JP2009177961A - 無停電電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】系統電圧異常検出回路12が電力系統1の異常を検出したとき、電圧制御回路11からの電圧指令値を制御指令信号として電力変換器4に送出するとともに、系統電圧異常検出回路12が電力系統1の異常を検出した時点からオフ検出回路19が系統連系スイッチ3のオフ動作を検出した時点の間は、電流制御回路15からの電流指令値を電圧指令値に加算した値を制御指令信号として電力変換器4に送出する。
【選択図】図1
Description
図15は、例えば、特許文献1に示された、従来の無停電電源装置の構成例を示す回路図である。図15において、電力系統1に対して、サイリスタ等の自己消弧能力を持たない半導体素子で構成した系統連系スイッチ3を介して負荷2が接続されている。また、負荷2と並列に電力変換器4が接続され、さらに、電力変換器4の直流側には、充放電可能な直流電源5が接続されている。
交流電力系統が異常でないときは、連系時指令値発生回路からの連系時指令値を制御指令信号として電力変換器に送出し、
系統異常検出回路が交流電力系統の異常を検出したときは、電圧制御回路からの電圧指令値を制御指令信号として電力変換器に送出するとともに、系統異常検出回路が交流電力系統の異常を検出した時点からオフ検出回路が系統連系スイッチのオフ動作を検出した時点の間は、電流制御回路からの電流指令値を電圧指令値に加算した値を制御指令信号として電力変換器に送出するようにしたものである。
図1は、本発明の実施の形態1による無停電電源装置を示す構成図である。図において、電力系統1と負荷2との間には、サイリスタ等の自己消弧能力を持たないスイッチング素子で構成された系統連系スイッチ3が接続されている。また、直流電源5と負荷2との間には、制御指令信号に基づき直流交流間の電力変換を行う電力変換器4が接続されている。更に、電力系統1の異常、例えば、その電圧の異常を検出する系統電圧異常検出回路12、系統連系スイッチ3の電流を検出する系統連系スイッチ電流検出器14、系統連系スイッチ3のオフ動作を検出するオフ検出回路19、電力系統1が異常でなく電力変換器4を電力系統と連系運転させるときの連系時指令値を作成する連系時指令値発生回路7、負荷2の電圧を所望の値に制御するための電圧指令値を作成する電圧制御回路11、および系統連系スイッチ電流検出器14の出力に基づき系統連系スイッチ3の電流を零に低減するための電流指令値を作成する電流制御回路15を備えている。
加算器17の出力は、連系時指令値発生回路7の出力と共に選択スイッチ18の入力に接続している。選択スイッチ18は、系統電圧異常検出回路12の出力にしたがって動作するものであり、電力系統1が正常な場合には、連系時指令値発生回路7からの出力を選択して変換器制御回路8へ送出し、電力系統1の異常が検出されると、加算器17からの出力を選択する。開閉スイッチ16は、系統連系スイッチ3のオフ状態を検出するオフ検出回路19の出力にしたがって開閉動作するものであり、電力系統1が健全であるなど系統連系スイッチ3がオンの場合は閉路状態であるが、系統連系スイッチ3のオフが検出されると開閉スイッチ16は開路状態となり、その結果、加算器17は電圧制御回路11からの入力をそのまま出力する。
これは、本装置を、その本来の無停電電源としてのみ動作させる場合に相当する。即ち、電力系統1の正常時は負荷2に対して何の動作も行わず、停電時に初めて動作して負荷2に電力を供給する。但し、直流電源5である蓄電装置は、停電時に備えて十分な電力を貯蔵しておく必要があり、その電力は電力系統正常時に電力系統1から充電することになる。したがって、連系時指令値発生回路7は、直流電源5の充電状態に応じ連系時指令値として充電電流指令値を決定する。この充電電流指令値を選択スイッチ18を経て変換器制御回路8に送出することにより、電力変換器4は、変換器電流検出器6の電流が上記充電電流指令値に追従する動作を行い蓄電装置の蓄電量が所定の値に保持される。
以上のように、電力系統正常時は、連系時指令値発生回路7で作成される連系時指令値に基づき、上述した充放電制御や高調波電流補償制御、更には、両者を併せた制御動作がなされる。
ここで、電圧制御回路11は、電力系統正常時に、負荷電圧検出器10で検出した電圧の振幅、周波数、位相を常にモニタする動作を行い、電力系統の異常を検出すると、正常時の電圧が維持できるように電圧指令値を出力する。
厳密には、事故前に負荷2へ流れていた分以上の電流が負荷2へ流れようとすると、負荷2のインダクタンス成分で誘導起電力が発生し、負荷電圧が若干変化して残りの電流が電力系統1へ流れることになる。この残りの電流が系統連系スイッチ3に流れていた電流と向きが異なる逆電流となり、連系スイッチ電流のオフを早めることになる訳である。
図3では、増幅器20のゲインKを1としているが、事故が発生してから約1msで連系スイッチ電流を遮断して系統連系スイッチ3がオフとなり、事故発生から約2ms後には負荷電圧が歪みのない波形となっている。
なお、同じ条件においてゲインKを15とした場合のシミュレーション波形を図6に示す。ゲインKが大きすぎるために、連系スイッチ電流が遮断される前の出力電圧が大きく変動し、事故発生から出力電圧の歪み時間が長くなっている。したがって、応答は増幅器20のゲインKによって変わる。
図7は、この発明の実施の形態2による無停電電源装置に適用する電流制御回路15Aの構成を示す図である。
サイリスタスイッチを適用する場合、サイリスタに流れる順方向電流が零になった後も、順方向阻止能力を回復するまでに一定の時間が必要であり、これを確実に行うためには一定の時間、逆方向に電流を流すことが望ましい。すなわち、連系スイッチ電流と逆向きの電流を電力変換器4から出力して連系スイッチ電流を減少させているが、連系スイッチ電流が零になった後も、電力変換器4からさらに逆方向のまま電流を出力するとサイリスタスイッチを確実にオフすることができる。図2に示した電流制御回路15の構成では、連系スイッチ電流が零になると電流指令値も零になるが、実際のシステムでは系統連系スイッチ電流検出器14の検出遅れや出力電流制御の遅れによって、連系スイッチ電流が零になっても、電力変換器4から出力される電流はすぐに零にはならない。しかしながら、検出器や制御回路、主回路の設計によっては系統連系スイッチ3が完全にオフするまで、電力変換器4から電流が出続けない場合も考えられる。
実施の形態2では、電流制御回路15Aにおいて遅延回路21を備えたが、図9の電流制御回路15Bに示すように、遅延回路21の替わりに所定のオフセット回路22の出力と定数倍した連系スイッチ電流とを加算器23で加算するようにしても良い。この場合は、連系スイッチ電流と電流指令値との関係が、図10、11に示すようになり、連系スイッチ電流の流れる向きが逆になっても、電流指令値の向きは変わらないため、連系スイッチ電流を速やかに零にするとともにサイリスタスイッチのオフが確実になされる。
実施の形態2では、電流制御回路15Aにおいて遅延回路21を備えたが、図12の電流制御回路15Cに示すように、遅延回路21の替わりに最小値リミット回路24を備えてもよく、この場合は、図13に示すように、定数倍した連系スイッチ電流が、所定の値よりも小さくなった時に、所定の電流値に制限され、図14に示すように、連系スイッチ電流の流れる向きが逆になっても電流指令値の向きは変わらないため、連系スイッチ電流を速やかに零にするとともにサイリスタスイッチのオフが確実になされる。
6 変換器電流検出器、7 連系時指令値発生回路、8 変換器制御回路、
9 ゲートドライブ回路、10 負荷電圧検出器、11 電圧制御回路、
12 系統電圧異常検出回路、13 系統連系スイッチ制御回路、
14 系統連系スイッチ電流検出器、15,15A,15B,15C 電流制御回路、
16 開閉スイッチ、17 加算器、18 選択スイッチ、19 オフ検出回路、
20 増幅器、21 遅延回路、22 オフセット回路、23 加算器、
24 最小値リミット回路。
Claims (7)
- 交流電力系統と負荷との間に挿入された、自己消弧能力を持たないスイッチング素子で構成された系統連系スイッチ、直流電源と上記負荷との間に接続され制御指令信号に基づき直流交流間の電力変換を行う電力変換器、上記交流電力系統の異常を検出する系統異常検出回路、上記系統連系スイッチの電流を検出する系統連系スイッチ電流検出器、上記系統連系スイッチのオフ動作を検出するオフ検出回路、上記交流電力系統が異常でなく上記電力変換器を上記交流電力系統と連系運転させるときの連系時指令値を作成する連系時指令値発生回路、上記負荷の電圧を所望の値に制御するための電圧指令値を作成する電圧制御回路、および上記系統連系スイッチ電流検出器の出力に基づき上記系統連系スイッチの電流を零に低減するための電流指令値を作成する電流制御回路を備え、
上記交流電力系統が異常でないときは、上記連系時指令値発生回路からの上記連系時指令値を上記制御指令信号として上記電力変換器に送出し、
上記系統異常検出回路が上記交流電力系統の異常を検出したときは、上記電圧制御回路からの上記電圧指令値を上記制御指令信号として上記電力変換器に送出するとともに、上記系統異常検出回路が上記交流電力系統の異常を検出した時点から上記オフ検出回路が上記系統連系スイッチのオフ動作を検出した時点の間は、上記電流制御回路からの上記電流指令値を上記電圧指令値に加算した値を上記制御指令信号として上記電力変換器に送出するようにした無停電電源装置。 - 上記電流制御回路は、上記系統連系スイッチ電流検出器の出力に所定の定数を乗じて上記電流指令値として出力する増幅器で構成したことを特徴とする請求項1記載の無停電電源装置。
- 上記電流制御回路は、上記電流指令値の出力を所定の時間遅らせる遅延回路を備えたことを特徴とする請求項2記載の無停電電源装置。
- 上記電流制御回路は、上記電流指令値に所定のオフセットを加算して出力するオフセット回路を備えたことを特徴とする請求項2記載の無停電電源装置。
- 上記電流制御回路は、上記電流指令値が所定の最小値未満とならないよう上記電流指令値の出力を制限する最小値リミット回路を備えたことを特徴とする請求項2記載の無停電電源装置。
- 上記直流電源を充放電可能な蓄電装置とし、
上記連系時指令値発生回路は、上記蓄電装置の蓄電量が所定の値に保持されるよう、上記電力変換器による充放電電流を制御するための指令値を上記連系時指令値として作成するようにしたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の無停電電源装置。 - 上記負荷から流出する高調波電流を検出する手段を備え、
上記連系時指令値発生回路は、上記高調波電流を相殺するための、上記電力変換器による高調波補償電流を制御するための指令値を上記連系時指令値として作成するようにしたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の無停電電源装置。
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