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JP2009086128A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置及び電子機器 Download PDF

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JP2009086128A JP2007253623A JP2007253623A JP2009086128A JP 2009086128 A JP2009086128 A JP 2009086128A JP 2007253623 A JP2007253623 A JP 2007253623A JP 2007253623 A JP2007253623 A JP 2007253623A JP 2009086128 A JP2009086128 A JP 2009086128A
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Abstract

【課題】簡素な構成で指向性表示が可能な発光装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】液晶装置は、第1の画像を構成する光を第1の範囲3Lに射出し、第2の画像を構成する光を、第1の範囲とは異なる範囲を含む第2の範囲3Rに射出する。液晶装置は、第1の基板と第2の基板との間に配置され、第1の画像を構成する光を第2の基板側に射出する複数の画素Lと、第2の画像を構成する光を第2の基板側に射出する複数の画素Rとを有している。第2の基板と画素L,Rとの間には、赤系、緑系、青系の色要素32r,32g,32bを含むカラーフィルタ33が配置されている。青系の色要素32bは、青系の画素4b(L)から第1の範囲3Lに射出される光と、青系の画素4b(R)から第2の範囲3Rに射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置されている。赤系の色要素、緑形の色要素についても同様である。
【選択図】図4

Description

本発明に係る一態様は、電気光学装置及び電子機器に関する。
複数の画素を有する表示パネルの表面に、開口部を有する遮光性の光学素子を一定の距離をおいて重ねることで、複数の異なる画像(例えば第1の画像と第2の画像)を互いに異なる範囲に指向性表示できることが知られている(特許文献1)。これは、光学素子により、視角に応じて異なる画素がマスク(遮光)されること、換言すれば、視角に応じて異なる画素からの光が開口部を通して視認されることを利用したものである。
こうした指向性表示が可能な電気光学装置によれば、例えば、第1の画像と第2の画像とを異なる人物に同時に視認させることができる。あるいは、第1の画像を構成する光が左目に、第2の画像を構成する光が右目に入射するような構成とすれば、立体表示を行うことができる。このように指向性表示の方向を変更するためには、画素と光学素子との間隔を調整すればよい。
ここで、表示パネルとしては、照明装置からの光を変調することによって表示を行う液晶パネルや、有機EL(Electro Luminescence)パネル等の発光素子を備えた自発光型表示パネルを用いることができる。また、遮光性の光学素子の配置としては、ガラス基板等に上記遮光性の光学素子を形成してマスク基板とし、このマスク基板を表示パネルに重ねる構成が一般的である。
特許第3096613号公報
しかしながら、このような構成の電気光学装置は、表示パネルの他にマスク基板を有することから、厚さが大きくなるとともに、製造工程が複雑になるという課題がある。また、上記構成において画素と光学素子との間隔を調整するためには、表示パネルを構成する基板の厚さを変えなければならないという課題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]第1の画像を構成する光を第1の範囲に射出し、第2の画像を構成する光を、前記第1の範囲とは異なる範囲を含む第2の範囲に射出する電気光学装置であって、第1の基板と、前記第1の基板に対向して配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の画像を構成する光を前記第2の基板側に射出する複数の第1の画素と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第2の画像を構成する光を前記第2の基板側に射出する複数の第2の画素と、前記第2の基板と、前記第1の画素及び前記第2の画素との間に配置された、赤系の第1の色要素、緑系の第1の色要素、青系の第1の色要素を含む第1のカラーフィルタと、を備え、前記複数の第1の画素及び前記複数の第2の画素は、それぞれ、赤系の色の光を射出する赤系画素と、緑系の色の光を射出する緑系画素と、青系の色の光を射出する青系画素と、を有しており、前記赤系の第1の色要素は、赤系の色の前記第1の画素から前記第1の範囲に射出される光と、赤系の色の前記第2の画素から前記第2の範囲に射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置され、前記緑系の第1の色要素は、緑系の色の前記第1の画素から前記第1の範囲に射出される光と、緑系の色の前記第2の画素から前記第2の範囲に射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置され、前記青系の第1の色要素は、青系の色の前記第1の画素から前記第1の範囲に射出される光と、青系の色の前記第2の画素から前記第2の範囲に射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置されている電気光学装置。
上記構成において、赤系の第1の画素又は第2の画素から射出され、緑系又は青系の第1の色要素に入射した光は、当該色要素によって吸収されるので表示に寄与しない。一方、赤系の色の第1の画素から第1の範囲に射出された光のうち、赤系の第1の色要素に入射した光は、当該色要素を透過して第1の画像を構成する。また、赤系の色の第2の画素から第2の範囲に射出された光のうち、赤系の第1の色要素に入射した光は、当該色要素を透過して第2の画像を構成する。このように、赤系画素については、第1のカラーフィルタに含まれる第1の色要素の一部(緑系、青系の第1の色要素)が、赤系画素からの光に指向性を与えるマスクとなることにより、指向性表示が行われる。青系画素、緑系画素についても同様の原理により指向性表示が行われる。以上から、上記構成の電気光学装置は、赤系、緑系、青系の第1の画素からの光により構成される第1の画像を第1の範囲に表示することができ、赤系、緑系、青系の第2の画素からの光により構成される第2の画像を第2の範囲に表示することができる。
ここで、上記のように第1のカラーフィルタが指向性表示のためのマスクとして機能するため、上記構成の電気光学装置は、指向性表示を行うために別の遮光性の光学素子(マスク)を必要としない。このため、より少ない構成要素により指向性表示が可能な電気光学装置を構成することができる。また、第1のカラーフィルタは、第1の基板と第2の基板との間に形成されているため、別途、マスクが形成された基板を第1の基板の外側に貼り合わせる必要がない。これにより、電気光学装置の厚さを低減させることができる。また、第1の画像及び第2の画像を構成する光は、いずれも第1のカラーフィルタの第1の色要素を透過しているため、画素から直接取り出される光と比較して色純度が高い。このため、上記構成の電気光学装置は、色再現性の高い、高品位な表示を行うことができる。
[適用例2]上記電気光学装置であって、前記第1の画素と前記第2の画素とが第1の方向に沿って交互に配列された画素行を有し、前記赤系画素、前記緑系画素、前記青系画素は、前記第1の方向に沿ってこの順に繰り返し配列され、前記青系の第1の色要素、前記緑系の第1の色要素、前記赤系の第1の色要素は、前記第1の方向に沿ってこの順に繰り返し配列され、かつ前記画素行方向の配置ピッチが前記画素の前記画素行方向の配置ピッチの略2倍であり、正面視で一の前記画素に重なる領域に配置される前記第1の色要素は、前記一の画素とは対応する色が異なる前記第1の色要素である電気光学装置。
このような構成によれば、正面視で赤系の第1の色要素に対して画素行方向に隣り合う領域の一方には赤系の第1の画素が配置され、他方には赤系の第2の画素が配置される。よって、この赤系の第1の画素から当該赤系の第1の色要素に向かって斜めに(第1の範囲に)射出された光が、赤系の第1の色要素を透過して第1の画像を構成する。また、上記赤系の第2の画素から当該赤系の第1の色要素に向かって斜めに(第2の範囲に)射出された光が、赤系の第1の色要素を透過して第2の画像を構成する。ここで、赤系の第1の色要素の配置領域外には、緑系又は青系の第1の色要素が配置されているため、赤系画素から射出され、赤系の第1の色要素の配置領域外に入射した光は、緑系又は青系の第1の色要素によってほとんど吸収されて表示に寄与しない。上記赤系の第1の画素、第2の画素から赤系の第1の色要素に向かう斜めの方向はそれぞれ異なるため、第1の範囲と第2の範囲とは互いに異なる範囲を含むこととなり、指向性表示が行われる。
上記は、青系画素からの光、緑系画素からの光についても同様である。よって、上記構成の電気光学装置は、赤系、緑系、青系の第1の画素からの光により構成される第1の画像を第1の範囲に表示することができ、赤系、緑系、青系の第2の画素からの光により構成される第2の画像を第2の範囲に表示することができる。
本明細書において正面視とは、画素が配列された面の法線方向から見ること、又は当該面の法線上の一点から見ることをいう。
[適用例3]上記電気光学装置であって、前記第1のカラーフィルタと前記第1の基板との間に、赤系の第2の色要素、緑系の第2の色要素、青系の第2の色要素を含む第2のカラーフィルタを備え、前記赤系画素は、前記赤系の第2の色要素を含み、前記緑系画素は、前記緑系の第2の色要素を含み、前記青系画素は、前記青系の第2の色要素を含む電気光学装置。
このような構成によれば、各画素は、第2の色要素を介して光を射出することとなり、第2の色要素により射出光を赤系の色、緑系の色、又は青系の色とすることができる。ここで、第1のカラーフィルタ及び第2のカラーフィルタは、いずれも第1の基板と第2の基板との間に配置されているため、第1のカラーフィルタと第2のカラーフィルタとの間隔を容易に小さくすることができる。すなわち、画素からの光に指向性を与えるマスクとして機能する第1のカラーフィルタと、画素との間隔を容易に小さくすることができる。これにより、第1の画像を構成する光が射出される第1の範囲と、第2の画像を構成する光が射出される第2の範囲とを大きく異ならせることができる。
[適用例4]上記電気光学装置であって、前記第1のカラーフィルタと前記第2のカラーフィルタとの間には、透光性の樹脂が配置されている電気光学装置。
このような構成によれば、第1のカラーフィルタと第2のカラーフィルタとの間隔を容易に所望の値とすることができる。
[適用例5]上記電気光学装置であって、前記第1の画素及び前記第2の画素の第1の基板側に配置された第1の偏光板と、前記第1の画素及び前記第2の画素の第2の基板側に配置された第2の偏光板と、前記第1の画素及び前記第2の画素に設けられた一対の電極と、前記一対の電極の間に生じる電界によって駆動される液晶と、を備える電気光学装置。
このような構成によれば、第1の画素及び第2の画素は、第1の偏光板から入射した光の偏光状態を、液晶によって変換して射出する。第1の画素及び第2の画素から射出されたこの光は、偏光状態に応じた透過率で第2の偏光板を透過し、第1の画像又は第2の画像を構成することができる。
[適用例6]上記電気光学装置であって、前記第1の画素及び前記第2の画素に設けられた一対の電極と、前記一対の電極の間に配置された有機発光層と、を備える電気光学装置。
このような構成によれば、第1の画素及び第2の画素は、有機発光層において発光した光を射出することができる。
[適用例7]上記電気光学装置であって、前記第1の画素と前記第2の画素とが、前記画素行と交差する第2の方向に交互に配列されてなる画素列を複数有する電気光学装置。
このような構成によれば、第1の画素と第2の画素とが市松模様をなすように配置される。このとき、第1のカラーフィルタにおける第1の色要素の配置はいわゆるデルタ配列となる。こうした配置によれば、第1の画像及び第2の画像の解像度の低下を抑制することができる。
[適用例8]第1の画像を構成する光を第1の範囲に射出し、第2の画像を構成する光を、前記第1の範囲とは異なる範囲を含む第2の範囲に射出する電気光学装置であって、第1の基板と、前記第1の基板に対向して配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の画像を構成する光を前記第2の基板側に射出する複数の第1の画素と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第2の画像を構成する光を前記第2の基板側に射出する複数の第2の画素と、前記第2の基板と、前記第1の画素及び前記第2の画素との間に配置された、第1の色に対応する第1の色要素、第2の色に対応する第1の色要素、第3の色に対応する第1の色要素を含む第1のカラーフィルタと、を備え、前記複数の第1の画素及び前記複数の第2の画素は、それぞれ、前記第1の色に対応する光を射出する第1色画素と、前記第2の色に対応する光を射出する第2色画素と、前記第3の色に対応する光を射出する第3色画素と、を有しており、前記第1の色に対応する前記第1の色要素は、前記第1の画素のうち前記第1色画素から前記第1の範囲に射出される光と、前記第2の画素のうち前記第1色画素から前記第2の範囲に射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置され、前記第2の色に対応する前記第1の色要素は、前記第1の画素のうち前記第2色画素から前記第1の範囲に射出される光と、前記第2の画素のうち前記第2色画素から前記第2の範囲に射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置され、前記第3の色に対応する前記第1の色要素は、前記第1の画素のうち前記第3色画素から前記第1の範囲に射出される光と、前記第2の画素のうち前記第3色画素から前記第2の範囲に射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置されている電気光学装置。
このような構成によれば、3色以上の光から構成される画像を指向性表示可能な電気光学装置を、より少ない構成要素により構成することができる。
[適用例9]上記電気光学装置を表示部に備える電子機器。
このような構成によれば、簡素な構成で指向性表示が可能な電子機器が得られる。
以下、図面を参照し、電気光学装置及び電子機器の実施形態について説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置1の構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)中のA−A線における断面図である。液晶装置1は、対向して配置された素子基板10及びカラーフィルタ基板30を有している。以下では、素子基板10に対してカラーフィルタ基板30側の方向を「観察側」とも呼び、カラーフィルタ基板30とは反対側の方向を「背面側」とも呼ぶ。素子基板10の背面側には、第1の偏光板としての偏光板51が貼り付けられている。カラーフィルタ基板30の観察側には、第2の偏光板としての偏光板53が貼り付けられている。素子基板10は、カラーフィルタ基板30より大きく、一部がカラーフィルタ基板30に対して張り出している。素子基板10のうち、カラーフィルタ基板30に対して張り出している部分の観察側の面には、液晶装置1を動作させるための駆動信号等を供給するドライバIC55が実装されている。液晶装置1は、図示しないバックライト等からの光を変調して観察側に透過させることによって、表示領域9において表示を行う。
図1(b)に示すように、カラーフィルタ基板30は、カラーフィルタ基板30の輪郭形状に略一致する枠状に配置されたシール剤29を介して、素子基板10の観察側に貼り合わされている。素子基板10、カラーフィルタ基板30、シール剤29によって囲まれた空間には、液晶50が封入されている。
素子基板10は、第1の基板としてのガラス基板11を基体として構成されている。ガラス基板11の観察側には、回路素子層12等が形成されている。
カラーフィルタ基板30は、第2の基板としてのガラス基板31を基体として構成されている。ガラス基板31の背面側には、第1のカラーフィルタとしてのカラーフィルタ33、透光性を有する樹脂からなる樹脂層35、第2のカラーフィルタとしてのカラーフィルタ43がこの順に積層されている。
図2は、表示領域9における液晶装置1の平面図であり、(a)は、カラーフィルタ43の構成を抜き出して示す平面図、(b)は、カラーフィルタ33の構成を抜き出して示す平面図である。この図は、液晶装置1を観察側から、より詳しくはカラーフィルタ基板30の法線方向から見た図である。図2(a),(b)は、観察側から見て重なる同一の領域を切り出して示したものであり、液晶装置1は、図2(a)のカラーフィルタ43と、図2(b)のカラーフィルタ33とが重ねられた構成を有している。
図2(a)に示すように、カラーフィルタ43は、複数の行及び複数の列にわたってマトリクス状に配置された矩形の色要素42r,42g,42b(以下では、対応する色を区別しない場合には単に「色要素42」とも呼ぶ)を有している。色要素42r,42g,42bは、それぞれ赤系の色の光、緑系の色の光、青系の色の光を透過し、その他の色の光を吸収する部材である。ここで、赤系の色、緑系の色、青系の色は、例えば赤、緑、青である。色要素42rは、赤系の第2の色要素に対応し、色要素42gは、緑系の第2の色要素に対応し、色要素42bは、青系の第2の色要素に対応する。色要素42r,42g,42bを区画する格子状の領域には、黒色の樹脂からなる遮光層46が配置されている。カラーフィルタ43は、色要素42r,42g,42b、遮光層46を含んで構成される。
また、図2(a)には、液晶装置1に含まれる画素の平面的な配置も示されている。液晶装置1は、複数の行及び複数の列にわたってマトリクス状に配置された矩形の画素4r,4g,4b(以下では、対応する色を区別しない場合には単に「画素4」とも呼ぶ)を有している。画素4r,4g,4bには、それぞれ色要素42r,42g,42bが配置されている。画素4r,4g,4bは、これらの色要素42を介して光を射出するため、それぞれ赤系の色の光、緑系の色の光、青系の色の光を観察側に射出することができる。画素4r,4g,4bは、それぞれ赤系画素、緑系画素、青系画素に対応する。
画素4r,4g,4bは、第1の方向に沿ってこの順に繰り返し配置されて、画素行5を構成している。したがって、色要素42r,42g,42bも、画素行5の延在方向に沿ってこの順に繰り返し配置されている。画素4は、画素行5に交差する第2の方向については、同一の色に対応する画素4が一列にストライプ状に並ぶように配置されて、画素列6を構成している。したがって、色要素42r,42g,42bも、同一の色に対応する色要素42が画素列6の延在方向にストライプ状に並ぶように配置されている。本実施形態では、画素列6の延在方向は、画素行5の延在方向に対して直交している。本明細書では、画素行5の延在方向をX軸、画素列6の延在方向をY軸と定義する。また、XY平面の法線方向をZ軸と定義する。上記第1の方向はX軸の正方向に沿った方向であり、上記第2の方向はY軸の正方向に沿った方向である。
各画素4から射出される光は、第1の画像又は第2の画像のいずれかを構成する。第1の画像を構成する光を射出する画素4を画素L、第2の画像を構成する光を射出する画素4を画素Rとも呼ぶ。画素L,Rは、それぞれ第1の画素、第2の画素に対応する。上述した画素4r,4g,4bは、いずれも画素L又は画素Rのいずれか一方に該当する。また、複数の画素Lからなる画素群、複数の画素Rからなる画素群は、いずれも画素4r,4g,4bを含んでいる。画素L,Rは、画素行5に沿って交互に繰り返し配置されており、また画素列6に沿っては同一種が一列に並ぶようにストライプ状に配置されている。以下では、第1の画素(画素L)に対応する画素4を画素4(L)と表記し、第2の画素(画素R)に対応する画素4を画素4(R)と表記する。例えば、第1の画素に対応する青系の画素4bは、画素4b(L)と表記する。
図2(b)に示すように、カラーフィルタ33は、Y方向に沿ったストライプ状の色要素32r,32g,32bを有している(以下では、対応する色を区別しない場合には単に「色要素32」とも呼ぶ)。色要素32r,32g,32bは、それぞれ赤系の色の光、緑系の色の光、青系の色の光を透過し、その他の色の光を吸収する部材である。色要素32rは、赤系の第1の色要素に対応し、色要素32gは、緑系の第1の色要素に対応し、色要素32bは、青系の第1の色要素に対応する。ここで、色要素32r,32g,32bが透過する光の色は、色要素42r,42g,42bが透過する光の色と正確に一致している必要はなく、同系色であればよい。
色要素32b,32g,32rは、第1の方向(すなわちX軸の正方向)に沿ってこの順に繰り返し配列されている。ここで、色要素32の色の繰り返し順序は、画素4の色の繰り返し順序(すなわち色要素42の色の繰り返し順序)とは逆になっている。また、色要素32の画素行5方向の配置ピッチは、画素4の画素行5方向の配置ピッチの略2倍となっている。そして、正面視で、ある画素4に重なる領域に配置される色要素32は、当該画素4とは対応する色が異なる色要素32となっている。すなわち、正面視で画素4rに重なる領域には色要素32g又は色要素32bが配置され、画素4gに重なる領域には色要素32b又は色要素32rが配置され、画素4bに重なる領域には色要素32r又は色要素32gが配置される。
ここで、「正面視」とは、画素4が配列された面の法線方向(すなわちカラーフィルタ基板30の法線方向)から見ることをいう。より詳しくは、正面視とは、図17(a)に示すように、液晶装置1上の各点を上記法線方向から見ること、及び図17(b)に示すように、液晶装置1上の各点を上記法線上の一点から見ること、のいずれをも含む概念である。したがって、「要素mと要素nが正面視で重なる」といった場合、図17(a)の方式では、要素mと要素nをXY平面に投影した際の位置が同一であることをいい、図17(b)の方式では、要素mを底面とし観察点を頂点とする仮想的な立体の内部に要素nが位置することをいう。本実施形態における「正面視」は、図17(b)の方式の正面視を指す。
図3は、液晶装置1を、画素4を含む位置でXZ平面に沿って切断したときの断面図である。図3は、図1(b)の一部を拡大した図でもある。この図を用いて、液晶装置1の断面構造について説明する。
素子基板10に含まれるガラス基板11の観察側には、回路素子層12が形成されている。回路素子層12は、液晶50の駆動に用いるスイッチング素子としてのTFT(Thin Film Transistor)素子、TFT素子に駆動信号を印加するための走査線、データ線、及び容量素子等から構成される。回路素子層12の観察側には、透光性を有するITO(Indium Tin Oxide)からなる画素電極14が画素4ごとに形成されている。画素電極14は、図2(a)中の画素4と略同形の矩形状に形成される。画素電極14は、回路素子層12中のTFT素子に電気的に接続されている。画素電極14の観察側には、ポリイミド等からなる配向膜18が形成されている。配向膜18は、ラビング処理されており、ラビング処理の方向に沿って液晶50を配向させる機能を有する。ガラス基板11から配向膜18までの要素によって、素子基板10が構成される。
カラーフィルタ基板30に含まれるガラス基板31の背面側には、上述の通り、カラーフィルタ33、樹脂層35、カラーフィルタ43がこの順に積層されている。このうち樹脂層35は、例えば厚さ50nmから100nm程度のラミネートフィルムとすることができる。カラーフィルタ43の背面側の略全面には、ITOからなる共通電極47が形成されている。共通電極47及び画素電極14は、一対の電極であり、当該一対の電極の間に生じる電界によって液晶50が駆動される。共通電極47の背面側には、ポリイミド等からなる配向膜48が形成されている。配向膜48は、ラビング処理されており、ラビング処理の方向に沿って液晶50を配向させる機能を有する。ガラス基板31から配向膜48までの要素によって、カラーフィルタ基板30が構成される。
素子基板10とカラーフィルタ基板30との間、すなわち配向膜18と配向膜48との間には、液晶50が配置されている。配向膜18,48のラビング方向は直交しており、液晶50はTNモードとなっている。素子基板10の背面側に配置された偏光板51の透過軸は、配向膜18のラビング方向に平行となっている。また、カラーフィルタ基板30の観察側に配置された偏光板53の透過軸は、配向膜48のラビング方向に平行となっている。したがって、偏光板51,53の透過軸は平面視で直交している。
画素電極14と共通電極47との間にオフ電圧が印加されている場合、又は電圧非印加状態である場合には、液晶50は90度ツイスト配向する。このとき、偏光板51を透過した直線偏光は、液晶50の旋光性により偏光板53の透過軸に平行な直線偏光に変換され、偏光板53を透過する。これにより白表示が行われる。
画素電極14と共通電極47との間にオン電圧が印加されている場合には、液晶50は、配向膜18,48に対して略垂直に配向する。このとき、偏光板51を透過した直線偏光は、液晶50によっては位相差を与えられずにそのまま偏光板53に入射し、偏光板53によって吸収される。これにより黒表示が行われる。
液晶装置1は、このような白表示、黒表示又はこれらの中間調表示を画素4ごとに行うことにより、その集合として表示領域9において表示を行う。
上述した画素4(画素L,R)は、画素電極14、液晶50、共通電極47、色要素42を有して構成される。個々の画素4が占める領域は、平面的には遮光層46に囲まれた矩形領域(図2(a))であり、図3の断面図においては例えば回路素子層12から色要素42までを含む領域である。あるいは、画素電極14から色要素42までを画素4と定義してもよい。よって、画素4(画素L,R)は、ガラス基板11,31の間に配置されている。また、カラーフィルタ33は、画素4(画素L,R)とガラス基板31との間に配置されている。カラーフィルタ43は、カラーフィルタ33とガラス基板11との間に配置されている。また、偏光板51は、画素4(画素L,R)のガラス基板11側に配置されており、偏光板53は、画素4(画素L,R)のガラス基板31側に配置されている。
画素4は、背面側から入射した光を色要素42を介して観察側に射出する。したがって、色要素42の観察側表面が、画素4の光射出面となる。カラーフィルタ33は、画素4の光射出側に配置されており、画素4から射出された光は、カラーフィルタ33に含まれるいずれかの色要素32に入射する。
図4は、3色の画素4のうち画素4bによる指向性表示の原理を示す模式図である。この図においては、液晶装置1のうち、画素4とカラーフィルタ33を除く要素は省略されている。
画素4b(L)から射出された青系の色の光は、カラーフィルタ33に入射する。このうち、色要素32bに入射した光は、色要素32bを透過して、第1の範囲3Lに射出される。第1の範囲3Lに射出される光の光路の範囲は、図4において2点鎖線で示されている(以下の各図においても同様)。一方、その他の色要素32(色要素32r,32g)に入射した光は、その色要素32によって吸収されるため、カラーフィルタ33の観察側にはほとんど透過しない。
同様に、画素4b(R)から射出された青系の色の光のうち、色要素32bに入射した光は、色要素32bを透過して、第2の範囲3Rに射出される。第2の範囲3Rに射出される光の光路の範囲は、図4において実線で示されている(以下の各図においても同様)。一方、その他の色要素32(色要素32r,32g)に入射した光は、その色要素32によって吸収され、カラーフィルタ33の観察側にはほとんど透過しない。
このように、画素4bから射出された青系の色の光に対しては、色要素32r,32gは遮光部材として機能するため、射出光の進行する範囲が制限される。そして、色要素32bから見て、画素4b(L)及び画素4b(R)の位置が互いに異なるため、画素4b(L)、画素4b(R)から色要素32bを透過して射出される光の進行方向は互いに異なる。すなわち、画素4b(L)からの光は第1の範囲3Lに射出され、画素4b(R)からの光は、第1の範囲3Lとは異なる範囲を含む第2の範囲3Rに射出される。こうして、画素4b(L)、画素4b(R)とカラーフィルタ33との組み合わせによる指向性表示が行われる。
別の観点では、青系の色要素32bは、画素4b(L)から第1の範囲3Lに射出される光と、画素4b(R)から第2の範囲3Rに射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置されている。すなわち、画素4b(L)、画素4b(R)からの光が到達すべき第1の範囲3L、第2の範囲3Rをあらかじめ設定した上で、上記の条件を満たす領域に色要素32bを配置することにより、所望の指向性表示を実現することができる。
以上、画素4bによる指向性表示の原理を説明したが、画素4g、画素4rによる指向性表示の原理もこれと同様である。図5は、画素4gによる指向性表示の原理を示す模式図である。画素4gから射出された緑系の色の光に対しては、色要素32b,32rは遮光部材として機能するため、画素4gから射出された光は色要素32gのみを透過する。このように光の進行する範囲が制限される結果、画素4g(L)からの光は第1の範囲3Lに射出され、画素4g(R)からの光は、第1の範囲3Lとは異なる範囲を含む第2の範囲3Rに射出される。こうして、画素4g(L)、画素4g(R)とカラーフィルタ33との組み合わせによる指向性表示が行われる。
別の観点では、緑系の色要素32gは、画素4g(L)から第1の範囲3Lに射出される光と、画素4g(R)から第2の範囲3Rに射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置されている。すなわち、画素4g(L)、画素4g(R)からの光が到達すべき第1の範囲3L、第2の範囲3Rをあらかじめ設定した上で、上記の条件を満たす領域に色要素32gを配置することにより、所望の指向性表示を実現することができる。
図6は、画素4rによる指向性表示の原理を示す模式図である。画素4rから射出された赤系の色の光に対しては、色要素32g,32bは遮光部材として機能するため、画素4rから射出された光は色要素32rのみを透過する。このように光の進行する範囲が制限される結果、画素4r(L)からの光は第1の範囲3Lに射出され、画素4r(R)からの光は、第1の範囲3Lとは異なる範囲を含む第2の範囲3Rに射出される。こうして、画素4r(L)、画素4r(R)とカラーフィルタ33との組み合わせによる指向性表示が行われる。
別の観点では、赤系の色要素32rは、画素4r(L)から第1の範囲3Lに射出される光と、画素4r(R)から第2の範囲3Rに射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置されている。すなわち、画素4r(L)、画素4r(R)からの光が到達すべき第1の範囲3L、第2の範囲3Rをあらかじめ設定した上で、上記の条件を満たす領域に色要素32rを配置することにより、所望の指向性表示を実現することができる。
このように、画素4r,4g,4bからの光が指向性を有して射出される結果、液晶装置1は、第1の画像を構成する光を第1の範囲3Lに射出し、第2の画像を構成する光を、第1の範囲3Lとは異なる範囲を含む第2の範囲3Rに射出する。すなわち、第1の画像と第2の画像とを互いに異なる方向に表示することができる。ここで、第1の画像及び第2の画像は、いずれもカラー画像とすることができる。また、画素4r,4g,4bからの光は、それぞれ色要素32r,32g,32bを透過して液晶装置1から射出されるため、画素4から色要素32を経ずに直接光を取り出す場合と比較して色純度を高めることができる。
図7は、3色の画素4から射出される光のうち表示に寄与する光の代表的な光路を示す模式図である。図7における視点VLは、図4から図6における第1の範囲3Lの略中心に位置する点であり、視点VRは、第2の範囲3Rの略中心に位置する点である。この図によれば、視点VLからは画素4r(L),4g(L),4b(L)による表示が視認され、視点VRからは画素4r(R),4g(R),4b(R)による表示が視認されることがわかる。視点VL,VRに異なる人物を位置させれば、これらの人物に異なる画像を視認させることができる。また、視点VLと視点VRとの間の距離を小さくし、それぞれの視点に左目及び右目が位置するように構成すれば、立体画像を視認させることができる。ここで、視点VLと視点VRとの間の距離を小さくするためには、画素4とカラーフィルタ33とのZ方向の距離を大きくすればよい。画素4とカラーフィルタ33との距離を調整するためには、例えば、樹脂層35の厚さを変更すればよい。
なお、図7において、視点VL,VRの中間に位置する視点VCは、上述した「正面視」の際の視点に相当する。視点VCから見た場合(正面視)には、上述のとおり、ある画素4に重なる領域に配置される色要素32は、その画素4とは対応する色が異なる色要素32となっている。すなわち、視点VCと画素4とを結ぶ線分上には、当該画素4とは異なる色の色要素32が位置している。これにより、視点VCでは画素L,Rのいずれによる表示も視認しにくくなっており、観察位置を視点VL又は視点VRに近付けることによって、画素L又は画素Rによる指向性表示を視認することができる。正面視で上記の条件を満たす構成となるようにするため、色要素32のX方向の配置ピッチは、画素4の配置ピッチの2倍より小さくなっている。
図7では、説明の便宜上、カラーフィルタ33の近傍に視点VL,VRを設定して描いている。しかしながら、実際には視点VL,VRとカラーフィルタ33との距離は、色要素32の配置ピッチに対して例えば1000倍以上となり、かなり大きくなる。したがって、画素4及びカラーフィルタ33を微視的に観察した場合には、図8に示すように、画素4から射出される光のうち表示に寄与する光の代表的な光路は、互いに略平行となる。
図8においては、正面視の際の視点の位置(図7における視点VC)は、カラーフィルタ33に対して無限遠方に近似される。よって、この図では、Z軸正方向から見た平面視での構成要素の相対的な位置関係が、そのまま正面視での各構成要素の相対的な位置関係となる。この図からわかるように、正面視で赤系の色要素32rに対してX方向に隣り合う領域の一方には画素4r(L)が配置され、他方には画素4r(R)が配置されている。画素4r(L)から色要素32rに向かって斜めに(第1の範囲3Lに)射出された光が、色要素32rを透過して第1の画像を構成する。また、画素4r(R)から色要素32rに向かって斜めに(第2の範囲3Rに)射出された光が、色要素32rを透過して第2の画像を構成する。画素4r(L),4r(R)から色要素32rに向かう斜めの方向はそれぞれ異なるため、第1の範囲3Lと第2の範囲3Rとは互いに異なる範囲を含むこととなり、指向性表示が行われる。また、この図から、色要素32のX方向の配置ピッチが、画素4のX方向の配置ピッチの略2倍となっていることがわかる。また、正面視で、ある画素4に重なる領域には、当該画素4とは異なる色の色要素32が位置していることがわかる。
以上に説明したように、本実施形態の液晶装置1によれば、第1の画像と第2の画像とを異なる範囲に指向性表示することができる。その際、図4から図6において説明したように、カラーフィルタ33が指向性表示のためのマスクとして機能するため、液晶装置1は、指向性表示を行うために別の遮光性の光学素子(マスク)を必要としない。このため、より少ない構成要素により指向性表示が可能な液晶装置1を構成することができる。また、マスクとして機能するカラーフィルタ33は、ガラス基板11とガラス基板31との間に形成されているため、別途、マスクが形成された基板をガラス基板31の外側に貼り合わせる必要がない。これにより、液晶装置1の厚さを低減させることができる。
このような構成の液晶装置1は、例えばガラス基板31上にカラーフィルタ33,43を形成してカラーフィルタ基板30を製造した後は、従来の液晶装置と同様に、素子基板10とカラーフィルタ基板30とを貼り合わせる工程によって製造することができる。すなわち、基板貼り合わせ後に指向性表示のためのマスクを付加するための追加の工程が不要となる。ここで、従来の液晶装置とは、カラーフィルタ基板30に1層のカラーフィルタを備える液晶装置を指す。
また、カラーフィルタ33,43は、いずれもガラス基板11とガラス基板31との間に配置されており、カラーフィルタ33とカラーフィルタ43との間にはガラス基板が存在しない。このため、カラーフィルタ33とカラーフィルタ43との間隔を容易に小さくすることができる。すなわち、画素4からの光に指向性を与えるマスクとして機能するカラーフィルタ33と、画素4との間隔を小さくするためにガラス基板をエッチングする必要がなく、上記間隔を容易に小さくすることができる。これにより、第1の画像を構成する光が射出される第1の範囲3Lと、第2の画像を構成する光が射出される第2の範囲3Rとを大きく異ならせることができる。カラーフィルタ33とカラーフィルタ43との間隔は、例えば樹脂層35の厚さを変更することで容易に調整することができる。
また、第1の画像、第2の画像を構成する光は、いずれもカラーフィルタ33の色要素32を透過しているため、画素4から直接取り出される光と比較して色純度が高い。このため、液晶装置1は、色再現性の高い、高品位な表示を行うことができる。
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の液晶装置1は、画素L,Rの配置と色要素32,42の配置が第1の実施形態と異なっており、その他の点は第1の実施形態と同様である。
図9は、第2の実施形態に係る液晶装置1の平面図であり、(a)は、カラーフィルタ43の構成を抜き出して示す平面図、(b)は、カラーフィルタ33の構成を抜き出して示す平面図である。
図9(a)に示すように、本実施形態では、画素L,Rが、画素行5方向(X方向)について交互に配列されているとともに、画素行5と交差する第2の方向(Y方向)についても交互に配列されている。したがって、画素L,Rは、Y方向に沿って交互に配列されて画素列6を構成している。よって、画素L,Rは、それぞれ市松模様をなすように、チェック状に、又はモザイク状に配置されている。
また、色要素32と画素L,Rとの位置関係は第1の実施形態と同様であり、例えば正面視で赤系の色要素32rに対してX軸の正方向に隣り合う領域には画素4r(L)が配置され、負方向に隣り合う領域には画素4r(R)が配置されるようになっている。緑系の色要素32g、青系の色要素32bについても同様である。ここで、画素L,Rが上記のような市松模様の配置となるため、カラーフィルタ基板30の色要素32は、配置図9(b)に示すようにデルタ配列となる。より詳しくは、色要素32のいずれの行(X方向に沿った色要素32の配列)においても、X軸の正方向に沿って色要素32b,32g,32rが繰り返し配列されており、また隣り合う行の間で、色要素32の繰り返し最小単位の配置ピッチが半ピッチずつずれている。ここで、色要素32の繰り返し最小単位とは、隣り合う3つの色要素32b,32g,32rからなるブロックをいう。換言すれば、同一の色の色要素32は、隣り合う行では色要素32の幅の1.5倍だけX方向にずれて配置されている。また、各色要素32のX方向の幅は、画素4のX方向の幅の略2倍である。
このような配置によれば、色要素32のそれぞれは、当該色要素32と同系の色の画素Lから第1の範囲3Lに射出される光と、上記同系の色の画素Rから第2の範囲3Rに射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置される。また、正面視で、ある画素4に重なる領域には、その画素4とは対応する色が異なる色要素32が配置される。したがって、第1の実施形態と同様の原理により指向性表示を行うことができる。
図10(a),(b)は、図9(a),(b)中のB−B線、C−C線の位置における各画素4からの光路を示す模式図である。この図に示すように、画素行5ごとに画素L,Rの位置が反転するが、結果として図10(a),(b)いずれも、視点VLにおいては画素Lによる第1の画像が視認され、視点VRにおいては画素Rによる第2の画像が視認される。
図9(a)のように画素L,Rを市松模様をなすように配置することにより、画素L,Rがストライプ状に配置されている場合(図2(a))と比較して、第1の画像及び第2の画像の解像度を向上させることができる。これは、対応する色及び表示する画像について同一の作用をもつ2つの画素4の最小相対距離(例えばある画素4r(L)と、これに最も近い画素4r(L)との距離)が近くなるためである。
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、電気光学装置としての有機EL装置2に関するものである。以下の説明においては、第1の実施形態に係る液晶装置1との相違点について記載する。その他の点については、第1の実施形態と同様である。
図11は、第3の実施形態に係る電気光学装置としての有機EL装置2の構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)中のD−D線における断面図である。有機EL装置2は、素子基板20と、素子基板20の観察側に対向して配置されたカラーフィルタ基板30とを有している。素子基板20は、カラーフィルタ基板30より大きく、一部がカラーフィルタ基板30に対して張り出している。素子基板20のうち、カラーフィルタ基板30に対して張り出している部分の観察側の面には、有機EL装置2を動作させるための駆動信号等を供給するドライバIC55が実装されている。有機EL装置2は、素子基板20に含まれる発光素子28(図11(b))からの光によって、表示領域9において表示を行う。
図11(b)に示すように、カラーフィルタ基板30は、カラーフィルタ基板30の輪郭形状に略一致する枠状に配置されたシール剤29、及び接着層34を介して、素子基板20の観察側に貼り合わされている。シール剤29には、素子基板20とカラーフィルタ基板30との間隔を一定に保つためのスペーサが含まれていてもよい。また、接着層34のみ、又はシール剤29のみによって素子基板20とカラーフィルタ基板30とを貼り合せてもよい。
素子基板20は、第1の基板としてのガラス基板21を基体として構成されている。ガラス基板21の観察側には、複数の発光素子28等が形成されている。発光素子28は、カラーフィルタ基板30、シール剤29、接着層34によって密閉封止されている。
カラーフィルタ基板30は、第2の基板としてのガラス基板31を基体として構成されている。ガラス基板31の背面側には、第1のカラーフィルタとしてのカラーフィルタ33が形成されている。
図12(a)は、表示領域9における素子基板20の平面図であり、図12(b)は、表示領域9におけるカラーフィルタ33の構成を抜き出して示す平面図である。図12(a),(b)は、観察側から見て重なる同一の領域を切り出して示したものであり、有機EL装置2は、図12(a)の素子基板20に、図12(b)のカラーフィルタ33を有するカラーフィルタ基板30が重ねられた構成を有している。
図12(a)に示すように、素子基板20は、複数の行及び複数の列にわたってマトリクス状に配置された矩形の画素4r,4g,4bを有している。画素4r,4g,4bは、いずれも発光素子28(図11(b))を備えている。画素4r,4g,4bは、発光素子28の機能により、それぞれ赤系の色、緑系の色、青系の色の発光を行う。画素4r,4g,4bは、それぞれ赤系画素、緑系画素、青系画素に対応する。画素4r,4g,4bの配置は、第1の実施形態と同様である。
各画素4は、第1の画像を構成する光を射出する画素L、第2の画像を構成する光を射出する画素Rのいずれか一方に該当する。画素L,Rの配置は、第1の実施形態と同様である。
図12(b)に示すように、色要素32r,32g,32bを備えたカラーフィルタ33の構成は、第1の実施形態と同様である。したがって、正面視で、ある画素4に重なる領域に配置される色要素32は、当該画素4とは対応する色が異なる色要素32となっている。
図13は、有機EL装置2を、画素4を含む位置でXZ平面に沿って切断したときの断面図である。図13は、図11(b)の一部を拡大した図でもある。この図を用いて、素子基板20に形成された発光素子28の構成について説明する。
素子基板20に含まれるガラス基板21の観察側には、回路素子層22が形成されている。回路素子層22は、発光素子28を駆動させるためのTFT素子、TFT素子に駆動信号を印加するための走査線、データ線、及び容量素子等から構成される。回路素子層22の観察側には、透光性を有するITOからなる、陽極としての画素電極24が形成されている。画素電極24は、図12(a)中の画素4と略同形の矩形状に形成される。画素電極24の背面側には、図示しない反射膜が形成されている。画素電極24の周囲には、樹脂等からなるバンク23が形成されている。バンク23は、図12(a)において画素4を区画している格子状の領域に形成される。バンク23と画素電極24との間には、無機物質からなる第2のバンクがさらに形成されていてもよい。画素電極24とバンク23によって、画素電極24を底部とし、バンク23を側壁とする凹部が構成される。
バンク23によって区画された上記凹部には、発光層25が形成されている。画素4r,4g,4bには、それぞれ赤系、緑系、青系の色の光を発する発光層25が形成される。発光層25は、有機発光層を含んで構成される。発光層25には、有機発光層の他に、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等の各種機能層がさらに含まれていてもよい。発光層25及びバンク23の観察側の略全面には、MgAg等の金属からなる陰極26が形成されている。陰極26は、金属を薄く形成することによってハーフミラー状となっている。陰極26の観察側には、樹脂等からなる封止層27が形成されている。封止層27によって、発光層25に水分やガス等の異物が浸入することによる不具合を抑制することができる。封止層27は、接着層34が同様の機能を果たす場合等においては省略することができる。
陰極26及び画素電極24は、一対の電極に対応する。陰極26と画素電極24との間に駆動電圧が印加されると、発光層25に駆動電流が流れる。発光層25は、当該駆動電流の大きさに応じた輝度の発光を行う。発光層25から観察側に進行した光は、陰極26を透過して有機EL装置2の表示に寄与する。また、発光層25から背面側に進行した光、及び陰極26によって背面側に反射された光は、画素電極24の背面の反射膜によって反射され、その後観察側に進行して有機EL装置2の表示に寄与する。このように、発光層25からの光は、いずれもガラス基板21とは反対側(観察側)に射出される。このような構成は、トップエミッション型と呼ばれる。
発光素子28は、画素電極24、発光層25、陰極26を含む要素によって構成される。上述した画素4(画素L,R)は、発光素子28を有して構成される。個々の画素4が占める領域は、平面的にはバンク23に囲まれた矩形領域(図12(a))であり、図13の断面図においては例えば回路素子層22から陰極26までを含む領域である。あるいは、画素電極24から陰極26までを画素4と定義してもよい。画素4は、発光素子28から発光された光を観察側に射出する。カラーフィルタ33は、画素4の光射出側に配置されており、画素4から射出された光は、カラーフィルタ33に含まれるいずれかの色要素32に入射する。
画素4から射出された赤系、緑系、又は青系の色の光に対しては、色要素32の一部が遮光部材として働き、これにより有機EL装置2は指向性表示を行うことができる。有機EL装置2における、画素4r,4g,4b及びカラーフィルタ33の作用による指向性表示の原理は、第1の実施形態(図4から図8)と同様であるので説明は省略する。
このように、本実施形態の有機EL装置2によれば、第1の画像と第2の画像とを異なる範囲に指向性表示することができる。その際、カラーフィルタ33が指向性表示のためのマスクとして機能するため、有機EL装置2は、指向性表示を行うために別の遮光性の光学素子(マスク)を必要としない。このため、より少ない構成要素により指向性表示が可能な有機EL装置2を構成することができる。また、マスクとして機能するカラーフィルタ33は、ガラス基板21とガラス基板31との間に形成されているため、別途、マスクが形成された基板をガラス基板31の外側に貼り合わせる必要がない。これにより、有機EL装置2の厚さを低減させることができる。
このような構成の有機EL装置2は、例えばガラス基板31上にカラーフィルタ33を形成してカラーフィルタ基板30を製造した後は、カラーフィルタ基板30を封止基板とみなして使用する製造工程によって製造することができる。すなわち、従来の有機EL装置と同様に、素子基板20に対して、封止基板としてのカラーフィルタ基板30を貼り合わせて封止を行う工程によって有機EL装置2を製造することができる。よって、封止後に指向性表示のためのマスクを付加するための追加の工程が不要となる。
また、カラーフィルタ33は、ガラス基板21とガラス基板31との間に配置されており、カラーフィルタ33と画素4との間にはガラス基板が存在しない。このため、カラーフィルタ33と画素4との間隔を容易に小さくすることができる。これにより、第1の画像を構成する光が射出される第1の範囲3Lと、第2の画像を構成する光が射出される第2の範囲3Rとを大きく異ならせることができる。カラーフィルタ33と画素4との間隔は、例えばシール剤29の高さ若しくはシール剤29に含まれるスペーサの大きさ、又は接着層34の厚さを変更することで容易に調整することができる。
また、第1の画像、第2の画像を構成する光は、いずれもカラーフィルタ33の色要素32を透過しているため、画素4(発光素子28)から直接取り出される光と比較して色純度が高い。このため、有機EL装置2は、色再現性の高い、高品位な表示を行うことができる。
なお、第3の実施形態は、第2の実施形態と組み合わせてもよい。すなわち、画素L,Rをそれぞれ図9(a)に示すように市松模様をなすように配置し、色要素32を図9(b)に示すようにデルタ配列をなすように配置してもよい。こうした構成によれば、有機EL装置2による表示の解像度の低下を抑制することができる。
(電子機器)
上述した液晶装置1、有機EL装置2は、例えば、図18に示すような電子機器としてのカーナビゲーションシステム用の表示装置100に搭載して用いることができる。この表示装置100は、表示部110に組み込まれた液晶装置1又は有機EL装置2によって、2つの画像を異なる範囲に指向性表示することができる。例えば、運転席側に地図の画像を表示するとともに、助手席側に映画の画像を表示することができる。その際、色再現性の高い、高品位な表示を行うことができる。また、表示装置100は、簡素な構成で指向性表示を行うことができる。
なお、液晶装置1、有機EL装置2は、上記表示装置100の他、モバイルコンピュータ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載機器、オーディオ機器等の各種電子機器に用いることができる。
上記実施形態に対しては、様々な変形を加えることが可能である。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
(変形例1)
第3の実施形態に係る有機EL装置2は、画素4r,4g,4bに、それぞれ赤系、緑系、青系の色の発光を行う発光層25が形成されているが、これに代えて、すべての画素4に同一の色(例えば白色)の発光を行う発光層25が形成されていてもよい。図14は、本変形例に係る有機EL装置2のXZ平面に沿った断面図であり、図15は、図14の拡大図である。
図14に示すように、カラーフィルタ基板30は、ガラス基板31を基体とし、ガラス基板31の背面に、カラーフィルタ33、ラミネートフィルム等からなる透光性を有する樹脂層35、第2のカラーフィルタとしてのカラーフィルタ43がこの順に積層された構成を有している。カラーフィルタ33、カラーフィルタ43の平面的な配置は、第1の実施形態と同様であり、図2(a),(b)に示されている。本変形例のカラーフィルタ基板30は、第1の実施形態に係るカラーフィルタ基板30(図3)から共通電極47及び配向膜48を除いた構成を有しているとも言える。
図15に示すように、カラーフィルタ43は、色要素42r,42g,42bを有している。また、画素4r,4g,4bは、それぞれ色要素42r,42g,42bを含んで構成されている。各画素4において、発光層25から射出された白色の光は、色要素42を透過することで、色要素42の色に応じた色の光となって画素4から射出される。したがって、色要素42の観察側表面が、実質的に画素4の光射出面となる。このような構成によっても、第3の実施形態と同様に、簡素な構成で指向性表示が可能な有機EL装置2が得られる。なお、発光層25は、バンク23によって区画されていない構成であってもよく、例えばバンク23を覆うように、有機EL装置2の略全体にわたって一繋がりに形成されていてもよい。また、白色の発光を行う発光層25は、水色の発光を行う発光層と黄色の発光を行う発光層とを積層した構成であってもよい。こうした構成の発光層25によれば、長寿命の発光素子28が得られる。
(変形例2)
第3の実施形態の有機EL装置2は、トップエミッション型を採用したものであるが、これに代えてボトムエミッション型の構成としてもよい。図16(a),(b)は、ボトムエミッション型を採用した場合の有機EL装置2のXZ平面に沿った断面図である。
このうち図16(a)に示す有機EL装置2は、素子基板20と、素子基板20の背面側にシール剤29を介して貼り合わされた封止基板60と、素子基板20の観察側に接着層34を介して貼り合わされたカラーフィルタ基板30とを有している。素子基板20は、ガラス基板21と、ガラス基板21の背面側に形成された複数の発光素子28とを有している。発光素子28は、図13に示した発光素子28をZ軸の方向について逆にした構成を有しており、このうち陰極26は、反射膜として機能する厚さに形成されている。発光素子28の発光層25から発光された光は、陰極26によって観察側に反射される。発光素子28は、封止基板60及びシール剤29によって封止されている。図16(a)の構成においては、封止基板60が第1の基板に対応し、カラーフィルタ基板30のガラス基板31が第2の基板に対応する。こうした構成によっても、第3の実施形態と同様に、カラーフィルタ33を指向性表示のためのマスクとして機能させることができる。よって、指向性表示が可能なボトムエミッション型の有機EL装置2が得られる。
また、図16(b)に示す有機EL装置2は、図16(a)の構成と上記変形例1の構成とを組み合わせたものである。図16(b)においては、カラーフィルタ基板30は、ガラス基板31を基体とし、ガラス基板31の背面に、カラーフィルタ33、ラミネートフィルム等からなる透光性を有する樹脂層35、カラーフィルタ43がこの順に積層された構成を有している。また、素子基板20の発光素子28に含まれる発光層25は、全ての画素4において同一の色(例えば白色)の発光を行う。こうした構成によれば、変形例1と同様の作用により指向性表示が可能なボトムエミッション型の有機EL装置2が得られる。
(変形例3)
赤系の色は、純粋な赤の色相に限定されず、橙等を含む。緑系の色は、純粋な緑の色相に限定されず、青緑や黄緑を含む。青系の色は、純粋な青の色相に限定されず、青紫や青緑等を含む。他の観点から、赤系の色の光は、光の波長のピークが、可視光領域で570nm以上の範囲にある光であると定義され得る。緑系の色の光は、光の波長のピークが500nm〜565nmの範囲にある光であると定義され得る。青系の色の光は、光の波長のピークが415nm〜495nmの範囲にある光であると定義され得る。同様に、赤系の色要素32rは、透過光の波長のピークが、可視光領域で570nm以上の範囲にある色要素であると定義され得る。緑系の色要素32gは、透過光の波長のピークが500nm〜565nmの範囲にある色要素であると定義され得る。青系の色要素32bは、透過光の波長のピークが415nm〜495nmの範囲にある色要素であると定義され得る。
(変形例4)
上記各実施形態における「正面視」は、図17(b)に示すように、液晶装置1又は有機EL装置2上の各点をカラーフィルタ基板30の法線上のある一点から見ることであるが、これに代えて図17(a)に示す方式の正面視として液晶装置1、有機EL装置2の各要素を構成してもよい。この場合には、例えば色要素32のX方向の配置ピッチは、画素4の配置ピッチの2倍に等しくなる。
(変形例5)
第1、第2の実施形態において、偏光板51,53は、それぞれガラス基板11の背面側、ガラス基板31の観察側に配置されているが、これに限定する趣旨ではない。偏光板51は、画素4(画素L,R)のガラス基板11側に配置されていればよく、例えばガラス基板11の観察側に形成されていてもよい。また、偏光板53は、画素4(画素L,R)のガラス基板31側に配置されていればよく、例えばガラス基板31の背面側に形成されていてもよい。すなわち、偏光板51,53は、一対のガラス基板11,31の内面(対向面)側に形成されていてもよい。
(変形例6)
上記実施形態の液晶装置1は、TNモードの液晶50を有しているが、液晶モードはこれに限定されず、例えばVA(Vertical Alignment:垂直配向)、FFS(Fringe Field Switching)、IPS(In Plain Switching)、STN(Super Twisted Nematic)等、種々のモードを採用することができる。
(変形例7)
上記実施形態では、電気光学装置として液晶装置1、有機EL装置2を用いた例を説明したが、これに限定する趣旨ではなく、例えばPDP(Plasma Display Panel)、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)、FED(Field Emission Display)等の一対の基板内に画素を有する種々の電気光学装置に適用することができる。
(変形例8)
上記実施形態では、画素4、色要素32、色要素42は、赤、緑、青の3色に対応するが、これに限定する趣旨ではなく、4色以上の画素4、色要素32、色要素42を備える構成としてもよい。4色の構成を採用した場合には、画素4、色要素32、色要素42は、例えば赤、緑、青の3色と、シアン、マジェンタ、白から選ばれる1色とからなる4色に対応する構成とすることができる。あるいは、波長に応じて色相が変化する可視光領域(380−780nm)のうち、青系の色、赤系の色、及び青から黄までの色相の中で選択された2種の色、とすることができる。ここで系と用いているが、例えば青系であれば純粋の青の色相に限定されるものでなく、青紫や青緑等を含むものである。赤系の色相であれば、赤に限定されるものでなく橙を含む。上記4色の構成とする場合には、このうちの3色が、第1の色、第2の色、第3の色に対応し、これらの色の光を射出する画素4がそれぞれ第1色画素、第2色画素、第3色画素に対応する。
第1の実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)中のA−A線における断面図。 表示領域における液晶装置の平面図であり、(a)は、カラーフィルタ43の構成を抜き出して示す平面図、(b)は、カラーフィルタ33の構成を抜き出して示す平面図。 液晶装置を、画素を含む位置でXZ平面に沿って切断したときの断面図。 青系画素による指向性表示の原理を示す模式図。 緑系画素による指向性表示の原理を示す模式図。 赤系画素による指向性表示の原理を示す模式図。 3色の画素から射出される光のうち表示に寄与する光の代表的な光路を示す模式図。 画素及びカラーフィルタを微視的に観察した場合の光の代表的な光路を示す模式図。 第2の実施形態に係る液晶装置の平面図であり、(a)は、カラーフィルタ43の構成を抜き出して示す平面図、(b)は、カラーフィルタ33の構成を抜き出して示す平面図。 (a),(b)は、図9(a)中のB−B線、C−C線の位置における各画素からの光路を示す模式図。 第3の実施形態に係る電気光学装置としての有機EL装置の構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)中のD−D線における断面図。 (a)は、表示領域における素子基板の平面図であり、(b)は、表示領域におけるカラーフィルタ33の構成を抜き出して示す平面図。 有機EL装置を、画素を含む位置でXZ平面に沿って切断したときの断面図。 変形例1に係る有機EL装置のXZ平面に沿った断面図。 図14の拡大図。 (a),(b)は、ボトムエミッション型を採用した場合の有機EL装置のXZ平面に沿った断面図。 (a),(b)は、正面視について説明するための模式図。 電子機器としての表示装置の斜視図。
符号の説明
1…電気光学装置としての液晶装置、2…電気光学装置としての有機EL装置、3L…第1の範囲、3R…第2の範囲、4,4r,4g,4b…画素、5…画素行、6…画素列、9…表示領域、10,20…素子基板、11,21…第1の基板としてのガラス基板、12,22…回路素子層、14…画素電極、18,48…配向膜、23…バンク、24…画素電極、25…発光層、26…陰極、27…封止層、28…発光素子、29…シール剤、30…カラーフィルタ基板、31…第2の基板としてのガラス基板、32,32r,32g,32b…第1の色要素、33…第1のカラーフィルタ、34…接着層、35…樹脂層、42,42r,42g,42b…第2の色要素、43…第2のカラーフィルタ、46…遮光層、47…共通電極、50…液晶、51…第1の偏光板、53…第2の偏光板、55…ドライバIC、60…封止基板、100…電子機器としての表示装置、110…表示部、L…第1の画素、R…第2の画素。

Claims (9)

  1. 第1の画像を構成する光を第1の範囲に射出し、第2の画像を構成する光を、前記第1の範囲とは異なる範囲を含む第2の範囲に射出する電気光学装置であって、
    第1の基板と、
    前記第1の基板に対向して配置された第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の画像を構成する光を前記第2の基板側に射出する複数の第1の画素と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第2の画像を構成する光を前記第2の基板側に射出する複数の第2の画素と、
    前記第2の基板と、前記第1の画素及び前記第2の画素との間に配置された、赤系の第1の色要素、緑系の第1の色要素、青系の第1の色要素を含む第1のカラーフィルタと、を備え、
    前記複数の第1の画素及び前記複数の第2の画素は、それぞれ、赤系の色の光を射出する赤系画素と、緑系の色の光を射出する緑系画素と、青系の色の光を射出する青系画素と、を有しており、
    前記赤系の第1の色要素は、赤系の色の前記第1の画素から前記第1の範囲に射出される光と、赤系の色の前記第2の画素から前記第2の範囲に射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置され、
    前記緑系の第1の色要素は、緑系の色の前記第1の画素から前記第1の範囲に射出される光と、緑系の色の前記第2の画素から前記第2の範囲に射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置され、
    前記青系の第1の色要素は、青系の色の前記第1の画素から前記第1の範囲に射出される光と、青系の色の前記第2の画素から前記第2の範囲に射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置されていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1に記載の電気光学装置であって、
    前記第1の画素と前記第2の画素とが第1の方向に沿って交互に配列された画素行を有し、
    前記赤系画素、前記緑系画素、前記青系画素は、前記第1の方向に沿ってこの順に繰り返し配列され、
    前記青系の第1の色要素、前記緑系の第1の色要素、前記赤系の第1の色要素は、前記第1の方向に沿ってこの順に繰り返し配列され、かつ前記画素行方向の配置ピッチが前記画素の前記画素行方向の配置ピッチの略2倍であり、
    正面視で一の前記画素に重なる領域に配置される前記第1の色要素は、前記一の画素とは対応する色が異なる前記第1の色要素であることを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項1又は2に記載の電気光学装置であって、
    前記第1のカラーフィルタと前記第1の基板との間に、赤系の第2の色要素、緑系の第2の色要素、青系の第2の色要素を含む第2のカラーフィルタを備え、
    前記赤系画素は、前記赤系の第2の色要素を含み、
    前記緑系画素は、前記緑系の第2の色要素を含み、
    前記青系画素は、前記青系の第2の色要素を含むことを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記第1のカラーフィルタと前記第2のカラーフィルタとの間には、透光性の樹脂が配置されていることを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記第1の画素及び前記第2の画素の第1の基板側に配置された第1の偏光板と、
    前記第1の画素及び前記第2の画素の第2の基板側に配置された第2の偏光板と、
    前記第1の画素及び前記第2の画素に設けられた一対の電極と、
    前記一対の電極の間に生じる電界によって駆動される液晶と、
    を備えることを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記第1の画素及び前記第2の画素に設けられた一対の電極と、
    前記一対の電極の間に配置された有機発光層と、
    を備えることを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項2に記載の電気光学装置であって、
    前記第1の画素と前記第2の画素とが、前記画素行と交差する第2の方向に交互に配列されてなる画素列を複数有することを特徴とする電気光学装置。
  8. 第1の画像を構成する光を第1の範囲に射出し、第2の画像を構成する光を、前記第1の範囲とは異なる範囲を含む第2の範囲に射出する電気光学装置であって、
    第1の基板と、
    前記第1の基板に対向して配置された第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の画像を構成する光を前記第2の基板側に射出する複数の第1の画素と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第2の画像を構成する光を前記第2の基板側に射出する複数の第2の画素と、
    前記第2の基板と、前記第1の画素及び前記第2の画素との間に配置された、第1の色に対応する第1の色要素、第2の色に対応する第1の色要素、第3の色に対応する第1の色要素を含む第1のカラーフィルタと、を備え、
    前記複数の第1の画素及び前記複数の第2の画素は、それぞれ、前記第1の色に対応する光を射出する第1色画素と、前記第2の色に対応する光を射出する第2色画素と、前記第3の色に対応する光を射出する第3色画素と、を有しており、
    前記第1の色に対応する前記第1の色要素は、前記第1の画素のうち前記第1色画素から前記第1の範囲に射出される光と、前記第2の画素のうち前記第1色画素から前記第2の範囲に射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置され、
    前記第2の色に対応する前記第1の色要素は、前記第1の画素のうち前記第2色画素から前記第1の範囲に射出される光と、前記第2の画素のうち前記第2色画素から前記第2の範囲に射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置され、
    前記第3の色に対応する前記第1の色要素は、前記第1の画素のうち前記第3色画素から前記第1の範囲に射出される光と、前記第2の画素のうち前記第3色画素から前記第2の範囲に射出される光とがいずれも通過する領域の少なくとも一部に配置されていることを特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置を表示部に備えることを特徴とする電子機器。
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