JP2009154804A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷凍サイクル停止時に冷房を継続させる機能を有した車両用空調装置において、車載性向上および低コスト化を図ること。
【解決手段】エバポレータ3が搭載された空調ユニット1と、エバポレータ3を含み、冷媒が、コンプレッサ31、コンデンサ32、膨張弁34、エバポレータ3の順で循環する冷凍サイクル30と、冷凍サイクル30において、コンプレッサ31の駆動停止時に、コンデンサ32側の高圧冷媒をエバポレータ3側に減圧させて供給可能に膨張弁34と並列に設けられた減圧器35と、冷凍サイクル30においてエバポレータ3とコンプレッサ31との間に接続されて空調ユニット1のケーシング内に設置され、かつ、冷媒を貯留可能に形成されているとともに、内部の冷媒を冷却する蓄冷材を備えた蓄冷タンク7と、を備えていることを特徴とする車両用空調装置とした。
【選択図】図1
【解決手段】エバポレータ3が搭載された空調ユニット1と、エバポレータ3を含み、冷媒が、コンプレッサ31、コンデンサ32、膨張弁34、エバポレータ3の順で循環する冷凍サイクル30と、冷凍サイクル30において、コンプレッサ31の駆動停止時に、コンデンサ32側の高圧冷媒をエバポレータ3側に減圧させて供給可能に膨張弁34と並列に設けられた減圧器35と、冷凍サイクル30においてエバポレータ3とコンプレッサ31との間に接続されて空調ユニット1のケーシング内に設置され、かつ、冷媒を貯留可能に形成されているとともに、内部の冷媒を冷却する蓄冷材を備えた蓄冷タンク7と、を備えていることを特徴とする車両用空調装置とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用空調装置に関し、特に、コンプレッサ停止状態において冷房運転を継続可能な車両用空調装置に関する。
近年、車両の低燃費化が進み、停車時に自動的にエンジン停止を行ういわゆるアイドリングストップ制御が行われる場合がある。
このアイドリングストップ制御時には、冷凍サイクルにおいてエンジンにより駆動されるコンプレッサが停止されて冷凍サイクルも作動が停止されるため、このような冷凍サイクルの作動停止状態でも、冷房運転を継続可能な車両用空調装置が求められている。
このアイドリングストップ制御時には、冷凍サイクルにおいてエンジンにより駆動されるコンプレッサが停止されて冷凍サイクルも作動が停止されるため、このような冷凍サイクルの作動停止状態でも、冷房運転を継続可能な車両用空調装置が求められている。
このようなコンプレッサの駆動停止時に冷房運転を可能とする車両用空調装置として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
この特許文献1に記載の車両用空調装置は、空調ユニットの外部において、冷凍サイクルのエバポレータとコンデンサとの間に蓄冷熱交換器が設けられているとともに、蓄冷熱交換機の蓄冷材が放冷する際に凝縮される冷媒を溜める蓄冷タンクが設けられている。
この特許文献1に記載の車両用空調装置は、空調ユニットの外部において、冷凍サイクルのエバポレータとコンデンサとの間に蓄冷熱交換器が設けられているとともに、蓄冷熱交換機の蓄冷材が放冷する際に凝縮される冷媒を溜める蓄冷タンクが設けられている。
したがって、コンプレッサの駆動が停止された際には、エバポレータで吸熱して蒸発された冷媒は、蓄冷熱交換器の蓄冷材からの放冷によって凝縮液化されて蓄冷タンク側の冷媒体積を縮小させてエバポレータ側をコンデンサ側よりも低圧にできるため、コンデンサ側の冷媒がエバポレータ側へ流入され、エバポレータによる冷却を継続させることができる。
特開2007−1485号公報
しかしながら、上述の従来技術では、蓄冷熱交換器および蓄冷タンクが、空調ユニットの外部に設けられているため、車体への組付時において、これらの配管接続作業が必要であり、また、車室内やエンジンルームに、これら蓄冷熱交換器および蓄冷タンクの設置スペースを確保する必要もあり、これらを有しないものと比較して、車載性に劣る。
また、車両により、このような冷凍サイクル停止時に冷房を継続させる機能を有する仕様と、有しない仕様との設定がある場合、車体に蓄冷タンクの設置スペースを確保するために仕様により車体形状を異ならせることになると、大幅なコストアップを招く。
また、車両により、このような冷凍サイクル停止時に冷房を継続させる機能を有する仕様と、有しない仕様との設定がある場合、車体に蓄冷タンクの設置スペースを確保するために仕様により車体形状を異ならせることになると、大幅なコストアップを招く。
本発明は、上述のような従来の問題に着目して成されたもので、冷凍サイクル停止時に冷房を継続させる機能を有した車両用空調装置において、車載性向上および低コスト化を図ることを目的とする。
上述の目的を達成するため請求項1に記載の発明は、吸入口から車室に連通された吹出口へ向かう送風が形成される送風通路を形成するケーシングに、前記送風通路を通る送風を形成する送風機および送風を冷却するエバポレータが搭載された空調ユニットと、前記エバポレータを含み、冷媒が、コンプレッサ、コンデンサ、膨張弁、前記エバポレータの順で循環する冷凍サイクルと、この冷凍サイクルにおいて、前記コンプレッサの駆動停止時に、前記コンデンサ側の高圧冷媒を前記エバポレータ側に減圧させて供給可能に前記膨張弁と並列に設けられた減圧器と、前記冷凍サイクルにおいて前記エバポレータとコンプレッサとの間に接続されて前記ケーシング内に設置され、かつ、前記冷媒を貯留可能に形成されているとともに、内部の冷媒を冷却する蓄冷材を備えた蓄冷タンクと、を備えていることを特徴とする車両用空調装置とした。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用空調装置において、前記蓄冷タンクが、軸直交方向に潰れた扁平筒状に形成されていることを特徴とする車両用空調装置とした。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置において、前記エバポレータから冷媒が流入される流入パイプ、および、流入された冷媒を前記コンデンサに送る流出パイプが、先端を重力の作用方向である下方に向けて前記蓄冷タンクに挿し込まれ、かつ、前記流入パイプの先端位置が、前記流出パイプの先端位置よりも低い位置に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置とした。
本発明の車両用空調装置では、コンプレッサが駆動する冷凍サイクルの作動時には、冷媒が、コンプレッサ、コンデンサ、膨張弁、エバポレータ、蓄冷タンクの順で循環する。
このとき、蓄冷タンクでは、エバポレータを通過した冷媒により蓄冷材が冷却され、蓄冷材に蓄冷される。
その後、車両が停止するなどして、コンプレッサの駆動が停止された場合、残圧による差圧により、コンデンサ側の冷媒が減圧器を介して減圧されながらエバポレータへ供給され、さらにエバポレータを通過した後、蓄冷タンクに流入する。そして、蓄冷タンクにおいて、蓄冷材に蓄えられた冷却エネルギにより、減圧器を通過して気化されている冷媒が液化されて体積が縮小されるため、蓄冷タンクおよび蓄冷材を設けないものと比較して、長時間、残圧による冷媒の移動を維持でき、エバポレータによる冷房状態を維持することができる。
このとき、蓄冷タンクでは、エバポレータを通過した冷媒により蓄冷材が冷却され、蓄冷材に蓄冷される。
その後、車両が停止するなどして、コンプレッサの駆動が停止された場合、残圧による差圧により、コンデンサ側の冷媒が減圧器を介して減圧されながらエバポレータへ供給され、さらにエバポレータを通過した後、蓄冷タンクに流入する。そして、蓄冷タンクにおいて、蓄冷材に蓄えられた冷却エネルギにより、減圧器を通過して気化されている冷媒が液化されて体積が縮小されるため、蓄冷タンクおよび蓄冷材を設けないものと比較して、長時間、残圧による冷媒の移動を維持でき、エバポレータによる冷房状態を維持することができる。
このように蓄冷タンクおよび蓄冷材により、コンプレッサ駆動停止後の冷房状態の維持を図ることができる本発明の車両用空調装置では、蓄冷タンクを空調ユニットのケーシング内に設置している。
したがって、本発明の車両用空調装置を車両に搭載する際に、空調ユニットを車体に組み付けることで、蓄冷タンクも車載され、従来のように、蓄冷タンクを空調ユニットのケーシングの外部で車室やエンジンルームに設置するのと比較して、独立した蓄冷タンクの組付作業や、この蓄冷タンクと配管との接続作業が不要であるとともに、車体に蓄冷タンクの設置スペースを確保することが不要であり、車載性に優れる。
また、コンプレッサの駆動停止時に冷房状態を継続させる機能を有する仕様と有しない仕様とを設定する場合に、仕様の違いによる構成の相違は空調ユニットの内部の構成であり、車体側の形状などの共通化を図ることができるとともに、組付作業の共通化を図るのが容易であり、コスト上有利となる。
したがって、本発明の車両用空調装置を車両に搭載する際に、空調ユニットを車体に組み付けることで、蓄冷タンクも車載され、従来のように、蓄冷タンクを空調ユニットのケーシングの外部で車室やエンジンルームに設置するのと比較して、独立した蓄冷タンクの組付作業や、この蓄冷タンクと配管との接続作業が不要であるとともに、車体に蓄冷タンクの設置スペースを確保することが不要であり、車載性に優れる。
また、コンプレッサの駆動停止時に冷房状態を継続させる機能を有する仕様と有しない仕様とを設定する場合に、仕様の違いによる構成の相違は空調ユニットの内部の構成であり、車体側の形状などの共通化を図ることができるとともに、組付作業の共通化を図るのが容易であり、コスト上有利となる。
請求項2に記載の発明では、蓄冷タンクを扁平筒状に形成したため、容量が限られた空調ユニット内において、送風の抵抗にならないような配置が可能となり、より車載性が向上する。
請求項3に記載の発明では、蓄冷タンクの流入パイプを流出パイプよりも、その先端を低く配置したため、エバポレータから送られるミスト状の冷媒が、直接コンプレッサへ送られにくくなり、冷房性能の安定化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態の車両用空調装置は、吸入口(11)から車室に連通された吹出口(12a,12b,12c)へ向かう送風が形成される送風通路(18)を形成するケーシング(1c)に、前記送風通路(18)を通る送風を形成する送風機(4)および送風を冷却するエバポレータ(3)が搭載された空調ユニット(1)と、前記エバポレータ(3)を含み、冷媒が、コンプレッサ(31)、コンデンサ(32)、膨張弁(34)、前記エバポレータ(3)の順で循環する冷凍サイクル(30)と、この冷凍サイクル(30)において、前記コンプレッサ(31)の駆動停止時に、前記コンデンサ(32)側の高圧冷媒を前記エバポレータ(3)側に減圧させて供給可能に前記膨張弁(34)と並列に設けられた減圧器(35)と、前記冷凍サイクル(30)において前記エバポレータ(3)とコンプレッサ(31)との間に接続されて前記ケーシング(1C)内に設置され、かつ、前記冷媒を貯留可能に形成されているとともに、内部の冷媒を冷却する蓄冷材(8a,8b)を備えた蓄冷タンク(7)と、を備えていることを特徴とする車両用空調装置である。
本実施の形態の車両用空調装置は、吸入口(11)から車室に連通された吹出口(12a,12b,12c)へ向かう送風が形成される送風通路(18)を形成するケーシング(1c)に、前記送風通路(18)を通る送風を形成する送風機(4)および送風を冷却するエバポレータ(3)が搭載された空調ユニット(1)と、前記エバポレータ(3)を含み、冷媒が、コンプレッサ(31)、コンデンサ(32)、膨張弁(34)、前記エバポレータ(3)の順で循環する冷凍サイクル(30)と、この冷凍サイクル(30)において、前記コンプレッサ(31)の駆動停止時に、前記コンデンサ(32)側の高圧冷媒を前記エバポレータ(3)側に減圧させて供給可能に前記膨張弁(34)と並列に設けられた減圧器(35)と、前記冷凍サイクル(30)において前記エバポレータ(3)とコンプレッサ(31)との間に接続されて前記ケーシング(1C)内に設置され、かつ、前記冷媒を貯留可能に形成されているとともに、内部の冷媒を冷却する蓄冷材(8a,8b)を備えた蓄冷タンク(7)と、を備えていることを特徴とする車両用空調装置である。
以下に、図1〜図4に基づいて、この発明の最良の実施の形態の実施例1の車両用空調装置Aについて説明する。
図4は車両用空調装置Aの構成の概略を示す全体概略図であって、この車両用空調装置Aは、図示を省略したインストルメントパネル内に設置される空調ユニット1およびこの空調ユニット1の作動を制御するコントロールユニット2を備えている。
図4は車両用空調装置Aの構成の概略を示す全体概略図であって、この車両用空調装置Aは、図示を省略したインストルメントパネル内に設置される空調ユニット1およびこの空調ユニット1の作動を制御するコントロールユニット2を備えている。
空調ユニット1は、図示を省略したインストルメントパネル内に設置され、内外気を選択的に導入可能な吸入口11から、車室内に繋がる図示を省略した各種ダクトが接続されるデフ吹出口12a,フット吹出口12b,ベント吹出口12cに至る送風通路18を形成したケーシング1cを備えている。
このケーシング1cの送風通路18には、送風上流側から順に、吸入口11から各吹出口12a〜12cへ向かう送風を形成するブロワファン4と、送風を冷却するエバポレータ3と、送風を加熱するヒータコア6と、が設置されている。
エバポレータ3は、周知の冷媒を循環する冷凍サイクル30の構成要素の一つである。この冷凍サイクル30は、図1に示すように、走行用のエンジンあるいはモータによって駆動されて冷媒を圧縮するコンプレッサ31と、高圧ガス状の冷媒を冷却して飽和液とするコンデンサ32と、冷媒の気液分離を行うリキッドタンク33と、冷媒を低温低圧の蒸気とする膨張弁34と、を備え、冷媒が、コンプレッサ31、コンデンサ32、リキッドタンク33、膨張弁34、エバポレータ3の順で循環するよう構成されている。
さらに、本実施例1では、冷凍サイクル30において、膨張弁34と並列に減圧器35が設けられているとともに、エバポレータ3とコンプレッサ31との間に、蓄冷タンク7が設けられている。
減圧器35は、膨張弁34が閉弁した状態でもコンデンサ32側とエバポレータ3側との連通状態を維持するとともに、コンデンサ32側の高圧冷媒を減圧気化させる機能を有している。具体的には、膨張弁34において、閉弁時の封止位置の上流と下流とを連通させるように形成された溝で構成することができる。
蓄冷タンク7は、空調ユニット1のケーシング1c内において、エバポレータ3に並設されており、かつ、扁平の筒状に形成されている。
蓄冷タンク7は、空調ユニット1のケーシング1c内において、エバポレータ3に並設されており、かつ、扁平の筒状に形成されている。
図2および図3に示すように、蓄冷タンク7は、押出成形により外筒71と内筒72とを備えた二重筒状に形成されており、軸方向を重力の作用方向である車両上下方向に略一致する向きに配置されている。
そして、図3に示すように、外筒71と内筒72とを連結する連結板73a,73b,73cが、両筒71,72と一体に形成されている。なお、これらの連結板73a,73b,73cのうち、図において矢印W方向である幅方向の中央に設けられた連結板73bは、内筒72を幅方向の直交方向に貫通し、内筒72の内側に形成された内部室7dを2分割している。
また、図2に示すように、内筒72の上下方向両端に、蓋板72a,72bが溶接などにより結合されて内筒72の上下両端部が塞がれ、かつ、外筒71の上下両端部には、外筒71の外形寸法よりも僅かに大きな内径寸法を有した断面略U字状の上側キャップ部材74および下側キャップ部材75が嵌合され、かつ、溶接により結合されている。
したがって、蓄冷タンク7の上下両端には、外筒71および内筒72の内部と区画された上流室7aと下流室7bとが形成され、これら上流室7aと下流室7bとが、外筒71と内筒72との間で軸方向に延在された連通路7cにより連通されている。
また、図2に示すように、内筒72の上下方向両端に、蓋板72a,72bが溶接などにより結合されて内筒72の上下両端部が塞がれ、かつ、外筒71の上下両端部には、外筒71の外形寸法よりも僅かに大きな内径寸法を有した断面略U字状の上側キャップ部材74および下側キャップ部材75が嵌合され、かつ、溶接により結合されている。
したがって、蓄冷タンク7の上下両端には、外筒71および内筒72の内部と区画された上流室7aと下流室7bとが形成され、これら上流室7aと下流室7bとが、外筒71と内筒72との間で軸方向に延在された連通路7cにより連通されている。
また、内筒72の内部室7dには、蓄冷材8aが充填されている。この蓄冷材8aは、冷媒と熱交換を行って、冷媒が有する冷却エネルギを蓄えることができるもので、例えば、パラフィン、吸水性ポリマ、植物セルロース、水、LLCなどを用いることができる。
さらに、外筒71の外周にもシート状の蓄冷材8bが巻き付けられている。
さらに、外筒71の外周にもシート状の蓄冷材8bが巻き付けられている。
そして、蓄冷タンク7の上流室7aには、冷凍サイクル30において、エバポレータ3から冷媒が送られる流入パイプ36が上側キャップ部材74を貫通して接続されている。
一方、蓄冷タンク7の下流室7bには、蓄冷タンク7からコンプレッサ31へ冷媒を送る流出パイプ37が下側キャップ部材75を貫通して接続されている。
一方、蓄冷タンク7の下流室7bには、蓄冷タンク7からコンプレッサ31へ冷媒を送る流出パイプ37が下側キャップ部材75を貫通して接続されている。
なお、コントロールユニット2は、室内温度環境因子の検出を行う各種センサから成るセンサ群SEからの入力に基づいて、図示を省略した設定スイッチにより設定された室温を形成するべく、吹出風量や吹出空気温度を制御する。
次に、実施例1の車両用空調装置Aの作動について説明する。
車両走行時に、実施例1の車両用空調装置Aの冷房運転を行うと、コンプレッサ31が、図外のエンジンあるいはモータにより駆動され、冷凍サイクル30が作動する。
この場合、コンプレッサ31で圧縮して吐出された冷媒は、コンデンサ32で凝縮液化され、リキッドタンク33で気液分離された後、膨張弁34で減圧され、エバポレータ3で吸熱して蒸発され、このとき、空調ユニット1の送風通路18の送風を冷却する。
車両走行時に、実施例1の車両用空調装置Aの冷房運転を行うと、コンプレッサ31が、図外のエンジンあるいはモータにより駆動され、冷凍サイクル30が作動する。
この場合、コンプレッサ31で圧縮して吐出された冷媒は、コンデンサ32で凝縮液化され、リキッドタンク33で気液分離された後、膨張弁34で減圧され、エバポレータ3で吸熱して蒸発され、このとき、空調ユニット1の送風通路18の送風を冷却する。
そして、エバポレータ3で蒸発した冷媒は、流入パイプ36を通って蓄冷タンク7に流入し、蓄冷タンク7の上流室7aから、連通路7cを通って下流室7bへ移動する間に、連通路7cの内外に配置された蓄冷材8a,8bを冷却し、これら蓄冷材8a,8bに冷却エネルギが蓄えられる。また、下流室7bの冷媒は、流出パイプ37からコンプレッサ31の吸入側へ移動する。
次に、アイドルストップ制御時の作動について説明する。
すなわち、コントロールユニット2は、車両の停止時に、自動的に図外のエンジンの駆動を停止させるいわゆるアイドルストップ制御を実行する。
このアイドルストップ制御時には、冷凍サイクル30におけるコンプレッサ31の駆動が停止される。
すなわち、コントロールユニット2は、車両の停止時に、自動的に図外のエンジンの駆動を停止させるいわゆるアイドルストップ制御を実行する。
このアイドルストップ制御時には、冷凍サイクル30におけるコンプレッサ31の駆動が停止される。
このとき、冷凍サイクル30では、残圧により、コンプレッサ31の吐出側で高圧となっているコンデンサ32およびリキッドタンク33と、膨張弁34で減圧された後の低圧側のエバポレータ3および蓄冷タンク7とで差圧が生じている。
そこで、この差圧により、冷媒が、減圧器35を介して、リキッドタンク33側からエバポレータ3へ流入する。
したがって、エバポレータ3では、コンプレッサ31の停止後も、残圧によりリキッドタンク33から送られる冷媒により、送風通路18との熱交換が行われて、冷房が行われる。
そこで、この差圧により、冷媒が、減圧器35を介して、リキッドタンク33側からエバポレータ3へ流入する。
したがって、エバポレータ3では、コンプレッサ31の停止後も、残圧によりリキッドタンク33から送られる冷媒により、送風通路18との熱交換が行われて、冷房が行われる。
また、このエバポレータ3における熱交換により加熱ガス化した冷媒は、流入パイプ36から蓄冷タンク7の上流室7aへ流入し、重力により連通路7cを移動する間に、蓄冷材8a,8bにより冷却されて凝縮液化され、下流室7bに貯められる。
このように、蓄冷タンク7において、冷媒が凝縮されて体積を縮小させることから、エバポレータ3および蓄冷タンク7が低圧に保たれ、コンプレッサ31の停止後も、冷媒が、継続的にエバポレータ3に送られて冷房が継続して実行される。
なお、この継続的な冷房は、蓄冷材8a,8bが、冷媒凝縮を実行可能な温度である間行われることになる。
なお、この継続的な冷房は、蓄冷材8a,8bが、冷媒凝縮を実行可能な温度である間行われることになる。
以上説明した実施例1の車両用空調装置Aでは、蓄冷タンク7を空調ユニット1のケーシング1cの内部に設置したため、車両用空調装置Aを車両に搭載する際に、空調ユニット1を車体に組み付けることで、蓄冷タンク7も車載され、従来のように、蓄冷タンク7を空調ユニット1のケーシング1cの外部で車室やエンジンルームに設置するのと比較して、独立した蓄冷タンク7の組付作業や、この蓄冷タンク7と配管との接続作業が不要であり、車載性に優れる。
また、コンプレッサ31の駆動停止時に冷房状態を継続させる機能を有する仕様と有しない仕様とを設定する場合に、仕様の違いによる構成の相違は空調ユニット1の内部の構成であり、車体側の形状などの共通化を図ることができるとともに、組付作業の共通化を図るのが容易であり、車載性に優れるとともに低コスト化を図ることができる。
また、コンプレッサ31の駆動停止時に冷房状態を継続させる機能を有する仕様と有しない仕様とを設定する場合に、仕様の違いによる構成の相違は空調ユニット1の内部の構成であり、車体側の形状などの共通化を図ることができるとともに、組付作業の共通化を図るのが容易であり、車載性に優れるとともに低コスト化を図ることができる。
さらに、蓄冷タンク7を扁平筒状に形成したため、容量が限られた空調ユニット1内において、送風通路18の送風の抵抗にならないように配置することが可能となり、扁平状でない場合と比較して、車載性に優れる。
加えて、本実施例1では、蓄冷タンク7において、冷媒が流通する連通路7cの内外を蓄冷材8a,8bで囲んだ構造としたため、蓄冷材8a,8bをいずれか一方のみとした場合と比較して、蓄冷タンク7における冷媒冷却性能が高く、コンプレッサ31の停止時における冷房継続性能を高めることができる。
しかも、蓄冷タンク7は、押出成形材の二重筒構造部分の両端を上側キャップ部材74および下側キャップ部材75で塞いで形成しているため、製造が容易であり、低コスト化を図ることができる。
また、蓄冷タンク7では、上端の上流室7aにエバポレータ3からの冷媒を流入させ、下端の下流室7bからコンプレッサ31へ流出させるようにしたため、エバポレータ3から流入されるミスト状の冷媒が、直接コンプレッサ31へ送られ難く、冷凍サイクル30の作動安定化を図ることができる。
(他の実施例)
以下に、本発明の実施の形態の他の実施例について説明する。
なお、これら他の実施例を説明するのにあたり、実施例1と共通する構成には、実施例1で示した符号を付けることで、説明を省略する。また、作用についても、実施例1と共通する作用については説明を省略する。
以下に、本発明の実施の形態の他の実施例について説明する。
なお、これら他の実施例を説明するのにあたり、実施例1と共通する構成には、実施例1で示した符号を付けることで、説明を省略する。また、作用についても、実施例1と共通する作用については説明を省略する。
図5に基づいて、本発明の実施の形態の実施例2の車両用空調装置について説明する。
図5は、実施例2の車両用空調装置の冷凍サイクル230を示す構成説明図であり、実施例1との相違点は、膨張弁34と並列に減圧器235が設けられ、リキッドタンク33と膨張弁34との間に、リキッドタンク33からの冷媒を膨張弁34のみに流す膨張弁側開状態と、減圧器235のみに流す減圧器側開状態とに切り換える切換弁200を設けた例である。
図5は、実施例2の車両用空調装置の冷凍サイクル230を示す構成説明図であり、実施例1との相違点は、膨張弁34と並列に減圧器235が設けられ、リキッドタンク33と膨張弁34との間に、リキッドタンク33からの冷媒を膨張弁34のみに流す膨張弁側開状態と、減圧器235のみに流す減圧器側開状態とに切り換える切換弁200を設けた例である。
なお、切換弁200の切り換えはコントロールユニット2により行われる。すなわち、コントロールユニット2が、切換弁200を、コンプレッサ31の駆動時に膨張弁側開状態とし、コンプレッサ31の駆動停止時に減圧器側開状態とするよう制御する。
この実施例2の車両用空調装置では、膨張弁34として、閉弁状態でも減圧器の機能を有するものを用いずに、既存の膨張弁34を用いることができる。
なお、蓄冷タンク7を空調ユニット1のケーシング1cの内部に設置したことによる車載性向上、仕様の違いによる車体側の形状などの共通化を図って車載性向上ならびに低コスト化を図ることができる点、蓄冷タンク7を扁平筒状に形成したことによる車載性向上の点、蓄冷タンク7において、連通路7cの内外を蓄冷材8a,8bで囲んだ構造としたことにより冷房継続性能を向上できる点、蓄冷タンク7を、押出成形材の二重筒構造部分の両端を上側キャップ部材74および下側キャップ部材75で塞いで形成したことにより低コスト化を図ることができる点、蓄冷タンク7を、上端の上流室7aにエバポレータ3からの冷媒を流入させ、下端の下流室7bからコンプレッサ31へ流出させるようにしたことにより、冷凍サイクル30の作動安定化を図ることができる点、については実施例1と同様である。
なお、蓄冷タンク7を空調ユニット1のケーシング1cの内部に設置したことによる車載性向上、仕様の違いによる車体側の形状などの共通化を図って車載性向上ならびに低コスト化を図ることができる点、蓄冷タンク7を扁平筒状に形成したことによる車載性向上の点、蓄冷タンク7において、連通路7cの内外を蓄冷材8a,8bで囲んだ構造としたことにより冷房継続性能を向上できる点、蓄冷タンク7を、押出成形材の二重筒構造部分の両端を上側キャップ部材74および下側キャップ部材75で塞いで形成したことにより低コスト化を図ることができる点、蓄冷タンク7を、上端の上流室7aにエバポレータ3からの冷媒を流入させ、下端の下流室7bからコンプレッサ31へ流出させるようにしたことにより、冷凍サイクル30の作動安定化を図ることができる点、については実施例1と同様である。
図6および図7に基づいて、本発明の実施の形態の実施例3の車両用空調装置について説明する。
図6は実施例3の車両用空調装置に用いた蓄冷タンク307を示す縦断面図、図7は蓄冷タンク307の横断面図である。
図6は実施例3の車両用空調装置に用いた蓄冷タンク307を示す縦断面図、図7は蓄冷タンク307の横断面図である。
図6および図7に示すように、蓄冷タンク307は、円筒状の外筒371と内筒372とを備え、外筒371の上下両端を蓋板374,375で塞ぐとともに、内筒372の上下を蓋板376,375で塞いで、外筒371と内筒372との間に、冷媒用空間373が形成されている。
また、実施例1と同様に、内筒372の内側に、蓄冷材8aが充填されているとともに、外筒371の外周には、シート状の蓄冷材8bが巻き付けられている。
そして、流入パイプ336は、蓄冷タンク307の上端部から冷媒用空間373に挿し込まれて、冷媒用空間373の底部まで延在されている。一方、流出パイプ337は、蓄冷タンク307の上端部から冷媒用空間373に挿し込まれて、先端が流入パイプ336よりも高い位置に配置されている。
以上のように、実施例3では、蓄冷タンク307の外筒371および内筒372として、既存の安価な円筒状のパイプを用いているため、安価に製造することができる。
また、実施例3では、両パイプ336,337を蓄冷タンク307の上端部から挿し込む構造であるが、エバポレータ3に接続された流入パイプ336を、流出パイプ337よりも低い位置に配置したため、エバポレータ3から送られるミスト状の冷媒が、直接流出パイプ337に吸い込まれてコンプレッサ31へ送られることが生じにくく、冷房性能の安定化を図ることができる。
なお、蓄冷タンク7を空調ユニット1のケーシング1cの内部に設置したことによる車載性向上、仕様の違いによる車体側の形状などの共通化を図って車載性向上ならびに低コスト化を図ることができる点、については実施例1と同様である。
なお、蓄冷タンク7を空調ユニット1のケーシング1cの内部に設置したことによる車載性向上、仕様の違いによる車体側の形状などの共通化を図って車載性向上ならびに低コスト化を図ることができる点、については実施例1と同様である。
図8に基づいて、本発明の実施の形態の実施例4の車両用空調装置について説明する。
図8は実施例4の車両用空調装置に用いた蓄冷タンク407を示す断面図である。
この実施例4は、実施例3の変形例であり、流出パイプ437の先端を、冷媒用空間373の上部に配置し、さらに、流出パイプ437の先端の直ぐ下方に、流入パイプ336から冷媒用空間373に供給されるミスト状の冷媒が、直接、流出パイプ337に流入するのを妨げる遮蔽板401を設けた例である。
図8は実施例4の車両用空調装置に用いた蓄冷タンク407を示す断面図である。
この実施例4は、実施例3の変形例であり、流出パイプ437の先端を、冷媒用空間373の上部に配置し、さらに、流出パイプ437の先端の直ぐ下方に、流入パイプ336から冷媒用空間373に供給されるミスト状の冷媒が、直接、流出パイプ337に流入するのを妨げる遮蔽板401を設けた例である。
このように、実施例4では、両パイプ336,437を蓄冷タンク407の上端部から挿し込む構造であるが、流出パイプ437の先端を、流入パイプ336の先端よりも高い位置に配置し、さらに、流出パイプ437の直ぐ下に遮蔽板401を設けた。このため、流入パイプ336から冷媒用空間373に供給されるミスト状の冷媒が、直接流出パイプ437に吸入されにくくなり、冷凍サイクル30の作動の安定化を図ることができる。
なお、蓄冷タンク7を空調ユニット1のケーシング1cの内部に設置したことによる車載性向上、仕様の違いによる車体側の形状などの共通化を図って車載性向上ならびに低コスト化を図ることができる点、については実施例1と同様である。
なお、蓄冷タンク7を空調ユニット1のケーシング1cの内部に設置したことによる車載性向上、仕様の違いによる車体側の形状などの共通化を図って車載性向上ならびに低コスト化を図ることができる点、については実施例1と同様である。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態および実施例1〜実施例4について詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態および実施例1〜実施例4に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、実施例1〜実施例4では、蓄冷タンクとして、扁平楕円形状のものおよび円形状のものを示したが、これに限定されず、長方形や四角形あるいは多角形状のものなど他の形状のものを用いてもよい。
また、実施例1〜実施例4では、蓄冷タンクを、内外に二重構造として、内側に蓄冷材8aを設けた例を示したが、蓄冷材を外側のみに設ける場合には、蓄冷タンクを二重構造とする必要はない。あるいは、二重構造の蓄冷タンクの内側のみに蓄冷材を設けるようにしてもよい。
A 車両用空調装置
1 空調ユニット
1c ケーシング
3 エバポレータ
4 ブロワファン(送風機)
7 蓄冷タンク
8a 蓄冷材
8b 蓄冷材
18 送風通路
30 冷凍サイクル
31 コンプレッサ
32 コンデンサ
33 リキッドタンク
34 膨張弁
35 減圧器
36 流入パイプ
37 流出パイプ
230 冷凍サイクル
235 減圧器
307 蓄冷タンク
336 流入パイプ
337 流出パイプ
407 蓄冷タンク
437 流出パイプ
1 空調ユニット
1c ケーシング
3 エバポレータ
4 ブロワファン(送風機)
7 蓄冷タンク
8a 蓄冷材
8b 蓄冷材
18 送風通路
30 冷凍サイクル
31 コンプレッサ
32 コンデンサ
33 リキッドタンク
34 膨張弁
35 減圧器
36 流入パイプ
37 流出パイプ
230 冷凍サイクル
235 減圧器
307 蓄冷タンク
336 流入パイプ
337 流出パイプ
407 蓄冷タンク
437 流出パイプ
Claims (3)
- 吸入口から車室に連通された吹出口へ向かう送風が形成される送風通路を形成するケーシングに、前記送風通路を通る送風を形成する送風機および送風を冷却するエバポレータが搭載された空調ユニットと、
前記エバポレータを含み、冷媒が、コンプレッサ、コンデンサ、膨張弁、前記エバポレータの順で循環する冷凍サイクルと、
この冷凍サイクルにおいて、前記コンプレッサの駆動停止時に、前記コンデンサ側の高圧冷媒を前記エバポレータ側に減圧させて供給可能に前記膨張弁と並列に設けられた減圧器と、
前記冷凍サイクルにおいて前記エバポレータとコンプレッサとの間に接続されて前記ケーシング内に設置され、かつ、前記冷媒を貯留可能に形成されているとともに、内部の冷媒を冷却する蓄冷材を備えた蓄冷タンクと、
を備えていることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記蓄冷タンクが、軸直交方向に潰れた扁平筒状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記エバポレータから冷媒が流入される流入パイプ、および、流入された冷媒を前記コンデンサに送る流出パイプが、先端を重力の作用方向である下方に向けて前記蓄冷タンクに挿し込まれ、かつ、前記流入パイプの先端位置が、前記流出パイプの先端位置よりも低い位置に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
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