JP2009035006A - 二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れた特性である耐熱性、保香性、耐水性等を失うことなく実用面の特性を維持し、良好なひねり保持性、折曲げ性を具備し、ひねり包装や折曲げ包装、又は折曲げ固定の可能な二軸延伸ポリエステルフィルムを供給すること。
【解決手段】 ポリエステル樹脂(A)層の少なくとも一方の面に、ポリエステル樹脂(B)層が積層されてなるポリエステル積層フィルムであって、フィルムの長手方向の屈折率NxがNx≦1.577であり、フィルムの厚み方向の屈折率Nzが1.490≦Nz≦1.550であり、かつ前記フィルムの熱収縮率が5.0%以下であり、かつひねり保持角度が230°以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリエステル樹脂(A)層の少なくとも一方の面に、ポリエステル樹脂(B)層が積層されてなるポリエステル積層フィルムであって、フィルムの長手方向の屈折率NxがNx≦1.577であり、フィルムの厚み方向の屈折率Nzが1.490≦Nz≦1.550であり、かつ前記フィルムの熱収縮率が5.0%以下であり、かつひねり保持角度が230°以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、二軸延伸ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、二軸延伸ポリエステルフィルムの優れた特性である耐熱性、保香性、耐水性等を失うことなく実用面の特性を維持し、良好なひねり保持性を具備し、ひねり包装、折曲げ包装に適した、折曲げ固定の可能な二軸延伸ポリエステルフィルムに関する。
従来から、ひねり保持性や折曲げ性の優れたフィルムとしては、セロファンが知られている。セロファンはその優れた透明性と易切断性、ひねり保持性等の特性により各種包装材料や粘着テープ用として使用されている。しかし、一方で、セロファンは吸湿性を有するために特性が季節により変動し、一定の品質のものを常に供給することが困難であった。
また、ポリエチレンテレフタレートフィルムをベースフィルムとした包装材料は、延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムの強靭性、耐熱性、耐水性、透明性等の優れた特性により各種用途に好適に使用されており、特にガスバリア性フィルムとして無機物等が蒸着される基材フィルムとしては、寸法安定性のよいポリエステルフィルムが使用されてきた。その反面、切断性や包装用袋での口引裂き性における欠点、粘着テープでは切れにくいという欠点がある。また、折曲げ性が要求される用途では、腰が強いために折曲げ後にその形状保持ができないという欠点があった。さらに、ひねり包装用途においては、ひねり保持性が劣る等の欠点があり、セロファン代替品として使用することは困難であった。
また、ポリエチレンテレフタレートフィルムをベースフィルムとした包装材料は、延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムの強靭性、耐熱性、耐水性、透明性等の優れた特性により各種用途に好適に使用されており、特にガスバリア性フィルムとして無機物等が蒸着される基材フィルムとしては、寸法安定性のよいポリエステルフィルムが使用されてきた。その反面、切断性や包装用袋での口引裂き性における欠点、粘着テープでは切れにくいという欠点がある。また、折曲げ性が要求される用途では、腰が強いために折曲げ後にその形状保持ができないという欠点があった。さらに、ひねり包装用途においては、ひねり保持性が劣る等の欠点があり、セロファン代替品として使用することは困難であった。
また、ひねり包装に見られる固体物の包装フィルムは、包装するための機械によって容易に扱えるものでなければならず、例えば、一台の機械で1分間当り200〜1000個の固体物を包装できるものでなければならない。すなわち、一般的には物品をひねり包装する前に包装するのに必要な面積を切り取らなければならず、フィルムは包装前、切断後において完全に平面でなければならない。また、印刷や蒸着加工を行った後のフィルムにシワや寸法変化によるひずみがあると、切断や包装の際に歪んだり、包装品の見栄えが悪いといった問題が生じる。
上記欠点を解決する方法として、ポリエチレンテレフタレートの共重合物からなる二軸延伸フィルムであって、応力−ひずみ曲線において降伏点を有し、かつ、該共重合物の未延伸フィルムの平均屈折率をN0、二軸延伸フィルムの平均屈折率をN1としたとき、0.003≦N1−N0≦0.021を満足する易折曲げポリエステルフィルム(例えば、特許文献1参照)やポリエステル樹脂(1)層の少なくとも一方の面に、ポリエステル樹脂(1)層の融点よりも10℃以上高い融点を有し、かつ、全体厚みに対し5%以上、60%以下の厚みのポリエステル樹脂(2)層を積層した未延伸積層フィルムを少なくとも一軸延伸後にポリエステル樹脂(1)層の融点より10℃低い温度以上、かつ、ポリエステル樹脂(2)層の融点未満の温度で熱処理する引裂き性とひねり保持性の良好なポリエステルフィルムの製造方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
特許第2505474号公報
特開平5−104618号公報
しかしながら、上記の従来技術において、ポリエチレンテレフタレートの共重合物からなる二軸延伸フィルムであって、応力−ひずみ曲線において降伏点を有し、かつ、該共重合物の未延伸フィルムの平均屈折率をN0、二軸延伸フィルムの平均屈折率をN1としたとき、0.003≦N1−N0≦0.021とする方法は、フィルムに分子配向が残っており、本発明が目標とする折曲げ性、ひねり保持性を得ることはできない。また、印刷やラミネート、蒸着等の加工を行った際に熱による収縮によってシワの発生や幅方向のフィルムの寸法変化が発生するといった問題を有していた。また、ポリエステル樹脂(1)層の少なくとも一方の面に、ポリエステル樹脂(1)層の融点よりも10℃以上高い融点を有し、かつ、全体厚みに対し5〜60%の厚みのポリエステル樹脂(2)層を積層した未延伸積層フィルムを少なくとも一軸延伸後にポリエステル樹脂(1)層の融点より10℃低い温度以上、かつ、ポリエステル樹脂(2)層の融点未満の温度で熱処理する方法においては、フィルム強度を得るためには、融点の高いポリエステル樹脂層の厚みを厚くせざるを得ず、そうした際に融点の高いポリエステル樹脂層の影響で十分なひねり保持性が得られないことや、ひねり保持性を発現させるために融点の高い樹脂層の厚みを薄くするとフィルムが脆くなり、ひねり包装の際に内容物の角でフィルムが裂ける、あるいはフィルムを把持しているクリップによってフィルムが引きちぎられるといった問題を有していた。
本発明は、上記従来のポリエステルフィルムの有する問題点に鑑み、優れた特性である耐熱性、保香性、耐水性等を失うことなく実用面の特性を維持し、良好なひねり保持性、折曲げ性を具備し、ひねり包装や折曲げ包装、又は折曲げ固定の可能な二軸延伸ポリエステルフィルムを供給することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムによれば、 ポリエステル樹脂(A)層の少なくとも一方の面に、ポリエステル樹脂(B)層が積層されてなるポリエステル積層フィルムであって、フィルムの長手方向の屈折率NxがNx≦1.577であり、フィルムの厚み方向の屈折率Nzが1.490≦Nz≦1.550であり、かつ前記フィルムの熱収縮率が5.0%以下であり、かつひねり保持角度が230°以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
この場合において、前記ポリエステル積層フィルムの長手方向の屈折率Nx、幅方向の屈折率Nyが式|Nx−Ny|<0.0018を満たすことが好適である。
また、ポリエステル樹脂A層が実質的に分子配向がなく、ポリエステル樹脂B層が分子配向を有する層とすることができる。
また、ポリエステル樹脂A層が実質的に結晶性でないポリエステル樹脂から形成され、ポリエステル樹脂B層が200〜250℃の融点を持つポリエチレンテレフタレート共重合物から形成されてなることができる。
ここでいう実質的に結晶性でないポリエステル樹脂とは、DSC(示差走査熱量計)で、ポリエステル樹脂を285℃の温度で15分間加熱した後、液体窒素を用いて急冷処理し、この試料を10℃/分の速度で昇温したときに、結晶化発熱ピーク及び溶融吸熱ピークを有さない樹脂である。
また、150℃でのフィルム長手方向の熱収縮率を5.0%以下とすることができる。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムによれば、耐熱性、耐寒性、耐水性、透明性、保香性等のポリエステルフィルム本来の特性を有しながら、ひねり保持性、折曲げ性に優れ、強靭性を維持し、印刷やラミネート、蒸着膜形成等の後加工時にシワが発生するようなことがない。
本発明における二軸延伸ポリエステルフィルムは、積層フィルムの長手方向の屈折率Nx、幅方向の屈折率Nyが式|Nx−Ny|≦0.001を満たし、かつ、フィルムの長手方向の屈折率NxがNx≦1.577であり、フィルムの厚み方向の屈折率Nzが1.490≦Nz≦1.550である特性を有するポリエステル積層フィルムであって、かかる積層フィルムは、ポリエステル樹脂A層の少なくとも一方の面にポリエステル樹脂B層が積層されたフィルムである。
かかる特性を示すポリエステル積層フィルムとしては、ポリエステル樹脂A層が実質的に分子配向がなく、ポリエステル樹脂B層が分子配向を有する特性を有する積層フィルムからなることができ、また、ポリエステル樹脂A層が実質的に結晶性でないポリエステル樹脂から形成され、ポリエステル樹脂B層が200〜250℃の融点を持つポリエチレンテレフタレート共重合物から形成されてなる積層フィルムからなることがでる。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムのポリエステル樹脂A層を形成するのに用いるポリエステル樹脂は、通常、実質的に結晶性でないポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
また、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムのポリエステル樹脂B層を形成するのに用いるポリエステル樹脂は、通常、融点が200〜250℃のポリエチレンテレフタレートの共重合物を用いることが好ましい。融点が200℃未満では耐熱性が不足し、フィルムの耐熱性が低下する傾向にあり、融点が250℃を超えると折曲げ性、ひねり保持性が低下する傾向にある。
ポリエステル樹脂A層、ポリエステル樹脂B層を形成するのに通常用いるポリエステル樹脂の構成単量体としては、例えば、テレフタル酸及びエチレングリコールを主成分とし、他の酸成分及び/又は他のグリコール成分を共重合成分として含有するポリエステルである。他の酸成分としては、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族のニ塩基酸や、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、5−第3ブチルイソフタル酸、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4−ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸等の芳香族のニ塩基酸が用いられる。グリコール成分としては、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオールや、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族ジオール又はキシレングリコール、ビス(4−β−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン誘導体等の芳香族ジオールが用いられるが、特に限定されない。
本発明の、ひねり保持性、折曲げ性に優れるフィルムを得るための好ましい樹脂組成としては、ポリエステル樹脂A層を形成するのに用いる樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸/イソフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコールを主体とするポリエステル樹脂、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール/ネオペンチルグリコールを主体とするポリエステル樹脂、あるいはジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール/1,4−シクロヘキサンジメタノールを主体とするポリエステル樹脂等が、特に好ましいポリエステル樹脂として挙げられる。
また、ポリエステル樹脂B層を形成するのに用いる樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸/イソフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコールを主体とするポリエステル樹脂、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール/ネオペンチルグリコールを主体とするポリエステル樹脂、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール/ネオペンチルグリコール/ブタンジオールを主体とするポリエステル樹脂、あるいはジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール/1,4−シクロヘキサンジメタノールを主体とするポリエステル樹脂等が、特に好ましいポリエステル樹脂として挙げられる。
前記ポリエステル樹脂A層、ポリエステル樹脂B層を形成する樹脂中には、ポリエステル樹脂の他に必要に応じて各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては二酸化チタン、微粒子シリカ、カオリン、炭酸カルシウム等の無機滑剤やアクリル系架橋高分子よりなる微粒子の材料として、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等のアクリル系単量体からなる架橋高分子等の有機滑剤等が挙げられる。また、必要に応じて、安定剤、着色剤、酸化防止剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等を単独で含有してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステル樹脂は、それぞれ従来公知の方法により重合して製造することができる。例えば、ジカルボン酸とジオールとを直接反応させる直接エステル化法、ジカルボン酸ジメチルエステル等のジアルキルエステルとジオールとを反応させるエステル交換法などを用いてポリエステルが得られる。重合は、回分式及び連続式のいずれの方法で行われてもよい。
ここで、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法の一例を説明する。真空乾燥した結晶性の異なる2種のポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂B)をそれぞれ別の2台の押出機に供給し、それぞれのポリエステル樹脂が完全に溶融する温度で溶融押し出しし、複合アダプターを通過させ、2種3層(結晶性樹脂/実質的に非晶性の樹脂/結晶性樹脂)として口金から押出しし冷却固化させて未延伸フィルムを成形する。
このようにして得られた未延伸フィルムを、2種のポリエステル樹脂のうち、高いガラス転移温度を持つポリエステル樹脂のガラス点移転温度〜ガラス点移転温度+30℃の温度で縦方向に2〜4倍延伸し、直ちに20〜40℃に冷却する。
ついで、縦方向の延伸温度+10〜40℃の温度で横方向に3〜4.5倍延伸する。このようにして得られた二軸延伸後のフィルムを、実質的に非晶性のポリエステル樹脂からなる層が溶融する温度であって、かつ、結晶性のポリエステル樹脂からなる層の融点よりも低い温度により熱処理を行う。この熱処理では、必要に応じて弛緩処理を行ってもよい。上記延伸条件において、好ましくは、縦延伸あるいは横延伸前に、上記樹脂組成を構成する重合体組成物が有するガラス転移温度以上、融点以下の温度で予熱を行う。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムには、目的に応じて、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理等の従来公知の方法による表面処理や、公知のアンカー処理剤を用いたアンカー処理等が施されてもよい。また、帯電防止用コート剤として、例えば、アルキルスルホン酸、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル等があり、帯電防止性を付与できるものであれば特に限定されない。コート方法は、従来公知の方法であるリバースロールコーティング法、ロールナイフコーティング法、ダイコーティング法、グラビアコーティング法等があり、特に限定はされない。さらに、インラインでのコーティングによるコートであってもよい。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、通常、ポリエステル樹脂A層が実質的に分子配向がなく、ポリエステル樹脂B層が分子配向を有している。ポリエステル樹脂A層に実質的に分子配向が残っているとひねり保持性、折曲げ性が十分得られない傾向になる。また、ポリエステル樹脂B層は、通常、分子配向を有している。分子配向が残っていないと、製膜が不安定となる。また、フィルムの強度等が不足することになる。このポリエステル樹脂A層の分子配向の程度はフィルムの長手方向の屈折率Nx、幅方向の屈折率Nyの差と長手方向の屈折率であらわすことができる。すなわち、式|Nx−Ny|≦0.001を満たし、かつ、フィルムの長手方向の屈折率NxがNx≦1.577であればポリエステル樹脂A層の分子配向が崩れている、すなわち分子配向がないといえ、|Nx−Ny|が0.001を超えると折曲げ性、ひねり保持性が不足する。
ひねり保持性の評価は下記のように行なった。
テンチ社製ひねり包装機TA200型を用い、200個/分の速度にてひねり包装を行った。フィルムは1.5回転(540度)ひねられて個包装となる。その後若干の戻りがあった後のひねりが保持された角度(以下「ひねり保持角度」と表記する)を測定した。
この保持角度が大きい程ひねり保持性は優れており、下記のとおり分類評価した。
○:ひねり保持角度が230度以上
×:ひねり保持角度が230度未満
テンチ社製ひねり包装機TA200型を用い、200個/分の速度にてひねり包装を行った。フィルムは1.5回転(540度)ひねられて個包装となる。その後若干の戻りがあった後のひねりが保持された角度(以下「ひねり保持角度」と表記する)を測定した。
この保持角度が大きい程ひねり保持性は優れており、下記のとおり分類評価した。
○:ひねり保持角度が230度以上
×:ひねり保持角度が230度未満
また、Nxが1.577を超えても折曲げ性、ひねり保持性が不足する。また、ポリエステル樹脂B層の分子配向の指標としてNzがあり、フィルムの厚み方向の屈折率Nzが1.490≦Nz≦1.550でなければならず、好ましくは1.500≦Nz≦1.540である。Nzが1.490未満では折曲げ性、ひねり保持性不足となり、Nzが1.550を超えると製膜性が不安定となる。
このような二軸延伸ポリエステルフィルムを得る方法は特に限定されないが、例えば、二軸延伸後の熱処理温度をポリエステル樹脂A層の分子配向が完全になくなる温度以上、かつ、ポリエステル樹脂B層の融点未満の温度とすることにより得られる。ただし、上記以外の方法により本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムを製造することは何ら妨げられない。
また、ポリエステル樹脂A層とポリエステル樹脂B層の層厚み比は、特に限定するものではないが、通常、(ポリエステル樹脂A層/ポリエステル樹脂B層)=(1/3〜3/1)であり、好ましくは(ポリエステル樹脂A層/ポリエステル樹脂B層)=(1/2〜2/1)である。
合計総厚み(ポリエステル樹脂A層+ポリエステル樹脂B層)のうち、ポリエステル樹脂B層の層厚みの割合が1/4未満の場合は、得られるフィルムの強度が弱くなり、実用上支障がでるだけでなく、熱処理時にフィルムが溶融しやすくなり製膜が困難となる。また、合計総厚みのうち、ポリエステル樹脂B層の層厚みの割合が3/4を超えると、目的とする折曲げ性、ひねり保持性が低下する。さらに、本発明の目的とする折曲げ性、ひねり保持性が必要な用途に用いられる二軸延伸ポリエステルフィルムの厚みとして12〜50μmであるが、特に限定されない。
また、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの150℃雰囲気下に30分放置したときの熱収縮率は、フィルム長手方向の熱収縮率が5.0%以下であり、3.0%以下であることがさらに好ましい。150℃に30分間放置したときのフィルム長手方向の熱収縮率が5.0%より大きいとフィルムに印刷やラミネート、蒸着層を形成する等の後加工時にシワの発生や平面性の乱れが生じて好ましくない。
熱収縮率を下げるのに好適な方法としては特に限定されないが、例えば、フィルム製膜方法として、押出機により溶融混練された樹脂をキャストして未延伸フィルムを得る。その後、同時二軸延伸法又は逐次二軸延伸法等の二軸延伸を行い、ついで熱処理する際に、該延伸フィルムを緊張下又は幅方向に弛緩しながら熱処理する方法を用いることができる。この場合、熱処理温度は170〜240℃、より好ましくは180〜230℃の範囲で、熱処理時間は0.5〜10秒の範囲で行うのが好ましい。さらに、熱処理温度から冷却過程で、好ましくは100〜200℃の範囲で長手方向及び/又は幅方向、好ましくは幅方向に対して0.1〜2.0%の範囲で弛緩処理を行う。弛緩処理は1段でもよいし、多段でもよく、温度分布の変化を設けてもよい。
上記のごとく、本発明はセロファンの有する特性のうち、ひねり保持性及び折曲げ性に着目して、耐熱性、耐水性、保香性等に優れ、さらに、ひねり保持性を具備した二軸延伸ポリエステルフィルムを得たものである。ひねり保持性、折曲げ性は、フィルムの配向がないあるいは配向度を低くすること及び/又は結晶化させないあるいは結晶化度を低くすることにより得られるのであり、特にフィルムに配向がなく、かつ、フィルムが結晶化していない層を有することで最も折曲げ性、ひねり保持性に優れたフィルムを得ることができる。
また、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムを用い、その優れたひねり保持性及び折曲げ性により各種食品、文具、工業部品等の固形物からなる被包装物を個包装したひねり包装体とすることができるほか、種々の包装形態の包装体とすることができる。
つぎに本発明フィルムの製造方法の一例を説明するが、これはあくまで具体例であり、本発明内容を拘束するものではない。以下に本発明に用いた各物性、特性の測定、評価方法について記載する。
(1)屈折率
試料の状態調節と測定温度を30℃とした以外はJIS−K−7142に準じ、アッベ屈折率計により、NaD線光で屈折率を測定した。マウント液はヨウ化メチレンを用い、長手方向の屈折率(Nx)、幅方向の屈折率(Ny)及び厚み方向の屈折率(Nz)を測定した。
試料の状態調節と測定温度を30℃とした以外はJIS−K−7142に準じ、アッベ屈折率計により、NaD線光で屈折率を測定した。マウント液はヨウ化メチレンを用い、長手方向の屈折率(Nx)、幅方向の屈折率(Ny)及び厚み方向の屈折率(Nz)を測定した。
(2)融点(Tm)
ロボットDSC(示差走査熱量計)DSC−60(島津製作所社製)にTA60WSディスクステーション(島津製作所社製)を接続して測定した。試料10mgをアルミニウムパンに調整後、DSC装置にセットし(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパン)、この試料を10℃/分の速度で昇温し、285℃の温度で15分間加熱した後、液体窒素を用いて急冷処理した。この試料を10℃/分の速度で昇温し、そのDSCチャートから融点(Tm)を測定した。
ロボットDSC(示差走査熱量計)DSC−60(島津製作所社製)にTA60WSディスクステーション(島津製作所社製)を接続して測定した。試料10mgをアルミニウムパンに調整後、DSC装置にセットし(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパン)、この試料を10℃/分の速度で昇温し、285℃の温度で15分間加熱した後、液体窒素を用いて急冷処理した。この試料を10℃/分の速度で昇温し、そのDSCチャートから融点(Tm)を測定した。
(3)結晶性
ロボットDSC(示差走査熱量計)DSC−60(島津製作所社製)にTA60WSディスクステーション(島津製作所社製)を接続して測定した。試料10mgをアルミニウムパンに調整後、DSC装置にセットし(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパン)、この試料を10℃/分の速度で昇温し、285℃の温度で15分間加熱した後、液体窒素を用いて急冷処理した。この試料を10℃/分の速度で昇温し、そのDSCチャートから結晶化発熱ピーク及び溶融吸熱ピークを測定した。結晶化発熱ピーク及び溶融吸熱ピークを有さない樹脂を実質的に結晶性でないポリエステル樹脂とした。
ロボットDSC(示差走査熱量計)DSC−60(島津製作所社製)にTA60WSディスクステーション(島津製作所社製)を接続して測定した。試料10mgをアルミニウムパンに調整後、DSC装置にセットし(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパン)、この試料を10℃/分の速度で昇温し、285℃の温度で15分間加熱した後、液体窒素を用いて急冷処理した。この試料を10℃/分の速度で昇温し、そのDSCチャートから結晶化発熱ピーク及び溶融吸熱ピークを測定した。結晶化発熱ピーク及び溶融吸熱ピークを有さない樹脂を実質的に結晶性でないポリエステル樹脂とした。
(4)極限粘度
チップサンプル0.1gを精秤し、25mLのフェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)の混合溶媒に溶解し、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。なお、測定は3回行い、その平均値を求めた。
チップサンプル0.1gを精秤し、25mLのフェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)の混合溶媒に溶解し、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。なお、測定は3回行い、その平均値を求めた。
(5)熱収縮率
下記以外は、JIS−C−2318に準じて測定した。フィルムの長手方向に、幅10mm、長さ250mmのサンプルを切出し、200mm間隔で印をつけ、5gの一定張力で間隔Aを測る。続いて、150℃の雰囲気中のオーブンに無荷重で30分間放置した。オーブンから取出し室温まで冷却後に、5gの一定張力で間隔Bを求め、以下の式により熱収縮率を求めた。測定は、フィルムの幅方向に等間隔に5ヶ所からサンプルを切出し測定し、その最大値及びバラツキ(最大値と最小値の差)を求めた。
熱収縮率=(A−B)/A×100(%)
下記以外は、JIS−C−2318に準じて測定した。フィルムの長手方向に、幅10mm、長さ250mmのサンプルを切出し、200mm間隔で印をつけ、5gの一定張力で間隔Aを測る。続いて、150℃の雰囲気中のオーブンに無荷重で30分間放置した。オーブンから取出し室温まで冷却後に、5gの一定張力で間隔Bを求め、以下の式により熱収縮率を求めた。測定は、フィルムの幅方向に等間隔に5ヶ所からサンプルを切出し測定し、その最大値及びバラツキ(最大値と最小値の差)を求めた。
熱収縮率=(A−B)/A×100(%)
(6)ひねり保持性
テンチ社製ひねり包装機TA200型を用い、200個/分の速度にてひねり包装を行った。フィルムは1.5回転(540度)ひねられて個包装となる。その後若干の戻りがあった後のひねりが保持された角度(以下「ひねり保持角度」と表記する)を測定した。
この保持角度が大きい程ひねり保持性は優れており、下記のとおり分類評価した。
○:ひねり保持角度が230度以上
×:ひねり保持角度が230度未満
テンチ社製ひねり包装機TA200型を用い、200個/分の速度にてひねり包装を行った。フィルムは1.5回転(540度)ひねられて個包装となる。その後若干の戻りがあった後のひねりが保持された角度(以下「ひねり保持角度」と表記する)を測定した。
この保持角度が大きい程ひねり保持性は優れており、下記のとおり分類評価した。
○:ひねり保持角度が230度以上
×:ひねり保持角度が230度未満
(7)耐熱性
耐熱性は蒸着後の平面性で評価した。フィルムを巻取り式真空蒸着装置の巻出し側にセットし、チャンバー内を4×10−3Paまで減圧し、高周波誘導過熱によりアルミニウムを蒸発させ、厚さ50nmのアルミニウム蒸着層を形成した。このときのフィルム供給速度は40m/分、チルロール温度は−15℃とした。蒸着後のフィルムをロールから巻き出し、目視によりフィルムの平面性を観察し、以下に示す3段階評価を行った。
○:張力をかけない状態でも平面性は良好。
△:フィルムに若干張力を加えると平面性良好であり、実用上問題なし。
×:張力をかけても平面しに乱れがあり実用上問題あり。
耐熱性は蒸着後の平面性で評価した。フィルムを巻取り式真空蒸着装置の巻出し側にセットし、チャンバー内を4×10−3Paまで減圧し、高周波誘導過熱によりアルミニウムを蒸発させ、厚さ50nmのアルミニウム蒸着層を形成した。このときのフィルム供給速度は40m/分、チルロール温度は−15℃とした。蒸着後のフィルムをロールから巻き出し、目視によりフィルムの平面性を観察し、以下に示す3段階評価を行った。
○:張力をかけない状態でも平面性は良好。
△:フィルムに若干張力を加えると平面性良好であり、実用上問題なし。
×:張力をかけても平面しに乱れがあり実用上問題あり。
(8)ガラス転移温度
島津製作所社製DSC−60型示差走査熱量計を用い、昇温速度20℃/分で測定した。ガラス転移温度(Tg)は変位の接線交点を測定した。
島津製作所社製DSC−60型示差走査熱量計を用い、昇温速度20℃/分で測定した。ガラス転移温度(Tg)は変位の接線交点を測定した。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル100重量%からなるポリエステル樹脂Aとポリエチレンテレフタレート55重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル45重量%からなるポリエステル樹脂Bを285℃で別々の押出機により溶融し、この溶融体を複合アダプターで合流させた後にTダイより押出し、30℃の冷却ドラムで急冷して(B/A/B)3層構成の未延伸シートを得た。ここで、ポリエステル樹脂Aの極限粘度は0.72dL/g、ポリエステル樹脂Bの極限粘度は0.67dL/gであった。
(実施例1)
ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル100重量%からなるポリエステル樹脂Aとポリエチレンテレフタレート55重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル45重量%からなるポリエステル樹脂Bを285℃で別々の押出機により溶融し、この溶融体を複合アダプターで合流させた後にTダイより押出し、30℃の冷却ドラムで急冷して(B/A/B)3層構成の未延伸シートを得た。ここで、ポリエステル樹脂Aの極限粘度は0.72dL/g、ポリエステル樹脂Bの極限粘度は0.67dL/gであった。
該シートをまず縦方向に90℃で3.7倍延伸し、ついでテンターにおいて横方向に4.0倍に延伸した後、3%の弛緩処理を行いつつ215℃にて熱処理を行い、厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィルムのB/A/B各層の厚み比率は1/2/1とした。
(実施例2)
ポリエステル樹脂Aをポリエチレンテレフタレート35重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル65重量%の混合物、ポリエステル樹脂Bをポリエチレンテレフタレート70重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル30重量%の混合物とし、二軸延伸後の熱処理温度を225℃とした以外は実施例1と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。ポリエステル樹脂Aの極限粘度は0.69dL/g、ポリエステル樹脂Bの極限粘度は0.65dL/gであった。
ポリエステル樹脂Aをポリエチレンテレフタレート35重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル65重量%の混合物、ポリエステル樹脂Bをポリエチレンテレフタレート70重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル30重量%の混合物とし、二軸延伸後の熱処理温度を225℃とした以外は実施例1と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。ポリエステル樹脂Aの極限粘度は0.69dL/g、ポリエステル樹脂Bの極限粘度は0.65dL/gであった。
(実施例3)
ポリエステル樹脂Bをポリエチレンテレフタレート60重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル30重量%、ポリブチレンテレフタレート10重量%の混合物とし、二軸延伸後の熱処理温度を210℃とした以外は実施例2と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。ポリエステル樹脂Bの極限粘度は0.71dL/gであった。
ポリエステル樹脂Bをポリエチレンテレフタレート60重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル30重量%、ポリブチレンテレフタレート10重量%の混合物とし、二軸延伸後の熱処理温度を210℃とした以外は実施例2と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。ポリエステル樹脂Bの極限粘度は0.71dL/gであった。
(実施例4)
ポリエステル樹脂Aを1,4−シクロヘキサンジメタノールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル100重量%とし、ポリエステル樹脂Bをポリエチレンテレフタレート70重量%、1,4−シクロヘキサンジメタノールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル30重量%の混合物とし、二軸延伸後の熱処理温度を220℃とした以外は実施例1と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。ポリエステル樹脂Aの極限粘度は0.72dL/g、ポリエステル樹脂Bの極限粘度は0.65dL/gであった。
ポリエステル樹脂Aを1,4−シクロヘキサンジメタノールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル100重量%とし、ポリエステル樹脂Bをポリエチレンテレフタレート70重量%、1,4−シクロヘキサンジメタノールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル30重量%の混合物とし、二軸延伸後の熱処理温度を220℃とした以外は実施例1と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。ポリエステル樹脂Aの極限粘度は0.72dL/g、ポリエステル樹脂Bの極限粘度は0.65dL/gであった。
(実施例5)
ポリエステル樹脂Aをイソフタル酸を20モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル100重量%とし、ポリエステル樹脂Bをポリエチレンテレフタレート50重量%、イソフタル酸を20モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル50重量%とし、二軸延伸後の熱処理温度を200℃とした以外は実施例1と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。ポリエステル樹脂Aの極限粘度は0.64dL/g、ポリエステル樹脂Bの極限粘度は0.63dL/gであった。
ポリエステル樹脂Aをイソフタル酸を20モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル100重量%とし、ポリエステル樹脂Bをポリエチレンテレフタレート50重量%、イソフタル酸を20モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル50重量%とし、二軸延伸後の熱処理温度を200℃とした以外は実施例1と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。ポリエステル樹脂Aの極限粘度は0.64dL/g、ポリエステル樹脂Bの極限粘度は0.63dL/gであった。
(比較例1)
ポリエステル樹脂Bをポリエチレンテレフタレート90重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル10重量%の混合物とした以外は実施例2と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。ポリエステル樹脂Bの極限粘度は0.63dL/gであった。
ポリエステル樹脂Bをポリエチレンテレフタレート90重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル10重量%の混合物とした以外は実施例2と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。ポリエステル樹脂Bの極限粘度は0.63dL/gであった。
(比較例2)
ポリエステル樹脂Aをポリエチレンテレフタレート20重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル80重量%の混合物とし、二軸延伸後の熱処理温度を190℃とした以外は実施例1と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。ポリエステル樹脂Aの極限粘度は0.70dL/gであった。
ポリエステル樹脂Aをポリエチレンテレフタレート20重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル80重量%の混合物とし、二軸延伸後の熱処理温度を190℃とした以外は実施例1と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。ポリエステル樹脂Aの極限粘度は0.70dL/gであった。
(比較例3)
ポリエステル樹脂Aをポリエチレンテレフタレート70重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル30重量%の混合物、ポリエステル樹脂Bをポリエチレンテレフタレート80重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル20重量%の混合物とし、二軸延伸後の熱処理温度を180℃とした以外は実施例1と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。ポリエステル樹脂Aの極限粘度は0.65dL/g、ポリエステル樹脂Bの極限粘度は0.64dL/gであった。
ポリエステル樹脂Aをポリエチレンテレフタレート70重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル30重量%の混合物、ポリエステル樹脂Bをポリエチレンテレフタレート80重量%、ネオペンチルグリコールを30モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル20重量%の混合物とし、二軸延伸後の熱処理温度を180℃とした以外は実施例1と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。ポリエステル樹脂Aの極限粘度は0.65dL/g、ポリエステル樹脂Bの極限粘度は0.64dL/gであった。
(比較例4)
熱処理温度を170℃とした以外は実施例5と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
熱処理温度を170℃とした以外は実施例5と同様にして厚さ18μmとなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
実施例1、2、3、4、5及び比較例1、2、3、4で得られたフィルムの評価結果を表1に示す。表1から明らかなように、実施例1、2、3、4、5で得られたフィルムはいずれもひねり保持性が良好であった。また、耐熱性も良好であった。本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは高品質で実用性が高く、ひねり包装や折曲げ包装用として好適である。
一方、比較例1、2、3、4で得られたフィルムはいずれもひねり保持性が劣る。また、比較例2、3は耐熱性も劣る。このように、比較例で得られた二軸延伸ポリエステルフィルムはいずれも品質が劣り、実用性が低いものであった。
以上、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムについて、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、二軸延伸ポリエステルフィルムの優れた特性である耐熱性、保香性、耐水性等を失うことなく実用面の特性を維持し、良好なひねり保持性、折曲げ性を具備するため、キャンデー、チョコレート、お茶などの各食品や文具などの個包装用の材料等の幅広い用途分野に利用することができ、産業界に寄与することが大である。
Claims (5)
- ポリエステル樹脂(A)層の少なくとも一方の面に、ポリエステル樹脂(B)層が積層されてなるポリエステル積層フィルムであって、フィルムの長手方向の屈折率NxがNx≦1.577であり、フィルムの厚み方向の屈折率Nzが1.490≦Nz≦1.550であり、かつ前記フィルムの熱収縮率が5.0%以下であり、かつひねり保持角度が230°以下であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
- ポリエステル積層フィルムの長手方向の屈折率Nx、幅方向の屈折率Nyが式|Nx−Ny|<0.0018を満たすことを特徴とする請求項1記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
- ポリエステル樹脂(A)層が実質的に分子配向がなく、ポリエステル樹脂(B)層が分子配向を有することを特徴とする請求項1記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
- ポリエステル樹脂(A)層が実質的に結晶性でないポリエステル樹脂から形成され、ポリエステル樹脂(B)層が200〜250℃の融点を持つポリエチレンテレフタレート共重合物から形成されてなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
- 150℃でのフィルム長手方向の熱収縮率が5.0%以下であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008263721A JP2009035006A (ja) | 2008-10-10 | 2008-10-10 | 二軸延伸ポリエステルフィルム |
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JP2004160184A Division JP4623265B2 (ja) | 2004-05-28 | 2004-05-28 | 二軸延伸ポリエステルフィルム |
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