JP2009019934A - ガスセンサ材料、その製造方法及びガスセンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】層状構造を持つ無機化合物の層間に、ポリナフチルアミン又はその誘導体、或いは、ポリアミノアントラセン又はその誘導体を主成分とする有機高分子を挿入することによって、その化学センサ特性としてホルムアルデヒドガスよりアセトアルデヒドガスを優先的に検知する特性を有する有機無機ハイブリッド材料からなるガスセンサ材料、導電性有機無機ハイブリッド材料、それらの製造方法、導電性部材及び化学センサ部材。
【効果】該ガスセンサ材料と、従来のアセトアルデヒドよりホルムアルデヒドを優先的に検知するガスセンサ材料を同時利用することで、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドのそれぞれの濃度を判定することが可能な化学センサデバイスを提供することが出来る。
【選択図】図5
Description
(1)層状構造を持つ無機化合物の層間に有機高分子が挿入された有機無機ハイブリッド材料であって、該層状構造を持つ無機化合物が酸化モリブデンを主成分とし、有機高分子がポリナフチルアミン又はその誘導体、或いは、ポリアミノアントラセン又はその誘導体を主成分とすることを特徴とする有機無機ハイブリッド材料。
(2)ポリナフチルアミン誘導体が、ポリ(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチルアミン)である、前記(1)に記載の材料。
(3)層状構造を持つ無機化合物の層間に有機高分子が挿入された有機無機ハイブリッド材料による成型体からなる、前記(1)に記載の材料。
(4)薄膜、配向膜、厚膜、又はペレット成型体からなる、前記(3)に記載の材料。
(5)前記(1)から(4)のいずれかに記載の有機無機ハイブリッド材料からなるガスセンサ材料であって、抵抗値の変化により、ホルムアルデヒドガスよりアセトアルデヒドガスを優先的に検知する特性を有することを特徴とするガスセンサ材料。
(6)前記(1)から(4)のいずれかに記載の有機無機ハイブリッド材料からなることを特徴とする導電性材料。
(7)層状構造を持つ無機化合物の層間に有機高分子を挿入して、抵抗値の変化により、ホルムアルデヒドガスよりアセトアルデヒドガスを優先的に検知する特性を有する有機無機ハイブリッド材料からなるガスセンサ材料を作製する方法であって、該層状構造を持つ無機化合物として酸化モリブデンを主成分とする化合物を、また、有機高分子としてポリナフチルアミン又はその誘導体、或いは、ポリアミノアントラセン又はその誘導体を用いることを特徴とするガスセンサ材料の製造方法。
(8)層状構造を持つ無機化合物の層間に、有機高分子を挿入して有機無機ハイブリッド材料からなる導電性材料を作製する方法であって、該層状構造を持つ無機化合物として酸化モリブデンを主成分とする化合物を、また、有機高分子としてポリナフチルアミン又はその誘導体、或いは、ポリアミノアントラセン又はその誘導体を用いることを特徴とする導電性材料の製造方法。
(9)有機無機ハイブリッド材料を成型して、成型体とする、前記(7)又は(8)に記載のガスセンサ材料又は導電性材料の製造方法。
(10)有機無機ハイブリッド材料を成型して、薄膜、配向膜、厚膜、又はペレットとする、前記(9)に記載のガスセンサ材料又は導電性材料の製造方法。
(11)前記(6)に記載の導電性材料を構成要素として含むことを特徴とする導電性部材。
(12)前記(5)に記載のガスセンサ材料からなるセンサ素子を含むことを特徴とする化学センサ部材。
本発明は、層状構造を持つ無機化合物の層間に有機高分子が挿入された有機無機ハイブリッド材料をガスセンサ材料として使用することで、その抵抗値の変化により、ホルムアルデヒドガスよりアセトアルデヒドガスを優先的に検知する特性を有するガスセンサ材料としたこと、に特徴を有するものである。本発明では、層状構造を持つ無機化合物と、有機高分子を適切に組み合わせることで、ホルムアルデヒドガスよりアセトアルデヒドガスを優先的に検知するガスセンサ材料とすることが可能となる。
(1)有機無機ハイブリッド材料からなるガスセンサ材料で、ホルムアルデヒドよりアセトアルデヒドに対して強く応答する新規ガスセンサ材料を得ることが出来る。
(2)該有機無機ハイブリッド材料と、従来のアセトアルデヒドよりホルムアルデヒドに対して強く応答する有機無機ハイブリッド材料を同時利用することにより、双方の抵抗値変化をモニタリングすることで、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの濃度を判定することが可能な新しい化学センサデバイスを提供することが出来る。
(3)それにより、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの濃度を判定する安価な化学センサデバイスを提供することが出来る。
(4)本発明の化学センサデバイスを用いることにより、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの濃度の常時モニタリングが可能となる。
20mm四方の熱酸化膜付Si基板に、85mmol/LのLaAlO3前駆体キシレン溶液を滴下し、500rpmで10秒の条件に続き、3000rpmで30秒の条件でスピンコートした。その後、90℃で約30分間乾燥させ、次いで、1000℃で30分焼成した。以上の工程を経て、熱酸化膜付Si基板に、酸化モリブデンと結晶格子定数の近いLaAlO3バッファー層を塗布した。
MoO3薄膜は、CVD法にて作製した。基板は、LaAlO3バッファー層を塗布したSi基板上に、電極幅20μm、電極間距離20μmを有した10mm四方内の金櫛形電極を蒸着したものを用いた。基板は、加熱用ヒーターを持つ試料ホルダーに設置した。ソース室から試料室にかけて酸素ガス50mL/minを流して系内を置換し、試料ホルダーを500℃に、試料室を455℃に、ソース室を40℃に加熱した。
蒸留水15mLをフラスコ内で攪拌しながら、25分間アルゴンガスでバブリングした後、モリブデン酸(VI)二ナトリウム・二水和物(Na2MoO4・2H2O:6g)を加えて溶解させ、次いで、次亜硫酸ナトリウム(Na2S2O4:0.4g)を加えた。これを溶解した後、攪拌とアルゴンガスのバブリングを止め、MoO3薄膜を20秒間浸漬させた。モリブデンの一部が還元されることで、薄膜が淡青色から青色へ変化した。
蒸留水5mLに濃塩酸0.5mLを加えた水溶液に、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチルアミン(0.254mL,1.82mmol)を加え、窒素ガスでバブリングを行いながら攪拌した。更に、重合開始剤として、過硫酸アンモニウム((NH4)2S2O8:17mg)を含む0.5mLの水溶液を加え、引き続き、窒素ガスでバブリングを行いながら、160分間攪拌した。その後、バブリングと攪拌を止め、孔径0.5μm、直径25mmの親水性PTFEメンブレンフィルターを用いて吸引濾過を行い、得られたPTHNA水溶液に、上記の[Na(H2O)2]xMoO3薄膜を30秒浸漬した後、蒸留水で洗浄し、空気中にて30分間90℃で乾燥させることで、(PTHNA)xMoO3薄膜を得た。
(PTHNA)xMoO3薄膜による化学センサのホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドガスに対するセンサ特性を電気抵抗値の変化で評価した。測定は、金櫛形電極を試料室の電気抵抗測定器と接続し、試料室に清浄窒素を200mL/minで流しながら100℃に加熱し、温度が安定した後、サンプルガスとして、対象VOCガス0.4ppmを含んだ窒素ガスを20分流し、その後、再び清浄窒素を流した。
1 酸化モリブデン層
2 ポリ(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチルアミン)(PTHNA)層
Claims (12)
- 層状構造を持つ無機化合物の層間に有機高分子が挿入された有機無機ハイブリッド材料であって、該層状構造を持つ無機化合物が酸化モリブデンを主成分とし、有機高分子がポリナフチルアミン又はその誘導体、或いは、ポリアミノアントラセン又はその誘導体を主成分とすることを特徴とする有機無機ハイブリッド材料。
- ポリナフチルアミン誘導体が、ポリ(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチルアミン)である、請求項1に記載の材料。
- 層状構造を持つ無機化合物の層間に有機高分子が挿入された有機無機ハイブリッド材料による成型体からなる、請求項1に記載の材料。
- 薄膜、配向膜、厚膜、又はペレット成型体からなる、請求項3に記載の材料。
- 請求項1から4のいずれかに記載の有機無機ハイブリッド材料からなるガスセンサ材料であって、抵抗値の変化により、ホルムアルデヒドガスよりアセトアルデヒドガスを優先的に検知する特性を有することを特徴とするガスセンサ材料。
- 請求項1から4のいずれかに記載の有機無機ハイブリッド材料からなることを特徴とする導電性材料。
- 層状構造を持つ無機化合物の層間に有機高分子を挿入して、抵抗値の変化により、ホルムアルデヒドガスよりアセトアルデヒドガスを優先的に検知する特性を有する有機無機ハイブリッド材料からなるガスセンサ材料を作製する方法であって、該層状構造を持つ無機化合物として酸化モリブデンを主成分とする化合物を、また、有機高分子としてポリナフチルアミン又はその誘導体、或いは、ポリアミノアントラセン又はその誘導体を用いることを特徴とするガスセンサ材料の製造方法。
- 層状構造を持つ無機化合物の層間に、有機高分子を挿入して有機無機ハイブリッド材料からなる導電性材料を作製する方法であって、該層状構造を持つ無機化合物として酸化モリブデンを主成分とする化合物を、また、有機高分子としてポリナフチルアミン又はその誘導体、或いは、ポリアミノアントラセン又はその誘導体を用いることを特徴とする導電性材料の製造方法。
- 有機無機ハイブリッド材料を成型して、成型体とする、請求項7又は8に記載のガスセンサ材料又は導電性材料の製造方法。
- 有機無機ハイブリッド材料を成型して、薄膜、配向膜、厚膜、又はペレットとする、請求項9に記載のガスセンサ材料又は導電性材料の製造方法。
- 請求項6に記載の導電性材料を構成要素として含むことを特徴とする導電性部材。
- 請求項5に記載のガスセンサ材料からなるセンサ素子を含むことを特徴とする化学センサ部材。
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