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JP2009076874A - ショットキーバリアダイオードおよびその製造方法 - Google Patents

ショットキーバリアダイオードおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フィールドプレート構造により逆方向耐電圧の向上したショットキーバリアダイオードを提供する。
【解決手段】このショットキーバリアダイオード1は、GaN自立基板2の表面2a上に形成された、GaNエピタキシャル層3を備える。また、GaNエピタキシャル層3の表面3a上に形成され、開口部が形成されている絶縁層4を備える。絶縁層4中の水素濃度は、3.8×1022cm-3未満である。また、電極5を備える。電極5は、開口部の内部に、GaNエピタキシャル層3に接触するように形成されたショットキー電極と、ショットキー電極に接続するとともに、絶縁層4に重なるように形成された、フィールドプレート電極とによって、構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ショットキーバリアダイオードおよびその製造方法に関し、特に、逆方向耐電圧の向上したショットキーバリアダイオード、およびその製造方法に関する。
窒化ガリウム(GaN)は、シリコン(Si)に比べて約3倍のバンドギャップ、約10倍の高い絶縁破壊電界強度、さらに大きな飽和電子速度などの様々な優れた特性を有している。GaNは、従来のSiパワーデバイスでは困難な高耐圧化と、低損失化、すなわち低オン抵抗化との両立が期待できるため、パワーデバイス(電力用半導体素子)への応用が期待されている。
従来、GaN基板を用いたショットキーバリアダイオード(SBD)、pn接合ダイオード、MIS(metal-insulator-semiconductor)トランジスタなどの半導体素子が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。従来、パワーデバイスに用いられるGaN材料としては、サファイアやSiC(シリコンカーバイド)などの異種基板上に形成されたGaNエピタキシャル層が、一般的に用いられてきた。これに対し、GaN基板上に形成したGaNエピタキシャル層は、異種基板上に形成したGaNエピタキシャル層に対し、不純物濃度が低く、転位密度が低い。そのため、GaN基板上にGaNエピタキシャル成長を行なうことで、高耐圧・低オン抵抗のパワーデバイスを実現できることが開示されている(たとえば、非特許文献1参照)。
また、パワーデバイスの電極端部への電界集中を抑制し高耐圧化を図るための構造として、フィールドプレート(FP)構造が開示されている(たとえば、非特許文献2参照)。
特開2006−100801号公報 田辺達也他「GaN基板上GaNエピタキシャル成長とパワーデバイスへの応用」、SEIテクニカルレビュー第170号、2007年1月、p34〜p39 高田賢治他「AlGaN/GaN HEMT パワーデバイス」、東芝レビュー59巻7号、2004年7月、p35〜p38
本発明者は、GaN基板を用いたショットキーバリアダイオード(SBD)の高耐圧化について検討を進めた。その結果、本発明者は、GaN基板上に形成したGaNエピタキシャル層を用いて作製したSBDにフィールドプレート(FP)構造を適用しても、フィールドプレート構造によるショットキー電極端の電界集中緩和に基づく逆方向耐電圧上昇の効果が抑制される、という問題があることを初めて明らかにした。つまり、GaN基板上に形成したGaNエピタキシャル層を用いて、SBDを作製した場合、SBDにFP構造を適用しても、FP構造によるショットキー電極端の電界集中緩和に基づく、逆方向リーク電流の減少・逆方向耐電圧の上昇という効果が抑制される場合があった。
それゆえに、本発明の主たる目的は、フィールドプレート構造によるショットキー電極端の電界集中緩和に基づく逆方向耐電圧上昇の効果が抑制されることのない、逆方向耐電圧の向上したショットキーバリアダイオードを提供することである。また、本発明の他の目的は、逆方向耐電圧の向上したショットキーバリアダイオードの製造方法を提供することである。
本発明者は、GaN基板上に形成したGaNエピタキシャル層を用いて作製したSBDにFP構造を適用しても、FP構造によるショットキー電極端の電界集中緩和に基づく逆方向耐電圧上昇の効果が抑制される理由について検討した。その結果、以下の理由を推定した。
FP構造を構成する窒化絶縁膜をプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)によって成膜する際には、通常、原料ガスとしてアンモニアを用いている。そのため、成膜時にアンモニア分子が解離し、水素ラジカル、水素イオンなどが発生する。本明細書では水素ラジカル、水素イオンを含む用語として、「水素種」を用いる。水素種の発生により水素が半導体層に取り込まれることで、結果的に窒化絶縁膜中の水素濃度も上昇する。FP構造を有するSBDでは、水素が半導体層に取り込まれると悪影響を及ぼす。
つまり、本発明者は、半導体層中に取り込まれた水素によって、FP構造によるショットキー電極端の電界集中緩和に基づく逆方向耐電圧上昇の効果が抑制されると推定した。そこで、本発明を以下のような構成とした。
本発明に係るショットキーバリアダイオードは、主表面を有する半導体層を備える。また、主表面上に形成され、開口部が形成されている窒化絶縁膜を備える。また、開口部の内部に、主表面に接触するように形成されたショットキー電極を備える。また、ショットキー電極に接続するとともに、窒化絶縁膜に重なるように形成された、フィールドプレート電極を備える。そして、窒化絶縁膜中の水素濃度は、3.8×1022cm-3未満である。
窒化絶縁膜中の水素濃度を低くするということは、つまりは窒化絶縁膜を形成するときに発生する水素種の量を低減させるということであり、これによって水素の半導体層への悪影響を排除することができる。したがって、窒化絶縁膜中の水素濃度を3.8×1022cm-3未満、好ましくは2.0×1022cm-3未満、より好ましくは1.6×1022cm-3以下と規定することにより、水素濃度の高い窒化絶縁膜を用いる場合と比べて、水素が半導体層に取り込まれる悪影響を排除することができる。そのため、フィールドプレート構造によるショットキー電極端への電界集中の緩和に基づく、逆方向耐電圧上昇の効果が抑制されることはない。つまり、大きな電界緩和効果が得られ、逆方向耐電圧を上昇させることができる。窒化絶縁膜中の水素濃度は低いほど好ましく、たとえば窒化絶縁膜中の水素濃度が2.0×1022cm-3未満であればより好ましい。なお、現状では、水素濃度の検出限界は1.0×1017cm-3である。
ここでフィールドプレート構造とは、窒化絶縁膜と、窒化絶縁膜上に形成されたフィールドプレート電極と、によって構成される構造である。フィールドプレート電極はショットキー電極と電気的に接続されており、ショットキー電極とフィールドプレート電極とは同電位である。フィールドプレート構造によって、デバイス破壊の原因となる動作時のショットキー電極端部での電界集中を緩和し、ショットキーバリアダイオードの高耐圧化、高出力化を可能としている。窒化絶縁膜とは、たとえばSiNx(シリコン窒化膜)やAlN(窒化アルミニウム)などの、絶縁性を有する、窒化物を含む膜をいう。
上記ショットキーバリアダイオードにおいて好ましくは、半導体層は、窒化ガリウム基板を含む。この場合は、半導体層に窒化ガリウム基板を適用することにより、逆方向リーク電流が低減し、電界緩和の効果がより顕著に現れる。
また好ましくは、窒化ガリウム基板の転位密度は、1×108cm-2以下である。この場合は、低転位密度の窒化ガリウム基板を適用することにより、さらに逆方向リーク電流が低減し、電界緩和の効果が一層顕著に現れる。窒化ガリウム基板の転位密度は低いほど好ましい。たとえば、窒化ガリウム基板の転位密度が1×106cm-2以下であればより好ましい。なお、現状では、窒化ガリウム基板の転位密度の下限値は1×103cm-2程度である。
また好ましくは、半導体層においてショットキー電極と接触する領域の転位密度は、1×108cm-2以下である。この場合は、さらに逆方向リーク電流が低減し、電界緩和の効果が一層顕著に現れる。半導体層においてショットキー電極と接触する領域の転位密度は低いほど好ましい。たとえば、半導体層においてショットキー電極と接触する領域の転位密度が1×106cm-2以下であればより好ましい。なお、現状では、半導体層においてショットキー電極と接触する領域の転位密度の下限値は1×103cm-2程度である。
また好ましくは、ショットキー電極の材質は、金(Au)、プラチナ(Pt)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、銅(Cu)、銀(Ag)、タングステン(W)、およびチタン(Ti)からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質を含む。この場合は、ショットキー電極の材質として金などを用いることにより、低リーク電流ショットキー電極を実現できるので、フィールドプレート構造による電界緩和が起こる。その結果逆方向リーク電流が減少し、逆方向耐電圧が上昇する。
また好ましくは、窒化絶縁膜の厚みは、10nm以上5μm以下である。窒化絶縁膜の厚みが10nm未満であれば、窒化絶縁膜の耐圧が低く、窒化絶縁膜が先に破壊されてフィールドプレート構造の効果は得られない。また、窒化絶縁膜の厚みが5μm超であれば、フィールドプレート構造による電界緩和自体が得られない。窒化絶縁膜の厚みは、たとえば耐圧1kV設計においては、0.2μm以上2μm以下であればより好ましい。
また好ましくは、ショットキーバリアダイオードは、窒化絶縁膜上に形成された第2絶縁膜をさらに備える。この場合は、窒化絶縁膜と第2絶縁膜とは、積層構造とされている。このとき、半導体層との界面に水素濃度の低い窒化絶縁膜を形成すれば、第2絶縁膜中の水素濃度に関わらず、逆方向リーク電流が低減し電界緩和が起こる効果を得ることができる。第2絶縁膜の材質は、たとえばSiNx、SiO2(シリコン酸化膜)、SiON(シリコン酸窒化膜)などを用いることができる。第2絶縁膜が窒化絶縁膜上に積層している場合、第2絶縁膜に耐圧を負担させることができるので、窒化絶縁膜の厚みは、半導体層との界面の水素濃度を低くしてフィールドプレート構造の効果が得られるために必要な厚みである0.5nm以上であればよい。つまり、窒化絶縁膜の厚みは0.5nm以上5μm以下とすることができる。
また好ましくは、窒化絶縁膜の屈折率は、1.7以上2.2以下である。屈折率が2.2以下の場合、窒化絶縁膜中の絶縁性が低くなることを抑制できるので、導電性が高くなることを抑制でき、その結果として逆方向リーク電流を抑制できる。屈折率が1.7以上の場合、膜密度の低下を抑制することができるので、窒化絶縁膜の耐圧を向上することができる。
また好ましくは、フィールドプレート電極の、窒化絶縁膜と重なる長さは、1μm以上1mm以下である。上記長さが1μm未満であれば、制御が困難となり、安定してフィールドプレート構造の効果が得られない。また、上記長さが1mm超であれば、フィールドプレート構造による電界緩和自体が得られない。上記長さは、たとえば耐圧1kV設計においては空乏層幅は2μm以上20μm以下に拡がるので、5μm以上40μm以下であればより好ましい。
また好ましくは、上記半導体層において窒化絶縁膜と接触する領域が窒化ガリウム系の化合物である。この場合は、半導体層において窒化絶縁膜と接触する領域に窒化ガリウム系の化合物を適用することにより、逆方向リーク電流が低減し、電界緩和の効果がより顕著に現れる。なお、窒化ガリウム系の化合物とは、たとえばAlxGayIn(1-x-y)N(0≦x<1、0<y≦1)で表される化合物である。
本発明に係るショットキーバリアダイオードの製造方法は、半導体層を形成する工程を備える。また、半導体層上に、開口部の形成された窒化絶縁膜を形成する工程を備える。また、開口部の内部に、半導体層に接触するようにショットキー電極を形成する工程を備える。また、ショットキー電極に接続するとともに窒化絶縁膜に重なるように、フィールドプレート電極を形成する工程を備える。そして、窒化絶縁膜を形成する工程では、主要成分としてアンモニアを含まない原料ガスを用いる。
この場合は、気相成長によって窒化絶縁膜を形成するときの原料ガスとして、水素種発生の主要因であるアンモニアを用いずに、窒化絶縁膜を形成する。これにより、窒化絶縁膜中の水素濃度が低減できる。つまり、窒化絶縁膜形成時の水素種の影響を低減させることができるので、水素が半導体層に取り込まれ、悪影響を及ぼすことを排除することができる。したがって、フィールドプレート構造により大きな電界緩和効果が得られ、逆方向耐電圧を上昇させることができる。この製造方法としては、プラズマCVDを用いて、SiH4(モノシラン)とN2からSiNxを成膜して、窒化絶縁膜を形成する方法が好ましい。
ここで、原料ガスは、主要成分としてアンモニアを含まないものであればよいものとする。原料ガス中に不可避的に低濃度のアンモニアが含まれていても、水素種の発生はごくわずかであるために実質的に影響はない。したがって、不可避的にアンモニアを含むガスも、原料ガスに含まれるものとする。
本発明に係るショットキーバリアダイオードの他の製造方法は、半導体層を形成する工程を備える。また、半導体層上に、開口部の形成された窒化絶縁膜を形成する工程を備える。また、開口部の内部に、半導体層に接触するようにショットキー電極を形成する工程を備える。また、ショットキー電極に接続するとともに窒化絶縁膜に重なるように、フィールドプレート電極を形成する工程を備える。そして、窒化絶縁膜を形成する工程では、窒化絶縁膜を、物理蒸着法を用いて形成する。
この場合は、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどの物理蒸着法を用いて窒化絶縁膜を形成するので、水素種発生の主要因であるアンモニアを用いずに、窒化絶縁膜を形成することができる。これにより、窒化絶縁膜中の水素濃度が低減できる。つまり、窒化絶縁膜形成時の水素種の影響がないので、水素が半導体層に取り込まれ、悪影響を及ぼすことを排除することができる。したがって、フィールドプレート構造により大きな電界緩和効果が得られ、逆方向耐電圧を上昇させることができる。
上記ショットキーバリアダイオードの製造方法において好ましくは、窒化絶縁膜を形成する工程の後、ショットキー電極を形成する工程に先立ち、窒化絶縁膜上に積層するように第2絶縁膜を形成する工程をさらに備える。この場合は、窒化絶縁膜と第2絶縁膜とは、積層構造に形成される。このとき、半導体層との界面に水素濃度の低い窒化絶縁膜を形成すれば、第2絶縁膜中の水素濃度に関わらず、逆方向リーク電流が低減し電界緩和が起こる効果を得ることができる。
本発明のショットキーバリアダイオードでは、フィールドプレート構造によるショットキー電極端の電界集中緩和に基づく逆方向耐電圧上昇の効果が抑制されることなく、逆方向耐電圧が向上している。また、本発明のショットキーバリアダイオードの製造方法では、逆方向耐電圧の向上したショットキーバリアダイオードを、容易に製造することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明のショットキーバリアダイオードの断面図である。図2は、図1に示すショットキーバリアダイオードの斜視図である。図1および図2に示すように、ショットキーバリアダイオード(SBD)1は、半導体層を構成するGaN自立基板2およびGaNエピタキシャル層3を備える。GaNエピタキシャル層3は、GaN自立基板2の表面2a上に形成されている。SBD1はまた、窒化絶縁膜としての絶縁層4を備える。絶縁層4は、主表面としてのGaNエピタキシャル層3の表面3a上に形成されている。
SBD1はさらに、GaNエピタキシャル層3の表面3aに接触するとともに絶縁層4に重なるように形成されている電極5と、GaN自立基板2の裏面2b側に形成されている電極6とを備える。絶縁層4には開口部が形成されており、電極5は絶縁層4の開口部の内部に形成されている。電極5は、たとえば平面形状が円形となるように、形成されている。
電極5は、絶縁層4の開口部の内部においてGaNエピタキシャル層3の表面3aに接触する部分であるショットキー電極と、絶縁層4に重なる部分であるフィールドプレート電極とを含む。フィールドプレート電極と、絶縁層4とは、フィールドプレート構造を形成する。また、上記ショットキー電極は、GaNエピタキシャル層3とショットキー接合を形成する。一方電極6は、GaN自立基板2とオーミック接合を形成する、オーミック電極である。
絶縁層4は、シリコン窒化膜(SiNx)によって形成することができる。また絶縁層4中の水素濃度は、3.8×1022cm-3未満、好ましくは2.0×1022cm-3未満、より好ましくは1.6×1022cm-3以下とすることができる。このように、膜中水素濃度の低いSiNxを、フィールドプレート構造を形成する絶縁膜として適用することができる。この場合、水素濃度の高い絶縁層を用いる場合と比べて、絶縁層形成時に水素種が発生してGaNエピタキシャル層3に悪影響を与えることを抑制できる。そのため、フィールドプレート構造によるショットキー電極端への電界集中の緩和に基づく逆方向耐電圧上昇の効果が抑制されることはない。つまり、SBD1では大きな電界緩和効果が得られ、逆方向耐電圧を上昇させることができる。
絶縁層4の屈折率は、好ましくは1.7以上2.2以下、より好ましくは1.8以上2.1以下である。このような屈折率を有するSiNxを、フィールドプレート構造を形成する絶縁膜として適用することができる。この場合、屈折率が大きくなると、Siがリッチな膜になる。Siがリッチな膜になるということは、Siに近い組成の膜となるので、絶縁物であるSiNxに比べて導電性が高くなる。このため、屈折率が高すぎると、絶縁層4による逆方向リーク電流が発生してしまう。この観点から、本発明者は絶縁層4の屈折率に着目して、逆方向リーク電流の発生を抑制する屈折率を鋭意研究した結果、屈折率が2.2以下の場合に効果的であることを見出した。屈折率が2.1以下の場合、より効果的に逆方向リーク電流の発生を抑制することができる。
一方、本発明者は絶縁層4の膜密度と膜耐圧とに相関関係があることに着目して、膜密度が低いと、膜を構成する物質が密に詰まっていないため屈折率が低くなり、膜耐圧が十分に得られないことを見出した。この観点から、本発明者が鋭意研究した結果、屈折率が1.7のときの膜耐圧は1MV/cmであり、屈折率が1.85のときの膜耐圧は9MV/cmであるという知見を得た。この知見から、屈折率が1.7以上の場合、1MV/cmの膜耐圧を維持することができるため、好ましい。屈折率が1.8以上の場合、膜密度をより向上できるので、膜耐圧をより向上することができる。なお、上記のように屈折率が1.7以上の膜密度の高い絶縁層4が、たとえば平行平板型プラズマCVDにより形成される場合には、200mW/cm2を超える高いプラズマパワー密度を要する。この場合、反応ガスの解離が促進され、SiとNとの結合が促進される。その結果、屈折率が1.7以上の膜密度の高い絶縁層4を実現することができる。
なお、上記「屈折率」は、たとえば分光エリプソメータにより633nmの波長に対して分光エリプソメトリー(偏光解析法)を用いて測定される値である。
GaN自立基板2およびGaNエピタキシャル層3が半導体層を構成している。すなわち、半導体層はGaN基板を含む。GaN自立基板2の転位密度は、1×108cm-2以下であることが望ましい。これにより、GaNエピタキシャル層3の転位密度も、GaN自立基板2と同等で1×108cm-2以下となり、SBD1における逆方向リーク電流が低減し、電界緩和の効果がより顕著に現れる。なお、転位密度は、たとえば溶融KOH中のエッチングによりできるピットの個数を数えて、単位面積で割るという方法によって測定することができる。
また、半導体層はGaNエピタキシャル層3を含む。GaNエピタキシャル層3において電極5のうちのショットキー電極と接触する領域3cの転位密度は、1×108cm-2以下が望ましく、1×106cm-2以下がより望ましい。これにより、上述したように、電界緩和の効果がより顕著に現れる。
また、半導体層において窒化絶縁膜と接触する領域が窒化ガリウム系の化合物である。本実施の形態では、半導体層において絶縁層4と接触しているのはGaNエピタキシャル層3であるので、窒化ガリウム系の化合物としてGaNを用いている。
電極5の材質は、金、プラチナ、ニッケル、パラジウム、コバルト、銅、銀、タングステン、およびチタンからなる群より選ばれた少なくとも一種の物質を含むことが望ましい。電極5の、GaNエピタキシャル層3の表面3aに接触する部分は、ショットキー電極であるために、ショットキー電極の材質として上記材料を用いることになる。これにより、低リーク電流を実現できる。
図1に、絶縁層4の厚みを寸法tとして示す。絶縁層4の厚み(寸法t)は、10nm以上5μm以下であることが望ましい。絶縁層4の厚み(寸法t)が10nm未満であれば、絶縁層4の耐圧が低く、絶縁層4が先に破壊されてフィールドプレート構造の効果は得られない。また、絶縁層4の厚みが5μm超であれば、フィールドプレート構造による電界緩和自体が得られない。
また、図1に示す寸法Lは、フィールドプレート長を示す。フィールドプレート長とは、フィールドプレート電極が絶縁層4と重なる長さである。本実施の形態の場合、フィールドプレート長とは、図1に示すような、SBD1の、平面形状円形の電極5の中心を通る断面において、フィールドプレート電極が絶縁層4と重なっている長さである。つまり、絶縁層4の開口部の平面形状が円形状であって、電極5の一部であるショットキー電極の平面形状が円形である場合、フィールドプレート長とは、ショットキー電極の半径方向における、フィールドプレート電極が絶縁層4と重なる長さである。
換言すると、フィールドプレート長とは、ショットキー電極の平面形状に対する重心と、当該平面形状の外周部上のある一点と、を結ぶような直線の方向において、フィールドプレート電極が絶縁層と重なっている長さをいう。このようなフィールドプレート長は、1μm以上1mm以下であることが望ましい。フィールドプレート長が1μm未満であれば、制御が困難となり、安定してフィールドプレート構造の効果が得られない。また、フィールドプレート長が1mm超であれば、フィールドプレート構造による電界緩和自体が得られない。
次に、SBD1の製造方法について説明する。図3は、ショットキーバリアダイオードの製造方法の各工程を示す流れ図である。図1〜図3を参照して、本発明のショットキーバリアダイオードの製造方法について説明する。
まず、図3に示す工程(S10)において、GaN自立基板2を形成する。具体的には、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy、ハイドライド気相成長法)で作製された、n導電型の、(0001)面GaN自立基板2を準備する。GaN自立基板2のキャリア濃度はたとえば3×1018cm-3であり、厚みはたとえば400μmであり、平均転位密度はたとえば1×106cm-2である。次に工程(S20)において、エピタキシャル膜を形成する。具体的には、GaN自立基板2上に、キャリア密度がたとえば5×1015cm-3であり厚みがたとえば7μmであるn導電型エピタキシャル膜を、OMVPE(Organo-Metallic Vapor Phase Epitaxy、有機金属気相成長)法により成長して、GaNエピタキシャル層3を作製する。この工程(S10)および工程(S20)により、GaN自立基板2と、GaNエピタキシャル層3とを含む半導体層を形成することができる。
次に工程(S30)において、窒化絶縁膜を形成する。具体的には、GaNエピタキシャル層3上に、絶縁層4としてSiNxを、プラズマCVDによりNH3(アンモニア)を用いずにSiH4、N2(窒素)から成膜する。つまり、主要成分としてNH3を含まない原料ガスを用いて、絶縁層4を形成する。絶縁層4の膜厚(寸法t)は、たとえば約100nmである。次に工程(S40)において、オーミック電極を形成する。具体的には、GaN自立基板2の裏面2bを有機洗浄および塩酸洗浄した後に、Ti/Al/Ti/Au(20nm/100nm/20nm/200nm)を、EB(Electron Beam)蒸着法を用いて裏面2bの全体に形成する。その後、窒素雰囲気下で約2分間600℃に加熱し、合金化を行ない、オーミック電極としての電極6を形成する。
次に工程(S50)において、窒化絶縁膜のエッチングを行なう。具体的には、フォトリソグラフィーにより、絶縁層4上にパターニングを行なう。その後、BHF(Buffered Hydrogen Fluoride、バッファードフッ酸)により、絶縁層4のウェットエッチングを行なう。その後、有機洗浄によってレジストの除去を行なう。このようにして絶縁層4をエッチングし、絶縁層4に開口部を形成する。この時点で、開口部ではGaNエピタキシャル層3が露出している。開口部はたとえば、その側面が、直径の最大値が200μmである円錐台の円錐面形状をなすように、形成することができる。
次に工程(S60)において、ショットキー電極およびフィールドプレート電極を形成する。具体的には、フォトリソグラフィーによりパターニングを行なう。続いて、塩酸洗浄によるGaNエピタキシャル層3の表面処理を、室温で3分間行なった後、電極材料としてNi/Au(80nm/300nm)を、EB蒸着法と抵抗加熱蒸着法とにより形成する。その後レジストを除去する際に、レジスト上に成膜された電極材料は同時に除去され(リフトオフ)、電極5が形成される。電極5の形状は、絶縁層4に形成された開口部よりも直径の大きい形状とすることができ、たとえば平面形状が直径220μmの円形となるように形成することができる。
これにより、絶縁層4の開口部の内部においてGaNエピタキシャル層3の表面3aに接触する部分であるショットキー電極と、ショットキー電極に接続するとともに絶縁層4に重なる部分であるフィールドプレート電極と、が形成される。つまり、電極5の直径が、絶縁層4に形成された開口部の直径よりも大きいために、絶縁層4上に電極5の一部が重なって、フィールドプレート電極となるようになっている。
以上の製造方法によって、図1および図2に示すSBD1を製造することができる。このSBD1の製造方法では、絶縁層4を形成する工程(S30)において、水素種発生の主要因であるアンモニアを用いずに、絶縁層4を形成している。これにより、絶縁層4中の水素濃度が低減できる。つまり、絶縁層4形成時の水素種のGaNエピタキシャル層3への影響を低減させることができるので、水素がGaNエピタキシャル層3に取り込まれ、悪影響を及ぼすことを排除することができる。したがって、フィールドプレート構造により大きな電界緩和効果が得られ、逆方向耐電圧を上昇させることができる。
ここで、窒化絶縁膜を形成する工程(S30)では、絶縁層4を、物理蒸着法(PVD、Physical Vapor Deposition)を用いて形成してもよい。PVDとしては、たとえば、真空蒸着やイオンプレーティングなどの蒸発系PVD、スパッタリングなどを用いることができる。PVDでは、気相中でGaNエピタキシャル層3の表面に物理的手法により絶縁層4を形成する物質の薄膜を堆積させるので、水素種発生の主要因であるアンモニアを用いずに、絶縁層4を形成することができる。したがって、上記と同様に、水素がGaNエピタキシャル層3に取り込まれ、悪影響を及ぼすことを排除することができるので、フィールドプレート構造により大きな電界緩和効果が得られ、逆方向耐電圧を上昇させる効果が得られる。
また、上記のSBDの製造方法においては、工程(S60)においてショットキー電極およびフィールドプレート電極を同時に形成する例を説明したが、ショットキー電極を形成する工程の後にフィールドプレート電極を形成する工程を設けてもよい。つまり、図1および図2を参照して、絶縁層4に形成された開口部の内部に、GaNエピタキシャル層3に接触するようにショットキー電極を形成し、続いて、ショットキー電極に接続するとともに絶縁層4に重なるように、フィールドプレート電極を形成してもよい。この場合、フィールドプレート電極は、ショットキー電極と同じ材質で形成してもよい。または、絶縁層4との接着性のよい材料など、ショットキー電極の材質と異なる材料を用いて、フィールドプレート電極を形成しても構わない。
また、本実施の形態では、半導体層としてGaN自立基板2とGaNエピタキシャル層3とを含む構造を例に挙げて説明したが、本発明は特にこれに限定されない。半導体層として、GaN自立基板2を含んでいなくてもよく、GaN自立基板2の代わりに他の基板を用いてもよい。
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2のショットキーバリアダイオードの断面図である。実施の形態2のSBD11と、上述した実施の形態1のSBD1とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態2では、絶縁層14、17の構成が図4に示すような構成となっている点で実施の形態1とは異なっている。
具体的には、図4に示すように、窒化絶縁膜としての絶縁層14は、GaNエピタキシャル層3の表面3a上に形成されている。第2絶縁膜としての絶縁層17は、絶縁層14上であってフィールドプレート電極の下に形成されている。つまり、絶縁層14および絶縁層17は、積層構造を成している。フィールドプレート電極は、絶縁層17を介在させて、窒化絶縁膜としての絶縁層14上に形成されており、絶縁層14とともにフィールドプレート構造を構成している。
絶縁層14は、実施の形態1の絶縁層4と同様に、プラズマCVDによりNH3を用いずにSiH4、N2から成膜されたSiNxである。つまり絶縁層14は、主要成分としてNH3を含まない原料ガスを用いて、形成されている。絶縁層14の膜厚は、0.5nm以上5μm以下とすることができ、たとえば約100nmである。一方、絶縁層17は、NH3を用いたプラズマCVDにより成膜されたSiNxである。絶縁層17の膜厚は、たとえば約200nmである。
実施の形態2の構成によれば、絶縁層17中の水素濃度は比較的高いものの、主要成分としてNH3を含まない原料ガスを用いて成膜されている絶縁層14中の水素濃度は3.8×1022cm-3未満と低くすることができる。つまり、図4に示すSBD11では、GaNエピタキシャル層3との界面に水素濃度の低い絶縁層14が形成されている。絶縁層17中の水素濃度に関わらず、絶縁層17の形成時には絶縁層14が形成されているので、GaNエピタキシャル層3への水素の侵入を防止できる。その結果SBD11では、逆方向リーク電流が低減し電界緩和が起こる効果を得ることができる。SBD11のその他の構成については、実施の形態1のSBD1において説明した通りであるので、その説明は繰り返さない。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3におけるショットキーバリアダイオードの断面図である。実施の形態3のSBD21と、上述した実施の形態1のSBD1とは基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態3では、半導体層の構成が図5に示すような構成となっている点で実施の形態1とは異なっている。
具体的には、図5に示すように、SBD21の半導体層は、支持基板23と、GaN下地層22と、GaNエピタキシャル層3とを含んでおり、GaN自立基板を含んでいない。GaNエピタキシャル層3においてショットキー電極と接触する領域3cの転位密度は、好ましくは1×108cm-2以下であり、より好ましくは1×106cm-2以下である。
支持基板23は、導電性の基板である。この支持基板23上にGaN下地層22が形成されている。このGaN下地層22上にGaNエピタキシャル層3が形成されている。なお、支持基板23とGaN下地層22とは、オーミック接触している。また、支持基板23が金属の場合、オーミック電極6は省略されてもよい。その他の構成については、実施の形態2と同様であるので、その説明は繰り返さない。
なお、GaNエピタキシャル層3の転位密度は領域3cと同じであっても異なっていてもよい。その他の構成については、実施の形態1と同様であるので、その説明は繰り返さない。
次に、SBD21の製造方法について説明する。図6は、本発明の実施の形態3におけるショットキーバリアダイオードの製造方法の各工程を示す流れ図である。本実施の形態におけるSBD21の製造方法は、基本的には実施の形態1におけるSBD1の製造方法と同様の構成を備えているが、貼り合わせ基板を形成するための工程をさらに備えている点において異なる。
具体的には、実施の形態1の工程(S10)と同様に、GaN自立基板2を準備する。次に、工程(S71)で、GaN自立基板2の表面または裏面から不純物をイオン注入する。これにより、GaN自立基板2の表面または裏面近傍に不純物を多く含む層が形成される。次に、工程(S72)で、イオン注入した面と支持基板23とを貼り合わせる。次に、工程(S73)で、GaN自立基板2と支持基板23とが貼り合わされた状態で熱処理する。これにより、GaN自立基板2における不純物を多く含む領域を境界として、分割される。その結果、支持基板23と、支持基板23上にGaN自立基板2よりも薄いGaN下地層22が形成された貼り合わせ基板を作成することができる。
次に、工程(S20)では、GaN下地層22上にGaNエピタキシャル層3を形成する。このGaNエピタキシャル層3において後述するショットキー電極と接触する領域の転位密度は、1×108cm-2以下であることが好ましい。
次に、実施の形態1と同様に、絶縁層形成工程(S30)、オーミック電極形成工程(S40)、絶縁層エッチング工程(S50)、ショットキー電極およびフィールドプレート電極形成工程(S60)を実施する。
以上の工程(S10〜S73)を実施することにより、図5に示すショットキーバリアダイオード21を製造することができる。
なお、本実施の形態では、GaN自立基板2を用いてGaN下地層22を形成し、さらにGaN下地層22を用いてGaNエピタキシャル層3を形成したが、特にこれに限定されない。
実施の形態3の構成によれば、半導体層はGaN自立基板を含んでいない。つまり、高価なGaN自立基板2の一部のみを使用している。このためGaN自立基板2の残部を再利用できるので、製造コストを低減することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。実施の形態1および実施の形態2で説明したSBD1、11を作製し、逆方向耐電圧を測定する実験を行なった。なお、SBD1の具体的な製造方法およびサイズなどの特性は、実施の形態1で説明した通りである。
一方SBD11の具体的な製造方法では、図3に示す窒化絶縁膜を形成する工程(S30)において、NH3を用いずにSiH4、N2からプラズマCVDによりSiNxを100nm成膜して絶縁層14を形成した。続いてSiH4、NH3、H2からプラズマCVDによりSiNxを200nm成膜して絶縁層17を形成した。つまり、絶縁層17は、窒化絶縁膜を形成する工程(S30)の後、ショットキー電極を形成する工程(S60)に先立ち、絶縁層14上に積層するように形成された。エッチングする工程(S50)では、絶縁層14と絶縁層17とのいずれもがエッチングされ、GaNエピタキシャル層3が露出するように開口部が形成された。SBD11のその他の製造工程およびサイズなどの特性は、SBD1と同様である。
また比較例として、従来のNH3を用いたプラズマCVDによって、比較例としてのSBDを作製した。比較例としてのSBDの具体的な製造方法では、図3に示す絶縁層を形成する工程(S30)において、NH3を用いてSiH4、NH3、H2からプラズマCVDによりSiNxを100nm成膜して絶縁層を形成した。比較例としてのSBDのその他の製造工程およびサイズなどの特性は、SBD1と同様である。
各SBDについて、逆方向耐電圧の測定を実施した。また、各SBDの絶縁層中水素濃度の測定も実施した。水素濃度の測定方法としては、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry、二次イオン質量分析)を用いた。
その結果、逆方向耐電圧は、本発明の実施例であるSBD1およびSBD11ではいずれも400Vであったのに対し、比較例としてのSBDでは200Vであった。
また、絶縁層中水素濃度は、SBD1では1.6×1022cm-3であった。SBD11では、1層目の絶縁層では1.6×1022cm-3、2層目の絶縁層では3.8×1022cm-3であった。比較例としてのSBDでは、3.8×1022cm-3であった。
以上のように、本発明のSBDでは窒化絶縁膜中の水素濃度が低いために、水素濃度の高い窒化絶縁膜を用いる比較例としてのSBDと比べて、逆方向耐電圧は2倍となり大きく増加していた。したがって、本発明のSBDでは、窒化絶縁膜中の水素濃度が低減されている、つまり窒化絶縁膜形成時に水素が半導体層に取り込まれる悪影響が排除されているために、フィールドプレート構造により大きな電界緩和効果が得られ、逆方向耐電圧を上昇させることができることが示された。また、窒化絶縁膜と第2絶縁膜とを積層構造とした場合、半導体層との界面に水素濃度の低い窒化絶縁膜を形成すれば、同様の効果が得られることが明らかとなった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のショットキーバリアダイオードの断面図である。 図1に示すショットキーバリアダイオードの斜視図である。 ショットキーバリアダイオードの製造方法の各工程を示す流れ図である。 実施の形態2のショットキーバリアダイオードの断面図である。 実施の形態3におけるショットキーバリアダイオードの断面図である。 実施の形態3におけるショットキーバリアダイオードの製造方法の各工程を示す流れ図である。
符号の説明
1,11,21 ショットキーバリアダイオード、2 GaN自立基板、2a 表面、2b 裏面、3 GaNエピタキシャル層、3a 表面、3c 領域、4,14,17 絶縁層、5,6 電極、22 下地層、23 支持基板。

Claims (14)

  1. 主表面を有する半導体層と、
    前記主表面上に形成され、開口部が形成されている窒化絶縁膜と、
    前記開口部の内部に、前記主表面に接触するように形成されたショットキー電極と、
    前記ショットキー電極に接続するとともに、前記窒化絶縁膜に重なるように形成された、フィールドプレート電極と、を備え、
    前記窒化絶縁膜中の水素濃度は、3.8×1022cm-3未満である、ショットキーバリアダイオード。
  2. 前記半導体層は、窒化ガリウム基板を含む、請求項1に記載のショットキーバリアダイオード。
  3. 前記窒化ガリウム基板の転位密度は、1×108cm-2以下である、請求項2に記載のショットキーバリアダイオード。
  4. 前記半導体層において前記ショットキー電極と接触する領域の転位密度は、1×108cm-2以下である、請求項1から請求項3のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード。
  5. 前記ショットキー電極の材質は、金、プラチナ、ニッケル、パラジウム、コバルト、銅、銀、タングステン、およびチタンからなる群より選ばれた少なくとも一種の物質を含む、請求項1から請求項4のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード。
  6. 前記窒化絶縁膜の厚みは、10nm以上5μm以下である、請求項1から請求項5のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード。
  7. 前記窒化絶縁膜上に形成された、第2絶縁膜をさらに備える、請求項1から請求項5のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード。
  8. 前記窒化絶縁膜の厚みは、0.5nm以上5μm以下である、請求項7に記載のショットキーバリアダイオード。
  9. 前記窒化絶縁膜の屈折率は、1.7以上2.2以下である、請求項1から請求項8のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード。
  10. 前記フィールドプレート電極の、前記窒化絶縁膜と重なる長さは、1μm以上1mm以下である、請求項1から請求項9のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード。
  11. 前記半導体層において前記窒化絶縁膜と接触する領域が窒化ガリウム系の化合物である、請求項1から請求項10のいずれかに記載のショットキーバリアダイオード。
  12. 半導体層を形成する工程と、
    前記半導体層上に、開口部の形成された窒化絶縁膜を形成する工程と、
    前記開口部の内部に、前記半導体層に接触するようにショットキー電極を形成する工程と、
    前記ショットキー電極に接続するとともに前記窒化絶縁膜に重なるように、フィールドプレート電極を形成する工程と、を備え、
    前記窒化絶縁膜を形成する工程では、主要成分としてアンモニアを含まない原料ガスを用いる、ショットキーバリアダイオードの製造方法。
  13. 半導体層を形成する工程と、
    前記半導体層上に、開口部の形成された窒化絶縁膜を形成する工程と、
    前記開口部の内部に、前記半導体層に接触するようにショットキー電極を形成する工程と、
    前記ショットキー電極に接続するとともに前記窒化絶縁膜に重なるように、フィールドプレート電極を形成する工程と、を備え、
    前記窒化絶縁膜を形成する工程では、前記窒化絶縁膜を、物理蒸着法を用いて形成する、ショットキーバリアダイオードの製造方法。
  14. 前記窒化絶縁膜を形成する工程の後、前記ショットキー電極を形成する工程に先立ち、前記窒化絶縁膜上に積層するように第2絶縁膜を形成する工程をさらに備える、請求項12または請求項13に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
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