JP2009074644A - オイルシール - Google Patents
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Abstract
【課題】金属環1の外周面を固定シール部5から露出させた構造を有するオイルシールにおいて、金属環1の防錆の信頼性を向上させ、しかも金属環1を製造する際の加工性の悪化を防止する。
【解決手段】シールリップ2及びその外周側の固定シール部5が、金属環1にゴム状弾性材料によって一体的に成形され、前記金属環1は表面が防錆処理された鋼板からなるものであって、その外周面11aが前記固定シール部5から露出しており、金属環1の露出部による固定力と、固定シール部5による密封性の確保を両立すると共に、防錆を図る。
【選択図】図1
【解決手段】シールリップ2及びその外周側の固定シール部5が、金属環1にゴム状弾性材料によって一体的に成形され、前記金属環1は表面が防錆処理された鋼板からなるものであって、その外周面11aが前記固定シール部5から露出しており、金属環1の露出部による固定力と、固定シール部5による密封性の確保を両立すると共に、防錆を図る。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車や一般機械、産業機械等において、回転体の外周を密封するのに用いられるオイルシールに関する。
図3は、従来の技術によるオイルシール100を、その軸心を通る平面で切断して示す片側断面図である。この種のオイルシール100は、図3に示されるように、ゴム状弾性材料で環状に成形されたものであって、不図示の軸孔ハウジングの内周面に密嵌される固定シール部101と、その内周側で不図示の回転軸の外周面に摺動可能に密接されるシールリップ103が、中間径方向部102を介して互いに連続して形成されており、固定シール部101から中間径方向部102にかけて、補強用の金属環104が一体的に埋設されている。また、シールリップ103の外周は円周方向に連続した溝状に形成され、シールリップ103の永久変形に起因する緊迫力の低下を補い、回転軸に対する径方向追随性を確保するためのガータスプリング105が嵌着されている。
すなわちこのオイルシール100は、固定シール部101が、不図示の軸孔ハウジングの内周面に圧入嵌着され、シールリップ103の先端内周部が、前記軸孔ハウジングに挿通された不図示の回転軸の外周面に摺動可能に密接されることによって軸封機能を奏し、シールリップ103が向いた側の密封対象流体(油)が軸周から機外へ漏洩するのを阻止するものである(例えば下記の特許文献1参照)。
しかし、図示の例のようにゴム状弾性材料からなる固定シール部101においてハウジングの内周面に嵌着されるものは、ゴム状弾性材料が脆化する低温域では圧縮反力が低下するので、ハウジングに対する固定が固定シール部101の嵌着力にのみ依存されるものの場合は、機内の圧力上昇などによってオイルシール100が機外側へ移動し、脱落するおそれがある。
また、ハウジングとの間の良好な密封性を確保したままハウジングに対する固定力を増大させるには、下記の特許文献2のように、金属環の外周面を固定シール部から露出させた構造として、金属環の外周面と、ゴム状弾性材料からなる固定シール部の双方を、ハウジングの内周面に圧接させるようにすることが有効であるが、この場合は、錆に対する金属環の信頼性の低下が懸念される。
金属環の錆対策には、金属環の材料としてSUS材(ステンレス鋼)を用いることが有効であるが、SUS材は加工性が悪く、しかも製環過程で金属環の外周面が傷つきやすく、固定シール部の存在によって、研磨加工による傷の修復も困難であるため、特許文献2のようなタイプのオイルシールの金属環にSUS材を使用することには問題があった。
特開2002−206644号公報
特開2004−19865号公報
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題とするところは、金属環の外周面を固定シール部から露出させた構造を有するオイルシールにおいて、金属環の防錆の信頼性を向上させ、しかも金属環を製造する際の加工性の悪化を防止することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、本発明に係るオイルシールは、シールリップ及びその外周側の固定シール部が、金属環にゴム状弾性材料によって一体的に成形され、前記金属環は表面が防錆処理された鋼板からなるものであって、その外周面が前記固定シール部から露出してなるものである。
発明の構成において一層好ましくは、防錆処理された鋼板が、メッキ鋼板であり、母材が冷間圧延鋼板からなるものである。
本発明に係るオイルシールによれば、金属環が防錆処理された鋼板からなるため、固定シール部から露出させた外周面の防錆の信頼性が高いものとし、金属環の露出部による固定力と、固定シール部による密封性の確保を両立した構造とすることができる。
また、防錆処理された鋼板が、メッキ鋼板であることによって、防錆の信頼性が高いものと金属環の母材を冷間圧延鋼板からなるものとすることによって、冷間加工等により金属環を製作する際の良好な加工性を確保することができる。
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るオイルシールの好ましい実施の形態を、軸心を通る平面で切断して示す片側断面図、図2は、図1のオイルシールに使用される金属環を、軸心を通る平面で切断して示す片側断面図である。
図1に示されるオイルシールは、金属環1に、シールリップ2、ダストリップ3及び固定シール部5が一体的に設けられたものである。シールリップ2、ダストリップ3及びその外周側の固定シール部5は、ゴム状弾性材料からなるものであって、金属環1に一体に加硫接着された基部4を介して互いに連続している。また、シールリップ2の先端近傍の外周面にはガータスプリング6が装着されている。
このうち、金属環1はプレス成形品であって、図2に示されるように、SPCCなどの冷間圧延鋼板からなる母材1aに表面処理1bによる防錆加工を施した材料からなり、外周筒部11と、その先端側に適宜小径に絞って形成された固定シール支持部12と、その反対側の端部から内周側へ延びる内向き鍔部13とを有する。
シールリップ2は、金属環1の内向き鍔部13の内周位置に達する基部4の内周端4aから、金属環1の固定シール支持部12が向いた方向(装着状態において機内側となる方向)へ延び、先端2a近傍の内周に、不図示の回転軸の外周面と摺動可能に密接される円周方向へ延びる断面山形のリップエッジ21が形成され、このリップエッジ21の前記先端2aと反対側の斜面(円錐面)2bには、前記回転軸の回転によってその周囲の流体をシールリップ2の先端2aが向いた方向(機内側)へ押し出す螺子ポンプ力を発生する多数の螺子突条22が形成されている。
ダストリップ3は、金属環1の内向き鍔部13の内周位置に達する基部4の内周端4aから、シールリップ2と反対側(装着状態において機外側となる方向)へ延び、その先端内周部が、不図示の回転軸の外周面に摺動可能に密接又は僅かな隙間をもって近接されるようになっている。
基部4は、金属環1の内向き鍔部13を被包すると共にこの内向き鍔部13から外周筒部11及び固定シール支持部12の内周面に接合された状態で延び、固定シール部5は、前記基部4から前記固定シール支持部12の外周側へ廻り込んだ部分に形成されている。したがって、金属環1の内向き鍔部13は基部4に被包され、金属環1の固定シール支持部12は基部4と固定シール部5に被包されているのに対し、金属環1の外周筒部11は、内周面が基部4に被包されている一方、外周面11aが露出した状態となっている。
ガータスプリング6は、金属製のコイルスプリングを環状に繋げたものであって、シールリップ2における先端2a近傍の外周面に形成された環状溝に嵌着されている。
以上のように構成されたオイルシールの製造においては、まず、表面に予め防錆のための表面処理1bを行った例えばSPCCなどの冷間圧延鋼板を、図2に示される形状に塑性加工するか、前記SPCCなどの冷間圧延鋼板を、図2に示される形状に塑性加工した後でその表面に防錆のための表面処理1bを行うことによって、金属環1を得る。SPCCなどの冷間圧延鋼板は、SUS材(ステンレス鋼)に比較して加工性が良いため、図2に示される形状に容易に加工することができる。
防錆のための表面処理1bとしては、リン酸塩皮膜処理、黒色クロメート処理、有色クロメート処理、ユニクロ処理、亜鉛メッキ処理、溶解亜鉛−Al−Mg合金メッキ処理などが考えられる。このうち、メッキ処理以外の表面処理の中では、コストや防錆の信頼性を考慮した場合、有色クロメート処理が好ましい。
また、更に防錆性を向上させるためには、溶解亜鉛−Al−Mg合金メッキ鋼板を用いることが好ましい。溶解亜鉛−Al−Mg合金メッキ鋼板は、通常の亜鉛メッキに比較して、メッキ皮膜が硬いため、傷付きによる剥離や錆の進行を抑える事ができる。しかも、図2に示される形状に塑性加工した後でその表面に亜鉛メッキ等を行う場合に比較して、製環の際の打ち抜き部(固定シール支持部12の先端面12a及び内向き鍔部13の内周端面13a)の接着性が向上する。すなわち、すでに溶解亜鉛−Al−Mg合金によるメッキ処理がなされたメッキ鋼板を用いれば、プレスでの打ち抜き加工によって前記端面12a,13aには、ゴムとの接着性の良くないメッキ層が存在しないため、この部分ではメッキなしの鋼板と同等の接着性を確保することができる。
次に、上述のようにして製作された金属環1に加硫接着剤を塗布して乾燥した後、これを不図示のゴム加硫成形用金型内に位置決めセットして型締めし、前記金型と金属環1との間に画成された成形用キャビティ内に、未加硫ゴム材料を充填し、加熱・加圧することによって、シールリップ2、ダストリップ3、基部4及び固定シール部5を加硫成形と同時に金属環1へ加硫接着する。そしてこれによって、図1に示されるオイルシールを得ることができる。
そしてこのオイルシールは、シールリップ2が機内側を向くように不図示のハウジングの内周に組み込まれて、シールリップ2におけるリップエッジ21が、回転軸の外周面に摺動可能に密接されることによって、機内の密封対象油が軸周から機外側へ漏洩するのを防止し、ダストシール3によって、機外の大気中の異物が、機内へ侵入するのを防止するものである。
この装着状態においては、金属環1の外周筒部11の外周面がハウジングの内周面と金属嵌合しているので、抜け方向への荷重に対する大きな固定力が得られると共に、ゴム状弾性材料からなる固定シール部5がハウジングの内周面と適当なつぶし代をもって密接しているので、ハウジングとの間の良好な密封性が確保される。しかも、金属環1は、メッキ皮膜によって防錆されているので、ゴム状弾性材料からなる基部4及び固定シール部5から露出した外周筒部11の外周面に錆が発生したり、それに起因してゴム状弾性材料の剥離が生じるのを有効に防止することができる。
1 金属環
1a 母材
1b 表面処理
11 外周筒部
11a 外周面
12 固定シール支持部
13 内向き鍔部
2 シールリップ
3 ダストリップ
4 基部
5 固定シール部
6 ガータスプリング
1a 母材
1b 表面処理
11 外周筒部
11a 外周面
12 固定シール支持部
13 内向き鍔部
2 シールリップ
3 ダストリップ
4 基部
5 固定シール部
6 ガータスプリング
Claims (3)
- シールリップ及びその外周側の固定シール部が、金属環にゴム状弾性材料によって一体的に成形され、前記金属環は表面が防錆処理された鋼板からなるものであって、その外周面が前記固定シール部から露出してなることを特徴とするオイルシール。
- 防錆処理された鋼板が、メッキ鋼板であることを特徴とする請求項1に記載のオイルシール。
- 金属環の母材が冷間圧延鋼板からなるものであることを特徴とする請求項1に記載のオイルシール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007245459A JP2009074644A (ja) | 2007-09-21 | 2007-09-21 | オイルシール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007245459A JP2009074644A (ja) | 2007-09-21 | 2007-09-21 | オイルシール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009074644A true JP2009074644A (ja) | 2009-04-09 |
Family
ID=40609813
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007245459A Withdrawn JP2009074644A (ja) | 2007-09-21 | 2007-09-21 | オイルシール |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2009074644A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20150003146A (ko) * | 2012-04-27 | 2015-01-08 | 엔오케이 가부시키가이샤 | 밀봉장치 |
-
2007
- 2007-09-21 JP JP2007245459A patent/JP2009074644A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20150003146A (ko) * | 2012-04-27 | 2015-01-08 | 엔오케이 가부시키가이샤 | 밀봉장치 |
KR101955406B1 (ko) | 2012-04-27 | 2019-03-07 | 엔오케이 가부시키가이샤 | 밀봉장치 |
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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