ12を以下の説明では、第1ポンプモータ12と記し、図にはPM1と表示する。
The other end of the
また、モータ軸11の他方の端部が、可変容量型ポンプモータ13の出力軸(ロータ軸)に連結されている。この可変容量型ポンプモータ13は、第1ポンプモータと同様に、斜軸ポンプや斜板ポンプあるいはラジアルピストンポンプなどの吐出容量を変更可能な油圧ポンプがその一例であって、その出力軸にトルクを与えて回転させることによりポンプとして機能して圧力流体(圧油)を吐出し、また吐出口もしくは吸入口から圧力流体を供給することにより、モータとして機能するようになっている。なお、この可変容量型ポンプモータ13を以下の説明では、第2ポンプモータ13と記し、図にはPM2と表示する。
The other end of the motor shaft 11 is connected to the output shaft (rotor shaft) of the variable
各ポンプモータ12,13は、圧力流体である圧油を相互に受け渡すことができるように、油路14,15によって連通されている。すなわち、それぞれの吸入口12S,13S同士が油路14によって連通され、また吐出口12D,13D同士が油路15によって連通されている。したがって各油路14,15によって閉回路CCが形成されている。なお、各ポンプモータ12,13における吸入口12S,13Sは、各ポンプモータ12,13が動力源1と同方向に正回転する際にオイルなどの流体を吸入するポートであり、また吐出口12D,13Dは正回転時にオイルなどの流体を吐出するポートである。この閉回路CCでの油圧制御のための機構については後述する。
The
上記の各中間軸8,10と平行に、この発明の出力部材に相当する出力軸16が配置されている。そして、この出力軸16と各中間軸8,10との間のそれぞれに、所定の変速比を設定する伝動機構が設けられている。この発明における伝動機構としては、固定された変速比で動力を伝達する機構に限らず、変速比が可変な機構を採用することができ、図4に示す例では、固定された変速比で動力を伝達する複数のギヤ対17,18,19,20が採用されている。
An
具体的に説明すると、第1中間軸8には、第1遊星歯車機構3側から順に、第4速駆動ギヤ17Aと第2速駆動ギヤ18Aとが配置されており、第4速駆動ギヤ17Aと第2速駆動ギヤ18Aとは第1中間軸8に対して回転自在に嵌合している。その第4速駆動ギヤ17Aに噛み合っている第4速従動ギヤ17Bと、第2速駆動ギヤ18Aに噛み合っている第2速従動ギヤ18Bとが、出力軸16に一体回転するように取り付けられている。
More specifically, a fourth
さらに、上記の第4速従動ギヤ17Bに噛み合っている第3速駆動ギヤ19Aと、第2速従動ギヤ18Bに噛み合っている第1速駆動ギヤ20Aとが、第2中間軸10に回転自在に嵌合させられている。したがって、第4速従動ギヤ17Bが第3速従動ギヤ19Bを兼ねており、また第2速従動ギヤ18Bが第1速従動ギヤ20Bを兼ねている。ここで、各ギヤ対17,18,19,20の変速比(それぞれの駆動ギヤの歯数に対する従動ギヤの歯数の比)について説明すると、その変速比は、第1速用ギヤ対20、第2速用ギヤ対18、第3速用ギヤ対19、第4速用ギヤ対17の順に小さくなるように構成されている。
Further, a third
さらに、発進用ギヤ対21が設けられている。この発進用ギヤ対21は、第1速用ギヤ対20と併せて出力軸16に動力を伝達することにより、発進時の駆動力を必要十分に大きくするためのものであって、第1ポンプモータ12側のモータ軸9に一体となって回転するように取り付けられた発進駆動ギヤ21Aと、出力軸16に回転自在に取り付けられた発進従動ギヤ21Bとを備えている。
Furthermore, a starting
上述した各ギヤ対17,18,19,20,21を、いずれかの中間軸8,10と出力軸16との間でトルク伝達可能な状態とするための切替機構が設けられている。この切替機構は、要は、選択的にトルクを伝達する機構であって、従来知られているドグクラッチ機構や同期連結機構(シンクロナイザー)、摩擦クラッチなどの摩擦係合機構などの機構を採用することができ、図4にはシンクロナイザーを採用した例を示してある。
A switching mechanism is provided for allowing each of the gear pairs 17, 18, 19, 20, and 21 described above to transmit torque between any of the
シンクロナイザーは、基本的には、回転軸と共に回転するスリーブを軸線方向に移動させて、その回転軸に対して相対回転するように取り付けられた回転部材のスプラインに係合させ、その過程でシンクロナイザーリングが回転部材に次第に摩擦接触することにより、回転軸と回転部材とを同期させて回転軸と回転部材とを連結するように構成されている。前記の出力軸16上で、発進従動ギヤ21Bに隣接する位置に第1シンクロナイザー(以下、第1シンクロと記す)22が設けられている。この第1シンクロ22は、そのスリーブを図4の左側に移動させることにより、発進従動ギヤ21Bを出力軸16に連結し、発進用ギヤ対21がモータ軸9と出力軸16との間でトルクを伝達するように構成されている。
The synchronizer basically moves the sleeve that rotates together with the rotating shaft in the axial direction, and engages with the spline of the rotating member that is mounted so as to rotate relative to the rotating shaft. When the kniter ring is gradually brought into frictional contact with the rotating member, the rotating shaft and the rotating member are synchronized to connect the rotating shaft and the rotating member. On the
また、前記の第2中間軸10上で、第3速駆動ギヤ19Aと第1速駆動ギヤ20Aとの間に第2シンクロナイザー(以下、第2シンクロと記す)23が設けられている。この第2シンクロ23は、そのスリーブを図4の左側に移動させることにより、第1速駆動ギヤ20Aを第2中間軸10に連結し、第1速用ギヤ対20が第2中間軸10と出力軸16との間でトルクを伝達するように構成されている。また、反対にそのスリーブを図4の右側に移動させることにより、第3速駆動ギヤ19Aを第2中間軸10に連結し、第3速用ギヤ対19が第2中間軸10と出力軸16との間でトルクを伝達するように構成されている。
Further, on the second
さらに、前記の第1中間軸8上で、第2速駆動ギヤ18Aと第4速駆動ギヤ17Aとの間に第3シンクロナイザー(以下、第3シンクロと記す)24が設けられている。この第3シンクロ24は、そのスリーブを図4の左側に移動させることにより、第2速駆動ギヤ18Aを第1中間軸8に連結し、第2速用ギヤ対18が第1中間軸8と出力軸16との間でトルクを伝達するように構成されている。また、反対にそのスリーブを図4の右側に移動させることにより、第4速駆動ギヤ17Aを第1中間軸8に連結し、第4速用ギヤ対17が第1中間軸8と出力軸16との間でトルクを伝達するように構成されている。
Further, on the first intermediate shaft 8, a third synchronizer (hereinafter referred to as a third synchronizer) 24 is provided between the second
またさらに、第2ポンプモータ13側のモータ軸11上で、第2中間軸10の軸端に隣接する位置に後進用シンクロナイザー(以下、Rシンクロと記す)25が設けられている。このRシンクロ25は、そのスリーブを図4の右側に移動させることにより、モータ軸11と第2中間軸10、すなわち第2遊星歯車機構4におけるサンギヤ4Sとキャリア4Cとを連結して、第2遊星歯車機構4の全体を一体回転させるように構成されている。
Further, on the motor shaft 11 on the
上記の各シンクロ22,23,24,25は、手動操作によって切り替え動作するように構成することができるが、これに替えていわゆる自動制御するように構成することもできる。その場合は、例えば前述したスリーブを軸線方向に移動させる適宜のアクチュエータ(図示せず)を設け、そのアクチュエータを電気的に制御するように構成すればよい。
Each of the
上述したように、図4に示す変速機TMは、動力源1が出力したトルクが、各いずれかの中間軸8,10もしくはモータ軸9,11を介して出力軸16に伝達されるように構成されている。そして、その出力軸16には、歯車機構あるいはチェーンなどの巻き掛け伝動機構などの伝動手段26を介してデファレンシャル27が連結され、ここから左右の車軸28に動力を出力するようになっている。
As described above, the transmission TM shown in FIG. 4 transmits the torque output from the
さらに、変速機TMの動作状態を検出するためのセンサが設けられている。具体的には、前述した入力部材2もしくはこれと一体のカウンタドライブギヤ5の回転数を検出する入力回転数センサ29、車軸28の回転数を検出する出力回転数センサ30、第1ポンプモータ12の回転数を検出する回転数センサ31、第2ポンプモータ13の回転数を検出する回転数センサ32などが設けられている。
Further, a sensor for detecting the operating state of the transmission TM is provided. Specifically, the input
つぎに、上記の各ポンプモータ12,13を制御するための流体圧回路(油圧回路)について説明する。各ポンプモータ12,13を連通させている上記の閉回路CCには流体(具体的にはオイル)を補給するためのチャージポンプ(もしくはブーストポンプ)33が設けられている。このチャージポンプ33は、上記の閉回路CCからの漏れなどによるオイルの不足を補うためのものであって、前述した動力源1や図示しないモータなどによって駆動されて、オイルパン34からオイルを汲み上げて閉回路CCに供給するようになっている。
Next, a fluid pressure circuit (hydraulic circuit) for controlling the
したがって、チャージポンプ33の吐出口は、閉回路CCにおける油路14と油路15とにそれぞれチェック弁35,36を介して連通されている。なお、これらのチェック弁35,36は、チャージポンプ33からの吐出方向に開き、これとは反対方向に閉じるように構成されている。さらに、チャージポンプ33の吐出圧を調整するためのリリーフ弁37が、チャージポンプ33の吐出口に連通されている。このリリーフ弁37は、リリーフ圧を電気的に制御可能なバルブ(例えば、ソレノイドバルブ)であって、スプリングによる弾性力とパイロット圧もしくはソレノイドによる押圧力との和より高い圧力が作用した場合に開いてオイルをオイルパン34に排出するように構成されている。したがってチャージポンプ33の吐出圧をパイロット圧に応じた圧力に設定するようになっている。
Accordingly, the discharge port of the
第1ポンプモータ12の吸入口12Sと油路15との間に、リリーフ弁38が設けられている。具体的には、第1ポンプモータ12と並列に、各油路14,15を連通させるようにリリーフ弁38が設けられている。このリリーフ弁38は、リリーフ圧を電気的に制御可能なバルブ(例えば、ソレノイドバルブ)であって、第1ポンプモータ12の吸入口12S、または第2ポンプモータ13の吸入口13Sから圧油を吐出する場合に、その吐出圧を予め設定した圧力に維持するように構成されている。また、第2ポンプモータ13の吐出口13Dと油路14との間に、リリーフ弁39が設けられている。具体的には、第2ポンプモータ13と並列に、各油路14,15を連通させるようにリリーフ弁39が設けられている。このリリーフ弁39は、リリーフ圧を電気的に制御可能なバルブ(例えば、ソレノイドバルブ)であって、第1ポンプモータ12の吐出口12D、または第2ポンプモータ13の吐出口13Dから圧油を吐出する場合に、その吐出圧を予め設定した圧力に維持するように構成されている。
A
そして、圧油を蓄圧するとともにその蓄圧した圧油を第1ポンプモータ12もしくは第2ポンプモータ13に供給するアキュムレータ40が設けられている。このアキュムレータ40は、いずれかのポンプモータ12,13で発生させた油圧を蓄える蓄圧器であって、相対的に高圧となるいずれかの油路14,15に、後述する切替弁41により選択的に連通させられるように構成されている。
An
その切替弁41は、前記各油路14,15から分岐させた油路14A,15Aが接続されたポートと、アキュムレータ40が連通されたポートとを備え、これらのポートを全て閉じる閉位置と、前記吐出口12D,13D同士を連通させている油路15にアキュムレータ40を連通させる第1切替位置と、前記吸入口12S,13S同士を連通させている油路14にアキュムレータ40を連通させる第2切替位置とに弁体(図示せず)を選択的に移動させるように構成されている。なお、その弁体の切替動作は、ソレノイドなどに通電することにより電気的に制御するように構成されている。
The switching
各油路14,15から分岐させた油路14A,15Aのそれぞれには、切替弁41に向けて圧油が流れる場合に開き、これとは反対方向には閉じる逆止弁42,43がそれぞれ介装されている。また、切替弁41とアキュムレータ40との間には、アキュムレータ40に対する圧油の流量を制御する流量制御弁44が設けられている。この流量制御弁44は、電気的に流量を制御できる構成であることが好ましく、具体的には電磁比例流量制御弁を使用することができる。そして、前記油路14の圧力を検出する油圧センサ45、油路15の油圧を検出する油圧センサ46、アキュムレータ40の油圧を検出する油圧センサ47が設けられている。
Each of the
なお、アキュムレータ40に蓄えた油圧を利用するために、開閉弁48を介装した油路49がアキュムレータ40に接続されており、潤滑や前記各シンクロ22,23,24,25を切り替える制御などの必要に応じて、開閉弁48を選択的に開いて、アキュムレータ40の油圧を所定箇所に供給するように構成されている。
In order to use the hydraulic pressure stored in the
そして、上記の各ポンプモータ12,13の押出容積や各シンクロ22,23,24,25の動作、および各リリーフ弁37,38、および切替弁44、ならびに各流量制御弁41の開度を電気的に制御できるように構成されており、そのための電子制御装置(ECU)50が設けられている。この電子制御装置50は、マイクロコンピュータを主体にして構成されたものであって、所定の回転部材の回転数やその他の検出信号が入力され、それらの入力された信号および予め記憶している情報ならびにプログラムに基づいて演算を行い、その演算結果に応じて指令信号を出力するように構成されている。
The extrusion volume of each
つぎに、上述した変速機TMの作用について説明する。まず、変速機TMによる変速制御について説明すると、上記の変速機TMにおいても、前述した特許文献2に記載されている変速機と同様に変速制御を行うことができる。図5は、各変速段を設定する際の各ポンプモータ(PM1,PM2)12,13、および各シンクロ22,23,24,25の動作状態をまとめて示す図表であって、この図5における各ポンプモータ12,13についての「OFF」は、ポンプ容量(押出容積)を実質的にゼロとし、その出力軸が回転させられても圧油を発生することがなく、また油圧が供給されても出力軸が回転しない状態(フリー)を示し、「LOCK」はそのロータの回転を止めている状態を示している。さらに「油圧発生」は、ポンプ容量(押出容積)を実質的なゼロより大きくするとともに圧油を吐出している状態を示し、したがって該当するポンプモータ12,13はポンプとして機能している。また、「油圧回収」は、一方のポンプモータ13(もしくは12)が吐出した圧油が供給されてモータとして機能している状態を示し、したがって該当するポンプモータ13(もしくは12)は軸トルクを発生し、対応するモータ軸9,11および中間軸8,10に駆動トルクを伝達している。
Next, the operation of the transmission TM described above will be described. First, the shift control by the transmission TM will be described. In the above-described transmission TM, the shift control can be performed in the same manner as the transmission described in
そして、各シンクロ22,23,24,25についての「右」、「左」は、それぞれのシンクロ22,23,24,25におけるスリーブの図4での位置を示すとともに、丸括弧はダウンシフトするための待機状態、カギ括弧はアップシフトするための待機状態を示し、そして「○」は該当するシンクロ22,23,24,25をOFF状態(中立位置)に設定することにより引き摺りを低減している状態、「●」は該当するシンクロ22,23,24,25をOFF状態(中立位置)に設定して中立状態となっていることを示す。
The “right” and “left” for each synchro 22, 23, 24, 25 indicate the position of the sleeve in each synchro 22, 23, 24, 25 in FIG. 4, and the parentheses are downshifted. The stand-by state, the brackets indicate the stand-by state for upshifting, and “◯” reduces drag by setting the
図示しないシフト装置でニュートラルポジションが選択されるなどのことによってニュートラル(N)状態を設定する際には、各ポンプモータ12,13が「OFF」状態とされ、また各シンクロ22,23,24,25のスリーブが中央位置に設定される。したがって、いずれのギヤ対17,18,19,20,21も出力軸16に連結されていないニュートラル状態となる。すなわち、各ポンプモータ12,13が、ポンプ容量(押出容積)が実質的にゼロとなるように制御され、その結果、いわゆる空回り状態となるので、各遊星歯車機構3,4のリングギヤ3R,4Rに動力源1からトルクが伝達されても、サンギヤ3S,4Sに反力が作用しないので、出力要素であるキャリア3C,4Cに連結されている各中間軸8,10にはトルクが伝達されない。
When the neutral (N) state is set by selecting a neutral position with a shift device (not shown), the
シフトポジションがドライブポジションなどの走行ポジションに切り替えられると、第1シンクロ22のスリーブが図4の左側に移動させられるとともに第2シンクロ23のスリーブが、図4の左側に移動させられる。したがって、発進従動ギヤ21Bが出力軸16に連結されて第1ポンプモータ12と出力軸16とが連結され、また第1速駆動ギヤ20Aが第2中間軸10に連結されて第2遊星歯車機構4の出力要素であるキャリア4Cと出力軸16とが連結される。すなわち、固定変速比である第1速を設定する状態となる。また、これと併せて各ポンプモータ12,13の押出容積がゼロより大きい容積に制御される。
When the shift position is switched to a travel position such as a drive position, the sleeve of the
したがって、第2ポンプモータ13は第2遊星歯車機構4によって分割された動力源1の動力によって駆動されてポンプとして機能し、油圧を発生させることに伴う反力トルクをモータ軸11およびサンギヤ4Sに与える。これを図5には「油圧発生」と記載してある。そのため、第2遊星歯車機構4の差動作用によってキャリア4Cにトルクが伝達され、そのトルクが第1速用ギヤ対20を介して出力軸16に伝達される。一方、第2ポンプモータ13で発生した油圧がその吸入口13Sから吐出され、油路14を介して第1ポンプモータ12の吸入口12Sに供給されるので、第1ポンプモータ12がモータとして機能し、正回転する。したがって、油路14での圧力が油路15での圧力より相対的に高くなり、この場合は油路14がこの発明の高圧流路に相当することになる。この状態を図5には「油圧回収」と記載してある。このようにして第1ポンプモータ12に伝達される動力が発進用ギヤ対21を介して出力軸16に伝達される。したがって発進から第1速までの駆動状態では、第2遊星歯車機構4を介したいわゆる機械的な動力の伝達と、油圧を介した動力の伝達との両方が生じ、これらの動力を合成した動力が出力軸16に現れる。また、この過程での変速比は、固定変速比である第1速より大きい値となり、その変速比は連続的に、すなわち無段階に変化する。
Therefore, the
こうして動力源1の回転数や車速が変化して第1速の変速比になると、第1ポンプモータ12がOFF状態に制御されてその押出容積がゼロに設定される。その結果、閉回路CCが第1ポンプモータ12によって閉じられるので、第2ポンプモータ13では圧油の吸入および吐出を行えなくなり、第2ポンプモータ13はロックされる。すなわち、回転が止められる。その結果、第2遊星歯車機構4のサンギヤ4Sが固定され、また第1遊星歯車機構3は出力軸16に対する動力の伝達に関与しなくなるので、動力源1が出力した動力は、第2遊星歯車機構4および第1速用ギヤ対20を介して出力軸16に伝達される。すなわち、第1速用ギヤ対20のギヤ比で決まる固定変速比が設定される。
When the rotational speed of the
固定変速比である第2速へアップシフトする場合、第3シンクロ24のスリーブを図4の左側に移動させて第2速駆動ギヤ18Aを第1中間軸8に連結しておく。なお、第3シンクロ24のスリーブを第2速駆動ギヤ18Aに係合させる場合、前記のチャージポンプ33の油圧を第1ポンプモータ12に供給してこれを回転させることにより、第3シンクロ24のスリーブの回転数と第2速駆動ギヤ18Aとの回転数を一致させる同期制御を行ってもよい。
In the case of upshifting to the second speed, which is a fixed gear ratio, the sleeve of the
この状態で、Rシンクロ25を中立状態にするとともに、第1ポンプモータ12の押出容積を最大に向けて次第に増大させる。第2速へのアップシフト待機状態では、第1ポンプモータ12は逆回転しており、その押出容積を次第に増大させると、ポンプとして機能するので油圧を発生し(図5に「油圧発生」と記してある)、同時にそれに伴う反力トルクがモータ軸9に現れる。その結果、第1遊星歯車機構3および第2速用ギヤ対18を介した動力の伝達が次第に行われる。また、第1ポンプモータ12で発生した油圧が油路14を介して第2ポンプモータ13に供給されてこれがモータとして機能する(図5に「油圧回収」と記してある)ので、第2ポンプモータ13および第2遊星歯車機構4ならびに第1速用ギヤ対20を介した動力の伝達が生じる。したがってこの場合も油路14が高圧流路となる。そのため、第1速から第2速への変速の過程での変速比は、第1速の変速比と第2速の変速比との間の値となり、かつ連続的に変化する変速比となる。すなわち、変速比が連続的に変化する無段変速状態となる。これは、上述した発進から第1速の変速比に到るまでの間、および各固定変速比の間でも同様であり、したがって上述した動力伝達装置は、無段変速機として機能させることができる。
In this state, the
第2ポンプモータ13の押出容積がほぼゼロになるとともに、第1ポンプモータ12の押出容積がほぼ最大になってその回転が停止し、もしくは停止に近い状態になると、第2ポンプモータ13がOFF状態に設定される。したがって、第1ポンプモータ12がロックされて、第1遊星歯車機構3のサンギヤ3Sが固定されるので、リングギヤ3Rに入力された動力がキャリア3Cから中間軸8を経て第2速駆動ギヤ18Aに出力される。一方、第2ポンプモータ13はOFF状態となっており、これと同軸上に配置されているRシンクロ25および第2シンクロ23はOFF状態であってそのスリーブが中立位置にあるので、第2ポンプモータ13や第2遊星歯車機構4は動力の伝達に関与しない。したがって、第2速用ギヤ対18のギヤ比で決まる固定変速比である第2速が設定される。
When the extrusion volume of the
以下、同様にして、第3速は第2シンクロ23のスリーブを図4の右側に移動させて第3速駆動ギヤ19Aを第2中間軸10に連結し、さらに他のシンクロ22,24はOFF状態にする。したがって、第3速用ギヤ対19を介して出力軸16に動力が伝達され、固定変速比である第3速が設定される。また、第4速は第3シンクロ24のスリーブを図4の右側に移動させて第4速駆動ギヤ17Aを第1中間軸8に連結し、また他のシンクロ23,25はOFF状態にする。したがって、第4速用ギヤ対17を介して出力軸16に動力が伝達され、固定変速比である第4速が設定される。
Thereafter, in the same manner, for the third speed, the sleeve of the
さらに、後進段について説明すると、図示しないシフト装置などによってリバースレンジが選択された場合には、第1シンクロ22のスリーブが図4の左側に移動させられ、またRシンクロ25のスリーブが図4の右側に移動させられ、さらに他のシンクロ23,24がOFF状態に設定される。したがって、Rシンクロ25によって第2中間軸10とモータ軸11とが連結されることにより、第2遊星歯車機構4のサンギヤ4Sとキャリア4Cとが連結されて第2遊星歯車機構4の全体が実質的に一体化される。また、発進従動ギヤ21Bが出力軸16に連結される。
Further, the reverse gear will be described. When the reverse range is selected by a shift device (not shown), the sleeve of the
したがって、動力源1から第2遊星歯車機構4に伝達された動力がそのまま第2ポンプモータ13に伝達されてこれが駆動され、第2ポンプモータ13によって油圧が発生する。なお、第2シンクロ23がOFF状態であるから、第2遊星歯車機構4あるいは第2中間軸10から出力軸16に動力が伝達されることはない。一方、第1ポンプモータ12の押出容積がゼロより大きい容積、例えば最大容積に制御され、その結果、第2ポンプモータ13から油路14を介して供給された油圧によって第1ポンプモータ12がモータとして機能し、モータ軸9にトルクを出力する。したがって、油路14がこの発明における高圧流路となる。その場合、第1ポンプモータ12にはその吐出口12Dから油路14を介して油圧が供給されるので、第1ポンプモータ12が逆回転する。そして、そのトルクが発進用ギヤ対21を介して出力軸16に伝達されるので、後進状態となる。すなわち、後進段では、油圧を介した動力の伝達が生じ、これを図5では、第1ポンプモータ12について「油圧回収」と記し、第2ポンプモータ13について「油圧発生」と記してある。
Therefore, the power transmitted from the
上記のように、この発明で対象としている変速機TMでは、流体を介さずにトルクを伝達して設定できるいわゆる固定変速比(固定段)として、第1速ないし第4速の4つの前進段と1つの後進段とを設定することができ、それら各固定変速比の間の変速においては、変速比を連続的に変化させること、すなわち無段変速を行うことができる。そして、動力源1から出力軸16に対して動力を伝達しているいわゆる駆動状態では、各ポンプモータ12,13の間では油路14を介して圧油を相互に供給している。これに対して上記の変速機TMを搭載した車両が減速しているなど、動力源1に対して出力軸16側から動力を伝達している場合には、駆動状態でモータとして機能していたポンプモータ12(もしくは13)が、出力軸16側から伝達されるトルクで回転させられるので、ポンプとして機能し、油圧を発生し、またポンプとして機能していたポンプモータ13(もしくは12)がモータとして機能し、トルクを出力する。このような減速状態あるいは被駆動状態では、前述した駆動状態とは反対に、油路15での圧力が高くなり、これがこの発明における高圧流路に相当することになる。この発明に係る制御装置は、このようにして発生する油圧をアキュムレータ40に回収してエネルギ効率を向上させるように構成されている。その蓄圧制御ついて、次に説明する。
As described above, in the transmission TM that is the subject of the present invention, the four forward speeds of the first speed to the fourth speed are set as so-called fixed speed ratios (fixed speed stages) that can be set by transmitting torque without using fluid. And one reverse speed can be set, and in the shift between these fixed speed ratios, the speed ratio can be continuously changed, that is, a continuously variable speed can be achieved. In a so-called driving state in which power is transmitted from the
前述した駆動状態では、油路14を介して一方のポンプモータ12(もしくは13)から他方のポンプモータ13(もしくは12)に油圧を供給され、モータとして機能するポンプモータ13(もしくは12)から排出された圧油は、この場合におけるいわゆる低圧流路である油路15を介して、ポンプとして機能するポンプモータ12(もしくは13)に供給される。この場合における不可避的なオイルの漏れに相当する圧油がチャージポンプ33から供給されるが、基本的には閉回路CCでの圧油の量は変化がなく、各ポンプモータ12,13に過不足なく圧油が供給される所期の変速比が設定され、また駆動トルクが得られている。したがって、切替弁41は閉位置に制御されて、アキュムレータ40を閉回路CCに対して遮断する。
In the drive state described above, hydraulic pressure is supplied from one pump motor 12 (or 13) to the other pump motor 13 (or 12) via the
これに対して被駆動状態(制動状態)では、ポンプとして機能するポンプモータ13(もしくは12)で発生した油圧が油路15を介して他方のポンプモータ12(もしくは13)に供給されてこれがモータとして機能するが、そのポンプモータ12(もしくは13)が出力する動力は特に消費されることがないので、油路15の圧油が高くなる。そこでこの油路15からアキュムレータ40に油圧を供給して、被駆動時のいわゆる余剰動力を油圧の形で回収する。
On the other hand, in the driven state (braking state), the hydraulic pressure generated by the pump motor 13 (or 12) functioning as a pump is supplied to the other pump motor 12 (or 13) via the
図1は、この発明の制御装置で実行される蓄圧制御(エネルギ回生制御)の一例を説明するためのフローチャートであり、先ず、スロットル開度θや動力源1として使用されているエンジンの回転数Ne、ブレーキ信号などの各種の信号が読み込まれる(ステップS1)。なお、スロットル開度θは、車両に対する要求駆動量もしくはその要求状態を示す信号として読み込まれるものであり、したがってクルーズコントロールなどの車速維持制御が実行されている場合には、その制御システムからの要求信号を採用してもよい。また、ブレーキ信号は、車両に通常設けられているブレーキスイッチからの信号を利用することができる。
FIG. 1 is a flowchart for explaining an example of pressure accumulation control (energy regeneration control) executed by the control device of the present invention. First, the throttle opening θ and the engine speed used as the
これらの読み込んだ信号に基づいて車両が制動状態か否かが判断される(ステップS2)。ここで、制動状態は、動力源1を被駆動状態としてその動力損失に伴ういわゆる引き摺りトルクを制動力とするいわゆる動力源ブレーキ状態(エンジンブレーキ状態)、および運転者がブレーキ操作することによるブレーキング状態の両方の状態を含む。制動状態であることによりステップS2で肯定的に判断された場合には、前述した切替弁41の弁体を図4の右側に移動させて、すなわち第1切替位置に動作させて、被駆動状態で高圧流路となっている油路15と蓄圧器であるアキュムレータ40とを連通させる(ステップS3)。なお、ステップS2で否定的に判断された場合には、駆動状態であるから、駆動状態での蓄圧を行うのであれば、切替弁41を第2切替位置に動作させる(ステップS4)。すなわち弁体を図4の左側に移動させる。
Based on these read signals, it is determined whether the vehicle is in a braking state (step S2). Here, the braking state is a so-called power source braking state (engine braking state) in which the
切替弁41を図4の右側に移動させて被駆動状態での蓄圧を行う場合、切替弁41の切替動作と同時に、もしくはその後、あるいは切替弁41の切替に先行して、アキュムレータ40に対する圧油の流量制御が開始される(ステップS5)。すなわち前述した電磁比例流量制御弁44を制御することによりアキュムレータ40に供給される圧油の量が次第に増大させられて、蓄圧が開始される。これと併せて、各ポンプモータ12,13の押出容積の制御が開始される(ステップS6)。この押出容積の制御は、変速比およびアキュムレータ40の圧力を目標値に維持するための制御であり、各押出容積は以下のようにして算出される。
When accumulating pressure in the driven state by moving the switching
この発明で対象とする変速機TMにおいては、固定変速比である第1速より高速側の変速比のうち固定変速比以外の変速比は、二つの変速用ギヤ対を使用してトルクを伝達することにより設定される。したがって、その変速比γは、第2速と第3速との間の変速比を例に採ると、(1)式で表される。
この(2)式から判るように、変速比γは各ポンプモータ12,13の押出容積qpm1,qpm2の比(以下、押出容積比という)の関数となっており、したがってこの押出容積比を制御することにより変速比γを目標変速比に一致させ、あるいは目標変速比の変化に追従して変化させることができる。
As can be seen from the equation (2), the speed ratio γ is a function of the ratio of the extrusion volumes qpm1 and qpm2 of the
一方、第2ポンプモータ13の回転数Npm2は(3)式で表され、また第1ポンプモータ12の回転数Npm1は(4)式で表される。
前述したように、アキュムレータ40で油圧を回収していない通常の変速制御の状態では、各ポンプモータ12,13が閉回路CCで連通されていることにより、ポンプとして機能するポンプモータ(ここで説明している例では第1ポンプモータ12)から吐出される流量と、モータとして機能するポンプモータ(ここで説明している例では第2ポンプモータ13)へ流入する流量とは、(5)式で示すように等しくなる。
これに対して、固定変速比である第2速と固定変速比である第3速との間の変速比を設定している被駆動状態の際にアキュムレータ40で蓄圧を行うと、第1ポンプモータ12が出力軸16側から伝達されるトルクで駆動されてポンプとして機能するのでこの第1ポンプモータ12から吐出した圧油の一部がアキュムレータ40に流入する。したがって、この被駆動状態でモータとして機能する第2ポンプモータ13に流入する圧油の量が、アキュムレータ40に流入する量QAだけ少なくなる。これを式で表せば、(6)式となる。
したがって、アキュムレータ40に対して圧油を供給する蓄圧時の第2ポンプモータ13の押出容積qpm2’は(7)式で示すようになる。
これを前述した(2)式に代入すると、(8)式となる。
すなわち、蓄圧の開始の前後に亘って前述した押出容積比が一定となるように押出容積を制御することにより、変速比を目標変速比に維持することができる。なお、ここで説明している例では、第2ポンプモータ13がモータとして機能するので、その押出容積qpm2を変化させて変速比γを維持することになる。
That is, the transmission ratio can be maintained at the target transmission ratio by controlling the extrusion volume so that the aforementioned extrusion volume ratio is constant before and after the start of pressure accumulation. In the example described here, since the
図1に示す制御例では、蓄圧制御の開始の前後に亘って変速比γを所定値に維持するために、先ず、駆動要求量と車速Vとが読み込まれる(ステップS7)。その駆動要求量はスロットル開度θであってよく、あるいはアクセル開度であってもよい。そして、駆動要求量(具体的にスロットル開度θ)と車速Vとに基づいて目標変速比γが算出される(ステップS8)。これは、従来一般に行われている手法で求めることができ、より具体的には、駆動要求量と車速Vとから求まる要求出力を最適燃費で達成できる回転数をマップから求め、その回転数を達成する目標変速比γを求める。ついで、その目標変速比γを設定する押出容積比が算出される(ステップS9)。これは、前述した(1)式もしくは(2)式を用いて行うことができる。 In the control example shown in FIG. 1, in order to maintain the speed ratio γ at a predetermined value before and after the start of the pressure accumulation control, first, the requested drive amount and the vehicle speed V are read (step S7). The requested amount of driving may be the throttle opening θ or the accelerator opening. Then, the target gear ratio γ is calculated based on the required drive amount (specifically, the throttle opening θ) and the vehicle speed V (step S8). This can be obtained by a conventional method, and more specifically, a rotation speed at which the required output obtained from the drive request amount and the vehicle speed V can be achieved with optimum fuel consumption is obtained from the map, and the rotation speed is calculated. A target speed ratio γ to be achieved is obtained. Next, an extrusion volume ratio for setting the target speed ratio γ is calculated (step S9). This can be performed using the above-described equation (1) or (2).
一方、上記のステップS8で求められた目標変速比γと、エンジン回転数Neとが読み込まれ(ステップS10)、これらを前述した(3)式および(4)式に代入して各ポンプモータ12,13の目標回転数Npm1,Npm2が求められる(ステップS11)。そして、前述した(2)式および(5)式を利用してポンプとして機能するポンプモータ(ここで説明している例では第1ポンプモータ12)の押出容積qpm1が求められ、またアキュムレータ40に対する圧油の流入量QAが求められる(ステップS12)。この流入量QAは、前記流量制御弁44で設定される流量であり、前述したチャージポンプ33で補給できる流量の範囲で設計上予め定めた量である。こうして(7)式の右辺の各数値が定まるので、アキュムレータ40で蓄圧を行っても前述したステップS9で求められた押出容積比を維持するように各ポンプモータ12,13の押出容積の目標値qpm1,qpm2’が求められる(ステップS13)。
On the other hand, the target speed ratio γ obtained in step S8 and the engine speed Ne are read (step S10), and these are substituted into the above-described equations (3) and (4) to obtain the
さらに、アキュムレータ40での目標圧力P、すなわちアキュムレータ40で蓄えるべき圧力Pと、動力源1の出力トルクToutとが読み込まれる(ステップS14)。これは、目標圧力Pで蓄圧を行うための押出容積を求めるためである。すなわち、高圧流路に発生させることのできる圧力である目標圧力Pと動力源1の出力部に現れるトルクと各押出容積qpm1,qpm2とは、(9)式に表す関係となる。
したがって、ステップS13で変速比γを維持する各押出容積qpm1,qpm2’を求めた後、目標圧力Pおよび引き摺りトルクTdを利用して、変速比γを維持しつつ目標圧力Pを得るための押出容積qpm1’,qpm2”が求められる(ステップS15)。上述したステップS6では、このようにして求められた押出容積を設定するように、各ポンプモータ12,13が制御される。その制御は、ラジアルピストンポンプや車軸ポンプあるいは斜板ポンプなどの可変容量型ポンプモータで通常行われている制御と同様であり、それぞれに付設されているアクチュエータを電気的に制御して動作させることにより行うことができる。
Therefore, after obtaining the extrusion volumes qpm1, qpm2 ′ for maintaining the speed ratio γ in step S13, the extrusion for obtaining the target pressure P while maintaining the speed ratio γ using the target pressure P and the drag torque Td. Volumes qpm1 ′ and qpm2 ″ are obtained (step S15). In step S6 described above, the
上述のように車両の減速時などの被駆動状態で、高圧流路である油路15からアキュムレータ40に油圧を回収することができる。その場合に押出容積qpm1,qpm2を、その比率が一定になるように、もしくは目標変速比γに対応するように制御するので、油圧(もしくは余剰動力)の回収に伴って変速比が変化したり、目標値から外れるなどの事態を防止もしくは抑制することができる。
As described above, the hydraulic pressure can be recovered from the
こうして油圧(もしくはエネルギ)を回収している間においてもスロットル開度θや動力源1の回転数(エンジン回転数Ne)およびブレーキ信号などの車両の走行状態(動作状態)が読み込まれており(ステップS16)、これらの読み込まれているデータに基づいて車両の制動状態が継続しているか否かが判断される(ステップS17)。これは、前述したステップS2と同様の判断である。制動状態が継続していることによりステップS17で肯定的に判断された場合には、前記油圧センサ47の検出値すなわちアキュムレータ40の圧力と、前記圧力センサ46の検出値すなわち高圧流路である油路15の圧力との差が、判断基準として予め定めた所定値より小さいか否かが判断される(ステップS18)。
Even during the recovery of the hydraulic pressure (or energy), the vehicle running state (operating state) such as the throttle opening θ, the rotational speed of the power source 1 (engine rotational speed Ne), and the brake signal is read ( Step S16), it is determined whether or not the braking state of the vehicle continues based on these read data (step S17). This is the same determination as in step S2 described above. If a positive determination is made in step S17 because the braking state continues, the detected value of the
このステップS18は蓄圧の終了を判断するためのものであって、上記の圧力差が所定値以上であれば、蓄圧を継続し、これとは反対に上記の差圧が所定値より小さくなれば、蓄圧を終了する。すなわち、ステップS18で否定的に判断された場合には、アキュムレータ40の圧力が油路15の圧力より十分小さく、アキュムレータ40に対する圧油の流量をモニターして制御できる状態であるから、ステップS5に戻って蓄圧制御が継続される。
This step S18 is for determining the end of the pressure accumulation. If the pressure difference is equal to or greater than a predetermined value, the pressure accumulation is continued. On the contrary, if the pressure difference is smaller than the predetermined value. , End the pressure accumulation. That is, if a negative determination is made in step S18, the pressure of the
上記の差圧が判断基準としての前記所定値より小さいことによりステップS18で肯定的に判断された場合には、圧力の回収制御すなわちアキュムレータ40への蓄圧を終了するための制御が開始される。この判断基準としての所定値は、前記流量QAをゼロにするまでの経過時間を考慮しても前記差圧が、流量制御可能な圧力差を下回らないように設定され、実験やシミュレーションなどの実機よる評価を行って定めることができる。こうすることにより、圧力あるいは変速比を制御しつつ、蓄圧制御を終了することが可能になる。なお、制動状態から駆動状態に切り替わるなどのことによりステップS17で否定的に判断された場合にも同様に、蓄圧終了のための制御が開始される。
If the above-described differential pressure is smaller than the predetermined value as the determination criterion and a positive determination is made in step S18, the control for terminating the pressure recovery control, that is, the pressure accumulation in the
蓄圧終了のための制御は、具体的には、アキュムレータ40に対する流量QAを徐々に減じ、最終的にはゼロになるように流量制御弁44を制御することにより行われる(ステップS19)。その場合、流量制御弁44の開度を次第に絞って流量QAを徐々に減じれば、前述した(7)式のQAの値が変化するので、それに併せて第2ポンプモータ13の押出容積qpm2’(あるいはqpm2”)が上述したステップS7ないしステップS15によるように制御される。したがって、流量QAと押出容積とが協調して制御されるので、その協調制御が適正に実行されるように、流量QAの低下の割合(すなわち減少勾配)が設定される。その減少勾配は、実機を使用した実験もしくはシミュレーションによって予め設定しておくことができる。このように、蓄圧を終了する過程においても変速比γが目標値に維持される。また、流量QAを徐々に減少させるので、変速比γの維持が容易になり、またショックを未然に防止もしくは抑制することができる。そして、流量制御弁44が閉じられてアキュムレータ40に対する圧油の流量がゼロになった時点で、切替弁41の弁体が図4の中央(閉位置)に移動させられて(ステップS20)、アキュムレータ40を閉回路CCに対して遮断し、蓄圧制御が終了する。
Specifically, the control for ending the pressure accumulation is performed by gradually decreasing the flow rate QA to the
上述したように、車両の減速時には、いずれか一方のポンプモータ12,13が出力軸16側から入力される車両の走行慣性力によって駆動され、ポンプとして機能し、その結果として生じた油圧がアキュムレータ40に回収されるので、エネルギの有効利用を図ることができる。この発明に係る制御装置においては、その回収制御の際に、閉回路CCからアキュムレータ40に対して圧油が流出するものの、チャージポンプ33によって圧油が補給され、またモータとして機能するポンプモータ13,12に対する圧油の流量が減少しても、変速比γを維持するようにその押出容積が制御されるので、蓄圧に伴って変速が生じたり、それに伴って駆動トルクが変化するなどの違和感を防止もしくは抑制することができる。
As described above, when the vehicle is decelerated, either one of the
なお、アキュムレータ40に蓄えられた油圧は、例えば車両が発進する際に駆動トルクをアシストするように使用され、あるいは潤滑などに有効利用される。
Note that the hydraulic pressure stored in the
上述した図1に示す蓄圧制御を行った場合における各ポンプモータ12,13での流量Qpm1,Qpm2、および押出容積qpm1,qpm2、ならびにアキュムレータ40に対する圧油の流量QAの変化を図2にタイムチャートで示してある。制動状態が検出されたt1時点に蓄圧制御が開始され、アキュムレータ40に対して油圧が供給され始める。すなわちアキュムレータ40に対する流量QAが次第に増大し、それに伴って各ポンプモータ12,13での流量が次第に減少する。その場合、前述したいわゆる固定変速比(固定変速段)である第2速と第3速との間の変速比が設定されている状態では、第1ポンプモータ12がポンプとして機能し、その吐出量Qpm1が次第に減少し、また第2ポンプモータ13がモータとして機能し、その吸入量Qpm2が、第1ポンプモータ12の吐出量Qpm1よりも大きく減少する。それに伴って各押出容積qpm1,qpm2は、蓄圧制御開始時の変速比γを維持し、また所期の圧力を発生するように制御され、次第に低下する。したがって、閉回路CC内を所期の圧力Pにするために、第1ポンプモータ12の押出容積qpm1は図2に符号Aで示すように変化し、また閉回路CC内を所期の圧力Pにするための第2ポンプモータ13の押出容積qpm2の変化は図2に符号Bで示すようになるが、第2ポンプモータ13の押出容積qpm2は目標変速比γを維持するためにも変化させられるので、その変化量は図2に符号Cで示すようになる。
FIG. 2 is a time chart showing changes in the flow rates Qpm1 and Qpm2 and the extrusion volumes qpm1 and qpm2 in the
アキュムレータ40に対する圧油の流量QAが一定になると(t2時点)、第1ポンプモータ12の吐出量Qpm1および第2ポンプモータ13に対する流入量Qpm2ならびに各押出容積qpm1,qpm2が一定になる。その後、制動状態から駆動状態に変化し、あるいはアキュムレータ40の圧力と閉回路CCでの高圧流路での圧力との差が所定値より小さくなると(t3時点)、蓄圧制御を終了するために、アキュムレータ40に対する流量QAが次第に減少させられ、それに伴って各ポンプモータ12,13での流量が次第に増大する。また、各押出容積qpm1,qpm2がその比率を維持しつつ、また閉回路CCの圧力Pが所期の圧力となるように次第に増大させられる。そして、アキュムレータ40に対する圧油の流量QAがゼロになったt4時点に蓄圧制御が終了し、前述したように切替弁41が閉位置に切り替わって、アキュムレータ40が閉回路CCから遮断される。
When the flow rate QA of the pressure oil to the
上述した制御例は、制動時の走行慣性力によって一方のポンプモータ12,13が駆動されて発生する油圧を回収する例であるが、動力源1が出力する動力で走行している駆動状態においてもアキュムレータ40に蓄圧してエネルギを回収してもよい。走行に必要な動力以上の動力を動力源1が出力する場合があるからである。その場合の制御例を図3にフローチャートで示してある。
The above-described control example is an example in which one of the
駆動状態における各ポンプモータ12,13の機能は、前述した被駆動状態(制動状態)での機能とは反対になり、例えば固定変速比である第2速の変速比と第3速の変速比との間の変速比が設定されている場合、第2ポンプモータ13が動力源から伝達される動力で回転してポンプとして機能し、その第2ポンプモータ13から吐出された相対的に高圧の油圧が油路14を介して第1ポンプモータ12に供給されてこれがモータとして機能する。したがって、駆動状態での蓄圧制御は、被駆動状態での制御に対して、このような各ポンプモータ12,13の機能の入れ替えに伴う変更があるのみであり、基本的には、被駆動状態とほぼ同様に制御されるから、図3に示す制御については図1に示す制御と異なる部分を主に説明し、図1に示す制御と同様の部分には図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
The functions of the
駆動状態で蓄圧を行う場合、制動状態でないことによりステップS2で否定的に判断され、それに伴ってアキュムレータ40の残圧(もしくは油量)が予め定めた規定量以上か否かが判断される(ステップS21)。その残圧(もしくは油量)が規定量以上であることによりステップS21で肯定的に判断された場合には、蓄圧を行う必要がないので、あるいは蓄圧を行うアキュムレータ40の余裕がないので、ステップS2に戻る。これに対して残圧(もしくは油量)が規定量未満になっていることによりステップS21で肯定的に判断された場合には、ステップS4に進んで、切替弁41の弁体を図1の左側に移動させてアキュムレータ40をこの場合における高圧油路である油路14に連通させる。その後、流量制御弁44を次第に開いてアキュムレータ40に対する流量を次第に増大させ(ステップS5)、また各ポンプモータ12,13の押出容積qpm1,qpm2を制御する(ステップS6)。
When accumulating in the driving state, it is determined negative in step S2 because it is not in the braking state, and accordingly, it is determined whether or not the residual pressure (or oil amount) of the
この場合、第2速の変速比と第3速の変速比との間の変速比が設定されている駆動状態では第1ポンプモータ12がモータとして機能するので、アキュムレータ40で蓄圧を行うことによりこの第1ポンプモータ12に対する流入量が減少するので、それに伴う変速比γの変化を防止するために第1ポンプモータ12の押出容積qpm1が制御される。すなわち、変速比γを維持するための第1ポンプモータ12の押出容積qpm1’が算出される(ステップS23)。これは、前述した(7)式で、qpm2’をqpm1’に、Qpm1をQpm2に、Npm2をNpm1にそれぞれ置き換えた演算式で求めることができる。また、目標圧力Pを得るための押出容積qpm1”,qpm1’は前述した(10)式を利用して求めることができる。
In this case, since the
したがって、駆動状態においても、変速比γを変化させることなくアキュムレータ40に蓄圧してエネルギを回収することができる。また、前述した被駆動状態での蓄圧と同様に、アキュムレータ40には予め設定した目標圧力で蓄圧できるので、蓄えた油圧を使用する場合に安定した油圧を得ることができる。
Therefore, even in the driving state, energy can be recovered by accumulating pressure in the
駆動状態で行っている蓄圧制御を終了する場合の条件は、車両が制動状態になること、およびアキュムレータ40と高圧油路との圧力差が所定値より低くなることである。したがって、蓄圧の開始に伴って各押出容積qpm1,qpm2の制御を開始した後に制動状態になったか否かが判断される(ステップS17)。また、第2速の変速比と第3速の変速比との間の変速比が設定されている駆動状態では、油路14が高圧流路となっているから、蓄圧終了の判断のための圧力差は、油路14の圧力とアキュムレータ40の圧力との差が採用され、これが所定値より小さいか否かが判断される(ステップS18)。他の制御は、図1に示す例と同様である。
The conditions for ending the pressure accumulation control performed in the driving state are that the vehicle is in a braking state and that the pressure difference between the
したがって、駆動状態においても変速比を変化させることなく蓄圧を行うことができる。また、その蓄圧は、アキュムレータ40の残圧あるいは油量が少なくなった場合に限って行うので、無駄に動力を消費したり、それが原因で燃費が悪化するなどの事態を未然に回避もしくは抑制することができる。
Therefore, pressure accumulation can be performed without changing the gear ratio even in the driving state. Further, since the pressure accumulation is performed only when the residual pressure of the
ここで上述した各具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、前述したステップS8を実行する機能的手段がこの発明の目標変速機算出手段に相当し、ステップS6ないしステップS15を実行する機能的手段がこの発明における押出容積制御手段に相当し、ステップS14を実行する機能的手段がこの発明の目標圧力設定手段に相当し、ステップS17およびステップS18を実行する機能的手段がこの発明の蓄圧終了手段に相当し、さらにステップS21を実行する機能的手段がこの発明の回収制御手段に相当する。 Here, the relationship between each of the specific examples described above and the present invention will be briefly described. The functional means for executing step S8 described above corresponds to the target transmission calculating means of the present invention, and executes steps S6 to S15. The functional means corresponds to the extrusion volume control means in the present invention, the functional means for executing step S14 corresponds to the target pressure setting means of the present invention, and the functional means for executing steps S17 and S18 of the present invention. The functional means that corresponds to the pressure accumulation end means and further executes step S21 corresponds to the recovery control means of the present invention.
なお、この発明は上述した各具体例に限定されないのであり、第2速の変速比と第3速の変速比との間の変速比以外の変速比が設定されている状態で蓄圧を行う場合にも適用することができる。また、ギヤ比が同じ動力分割機構としての差動機構を使用する構成以外に、ギヤ比が異なる差動機構を動力分割機構として使用してもよい。さらに、上記の具体例では、差動機構およびポンプモータならびに中間軸を含む動力伝達系統を二組用いた構成を示したが、この発明で対象とする変速機は、三組以上の動力伝達系統を用いて構成してもよい。そして、蓄圧もしくはエネルギの回生は、被駆動状態と駆動状態との両方で行う構成以外に、被駆動状態と駆動状態とのいずれか一方のみで蓄圧を行うように構成してもよく、したがってこの発明における切替弁は、要は、高圧流路と蓄圧器とを選択的に連通させることのできる弁であればよい。 The present invention is not limited to the specific examples described above, and pressure accumulation is performed in a state where a speed ratio other than the speed ratio between the second speed ratio and the third speed ratio is set. It can also be applied to. In addition to the configuration using the differential mechanism as the power split mechanism having the same gear ratio, a differential mechanism having a different gear ratio may be used as the power split mechanism. Further, in the above specific example, a configuration using two sets of power transmission systems including a differential mechanism, a pump motor, and an intermediate shaft is shown. However, the transmission targeted by the present invention includes three or more sets of power transmission systems. You may comprise using. In addition to the configuration in which the pressure accumulation or energy regeneration is performed in both the driven state and the driving state, the pressure accumulation may be performed only in either the driven state or the driving state. The switching valve in the invention may be any valve that can selectively communicate the high-pressure channel and the accumulator.
1…動力源(E/G)、 2…入力部材、 3…第1遊星歯車機構、 4…第2遊星歯車機構、 8…第1中間軸、 10…第2中間軸、 12…第1ポンプモータ、 13…第2ポンプモータ、 14,15…油路、 16…出力軸(出力部材)、 17,18,19,20…ギヤ対(伝動機構)、 22,23,24,25…シンクロナイザー(切替機構)、 33…チャージポンプ、 40…アキュムレータ(蓄圧器)、 41…切替弁、 50…電子制御装置(ECU)、 CC…閉回路、 TM…変速機、 Ve…車両。
DESCRIPTION OF
Claims (9)
いずれか一方の前記可変容量型ポンプモータが吐出した相対的に高圧の圧力流体を他方の可変容量型ポンプモータに供給する高圧流路に開閉機能のある切替弁を介して連通された蓄圧器と、
設定するべき目標変速比を求める目標変速比算出手段と、
前記高圧流路から前記蓄圧器に圧力流体を供給して蓄圧する際に前記各可変容量型ポンプモータの押出容積同士の比率を前記目標変速比算出手段で求められた目標変速比を設定する値に維持する押出容積制御手段と
を備えていることを特徴とする可変容量型ポンプモータ式変速機の制御装置。 At least two differential mechanisms to which variable displacement pump motors that selectively provide reaction torque and drive torque are respectively connected are connected in parallel to the power source, and the differential mechanism and the output member A variable displacement pump motor type transmission in which a transmission mechanism is provided between the variable displacement pump motors, the variable displacement pump motors communicate with each other via a closed circuit, and a charge pump for supplying fluid to the closed circuit is provided. In the control device of
A pressure accumulator communicated via a switching valve having an opening / closing function to a high pressure flow path for supplying a relatively high pressure fluid discharged from one of the variable displacement pump motors to the other variable displacement pump motor; ,
Target gear ratio calculating means for obtaining a target gear ratio to be set;
A value for setting the target speed ratio obtained by the target speed ratio calculating means for the ratio between the extrusion volumes of the variable displacement pump motors when the pressure fluid is supplied from the high pressure flow path to the pressure accumulator to accumulate pressure. And a control device for the variable displacement pump motor type transmission.
前記押出容積制御手段は、前記各可変容量型ポンプモータの押出容積の和を、前記比率を維持しつつ、前記目標圧力設定手段で設定された目標圧力となるように制御する手段を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の可変容量型ポンプモータ式変速機の制御装置。 Further comprising target pressure setting means for setting a target pressure to be stored in the pressure accumulator,
The extrusion volume control means includes means for controlling the sum of the extrusion volumes of the variable displacement pump motors to be the target pressure set by the target pressure setting means while maintaining the ratio. 2. The control apparatus for a variable displacement pump motor type transmission according to claim 1, wherein the control apparatus is a variable displacement pump motor type transmission.
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CN112664511A (en) * | 2020-11-30 | 2021-04-16 | 北京精密机电控制设备研究所 | Servo mechanism energy loop modeling method suitable for pneumatic motor driving |
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2008
- 2008-01-31 JP JP2008022046A patent/JP2009180357A/en active Pending
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