JP2009021363A - 露光装置およびデバイス製造方法 - Google Patents
露光装置およびデバイス製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009021363A JP2009021363A JP2007182444A JP2007182444A JP2009021363A JP 2009021363 A JP2009021363 A JP 2009021363A JP 2007182444 A JP2007182444 A JP 2007182444A JP 2007182444 A JP2007182444 A JP 2007182444A JP 2009021363 A JP2009021363 A JP 2009021363A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- optical element
- optical system
- light source
- exposure apparatus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/70—Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
- G03F7/708—Construction of apparatus, e.g. environment aspects, hygiene aspects or materials
- G03F7/7095—Materials, e.g. materials for housing, stage or other support having particular properties, e.g. weight, strength, conductivity, thermal expansion coefficient
- G03F7/70958—Optical materials or coatings, e.g. with particular transmittance, reflectance or anti-reflection properties
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03B—APPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
- G03B27/00—Photographic printing apparatus
- G03B27/32—Projection printing apparatus, e.g. enlarger, copying camera
- G03B27/52—Details
- G03B27/54—Lamp housings; Illuminating means
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Environmental & Geological Engineering (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Public Health (AREA)
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
- Lenses (AREA)
Abstract
【課題】
人工水晶を硝材とする光学素子を有し、長時間に亘り光学性能の劣化を低減することができる露光装置を提供する。
【解決手段】
波長が250nm以下の光を発生する光源と、人工水晶を硝材とする光学素子を有し、前記光源からの光を用いて原版を照明する照明光学系と、前記原版のパターンを基板に投影する投影光学系とを有し、前記光学素子において、3585cm−1の赤外吸収帯におけるヒドロキシル基の吸収係数の値が、前記光源の波長に依存して決定される範囲内にあることを特徴とする露光装置。
【選択図】図1
人工水晶を硝材とする光学素子を有し、長時間に亘り光学性能の劣化を低減することができる露光装置を提供する。
【解決手段】
波長が250nm以下の光を発生する光源と、人工水晶を硝材とする光学素子を有し、前記光源からの光を用いて原版を照明する照明光学系と、前記原版のパターンを基板に投影する投影光学系とを有し、前記光学素子において、3585cm−1の赤外吸収帯におけるヒドロキシル基の吸収係数の値が、前記光源の波長に依存して決定される範囲内にあることを特徴とする露光装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、露光装置およびその露光装置を用いたデバイス製造方法に関する。
近年、露光装置に、波長が250nm以下である光源が使用されている。波長が250nm以下である光源としては、例えば、波長が約248nmのKrFエキシマレーザーや、波長が約193nmのArFエキシマレーザーが挙げられる。
一般的に、レンズなどの光学素子の光透過率は、入射光の波長に対して異なる。
したがって、露光装置の光学系における光学素子には、光の透過率の高い材料(硝材)が選択されて用いられる。
波長が250nm以下である光源を用いた場合には、その光学素子の硝材として人工水晶や蛍石が用いられている。
人工水晶は蛍石と比較して機械的強度が強く、安価であるという利点がある。
また、人工水晶は蛍石と比較して、回折光学素子等に加工する際の加工が容易であるという利点がある。
これらのレーザー光源は、直線偏光の光を射出するため、基板を無偏光光で照明する場合は、露光装置の照明光学系には偏光光を無偏光に変換する機能が要求される。
また、偏光照明を行う場合は、光源からの直線偏光光を所定の偏光状態を制御する機能を有する照明光学系が必要となる。
このように、基板を照明する光が無偏光光であるか、偏光光であるかに係わらず、露光装置では偏光状態を制御できる照明光学系の光学素子が必要であり、その光学素子の硝材として人工水晶が用いられている。
一般的に、レンズなどの光学素子の光透過率は、入射光の波長に対して異なる。
したがって、露光装置の光学系における光学素子には、光の透過率の高い材料(硝材)が選択されて用いられる。
波長が250nm以下である光源を用いた場合には、その光学素子の硝材として人工水晶や蛍石が用いられている。
人工水晶は蛍石と比較して機械的強度が強く、安価であるという利点がある。
また、人工水晶は蛍石と比較して、回折光学素子等に加工する際の加工が容易であるという利点がある。
これらのレーザー光源は、直線偏光の光を射出するため、基板を無偏光光で照明する場合は、露光装置の照明光学系には偏光光を無偏光に変換する機能が要求される。
また、偏光照明を行う場合は、光源からの直線偏光光を所定の偏光状態を制御する機能を有する照明光学系が必要となる。
このように、基板を照明する光が無偏光光であるか、偏光光であるかに係わらず、露光装置では偏光状態を制御できる照明光学系の光学素子が必要であり、その光学素子の硝材として人工水晶が用いられている。
しかし、人工水晶の中には、特性の異なるものが多数存在し、露光装置の照明光学系の光学素子として用いるには、耐久性の低いものが存在する。
つまり、人工水晶から成る光学素子を上記の光源からの光で露光して長時間使用すると、その光学素子の特性が劣化する。
そこで、例えば、国際公開公報WO2005/005694(特許文献1)で、硝材としての人工水晶の耐久性を見極める方法が開示され、不純物の少ないものを選別するという方法が提案されている。
不純物の度合いは、例えば、JIS規格C6704にて、AlやNaに代表される異物の密度や、不純物であるヒドロキシル基に起因する赤外吸収帯3585cm−1の吸収係数(以下α値)などでランク付けがなされている。
国際公開公報WO2005/005694
つまり、人工水晶から成る光学素子を上記の光源からの光で露光して長時間使用すると、その光学素子の特性が劣化する。
そこで、例えば、国際公開公報WO2005/005694(特許文献1)で、硝材としての人工水晶の耐久性を見極める方法が開示され、不純物の少ないものを選別するという方法が提案されている。
不純物の度合いは、例えば、JIS規格C6704にて、AlやNaに代表される異物の密度や、不純物であるヒドロキシル基に起因する赤外吸収帯3585cm−1の吸収係数(以下α値)などでランク付けがなされている。
耐久性の低い人工水晶を硝材とする光学素子を用いて、基板を露光する処理を長時間行うと、その光学素子は黒化して透過率が低下し、あるいは、複屈折が変化して、露光装置の光学性能が劣化する場合があった。
そこで、特許文献1に記載された発明では、光源の波長に関わらず、赤外吸収帯におけるヒドロキシル基の吸収係数の上限値のみを規定し、その規定に合った硝材を使用している。
しかし、後述するように本発明者の検討によると、人工水晶の特性劣化は光源の波長に関連すること、その上限値よりも小さい人工水晶でも耐久性が低いものがあり、露光装置の光学性能が大きく劣化する場合があった。
そこで、本発明は、人工水晶を硝材とする光学素子を有し、長時間に亘り光学性能の劣化を低減することができる露光装置を提供することを目的とする。
そこで、特許文献1に記載された発明では、光源の波長に関わらず、赤外吸収帯におけるヒドロキシル基の吸収係数の上限値のみを規定し、その規定に合った硝材を使用している。
しかし、後述するように本発明者の検討によると、人工水晶の特性劣化は光源の波長に関連すること、その上限値よりも小さい人工水晶でも耐久性が低いものがあり、露光装置の光学性能が大きく劣化する場合があった。
そこで、本発明は、人工水晶を硝材とする光学素子を有し、長時間に亘り光学性能の劣化を低減することができる露光装置を提供することを目的とする。
上記目的を解決するための本発明の露光装置は、波長が250nm以下の光を発生する光源と、人工水晶を硝材とする光学素子を有し、前記光源からの光を用いて原版を照明する照明光学系と、前記原版のパターンを基板に投影する投影光学系とを有し、前記光学素子において、3585cm−1の赤外吸収帯におけるヒドロキシル基の吸収係数の値が前記光源の波長に依存して決定される範囲内であることを特徴とする。
また、本発明の別の側面としての選別方法は、人工水晶を硝材とする光学素子を、KrFエキシマレーザーからの光で照射されるKrF用光学系とArFエキシマレーザーからの光で照射されるArF用光学系との内、どの光学系に用いるかを選別する選別方法において、前記光学素子において、3585cm−1の赤外吸収帯におけるヒドロキシル基の吸収係数の値が0.020cm−1以上0.100cm−1以下の場合は、前記KrF用光学系および前記ArF用光学系のどちらにも適用可能である光学素子として選択し、前記光学素子において前記吸収係数の値が0.100cm−1より大きく0.400cm−1以下の場合は、前記KrF用光学系に適用可能である光学素子として選択することを特徴とする。
また、本発明の別の側面としての選別方法は、人工水晶を硝材とする光学素子を、KrFエキシマレーザーからの光で照射されるKrF用光学系とArFエキシマレーザーからの光で照射されるArF用光学系との内、どの光学系に用いるかを選別する選別方法において、前記光学素子において、3585cm−1の赤外吸収帯におけるヒドロキシル基の吸収係数の値が0.020cm−1以上0.100cm−1以下の場合は、前記KrF用光学系および前記ArF用光学系のどちらにも適用可能である光学素子として選択し、前記光学素子において前記吸収係数の値が0.100cm−1より大きく0.400cm−1以下の場合は、前記KrF用光学系に適用可能である光学素子として選択することを特徴とする。
本発明によれば、人工水晶を硝材とする光学素子を有する露光装置において、長時間に亘って光学性能の劣化を低減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
図1を参照して、本発明の実施例の露光装置を説明する。
本実施例における露光装置は、波長が250nm以下の光源1により原版であるマスク14を照明する照明光学系2〜13、121〜123と、マスク14のパターンを基板であるウェハ18上に投影露光する投影光学系16と、を有する。
照明光学系は、3585cm−1の赤外吸収帯におけるヒドロキシル基の吸収係数の値が、光源1の波長に依存して決定される所定の範囲内である光学素子を有する。
光源1は、例えば、波長が約248nmであるKrFエキシマレーザーあるいは波長が約193nmであるArFエキシマレーザーである。
光源1が発生する光は、光束整形光学系2により所定の光束形状に変換され、回折光学素子3に入射する。
回折光学素子3に平行光が入射すると、フーリエ変換の関係となる面に所定の分布を形成し、回折光学素子3から射出された光は、フーリエ変換レンズ4にてフーリエ変換される。回折光学素子3は、形成したい有効光源に応じて切替可能である。
有効光源とは、マスク14の照射面に照射される光の角度分布を指し、照明光学系の瞳面における光強度分布と等価である。
本実施例における露光装置は、波長が250nm以下の光源1により原版であるマスク14を照明する照明光学系2〜13、121〜123と、マスク14のパターンを基板であるウェハ18上に投影露光する投影光学系16と、を有する。
照明光学系は、3585cm−1の赤外吸収帯におけるヒドロキシル基の吸収係数の値が、光源1の波長に依存して決定される所定の範囲内である光学素子を有する。
光源1は、例えば、波長が約248nmであるKrFエキシマレーザーあるいは波長が約193nmであるArFエキシマレーザーである。
光源1が発生する光は、光束整形光学系2により所定の光束形状に変換され、回折光学素子3に入射する。
回折光学素子3に平行光が入射すると、フーリエ変換の関係となる面に所定の分布を形成し、回折光学素子3から射出された光は、フーリエ変換レンズ4にてフーリエ変換される。回折光学素子3は、形成したい有効光源に応じて切替可能である。
有効光源とは、マスク14の照射面に照射される光の角度分布を指し、照明光学系の瞳面における光強度分布と等価である。
フーリエ変換レンズ4によってフーリエ変換された光は、照明光変形レンズ5によって輪帯形状等に変換される。
照明光変形レンズ5は、回折光学素子3と同様に、形成したい有効光源に応じて切替可能である。
集光ズームレンズ6は、照明光変形レンズ5から射出される光を、ハエの目レンズ7の入射面に所定の倍率で結像させ、双方が互いに略共役関係となっている。
また、集光ズームレンズ6は、倍率可変のズームレンズとすることで、ハエの目レンズ7へ入射する光束領域を調整することが可能となり、複数の照明条件を形成させることが出来る。
ハエの目レンズ7は、複数の微小レンズを2次元的に配置した構成から成り、その射出面近傍が照明光学系の瞳面に相当する。
照明光学系の瞳面には不要光を遮光して所望の分布を形成するため、絞り部材8が配置される。
絞り部材8は、絞り駆動機構(不図示)により、開口の大きさ及び形状が可変となっている。
照明光変形レンズ5は、回折光学素子3と同様に、形成したい有効光源に応じて切替可能である。
集光ズームレンズ6は、照明光変形レンズ5から射出される光を、ハエの目レンズ7の入射面に所定の倍率で結像させ、双方が互いに略共役関係となっている。
また、集光ズームレンズ6は、倍率可変のズームレンズとすることで、ハエの目レンズ7へ入射する光束領域を調整することが可能となり、複数の照明条件を形成させることが出来る。
ハエの目レンズ7は、複数の微小レンズを2次元的に配置した構成から成り、その射出面近傍が照明光学系の瞳面に相当する。
照明光学系の瞳面には不要光を遮光して所望の分布を形成するため、絞り部材8が配置される。
絞り部材8は、絞り駆動機構(不図示)により、開口の大きさ及び形状が可変となっている。
照射レンズ9は、ハエの目レンズ7の射出面近傍に形成された有効光源を、視野絞り10上に重畳照明する。
視野絞り10は、複数の可動な遮光板から成り、任意の開口形状が形成されるようにして、マスク14の照射面上の露光範囲を制限する。最終的には、基板であるウェハ18の照射面上の露光範囲を制限する。
結像レンズ11、13は、視野絞り10の開口形状を被照射面に配置されているマスク14上に偏向ミラー12を介して転写する。
マスク14はマスクステージ15によって保持され、不図示のマスクステージによって制御されている。
投影光学系16は、マスク14回路パターンをウェハ18上に縮小投影する光学系である。
ウェハ18はマスク14面上の回路パターンが投影転写される、投影光学系16の像面に位置している。
ウェハステージ19はウェハ18を保持し、投影光学系16の光軸方向及び光軸と直交する平面に沿って2次元的に移動する手段で、不図示の制御部により制御されている。
露光時には、マスクステージ15とウェハステージ19が同期しながら、図中矢印の方向に走査露光を行う。
視野絞り10は、複数の可動な遮光板から成り、任意の開口形状が形成されるようにして、マスク14の照射面上の露光範囲を制限する。最終的には、基板であるウェハ18の照射面上の露光範囲を制限する。
結像レンズ11、13は、視野絞り10の開口形状を被照射面に配置されているマスク14上に偏向ミラー12を介して転写する。
マスク14はマスクステージ15によって保持され、不図示のマスクステージによって制御されている。
投影光学系16は、マスク14回路パターンをウェハ18上に縮小投影する光学系である。
ウェハ18はマスク14面上の回路パターンが投影転写される、投影光学系16の像面に位置している。
ウェハステージ19はウェハ18を保持し、投影光学系16の光軸方向及び光軸と直交する平面に沿って2次元的に移動する手段で、不図示の制御部により制御されている。
露光時には、マスクステージ15とウェハステージ19が同期しながら、図中矢印の方向に走査露光を行う。
図1に示される本実施例の露光装置において、硝材を人工水晶とする、偏光解消素子あるいは1/2波長板として使用する場合がある。
さらに、その偏光解消素子あるいは1/2波長板を用いて、ウェハ18を無偏光光あるいは偏光光で照明する場合がある。
本実施例において、ウェハ18を無偏光光で露光する場合(無偏光照明)、光束整形光学系2の光学素子の硝材を人工水晶として、光源1より照射された直線偏光を無偏光光にする。
この場合、例えば、図6に示すように、光束整形光学系2として、人工水晶を硝材とする偏光解消板121と透明クサビ122を配置する。
また、ウェハ18を偏光光で露光する場合(偏光照明)、光束整形光学系2に、人工水晶を硝材とする位相板123(1/2波長板等)を配置し、偏光光の振動方向を調整する。
偏光照明と無偏光照明を切替可能にするために、偏光解消板121(透明クサビ122を含んでもよい)と位相板123を交換可能な構造にしてもよい。
光束整形光学系2は、光源1からの光が直接入射するため、一般的に光学素子の表面におけるエネルギー密度が高く、光学材料である硝材として高い耐久性が要求される。
つまり、人工水晶を硝材とする光学素子を、光源1からの光で照射して長時間使用する際に、その光学素子の特性(透過率など)の劣化が小さいものが要求される。
さらに、その偏光解消素子あるいは1/2波長板を用いて、ウェハ18を無偏光光あるいは偏光光で照明する場合がある。
本実施例において、ウェハ18を無偏光光で露光する場合(無偏光照明)、光束整形光学系2の光学素子の硝材を人工水晶として、光源1より照射された直線偏光を無偏光光にする。
この場合、例えば、図6に示すように、光束整形光学系2として、人工水晶を硝材とする偏光解消板121と透明クサビ122を配置する。
また、ウェハ18を偏光光で露光する場合(偏光照明)、光束整形光学系2に、人工水晶を硝材とする位相板123(1/2波長板等)を配置し、偏光光の振動方向を調整する。
偏光照明と無偏光照明を切替可能にするために、偏光解消板121(透明クサビ122を含んでもよい)と位相板123を交換可能な構造にしてもよい。
光束整形光学系2は、光源1からの光が直接入射するため、一般的に光学素子の表面におけるエネルギー密度が高く、光学材料である硝材として高い耐久性が要求される。
つまり、人工水晶を硝材とする光学素子を、光源1からの光で照射して長時間使用する際に、その光学素子の特性(透過率など)の劣化が小さいものが要求される。
位相板123の人工水晶について、赤外吸収帯3585cm−1におけるヒドロキシル基の吸収係数の値(α値)を後述のような値とする。
つまり、光源1がKrFエキシマレーザーの場合は、α値が0.020cm−1以上0.400cm−1以下のものを使用する。
一方、光源1がArFエキシマレーザーである場合は、α値が0.020cm−1以上0.100cm−1以下の人工水晶を使用する。
このように、光源1の波長に依存して、α値によって選別した人工水晶を使用することで、高いレーザー耐久性が得られる。
ここで、α値は、硝材に対して光を入射させたとき、入射光の強度と透過光の強度から求まる値である。
以下に、上記の吸収係数(α値)について詳細に説明する。
人工水晶の不純物は、ヒドロキシル基やAl、Na、Li等がある。
その内、ヒドロキシル基は、Siを置換した不純物と関わって欠陥中心を補填し、もしくは結晶中に取り込まれたH2O分子として存在する。
ヒドロキシル基は、3000cm−1付近に幾つかの吸収帯を持つので、ヒドロキシル基による光の吸収量と人工水晶の品質には密接な関係がある。
ヒドロキシル基に起因する光の吸収量が多いならば、人工水晶には不純物であるヒドロキシル基が多く含まれ、その吸収量が少なければヒドロキシル基が少ない。
したがって、α値が大きいと耐久性が低く、α値が小さいと耐久性が高いとも推測されうる。しかし、後述のように、一概にそうなるとは限らない。
つまり、光源1がKrFエキシマレーザーの場合は、α値が0.020cm−1以上0.400cm−1以下のものを使用する。
一方、光源1がArFエキシマレーザーである場合は、α値が0.020cm−1以上0.100cm−1以下の人工水晶を使用する。
このように、光源1の波長に依存して、α値によって選別した人工水晶を使用することで、高いレーザー耐久性が得られる。
ここで、α値は、硝材に対して光を入射させたとき、入射光の強度と透過光の強度から求まる値である。
以下に、上記の吸収係数(α値)について詳細に説明する。
人工水晶の不純物は、ヒドロキシル基やAl、Na、Li等がある。
その内、ヒドロキシル基は、Siを置換した不純物と関わって欠陥中心を補填し、もしくは結晶中に取り込まれたH2O分子として存在する。
ヒドロキシル基は、3000cm−1付近に幾つかの吸収帯を持つので、ヒドロキシル基による光の吸収量と人工水晶の品質には密接な関係がある。
ヒドロキシル基に起因する光の吸収量が多いならば、人工水晶には不純物であるヒドロキシル基が多く含まれ、その吸収量が少なければヒドロキシル基が少ない。
したがって、α値が大きいと耐久性が低く、α値が小さいと耐久性が高いとも推測されうる。しかし、後述のように、一概にそうなるとは限らない。
そこで、光源に対して、人工水晶の透過率および耐久性、人工水晶の等級(吸収係数など)の関係を得るために、人工水晶の透過率と耐久性に関する実験を行った。
本実験では、人工水晶の品質を判別する指標として、人工水晶中のヒドロキシル基に起因する3585cm−1の吸収係数(α値)に注目した。
本実験では、α値の異なる人工水晶を幾つか用意した。そして、それらの人工水晶にArFエキシマレーザーもしくはKrFエキシマレーザーからの光を照射し続けるという実験を複数回行った。実験結果の一部を図2に示す。
図2は、α値が0.09cm−1の人工水晶Aと、α値が0.04cm−1の人工水晶Bと、α値が0.015cm−1の人工水晶Cに対して、ArFエキシマレーザーを照射したときの、照射回数(パルス数)と人工水晶の透過率の関係を表す。
人工水晶Aは、照射を開始した初期の状態からすぐに透過率が2%減少したが、その後の透過率の減少は緩やかで、200×106回照射しても急激な透過率の減少は見られなかった。
人工水晶Bは、照射を開始した初期の頃の透過率変化は0.7%と小さく、長時間レーザーで照射しても急激な透過率変化が見られなかった。
しかし、人工水晶AおよびBよりもα値が小さい人工水晶Cは、照射を開始した初期の頃の透過率変化が小さいものの、100×106回照射したあたりから急激な透過率の減少が見られた。
本実験における200×106回の照射は、実際の露光装置での数年の使用に相当する。
したがって、本実験の結果から分かるように、露光装置に用いられる光源がArFエキシマレーザーである場合に、人工水晶Aと人工水晶Bは、その露光装置(照明光学系や投影光学系)の光学素子の硝材として適用可能であるが、人工水晶Cは適さない。
本実験では、人工水晶の品質を判別する指標として、人工水晶中のヒドロキシル基に起因する3585cm−1の吸収係数(α値)に注目した。
本実験では、α値の異なる人工水晶を幾つか用意した。そして、それらの人工水晶にArFエキシマレーザーもしくはKrFエキシマレーザーからの光を照射し続けるという実験を複数回行った。実験結果の一部を図2に示す。
図2は、α値が0.09cm−1の人工水晶Aと、α値が0.04cm−1の人工水晶Bと、α値が0.015cm−1の人工水晶Cに対して、ArFエキシマレーザーを照射したときの、照射回数(パルス数)と人工水晶の透過率の関係を表す。
人工水晶Aは、照射を開始した初期の状態からすぐに透過率が2%減少したが、その後の透過率の減少は緩やかで、200×106回照射しても急激な透過率の減少は見られなかった。
人工水晶Bは、照射を開始した初期の頃の透過率変化は0.7%と小さく、長時間レーザーで照射しても急激な透過率変化が見られなかった。
しかし、人工水晶AおよびBよりもα値が小さい人工水晶Cは、照射を開始した初期の頃の透過率変化が小さいものの、100×106回照射したあたりから急激な透過率の減少が見られた。
本実験における200×106回の照射は、実際の露光装置での数年の使用に相当する。
したがって、本実験の結果から分かるように、露光装置に用いられる光源がArFエキシマレーザーである場合に、人工水晶Aと人工水晶Bは、その露光装置(照明光学系や投影光学系)の光学素子の硝材として適用可能であるが、人工水晶Cは適さない。
また、人工水晶A〜Cのα値とは異なる人工水晶に対して、上記のような実験を繰り返した結果、α値が0.020cm−1以上0.100cm−1以下の範囲内である人工水晶であれば、ArFエキシマレーザーに対して適用可能であることが分かった。
さらに、KrFエキシマレーザーを光源とした場合にも、上記のような実験を行ったところ、α値が0.020cm−1以上0.400cm−1以下の範囲内である人工水晶であれば、適用可能であることが分かった。
このように、光源がArFエキシマレーザーである場合よりもKrFエキシマレーザーである場合の方が、α値の許容範囲を大きくすることができ、その許容範囲は光源の波長に依存することが分かる。
つまり、長時間露光した際の、人工水晶の透過率低下の程度、耐久性は光源の波長に依存する。
また、ヒドロキシル基に起因する赤外吸収帯3585cm−1の赤外吸収係数の値が上記のように、上限値と下限値を定めた所定の範囲内では、長期間に亘って透過率が急激に低下せず、耐久性がよいことが分かる。
しかし、人工水晶Cのように、その吸収係数の値が所定の値よりも小さいと、長期間使用したときの透過率の低減が大きく、耐久性が却って低いということが分かる。
したがって、単純にα値が小さければ耐久性が高いとは限らない。
よって、光源が250nm以下の短波長の露光においても、人工水晶のα値を、上記のように、ゼロではない下限値を設けた所定の範囲内とすることにより、人工水晶の光学素子では長期間に亘り高い透過率を保つことが出来る。
このように、光源の種類に応じて露光装置の使用に適した人工水晶を選別し、選別した人工水晶を硝材とする光学素子を照明光学系に用いるとよい。
具体的には、人工水晶を硝材とする光学素子を、KrFエキシマレーザーからの光で照射されるKrF用光学系とArFエキシマレーザーからの光で照射されるArF用光学系との内、どの光学系に用いるかを選別する方法が考えられる。
上述のように、光学素子において、3585cm−1の赤外吸収帯におけるヒドロキシル基の吸収係数の値が0.020cm−1以上0.100cm−1以下の場合は、KrF用光学系およびArF用光学系のどちらにも適用可能である光学素子として選択する。
光学素子において吸収係数の値が0.100cm−1より大きく0.400cm−1以下の場合は、KrF用光学系に適用可能である光学素子として選択する。
さらに、KrFエキシマレーザーを光源とした場合にも、上記のような実験を行ったところ、α値が0.020cm−1以上0.400cm−1以下の範囲内である人工水晶であれば、適用可能であることが分かった。
このように、光源がArFエキシマレーザーである場合よりもKrFエキシマレーザーである場合の方が、α値の許容範囲を大きくすることができ、その許容範囲は光源の波長に依存することが分かる。
つまり、長時間露光した際の、人工水晶の透過率低下の程度、耐久性は光源の波長に依存する。
また、ヒドロキシル基に起因する赤外吸収帯3585cm−1の赤外吸収係数の値が上記のように、上限値と下限値を定めた所定の範囲内では、長期間に亘って透過率が急激に低下せず、耐久性がよいことが分かる。
しかし、人工水晶Cのように、その吸収係数の値が所定の値よりも小さいと、長期間使用したときの透過率の低減が大きく、耐久性が却って低いということが分かる。
したがって、単純にα値が小さければ耐久性が高いとは限らない。
よって、光源が250nm以下の短波長の露光においても、人工水晶のα値を、上記のように、ゼロではない下限値を設けた所定の範囲内とすることにより、人工水晶の光学素子では長期間に亘り高い透過率を保つことが出来る。
このように、光源の種類に応じて露光装置の使用に適した人工水晶を選別し、選別した人工水晶を硝材とする光学素子を照明光学系に用いるとよい。
具体的には、人工水晶を硝材とする光学素子を、KrFエキシマレーザーからの光で照射されるKrF用光学系とArFエキシマレーザーからの光で照射されるArF用光学系との内、どの光学系に用いるかを選別する方法が考えられる。
上述のように、光学素子において、3585cm−1の赤外吸収帯におけるヒドロキシル基の吸収係数の値が0.020cm−1以上0.100cm−1以下の場合は、KrF用光学系およびArF用光学系のどちらにも適用可能である光学素子として選択する。
光学素子において吸収係数の値が0.100cm−1より大きく0.400cm−1以下の場合は、KrF用光学系に適用可能である光学素子として選択する。
人工水晶は強い複屈折を有するため、複屈折の影響を積極的に利用するユニットに用いるとより有効である。
例えば、偏光解消ユニットやオプティカルインテグレータとして用いるとよい。以下に、偏光解消ユニットの硝材として人工水晶を用いる場合について説明する。
無偏光照明では、図3に示されるような偏光解消(デポラライザー)ユニットを用いる。
偏光解消ユニットは、光軸を含む断面がクサビ型の偏光解消板121と偏光解消板121と逆方向のクサビ形状を有する透明クサビ122で構成される。
透明クサビ122は偏光解消板121により偏向された射出光を入射方向と同じ方向に補正するための補助的な素子であり、両素子の屈折率の違いによりクサビ形状の傾斜角を若干異ならせている。
入射方向に対して、射出方向が違っても差し支えない場合は、この透明クサビ122は必ずしも必要ではない。
ここで、図3(b)は、図3(a)に示す透明クサビ122がない状態の偏光解消ユニットを示す概略断面図である。
偏光解消板121は人工結晶を硝材とし、上記のように、吸収係数が光源1の波長に依存して決定される範囲内のものである。
例えば、偏光解消ユニットやオプティカルインテグレータとして用いるとよい。以下に、偏光解消ユニットの硝材として人工水晶を用いる場合について説明する。
無偏光照明では、図3に示されるような偏光解消(デポラライザー)ユニットを用いる。
偏光解消ユニットは、光軸を含む断面がクサビ型の偏光解消板121と偏光解消板121と逆方向のクサビ形状を有する透明クサビ122で構成される。
透明クサビ122は偏光解消板121により偏向された射出光を入射方向と同じ方向に補正するための補助的な素子であり、両素子の屈折率の違いによりクサビ形状の傾斜角を若干異ならせている。
入射方向に対して、射出方向が違っても差し支えない場合は、この透明クサビ122は必ずしも必要ではない。
ここで、図3(b)は、図3(a)に示す透明クサビ122がない状態の偏光解消ユニットを示す概略断面図である。
偏光解消板121は人工結晶を硝材とし、上記のように、吸収係数が光源1の波長に依存して決定される範囲内のものである。
また、図4に示すように、偏光解消板121の結晶軸は入射する光束の主偏光方向と一致しないように配置されている。
本実施例では、例示的に、かかる結晶軸が光束の主偏光方向に対して45度の角度をなすように配置されている。
ここで、図4は、図3に示す偏光解消板121の構成を示すための概略斜視図である。図4に示されるように偏光解消板121は、その結晶軸の方向が光源1からの直線偏光光の偏光方向(y方向)に対して45度を成す。
偏光解消板121の厚さは、光軸が貫くその中心位置を通過する光線(y方向直線偏光)が円偏光に変換されるように設計されている。
但し、偏光解消板121の中心を通過する光線を、必ずしも円偏光に変換する必要はなく、また、光源からの直線偏光光の偏光方向(y方向)と偏光解消板121のくさび方向を一致させる必要はない。
偏光解消板121に入射した光束の偏光状態が、ある方向に沿って連続的又は段階的に変化して光線束全体として偏光が解消された、実質的に無偏光の状態になればよい。
より好適には、射出する光束内での相対位相変化量を大きくするため、入射する光束の径が対称ではない場合、径の大きい方向に偏光解消板121のくさび方向を一致させる方がよい。
本実施例では、例示的に、かかる結晶軸が光束の主偏光方向に対して45度の角度をなすように配置されている。
ここで、図4は、図3に示す偏光解消板121の構成を示すための概略斜視図である。図4に示されるように偏光解消板121は、その結晶軸の方向が光源1からの直線偏光光の偏光方向(y方向)に対して45度を成す。
偏光解消板121の厚さは、光軸が貫くその中心位置を通過する光線(y方向直線偏光)が円偏光に変換されるように設計されている。
但し、偏光解消板121の中心を通過する光線を、必ずしも円偏光に変換する必要はなく、また、光源からの直線偏光光の偏光方向(y方向)と偏光解消板121のくさび方向を一致させる必要はない。
偏光解消板121に入射した光束の偏光状態が、ある方向に沿って連続的又は段階的に変化して光線束全体として偏光が解消された、実質的に無偏光の状態になればよい。
より好適には、射出する光束内での相対位相変化量を大きくするため、入射する光束の径が対称ではない場合、径の大きい方向に偏光解消板121のくさび方向を一致させる方がよい。
図5(a)及び(b)は、図3に示す偏光解消板121の機能を示す概略図である。本実施例においては、偏光解消板121から射出された光束は、図5(b)に示すように、図の上下方向(y方向)に沿って偏光状態変化している。
本実施例では偏光解消板121のくさび方向(傾斜方向)と光源からの直線偏光光の偏光方向を一致させた例を示している。
図5(b)の範囲121A内では、上からy方向直線偏光、反時計回りの楕円偏光、反時計回りの円偏光、反時計回りの楕円偏光、x方向の直線偏光、時計回りの楕円偏光、時計回りの円偏光、時計回りの楕円偏光、y方向の直線偏光と連続的に変化している。この範囲121A内の偏光状態の変化がy方向に沿って繰り返される。
この繰り返しの回数は図5(a)に示す偏光解消板121のくさび角θ1と厚さと光源からの光のビーム径とに依存して決まり、必要な偏光解消の度合いに応じてのくさび角θ1と厚さとを決めることができる。
なお、十分な偏光解消効果を得るには、5回以上繰り返しのあることが好適である。
本実施例では偏光解消板121のくさび方向(傾斜方向)と光源からの直線偏光光の偏光方向を一致させた例を示している。
図5(b)の範囲121A内では、上からy方向直線偏光、反時計回りの楕円偏光、反時計回りの円偏光、反時計回りの楕円偏光、x方向の直線偏光、時計回りの楕円偏光、時計回りの円偏光、時計回りの楕円偏光、y方向の直線偏光と連続的に変化している。この範囲121A内の偏光状態の変化がy方向に沿って繰り返される。
この繰り返しの回数は図5(a)に示す偏光解消板121のくさび角θ1と厚さと光源からの光のビーム径とに依存して決まり、必要な偏光解消の度合いに応じてのくさび角θ1と厚さとを決めることができる。
なお、十分な偏光解消効果を得るには、5回以上繰り返しのあることが好適である。
図1に示される露光装置において、X偏光露光もしくはY偏光露光を行う場合、光束整形光学系2において、上記の位相板123を用いてX偏光化もしくはY偏光化する。
図1および図6に示される位相板123は、光軸を中心として結晶光学軸が回転自在に構成された人工水晶単結晶からなる1/2波長板により構成されている。
なお、位相板123の人工水晶の吸収係数の値は、上述のように決められた所定の範囲内である。また、位相板として、1/2波長板に限らず、1/4波長板などもよい。
光源1から射出される光の偏光度は、典型的には95%以上の偏光度を有する。
よって、位相板123には、ほぼ直線偏光の光が入射する。もし、光源から射出される光の偏光度が低い場合、位相板123より上流に、特定の偏光光のみを透過させる光学素子を配置してもよい。
位相板123の結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定された場合、位相板123に入射した直線偏光の光は偏光面が変化することなくそのまま通過する。
また、位相板123の結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して45度の角度をなすように設定された場合、位相板123に入射した直線偏光の光は偏光面が90度だけ変化した直線偏光の光に変換される。
位相板123にY偏光が入射する場合、入射するY偏光の偏光面に対して位相板123の結晶光学軸が0度または90度の角度をなすように設定する。
この場合、位相板123に入射したY偏光の光は偏光面が変化することなくY偏光のまま通過し、Y偏光状態の光でマスク14を照明する。
図1および図6に示される位相板123は、光軸を中心として結晶光学軸が回転自在に構成された人工水晶単結晶からなる1/2波長板により構成されている。
なお、位相板123の人工水晶の吸収係数の値は、上述のように決められた所定の範囲内である。また、位相板として、1/2波長板に限らず、1/4波長板などもよい。
光源1から射出される光の偏光度は、典型的には95%以上の偏光度を有する。
よって、位相板123には、ほぼ直線偏光の光が入射する。もし、光源から射出される光の偏光度が低い場合、位相板123より上流に、特定の偏光光のみを透過させる光学素子を配置してもよい。
位相板123の結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定された場合、位相板123に入射した直線偏光の光は偏光面が変化することなくそのまま通過する。
また、位相板123の結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して45度の角度をなすように設定された場合、位相板123に入射した直線偏光の光は偏光面が90度だけ変化した直線偏光の光に変換される。
位相板123にY偏光が入射する場合、入射するY偏光の偏光面に対して位相板123の結晶光学軸が0度または90度の角度をなすように設定する。
この場合、位相板123に入射したY偏光の光は偏光面が変化することなくY偏光のまま通過し、Y偏光状態の光でマスク14を照明する。
一方、位相板123の結晶光学軸が入射光の偏光面に対して45度の角度を成すように設定すると、位相板123に入射したY偏光の光は偏光面が90度だけ変化してX偏光の光になり、X偏光状態の光でマスク14を照明する。
偏光照明を行うために位相板123の硝材として人工水晶を使用し、光源1がKrFエキシマレーザーの場合は、α値が0.020cm−1以上0.400cm−1以下の人工水晶を使用する。
また、光源1がArFエキシマレーザーの場合は、α値が0.020cm−1以上0.100cm−1以下の人工水晶を使用する。
このように、α値によって選別した人工水晶を使用することで、偏光照明の場合にも高い耐久性が得られる。
偏光照明を行うために位相板123の硝材として人工水晶を使用し、光源1がKrFエキシマレーザーの場合は、α値が0.020cm−1以上0.400cm−1以下の人工水晶を使用する。
また、光源1がArFエキシマレーザーの場合は、α値が0.020cm−1以上0.100cm−1以下の人工水晶を使用する。
このように、α値によって選別した人工水晶を使用することで、偏光照明の場合にも高い耐久性が得られる。
次に、図7及び図8を参照して、上述の露光装置を利用したデバイス製造方法を説明する。
図7は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造方法を例に説明する。
半導体チップの製造方法は、露光装置を用いてウェハを露光する工程と、前記ウェハを現像する工程とを備え、具体的には、以下の工程から成る。
ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。
ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンに基づいてマスクを製作する。
ステップ3(ウェハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
ステップ4(ウェハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いて、上記の露光装置によりリソグラフィ技術を利用してウェハ上に実際の回路を形成する。
ステップ5(組立)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。
ステップ6(検査)では、ステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。
こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、それが出荷(ステップ7)される。
図7は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造方法を例に説明する。
半導体チップの製造方法は、露光装置を用いてウェハを露光する工程と、前記ウェハを現像する工程とを備え、具体的には、以下の工程から成る。
ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。
ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンに基づいてマスクを製作する。
ステップ3(ウェハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
ステップ4(ウェハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いて、上記の露光装置によりリソグラフィ技術を利用してウェハ上に実際の回路を形成する。
ステップ5(組立)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。
ステップ6(検査)では、ステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。
こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、それが出荷(ステップ7)される。
図8は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。
ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。
ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。
ステップ13(電極形成)では、ウェハに電極を形成する。
ステップ14(イオン打込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。
ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。
ステップ16(露光)では、露光装置によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。
ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。
ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。
ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。
ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。
ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。
ステップ13(電極形成)では、ウェハに電極を形成する。
ステップ14(イオン打込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。
ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。
ステップ16(露光)では、露光装置によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。
ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。
ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。
ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。
1 光源 2 光束整形光学系
3 回折光学素子 4 フーリエ変換レンズ
5 照明光変形レンズ 6 集光ズームレンズ
7 ハエの目レンズ 8 絞り部材
9 照射レンズ 10 視野絞り
11,13 結像レンズ 12 偏向ミラー
14 マスク 15 マスクステージ
16 投影光学系 18 ウェハ
19 ウェハステージ 121 偏光解消板
122 透明クサビ 123 位相板
3 回折光学素子 4 フーリエ変換レンズ
5 照明光変形レンズ 6 集光ズームレンズ
7 ハエの目レンズ 8 絞り部材
9 照射レンズ 10 視野絞り
11,13 結像レンズ 12 偏向ミラー
14 マスク 15 マスクステージ
16 投影光学系 18 ウェハ
19 ウェハステージ 121 偏光解消板
122 透明クサビ 123 位相板
Claims (8)
- 波長が250nm以下の光を発生する光源と、
人工水晶を硝材とする光学素子を有し、前記光源からの光を用いて原版を照明する照明光学系と、
前記原版のパターンを基板に投影する投影光学系とを有し、
前記光学素子において、3585cm−1の赤外吸収帯におけるヒドロキシル基の吸収係数の値が、前記光源の波長に依存して決定される範囲内にあることを特徴とする露光装置。 - 前記光源はKrFエキシマレーザーであり、前記範囲の下限値が0.020cm−1であり、上限値が0.400cm−1であることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記光源はArFエキシマレーザーであり、前記範囲の下限値が0.020cm−1であり、上限値が0.100cm−1であることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記光学素子は偏光解消素子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の露光装置。
- 前記光学素子は位相板であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の露光装置。
- 前記範囲の下限値はゼロよりも大きい値であることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
露光された前記基板を現像する工程と、を備えることを特徴とするデバイス製造方法。 - 人工水晶を硝材とする光学素子を、KrFエキシマレーザーからの光で照射されるKrF用光学系とArFエキシマレーザーからの光で照射されるArF用光学系との内、どの光学系に用いるかを選別する選別方法において、
前記光学素子において、3585cm−1の赤外吸収帯におけるヒドロキシル基の吸収係数の値が0.020cm−1以上0.100cm−1以下の場合は、前記KrF用光学系および前記ArF用光学系のどちらにも適用可能である光学素子として選択し、
前記光学素子において前記吸収係数の値が0.100cm−1より大きく0.400cm−1以下の場合は、前記KrF用光学系に適用可能である光学素子として選択することを特徴とする選別方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007182444A JP2009021363A (ja) | 2007-07-11 | 2007-07-11 | 露光装置およびデバイス製造方法 |
TW097125106A TW200916973A (en) | 2007-07-11 | 2008-07-03 | Exposure apparatus, method for selecting optical element, and device manufacturing method |
KR1020080064228A KR20090006747A (ko) | 2007-07-11 | 2008-07-03 | 노광장치, 광학 소자의 선별방법 및 디바이스 제조방법 |
US12/170,377 US20090015811A1 (en) | 2007-07-11 | 2008-07-09 | Exposure apparatus, method for selecting optical element, and device manufacturing method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007182444A JP2009021363A (ja) | 2007-07-11 | 2007-07-11 | 露光装置およびデバイス製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009021363A true JP2009021363A (ja) | 2009-01-29 |
Family
ID=40252820
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007182444A Pending JP2009021363A (ja) | 2007-07-11 | 2007-07-11 | 露光装置およびデバイス製造方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20090015811A1 (ja) |
JP (1) | JP2009021363A (ja) |
KR (1) | KR20090006747A (ja) |
TW (1) | TW200916973A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021180872A (ja) * | 2020-03-13 | 2021-11-25 | みこらった株式会社 | 電気掃除装置、電気掃除装置用のプログラム、電気掃除機、電気掃除機用のプログラム、別体装置及び別体装置用プログラム |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103154818B (zh) * | 2010-09-28 | 2015-07-15 | 卡尔蔡司Smt有限责任公司 | 微光刻投射曝光设备的光学系统以及降低图像位置误差的方法 |
CN103364773B (zh) * | 2013-07-16 | 2015-02-11 | 西安电子科技大学 | 激光目标退偏参数外场测试系统 |
CN112230499A (zh) * | 2019-07-15 | 2021-01-15 | 中强光电股份有限公司 | 照明系统以及投影装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1652972B1 (en) * | 2003-07-10 | 2012-05-30 | Nikon Corporation | Production method for an exposure system |
-
2007
- 2007-07-11 JP JP2007182444A patent/JP2009021363A/ja active Pending
-
2008
- 2008-07-03 TW TW097125106A patent/TW200916973A/zh unknown
- 2008-07-03 KR KR1020080064228A patent/KR20090006747A/ko not_active Application Discontinuation
- 2008-07-09 US US12/170,377 patent/US20090015811A1/en not_active Abandoned
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021180872A (ja) * | 2020-03-13 | 2021-11-25 | みこらった株式会社 | 電気掃除装置、電気掃除装置用のプログラム、電気掃除機、電気掃除機用のプログラム、別体装置及び別体装置用プログラム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TW200916973A (en) | 2009-04-16 |
US20090015811A1 (en) | 2009-01-15 |
KR20090006747A (ko) | 2009-01-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI276924B (en) | Exposure apparatus and method | |
KR100674045B1 (ko) | 조명장치, 노광장치 및 디바이스 제조방법 | |
US6930754B1 (en) | Multiple exposure method | |
JP2006019702A (ja) | 照明光学系及び露光装置 | |
JPWO2008007632A1 (ja) | 照明光学装置、露光装置、およびデバイス製造方法 | |
JP4095376B2 (ja) | 露光装置及び方法、並びに、デバイス製造方法 | |
KR100823405B1 (ko) | 노광장치 및 디바이스 제조 방법 | |
KR101789855B1 (ko) | 조명 광학계 및 노광 장치 | |
US20080062509A1 (en) | Diffractive optical element, exposure apparatus and device manufacturing method | |
US20080036992A1 (en) | Exposure apparatus and device manufacturing method | |
JP2009021363A (ja) | 露光装置およびデバイス製造方法 | |
JP5105316B2 (ja) | 照明光学装置、露光装置、およびデバイス製造方法 | |
JP3997199B2 (ja) | 露光方法及び装置 | |
JP2009130091A (ja) | 照明光学装置、露光装置及びデバイス製造方法 | |
US7242457B2 (en) | Exposure apparatus and exposure method, and device manufacturing method using the same | |
JP5531518B2 (ja) | 偏光変換ユニット、照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 | |
JP2008270502A (ja) | 露光装置、露光方法およびデバイス製造方法 | |
JP5839076B2 (ja) | 照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 | |
JP5534276B2 (ja) | 照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 | |
JP2006269462A (ja) | 露光装置および照明装置 | |
JP2006135346A (ja) | 露光方法及び装置 | |
JP2008021767A (ja) | 照明光学装置、露光装置、およびデバイス製造方法 | |
JP2007158271A (ja) | 照明光学装置、露光装置、およびデバイスの製造方法 | |
JP2011171776A (ja) | 照明光学系及び露光装置 | |
JP2009099879A (ja) | 照明光学系、露光装置及びデバイス製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20090406 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20100201 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20100630 |