JP2009092177A - ロックアップ装置およびそれを備えた流体式トルク伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トルクコンバータ1のロックアップ装置5は、ピストン51と、第1プレート61と、第2プレート62と、中間プレート63と、複数の第1スプリング64と、複数の第2スプリング65と、を有している。中間プレート63は所定角度の範囲内でピストン51に対して回転可能なように設けられている。第2スプリング65は、中間プレート63を介して第1スプリング64と直列に作用するように第1スプリング64よりも半径方向外側に配置されており、中間プレート63により回転方向に弾性変形可能に保持されている。ドリブンプレート68は、第2スプリング65の端部と当接可能な爪部68aを有しており、タービン4の外周部に固定されている。
【選択図】図2
Description
<トルクコンバータの全体構成>
図1〜図3を用いて第1実施形態に係るトルクコンバータ1の全体構成について説明する。図1はトルクコンバータ1の縦断面概略図である。図2はロックアップ装置5の縦断面概略図である。図3はロックアップ装置5の平面図である。図1の左側に図示しないエンジンが配置され、図1の右側に図示しないトランスミッションが配置されている。図1に示す線O−Oは、トルクコンバータ1の回転軸である。
図1〜図3に示すように、ロックアップ装置5は、フロントカバー2とタービン4との軸方向間に配置されており、主に、ピストン51およびダンパー機構6から構成されている。
ピストン51は、ロックアップ装置5のクラッチ機能を実現するための部材であり、フロントカバー2およびタービン4に対して回転可能かつ軸方向へ移動可能に設けられている。具体的には、ピストン51は、環状のピストン本体51aと、ピストン本体51aの内周部からトランスミッション側へ軸方向に延びる内周筒状部51bと、ピストン本体51aの外周部からトランスミッション側へ軸方向に延びる外周筒状部51eと、を有している。タービンハブ43の筒状部43aが内周筒状部51bに嵌め込まれているため、ピストン51はタービンハブ43により相対回転可能かつ軸方向へ移動可能に支持されている。
ダンパー機構6は、ピストン51とタービン4とを回転方向に弾性的に連結するための機構であり、ピストン51により支持されている。具体的には、ダンパー機構6は、第1プレート61と、第2プレート62と、中間プレート63と、第1弾性部材としての複数の第1スプリング64と、第1スプリング64よりも半径方向外側に配置された第2弾性部材としての複数の第2スプリング65と、を有している。第1スプリング64および第2スプリング65は、中間プレート63により直列に作用するように連結されている。ここでは例えば、ダンパー機構6は、第1スプリング64および第2スプリング65が直列に作用する1段特性を有している。
図1および図2を用いて、トルクコンバータ1の動作について説明する。
ロックアップ装置5の特徴は以下の通りである。
このロックアップ装置5では、第1スプリング64の半径方向外側に配置された第2スプリング65からタービン4へトルクが伝達される。このため、ドリブンプレート68がタービン4の内周部に固定されている構成に比べて、ロックアップ装置5の軸方向寸法を短縮することができる。これにより、このロックアップ装置5では、小型化が可能となる。
このロックアップ装置5では、第1ピン66により第1プレート61の外周部がピストン51に固定されているため、遠心力により第1スプリング64が半径方向外側へ移動しようとしても、第1ピン66により第1プレート61の外周部がピストン51から離れるのを防止できる。これにより、第1スプリング64の圧縮動作が安定し、ロックアップ装置5の動作の安定化を図ることができる。
このロックアップ装置5では、第1プレート61および第2プレート62により第1スプリング64が保持されているため、第1スプリング64がピストン51と摺動するのを防止でき、ピストン51の摩耗を防止できる。
このロックアップ装置5では、第2ピン67により第1プレート61および第2プレート62が連結されているため、第1プレート61および第2プレート62が遠心力により互いに離れる方向に弾性変形するのを防止できる。これにより、第1スプリング64の圧縮動作がさらに安定し、ロックアップ装置5の動作のさらなる安定化を図ることができる。
このロックアップ装置5では、第2ピン67および突起63gによりピストン51に対する中間プレート63の回転角度が制限されているため、簡素な構造によりロックアップ装置5のストッパ機構を実現できる。
このロックアップ装置5では、第1スプリング64よりも半径方向内側に配置された第2ピン67を介して第1プレート61により中間プレート63が半径方向に支持されているため、中間プレート63と第2ピン67との摺動距離を短くでき、中間プレート63の回転抵抗の増大を抑制しつつ、中間プレート63を半径方向に支持することができる。
このように、このトルクコンバータ1では、ロックアップ装置5が採用されているため、小型化が可能となる。
第1実施形態では、第1プレート61および第2プレート62により第1スプリング64が保持されているが、以下に示す実施形態も考えられる。図4および図5を用いて第2実施形態に係るロックアップ装置105について説明する。
図4および図5に示すように、このロックアップ装置105は主に、ピストン51と、ダンパー機構106と、から構成されている。ダンパー機構106は、第1プレート161と、中間プレート163と、第1スプリング64と、第2スプリング65と、ピン166と、を有している。
ロックアップ装置105の特徴は以下の通りである。
このロックアップ装置105では、前述のロックアップ装置5と同様に、第1スプリング64の半径方向外側に配置された第2スプリング65からタービン4へトルクが伝達される。このため、ドリブンプレート68がタービン4の内周部に固定されている構成に比べて、ロックアップ装置105の軸方向寸法を短縮することができる。これにより、このロックアップ装置105では、小型化が可能となる。
このロックアップ装置105では、前述のロックアップ装置5に比べて、第2プレート62が省略されているため、ロックアップ装置5や従来のロックアップ装置よりも部品点数が減少する。すなわち、構造の簡素化が可能となる。
このロックアップ装置105では、中間プレート163が直接ピストン151により半径方向に支持されているため、ロックアップ装置105の第2ピン67が不要になる。これにより、部品点数が減少し、構造の簡素化が可能となる。
本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
前述の第1実施形態では、第2ピン67により中間プレート63が半径方向に支持されているが、例えば、第1ピン66により中間プレート63が半径方向に支持されていてもよい。
前述の第1実施形態では第2ピン67により第1プレート61および第2プレート62の内周部が連結されているが、第2ピン67を省略してもよい。この場合、第1ピン66により中間プレート63のストッパ機構を実現する必要があるが、部品点数がさらに減少し、構造の簡素化が可能となる。
前述の第1および第2実施形態では、ダンパー機構6、106は1段特性を有しているが、これらのダンパー機構が2段あるいは3段特性などの多段特性を有していてもよい。
前述の実施形態では、流体式トルク伝達装置としてトルクコンバータを例に説明している。しかし、ロックアップ装置5および105が搭載される装置は、これに限定されず、例えばフルードカップリングなどであってもよい。
2 フロントカバー
3 インペラ
4 タービン
5 ロックアップ装置
6 ダンパー機構
7 ステータ
51 ピストン
61 第1プレート
62 第2プレート
63 中間プレート
64 第1スプリング(第1弾性部材)
65 第2スプリング(第2弾性部材)
66 第1ピン(第1固定部材)
67 第2ピン(第2固定部材)
Claims (8)
- 流体式トルク伝達装置に用いられ、フロントカバーとタービンとの間に配置されたロックアップ装置であって、
前記フロントカバーに対して回転可能かつ軸方向へ移動可能に設けられたピストンと、
前記ピストンに固定された第1プレートと、
所定角度の範囲内で前記ピストンに対して回転可能なように設けられた中間プレートと、
前記第1プレートにより回転方向に弾性変形可能に保持された第1弾性部材と、
前記中間プレートを介して前記第1弾性部材と直列に作用するように前記第1弾性部材よりも半径方向外側に配置され前記中間プレートにより回転方向に弾性変形可能に保持された第2弾性部材と、
前記第2弾性部材の端部と当接可能な爪部を有し前記タービンの外周部に固定されたドリブン部材と、
を備えた流体式トルク伝達装置のロックアップ装置。 - 前記第1弾性部材よりも半径方向外側に配置され前記ピストンに前記第1プレートの外周部を固定する第1固定部材をさらに備えた、
請求項1に記載の流体式トルク伝達装置のロックアップ装置。 - 前記ピストンと前記中間プレートとの軸方向間に配置され前記ピストンに固定された第2プレートをさらに備え、
前記第1弾性部材は、前記第1および第2プレートにより回転方向に弾性変形可能に保持されている、
請求項1または2に記載の流体式トルク伝達装置のロックアップ装置。 - 前記第1弾性部材よりも半径方向内側に配置され前記第1および第2プレートを連結する第2固定部材をさらに備えた、
請求項3に記載の流体式トルク伝達装置のロックアップ装置。 - 前記中間プレートは、前記第2固定部材と回転方向に当接可能な部分であって前記ピストンに対する前記中間プレートの回転角度を前記所定角度の範囲内に制限する1対の当接部を有している、
請求項4に記載の流体式トルク伝達装置のロックアップ装置。 - 前記中間プレートは、前記第2固定部材を介して前記第1プレートにより半径方向に支持されている、
請求項5に記載の流体式トルク伝達装置のロックアップ装置。 - 前記中間プレートは、前記ピストンと当接することにより半径方向に支持されている、
請求項1から6に記載の流体式トルク伝達装置のロックアップ装置。 - エンジンから出力されたトルクをトランスミッションへ伝達するための流体式トルク伝達装置であって、
トルクが入力される前記フロントカバーと、
前記フロントカバーに固定され作動流体が充填された流体室を前記フロントカバーとともに形成するインペラーと、
前記流体室に配置された前記タービンと、
請求項1から7のいずれかに記載の前記ロックアップ装置と、
を備えた流体式トルク伝達装置。
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