JP2009024527A - 筒内噴射式内燃機関、筒内噴射式内燃機関用ピストン、筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導合金および筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導部材とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導合金は、筒内噴射式内燃機関用ピストンの燃料衝突域に用いられ低熱伝導域を形成する低熱伝導部材に用いられ、全体を100質量%としたときに、Mn:5〜35質量%と、C:0.5〜1.5質量%と、残部:Feおよび不可避不純物若しくは付従的元素とからなることを特徴とする。この低熱伝導合金は、熱伝導率が非常に低く、線膨張係数がピストン用アルミニウム合金の線膨張係数に非常に近接しており、耐熱疲労性等にも優れる。
【選択図】図2
Description
また、その低熱伝導合金を用いた低熱伝導部材およびその製造方法を提供することを目的とする。さらには、その低熱伝導部材等を用いた筒内噴射式内燃機関用ピストンおよびそのピストンを用いた筒内噴射式内燃機関を提供することを目的とする。
(1)すなわち、本発明の筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導合金は、内燃機関のシリンダブロックのシリンダ内を往復動可能なピストン本体部の頂部にあるアルミニウム合金製のピストン頂部に設けられ、該シリンダブロック上のシリンダヘッドに設けた燃料噴射弁から該シリンダ内へ噴射された液体燃料が衝突し得る燃料衝突域の少なくとも一部であって周囲よりも熱伝導率の低い低熱伝導域を形成する低熱伝導層または低熱伝導部材に用いられ、全体を100質量%としたときに、マンガン(Mn):5〜35質量%と、炭素(C):0.5〜1.5質量%と、残部:鉄(Fe)および不可避不純物若しくは付従的元素と、からなることを特徴とする。
この結果、例えばガソリンエンジンの場合であれば、少なくとも点火プラグ周囲に適当な濃度の混合気が形成され易くなり、超希薄燃焼時でも安定した燃焼が可能となる。また、ディーゼルエンジンの場合でも、燃料の霧化や気化が促進され、そのエンタルピーが上昇して、後燃えが減少して上死点近傍で燃焼が完了し易くなる。
いずれにしろ本発明の低熱伝導合金をピストンの低熱伝導域に用いれば、筒内噴射式内燃機関の安定した運転領域の拡大、筒内噴射式内燃機関の省燃費化や排気ガスの清浄化等、優れた効果が得られ得る。
このように本発明の低熱伝導合金は、いずれの観点からも正にピストン頂部の燃料衝突域における低熱伝導域を形成するのに好適といい得る。
本明細書中でいう「付従的元素」とは、前述したMn、CおよびFe以外の元素であって不可避的不純物でもなく、本発明の低熱伝導合金の特性を基本的に損なわない範囲で従として含有することが許容される元素をいう。付従的元素は、本発明の低熱伝導合金の特性を改善するか否かは問わない。特性の改善効果がなくても、上述した本発明の低熱伝導合金の基本的な特性を損なわない元素も付従的元素である。
本発明は、低熱伝導合金としてのみならず、その低熱伝導合金を用いた低熱伝導部材としても把握できる。すなわち、本発明は、内燃機関のシリンダブロックのシリンダ内を往復動可能なピストン本体部の頂部にあるアルミニウム合金製のピストン頂部に設けられ、該シリンダブロック上のシリンダヘッドに設けた燃料噴射弁から該シリンダ内へ噴射された液体燃料が衝突し得る燃料衝突域の少なくとも一部であって周囲よりも熱伝導率の低い低熱伝導域を形成し、前述した本発明の低熱伝導合金からなることを特徴とする筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導部材でもある。
また本発明は、低熱伝導部材としてのみならず、それを用いたピストンとしても把握できる。すなわち、本発明は、内燃機関のシリンダブロックのシリンダ内を往復動可能なピストン本体部と、該シリンダブロック上のシリンダヘッドに設けた燃料噴射弁から該シリンダ内へ噴射された液体燃料が衝突し得る燃料衝突域の少なくとも一部であって周囲よりも熱伝導率の低い低熱伝導域を形成する低熱伝導層または低熱伝導部材を該ピストン本体部の頂部に有するアルミニウム合金製のピストン頂部とからなる筒内噴射式内燃機関用ピストンであって、前記低熱伝導層または低熱伝導部材は、前述した本発明の低熱伝導合金からなることを特徴とする筒内噴射式内燃機関用ピストンでもある。
さらに本発明は、ピストンとしてのみならず、それを用いた筒内噴射式内燃機関自体としても把握できる。すなわち、本発明は、シリンダを有するシリンダブロックと、該シリンダブロック上に設けたシリンダヘッドと、該シリンダヘッドに設けた燃料噴射弁と、該シリンダ内を往復動可能なピストン本体部と該燃料噴射弁から該シリンダ内へ噴射された液体燃料が衝突し得る燃料衝突域の少なくとも一部であって周囲よりも熱伝導率の低い低熱伝導域を形成する低熱伝導層または低熱伝導部材を該ピストン本体部の頂部に有するアルミニウム合金製のピストン頂部とからなるピストンと、を備えた筒内噴射式内燃機関であって、前記低熱伝導層または低熱伝導部材は、請求項1または2に記載の低熱伝導合金からなることを特徴とする筒内噴射式内燃機関でもある。
ところで本発明は、前述した低熱伝導部材の製造に好適な低熱伝導部材の製造方法としても把握できる。すなわち、本発明は、成形型のキャビティに充填した原料粉末を加圧して粉末成形体とする成形工程と、該粉末成形体を加熱炉内で加熱して焼結体とする焼結工程とからなり、前記原料粉末は、全体を100質量%としたときに、Mn:5〜35質量%と、C:0.5〜1.5質量%と、残部:Feおよび不可避不純物若しくは付従的元素とからなり、前記焼結体から前述した本発明の低熱伝導部材が得られることを特徴とする筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導部材の製造方法でもある。
(1)以上説明した本発明は、いずれもレシプロエンジンを想定したものである。しかし、本発明の本質は、特定の組成からなるFe−Mn−C合金が、特定の熱伝導率および線膨張係数を発現することにある。とすると、それら両特性が要求される部位や部品等に本発明の低熱伝導合金が使用される限り、その有効性は明かである。
本発明を上位概念的に考察すると、本発明は、全体を100質量%としたときに、Mn:5〜35質量%と、C:0.5〜1.5質量%と、残部:Feおよび不可避不純物若しくは付従的元素とからなり、熱伝導率:7〜13W/m・Kおよび線膨張係数:15〜25x10-6/Kが要求される低熱伝導部位または低熱伝導部材に用いられることを特徴とする低熱伝導合金としても把握できる。
(2)本発明の低熱伝導合金の用途は、レシプロエンジンに限られるものではなく、ロータリーエンジンや外燃機関等を含む燃焼機関さらには広くはボイラー等を含む燃焼装置にまでも拡張し得る。
(1)Mn
(a)Mnは、本発明の目的とする特定の熱伝導率および線膨張係数を得る上で重要な必須元素である。本発明において好適なMn量は5〜35質量%である。
ここでMn単体の熱伝導率は7.8W/mK、線膨張係数は21.6x10-6/Kである。Fe単体の熱伝導率は80.3W/mK、線膨張係数は13.8x10-6/Kである。
(a)Cも、本発明の目的とする特定の熱伝導率および線膨張係数を得る上で重要な必須元素である。本発明において好適なC量は0.5〜1.5質量%である。
本発明者が真摯に行った実験結果によれば、Cが上記範囲内にあるとき、所望の熱伝導率および線膨張係数が安定して得られる。これに対してCが過少では熱伝導率が急増したり、線膨張係数が所望範囲より低くなって好ましくない。
(a)残部の主成分はFeであり、Feも本発明の目的とする特定の熱伝導率および線膨張係数を得る上で重要な必須元素である。本発明の低熱伝導合金も鉄基合金(Fe−Mn−C合金)ではあるが、特定量のMn、CおよびFeの3元素が相乗して一般的な鉄系材料とはかけ離れた特性を示す。少なくとも、熱伝導率や線膨張係数に関して観れば、前述のように鉄基合金とは思えないような優れた特性を示す。
(1)低熱伝導部材または低熱伝導層
(a)本発明の低熱伝導合金からなる低熱伝導部材や低熱伝導層は、線膨張係数が20x10-6 /K程度で熱伝導率が比較的高い母材からなるベース部材に、低熱伝導域を部分的に形成する際に用いられる。その低熱伝導部材または低熱伝導層の形態(大きさ、厚み、膜厚等)や製造方法等は問わない。また、低熱伝導部材であれば、溶製材でも焼結材でもよい。焼結材で低熱伝導部材を形成した場合であれば、ネットシェイプによる加工費削減、気孔率(密度)の調整による熱伝導率の増減なども可能となる。低熱伝導層は、例えば、溶射等によって形成される。いずれにしろ、要求される仕様に応じて、低熱伝導合金の形態や製法が適宜選択され得る。
(a)本発明に係る低熱伝導合金さらには低熱伝導部材または低熱伝導層の用途は、上述した筒内噴射式内燃機関用ピストンが代表的であるがそれには限られない。例えば、熱伝導率、線膨張係数、強度または伸びのいずれか一つまたは二つ以上が特定範囲であることが要求される部材や部位に本発明の低熱伝導合金は適する。
例えば、内燃機関における高温ガス流路を形成する部分の断熱材または断熱部材である。具体的には、吸気ポート、排気ポートの外周部などである。
本発明の低熱伝導部材はその製造方法が特に限定されるものではない。従って、本発明の低熱伝導部材は溶製材でも焼結材でも良い。もっとも、本発明者が鋭意研究したところ、既述した本発明の焼結法で低熱伝導部材を製造した場合、その製造条件の相違が低熱伝導部材の特性に顕著な影響を与えることが解った。以下、本発明の低熱伝導部材の製造方法を構成する成形工程と焼結工程とに分けて説明する。
成形工程は、成形型のキャビティに原料粉末を充填する充填工程と、その充填した原料粉末を加圧して粉末成形体とする加圧工程に分れ得る。
焼結工程は、成形工程後に得られた粉末成形体を加熱炉(焼結炉)内で加熱して焼結体とする工程である。焼結工程では、焼結雰囲気、焼結温度、焼結時間等の焼結条件が重要である。これら焼結条件の相違が、本発明の低熱伝導部材の特性に少なからず影響を与えることが本発明者の真摯な研究により明かとなった。以下、これら焼結条件について順次説明する。
焼結温度の相違によっても、低熱伝導部材の特性が影響されることが解った。すなわち、焼結温度が高くなる程、熱伝導率は低くなる傾向にあり、線膨張係数は所望値(20x10-6/K)により近接する傾向となった。
焼結時間の相違は、焼結体からなる低熱伝導部材の熱伝導率、線膨張係数、引張強さ、密度などにあまり影響を与えないことが解った。この傾向は原料粉末の組成変化によってもあまり影響を受けなかった。一方伸びは、焼結時間が長くなる程、増加する傾向を示した。
〈筒内噴射式内燃機関〉
本発明の筒内噴射式内燃機関の一例である、ガソリンを燃料とする筒内噴射式火花点火機関1(以下、単に「エンジン1」という。)を図9に示した。
(1)原料粉末
低熱伝導部材20に用いる低熱伝導合金からなる焼結体を次のように製造した。
原料粉末を配合、混合するために、純Fe粉末、黒鉛粉末、純Mn粉末およびFe−Mn合金粉末(組成:Fe−50質量%Mn)を用意した。なお、純Mn粉末は、Mn塊を粒径150μm以下に機械粉砕したものである。Fe−Mn合金粉末はガスアトマイズ粉であり粒径150μm以下に分級したものである。これらの粉末を用いて表1〜8に示した成分組成に配合し、回転型混合機で均一に混合して各試験片毎の原料粉末を得た。
(a)先ず、次の3形状のキャビティをもつ超硬製金型(成形型)を用意した。キャビティの内壁面には予めTiNコート処理を施しておき、その表面粗さを0.4Zとした。
(ii)平板型試験片:平行部16mmx5mmx3mm、
(iii)直方体型試験片:30mmx30mmx5mm
前記の各金型をバンドヒータで予め150℃に加熱しておいた。加熱した金型の内壁面に、ステアリン酸リチウム(高級脂肪酸系潤滑剤)を分散させた水溶液をスプレーガンにて1cm3/秒程度の割合で均一に塗布した(塗布工程)。
得られた各粉末成形体を表1〜8に示した焼結条件(焼結雰囲気、焼結温度、焼結時間)の下で焼結し、焼結体からなる各試験片を得た。なお、焼結雰囲気は1atmのArまたはN2とした。
得られた各試験片を用いて、次の各特性を測定した。
(i)密度の測定には前記の円盤型試験片を用いた。その直径および高さを再計測して体積を求め、その重量を測定して密度を求めた。
(ii)引張強さおよび伸びは、前記の平板型試験片を用いて、JIS Z2241に準じて引張試験を行って求めた。
(iii)熱伝導率および線膨張係数は、前記の直方体型試験片から適宜切出した試験片を用いて求めた。すなわち、熱伝導率は、JIS A1412−2に準じて、50℃における熱伝導率を求めた。また、線膨張係数は、JIS Z2285に準じて、20〜200℃までの平均線膨張係数を求めた。
(1)Mn量の影響
(a)Mn量が低熱伝導部材(低熱伝導合金)の特性に及す影響を表1にまとめた。Mn量に対する各特性を図1Aに示した。また、Mn量が熱伝導率(κ)および線膨張係数(α)の両方に与える影響を明確にするために、表1に示したデータに基づいて熱的特性指数:1/κ(αAl−α)を算出した。Mn量に対するこの熱的特性指数の変化を図1Bに示した。
従って、熱伝導率を可能な限り低く保ち、線膨張係数をアルミニウム合金の線膨張係数:20x10-6 /Kにできるだけ近接させたい場合は、Mn:5〜15質量%とするのが好ましいといえる。ここでさらに強度や伸びを加味すれば、Mn:10〜15質量%とするのが良い。
(a)C量が低熱伝導部材(低熱伝導合金)の特性に及す影響を表2にまとめた。C量に対する各特性を図2に示した。
従って、Cは、0.5〜1.5質量%さらには0.7〜1.3質量%とするのが好ましいといえる。
(a)焼結温度が低熱伝導部材(低熱伝導合金)の特性に及す影響を表3にまとめた。焼結温度に対する各特性を図3に示した。用いた試験片の組成はFe−25%Mn−1%C(単位:質量%)である。
(a)焼結雰囲気が低熱伝導部材(低熱伝導合金)の特性に及す影響を表4にまとめた。焼結雰囲気に対する各特性を図4Aおよび図4Bに示した。図4Bは前述した熱的特性指数を示したものである。用いた試験片の組成はFe−x%Mn−1%C(単位:質量%)である。
(a)焼結雰囲気と焼結温度が低熱伝導部材(低熱伝導合金)の特性に及す影響を表5にまとめた。図5Aは窒素雰囲気の場合の各特性であり、図5BはAr雰囲気の場合の各特性である。いずれも、●は焼結温度が1150℃の場合、○は焼結温度が1250℃の場合である。用いた試験片の組成はFe−x%Mn−1%C(単位:質量%)である。
(a)原料粉末の構成粉末の相違が低熱伝導部材(低熱伝導合金)の特性に及す影響を表6にまとめた。構成粉末の相違による特性への影響を図6Aおよび図6Bに示した。図6Bは前述した熱的特性指数を示したものである。用いた試験片の組成はFe−15%Mn−1%CとFe−25%Mn−1%C(単位:質量%)である。対比した構成粉末は、Fe−50質量%Mnの合金粉末と純Mn粉末とである。
(a)成形圧力が低熱伝導部材(低熱伝導合金)の特性に及す影響を表7にまとめた。また、Fe−50質量%Mnの合金粉末で原料粉末を調製した場合と純Mn粉末で原料粉末を調製した場合の両方について、成形圧力に対する各特性の変化を図7に示した。ここで用いた試験片の組成はFe−25%Mn−1%C(単位:質量%)である。
(8)焼結時間の影響
10 ピストン
11 ピストン頂部
12 ピストン本体部
111 燃料衝突域
20 低熱伝導部材
21 低熱伝導域
30 シリンダブロック
31 シリンダ
40 シリンダヘッド
50 インジェクタ(燃料噴射弁)
Claims (12)
- 内燃機関のシリンダブロックのシリンダ内を往復動可能なピストン本体部の頂部にあるアルミニウム合金製のピストン頂部に設けられ、該シリンダブロック上のシリンダヘッドに設けた燃料噴射弁から該シリンダ内へ噴射された液体燃料が衝突し得る燃料衝突域の少なくとも一部であって周囲よりも熱伝導率の低い低熱伝導域を形成する低熱伝導層または低熱伝導部材に用いられ、
全体を100質量%としたときに、
マンガン(Mn):5〜35質量%と、
炭素(C):0.5〜1.5質量%と、
残部:鉄(Fe)および不可避不純物若しくは付従的元素と、
からなることを特徴とする筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導合金。 - 前記Mnは、5〜15質量%または20〜30質量%である請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導合金。
- 内燃機関のシリンダブロックのシリンダ内を往復動可能なピストン本体部の頂部にあるアルミニウム合金製のピストン頂部に設けられ、該シリンダブロック上のシリンダヘッドに設けた燃料噴射弁から該シリンダ内へ噴射された液体燃料が衝突し得る燃料衝突域の少なくとも一部であって周囲よりも熱伝導率の低い低熱伝導域を形成し、
請求項1または2に記載の低熱伝導合金からなることを特徴とする筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導部材。 - 内燃機関のシリンダブロックのシリンダ内を往復動可能なピストン本体部と、
該シリンダブロック上のシリンダヘッドに設けた燃料噴射弁から該シリンダ内へ噴射された液体燃料が衝突し得る燃料衝突域の少なくとも一部であって周囲よりも熱伝導率の低い低熱伝導域を形成する低熱伝導層または低熱伝導部材を該ピストン本体部の頂部に有するアルミニウム合金製のピストン頂部とからなる筒内噴射式内燃機関用ピストンであって、
前記低熱伝導層または低熱伝導部材は、請求項1または2に記載の低熱伝導合金からなることを特徴とする筒内噴射式内燃機関用ピストン。 - シリンダを有するシリンダブロックと、
該シリンダブロック上に設けたシリンダヘッドと、
該シリンダヘッドに設けた燃料噴射弁と、
該シリンダ内を往復動可能なピストン本体部と該燃料噴射弁から該シリンダ内へ噴射された液体燃料が衝突し得る燃料衝突域の少なくとも一部であって周囲よりも熱伝導率の低い低熱伝導域を形成する低熱伝導層または低熱伝導部材を該ピストン本体部の頂部に有するアルミニウム合金製のピストン頂部とからなるピストンと、を備えた筒内噴射式内燃機関であって、
前記低熱伝導層または低熱伝導部材は、請求項1または2に記載の低熱伝導合金からなることを特徴とする筒内噴射式内燃機関。 - 成形型のキャビティに充填した原料粉末を加圧して粉末成形体とする成形工程と、
該粉末成形体を加熱炉内で加熱して焼結体とする焼結工程とからなり、
前記原料粉末は、全体を100質量%としたときに、
Mn:5〜35質量%と、
C:0.5〜1.5質量%と、
残部:Feおよび不可避不純物若しくは付従的元素とからなり、
前記焼結体から請求項3に記載の低熱伝導部材が得られることを特徴とする筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導部材の製造方法。 - 前記原料粉末は、Mnおよび不可避的不純物からなる純Mn粉末を少なくとも含む請求項6に記載の筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導部材の製造方法。
- 前記成形工程は、成形圧力が550MPa以上である請求項6に記載の筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導部材の製造方法。
- 前記焼結工程は、焼結温度が1100〜1300℃である請求項6に記載の筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導部材の製造方法。
- 前記焼結工程は、焼結雰囲気が窒素雰囲気である請求項6に記載の筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導部材の製造方法。
- 前記焼結工程は、焼結雰囲気が不活性ガス雰囲気である請求項6に記載の筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導部材の製造方法。
- 前記焼結工程は、焼結時間が120分間以下である請求項6に記載の筒内噴射式内燃機関用ピストンの低熱伝導部材の製造方法。
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