JP2009172481A - 静電噴霧装置及びその容器への液体充填方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】容器内の液体に電圧を確実に印加させることである。
【解決手段】容器(11)の突出した口(11a)に導電部材(12)の嵌入部(12a)が嵌入され、該導電部材(12)のフランジ(12b)の凹部(12c)にノズル(20)が装着されている。そして、導電部材(12)は、嵌入部(12a)の端面が容器(11)の口(11a)の基端と面一となるように形成されている。
【選択図】図7
【解決手段】容器(11)の突出した口(11a)に導電部材(12)の嵌入部(12a)が嵌入され、該導電部材(12)のフランジ(12b)の凹部(12c)にノズル(20)が装着されている。そして、導電部材(12)は、嵌入部(12a)の端面が容器(11)の口(11a)の基端と面一となるように形成されている。
【選択図】図7
Description
本発明は、静電噴霧装置及びその容器への液体充填方法に関し、特に、電圧印加の安定化に係るものである。
従来より、電気流体力学(EHD:Electro Hydrodynamic)により液体を霧化して噴霧する静電噴霧装置が知られている。この静電噴霧装置は、例えば、細径管であるノズルの先端近傍に電界を形成し、その電界力によってノズル内の液体を霧化して噴霧するものである。
例えば特許文献1に開示されている静電噴霧装置は、液体が充填された容器(小袋)と、該容器の出口に装着された細管状のノズルとを備えている。そして、容器の出口部は、導電性材料で構成され、それを介して容器内の液体に高電圧が印可される。この静電噴霧装置では、容器が圧縮(圧迫)されて容器内の液体がノズルへ供給される。そうすると、ノズルの先端に電界が形成され、その静電気力によってノズルの先端から液体が霧状となって噴出する。
特開平05−138081号公報
ところで、上述した特許文献1の静電噴霧装置では、例えばノズルの先端を上方へ向けた状態で使用すると、容器内の液体に高電圧が適切に印可されない虞があるという問題があった。その理由について図12を参照しながら以下に説明する。
上述したような静電噴霧装置(100)では、容器(101)の出口部(102)から液体が充填され、その充填後に出口部(102)の先端にノズル保持部(103)を介してノズル(104)が装着される。ここで、液体の充填時には多少の空気が混入してしまい、容器(101)内に気泡が封入される。そうすると、ノズル(104)の先端が上方へ向く状態で使用された場合、気泡が浮上して出口部(102)に溜まる。これにより、導電性材料で構成された出口部(102)の内壁面が気泡で覆われてしまい、その内壁と液体との接触が阻害される。その結果、高電圧が液体に適切に印可されなくなり、最悪の場合液体が噴霧されなくなるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、容器の突出した出口にノズルが装着され、容器内の液体に電圧を印可してノズル先端から液体を噴霧させる静電噴霧装置において、容器内の気泡によって阻害されることなく液体への電圧印加を行うことである。
第1の発明は、外方に突出する口(11a)を有し、液体が充填される容器(11)と、後端が上記容器(11)の口(11a)に挿通されて上記容器(11)の内部に開口するノズル(20)と、上記容器(11)内の液体を上記ノズル(20)の先端に供給する流体搬送手段(8)と、上記ノズル(20)の後端が挿通されると共に、上記容器(11)の口(11a)に嵌入されて上記容器(11)内の液体に接触し、該液体に所定の電圧を印加するための導電性部材(12)とを備え、上記導電性部材(12)によって電圧を印加された液体が上記ノズル(20)の先端から噴霧されることを特徴とする静電噴霧装置である。
上記の発明では、容器(11)の突出した口(11a)の内部に導電性部材(12)が存在する。したがって、容器(11)の口(11a)が上方へ開口する状態で使用した場合、容器(11)内において気泡が浮上するが、その気泡が口(11a)内へ入り込む難くなる。よって、導電性部材(12)と容器(11)内の液体とが接触し易くなる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記導電性部材(12)は、嵌入側端面が上記容器(11)の口(11a)の基端と面一に形成されているものである。
上記の発明では、図7に示すように、容器(11)の口(11a)に嵌入されている導電性部材(12)の端面が口(11a)の基端と面一なため、容器(11)の上面(11b)が平坦面となる。したがって、容器(11)内において気泡が導電性部材(12)の端面周囲に溜まることはない。よって、導電性部材(12)と容器(11)内の液体とが確実に接触する。
第3の発明は、上記第1の発明において、上記導電性部材(12)は、嵌入側端面が上記容器(11)の口(11a)の基端よりも内方へ突出しているものである。
上記の発明では、図11に示すように、容器(11)の口(11a)に嵌入されている導電性部材(12)の端面が口(11a)の基端よりも突出しているため、少なくとも導電性部材(12)の端面周囲に気泡が溜まることはない。よって、導電性部材(12)と容器(11)内の液体とが確実に接触する。
第4の発明は、上記第1乃至第3の何れか1の発明において、上記ノズル(20)は、上記容器(11)の内部に開口する細管状のノズル本体(21)と、該ノズル本体(21)が貫通されて該ノズル本体(21)を保持するノズル保持部(22)とを備えている。そして、上記導電性部材(12)は、上記容器(11)の口(11a)に嵌入される嵌入部(12a)と、該嵌入部(12a)に連続して形成され且つ上記ノズル保持部(22)の端部が装着される凹部(12c)が形成されたフランジ(12b)とを備え、上記嵌入部(12a)およびフランジ(12b)を上記ノズル本体(21)の後端が貫通しているものである。
上記の発明では、ノズル本体(21)とノズル保持部(22)とが一体となっている。そして、ノズル保持部(22)が導電性部材(12)のフランジ(12b)に取り付けられることで、ノズル本体(21)が容器(11)の内部に開口する状態で装着される。
第5の発明は、請求項4に記載された静電噴霧装置(1)の容器(11)への液体充填方法を前提とし、上記容器(11)の口(11a)に上記導電性部材(12)が嵌入された状態で容器(11)に液体を充填し、その後、上記ノズル本体(21)の後端を上記導電性部材(12)に挿通しながら上記ノズル保持部(22)を上記導電性部材(12)のフランジ(12b)に装着する。
上記の発明では、図8や図10に示すように、容器(11)の口(11a)に導電性部材(12)が嵌入された状態で液体が充填される。その際、液体は導電性部材(12)のフランジ(12b)の凹部(12c)まで充填される。その後、導電性部材(12)のフランジ(12b)の凹部(12c)にノズル保持部(22)が装着されて充填完了となる。ここで、導電性部材(12)に形成されたノズル本体(21)の挿通孔は、容器(11)の口(11a)よりも小さい。さらに、その挿通孔には液体が充填されている。したがって、気泡が容器(11)の内部に混入し難くなる。
以上のように、本発明によれば、容器(11)の突出した口(11a)に導電性部材(12)を嵌入するようにした。したがって、容器(11)の口(11a)が上方へ向く状態で静電噴霧装置(1)を使用した場合、容器(11)内の気泡が浮上しても、その気泡が口(11a)内部に溜まるのを抑制することができる。つまり、気泡が導電性部材(12)の周囲に溜まるのを抑制できる。これにより、導電性部材(12)と液体とが接触しやすくなり、液体へ確実に電圧を印加することができる。その結果、適切な噴霧を行うことができ、静電噴霧装置(1)の信頼性を向上させることができる。
特に、第2の発明によれば、導電性部材(12)の嵌入側の端面が口(11a)の基端と面一となるようにしたので、容器(11)の上面を平坦にすることができる。これにより、気泡が導電性部材(12)の周囲に集中して溜まるのを確実に抑制することができる。よって、導電性部材(12)と液体とを確実に接触させることができ、液体へ一層確実に電圧を印加することができる。
また、第3の発明によれば、導電性部材(12)の嵌入側の端面が口(11a)の基端よりも突出するようにしたので、気泡が導電性部材(12)の端面に溜まるのを確実に抑制することができる。その結果、一層確実に液体へ電圧を印加することができる。
また、第4の発明によれば、導電性部材(12)のフランジ(12b)に凹部(12c)を設け、該凹部(12c)に細管状のノズル本体(21)を貫通させた状態のノズル保持部(22)を装着するようにした。したがって、容器(11)に対して導電性部材(12)およびノズル(20)を容易に且つ簡易に取り付けることができる。よって、電圧印加による噴霧機構を容易に構築することができる。
また、第5の発明によれば、容器(11)の口(11a)に導電性部材(12)が嵌入された状態で液体を充填し、その後、導電性部材(12)のフランジ(12b)にノズル保持部(22)を装着するようにした。したがって、容器(11)の内の液体を満杯にした状態で、ノズル(20)を容器(11)に装着することができる。つまり、この方法により、容器(11)内に気泡を混入させることなく液体を充填することができる。これにより、気泡が導電性部材(12)の周囲に溜まって、導電性部材(12)と液体との接触が阻害される状態を回避することができる。その結果、確実に液体へ電圧を印加することができ、噴霧状態を適切にすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図7に示すように、本実施形態の静電噴霧装置(1)は、卓上等に設置されて使用されるものである。この静電噴霧装置(1)は、本体部(40)と、台座用カバー(42)と、支持部(43)とを備えている。
上記本体部(40)は、ハウジング(41)と、該ハウジング(41)に着脱自在に装着される噴霧カートリッジ(10)と、流体搬送手段(8)とを備えている。
上記ハウジング(41)は、ハウジング本体(41a)と、ハウジング本体(41a)の両端をそれぞれ覆う一対のカバー部材(41b,41c)とを備えている。
上記ハウジング本体(41a)は、円筒状に形成されている。ハウジング本体(41a)の下部には、該ハウジング本体(41a)を支持する支持部(43)が設けられている。一方、ハウジング本体(41a)の略上部には、後述する噴霧カートリッジ(10)のノズル(20)を保護するためのシュラウド部(31)が形成されている。このシュラウド部(31)は、ハウジング本体(41a)の周方向の一部が外部へ膨出してなっている。シュラウド部(31)の中央には、ノズル(20)の周囲を覆うように凹部(32)が形成されている。
上記シュラウド部(31)の一部は、着脱可能なノズルベース(33)となっている。このノズルベース(33)を取り外すことで、後述する噴霧カートリッジ(10)が取り出し可能となる。
また、上記ハウジング本体(41a)の外周面において、シュラウド部(31)の下側にはLEDライト(46)が取り付けられている(図1では2個)。このLEDライト(46)は、噴霧カートリッジ(10)のノズル(20)の先端から噴霧される液体に向かって照射され、使用者が噴霧状態を確認するためのものである。また、図示はしないが、後述する定荷重ゼンマイ(51)の一端は、ハウジング本体(41a)の内部に取り付けられる。
上記カバー部材(41b,41c)は、対となる第1カバー(41b)と第2カバー(41c)とで構成されている。先ず、第1カバー(41b)は、ハウジング本体(41a)の一端面とほぼ同外形の円形に形成され、ハウジング本体(41a)の一端面を覆うように取り付けられている。第1カバー(41b)は、使用者が、ハウジング本体(41a)の周方向に回すことができるように取り付けられている。また、第1カバー(41b)の表面には、電荷を帯びた液体に対する帯状の対向電極(44)が設けられる一方、第1カバー(41b)の裏面には、図示はしないが、第1カバー(41b)より小径の円筒状の巻上部が形成されている。この巻上部には、巻上部の周方向に沿って螺旋状に切り込まれた切欠が形成され、後述する加圧ステージ(52)の移動を規制している。次に、第2カバー(41c)は、ハウジング本体(41a)の他端面とほぼ同外形の円形に形成され、ハウジング本体(41a)の他端面を覆うように取り付けられている。第2カバー(41c)の表面には、電荷を帯びた液体に対する帯状の対向電極(44)が設けられる一方、電源部の出力調整ボリューム(図示せず)と連動するボリュームつまみ(45)が設けられている。ボリュームつまみ(45)を回転させることで、電源部からの出力電圧が適宜調整される。なお、電源部は、0kV以上で、12kV以下の値に電圧を変換するように構成されていればよい。
上記台座用カバー(42)は、ハウジング本体(41a)の円筒状の側面に沿った碗状に形成されている。台座用カバー(42)は、使用時には支持部(43)に取り付けられ台座として用いられる(図1や図2を参照)。また、台座用カバー(42)は、非使用時(保管時)には本体部(40)のシュラウド部(31)を覆うように取り付けられノズル(20)を保護する。なお、この静電噴霧装置(1)は、支持部(43)から台座用カバー(42)を取り外して使用することで、静電噴霧装置(1)の高さを2段階に調節することができる。
上記流体搬送手段(8)は、後述する噴霧カートリッジ(10)の容器(11)を加圧して容器(11)内の液体を噴出させるものである。
上記流体搬送手段(8)は、図5に示すように、上記第1カバー(41b)と、2つの定荷重ゼンマイ(51,51)と、加圧ステージ(52)と、仕切板(53)とによって構成されている。流体搬送手段(8)は、加圧動作により噴霧カートリッジ(10)の容器(11)の内圧を上昇させて、後述する噴霧カートリッジ(10)のノズル(20)の先端から液体を噴出させるものである。
上記加圧ステージ(52)は、有底円筒形状に形成され、その外側面に2つの定荷重ゼンマイ(51,51)が取り付けられている。定荷重ゼンマイ(51,51)は、一定の曲率に形成された帯状の金属板が渦巻き状に巻かれており、その金属板の一端が加圧ステージ(52)に取り付けられている。そして、定荷重ゼンマイ(51,51)は、ストロークが所定値を超えると、それ以上ストロークが大きくなっても復元力が一定である。
上記加圧ステージ(52)は、その底部が第2カバー(41c)に向くように配設され、第1カバー(41b)から第2カバー(41c)に向かって順に、加圧ステージ(52)、噴霧カートリッジ(10)の容器(11)および仕切板(53)がハウジング本体(41a)内に配設されている。
上記流体搬送手段(8)では、第1カバー(41b)をハウジング本体(41a)に対して一定方向に回動させることで、定荷重ゼンマイ(51,51)のバネ力によって加圧ステージ(52)が容器(11)側に移動するようになっている。これにより、容器(11)が加圧ステージ(52)と仕切板(53)とに挟まれて加圧される。また、第1カバー(41b)を上記とは逆方向に回動させると、加圧ステージ(52)が容器(11)から離間する方向に移動し、容器(11)への加圧が解除される。つまり、加圧ステージ(52)は、第1カバー(41b)の回動動作により容器(11)に対して進退するように構成されている。
また、上記ハウジング(41)内には電圧用スイッチ(47)が設けられ、加圧ステージ(52)には電圧用スイッチ(47)をオンオフするためのプッシャー(49)が設けられている。このプッシャー(49)は、第1カバー(41b)がハウジング本体(41a)に対して相対的に回動して加圧ステージ(52)が移動することで、電圧用スイッチ(47)に接触するようになっている。流体搬送手段(8)が加圧動作にあるときは、プッシャー(49)が電圧用スイッチ(47)に接触し続けて該電圧用スイッチ(47)がオン状態に維持される。これにより、容器(11)内の液体に高電圧が印加される。流体搬送手段(8)の加圧動作が解除されたときは、プッシャー(49)が電圧用スイッチ(47)から離間して該電圧用スイッチ(47)がオフ状態となる。これによって、容器(11)内の液体への電圧印加が解除される。
このように、本実施形態では、第1カバー(41b)を回動させることで、容器(11)への加圧動作と電圧用スイッチ(47)のオンオフが同時に行われる。
上記噴霧カートリッジ(10)は、図4、図6および図7に示すように、容器(11)と、導電部材(12)と、ノズル(20)とを備えている。そして、これら容器(11)、導電部材(12)およびノズル(20)は一体に組み付けられている。
上記容器(11)は、扁平な袋状に形成されている。具体的に、容器(11)は液体を浸透させない比較的柔軟な材料で構成された2枚の矩形状のシートを重ね合わせることによって形成されている。これらの2枚のシートは、互いの4辺が張り合わされ、短辺側の1辺には、外側に突出して開口する口(11a)が形成されている。容器(11)の内部には、保湿成分や抗酸化成分を含んだ化粧用の液体(例えば、ヒアルロン酸を含む溶液)が充填されている。この液体は、電気抵抗率が1.0×104Ωcm以上1.0×107Ωcm以下となるように濃度が調整されている。
上記導電部材(12)は、導電性の樹脂で形成されており、容器(11)内の液体に電荷を付与する(高電圧を印加する)ための導電性部材を構成している。導電部材(12)は、容器(11)の口(11a)に挿入され、容器(11)内の液体に接触する嵌入部(12a)と、該嵌入部(12a)の外側端に一体形成され、容器(11)の口(11a)よりも大径に形成されたフランジ(12b)とで構成されている。この導電部材(12)は、フランジ(12b)が電源部(図示せず)と電気的に接続され、嵌入部(12a)を介して容器(11)内の液体に高電圧を印加するように構成されている。また、フランジ(12b)の中央には、後述するノズル保持部(22)が取り付けられる凹部(12c)が形成されている。また、導電部材(12)には、フランジ(12b)の凹部(12c)の底面から嵌入部(12a)の端面まで挿通孔(貫通孔)が形成されている。この挿通孔には、後述するノズル(20)のノズル本体(21)の後端が挿通される。
上記ノズル(20)は、細管状のノズル本体(21)と、該ノズル本体(21)を保持するノズル保持部(22)とを備えている。ノズル本体(21)はノズル保持部(22)に挿通(貫通)されて保持されている。なお、ノズル本体(21)とノズル保持部(22)とは、いわゆるインサート成形によって一体形成されている。そして、ノズル(20)は、ノズル本体(21)が導電部材(12)に形成された貫通孔に挿通した状態でノズル保持部(22)の端部が導電部材(12)のフランジ(12b)の凹部(12c)に取り付けられている。これにより、ノズル本体(21)の後端(図4において下側の端部)が容器(11)の内部に開口する。つまり、ノズル本体(21)は、容器(11)内の液体に連通している。なお、ノズル本体(21)は、柔軟な樹脂材料で形成され、例えば外径および内径がそれぞれ0.35mmおよびに0.1mmとなっている。
また、上記ノズル(20)には、非使用時にノズル本体(21)内の液体の乾燥を防止するためにノズルキャップ(23)が着脱自在に取り付けられるようになっている。噴霧カートリッジ(10)は、ノズル本体(21)の先端が斜め上方に向いてシュラウド部(31)の凹部(32)に露出するように、ハウジング(41)内に着脱自在に配設される。そして、噴霧カートリッジ(10)は、シュラウド部(31)の一部であるノズルベース(33)が取り外されることで取り出される。
なお、図7に示すように、上記ノズルベース(33)の内側端には、導電部材(12)が収容される取付凹部(36)が形成されている。ノズルベース(33)の外側端には、ノズル本体(21)の先端部が収容されるノズル凹部(34)が設けられている。ノズル本体(21)の先端はノズル凹部(34)から突出しないようになっている。このノズル凹部(34)の底部には、取付凹部(36)と連通する貫通孔(35)が形成されていて、この貫通孔(35)にノズル(20)のノズル保持部(22)が収容されるようになっている。ノズルベース(33)の両端部には、取出し用つまみ(3a)が形成されている。
また、図7に示すように、本発明の特徴として、導電部材(12)は嵌入部(12a)の端面(嵌入側端面)が容器(11)の口(11a)の基端(図7において下側端)と面一となるように形成されている。これにより、口(11a)の内部が導電部材(12)によって占有される。また、導電部材(12)の嵌入側端面を含む容器(11)の上面(11b)が平坦となる。そうすると、容器(11)内において気泡が最も高い位置である左上角部まで浮上して溜まる。つまり、容器(11)の上面(11b)が平坦であるため、気泡が口(11a)の内部に入り込まないことは勿論であり、気泡が上面(11b)の途中、特に導電部材(12)の端面周囲に留まることなく容器(11)の左上角部に集中して溜まる。
上記噴霧カートリッジ(10)は、流体搬送手段(8)によって容器(11)が圧迫されると、容器(11)内の液体がノズル本体(21)へ供給される。一方、容器(11)内の液体に導電部材(12)を介して高電圧が印加されると、ノズル本体(21)の先端に電界が形成される。これにより、ノズル本体(21)の先端から液体が連続して霧状に噴射される。噴霧カートリッジ(10)は、容器(11)内の液体がなくなるか少なくなると、ノズルベース(33)を取り外して交換される。
−運転動作−
次に、本実施形態の静電噴霧装置(1)の動作について説明する。この静電噴霧装置(1)では、いわゆるコーンジェットモードのEHD噴霧が行われる。
次に、本実施形態の静電噴霧装置(1)の動作について説明する。この静電噴霧装置(1)では、いわゆるコーンジェットモードのEHD噴霧が行われる。
この静電噴霧装置(1)は、使用者が噴霧カートリッジ(10)をハウジング(41)内に挿入すると運転可能な状態となる。このとき、加圧ステージ(52)には、定荷重ゼンマイ(51)で発生する荷重が加わっている。
先ず、使用者が手動で第1カバー(41b)をハウジング本体(41a)の周方向に回すと、加圧ステージ(52)に対する第1カバー(41b)の規制が解除される。規制が解除されると、加圧ステージ(52)には定荷重ゼンマイ(51)のバネ力が加わり、加圧ステージ(52)が仕切板(53)に向かって移動する。移動した加圧ステージ(52)と仕切板(53)とで、容器(11)を圧迫する。圧迫された容器(11)内の液体は、ノズル本体(21)の内部に流入する。ノズル本体(21)の内部に流入した液体は、ノズル本体(21)の先端に移動する。
一方、第1カバー(41b)を周方向に回すと、電圧用スイッチ(47)がオンされ、電源部より導電部材(12)を介して容器(11)内の液体に高電圧が印加される。ここで、導電部材(12)の端面周囲に気泡が溜まらないため、導電部材(12)と液体とが確実に接触し、液体に高電圧が確実に印加される。また、第1カバー(41b)の回動により、ロック部材(55)によって噴霧カートリッジ(10)が保持される。高電圧が印加されて電荷を帯びた液体は分極し、ノズル本体(21)の先端の気液界面の近傍に+(プラス)の電荷を帯びた液体が集まる。そして、ノズル本体(21)の先端では、対向電極(44)との電位差によって気液界面が引き延ばされて円錐状(コーン状)となり、この円錐状となった気液界面の頂部から一部の水溶液が引きちぎられて液滴化する。
なお、本実施形態の印加電圧の大きさおよび液体の電気抵抗率であれば、ノズル本体(21)の先端から飛散する液滴の大きさは、概ね50μmから200μmの範囲の大きさになる。ノズル本体(21)から飛散した液体は、ノズル本体の先端から40〜50cm程度離れた距離まで到達する。使用者が、50cm程度前方に、顔面にノズル本体(21)の先端を向けて静電噴霧装置(1)を設置すると、飛散した液滴が使用者の顔面に付着する。
−液体の充填方法−
次に、上記噴霧カートリッジ(10)の液体充填方法について、図8〜図10を参照しながら説明する。
次に、上記噴霧カートリッジ(10)の液体充填方法について、図8〜図10を参照しながら説明する。
先ず、容器(11)の口(11a)に導電部材(12)が嵌入される。この状態で、容器(11)に液体が充填される。このとき、図10に示すように、液体は導電部材(12)のフランジ(12b)の凹部(12c)一杯に充填される。その後、ノズル(20)が導電部材(12)に装着されて、充填が完了する。つまり、ノズル本体(21)の後端を導電部材(12)に挿通させながらノズル保持部(22)の端部を導電部材(12)のフランジ(12b)の凹部(12c)に装着される。
なお、図9に示すように、ノズル保持部(22)の周方向一部には外周溝(22a)が形成されている。また、導電部材(12)のフランジ(12b)における凹部(12c)の内面には、ノズル保持部(22)の外周溝(22a)に対応する突片(12d)が形成されている。ノズル保持部(22)と導電部材(12)とは、突片(12d)が外周溝(22a)にはまることによって装着される。
ここで、導電性部材(12)に形成されたノズル本体(21)用の挿通孔は、容器(11)の口(11a)よりも小さい。さらに、その挿通孔には液体が充填されている。したがって、ノズル保持部(22)を導電部材(12)のフランジ(12b)に装着する際にも、空気が導電部材(12)の挿通孔を通じて容器(11)内に混入することはない。つまり、上述した充填方法により、空気を混入させることなく液体を容器(11)に充填させることができる。これにより、容器(11)内において気泡が導電部材(12)の周囲に溜まるのを防止することができる。
−実施形態の効果−
上記実施形態によれば、導電部材(12)の嵌入部(12a)の端面が容器(11)の口(11a)の基端と面一となるようにした。これにより、容器(11)の口(11a)の内部を導電部材(12)で占有させることができると共に、容器(11)の上面(11b)を平坦にすることができる。したがって、容器(11)内において気泡が導電部材(12)の周囲に溜まるのを防止することができる。そのため、容器(11)内の液体と導電部材(12)とを確実に接触させることができる。その結果、確実に導電部材(12)を介して液体に電圧を印加させることができる。よって、適切な噴霧状態を維持することができ、静電噴霧装置(1)の信頼性を向上させることができる。
上記実施形態によれば、導電部材(12)の嵌入部(12a)の端面が容器(11)の口(11a)の基端と面一となるようにした。これにより、容器(11)の口(11a)の内部を導電部材(12)で占有させることができると共に、容器(11)の上面(11b)を平坦にすることができる。したがって、容器(11)内において気泡が導電部材(12)の周囲に溜まるのを防止することができる。そのため、容器(11)内の液体と導電部材(12)とを確実に接触させることができる。その結果、確実に導電部材(12)を介して液体に電圧を印加させることができる。よって、適切な噴霧状態を維持することができ、静電噴霧装置(1)の信頼性を向上させることができる。
また、上記実施形態よれば、噴霧カートリッジ(10)において、容器(11)の口(11a)に導電部材(12)を嵌入した状態で液体を充填するようにした。これにより、空気を混入させることなく液体を充填することができる。したがって、気泡が導電部材(12)の周囲に溜まる状態を一層防止することができる。その結果、適切な噴霧状態を確実に維持することができる。
−実施形態の変形例−
本変形例は、図11に示すように、上記実施形態の噴霧カートリッジ(10)において、導電部材(12)の嵌入側端面を容器(11)の口(11a)の基端よりも突出させるようにしたものである。
本変形例は、図11に示すように、上記実施形態の噴霧カートリッジ(10)において、導電部材(12)の嵌入側端面を容器(11)の口(11a)の基端よりも突出させるようにしたものである。
この場合、容器(11)の上面と導電部材(12)との角部に僅かな気泡が溜まり、殆どの気泡は上記実施形態と同様に容器(11)の左上角部に溜まる。つまり、少なくとも導電部材(12)の嵌入部(12a)の端面には気泡は溜まらない。したがって、上記実施形態と同様に、導電部材(12)と容器(11)の液体とを確実に接触させることができ、液体への電圧印加を確実に行うことができる。これにより、噴霧状態を適切に維持することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態は、以下のように構成してもよい。
上記実施形態は、以下のように構成してもよい。
例えば、上記実施形態において、導電部材(12)の嵌入部(12a)の端面を容器(11)の口(11a)の基端より口(11a)内部へ若干凹ませるようにしてもよい。この場合、口(11a)内部の殆どが導電部材(12)によって占有されるため、従来に比べて気泡が口(11a)内部へ入り難くなる。つまり、気泡は容器(11)の左上角部に溜まる。その結果、導電部材(12)による液体への電圧印加を確実に行うことができる。このように、本発明は、容器(11)の突出した口(11a)に導電部材(12)を嵌入させることで、気泡が口(11a)内部へ入り込み難くするようにした。
また、上記実施形態において、容器(11)内に充填される液体に、液体の表面張力を増加させる添加物を含有させることで、容器(11)内の気泡直径を小さくするようにしてもよい。また、容器(11)の内壁表面に、容器(11)内に充填される液体と親和性の高い材料をコーティングすることで、容器(11)の内壁表面に気泡が付着するのを防止するようにしてもよい。また、噴霧する液体としてヒアルロン酸を含有した水溶液やテアニンの水溶液を用いてもよい。その他、カテキンやプロアントシアニジン等の抗酸化剤の水溶液を用いてもよい。また、微生物の繁殖を抑制する機能や微生物を死滅させる機能を有する物質を含んだ液体や、空気中の臭気分子を中和などによる化学変化で無臭化する物質を含んだ液体を用いてもよい。また、各種の香料や害虫の忌避剤等を含んだ液体を用いてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、容器内の液体に電圧を印加して液体を噴霧させる静電噴霧装置及びその容器への液体充填方法について有用である。
1 静電噴霧装置
8 流体搬送手段
10 噴霧カートリッジ
11 容器
11a 口
12 導電部材(導電性部材)
12a 嵌入部
12b フランジ
12c 凹部
20 ノズル
21 ノズル本体
22 ノズル保持部
8 流体搬送手段
10 噴霧カートリッジ
11 容器
11a 口
12 導電部材(導電性部材)
12a 嵌入部
12b フランジ
12c 凹部
20 ノズル
21 ノズル本体
22 ノズル保持部
Claims (5)
- 外方に突出する口(11a)を有し、液体が充填される容器(11)と、
後端が上記容器(11)の口(11a)に挿通されて上記容器(11)の内部に開口するノズル(20)と、
上記容器(11)内の液体を上記ノズル(20)の先端に供給する流体搬送手段(8)と、
上記ノズル(20)の後端が挿通されると共に、上記容器(11)の口(11a)に嵌入されて上記容器(11)内の液体に接触し、該液体に所定の電圧を印加するための導電性部材(12)とを備え、
上記導電性部材(12)によって電圧を印加された液体が上記ノズル(20)の先端から噴霧される
ことを特徴とする静電噴霧装置。 - 請求項1において、
上記導電性部材(12)は、嵌入側端面が上記容器(11)の口(11a)の基端と面一に形成されている
ことを特徴とする静電噴霧装置。 - 請求項1において、
上記導電性部材(12)は、嵌入側端面が上記容器(11)の口(11a)の基端よりも内方へ突出している
ことを特徴とする静電噴霧装置。 - 請求項1乃至3の何れか1項において、
上記ノズル(20)は、上記容器(11)の内部に開口する細管状のノズル本体(21)と、該ノズル本体(21)が貫通されて該ノズル本体(21)を保持するノズル保持部(22)とを備え、
上記導電性部材(12)は、上記容器(11)の口(11a)に嵌入される嵌入部(12a)と、該嵌入部(12a)に連続して形成され且つ上記ノズル保持部(22)の端部が装着される凹部(12c)が形成されたフランジ(12b)とを備え、上記嵌入部(12a)およびフランジ(12b)を上記ノズル本体(21)の後端が貫通している
ことを特徴とする静電噴霧装置。 - 請求項4に記載された静電噴霧装置(1)の容器(11)への液体充填方法であって、
上記容器(11)の口(11a)に上記導電性部材(12)が嵌入された状態で容器(11)に液体を充填し、その後、上記ノズル本体(21)の後端を上記導電性部材(12)に挿通しながら上記ノズル保持部(22)を上記導電性部材(12)のフランジ(12b)に装着する
ことを特徴とする容器への液体充填方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008011899A JP2009172481A (ja) | 2008-01-22 | 2008-01-22 | 静電噴霧装置及びその容器への液体充填方法 |
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JP2009172481A true JP2009172481A (ja) | 2009-08-06 |
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ID=41028222
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JP (1) | JP2009172481A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011011206A (ja) * | 2009-06-03 | 2011-01-20 | Daikin Industries Ltd | 静電噴霧装置 |
-
2008
- 2008-01-22 JP JP2008011899A patent/JP2009172481A/ja active Pending
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