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JP2009013832A - ポンプロータ及びそれを用いた内接歯車ポンプ - Google Patents

ポンプロータ及びそれを用いた内接歯車ポンプ Download PDF

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JP2009013832A
JP2009013832A JP2007175242A JP2007175242A JP2009013832A JP 2009013832 A JP2009013832 A JP 2009013832A JP 2007175242 A JP2007175242 A JP 2007175242A JP 2007175242 A JP2007175242 A JP 2007175242A JP 2009013832 A JP2009013832 A JP 2009013832A
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inner rotor
internal gear
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JP2007175242A
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Naoki Inui
直樹 乾
Yoshiyuki Shimada
良幸 島田
Keiko Arimoto
桂子 有元
Daisuke Ogata
大介 緒方
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Sumitomo Electric Sintered Alloy Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Sintered Alloy Ltd
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Abstract

【課題】インナーロータとアウターロータとからなる内接歯車ポンプのポンプロータの耐久性を、インナーロータとアウターロータ歯面摩耗の均一化を図って向上させることを課題としている。
【解決手段】歯数差が1枚のインナーロータ2とアウターロータ3を偏心配置にして組み合わせた内接歯車ポンプのポンプロータ1において、インナーロータ2をアウターロータ3よりも表面硬さの硬い材料で形成して摩耗し難くした。併せて、インナーロータ2の歯の頂点の曲率半径をアウターロータ3の歯の頂点の曲率半径よりも小さくすると好ましい。
【選択図】図1

Description

この発明は、インナーロータとアウターロータの歯面の摩耗が平均化されるようにして耐久性(寿命)を向上させた内接歯車ポンプのポンプロータと、それを用いた内接歯車ポンプに関する。
インナーロータとアウターロータを偏心配置にして組み合わせたポンプロータを吸入ポートと吐出ポートを有するハウジングに組み付けて構成される内接歯車ポンプは、車のエンジンやオートマチックトランスミッション用のオイルポンプなどとして多用されている
。この種の内接歯車ポンプの従来例として、例えば、下記特許文献1、2に開示されたものなどがある。
特許文献1が開示している内接歯車ポンプは、ロータにトロコイド曲線の歯形を、特許文献2が開示している内接歯車ポンプはサイクロイド曲線の歯形をそれぞれ用いたものである。このほかに、下記特許文献3が開示しているように、サイクロイド曲線とインボリュート曲線と任意の曲線を組み合わせた特殊形状の歯形をインナーロータに採用し、その特殊形状の歯形を有するインナーロータを使用してアウターロータの歯形を創生したものもある。
なお、インナーロータとアウターロータは、鉄系焼結合金によって形成されたものや、アウターロータの歯数がインナーロータの歯数よりも1枚多いものが主流をなしている。また、インナーロータとアウターロータは、歯形などには関係なく、同一材質のものが組み合わされて用いられている。
特開2000−192889号公報 特開2003−56473号公報 特開2005−036735号公報
内接歯車ポンプは、インナーロータを駆動してアウターロータを従動回転させるので、駆動側であるインナーロータのポンプ作動時の負荷がアウターロータよりも大きくなる。ポンプ作動時にロータの歯面に加わる応力は、アウターロータよりもインナーロータの方が大きい。これに加えて、インナーロータは、歯数がアウターロータよりも少なくて歯面の摩擦の頻度がアウターロータよりも高くなることから、アウターロータに比べて歯面が摩耗しやすい。また、インナーロータは内径面の摩耗や疲労による変形なども起こり、そのために、アウターロータに比べてインナーロータの寿命が短くなる傾向がある。
インナーロータがアウターロータに比べて短命になると言う上記の問題に対して、従来は有効な対応策が全く採られていなかった。例えば、前掲の特許文献2は、ロータの歯面摩耗の低減について触れているが、それは、送出流の脈動に起因した歯面摩耗の対応策であり、インナーロータの歯面や内径面が摩耗し易いことによるインナーロータとアウターロータの寿命差を縮めるものではなかった。
そこで、この発明は、インナーロータとアウターロータの摩耗の進行が平均化されるようにしてポンプロータと内接歯車ポンプの耐久性を向上させることを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、歯数がn枚のインナーロータと、歯数が(n+1)枚のアウターロータを偏心配置にして組み合わせた内接歯車ポンプのポンプロータにおいて、インナーロータをアウターロータよりも表面硬さの硬い材料で形成した。
上記に加えてさらに、インナーロータの歯の頂点の曲率半径をアウターロータの歯の頂点の曲率半径よりも小さくするとより良い効果を期待できる。
このポンプロータを吸入ポートと吐出ポートを有するハウジングに組み付けてこの発明の内接歯車ポンプを構成する。
インナーロータをアウターロータよりも表面硬さの硬い材料で形成すると、アウターロータに比べてインナーロータが摩耗し難くなる。これにより、インナーロータとアウターロータの摩耗が平均化されて両ロータの寿命差が縮小され、ポンプロータ及びそれを用いた内接歯車ポンプの寿命が従来品に比べて延びる。
なお、インナーロータの歯の頂点の曲率半径をアウターロータの歯の頂点の曲率半径よりも小さくしたものは、インナーロータの歯面の負荷が軽減されてよりよい効果が得られる。インナーロータとアウターロータの歯は、理論上は線接触して接触点に加わる圧力(ヘルツの最大接触圧、以下では面圧と言う)がそれぞれ等しくなるが、実際の使用では歯の接触が面接触となって歯先の曲率半径が大きい方のロータの歯面の面圧が小さくなるので、表面硬さの低いアウターロータの歯の曲率半径をインナーロータの歯の曲率半径よりも大きくすることでアウターロータの歯面を摩耗し難くすることができ、このことも歯面摩耗の平均化に寄与する。
以下、添付図面の図1〜図3に基づいて、この発明のポンプロータ及び内接歯車ポンプの実施の形態を説明する。図1に示すポンプロータ1は、インナーロータ2とアウターロータ3を組み合わせて構成されている。2aはインナーロータの歯、3aはアウターロータの歯であり、アウターロータ3はインナーロータ2よりも歯数が1枚多いものが用いられている。
このポンプロータ1を、図2に示すように、吸入ポート5と吐出ポート6を有するハウジング4に収納して内接歯車ポンプ10を構成する。図1、図2のOiはインナーロータの回転中心、Ooはアウターロータの回転中心であり、OiとOoはe偏心している。
インナーロータ2は軸穴2bを有しており、その軸穴2bに、図2に示した駆動軸7が固定される。この駆動軸7からインナーロータ2に駆動力を伝えてインナーロータ2を回転させる。このとき、アウターロータ3は従動回転する。ポンプロータ1の回転に伴ってインナーロータ2とアウターロータ3間に形成されるポンプ室(チャンバ)8の容積が増減し、オイルなどの液体の吸入、吐出がなされる。
インナーロータ2とアウターロータ3は、いずれも鉄系焼結合金によって形成されている。アウターロータ3用の鉄系焼結合金は、例えば、60〜90HRB程度の表面硬さが得られるものが選択され、インナーロータ2用の鉄系焼結合金は、アウターロータ3よりも表面硬さの硬いもの、例えば、80〜100HRB程度の表面硬さが得られるものが選択されている。
インナーロータ2は、硬質被膜を表面に設けるなどの方法でも表面硬さをアウターロータの表面硬さ以上に高めることができるが、材質そのものを異ならせて表面硬さをアウターロータの表面硬さ以上に硬くする方法を採ると、硬質被膜の形成工程などの余分な工程が発生せず、生産性の悪化と工程数増加によるコストアップが回避される。
図1のポンプロータ1は、インナーロータ2をアウターロータ3よりも表面硬さの硬い材料で形成するのと併せて、インナーロータ2の歯2aの曲率半径(歯先の曲率半径)をアウターロータ3の歯3aの曲率半径(歯先の曲率半径)よりも小さくしたものを用いており、アウターロータ3の歯面の面圧(噛み合い面に作用する圧力)がインナーロータ2の歯面の面圧よりも小さくなって両ロータの歯面摩耗の均一化効果をより高め得るものになっている。また、インナーロータ2の内径面(軸穴2bの穴面)も従来品に比べると硬度が高まって強化された面になっており、内径面の損耗も抑制される。
なお、例示のポンプロータ1は、歯先と歯底が共にサイクロイド曲線によって形成されたインナーロータ2とアウターロータ3を組み合わせたが、インナーロータ2とアウターロータ3は、トロコイド曲線で形成された歯形を有するものであってもよいし、前掲の特許文献3が開示しているような歯形を有するものであってもよい。
この発明のポンプロータのより詳細な実施例を以下に挙げる。
質量比でNi:4.0%、Mo:0.5%、Cu:1.5%、C:0.5%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鉄基焼結合金(以下材質1、密度7.0g/cm、硬さ89HRB、引張り強さ620MPa、伸び2%、衝撃値16.5J/cmの特性を有する)で形成した歯数10枚のインナーロータと、Cu:2.0%、C:0.8%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鉄基焼結合金(以下材質2、密度6.8g/cm、硬さ77HRB、引張り強さ460MPa、伸び2%、衝撃値9.8J/cmの特性を有する)で形成した歯数11枚のアウターロータを組み合わせて表1に示す実施例1〜3の発明品のポンプロータを試作した。
インナーロータは、歯先がエピサイクロイド曲線で、歯溝がハイポサイクロイド曲線でそれぞれ形成され、一方、アウターロータは、歯先がハイポサイクロイド曲線、歯溝がエピサイクロイド曲線でそれぞれ形成されたものを用いた。
試作ポンプロータの寸法諸元は、インナーロータ歯数10枚、偏心量3.5mm、図3に示すピッチ円の直径Di=62mm、ピッチ円上を滑らずに転がってインナーロータの歯先のエピサイクロイド曲線を描く外転円の直径edi、歯溝のハイポサイクロイド曲線を描く内転円の直径hdi、アウターロータの歯先のハイポサイクロイド曲線を描く内転円の直径hdo、歯溝のエピサイクロイド曲線を描く外転円の直径edoはいずれも表1に示す通りとした。実施例1、比較例1、比較例2は、hdo>ediであるので、インナーロータの歯の曲率半径はアウターロータの歯の曲率半径よりも小さくなっている。
この発明品の試作ポンプロータと、インナーロータとアウターロータを共に前掲の材質1の材料で形成した表1の比較例1のポンプロータ及びインナーロータとアウターロータを共に前掲の材質2の材料で形成した表1の比較例2のポンプロータ(どちらも歯数と偏心量は実施例と同じ)を用いて内接歯車ポンプを形成し、耐久試験を行って耐久性を評価した。
耐久試験は、吐出圧0.8MPaの条件でポンプを運転し、合計運転時間が200時間に達した時点でロータの歯面の摩耗量を調べた。その結果を表1に併せて示す。
Figure 2009013832
表1の試験結果から、比較例2は、アウターロータに比べてインナーロータの歯面の摩耗が著しかった。これに対し、発明品の実施例1〜3の各ポンプロータは、インナーロータの歯面の摩耗の度合いが比較例2に比べて小さく、アウターロータとインナーロータの歯面の摩耗に大きな差が生じていなかった。また、比較例1は、インナーロータの内径摩耗量とアウターロータの歯先摩耗量は実施例1と比べて差がなかったが、アウターロータが高価になるため性能比でのコストが発明品よりも高くつき、実用化するのには適していなかった。
この発明のポンプロータの一例を示す正面図 図1のポンプロータをハウジングに組み付けて構成される内接歯車ポンプのハウジングのカバーを外した状態の正面図 試作ポンプロータの寸法諸元の説明図
符号の説明
1 ポンプロータ
2 インナーロータ
2a 歯
2b 軸穴
3 アウターロータ
3a 歯
4 ハウジング
5 吸入ポート
6 吐出ポート
7 駆動軸
8 ポンプ室
10 内接歯車ポンプ
Oi インナーロータの回転中心
Oo アウターロータの回転中心
e 偏心量

Claims (3)

  1. 歯数がn枚のインナーロータ(2)と、歯数が(n+1)枚のアウターロータ(3)を偏心配置にして組み合わせた内接歯車ポンプのポンプロータにおいて、
    インナーロータ(2)をアウターロータ(3)よりも表面硬さの硬い材料で形成したことを特徴とする内接歯車ポンプのポンプロータ。
  2. 上記に加えてさらに、インナーロータ(2)の歯の頂点の曲率半径をアウターロータ(3)の歯の頂点の曲率半径よりも小さくした請求項1に記載の内接歯車ポンプのポンプロータ。
  3. 請求項1または2に記載のポンプロータ(1)を吸入ポート(5)と吐出ポート(6)を有するハウジング(4)に組み付けて構成される内接歯車ポンプ。
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