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JP2009001489A - 単結晶の製造装置及び製造方法 - Google Patents

単結晶の製造装置及び製造方法 Download PDF

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JP2009001489A JP2008219232A JP2008219232A JP2009001489A JP 2009001489 A JP2009001489 A JP 2009001489A JP 2008219232 A JP2008219232 A JP 2008219232A JP 2008219232 A JP2008219232 A JP 2008219232A JP 2009001489 A JP2009001489 A JP 2009001489A
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Hiroshi Inagaki
宏 稲垣
Junsuke Tomioka
純輔 冨岡
Takuji Okumura
卓司 奥村
Takehiro Komatsu
健浩 小松
Tetsuo Nishida
哲郎 西田
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Abstract

【課題】炭素や重金属等の汚染物質の浸透量が少なく浸透深度が浅い単結晶の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】単結晶製造装置1は、成長させるべき単結晶7の原料溶融液4を収容する坩堝2と、この溶融液4を加熱するヒータ3と、坩堝2内の溶融液4の表面に種結晶6を接触させて単結晶7を成長させる引上げ手段5と、単結晶7の引上げ域の周囲を囲繞するテーパ面8aを有する輻射熱遮蔽スクリーン8と、各部材を収容するチャンバ9と、チャンバ9の上部から不活性ガスを供給する手段とを具備する。不活性ガスの流路31は、輻射熱遮蔽スクリーン8の上部において分岐し、テーパ面8a内を流れる第1の流路と、輻射熱遮蔽スクリーン8の外周を流れる第2の流路とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン等の半導体用単結晶の製造装置およびその装置を用いる単結晶の製造方法に係り、さらに詳しくは、輻射スクリーンの内周面に沿って流れる炭素や重金属による汚染を低減させ、低汚染物質の特性に優れた単結晶を無転位で製造するのに適する製造装置および製造方法に関する。
チョクラルスキー法(CZ法)によって製造された単結晶は、石英製坩堝内のシリコン溶融液から引上げて育成させるため、成長した結晶は坩堝の石英(SiO)から溶出した多くの酸素を含んでいる。このため、ICやLSIの製造プロセスにおいて繰り返し熱処理を受けても、スリップや反りを発生し難いという特徴がある。さらに、内部の酸素析出物は、1000℃近傍の熱処理で高密度欠陥層を形成し、ウェーハの表面領域に存在する不純物を低減するという作用(いわゆるイントリンシックゲッタリング)もある。このような特徴から、チョクラルスキー法は半導体用単結晶の工業的な量産方式として多用されている。
チョクラルスキー法による単結晶の引上げにおいて、その引上速度は引上げられる単結晶の引上げ方向における温度勾配と密接な関係があり、温度勾配を大きくすることによって引上速度を速くすることができる。このため、工業的な量産を行う場合には、引上げられる単結晶の周囲を囲繞するようにテーパ面を有するスクリーンを配設し、坩堝、ヒータおよび溶融液からの輻射熱を遮断し、単結晶の引上げ方向における温度勾配を大きくする方法が採用されている。
図4は、輻射熱遮断スクリーン(以下、単に「輻射スクリーン」という)を配設してシリコン単結晶をチョクラルスキー法によって製造する装置の縦断面図である。なお、ガス流れ31(図中、実線矢印)については、同図右半分への描画を省略している。
通常、シリコン単結晶の製造に使用される坩堝2は二重構造であって、内側の石英坩堝2aと、外側の黒鉛坩堝2bとで構成される。坩堝2の外側には黒鉛製のヒータ3が設けられ、坩堝2内にはこのヒータ3によって溶融されたシリコン溶融液4が収容される。単結晶の引上げ手段5として引上げワイヤが用いられ、その先端に種結晶6が取り付けられる。
そして、溶融液4の表面に種結晶6の下端を接触させて上方へ引上げることにより、その下端に単結晶7を成長させる。このとき、溶融液4上ではシリコン単結晶を囲繞するように輻射スクリーン8が配設されている。この輻射スクリーン8によってヒータ3および溶融液4からの輻射熱が遮断され、引上げられる単結晶7の温度勾配が大きくなる。これらの部品、部材はチャンバ9内に収納され、全体として単結晶製造装置1を構成している。
特開平11−116392号公報 特開平09−235190号公報 特開平01−100086号公報 特開平10−291896号公報
単結晶7の引上げ中は、チャンバ9の上方の中央部から不活性ガスとして高純度のアルゴンガス(Ar)を供給して、ガス流れ31(図中では実線矢印で示す)を形成させる。ガス流れ31は、坩堝2に収納されるシリコン溶融液4の表面から蒸発する一酸化珪素(SiO)およびこの一酸化珪素とヒータ3や黒鉛坩堝2b等の高温の黒鉛部材との反応により生成される一酸化炭素(CO)などを伴って、ヒータ3の内外周面を下方に流れて排出口10から排出される。
このとき、チャンバ9内が高温であるため、チャンバ9内に設けられた炭素製部品から炭素(C)や、鉄(Fe)等の重金属が発生する。特に輻射スクリーン8の内周面であるテーパ面8aの入口部にはガス流れが滞留する淀み領域(図4、Aの領域)が形成され易く、これらの淀み領域における炭素や重金属はベルヌーイの原理によりアルゴンガスのガス流れ31に引き込まれる(図4の破線矢印で示す)。輻射スクリーン8のテーパ面8aに沿って流れた汚染物質は、単結晶7にダイレクトに向い単結晶7の表面に付着する。そして、付着した炭素及び重金属は拡散により単結晶7の表面から内部に浸透する。特に単結晶7の冷却速度が遅い場合若しくは引上げ速度が遅い場合には、拡散時間が長くなるために、浸透領域は単結晶7の表面から内部へと拡大する。
一般に坩堝2から引上げられた単結晶7(インゴット)は、その後ワイヤソーによりスライスされた後薄く研磨され、シリコンウェーハとなる。このシリコンウェーハの表層に集積回路を作製した後、複数のチップ状に分割されて使用される。この半導体として使用されるチップには高純度のシリコンが求められ、炭素や重金属に汚染されたシリコンは誤動作の原因となるため半導体チップとして使用することができない。したがって、炭素や重金属に汚染されている領域を除去するために、インゴットの外周面を所定厚だけ研削により取り除く必要がある。このように汚染領域は半導体チップとして利用することができず無駄になるため、炭素や重金属の浸透量が少なく浸透深度が浅い単結晶7の製造方法及び製造装置が求められる。
また、チャンバ9内で形成されるアルゴンガスの流れ31に乱流、滞留が発生した場合若しくはアルゴンガスの流れが不充分である場合には、一酸化珪素(SiO)の析出物が輻射スクリーン8の下面やチャンバ9の側面に層状または塊状に付着する。この析出した一酸化珪素の微粉または塊が溶融液4の表面上に落下し、これが結晶成長界面に取り込まれて、結晶の有転位化の原因となる。また、一酸化炭素(CO)についても適切に排出されず、チャンバ9内に滞留してシリコン溶融液4を汚染し、単結晶中に混入して炭素濃度を上昇させるとともに、単結晶7の結晶欠陥を誘発する要因となる。そのため、アルゴンガスの流量を増加させてガス流速を速めることにより、一酸化珪素や一酸化炭素を排出する作用を発揮させ、これらが溶融液4に混入することを防止することができる。
しかし、単結晶の酸素濃度に関して、前述のイントリンシックゲッタリングを効果的に行うには、単結晶7中の酸素濃度を一定範囲内で精密に制御することが要求され、この酸素濃度は前記のアルゴンガスの流通状態に強く影響される。すなわち、図4において、ガス供給量を増加させると、輻射スクリーン8の下端と溶融液4の表面との隙間におけるガス流速も大きくなり、同時に円周方向における部分的な速度差が大きくなるので、溶融液4の表面温度および溶融液4内の対流に変化を生じさせることになり、結晶中の酸素濃度を前記の一定範囲内に再現性よく精密制御することが難しくなる。
従来の単結晶の製造装置および製造方法では、前述の通り、半導体用単結晶に要求される結晶中の酸素濃度の精密制御に対応しつつ、炉内で発生した一酸化珪素や一酸化炭素を充分に排出し、黒鉛部品等からの炭素や重金属による汚染を防止して高純度の単結晶を製造することが困難であるという問題を有していた。
本出願に係る発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、炭素や重金属等の汚染物質の浸透量が少なく浸透深度が浅い単結晶の製造方法及び製造装置を提供することにある。
また、本出願に係る発明の他の目的は、結晶中の酸素濃度を一定範囲内に再現性よく精密制御することが可能な単結晶の製造方法及び製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、引上結晶周辺雰囲気中の金属不純物量を低減し、結晶を引上げることを特徴とする単結晶の製造方法である。
また、本出願に係る第2の発明は、成長させるべき単結晶の原料溶融液を収容する坩堝と、この溶融液を加熱するヒータと、坩堝内の溶融液の表面に種結晶を接触させて単結晶を成長させる引上げ手段と、単結晶の引上げ域の周囲を囲繞する輻射熱遮蔽スクリーンと、前記各部材を収容するチャンバと、前記チャンバの上部から不活性ガスを供給する手段とを具備する単結晶製造装置において、前記輻射熱遮蔽スクリーンの上部において分岐し、前記輻射熱遮蔽スクリーンの内周面に沿って流れる第1の流路と、前記輻射熱遮蔽スクリーンの外周を流れる第2の流路とを有する、前記不活性ガスの流路、を備えることを特徴とする単結晶製造装置である。
更に、本出願に係る第3の発明は、前記第2の流路の排出口に、流量調整バルブと真空ポンプと流量計を設けたことを特徴とする上記第2の発明に記載の単結晶製造装置である。
また、本出願に係る第4の発明は、成長させるべき単結晶の原料溶融液を収容する坩堝と、この溶融液を加熱するヒータと、坩堝内の溶融液の表面に種結晶を接触させて単結晶を成長させる引上げ手段と、単結晶の引上げ域の周囲を囲繞する輻射熱遮蔽スクリーンと、前記各部材を収容するチャンバと、前記チャンバの上部から不活性ガスを供給する手段とを具備する単結晶製造装置を使用するチョクラルスキー法による単結晶の製造方法において、前記輻射熱遮蔽スクリーンの上部において分岐し、前記輻射熱遮蔽スクリーンの内周面に沿って流れる第1の不活性ガス流れと、前記輻射熱遮蔽スクリーンの外周を流れる第2の不活性ガス流れとを形成することを特徴とする単結晶製造方法である。
更に、本出願に係る第5の発明は、第2の不活性ガス流れの流量を計測把握することにより、第1の不活性ガス流れの流量を調節制御することを特徴とする上記第4の発明に記載の単結晶製造方法である。
また、本出願に係る第6の発明は、第1の不活性ガス流れの流量を、第2のガス流れの流量を調節することにより制御することを特徴とする上記第4の発明に記載の単結晶製造方法である。
更に、本出願に係る第7の発明は、結晶表面からの距離が5mm以上の領域におけるFe原子がIE+10(atoms/cc)以下であるシリコンの単結晶インゴットである。
本発明の単結晶製造装置および製造方法によれば、炭素や重金属等の汚染物質の浸透量が少なく浸透深度が浅い単結晶を製造することができる。
また、本発明の単結晶製造装置および製造方法によれば、結晶中の酸素濃度を一定範囲内に再現性よく精密制御することができる。
以下、本出願に係る単結晶製造装置および製造方法の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
[実施の形態1]
まず、第1の実施の形態について図1を用いて説明する。図1は、第1の実施の形態における単結晶製造装置を示す縦断面図である。なお、ガス流れ31(図中、実線矢印)や真空ポンプ13,16等については、チャンバ内右半分への描画を省略している。
同図中の符号2は坩堝であり、内側を石英坩堝2aとし、外側を黒鉛坩堝2bとした二重構造で構成され、坩堝支持軸2c上に設置される。製造装置1の外観を構成するチャンバ9はシリコンへの汚染が少ないステンレスより成り、単結晶の引上げ軸を中心として配される円筒状の容器である。その中央位置に坩堝2が配設され、その外周にはこれを囲んで坩堝2内の溶融液4を加熱するヒータ3が配設されている。一方、坩堝2の上方には、チャンバ9の上部の中央から引上げ手段5(例えば、引上げワイヤ)が回転および昇降可能に垂設され、その下端には種結晶6が装着されている。種結晶6は引上げ手段5によって回転しつつ上昇し、溶融液4との接触面である下端部に単結晶7が成長する。
このとき、単結晶7の引上速度を速め効率的な成長を促すために、坩堝2の上方であって引上げられる単結晶の周囲を囲繞するように輻射スクリーン8が配設され、坩堝2、ヒータ3および溶融液4から単結晶7に照射される輻射熱が遮断される。輻射スクリーン8は単結晶の周囲を囲繞する周面を有する炭素繊維材よりなる。単結晶の周囲を囲繞する周面としては、直円筒内周面や上方に向かって拡大開口をなすロート状の曲面よりなるテーパ面、さらに、上方に向かって拡大開口をなすように少なくとも3平面を組み合わせたもの(角錐面)等種々の形態が考え得る。以下、本願においては単結晶の周囲を囲繞する周面として、テーパ面を有するものを代表として説明する。
輻射スクリーン8は、円筒状部8bと、円筒状部8bの上部に連続して形成された上面部8cと、上面部8cに連続して形成されたテーパ面8aとを有する。輻射スクリーン8はチャンバ9の内周面より突出して設けられた支持台11の上面に設置される。
坩堝2の外周には、等方性黒鉛よりなるヒータ3を設ける。チャンバ9の底面上には坩堝2から垂れた溶融液4を受けるための受け皿18を設けている。
チャンバ9の上部には供給口12を設け、チャンバ9の雰囲気調整および蒸発物を排出させるために高純度のアルゴンガスが、供給口12から常時供給される。 アルゴンガスを供給するには、一般に慣用されている手段で良く、原料として液体アルゴンが用いられ、ガス化ののちチャンバ9内に供給される。チャンバ9の下部には第1排出口10を設け、真空ポンプ13を接続している。また、チャンバ9の側面には第2排出口14を設けており、第2排出口14は更に流量バルブ15、真空ポンプ16、流量計17へと接続されている。図1においては、説明の都合上、第2排出口14を1つしか記載していないが、第2排出口14はチャンバ9の周面に沿って複数設けて良いことは言うまでもない。
本実施の形態によれば、テーパ面2aと坩堝2及び第1排出口10によって形成される第1のガス流路と、輻射スクリーン8の上面部8cと円筒状部8b及び第2排出口14によって形成される第2のガス流路を設けている。第1のガス流路を流れるアルゴンガスは、供給口12から供給されテーパ面2aに沿って下方に流れ、溶融液4の表面を外周に向かって流れた後、坩堝2を越えて下方に向かって流れて、真空ポンプ13によって第1排出口10より排出される。
また、第2のガス流路を流れるアルゴンガスは、供給口12から供給され輻射スクリーン8の上面部8cを流れ、円筒状部8bの外周面に沿って下方に流れた後、真空ポンプ16によって第2排出口14より排出される。このとき輻射スクリーン8の上面部8c上や円筒状部8bの外周に存在する炭素や重金属を、アルゴンガスと共に第2排出口14より排出する(図1、破線矢印参照)。
流量計17によって排出量を計測し、流量バルブ15を開閉することにより、第2排出口14における排出量を調節することができる。第1の流路を流れるアルゴンガス量は、供給口12からの供給量から第2排出口14における排出量を減じたものとして算出することができる。このように第2排出口14に流量計17及び流量バルブ15を設けることにより、第1の流路を流れるアルゴンガスの流量を制御することができるため、単結晶7中の酸素濃度を一定範囲内に再現性よく精密制御することが可能となる。
また、輻射スクリーン8のテーパ面8aの入口部におけるガス滞留が発生し易い領域に第2の流路を形成し、炭素や重金属等の汚染物質を第2排出口14から強制的に排出することにより、テーパ面8aを流れる汚染物質の量を格段に低減させることができるため、汚染物質の浸透量が少なく浸透深度が浅い単結晶7を得ることができる。
[実施の形態2]
次に、第2の実施の形態について図2を用いて説明する。図2は、第2の実施の形態における単結晶製造装置を示す縦断面図である。なお、ガス流れ31(図中、実線矢印)については、チャンバ内右半分への描画を省略している。また、第1の実施例と同様の構成部分については、同符号を付して説明を省略する。
本実施の形態においては、輻射スクリーン8の上面部8c上に遮蔽部材20を設けている。遮蔽部材20は石英または等方性黒鉛よりなる円筒状部材である。円筒の下面を上面部8cに設置し、遮蔽部材20の上端はチャンバ9の上部壁に接触しない高さとする。このような遮蔽部材20を設けることにより、さらに汚染物質の逆流を強力に防止することができ、汚染物質の逆流による単結晶7の汚染を防止することができる。
[実施の形態3]
次に、第3の実施の形態について図3を用いて説明する。図3は、第3の実施の形態における単結晶製造装置を示す縦断面図である。なお、ガス流れ31(図中、実線矢印)については、チャンバ内右半分への描画を省略している。また、第1の実施例と同様の構成部分については、同符号を付して説明を省略する。
本実施の形態においては、第2排出口を設けるかわりに、輻射スクリーン8を設置する支持台21に縦方向の貫通穴22を形成している。本実施の形態によれば、テーパ面2aと坩堝2及び第1排出口10によって形成される第1のガス流路と、輻射スクリーン8の上面部8cと円筒状部8b及び貫通穴22,第1排出口10によって形成される第2のガス流路を設けている。図3においては、説明の都合上、貫通穴22を1つしか記載していないが、貫通穴22は支持台21に放射状に複数設けて良いことは言うまでもない。
第1のガス流路を流れるアルゴンガスは、供給口12から供給されテーパ面2aに沿って下方に流れ、溶融液4の表面を外周に向かって流れた後、坩堝2を越えて下方に向かって流れて、真空ポンプ13によって第1排出口10より排出される。
また、第2のガス流路を流れるアルゴンガスは、供給口12から供給され輻射スクリーン8の上面部8cを流れ、円筒状部8bの外周面に沿って下方に流れた後、貫通穴22を通って第1排出口10より排出される。このとき輻射スクリーン8の上面部8c上や円筒状部8bの外周に存在する炭素や重金属を、アルゴンガスと共に第1排出口10より排出する(図3、破線矢印参照)。
本実施の形態によれば、輻射スクリーン8の内周面の入口部におけるガス滞留が発生し易い領域に第2の流路を形成し、炭素や重金属等の汚染物質を第1排出口10から強制的に排出することにより、内周面に沿って流れる汚染物質の量を格段に低減させることができるため、汚染物質の浸透量が少なく浸透深度が浅い単結晶7を得ることができる。
[実施例]
本発明の効果を、実施例に基づいて具体的に説明する。本実施例においては、汚染物質として特に重金属の鉄(Fe)について検討した。
(本発明例)
図1に示す第1の実施の形態における単結晶製造装置を用いて、直径約210mmの単結晶7を引上げた。直径210mmの単結晶の引上には外径560mmの坩堝2を用い、その条件は初期チャージ100Kgとし、引上速度0.3mm、結晶回転15rpm、坩堝回転5rpmで、重量90Kgの単結晶を成長させた。このとき、チャンバ9内には常時アルゴンガスを流量60リットル/minの条件で供給した。また、第2排出口14からのガス排出量を10リットル/minに調節した。
(比較例)
比較のため、図4に示す従来技術の単結晶製造装置を用いて、直径約210mmの単結晶7を引上げた。このときの引上条件は本発明例の場合と同様とし、装置内へのアルゴンガスの供給は、チャンバ9の上部から流量50リットル/minの条件とした。
(比較結果)
図5は、本発明例および比較例によって引上げられた単結晶中のSPV法によるFe濃度分布の評価結果である。横軸に単結晶表面からの距離(浸透深度)、縦軸にFe原子数(atoms/cc)をとっている。プロットは本発明が○で、比較例を×で示している。
図5から明らかなように、単結晶表面からの距離が同距離におけるFe濃度は、本発明の方が低減していることがわかる。また、同Fe濃度における単結晶表面からの距離(浸透深度)は、概ね本発明の方が浅いことがわかる。更に、本発明によれば単結晶表面からの距離が5mm以上の位置におけるFe原子数がIE+10(atoms/cc)以下に抑えられていることがわかる。
本願発明の第1の実施の形態における単結晶製造装置の概略を示す、縦断面図である。 本願発明の第2の実施の形態における単結晶製造装置の概略を示す、縦断面図である。 本願発明の第3の実施の形態における単結晶製造装置の概略を示す、縦断面図である。 従来技術における単結晶製造装置の概略を示す、縦断面図である。 本発明における単結晶製造装置と、従来技術における単結晶製造装置により形成した単結晶のFe濃度の比較データである。
符号の説明
1…単結晶製造装置
2…坩堝
3…ヒータ
4…シリコン溶融液
5…引上げ手段
6…種結晶
7…単結晶
8…遮蔽スクリーン
9…チャンバ
10…第1排出口
11…支持台
12…供給口
13…真空ポンプ
14…第2排出口
15…流量調整バルブ
16…真空ポンプ
17…流量計
18…受け皿
20…遮蔽部材
21…支持台
22…貫通穴
31…ガス流れ。

Claims (9)

  1. 成長させるべき単結晶の原料溶融液を収容する坩堝と、この溶融液を加熱するヒータと、坩堝内の溶融液の表面に種結晶を接触させて単結晶を成長させる引上げ手段と、単結晶の引上げ域の周囲を囲繞する輻射熱遮蔽スクリーンと、前記各部材を収容するチャンバと、前記チャンバの上部から不活性ガスを供給する手段とを具備する単結晶製造装置において、
    不活性ガスの流路を前記輻射熱遮蔽スクリーンの上部において分岐させて、前記輻射熱遮蔽スクリーンのテーパ面の内周面に沿って下方に流れる第1の流路と、前記輻射熱遮蔽スクリーンの上面部を流れ、前記ヒータの外側に設けた前記輻射熱遮蔽スクリーンの円筒状部の外周面と前記チャンバの内周面の間を前記円筒状部の外周面に沿って下方に流れる第2の流路とを構成したことを特徴とする単結晶製造装置。
  2. 前記単結晶製造装置は、前記チャンバの内周面より突出して設けられその上面に前記輻射熱遮蔽スクリーンを設置される支持台を具備しており、
    前記第1の流路を流れる不活性ガスはさらに溶融液の表面を外周に向かって流れた後、坩堝を越えて下方に向かって流れて、第1排出口より排出され、前記第2の流路を流れる不活性ガスはさらに前記支持台に形成された貫通穴を通って前記第1排出口より排出されることを特徴とする請求項1に記載の単結晶製造装置。
  3. 成長させるべき単結晶の原料溶融液を収容する坩堝と、この溶融液を加熱するヒータと、坩堝内の溶融液の表面に種結晶を接触させて単結晶を成長させる引上げ手段と、単結晶の引上げ域の周囲を囲繞する輻射熱遮蔽スクリーンと、前記各部材を収容するチャンバと、前記チャンバの上部から不活性ガスを供給する手段とを具備する単結晶製造装置において、
    前記輻射熱遮蔽スクリーンの上部において分岐し、前記輻射熱遮蔽スクリーンのテーパ面の内周面に沿って下方に流れる第1の流路と、前記輻射熱遮蔽スクリーンの上面部を流れ、前記輻射熱遮蔽スクリーンの円筒状部の外周面と前記チャンバの内周面の間を前記円筒状部の外周面に沿って下方に流れる第2の流路とを有する、前記不活性ガスの流路を備え
    前記第1の流路を流れる不活性ガスを排出するために前記チャンバの下部に設けられた第1排出口と、前記第2の流路を流れる不活性ガスを排出するために前記チャンバの側面に設けられた第2排出口とを独立して設けたことを特徴とする単結晶製造装置。
  4. 成長させるべき単結晶の原料溶融液を収容する坩堝と、この溶融液を加熱するヒータと、坩堝内の溶融液の表面に種結晶を接触させて単結晶を成長させる引上げ手段と、単結晶の引上げ域の周囲を囲繞する輻射熱遮蔽スクリーンと、前記各部材を収容するチャンバと、前記チャンバの上部から不活性ガスを供給する手段とを具備する単結晶製造装置において、
    前記輻射熱遮蔽スクリーンの上部において分岐し、前記輻射熱遮蔽スクリーンのテーパ面の内周面に沿って下方に流れる第1の流路と、前記輻射熱遮蔽スクリーンの上面部を通ってを流れる第2の流路とを有する、前記不活性ガスの流路を備え
    石英または等方性黒鉛よりなる円筒状部材であり、その円筒の下面を前記上面部に設置し、その上端が前記チャンバの上部壁に接触しない高さである遮蔽部材を、前記輻射熱遮蔽スクリーンの上面部上に設けており、汚染物質の逆流を防止し、汚染物質の逆流による単結晶の汚染を防止することを特徴とする単結晶製造装置。
  5. 成長させるべき単結晶の原料溶融液を収容する坩堝と、この溶融液を加熱するヒータと、坩堝内の溶融液の表面に種結晶を接触させて単結晶を成長させる引上げ手段と、単結晶の引上げ域の周囲を囲繞する輻射熱遮蔽スクリーンと、前記各部材を収容するチャンバと、前記チャンバの内周面より突出して設けられその上面に前記輻射熱遮蔽スクリーンを設置される支持台と、前記チャンバの上部から不活性ガスを供給する手段とを具備する単結晶製造装置において、前記輻射熱遮蔽スクリーンの上部において分岐し、
    前記輻射熱遮蔽スクリーンのテーパ面の内周面に沿って下方に流れ、溶融液の表面を外周に向かって流れた後、坩堝を越えて下方に向かって流れて、前記チャンバに設けた第1排出口より排出される第1の流路と、
    前記輻射熱遮蔽スクリーンの上面部を流れ、前記輻射熱遮蔽スクリーンの円筒状部の外周面と前記チャンバの内周面の間を前記円筒状部の外周面に沿って下方に流れた後、前記支持台に設けた貫通穴を通って前記第1排出口より排出される第2の流路とを有する、前記不活性ガスの流路、
    を備えることを特徴とする単結晶製造装置。
  6. 成長させるべき単結晶の原料溶融液を収容する坩堝と、この溶融液を加熱するヒータと、坩堝内の溶融液の表面に種結晶を接触させて単結晶を成長させる引上げ手段と、単結晶の引上げ域の周囲を囲繞する輻射熱遮蔽スクリーンと、前記各部材を収容するチャンバと、前記チャンバの上部から不活性ガスを供給する手段とを具備する単結晶製造装置を使用するチョクラルスキー法による単結晶の製造方法において、
    前記チャンバの上部から供給された不活性ガスを前記輻射熱遮蔽スクリーンの上部において分岐させ、前記輻射熱遮蔽スクリーンのテーパ面の内周面に沿って下方に流れる第1の不活性ガス流れと、引上結晶周辺雰囲気中の金属不純物量を低減させるために前記輻射熱遮蔽スクリーンの上面部を流れ、前記ヒータの外側に設けた前記輻射熱遮蔽スクリーンの円筒状部の外周面と前記チャンバの内周面の間を前記円筒状部の外周面に沿って下方に流れる第2の不活性ガス流れとを形成し、引上結晶周辺雰囲気中の金属不純物量を低減して結晶を引上げることを特徴とする単結晶製造方法。
  7. 前記単結晶製造装置は、前記チャンバの内周面より突出して設けられその上面に前記輻射熱遮蔽スクリーンを設置される支持台を具備しており、
    前記第1の流路を流れる不活性ガスはさらに溶融液の表面を外周に向かって流れた後、坩堝を越えて下方に向かって流れて、第1排出口より排出され、前記第2の流路を流れる不活性ガスはさらに前記支持台に形成された貫通穴を通って前記第1排出口より排出されることを特徴とする請求項6に記載の単結晶製造方法。
  8. 成長させるべき単結晶の原料溶融液を収容する坩堝と、この溶融液を加熱するヒータと、坩堝内の溶融液の表面に種結晶を接触させて単結晶を成長させる引上げ手段と、単結晶の引上げ域の周囲を囲繞する輻射熱遮蔽スクリーンと、前記各部材を収容するチャンバと、前記チャンバの上部から不活性ガスを供給する手段とを具備する単結晶製造装置を使用するチョクラルスキー法による単結晶の製造方法において、
    前記チャンバの上部から供給された不活性ガスは前記輻射熱遮蔽スクリーンの上部において分岐し、前記輻射熱遮蔽スクリーンのテーパ面の内周面に沿って下方に流れる第1の不活性ガス流れと、前記輻射熱遮蔽スクリーンの上面部を流れ、前記輻射熱遮蔽スクリーンの円筒状部の外周面と前記チャンバの内周面の間を前記円筒状部の外周面に沿って下方に流れる第2の不活性ガス流れとを形成し、前記第1の不活性ガス流れは前記チャンバの下部に設けられた第1排出口よりチャンバ外へ排出され、前記第2の不活性ガス流れは前記チャンバの側面に設けられた第2排出口よりチャンバ外へ排出されることを特徴とする単結晶製造方法。
  9. 成長させるべき単結晶の原料溶融液を収容する坩堝と、この溶融液を加熱するヒータと、坩堝内の溶融液の表面に種結晶を接触させて単結晶を成長させる引上げ手段と、単結晶の引上げ域の周囲を囲繞する輻射熱遮蔽スクリーンと、前記各部材を収容するチャンバと、前記チャンバの上部から不活性ガスを供給する手段とを具備する単結晶製造装置を使用するチョクラルスキー法による単結晶の製造方法において、
    前記チャンバの上部から供給された不活性ガスは前記輻射熱遮蔽スクリーンの上部において分岐し、前記輻射熱遮蔽スクリーンのテーパ面の内周面に沿って下方に流れる第1の不活性ガス流れと、前記輻射熱遮蔽スクリーンの上面部を通って外側を流れる第2の不活性ガス流れとを形成し、
    石英または等方性黒鉛よりなる円筒状部材であり、その円筒の下面を前記上面部に設置し、その上端が前記チャンバの上部壁に接触しない高さである遮蔽部材を、前記輻射熱遮蔽スクリーンの上面部上に設けることにより、汚染物質の逆流を防止し、汚染物質の逆流による単結晶の汚染を防止した状態で結晶を引上げることを特徴とする単結晶製造方法。
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