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JP2009175881A - 無線接続される外部記憶装置に対するアクセス方法およびコンピュータ - Google Patents

無線接続される外部記憶装置に対するアクセス方法およびコンピュータ Download PDF

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JP2009175881A JP2008011871A JP2008011871A JP2009175881A JP 2009175881 A JP2009175881 A JP 2009175881A JP 2008011871 A JP2008011871 A JP 2008011871A JP 2008011871 A JP2008011871 A JP 2008011871A JP 2009175881 A JP2009175881 A JP 2009175881A
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Abstract

【課題】無線接続されたHDDに対して生じるサプライズ・リムーバルに安全に対処できる携帯式コンピュータを提供する。
【解決手段】HDD24は携帯式コンピュータ10に無線拡張装置100を経由して無線で接続される。最初にHDDと携帯式コンピュータの無線通信経路を構成する。つづいて、携帯式コンピュータからHDDにアクセスしてファイルを読み出して編集する。つぎに、携帯式コンピュータがHDDから離れることを示すリムーバル情報を生成する。リムーバル情報は携帯式コンピュータに生じた加速度を検出して生成することができる。リムーバル情報が生成されたことに応答してHDDをイジェクトすることにより、編集中のデータはサプライズ・リムーバルが発生する前にセーブされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線で接続された外部記憶装置からコンピュータが無線通信圏外まで離れるときの状態を制御する技術に関する。
IEEE802委員会のもとで802.15規格としてWPAN(Wireless Personal Area Network)の規格標準化が行われている。WPANで採用される通信方式の一つにUWB(Ultra Wide Band)という高速な短距離通信方式がある。UWBの仕様では、通信距離が半径10m以内では110Mbpsで半径3m以内では480Mbpsで通信できることになっている。
近年、ノートブック型パーソナル・コンピュータ(以下、ノートPCという。)でもUWBの無線共通プラットフォームを利用して、ディジタル家電、モバイル機器または周辺装置との接続を行うようになってきている。この無線共通プラットフォームは、UWB物理層とUWB−MAC層で構成されている。そして、UWBの無線共通プラットフォームをワイヤレスUSB(WUSB:Wireless Universal Bus)やワイヤレスIEEE1394といったさまざまなアプリケーションやプロトコルで共有するために、UWB−MAC層の上にコンバージェンス層が規定されている。
ノートPCの周辺装置の一つとして、ポート・リプリケータ(Port Replicator)という機能拡張装置が存在する。ポート・リプリケータは、シリアル・ポート、パラレル・ポートおよびイーサネット(登録商標)・コネクタなどの接続端子を備えており、机上にポート・リプリケータを配置してこれに使用頻度の少ない周辺装置をあらかじめ接続しておくことができる。そして、ノートPCの本体は小型・軽量化を図りながらモバイル環境で使用できるようにするとともに、オフィス環境ではノートPCをポート・リプリケータに接続してデスクトップ・コンピュータなみの機能を利用できるようにしている。
特許文献1は、ドッキング・ステーションとPCとの間でメカニカルなロック機構がない場合に、サスペンドまたはハイバネーションに入る前にデバイス・ドライバをアンロードし、サスペンド中にPCがドッキング・ステーションからアンドックされてもPCが単独で動作できるようにする技術を開示する。特許文献2は、サスペンド中にCD−ROMを取り外した後にレジュームするとコンピュータの稼働を再開できないという問題を解決するために、レジューム時にCD−ROM装置の接続状況を確認してその後のCD−ROM装置へのアクセスを制御する技術を開示する。
特許文献3は、ドッキング・ステーションとコンピュータとの間が通信状態であることをLEDの発光状態でユーザに通知する技術を開示する。特許文献4は、ドッキング・ステーションに対するアクセスが継続しているときにはセーフティ・リムーブ処理を中断し、ドッキング・ステーションの取り外しができない旨のメッセージを表示する方法を開示する。
特開2001−167038号公報 特開2000−47763号公報 特開2004−282722号公報 特開2006−301770号公報
近年ポート・リプリケータとノートPCを、UWBの無線プラットフォームを利用して接続したワイヤレス・ポート・リプリケータあるいはワイヤレス・ドッキング・ステーション(以後、両者を含めてWPRという。)が開発されている。WPRには、磁気ディスク装置(以後、HDDという。)を有線で接続することができる。ユーザは、HDDからファイルを読み出して編集したり、ノートPCで新規にファイルを作成してHDDに書き込んだりする。そして、HDDに対してファイルを書き込む前に、あるいは、HDDからファイルの読み出しが完了する前にノートPCを持ってWPRから離れてしまう場合がある。
ノートPCとポート・リプリケータを無線で接続することは、ユーザを物理的な接続の煩雑さから解放して快適な作業環境を与える一方で、ユーザはノートPCがWPRに接続されているという意識が希薄になり、編集中のデータを保存する前や読み出し中のファイルの読み出しが完了する前にノートPCを無線通信圏外まで持ち出すいわゆるサプライズ・リムーバルが発生する可能性を高める。UWBの通信距離は半径10メートル程度あるが、ノートPCとWPRの距離がUWBの通信距離を超えるとノートPCとHDDの無線通信経路は切断されてしまうため、持ち出し先で読み出しにかかるデータを得ることができなかったり、HDDに保存できないため編集したデータに対する操作を誤ってデータが消失してしまったりする場合がある。
ノートPCとポート・リプリケータが有線で接続されている場合には、ポート・リプリケータをイジェクトする際にHDDに対する接続が切断されることを認識し易いため、ユーザに対して、事前に編集中のデータを保存したり読み出し中のデータが完全に読み出されることを確認したりすることが期待できる。また、着脱にイジェクト・ボタンの操作を伴うようにすることができるため、イジェクト・ボタンを機械的にロックしておき、イジェクト処理が完了する前にはロックを解除できないようにすることも可能である。
しかし、ノートPCとポート・リプリケータを無線で接続する場合は、有線で接続する場合と同様に対処することはできない。さらに、サプライズ・リムーバルの問題は、WPRに接続された状態でサスペンドやハイバネーションに移行させた後にノートPCを無線通信圏外まで持ち出してからレジュームする場合にも発生する。
そこで本発明の目的は、無線接続された外部記憶装置に対するサプライズ・リムーバルの発生を防ぐことができる、携帯式コンピュータによるアクセス方法を提供することにある。さらに本発明の目的はそのようなアクセス方法を実現する携帯式コンピュータおよびコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明の第1の態様は、無線で接続される外部記憶装置に対して携帯式コンピュータが実行するアクセス方法を提供する。最初に、携帯式コンピュータが外部記憶装置と自らの無線通信経路を構成する。そして、携帯式コンピュータから外部記憶装置にアクセスする。アクセスの内容には、アプリケーションが外部記憶装置からファイルを読み出して編集することを含む。つづいて、携帯式コンピュータが外部記憶装置から離れることを示すリムーバル情報を携帯式コンピュータが生成する。リムーバル情報は、携帯式コンピュータと外部記憶装置の距離が離れる可能性があることを示す情報であり、距離が離れることの前提となる携帯式コンピュータの姿勢の変化を加速度で捕えたり、直接距離の変化を電波の強弱で捕らえたりして生成することができる。そして携帯式コンピュータはリムーバル情報が生成されたことに応答して外部記憶装置をイジェクトする。
イジェクトは、外部記憶装置と携帯式コンピュータの無線通信経路を安全に切断する操作である。したがって、編集中で未保存のデータや読み出しが未了のデータがある場合には外部記憶装置は保存や読み出しが完了してから切断される。リムーバル情報に基づいてすみやかにイジェクトすることにより、サプライズ・リムーバルが発生して無線通信圏外で編集中のデータが消失したり、読み出されているべきファイルが読み出されていなかったりといったような問題を回避することができる。
このような構成を採用しても、リムーバル情報が生成されてから外部記憶装置のイジェクトが完了するまでの間にユーザが急いで携帯式コンピュータを無線通信圏外まで持ち出すことにより、サプライズ・リムーバルが発生することも予想される。これに対しては、リムーバル情報が生成されたことに応答してユーザにアラートを通知するようにしてユーザの注意を喚起することで対処することができる。アラートは編集中のデータが保存されたことに応答して停止させるようにすると、ユーザは携帯式コンピュータが安全に無線通信圏外に持ち出せる状態になったことを認識することができる。
スリープ・イベントが生成される場合には、一旦スリープ・イベントを保留して、最初にスリープ・イベントに応答して外部記憶装置をイジェクトする。そしてイジェクトが完了したことに応答してスリープ・イベントを実行する。その結果、スリープ状態でサプライズ・リムーバルが発生することはなくなり、レジュームしたときに操作を誤って外部記憶装置に保管すべきデータが消失する危険性がなくなる。
本発明の第2の態様では、無線で接続される外部記憶装置に対して携帯式コンピュータが実行する他のアクセス方法を提供する。外部記憶装置と前記携帯式コンピュータの無線通信経路を構成し、さらに、外部記憶装置に記憶されたファイルを読み出して編集する。そして、携帯式コンピュータが外部記憶装置から離れることを示すリムーバル情報を生成すると、リムーバル情報が生成されたことに応答して編集中のデータを外部記憶装置に保存する。したがって、イジェクト処理をしないでサプライズ・リムーバルの発生を防止することができる。
本発明により、無線接続された外部記憶装置に対するサプライズ・リムーバルの発生を防ぐことができる、携帯式コンピュータによるアクセス方法を提供することができた。さらに本発明によりそのようなアクセス方法を実現する携帯式コンピュータおよびコンピュータ・プログラムを提供することができた。
図1は、本発明の実施形態にかかるノートPC10および無線拡張装置100の外形図である。ノートPC10は、システム筐体11にキーボードおよびポインティング・デバイスからなる入力デバイス15を備え、ディスプレイ筐体13に液晶ディスプレイ装置(LCD)17が取り付けられている。ディスプレイ筐体13はシステム筐体11にヒンジによって連結され、開閉できるようになっている。ディスプレイ筐体13には永久磁石21aが埋め込まれ、システム筐体11には永久磁石21aとの間でスイッチ回路を構成するリッド・センサ21bが埋め込まれている。
図1(A)は、ディスプレイ筐体13が開かれて、LCD17と入力デバイス15がユーザ・インターフェースとなってノートPC10が使用されるときの状態を示している。図1(B)は、ディスプレイ筐体13が閉じられている状態を示す。ディスプレイ筐体13が閉じられた状態は、通常はノートPC10が動作を停止しているときであるが、無線拡張装置100を使用するときにはノートPC10は閉じられた状態で動作する場合もある。
図1(C)は、無線拡張装置100に複数のデバイスが接続された状態を示している。無線拡張装置100は、ドッキング・ステーションまたはポート・リプリケータなどといわれるノートPC10の機能拡張装置であり、ノートPC10とはWUSB(Wireless Universal Serial Bus)で接続され、さらにLANポート、モデム・ポート、USBポート、VGAポート、およびPS/2ポートなどの複数のポートを備えている。LANポートは、有線LAN22にイーサネット・ケーブルで接続され、モデム・ポートは、モデム・ケーブルで公衆電話回線23に接続される。
USBポートにはUSBインターフェースの外付けのHDD24やその他のUSBデバイスが接続され、VGAポートには外付けのディスプレイ装置25が接続され、PS/2ポートには外付けのキーボード26および外付けのマウス27が接続される。ノートPC10は、ディスプレイ筐体13が開かれた状態および閉じられた状態のいずれの場合でも、無線拡張装置100と通信して、有線LAN22に接続したりキーボード26を使用したりすることができる。たとえば、図1(B)の状態で無線拡張装置100とノートPC100を無線で接続して、ディスプレイ装置25、キーボード26、およびマウス27がユーザ・インターフェースとなって、ノートPC10からHDD24にアクセスすることもできる。
図2は、ノートPC10に実装されたハードウエアの構成を示す概略ブロック図である。CPU31は、ノートPC10の中枢機能を担う演算処理装置で、オペレーティング・システム(OS)、BIOS、デバイス・ドライバ、あるいはアプリケーション・プログラムなどを実行する。CPU31は、ノース・ブリッジ33およびノース・ブリッジ33にさまざまなバスを経由して接続された各デバイスを制御する。ノース・ブリッジ33は、メイン・メモリ35へのアクセス動作を制御するためのメモリ・コントローラ機能や、CPU31と他のデバイスとの間のデータ転送速度の差を吸収するためのデータ・バッファ機能などを含む。
メイン・メモリ35は、CPU31が実行するプログラムの読み込み領域、処理データを書き込む作業領域として利用されるランダム・アクセス・メモリ(RAM)である。ビデオ・コントローラ39はノース・ブリッジ33に接続され、グラフィック・アクセラレータおよびVRAMを備えており、CPU31からの描画命令を受けて描画すべきイメージを生成してVRAMに書き込み、VRAMから読み出したイメージを描画データとしてLCD17に送る。
サウス・ブリッジ37は、ノース・ブリッジ33に接続され、さまざまな周辺入出力デバイスのインターフェースやPCIバス、PCI_Expressバスのポートを備えている。サウス・ブリッジ37には、各バスのスロット、LANカード45、WUSBホスト・コントローラ41、無線モジュール43、HDD42、およびUSBコネクタ47などが接続される。
LANカード45は、イーサネット規格のLANに接続するための拡張カードで、サウス・ブリッジ37にはPCIバスで接続され、さらにシステム筐体11に取り付けられたRJ45という規格のコネクタによりノートPC10を単体で使用するときに有線でLANに接続できるようになっている。
WUSBホスト・コントローラ41は、UWBの物理層とMAC層を形成するハードウエアを無線プラットフォームとしてその上位にWUSBプロトコルで定められる機能が実装される。WUSBホスト・コントローラ41は、サウス・ブリッジ37に接続されたPCIスロットに接続され、有線USBと同様にハブ・アンド・スポーク型のバスを構成してこれに接続されるWUSBデバイスを一括して制御する。制御の内容には、WUSBデバイスの接続と取り外しの検出、WUSBホスト・コントローラ41とWUSBデバイスの間の制御フローおよびデータ・フローの管理などを含む。なお、本実施の形態にかかる無線拡張装置100はWUSBデバイスとなってWUSBホスト・コントローラ41と無線で接続される。
無線モジュール43は、たとえばIEEE802.11nに準拠した多入力多出力(MIMO)の無線通信に適合しており、PCI_Express_X1バスを介してサウス・ブリッジ37に接続され、WANやLANなどの無線ネットワークとの間で行うデータ通信を制御する。サウス・ブリッジ37は、シリアルATAインターフェースおよびUSBインターフェースとしての機能も含み、シリアルATAを介してHDD42に接続される。HDD42には、OS、デバイス・ドライバ、アプリケーション・プログラムなどの周知のプログラムの他に、本実施の形態にかかるプログラムが格納される。本実施の形態にかかるプログラムの構成については図4を参照して後に説明する。
さらにサウス・ブリッジ37は、PCIバスまたはLPCバス50を介して、従来からノートPC10に使用されているレガシー・デバイス、あるいは高速なデータ転送を要求しないデバイスに接続される。LPCバス50には、エンベデッド・コントローラ(EC)49、I/Oコントローラ65、およびBIOSを格納したフラッシュROM63などが接続されている。EC49は、8〜16ビットのCPU、ROM、RAMなどで構成されたマイクロ・コンピュータであり、さらに複数チャネルのA/D入力端子、D/A出力端子、タイマー、およびディジタル入出力端子を備えている。EC49には、それらの入出力端子を介して加速度センサ51および電源装置を制御するパワー・コントローラ53が接続されており、ノートPC10の内部の動作環境の管理にかかるプログラムをCPU31とは独立して実行させることができる。
加速度センサ51は、ノートPC10がユーザにより持ち運ばれて無線拡張装置100から離れようとするときに発生する加速度を検出してアナログ信号としてEC49に出力する。EC49は、加速度センサ51から受け取った加速度情報をディジタル信号に変換して内部のRAMに記憶する。EC49とパワー・コントローラ53との間は、専用のバスであるSPI(Serial Peripheral Interface)によって接続される。
パワー・コントローラ53には、リッド・センサ21bおよびDC−DCコンバータ55が接続される。ディスプレイ筐体13が閉じられると、ディスプレイ筐体13に埋め込まれた永久磁石21aがシステム筐体11に設けられたリッド・センサ21bに接近する。リッド・センサ21bは、永久磁石21aからの磁束によりノートPC10が閉じられた状態か開かれた状態かを検出することができる。
DC−DCコンバータ55は、AC/DCアダプタ61またはバッテリ57から供給される直流電力を、ノートPC10を動作させるために必要な複数の電圧に変換し、さらに電源モードに応じて定義された電力供給区分に基づいて各々のデバイスに電力を供給する。AC/DCアダプタ61は一次側が商用電源に接続されて交流電圧を直流電圧に変換し、二次側はノートPC10に対して着脱可能である。AC/DCアダプタ61はノートPC10に接続されると、DC−DCコンバータ55とバッテリィ57を充電する充電器59に電力を供給する。
ノートPC10は、ACPI方式の省電力機能に対応している。EC49は、パワー・コントローラ53を介してDC−DCコンバータ55を制御して、ノートPC10の電源モードに応じて定義されたソフト・オフ状態、サスペンド状態、ハイバネーション状態、またはオン状態などの各電源状態に応じて動作するデバイスを選択して電力を供給することができる。サスペンド状態とは、オン状態におけるアプリケーションやシステム状態をメイン・メモリ35に記憶しておくのに必要なデバイスとその他の最小限のデバイスに電力を供給する状態をいう。
ハイバネーション状態とは、オン状態におけるアプリケーションやシステム状態をHDD42に記憶して最小限のデバイスに電力を供給する状態をいう。サスペンド状態もハイバネーション状態も作業中の状態をメイン・メモリ35やHDD42に記憶して必要のないデバイスに対する電力の供給を停止し、復帰時には直前のオン状態に短時間で移行することを可能にする省電力機能である。オン状態からサスペンド状態またはハイバネーション状態に移行することをそれぞれサスペンドまたはハイバネーションといい、サスペンド状態またはハイバネーション状態からオン状態に移行することをともにレジュームという。
本明細書においては、サスペンドおよびハイバネーションをともにスリープということにする。スリープはサスペンド状態に移行するときに、システム状態をメイン・メモリ35だけでなくHDD42にも併せて格納する場合も含む。このスリープ状態では、EC49はメイン・メモリ35に記憶された情報が利用できるときはその情報を使って短時間でレジュームし、メイン・メモリ35に記憶された情報がなんらかの原因で消失したときはHDD42に記憶された情報を使ってレジュームすることができる。
I/Oコントローラ65には、キーボードやマウスなどの入力デバイス15が接続される。フラッシュROM63は不揮発性で記憶内容の電気的な書き替えが可能なメモリであり、システムの起動および管理に使われる基本プログラムであるシステムBIOS、電源および筐体内の温度などを管理するソフトウエアである各種ユーティリティ、ノートPC10の起動時にハードウエアの試験や初期化を行うソフトウエアであるPOST(Power-On Self Test)などを格納する。
図3は、無線拡張装置100の内部構成を示すブロック図である。デバイス・ワイヤ・アダプタ(DWA:Device Wire Adaptor)101は、上りポートにUWBの無線プラットフォームを備えてWUSBホスト・コントローラ41と無線通信をし、下りポートに有線USBのインターフェースを備えて有線USBのホスト・コントローラとして動作して、有線USBデバイスをWUSBホスト・コントローラ41に無線で接続できるようにする。DWA101には、有線USBデバイスであるUSBグラフィック・コントローラ105、USBイーサネット・コントローラ107、USBモデム109、およびUSB_PS/2コントローラ111が接続される。
WUSBホスト・コントローラ41とDWA101との間では、無線転送効率を向上させるため有線USBのプロトコルよりもパケット・サイズを大きくしているが、DWA101は、WUSBのパケット・サイズと有線USBのパケット・サイズを双方向に変換する。USBグラフィック・コントローラ105にはVGA/DVI/ディスプレイ・ポート・コネクタ115が接続され、USBイーサネット・コントローラ107にはRJ45コネクタが接続され、USBモデム109にはRJ11コネクタが接続され、さらにUSB_PS/2コントローラ111には、PS/2コネクタが接続される。また、DWA101には、USBコネクタ113が接続され、これにHDD24が接続される。VGA/DVI/ディスプレイ・ポート・コネクタ115には、ディスプレイ25が接続され、RJ45コネクタには、有線LAN22に接続するイーサネット・ケーブルが接続され、RJ11コネクタには公衆電話回線23に接続するモデム・ケーブルが接続され、PS/2コネクタにはキーボード26およびマウス27が接続される。
USBグラフィック・コントローラ105はグラフィック・アクセラレータおよびVRAMを備え、CPU31からの描画命令を受けて描画すべきイメージを生成してVRAMに書き込み、VRAMから読み出した描画データをディスプレイ25に送る。USBイーサネット・コントローラ107は、イーサネットのMACフレームを生成して有線LAN22との通信を制御する。USBモデム109は音声信号とディジタル信号を双方向に変換して公衆電話回線23に対する通信を制御する。USB_PS/2コントローラ111は、PS/2規格のキーボード26およびマウス27から受け取った信号を有線USBのプロトコルに変換する。
図4は、ノートPC10において本発明を実行する主要なソフトウエアの構成を示す機能ブロック図である。これらのソフトウエアは、HDD42またはフラッシュROM63に格納されてCPU31およびEC53で実行される。WUSBイベント・サービス157は、OS上で動作するユーテリィリティ・ソフトウエアであり、本発明の中心的な役割を果たす。WUSBイベント・サービス157、SRイベント・サービス158およびアプリケーション167以外のソフトウエアは、OSやBIOSが提供する機能やデバイス・メーカが提供するソフトウエアで構成することができる。
リッド・センサ・ドライバ151は、リッド・センサ21bが永久磁石21aとの距離の変化で動作したときの開閉信号を生成するソフトウエアである。キーボード/マウス・ドライバ153は、入力デバイス15、キーボード26、またはマウス27から送られた信号を処理するソフトウエアである。グラフィック・ドライバ156は、LCD17またはディスプレイ25を制御するソフトウエアである。
加速度ドライバ159は、加速度センサ51が測定した加速度から加速度データを生成してECに出力するソフトウエアである。SRイベント・サービス158は、加速度ドライバ159から受け取った加速度データからサプライズ・リムーバルが発生する可能性を示すリムーバル情報を生成する。サプライズ・リムーバルとは、デバイスに対して無線で接続されオン状態またはスリープ状態にあるノートPCを、デバイスの安全な切断操作をしないで無線通信圏外まで持ち出すことをいう。安全な切断を行う方法にイジェクト処理がある。
イジェクト処理とはデバイスをノートPC10から物理的および論理的に安全に取り外せる状態で無線通信経路を切断する処理をいう。イジェクト処理は、デバイスが外部記憶装置の場合は編集中のデータを保存したり読み取りを開始したデータを完全にメイン・メモリ35に読み出したりした後にノートPC10から切断することを含む。SRイベント・サービス158は、机上に置かれたノートPC10がユーザにより無線通信圏外まで持ち運ばれるときの状態を加速度として検知できるような周知のアルゴリズムで構成されている。そのアルゴリズムでは、ノートPC10が机上に水平に置かれた状態からユーザにより持ち上げられたときの姿勢の変化を加速度の変化で検出できるようにしてもよい。
システム・イベント・サービス161は、設定された特別の条件でノートPC10がサスペンド状態またはハイバネーション状態に移行するスリープ・イベントを生成するソフトウエアである。システム・イベント・サービス161は、たとえば、ノートPC10に対して一定の間ユーザがアクセスしなかった場合、あるいは、バッテリィ57の電圧が所定値まで低下した場合に、サスペンドまたはハイバネーションのスリープ・イベントを生成する。スリープ・イベントは、ディスプレイ筐体13の開閉に伴うリッド・センサ・ドライバ151の機能またはユーザの操作によるキーボード/マウス/ドライバ153の機能によっても生成される。
スリープ・サービス163は、WUSBイベント・サービス157からスリープ・イベントを受け取ったときに、メイン・メモリ35およびHDD42またはそのいずれかにアプリケーション状態およびシステム状態を格納し、さらに、スリープ状態として定義されたデバイス以外のデバイスに対する電力の供給を停止するソフトウエアである。アクセス・サービス165は、WUSBイベント・サービス157からの指示に基づいて、ノートPC10に無線拡張装置100を経由して接続されているデバイスをノートPC10から切り離すイジェクト処理を行うソフトウエアである。
WUSBドライバ171、DWAドライバ173、およびHDDドライバ175は、それぞれWUSBホスト・コントローラ41、DWA101、およびHDD24を制御するソフトウエアである。アプリケーション167は、OS上で動作してHDD42またはHDD24にアクセスするソフトウエアである。
つぎに、図4のソフトウエアを実行してノートPC10がHDD24にアクセスする手順を図5のフローチャートに基づいて説明する。ブロック201では、ノートPC10がオン状態になっており図4に示したソフトウエアがCPU31またはEC53で動作している。無線拡張装置100の各コネクタには、イーサネット・ケーブル、HDD24、ディスプレイ25、キーボード26、およびマウス27が接続されている。ノートPC10と無線拡張装置100との距離がUWBの通信範囲に入ると、アクセス・サービス165は各有線USBデバイスとWUSBホスト・コントローラ41との間で相互認証を行い、アソシエーションを完了させる。アソシエーションが完了すると各有線USBデバイスとWUSBホスト・コントローラ41との間で暗号化した無線通信が可能になる。そして、WUSBドライバ171とHDDドライバ175との間にも、論理的なコネクションであるパイプが設定される。
アクセス・サービス165は、WUSBドライバ171とHDDドライバ175との間にパイプが設定されたことを認識すると、WUSBイベント・サービス157にノートPC10とHDD24との間で無線通信経路が構成されたことを示す接続情報を通知する。ノートPC10はディスプレイ筐体13が閉じた状態ではディスプレイ25、キーボード26、およびマウス27から、また開いた状態ではLCD17および入力デバイス15からHDD24にアクセスすることができる。ユーザは、アプリケーション167を通じて、HDD24に記憶されていたファイルをメイン・メモリ35に読み出して編集することができる。WUSBイベント・サービス157は、HDD24にアクセスしているアプリケーションからその識別情報を受け取り、現在どのアプリケーションがHDD24にアクセスしているかを認識する。
ここでは、ノートPC10がオン状態またはスリープ状態のときにサプライズ・リムーバルが発生することを想定する。WUSBイベント・サービス157は、スリープ・イベントが生成されていないと判断したときは、ブロック205に移行してサプライズ・リムーバルが発生する可能性を示すリムーバル情報を待ち受ける。サプライズ・リムーバルが発生するときは、通常ノートPC10がユーザに持ち上げられて揺れが発生するため、加速度センサ51はその揺れを加速度として測定する。ブロック205では、加速度センサ51が測定した加速度データを加速度ドライバ159がEC49に通知し、EC49は加速度データをRAMに記憶する。SRイベント・サービス158は、定期的にEC49から加速度データを読み取り、サプライズ・リムーバルをもたらす加速度を衝撃などの結果に基づく他の加速度から峻別してリムーバル情報を生成し、WUSBイベント・サービス157に通知する。
ブロック207では、WUSBイベント・サービス157はアクセス・サービス165からHDD24が接続されたことを示す接続情報を受け取っていない場合は、HDD24はイジェクトされていると判断する。HDD24がすでにノートPC10からイジェクトされていれば、サプライズ・リムーバルが発生することはないので特に処理をすることなくブロック221に移行して終了する。WUSBイベント・サービス157がアクセス・サービス165から接続情報を受け取っている場合は、ブロック207でHDD24が接続されていると判断してブロック209に移行する。
WUSBイベント・サービス157は、アクセス・サービス165からHDD24とノートPC10の間に無線通信経路が構成されたことを示す接続情報を受け取っている間に、SRイベント・サービス158からリムーバル情報を受け取った場合にはブロック209で、アラート・サービス156にアラート・イベントを送る。アラート・イベントを受け取ったアラート・サービス155は、図示しないLEDおよびブザーまたはそのいずれかを動作させてサプライズ・リムーバルが発生する可能性があることを示すアラートをユーザに通知する。
アラートはたとえば、ノートPC10が閉じられている場合は、ディスプレイ筐体13の表面に形成したLEDを点灯させたりブザーを鳴動させたりして通知することができる。アラート・サービス155はまた、グラフィック・ドライバ156を通じてLCD17またはディスプレイ25に、サプライズ・リムーバルが発生することによりHDD24に編集中のデータをセーブする必要があることを示す情報または読み出し中のデータを完全に読み出す必要があることを示す情報を表示する。このとき、ノートPC10が開いているときはLCD17に表示し、ノートPC10が閉じているときはディスプレイ25に表示する。
アラートによりユーザは、HDD24のイジェクト処理が完了するまでノートPC10と無線拡張装置100の無線通信を遮断しないようにする必要があることを認識する。イジェクト処理に必要な時間だけノートPC10とHDD24の無線通信経路を有効にしておくため、ユーザは一旦持ち上げたノートPC10を机上に置いたり、あるいは、移動する速度を調整したりしてサプライズ・リムーバルの発生を防ぐことができる。
ブロック211でWUSBイベント・サービス157は、アクセス・サービス165に対してHDD24をイジェクトするように指示する。指示を受けたアクセス・サービス165は、HDDドライバ175に対してHDD24を切断してよいか問い合わせる。HDDドライバ175は、HDD24にアクセスしているすべてのアプリケーションに対して自らが切断される旨を通知する。HDD24から切断の通知を受けたアプリケーション167およびその他のアプリケーションは、ブロック213で、HDD24に対する編集中のデータや読み出し中のファイルが存在する場合には、WUSBイベント・サービス157にその旨を通知してブロック215に移行し、編集中のデータや読み出し中のファイルが存在しない場合はアクセス・サービス165にその旨を通知してブロック217に移行する。
アプリケーション167から編集中のデータが存在することの通知を受けたWUSBイベント・サービス157は、ブロック215で、アプリケーション167に対して編集中のデータをセーブするように指示する。ブロック215でアプリケーション167はWUSBイベント・サービス157の指示に基づいて編集中のデータをHDD24にセーブする。さらに読み出し中のファイルがある場合は、編集中のデータのセーブと読み出し中のファイルの読み出しが完了した時点でWUSBイベント・サービス157にイジェクト許可の通知をする。
HDD24にアクセスしているすべてのアプリケーションからイジェクト許可の通知を受け取ったことを確認すると、ブロック217でWUSBイベント・サービス157はブロック209で通知したアラートを停止するようにアラート・サービス155に指示する。アラートが停止したことによりユーザはノートPC10を無線通信圏外まで持ち運んでも安全であることを認識することができる。
ブロック219では、WUSBイベント・サービス157は、アクセス・サービス165にHDD24をイジェクトするように指示する。指示を受け取ったアクセス・サービス165は、HDDドライバ175を停止し、ノートPC10からHDD24が認識でないようにしてイジェクト処理を完了する。ブロック221でアクセス・サービス165は、WUSBイベント・サービス157にHDD24の切断が完了した旨の通知を行ってオン状態におけるサプライズ・リムーバルを防ぐ処理を完了する。
ブロック203〜ブロック215の手順によれば、ユーザがノートPC10を無線通信圏外に持ち運ぶときの時間がブロック205からブロック215までの処理に費やす時間よりも長ければメイン・メモリ35に残っている編集中のデータはHDD24にセーブされるのでユーザが操作を誤ってデータが消失するようなことがなく安全である。また、ユーザがアラートを無視してノートPC10を無線通信圏外まで運び出さない限りデータは安全である。また、読み出し中のファイルはメイン・メモリ35に完全に読み出されるので、無線通信圏外でメイン・メモリ35のデータを読みとったり、HDD42に記憶したりすることができる。
ブロック203で無線拡張装置100に接続されている間にスリープ・イベントが生成された場合は、ブロック255に移行する。ノートPC10をオン状態からスリープ状態に移行させるためのイベントであるスリープ・イベントは、システム・イベント・サービス161が生成したり、リッド・センサ・ドライバ151が生成したり、または、キーボード/マウス・ドライバ153が生成したりする。ユーザはリッド・センサ・ドライバ151およびシステム・イベント・サービス161がスリープ・イベントを生成するときの条件をあらかじめ設定することができる。
たとえば、システム・イベント・サービス161はノートPC10のアイドル時間が所定値を超えたときまたはバッテリィ57の電圧が所定値より低下したときにスリープ・イベントを生成する。リッド・センサ・ドライバ151は、ディスプレイ筐体13が閉じられたときにスリープ・イベントを生成するように設定することができる。キーボード/マウス・ドライバ153は、所定のキーが操作されたときにスリープ・イベントを生成するように設定することができる。ブロック203では、いずれかの原因により生成されたスリープ・イベントがWUSBイベント・サービス157に送られる。
ブロック255では、WUSBイベント・サービス157は、アクセス・サービス165からHDD24が接続されたことを示す接続情報を受け取っていない場合は、HDD24はイジェクトされていると判断する。HDD24のイジェクトは、ブロック219の処理によるイジェクトであっても、ユーザが入力デバイス15またはマウス27を操作して行ったイジェクトでもよい。ブロック255ですでにHDD24がノートPC10からイジェクトされていればブロック269に移行する。WUSBイベント・サービス157はHDD24が接続されていると判断したときはブロック257に移行する。
WUSBイベント・サービス157は、アクセス・サービス165からHDD24とノートPC10の間に無線通信経路が構成されたことを示す接続情報を受け取っている間にシステム・イベント・サービス161、リッド・センサ・ドライバ151、またはキーボード/マウス・ドライバ153からスリープ・イベントを受け取った場合にブロック257で、アラート・サービス155にアラート・イベントを送る。アラート・イベントを受け取ったアラート・サービス155は、LEDおよびブザーまたはそのいずれかを動作させて、ノートPC10がHDD24に対してアクセスしている状態でスリープ・イベントが発生していることを示すアラートをユーザに通知する。
ユーザはこのアラートにより、イジェクト処理を完了させないでスリープ状態に移行すると無線通信圏外でレジュームしたときにメイン・メモリ35からデータが消失する可能性があることを認識することができる。WUSBイベント・サービス157はスリープ・イベントの実行を一旦保留にしてブロック259で、アクセス・サービス165に対してHDD24をイジェクトするように指示する。指示を受けたアクセス・サービス165は、HDDドライバ175に対してHDD24を切断してよいか問い合わせる。HDDドライバ175は、HDD24にアクセスしているすべてのアプリケーションに対して自らが切断される旨を通知する。HDD24から切断の通知を受けたアプリケーション167およびその他のアプリケーションは、ブロック261で、HDD24に対する編集中のデータや読み出し中のデータが存在する場合には、WUSBイベント・サービス165にその旨を通知してブロック263に移行し、編集中のデータや読み出し中のファイルが存在しない場合はアクセス・サービス165にイジェクト許可の通知をしてブロック265に移行する。
アプリケーション167から編集中のデータが存在することの通知を受けたWUSBイベント・サービス157は、ブロック261で、アプリケーション167に対して編集中のデータをセーブするように指示する。ブロック263で、アプリケーション167はWUSBイベント・サービス157の指示に基づいて編集中のデータをHDD24にセーブする。さらに読み出し中のファイルがある場合は、編集中のデータのセーブと読み出し中のファイルの読み出しが完了した時点でWUSBイベント・サービス157にイジェクト許可の通知をする。
HDD24にアクセスしているすべてのアプリケーションからイジェクトの許可を受け取ったことを確認すると、ブロック265でWUSBイベント・サービス157はブロック257で発行したアラートを停止するようにアラート・サービス155に指示する。アラートが停止したことによりユーザはノートPC10をスリープ状態でWUSBの通信圏外まで持ち運んでも安全であることを認識することができる。
ブロック267では、WUSBイベント・サービス157は、アクセス・サービス165にHDD24をイジェクトするように指示する。指示を受け取ったアクセス・サービス165はHDDドライバ175を停止して、ノートPC10からHDD24が認識でないようにしてイジェクト処理を完了する。ブロック265で行ったアラートの停止は、HDD24がイジェクトされたブロック267の後に行うようにしてもよい。アクセス・サービス165は、WUSBイベント・サービス157にHDD24の切断が完了した旨の通知を行う。
HDD24が切断されたことを確認したWUSBイベント・サービス157は、ブロック269で、スリープ・サービス163に対してノートPC10をスリープ状態に移行させるように指示する。指示を受け取ったスリープ・サービス163はノートPC10をスリープ状態に移行させて処理を終了する(ブロック271)。HDD24に対する編集中のデータが存在するときにスリープ・イベントが実行されると、未保存データはセーブされることなくノートPC10がスリープ状態に移行する。そして、無線拡張装置100に対する通信圏外でレジュームしたときにはメイン・メモリ35からデータが消失する可能性がある。
スリープ状態でリムーバル情報を生成することは、スリープ状態で加速度センサ51およびEC49に電力を供給しておけば可能である。しかし、リムーバル情報に基づいてイジェクト処理をするためには図4のソフトウエアを実行するために一旦レジュームする必要がある。レジュームには所定の時間を費やすので、リムーバル情報を生成した後にレジュームしてイジェクト処理をするには一定の時間が必要となる。しかし、ブロック203〜ブロック271の手順によれば、スリープ状態に入る前には必ずイジェクト処理が行われることになるため、スリープ状態でノートPC10を無線通信圏外まで運んでもサプライズ・リムーバルは発生しないため、レジュームしたときにユーザが操作を誤ってメイン・メモリ35から編集中のデータが消失することはなくなる。
図5の手順は、オン状態またはスリープ状態でサプライズ・リムーバルが発生する前にイジェクト処理をして、安全にHDD24を切断している。本実施の形態にかかる他の方法では、イジェクト処理を伴わないでサプライズ・リムーバルの発生を防ぐ方法を説明する。図6は、他の方法を実行するソフトウエアの構成を示す機能ブロック図である。図6が図4と異なる点は、HDD24にアクセスしていることを示すアクセス情報をすべてのアプリケーションから受け取って記憶するソフトウエアであるアクセス情報サービス169を有し、かつWUSBイベント・サービス157の処理が異なる点である。そして、WUSBイベント・サービス157は、アクセス情報サービス169が保有するデータを参照できるようになっている。
図6のソフトウエア構造に基づいてサプライズ・リムーバルを防ぐ手順を図7のフローチャートに基づいて説明する。ブロック301はブロック201と同じ内容である。ブロック303では、すべてのアプリケーションは、HDD24から読み取ったファイルを編集してHDD24に対する編集中のデータがある場合は、アクセス情報サービス169に通知する。アクセス情報サービス169は、それをアプリケーションの属性情報とともにアクセス情報としてメイン・メモリ35に記憶する。
各アプリケーションは、HDD24に対する編集中のデータをセーブしたときは、その旨をアクセス情報サービス169に通知し、通知を受け取ったアクセス情報サービス169は、当該アプリケーションに対するアクセス情報をリセットする。したがって、アクセス情報サービス169は、現在においてHDD24に対する編集中のデータが存在するアプリケーションのアクセス情報だけを保有することになる。
ブロック305はブロック203と同じで、ブロック307はブロック205と同じである。ブロック309では、WUSBイベント・サービス157は、いずれかのアプリケーションにHDD24に対する編集中のデータがあるか否かをアクセス情報サービス169に問い合わせる。いずれかのアプリケーションがHDD24に対する編集中のデータを保有している場合は、WUSBイベント・サービス157は、ブロック311でアラート・サービス155に対してアラートを発行するように指示する。アラートの内容はブロック209と同じである。
ブロック313でWUSBイベント・サービス157は、編集中のデータを保有するアプリケーションに対してそのデータをセーブするように指示すると、アプリケーションはHDD24にデータをセーブして、アクセス情報サービス169にその結果を通知する。ブロック315では、WUSBイベント・サービス157がアクセス情報サービス169に問い合わせて、HDD24に対して編集中のデータを保有するアプリケーションがないことを確認すると、アラート・サービス155を通じてアラートを停止してブロック317で終了する。
ブロック305でスリープ・イベントが発行されているときはブロック359に移行し、WUSBイベント・サービス157は、編集中のデータを保有するアプリケーションが存在するか否かをアクセス情報サービス169に問い合わせて確認する。編集中のデータを保有するアプリケーションが存在しない場合は、ブロック365に移行して、WUSBイベント・サービス157は、スリープ・サービス163に対してノートPC10をスリープ状態に移行させるように指示し、スリープ・サービス163がノートPC10をスリープ状態に移行させてブロック365で終了する。
ブロック359で編集中のデータを保有するアプリケーションが存在する場合はブロック357に移行する。ブロック357からブロック363までは、ブロック311からブロック315までの処理と同じである。図7の手順では、アクセス情報サービス169を導入することでイジェクト処理をしないで編集中のデータの消失を防ぐことができる。
これまで、ノートPC10と無線拡張装置100との間の無線通信を、WUSBを例にして説明してきたが、本発明は、物理層にUWBを利用した1394TA(Trade Association)、Bluetoothなどの他のアプリケーション層に適用することも可能である。さらに本発明はMIMO(Multiple Input Multiple Output)の無線LAN技術を利用した通信で両者を接続する場合にも適用することができる。また、無線拡張装置100では、DWA101を使用した構成を例にして説明したが、DWAを使用しないで各デバイスがWUSBの無線通信部を内蔵するいわゆるワイヤレスUSBデバイスで構成してもよい。
また、リムーバル情報はノートPC10と無線拡張装置100との距離が変化することをノートPC10が認識できるものであれば、電波や赤外線を利用して生成してもよい。これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
本発明の実施形態にかかるノートPCおよび無線拡張装置の外形図である。 ノートPC10に実装されたハードウエアの構成を示す概略ブロック図である。 無線拡張装置の内部構成を示すブロック図である。 ノートPCにおいて本発明の実施形態にかかる主要なソフトウエアの構成を示す機能ブロック図である。 図4のソフトウエアによりノートPCがHDDにアクセスする手順を示すフローチャートである。 ノートPCにおいて他の実施形態にかかる主要なソフトウエアの構成を示す機能ブロック図である。 図6のソフトウエアによりノートPCがHDDにアクセスする手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10…ノートPC
11…システム筐体
13…ディスプレイ筐体
15…入力デバイス
24…HDD
100…無線拡張装置

Claims (20)

  1. 無線で接続される外部記憶装置に対して携帯式コンピュータが実行するアクセス方法であって、
    前記外部記憶装置と前記携帯式コンピュータの無線通信経路を構成するステップと、
    前記携帯式コンピュータから前記外部記憶装置にアクセスするステップと、
    前記携帯式コンピュータが前記外部記憶装置から離れることを示すリムーバル情報を生成するステップと、
    前記リムーバル情報が生成されたことに応答して前記外部記憶装置をイジェクトするステップと
    を有するアクセス方法。
  2. 前記リムーバル情報を生成するステップが、前記携帯式コンピュータに生じた加速度を測定するステップを含む請求項1に記載のアクセス方法。
  3. 前記無線通信経路が構成されかつ前記リムーバル情報が生成されたことに応答してユーザにアラートを通知するステップを有する請求項1または請求項2に記載のアクセス方法。
  4. 前記アラートを通知するステップが、前記携帯式コンピュータの筐体が閉じられた状態で通知するステップを含む請求項3に記載のアクセス方法。
  5. 前記イジェクトするステップが、編集中のデータを前記外部記憶装置に保存するステップを含む請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のアクセス方法。
  6. 前記編集中のデータが保存されたことに応答して前記アラートを停止させるステップを含む請求項5に記載のアクセス方法。
  7. スリープ・イベントを生成するステップと、
    前記スリープ・イベントに応答して前記外部記憶装置をイジェクトするステップと、
    前記イジェクトが完了したことに応答して前記スリープ・イベントを実行するステップと
    を有する請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のアクセス方法。
  8. 前記無線通信経路が構成されかつ前記スリープ・イベントが生成されたことに応答してユーザにアラートを通知するステップを有する請求項7に記載のアクセス方法。
  9. 前記イジェクトが完了したことに応答して前記アラートを停止させるステップを有する請求項8に記載のアクセス方法。
  10. 無線で接続される外部記憶装置に対して携帯式コンピュータが実行するアクセス方法であって、
    前記外部記憶装置と前記携帯式コンピュータの無線通信経路を構成するステップと、
    前記外部記憶装置に記憶されたファイルを読み出して編集するステップと、
    前記携帯式コンピュータが前記外部記憶装置から離れることを示すリムーバル情報を生成するステップと、
    前記リムーバル情報が生成されたことに応答して編集中のデータを前記外部記憶装置に保存するステップと
    を有するアクセス方法。
  11. 前記リムーバル情報を生成するステップが、前記携帯式コンピュータに生じた加速度を測定するステップを含む請求項10に記載のアクセス方法。
  12. スリープ・イベントを生成するステップと、
    前記スリープ・イベントに応答して編集中のデータを前記外部記憶装置に保存するステップと、
    前記保存が完了したことに応答して前記スリープ・イベントを実行するステップと
    を有する請求項11に記載のアクセス方法。
  13. 外部記憶装置に無線で接続することが可能な携帯式コンピュータであって、
    前記外部記憶装置が接続されたことを認識する接続認識手段と、
    前記携帯式コンピュータが前記外部記憶装置から離れることを認識する移動認識手段と、
    前記移動認識手段の出力に応答して前記外部記憶装置をイジェクトするイジェクト手段と
    を有する携帯式コンピュータ。
  14. 前記移動認識手段が、前記携帯式コンピュータの姿勢の変化を検出する加速度センサを含む請求項13に記載の携帯式コンピュータ。
  15. スリープ・イベントを実行して前記携帯式コンピュータをスリープ状態に移行させるスリープ実行手段を有し、
    前記イジェクト手段は前記スリープ・イベントに応答して前記外部記憶装置をイジェクトし前記スリープ実行手段は前記イジェクトが完了したことに応答して前記スリープ・イベントを実行する請求項13または請求項14に記載の携帯式コンピュータ。
  16. 前記外部記憶装置は複数の外部端子を備える無線拡張装置に有線で接続され、前記携帯式コンピュータは前記無線拡張装置を経由して前記外部記憶装置に接続される請求項13ないし請求項15のいずれかに記載の携帯式コンピュータ。
  17. 外部記憶装置に無線で接続することが可能なコンピュータに、
    前記外部記憶装置と前記コンピュータを無線で接続する機能と、
    前記コンピュータから前記外部記憶装置にアクセスする機能と、
    前記コンピュータが前記外部記憶装置から離れることを示すリムーバル情報を生成する機能と、
    前記リムーバル情報が生成されたことに応答して前記外部記憶装置をイジェクトする機能と
    を実現させるコンピュータ・プログラム。
  18. さらに前記コンピュータに、
    スリープ・イベントを生成する機能と、
    前記スリープ・イベントに応答して前記外部記憶装置をイジェクトする機能と、
    前記イジェクトが完了したことに応答して前記スリープ・イベントを実行する機能と
    を実現させる請求項17に記載のコンピュータ・プログラム。
  19. 外部記憶装置に無線で接続することが可能なコンピュータに、
    前記外部記憶装置と前記コンピュータを無線で接続する機能と、
    前記外部記憶装置に記憶されたファイルを読み出して編集する機能と、
    前記コンピュータが前記外部記憶装置から離れることを示すリムーバル情報を生成する機能と、
    前記リムーバル情報が生成されたことに応答して編集中のデータを前記外部記憶装置に保存する機能と
    を実現させるコンピュータ・プログラム。
  20. 前記コンピュータ・プログラムがさらに、
    スリープ・イベントを生成する機能と、
    前記スリープ・イベントに応答して編集中のデータを前記外部記憶装置に保存する機能と、
    前記保存が完了したことに応答して前記スリープ・イベントを実行する機能と
    を実現させる請求項19に記載の携帯式コンピュータ。
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