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JP2009142120A - 回転電機 - Google Patents

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JP2009142120A
JP2009142120A JP2007318246A JP2007318246A JP2009142120A JP 2009142120 A JP2009142120 A JP 2009142120A JP 2007318246 A JP2007318246 A JP 2007318246A JP 2007318246 A JP2007318246 A JP 2007318246A JP 2009142120 A JP2009142120 A JP 2009142120A
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JP2007318246A
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Kenji Hiramoto
健二 平本
Hideo Nakai
英雄 中井
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

【課題】回転電機において、回転電機のトルクを有効に高くすることである。
【解決手段】ロータ40の周方向複数個所に、永久磁石26を、周方向に隣り合うもの同士で着磁方向が異なるように配置する。ロータ40の周方向複数個所に位置するインダクタンスが低いd軸磁路に、ロータ巻線42n,42sを配置する。ロータ巻線42n,42sに一方向ダイオード22または他方向ダイオード24をそれぞれ並列に接続する。ロータ巻線42n,42sに誘導電流を流すことにより、ロータ巻線42n,42sが巻装された磁極部18のうち、ロータ40の周方向に隣り合う磁極部18の磁気特性を互いに異ならせる。永久磁石26の磁化方向と、永久磁石26に対しロータ40の周方向に一致する磁極部18の磁化方向とを一致させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステータとロータとが対向配置された回転電機に関する。
従来から、特許文献1〜4に記載されたようなブラシレス発電機が知られている。また、特許文献1,2に記載された発電機では、巻線構造が複雑になり、小型化が困難となる。また、特許文献3,4に記載された発電機では、巻線構造が複雑化し、ロータの界磁巻線に磁界の高調波成分による誘導起電力を効率よく発生させることが困難である。
特開昭62−23348号公報 特開平4−285454号公報 特開平8−65976号公報 特開平11−220857号公報
[本発明に先立って発明された先発明]
また、本発明の発明者を含む発明者は、本発明に先立って次のような先発明に係る回転電機を発明した。図10は、先発明に係る回転電機を構成するロータを、回転軸と平行方向に見た概略構成を示す図である。図11は、先発明において、ロータの径方向外側に対向した状態で配置するステータの概略構成を示す図である。図10に示すように、ロータ10は、鋼等の材料により造るロータコア12と、ロータコア12の周方向複数個所に配設された複数のロータ巻線14n,14sとを備える。ロータコア12は、回転軸16に固定している。
また、各ロータ巻線14n,14sは、ロータコア12の周方向複数個所に設けた径方向に伸びる柱部等の磁極部18に巻装している。磁極部18は、突極とすることもできる。複数のロータ巻線14n,14sのうち、ロータ10の周方向に関して1つ置きに配置されたロータ巻線14n(または14s)同士は、電気的に直列に接続している。また、複数のロータ巻線14n,14sのうち、ロータ10の周方向に隣り合うロータ巻線14n,14s同士は、電気的に接続せず、互いに電気的に分断した状態としている。そして、互いに電気的に接続した複数のロータ巻線14n,14sを含む回路により、互いに電気的に分断された2組のロータ巻線回路20a,20bを構成している。
また、2組のロータ巻線回路20a,20bにそれぞれ整流素子である一方向ダイオード22及び他方向ダイオード24を接続し、それぞれのロータ巻線回路20a,20bに流れる電流の向きを一方向に整流している。また、2組のロータ巻線回路20a,20b同士で、流れる電流の向きが互いに逆になるように、各ロータ巻線回路20a,20bにダイオード22,24を、互いに逆向きに接続している。
ロータ巻線14n,14sに電流が流れると、ロータ巻線14n,14sが巻装された磁極部18が磁化される。ロータ10の周方向に隣り合うロータ巻線14n,14s同士で流れる電流の方向が互いに逆になるため、周方向に隣り合う磁極部18同士で、磁化方向が互いに逆になる。例えば、ロータ巻線14nに流れる電流により生成される複数の磁極部18の径方向外側にはN極が配置され、ロータ巻線14sに流れる電流により生成される複数の磁極部18の径方向外側にはS極が配置される。図10において、各磁極部18の径方向外側に配置する矢印は、磁化方向を表している。
また、ロータ10の周方向複数個所で、かつ、周方向に関して隣り合うロータ巻線14n,14sの間に、永久磁石26を配置している。永久磁石26は、ロータコア12の内部に埋設することも、ロータコア12の外周面に露出させることもできる。また、ロータコア12の内部に永久磁石26をV字状に配置することもできる。また、ロータ10の周方向に隣り合う永久磁石26同士で、磁化方向を互いに異ならせている。例えば、図10において、径方向外側に向く矢印が配置された永久磁石26の径方向外側にN極が配置されるようにし、径方向内側に向く矢印が配置された永久磁石26の径方向外側にS極が配置されるようにする。このようなロータ10の場合、ロータ10の周方向複数個所の各磁極部18に対応する位置である、インダクタンスLが相対的に高いq軸磁路に、ロータ巻線14n,14sが配置されている。
一方、ロータ10の径方向外側に、図11に示すようなステータ28を配置している。図10に示すロータ10の各磁極部18は、ステータ28に径方向に対向させる。ステータ28は、鋼等により造るステータコア30と、ステータコア30に配設された複数相(例えば3相等の奇数相)のステータ巻線32u,32v,32wとを含む。ステータコア30に、径方向内側に突出した複数のティース34を、互いに間隔を置いて配置しており、各ティース34間にスロット36を形成している。各相のステータ巻線32u,32v,32wは、スロット36を通って、ティース34に短節集中巻きで巻装している。複数相のステータ巻線32u,32v,32wに複数相(例えば3相等の奇数相)の交流電流を流すことにより、ティース34が磁化し、ステータ28の周方向に回転する回転磁界がティース34に生成されるようにしている。図11に示す例では、3相(u相、v相、w相)のステータ巻線32u,32v,32wが巻装された3つのティース34により、1つの極対が構成され、ステータ28全体で4極3相のステータ巻線32u,32v,32wがティース34に巻装されている。したがって、ステータ28の極対数は4極対となる。
また、図10に示すロータ10の極対数は、ステータ28(図11)の極対数と等しくなっている。また、ロータ巻線14n,14sは、ロータコア12に短節巻きで巻装している。各磁極部18において、ロータ10の周方向に関する幅は、ロータ10の電気角で180度に相当する幅よりも短くしている。
一方、図11に示すステータ28に回転磁界を発生させる起磁力の分布は、各相のステータ巻線32u,32v,32wの配置や、ティース34及びスロット36によるステータコア30の形状に起因して、(基本波のみの)正弦波分布にはならず、高調波成分を含むものとなる。特に、ティース34にステータ巻線32u,32v,32wを集中巻きで巻装する場合には、各相のステータ巻線32u,32v,32wが互いに重なり合わず、ステータ28の起磁力分布に生じる高調波成分の振幅レベルが増大する。この結果、例えばステータ巻線32u,32v,32wが3相集中巻きの場合は、高調波成分として、入力電気周波数3次成分の振幅レベルが増大する。このような、ステータ巻線32u,32v,32wの配置やステータコア30の形状に起因して起磁力に生じる高調波成分は、空間高調波と呼ばれる。
上記の図11に示したステータ28の内側に、図10に示したロータ10を回転可能に配置し、ステータ28とロータ10とを径方向に対向させた回転電機は、次のようにして回転駆動する。すなわち、3相のステータ巻線32u,32v,32wに3相の交流電流を流すことでステータ28により生成された、回転磁界(基本波成分)がロータ10に作用すると、ロータ10のうち、ロータ巻線14n、14sを巻装した磁極部18が、ステータ28が生成した回転磁界に吸引される。このため、ロータ10にトルクであるリラクタンストルクが作用して、ロータ10がステータ28で生成される回転磁界(基本波成分)に同期して回転駆動する。なお、ロータに巻線が巻装されていない場合でも、ロータに突極部分または周方向に関して磁気抵抗が低い部分が設けられる場合には、ステータが生成する回転磁界が、ロータの突極部分または磁気抵抗が低い部分を吸引することにより、リラクタンストルクが発生する。
また、図11に示す3相のステータ巻線32u,32v,32wに3相の交流電流を流すことで、ティース34に生成された回転磁界は空間高調波成分を含むものとなる。そして、空間高調波成分を含む回転磁界が、図10に示す各ロータ巻線14n,14sに鎖交すると、各ロータ巻線14n,14sには、ロータ10の回転周波数(回転磁界の基本波成分)と異なる周波数の磁束変動が生じ、この磁束変動によって、各ロータ巻線14n,14sに誘導起電力が発生する。この誘導起電力の発生に伴って各ロータ巻線14n,14sに流れる電流は、各ダイオード22,24により整流されることで、同じ組のロータ巻線回路20a(または20b)において同方向で、異なる組のロータ巻線回路20a,20bにおいて逆方向に流れる。各ロータ巻線14n,14sにダイオード22,24で整流された電流が流れて各磁極部18が磁化し、各磁極部18が磁極の固定された磁石として機能する。また、各磁極部18の磁化方向は、ロータ10の周方向に隣り合う磁極部18同士で互いに逆方向になる。
そして、各磁極部18により生成される磁界がティース34(図11)の回転磁界(基本波成分)と相互作用して、吸引及び反発作用が生じる。このティース34の回転磁界(基本波成分)と各磁極部18の磁界との電磁気相互作用(吸引及び反発作用)によっても、ロータ10にトルクであるロータ巻線生成トルクを作用させることができ、ロータ10がステータ28(図11)で生成される回転磁界(基本波成分)に同期して回転駆動する。
また、図11に示す3相のステータ巻線32u,32v,32wに3相の交流電流を流すことでティース34に生成された、回転磁界(基本波成分)がロータ10(図10)に作用すると、各永久磁石26(図10)により生成される磁界がティース34の回転磁界(基本波成分)と相互作用して、吸引及び反発作用が生じる。このティース34の回転磁界(基本波成分)と各永久磁石26の磁界との電磁気相互作用(吸引及び反発作用)によっても、ロータ10にトルクである永久磁石生成トルクを作用させることができ、ロータ10がステータ28で生成される回転磁界(基本波成分)に同期して回転駆動する。
この結果、先発明に係る回転電機において、ステータ巻線32u,32v,32w(図11)への供給電力を利用してロータ10(図10)に動力(機械的動力)を発生させる電動機として機能させることができる。一方、先発明に係る回転電機を、ロータ10の動力を利用してステータ巻線32u,32v,32wに電力を発生させる発電機として機能させることもできる。このような先発明に係る回転電機によれば、ロータ10にロータ巻線14n,14s(図10)を短節巻きで巻装し、ロータ巻線14n,14sに誘導起電力に伴って生じる誘導電流をダイオード22,24(図10)で整流する。このため、ステータ巻線32u,32v,32w以外の種類の巻線をステータ28に、ロータ巻線14n,14s以外の種類の巻線をロータ10に、それぞれ設けることなく、ロータ巻線14n,14sに高調波成分による誘導起電力を効率よく発生させることができ、回転電機の巻線構造を簡略化できる。
ただし、このような先発明に係る回転電機の場合、トルクを有効に高くする面からまだ改良の余地がある。例えば、図12は、先発明に係る回転電機において、ロータの正転及び逆転での、電流位相−トルク特性を示す図である。なお、以下の説明では、図10、図11で示した要素と同等部分には同一符号を付して説明する。図12において、横軸は、ステータ巻線32u,32v,32wに流す交流電流の位相である、ロータ10位置に対する電流進角を表し、縦軸は、回転電機の力行トルクを表している。なお、図12の縦軸が負である場合には、ロータ10に逆転方向に回転させるトルクが作用し、回転電機を発電機として使用する場合に、回生する場合に得られる電力が大きくなることを表している。すなわち、図12の縦軸の負の値の絶対値が大きくなるほど、回生時のトルクである回生トルクが大きくなり、回生する場合に得られる電力が大きくなる。
図10、図11に示した先発明に係る回転電機において、ロータ10が正転である、図10の矢印α方向に回転する場合には、例えば、図12に実線で示す電流位相−トルク特性が得られる。すなわち、電流進角が0から大きくなるにしたがって、力行トルクが大きくなり、60度付近で最大となり、徐々に減少して力行トルクが負となった(すなわち、回生トルクが正となった)後、180度付近で最小になる(回生トルクが最大となる)。
これに対して、先発明に係る回転電機において、ロータ10が逆転である、図10の矢印β方向に回転する場合には、例えば、図12に破線で示す電流位相−トルク特性が得られる。すなわち、電流進角が0から大きくなるにしたがって、力行トルクが徐々に減少し、負となった後、135度付近で最小になり(すなわち、回生トルクが最大となり)、その後徐々に上昇する。図12に示した正転時のトルク特性と逆転時のトルク特性とを比較すれば明らかなように、ロータの正転時には逆転時の場合に対して、力行トルクの最大値が大きくなるが、回生トルクの最大値が小さくなる。逆に言えば、ロータの逆転時には、正転時に対して、回生トルクの最大値が大きくなるが、力行トルクの最大値が小さくなる。
次に、トルク特性がこのようになる理由を、図13、図14を用いてより詳しく説明する。図13は、ロータの正転時の電流位相−トルク特性を、永久磁石生成トルク、リラクタンストルク、ロータ巻線生成トルクに分けて示す図である。図14は、ロータの逆転時の電流位相−トルク特性を、永久磁石生成トルク、リラクタンストルク、ロータ巻線生成トルクに分けて示す図である。図13、図14の縦軸、横軸が表す意味は、上記の図12の場合に説明したものと同様である。図13、図14では、破線aにより永久磁石生成トルクTmgを表し、一点鎖線bによりリラクタンストルクTreを表し、二点鎖線cにより、ロータ巻線生成トルクTcoilを表している。ロータ巻線生成トルクTcoilは、ステータ巻線32u,32v,32wに3相の交流電流を流すことで生成される起磁力の空間高調波成分がロータ巻線14n、14sに作用することにより、ロータ巻線14n、14sに誘導される電流によるトルクである。また、図13、図14において、実線xにより、永久磁石生成トルクTmg、リラクタンストルクTre、ロータ巻線生成トルクTcoilを合わせた全トルクTallを表している。
次に、図13に示す各トルクTmg、Tre、Tcoil、Tallを、回転電機の力行時について説明する。図13に示すように、ロータ10の正転時には、電流進角が0度で永久磁石生成トルクTmgが最大であるとすると、永久磁石生成トルクTmgは、電流進角が大きくなるにしたがって減少し、180度で最小になる。これに対して、同じ場合に、リラクタンストルクTreは、電流進角が0度から大きくなるにしたがって大きくなり、45度で最大になり、その後、徐々に減少して、135度で最小になる。また、同じ場合に、ロータ巻線生成トルクTcoilは、電流進角が0度から大きくなるにしたがって大きくなり、90度で最大になり、徐々に減少する。これは、図10に示すように、ロータ巻線14n、14sに電流が流れることにより、永久磁石26と同方向に磁化される磁極部18が、ロータ10の正転時に、ロータ10の回転方向に関して、この永久磁石26よりも進行方向前側に位置することに基づく。この結果、図12に示す正転時のトルク特性と一致する、図13に示す全トルクTallは、電流進角が45度付近で最大になり、電流進角が165度付近で最小になる。
また、同様に回転電機の力行時について説明するが、図10に示すように、ロータ10の逆転時には、ロータ巻線14n、14sに電流が流れることにより、永久磁石26と同方向に磁化される磁極部18が、ロータ10の回転方向に関して、この永久磁石26よりも進行方向後側に位置する。このため、図14に示すように、ロータ10の逆転時には、電流進角が0度で永久磁石生成トルクTmgが最大であるとすると、ロータ巻線生成トルクTcoilは、電流進角が0度から大きくなるにしたがって、負の値で減少し、90度で最小になり、徐々に上昇する。なお、図示は省略するが、電流進角が0度から小さくなる場合には、ロータ巻線生成トルクTcoilは正の値で徐々に上昇し、−90度で最大になる。すなわち、図13、図14の電流位相−トルク特性で見ると、ロータ巻線生成トルクTcoilは、正転時に対して逆転時で正負が反転する。この結果、図12に示す逆転時のトルク特性と一致する、図14に示すロータ10の全トルクTallは、電流進角が15度付近で最大になり、電流進角が135度付近で最小になる。また、ロータ10の逆転時の力行トルクの最大値は、正転時の力行トルクの最大値に比べて小さくなるが、ロータ10の逆転時の回生トルクの最大値は、正転時の回生トルクの最大値よりも大きくなる。この結果、先発明に係る回転電機のトルク特性は、上記の図12に示した電流位相−トルク特性となり、ロータ10の正転時と逆転時とで、力行トルクの最大値と、回生トルクの最大値とが、それぞれ異なる。
このように図10、図11に示した先発明に係る回転電機の場合には、ロータ10の回転方向の違いで、力行トルクと回生トルクとが異なり、例えば、力行トルクを十分に発生できるのが、ロータ10の正転時に限定される可能性がある。このため、ロータ10の正転逆転の両方で高い性能を発揮させる回転電機、例えばモータとして使用する面からは改良の余地がある。これは、回転電機を発電機として使用する場合の回生トルクについても同様である。このような先発明に係る回転電機の場合、トルクを有効に高くする面から改良の余地がある。
また、永久磁石生成トルクTmgと、ロータ巻線生成トルクTcoilとは、電流進角の位相が異なる場合に最大となるので、全トルクTallを大きくする面から改良の余地がある。このような面からも、トルクを有効に高くする面から改良の余地がある。
本発明の目的は、回転電機において、回転電機のトルクを有効に高くすることである。
本発明に係る回転電機及び回転電機駆動装置は、上記の目的を達成するために以下の手段を採用する。
本発明に係る回転電機は、高調波成分を含む周波数の回転磁界を生成する複数相のステータ巻線を有するステータと、ロータとが対向配置された回転電機であって、ロータは、ロータの周方向複数個所に位置するインダクタンスが低いd軸磁路に配置され、ステータで生成された回転磁界が鎖交することで誘導起電力が発生するロータ巻線と、各ロータ巻線を短絡し、誘導起電力の発生に伴って各ロータ巻線に流れる電流を整流する整流素子と、を備え、各ロータ巻線に流れる電流により生成される複数の磁極部の磁気特性を、ロータの周方向に関して交互に異ならせていることを特徴とする回転電機である。
また、本発明に係る回転電機において、好ましくは、ロータの周方向複数個所に、ロータの径方向に着磁した永久磁石を配置するとともに、着磁方向を、周方向に隣り合う永久磁石同士で異ならせ、ロータの周方向複数個所で、複数の永久磁石に対しロータの周方向に一致する位置にロータ巻線を配置し、永久磁石の磁化方向と、永久磁石に対しロータの周方向に一致する磁極部の磁化方向とを一致させている。
また、本発明に係る回転電機において、好ましくは、ロータ巻線は、ロータの周方向複数個所に短節巻きで巻装されている。
また、本発明に係る回転電機において、好ましくは、ロータの周方向に関して隣り合うロータ巻線の間部分を、ステータ側に突出させている。
また、本発明に係る回転電機において、好ましくは、ロータ巻線は、互いに同じ磁気特性を有する磁極部に巻装されるもの同士で電気的に接続されている。
また、本発明に係る回転電機において、好ましくは、ロータの内部に設けられた複数の空隙部を備え、ロータの周方向に関してインダクタンスが低い部分と高い部分とを交互に配置し、インダクタンスが低いd軸磁路にロータ巻線を配置している。
本発明によれば、回転電機のトルクを有効に高くすることができる。すなわち、ロータの周方向複数個所に位置するインダクタンスが低いd軸磁路にロータ巻線を配置するので、ロータの回転方向にかかわらず、電流位相−トルク特性が同じになり、しかもトルクの最大値が高くなり、トルクを有効に高くすることができる。例えば、力行トルクを大きくする場合に、ロータ正転時とロータ逆転時との両方で力行トルクを大きくすることができる。また、回生トルクを大きくする場合に、ロータ正転時とロータ逆転時との両方で回生トルクを大きくすることができる。したがって、ロータ回転の正転逆転両方で高いトルクを得られる回転電機の実現が可能になる。
また、ロータの周方向複数個所に、ロータの径方向に着磁した永久磁石を配置するとともに、着磁方向を、周方向に隣り合う永久磁石同士で異ならせ、ロータの周方向複数個所で、複数の永久磁石に対しロータの周方向に一致する位置にロータ巻線を配置し、永久磁石の磁化方向と、永久磁石に対しロータの周方向に一致する磁極部の磁化方向とを一致させている構成によれば、永久磁石により生成される永久磁石生成トルクと、ロータ巻線に流れる誘導電流により生成されるロータ巻線生成トルクとが、電流進角の同位相で最大トルクとなる。すなわち、ロータ巻線での誘導電流により、ロータ巻線が等価的に電磁石として機能し、永久磁石に鎖交する磁束が増大してその分、回転電機のトルクが増加する。このため、回転電機のトルクをより有効に高くすることができ、しかもトルク特性がロータの回転方向に依存せず同じとなる。また、ロータ巻線に流れる誘導電流により、永久磁石内の磁束変動が抑えられるため、永久磁石内部での渦電流損失が抑えられ、磁石発熱を低減できる。
[第1の発明の実施の形態]
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の回転電機を、回転軸と平行方向から見た略図である。図2は、図1のロータの概略構成を、回転軸と平行方向から見た略図である。図3は、第1の実施の形態の回転電機を駆動する回転電機駆動装置の略構成図である。図4は、ロータの正転時と逆転時とで一致する回転電機の電流位相−トルク特性を示す図である。図5は、第1の実施の形態において、永久磁石内の磁束密度の変動の時間経過を示す図である。
本実施の形態の回転電機38は、図示しないケーシングに固定されたステータ28と、ステータ28と所定の空隙を空けて径方向に対向配置され、ステータ28に対し回転可能なロータ40とを備える。図1から図2は、ステータ28とロータ40とが径方向に対向するように配置された、ラジアル型の回転電機38の例を示しており、ロータ40がステータ28の径方向内側に配置されている。ステータ28は、複数のティース34に巻装された3相等の奇数相のステータ巻線32u,32v,32wを有し、例えば3相のステータ巻線32u,32v,32wに3相の交流電流を流すことで、ティース34に高調波成分を含む周波数の回転磁界を生成する。なお、本実施の形態の主な特徴は、ロータ40の構造にあり、ステータ28の構成及び作用は、上記の図10、図11に示した先発明に係るステータ28と同様であるため、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略もしくは簡略にする。
図2に示すように、ロータ40は、ロータコア12と、ロータコア12の周方向複数個所に配置され、巻装されたロータ巻線42n,42sと、ロータ40の周方向複数個所に配置された永久磁石26とを含む。ロータ40は、回転軸16に固定されている。ロータコア12の周方向複数個所に、径方向に伸びる柱部等の磁極部18が形成され、ロータ巻線42n,42sは、各磁極部18に巻装されている。
また、永久磁石26は、ロータ40の周方向複数個所の、各ロータ巻線42n,42sとロータ40の周方向に関して一致する部分に設けられた磁極部18の内部に配置され、すなわち埋設されている。逆に言えば、各永久磁石26の周囲にロータ巻線42n,42sが巻装されている。永久磁石26は、ロータ40の径方向に着磁させるとともに、その着磁方向を、ロータ40の周方向に隣り合う永久磁石26同士で異ならせている。図1、図2(後述する図6も同様。)において、永久磁石26の上に配置された実線矢印は、永久磁石26の磁化方向を表している。なお、磁極部18は、ロータ40の周方向複数個所に径方向に伸びるように配置した突極等により構成することもできる。
ロータ40は、周方向に関して異なる磁気的突極特性を有する。ロータ40のうち、各永久磁石26から周方向に外れ、周方向に関して磁極部18と外れた位置である、インダクタンスLが高い磁路をq軸磁路とし、各永久磁石26と周方向に一致するインダクタンスLが低い磁路をd軸磁路とすると、各ロータ巻線42n,42sは、ロータ40の周方向複数個所に位置するd軸磁路に配置されている。
また、各磁極部18に巻装されたロータ巻線42n,42sは、互いに電気的に接続されておらず分断(絶縁)されている。そして、電気的に分断された各ロータ巻線42n,42sに、一方向整流素子である一方向ダイオード22または他方向整流素子である他方向ダイオード24が並列に接続されている。また、ロータ40の周方向の一つ置きの一部のロータ巻線42nに一方向ダイオード22が接続され、残りのロータ巻線42sに他方向ダイオード24が接続されている。このため、各ロータ巻線42n,42sは、一方向ダイオード22または他方向ダイオード24を介して短絡されている。したがって、各ロータ巻線42n,42sに流れる電流が一方向に整流される。
ロータ巻線42n,42sにダイオード22,24の整流方向に応じた直流電流が流れると、ロータ巻線42n,42sが巻装された磁極部18(図1、図2)が磁化することで、この磁極部18が磁極の固定された磁石として機能する。図1、図2にロータ巻線42n,42sの、ロータ40の径方向に関する外側に示した破線矢印の向きは、磁極部18の磁化方向を表している。
また、図3に示すように、本実施の形態の回転電機駆動装置50は、回転電機38と、蓄電装置52と、インバータ54と、制御部である制御装置56とを備える。蓄電装置52は、直流電源として設けられ、充放電可能であり、例えば二次電池により構成する。インバータ54は、スイッチング素子(図示せず)を備え、スイッチング素子のスイッチング動作により蓄電装置52からの直流電力を、3相等の奇数相の交流に変換して、ステータ巻線32u,32v,32wの各相に電力を供給することを可能とする。制御装置56は、インバータ54を構成するスイッチング素子のスイッチング動作を制御して、ステータ巻線32u,32v,32wに流す交流電流の位相(電流進角)を制御することで、ロータ40(図1、図2)のトルクを制御する。
また、図2に示すように、ロータ40の周方向に隣り合うロータ巻線42n,42s同士で直流電流の方向が互いに逆方向になる。そして、ロータ40の周方向に隣り合う磁極部18同士で磁化方向が互いに逆になる。すなわち、本実施の形態では、磁極部18の磁気特性が、ロータ40の周方向に関して交互に異なっている。例えば、図1、図2では、ロータ40の周方向1つ置きの磁極部18である、ロータ巻線42nとロータ40の周方向に一致する部分の径方向外側にN極が配置され、N極の磁極部18と周方向に隣り合う磁極部18である、ロータ巻線42sとロータ40の周方向に一致する部分の径方向外側にS極が配置されるようにする。そして、ロータ40の周方向に隣り合う2つの磁極部18(N極及びS極)により、1つの極対が構成される。また、各永久磁石26の磁化方向と、各永久磁石26に対しロータ40の周方向に一致する磁極部18の磁化方向とを一致させている。
また、図1、図2に示す例では、8極の磁極部18が形成され、ロータ40の極対数は4極対となる。また、ステータ28(図1)の極対数とロータ40の極対数とはいずれも4極対で、ステータ28の極対数とロータ40の極対数とは等しい。ただし、ステータ28の極対数及びロータ40の極対数は、いずれも4極対以外とすることもできる。
また、本実施の形態では、ロータ40の周方向に関する各磁極部18の幅がロータ40の電気角で180度に相当する幅よりも短く設定されている。そして、周方向に関する各ロータ巻線42n,42sの幅θ(図2)はロータ40の電気角で180度に相当する幅よりも短く設定されており、ロータ巻線42n,42sは各磁極部18に短節巻きで巻装されている。
このような回転電機において、3相のステータ巻線32u,32v,32wに3相の交流電流を流すことでティース34(図1)に生成された高調波成分を含む周波数の回転磁界がロータ40に作用する。そしてこれに応じて、ロータ40に、リラクタンストルクと永久磁石生成トルクとロータ巻線生成トルクとが作用して、ロータ40がステータ28で生成される回転磁界(基本波成分)に同期して回転駆動する。このような作用は、上記の図10、図11に示した先発明に係る回転電機の場合と同様である。ただし、本実施の形態では、ロータ40の周方向複数個所に永久磁石26を配置するとともに、周方向に隣り合う永久磁石26同士で着磁方向を異ならせ、ロータ40の周方向複数個所で、複数の永久磁石26に対しロータ40の周方向に一致する位置にロータ巻線42n,42sを配置し、各永久磁石26の磁化方向と、各永久磁石26に対しロータ40の周方向に一致する磁極部18の磁化方向とを一致させている。このため、図4に示すように、永久磁石26により生成される永久磁石生成トルクTmg(図4の破線d)と、ロータ巻線42n,42sに流れる誘導電流により生成されるロータ巻線生成トルクTcoil(図4の二点鎖線f)とが、電流進角の同位相(図4の0度)で最大トルクとなる。また、永久磁石生成トルクTmgと、ロータ巻線生成トルクTcoilとが、電流進角の同位相(図4の180度)で最小トルクとなる。また、リラクタンストルクTreは、電流進角が45度で最小となり、135度で最小となる。この結果、回転電機38の全トルクTall(図4の実線)が、30度付近で最大になり、150度付近で最小となる。また、このような各トルクTmg,Tcoil,Tre,Tallは、ロータ40の回転方向がいずれになる場合でも同じトルク−電流進角特性となる。
このような本実施の形態の回転電機によれば、回転電機38のトルクを有効に高くすることができる。すなわち、ロータ40の周方向複数個所に位置するインダクタンスが低いd軸磁路にロータ巻線42n,42sを配置するので、ロータ40の回転方向にかかわらず、電流位相−トルク特性が同じになり、しかもトルクの最大値が高くなり、トルクを有効に高くすることができる。例えば、力行トルクを大きくする場合に、ロータ40正転時(図2の矢印α方向にロータ40が回転する場合)とロータ40逆転時(図2の矢印β方向にロータ40が回転する場合)との両方で力行トルクを大きくすることができる。また、回生トルクを大きくする場合に、ロータ40正転時とロータ40逆転時との両方で回生トルクを大きくすることができる。したがって、ロータ40回転の正転逆転両方で高いトルクを得られる回転電機38の実現が可能になる。
また、ロータ40の周方向複数個所に、ロータ40の径方向に着磁した永久磁石26を配置するとともに、周方向に隣り合う永久磁石26同士で着磁方向を異ならせ、ロータ40の周方向複数個所で、複数の永久磁石26に対しロータ40の周方向に一致する位置にロータ巻線42n,42sを配置し、永久磁石26の磁化方向と、永久磁石26に対しロータ40の周方向に一致する磁極部18の磁化方向とを一致させている。このため、永久磁石26により生成される永久磁石生成トルクTmgと、ロータ巻線42n,42sに流れる誘導電流により生成されるロータ巻線生成トルクTcoilとが、電流進角の同位相で最大トルクとなる。すなわち、ロータ巻線42n,42sでの誘導電流により、ロータ巻線42n,42sが等価的に電磁石として機能し、各永久磁石26に鎖交する磁束が増大してその分、回転電機38のトルクが増加する。このため、回転電機38のトルクをより有効に高くすることができ、しかもトルク特性がロータ40の回転方向に依存せず同じとなる。
また、ロータ巻線42n,42sに流れる誘導電流により、各永久磁石26内の磁束変動が抑えられるため、各永久磁石26内部での渦電流損失が抑えられ、磁石発熱を低減できる。図5は、本実施の形態において、各永久磁石26内の磁束変動の時間変化を示している。図5の破線gは、本実施の形態と同様の構成において、すべてのロータ巻線42n,42s(図1、図2参照)を省略した比較例の場合を表している。すなわち、比較例は、ロータの周方向複数個所に永久磁石を配置し、周方向に隣り合う永久磁石同士で着磁方向を異ならせ、永久磁石生成トルクとリラクタンストルクとにより、回転電機の全トルクを生成する。このような比較例では、ステータからロータに回転磁界が作用することで、時間経過に関して各永久磁石内の磁束密度が大きく変動する。このような比較例の場合には、各永久磁石内部に渦電流損が生じて、磁石発熱が大きくなる可能性がないとはいえない。
これに対して、本実施の形態では、図5に実線hで表すように、時間経過に関する各永久磁石26内の磁束密度の変動量が小さくなる。これは、各永久磁石26の周囲にロータ巻線42n,42sが配置され、ロータ巻線42n,42sに流れる誘導電流により、各ロータ巻線42n,42s周囲の、ステータ28からの回転磁界の磁束変動、及び、各永久磁石26の磁束変動に反抗するようにダイオード22,24で整流された誘導電流に基づく磁界が作用し、比較例で磁束密度が減少する場合に対して、磁束密度を大きくできることに基づくものである。この結果、各永久磁石26内部での渦電流損失が抑えられ、磁石発熱を低減できる。
また、ロータ巻線42n,42sは、ロータ40の周方向複数個所に短節巻きで巻装し、ロータ巻線42n,42sに誘導起電力に伴って生じる誘導電流をダイオード22,24で整流する。このため、ステータ巻線32u,32v,32w以外の種類の巻線をステータ28に、ロータ巻線42n,42s以外の種類の巻線をロータ40に、それぞれ設けることなく、ロータ巻線42n,42sに高調波成分による誘導起電力を効率よく発生させることができ、回転電機38の巻線構造を簡略化できる。
[第2の発明の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態において、図2に対応する略図である。本実施の形態では、複数のロータ巻線14n,14sのうち、ロータ40aの周方向において1つおきに配置された一部のロータ巻線14n同士を電気的に直列接続し、周方向において1つおきに配置された残りのロータ巻線14s同士を電気的に直列接続している。すなわち、同じ方向に磁化される磁石として機能する磁極部18に巻装されたロータ巻線14n(または14s)同士を電気的に直列接続している。また、ロータ40aの周方向に隣り合う磁極部18に巻装されたロータ巻線14n,14s同士は、電気的に分断している。そして、互いに電気的に接続したロータ巻線14n(または14s)を含む回路により、互いに電気的に分断された2組のロータ巻線回路58a、58bを構成している。すなわち、ロータ巻線14n,14sは、互いに同じ磁気特性を有する磁極部18に巻装されるもの同士で、電気的に接続している。
また、2組のロータ巻線回路58a,58bにそれぞれ整流素子である一方向ダイオード22または他方向ダイオード24を、1つずつのロータ巻線14n,14sに対して並列に接続し、それぞれのロータ巻線回路58a,58bに流れる電流の向きを一方向に整流している。また、2組のロータ巻線回路58a,58bのうち、一方向ダイオード22により整流される一方のロータ巻線回路58aを流れる電流と、他方向ダイオード24により整流される他方のロータ巻線回路58bを流れる電流とを互いに逆方向にしている。その他の構成及び作用については、上記の第1の実施の形態と同様であるため、同等部分には同一符号を付して重複する図示及び説明を省略する。
[第3の発明の実施の形態]
図7は、本発明の第3の実施の形態において、図2に対応する略図である。本実施の形態の回転電機を構成するロータ40bは、上記の図6に示した第2の実施の形態で、ロータ40aに設けていた永久磁石26を省略している。また、ロータコア12は、外周面の周方向複数個所に径方向に突出する突部60を設けた構成とし、各ロータ巻線14n,14sを、ロータ40bの周方向に隣り合う突部60の間に配置している。すなわち、各ロータ巻線14n,14sは、内部が空間部となる空芯状態で配置される。また、ロータ40bの周方向に関してロータ巻線14n,14sの間部分が、ステータ28(図1参照)側に突出し、ロータコア12は磁気的突極特性を有する。
このようなロータ40bの場合、ロータ40bの周方向に関して突部60と一致する磁路が、インダクタンスが高いq軸磁路となり、ロータ40bの周方向に関して突部60と外れた位置が、インダクタンスが低いd軸磁路となる。そして、各ロータ巻線14n,14sは、d軸磁路に配置されている。
このような本実施の形態では、上記の各実施の形態と異なり、ロータ40bに永久磁石26(図6参照)が配置されていないが、ロータ40bの回転方向にかかわらず回転電機のトルクを大きくできる。すなわち、ロータ40bの周方向複数個所に位置するインダクタンスが低いd軸磁路にロータ巻線14n,14sを配置するので、ロータ40bの回転方向にかかわらず、電流位相−トルク特性が同じになり、しかもトルクの最大値が高くなり、トルクを有効に高くすることができる。例えば、力行トルクを大きくする場合に、ロータ40b正転時とロータ40b逆転時との両方で力行トルクを大きくすることができる。また、回生トルクを大きくする場合に、ロータ40b正転時とロータ40b逆転時との両方で回生トルクを大きくすることができる。したがって、ロータ40b回転の正転逆転両方で高いトルクを得られる回転電機の実現が可能になる。その他の構成及び作用については、上記の第1の図1から図5に示した第1の実施の形態、または上記の図6に示した第2の実施の形態と同様であるため、同等部分には同一符号を付して重複する図示及び説明を省略する。
[第4の発明の実施の形態]
図8は、本発明の第4の実施の形態において、図2に対応する略図である。本実施の形態の回転電機を構成するロータ40cも、上記の図7に示した第3の実施の形態の場合と同様に、ロータ40cに永久磁石26(図1等参照)を設けていない。本実施の形態では、ロータ40cを構成するロータコア12の内部に空隙部である、スリット62を形成することにより、ロータ40cの磁気抵抗を回転方向に関して変化させている。すなわち、ロータコア12の周方向複数個所に、断面略U字形で軸方向に伸び、径方向外側に開口する複数のスリット62を、ロータ40cの径方向に間隔をあけて配置している。そして、ロータコア12の周方向複数個所で、複数のスリット62の周方向中央位置と一致する位置の磁路をインダクタンスが低いd軸磁路とし、周方向に隣り合うスリット62の間の磁路をインダクタンスが高いq軸磁路としている。そして、ロータ40cの周方向に関してd軸磁路とq軸磁路とを交互に配置している。
また、ロータ40cの周方向複数個所の各d軸磁路に対応する磁極部18に、ロータ巻線42n,42sを配置し、巻装している。また、ロータ巻線42n,42sを一方向ダイオード22または他方向ダイオード24で短絡している。一方向ダイオード22で短絡したロータ巻線42nと、他方向ダイオード24で短絡したロータ巻線42sとを、ロータ40cの周方向に関して交互に配置し、ロータ巻線42n,42sに流れる電流により生成される複数の磁極部18の磁気特性を、ロータ40cの周方向に関して交互に異ならせている。
このような本実施の形態の場合には、ステータ28(図1参照)からの回転磁界がロータ巻線42n,42sに鎖交することで、各ロータ巻線42n,42sに各ダイオード22,24で整流された直流電流が流れて、各d軸磁路に位置する周方向複数個所の磁極部18が磁化し、各磁極部18が磁極の固定された磁石として機能する。また、ロータ40cの周方向に関する各ロータ巻線42n,42sの幅を、ロータ40cの電気角で180度に相当する幅よりも短く設定し、ロータ巻線42n,42sを各磁極部18に短節巻きで巻装している。
このような本実施の形態の場合も、ロータ40cに永久磁石が配置されていないが、ロータ40cの回転方向にかかわらず回転電機のトルクを大きくできる。すなわち、ロータ40cの周方向複数個所に位置するインダクタンスが低いd軸磁路にロータ巻線42n,42sを配置するので、ロータ40cの回転方向にかかわらず、電流位相−トルク特性が同じになり、しかもトルクの最大値が高くなり、トルクを有効に高くすることができる。したがって、ロータ40c回転の正転逆転両方で高いトルクを得られる回転電機の実現が可能になる。その他の構成及び作用については、上記の第1の図1から図5に示した第1の実施の形態と同様であるため、同等部分には同一符号を付して重複する図示及び説明を省略する。
[第5の発明の実施の形態]
図9は、本発明の第5の実施の形態において、図2に対応する略図である。本実施の形態の回転電機を構成するロータ40dでは、上記の図1から図5に示した第1の実施の形態を構成するロータ40(図2)において、ロータコア12に磁気的突極特性を持たせず、ロータコア12の外周面の周方向複数個所に永久磁石26を固定している。また、各永久磁石26の周囲にロータ巻線42n,42sを巻装している。本実施の形態では、ロータ40dの周方向複数個所の、各永久磁石26と周方向に一致する部分を磁極部としている。また、各ロータ巻線42n,42sを一方向ダイオード22または他方向ダイオード24で短絡している。その他の構成及び作用については、上記の第1の図1から図5に示した第1の実施の形態と同様であるため、同等部分には同一符号を付して重複する図示及び説明を省略する。
なお、上記の各実施形態では、ステータ28とロータ40,40a,40b,40c,40dとが回転軸16と直交する径方向において対向配置されている場合について説明した。ただし、本発明に係る回転電機は、ステータ28とロータ40,40a,40b,40c,40dとが回転軸16と平行方向(回転軸方向)において対向配置されたアキシャル型の回転電機の場合でも同様に適用可能である。この場合には、ロータ巻線に流れる電流により生成される複数の磁極部の磁化方向をロータの軸方向とし、複数の磁極部の磁化方向をロータの周方向に関して交互に異ならせる。
本発明の第1の実施形態の回転電機を、回転軸と平行方向から見た略図である。 図1からロータの概略構成を、回転軸と平行方向から見た略図である。 第1の実施の形態の回転電機を駆動する回転電機駆動装置の略構成図である。 ロータの正転時と逆転時とで一致する回転電機の電流位相−トルク特性を示す図である。 第1の実施の形態において、永久磁石内の磁束密度の変動の時間経過を示す図である。 本発明の第2の実施の形態において、図2に対応する略図である。 本発明の第3の実施の形態において、図2に対応する略図である。 本発明の第4の実施の形態において、図2に対応する略図である。 本発明の第5の実施の形態において、図2に対応する略図である。 先発明に係る回転電機を構成するロータを、回転軸と平行方向に見た概略構成を示す図である。 先発明において、ロータの径方向外側に対向した状態で配置するステータの概略構成を示す図である。 先発明に係る回転電機において、ロータの正転及び逆転での、電流位相−トルク特性を示す図である。 ロータの正転時の電流位相−トルク特性を、永久磁石生成トルク、リラクタンストルク、ロータ巻線生成トルクに分けて示す図である。 ロータの逆転時の電流位相−トルク特性を、永久磁石生成トルク、リラクタンストルク、ロータ巻線生成トルクに分けて示す図である。
符号の説明
10 ロータ、12 ロータコア、14n,14s ロータ巻線、16 回転軸、18 磁極部、20a,20b ロータ巻線回路、22 一方向ダイオード、24 他方向ダイオード、26 永久磁石、28 ステータ、30 ステータコア、32u,32v,32w ステータ巻線、34 ティース、36 スロット、38 回転電機、40,40a,40b,40c,40d ロータ、42n,42s ロータ巻線、50 回転電機駆動装置、52 蓄電装置、54 インバータ、56 制御装置、58a,58b ロータ巻線回路、60 突部、62 スリット。

Claims (6)

  1. 高調波成分を含む周波数の回転磁界を生成する複数相のステータ巻線を有するステータと、ロータとが対向配置された回転電機であって、
    ロータは、
    ロータの周方向複数個所に位置するインダクタンスが低いd軸磁路に配置され、ステータで生成された回転磁界が鎖交することで誘導起電力が発生するロータ巻線と、
    各ロータ巻線を短絡し、誘導起電力の発生に伴って各ロータ巻線に流れる電流を整流する整流素子と、を備え、
    各ロータ巻線に流れる電流により生成される複数の磁極部の磁気特性を、ロータの周方向に関して交互に異ならせていることを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    ロータの周方向複数個所に、ロータの径方向に着磁した永久磁石を配置するとともに、着磁方向を、周方向に隣り合う永久磁石同士で異ならせ、
    ロータの周方向複数個所で、複数の永久磁石に対しロータの周方向に一致する位置にロータ巻線を配置し、
    永久磁石の磁化方向と、永久磁石に対しロータの周方向に一致する磁極部の磁化方向とを一致させていることを特徴とする回転電機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の回転電機において、
    ロータ巻線は、ロータの周方向複数個所に短節巻きで巻装されていることを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1に記載の回転電機において、
    ロータの周方向に関して隣り合うロータ巻線の間部分を、ステータ側に突出させていることを特徴とする回転電機。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1に記載の回転電機において、
    ロータ巻線は、互いに同じ磁気特性を有する磁極部に巻装されるもの同士で電気的に接続されていることを特徴とする回転電機。
  6. 請求項1に記載の回転電機において、
    ロータの内部に設けられた複数の空隙部を備え、
    ロータの周方向に関してインダクタンスが低い部分と高い部分とを交互に配置し、インダクタンスが低いd軸磁路にロータ巻線を配置していることを特徴とする回転電機。
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