JP2009074356A - 開閉部材制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両のドアに配設される開閉部材、駆動部、挟み込み検出部を備えた開閉部材制御装置に関する。
挟み込み検出部は、異物の挟み込み量を算出する挟み込み量算出手段と、挟み込み量算出手段が挟み込み量を算出する以前の挟み込み量を推定する挟み込み量推定手段と、挟み込み量算出手段によって算出された挟み込み算出量と挟み込み量推定手段によって推定された挟み込み推定量に基づいて異物の挟み込みを確定する挟み込み判定手段と、ドアの開閉状態を検知するドア開閉状態検知手段とを備え、挟み込み量推定手段は、開閉部材の閉駆動中に外乱発生の有無を判定し、発生した外乱に応じて挟み込み推定量を補正するとともに、ドアの開閉状態に応じて挟み込み量を補正する。
【選択図】図1
Description
この制御の例として、ウインドウに掛かる負荷荷重に対応して検出される検出データ(例えば、ウインドウ駆動モータ回転速度等)に対して閾値を設定し、この閾値をもとに挟み込み検出するものが知られている。
しかし、従来の検出方法では、挟み込み荷重が増加していることが、レギュレータ等の弾性体を介して伝達されるため、モータ回転周期・速度等が同時に変化せず検出に遅れが生じて検出荷重が大きくなり、挟み込まれたものに大きなダメージを与える恐れがあった。
このような問題を解決するために、本願出願人は、挟み込みが検出された際に、その検出の遅れをモータ回転速度の変動開始位置に補正する技術を提案している(例えば、特許文献1参照)。
つまり、挟み込み量検出手段によっては直接検出されない挟み込み量を、挟み込み量推定手段により推定しており、この挟み込み量検出手段によって検出された挟み込み量と、挟み込み量推定手段により推定された挟み込み量とに基づいて、挟み込み判定手段が挟み込みを確定するように構成されている。
これにより、挟み込みを確実に検出することができるとともに、挟み込み推定量の分だけ早期に挟み込みを検出することができ、異物が長期間挟み込み状態に保持されることを回避することができる。
前記挟み込み量推定手段は、前記開閉部材の閉駆動中に外乱発生の有無を判定し、外乱が有と判定した場合には、検知した外乱に応じて前記挟み込み推定量を補正するとともに、前記ドアの開閉状態に応じて前記挟み込み量算出手段にて算出された前記挟み込み量を補正することにより解決される。
このため、推定された挟み込み量を加味することにより、挟み込み判定が過敏になりすぎることを防止し、挟み込みの誤検出を防止することができる。
つまり、外乱により生じる誤差により、挟み込み判定手段が挟み込み有りと誤った判断を行うことを有効に防止することができる。
更に、本発明においては、ドアの開閉状態に応じて挟み込み量算出手段にて算出された挟み込み量を補正するよう構成される。
このため、ドアの開閉状態による生じる誤差を考慮することができ、誤検知を有効に防止することができる。
また、窓ガラス上昇中に外乱が生じた場合(例えば、車両ドアの閉動作を行った場合)であっても、荷重検出の遅れを補正することができる。
これにより、外乱発生(例えば、車両ドアの開閉動作状態)の有無に関わらず、開閉部材の挟み込み検出を確実に実行することができる。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、ウインドウガラス上昇中に外乱が生じた場合(例えば、車両ドアの開閉動作が行われた場合)、その外乱に応じて荷重検出の遅れを補正することによって、外乱の有無に関わらず、ウインドウガラスの挟み込み誤検出を確実に防止することができる開閉部材制御装置に関するものである。
図1に本実施形態に係るパワーウインドウ装置1の説明図、図2にその電気構成図を示す。
本実施形態に係るパワーウインドウ装置1は、車両Sのドア10に配設される開閉部材としてのウインドウガラス11をモータ20の回転駆動により昇降(開閉)作動させるものである。パワーウインドウ装置1は、ウインドウガラス11を開閉駆動する昇降機構2と、昇降機構2の作動を制御するための制御部3と、乗員が作動を指令するための操作スイッチ4を主要構成要素としている。
本実施形態に係る昇降機構2は、ドア10に固定された減速機構を有するモータ20と、モータ20に駆動される扇形状のギヤ21aを備えた昇降アーム21と、昇降アーム21とクロスして枢支される従動アーム22と、ドア10に固定された固定チャンネル23およびウインドウガラス11と一体のガラス側チャンネル24とを主要構成要素としている。
本実施形態に係る回転検出装置25は、モータ20の出力軸と共に回動するマグネットの磁気変化を複数のホール素子で検出するように構成されている。
このような構成により、回転検出装置25は、モータ20の回転に同期したパルス信号を出力する。
すなわち、パルス信号は、ウインドウガラス11の所定移動量毎もしくはモータ20の所定回転角毎に出力される。
これにより、回転検出装置25は、モータ20の回転速度に略比例するウインドウガラス11の移動に応じた信号を出力可能である。
制御部3は、このパルス信号によって、ウインドウガラス11の昇降位置を算出する。
また、この制御部3は、パルス信号の間隔によってモータ20の回転速度、またはこれに対応するウインドウガラス11の昇降速度を算出することができる。
本実施形態に係るコントローラ31は、CPU、ROM,RAM等の不図示のメモリ、入力回路、出力回路等を備えるマイクロコンピュータで構成されている。CPUは、不図示のメモリ、入力回路及び出力回路は、バスを介して互いに接続されている。なお、これに限らず、コントローラ31をDSPやゲートアレイで構成してもよい。
また、コントローラ31は、回転検出装置25からパルス信号を受け取り、このパルス信号に基づいてウインドウガラス11の上端部と窓枠との間における異物の挟み込みの検出が可能となっている。異物の挟み込みが検出された場合には、コントローラ31は、駆動回路32を介してモータ20を開方向へ回転させて、ウインドウガラス11を開駆動する。
また、コントローラ31には、ドア開閉信号6が入力される。
このドア開閉信号6は、ドアのカーテシスイッチ等から発信される信号であり、このドア開閉信号6に基づいて、コントローラ31は、ドアの開閉状態を判断する。
このドア開閉信号6は、後述する挟み込みの開始が判定される以前の遅れ期間Tdにおける挟み込み推定量を加味した回転速度ωの変動量Sの補正処理において、使用される。
この処理については、後に詳述する。
すなわち、駆動回路32は、コントローラ31から正回転指令信号を受けたときは、モータ20を正回転方向に回転させるようにモータ20へ電力を供給し、コントローラ31から逆回転指令信号を受けたときは、モータ20を逆回転方向に回転させるようにモータ20へ電力を供給する。
なお、駆動回路32は、リレー回路を用いて極性を切換えるように構成してもよい。また、駆動回路32がコントローラ31内に組み込まれた構成であってもよい。
つまり、コントローラ31は、モータ20の回転速度(回転周期)に基づいてウインドウガラス11の移動速度を間接的に算出し、モータ20の回転方向に基づいてウインドウガラス11の移動方向を特定している。
また、コントローラ31は、パルスエッジをカウントしている。このパルスカウント値は、ウインドウガラス11の開閉動作に伴って加減算される。コントローラ31は、このパルスカウント値の大きさによってウインドウガラス11の開閉位置を特定する。
具体的には、操作スイッチ4は、一端側へ1段階操作されると開スイッチがオンされ、ウインドウガラス11を通常開動作(すなわち操作している間だけ開動作)させるための通常開指令信号をコントローラ31へ出力する。また、操作スイッチ4は、他端側へ1段階操作されると閉スイッチがオンされ、ウインドウガラス11を通常閉動作(すなわち操作している間だけ閉動作)させるための通常閉指令信号をコントローラ31へ出力する。
また、コントローラ31は、操作スイッチ4からオート開指令信号を受けると、駆動回路32を介してモータ20を駆動し、ウインドウガラス11を全開位置までオート開動作させる。一方、コントローラ31は、操作スイッチ4からオート閉指令信号を受けると、駆動回路32を介してモータ20を駆動し、ウインドウガラス11を全閉位置までオート閉動作させる。
本実施形態に係るコントローラ31では、この回転速度の変動に基づいて、まず挟み込みの開始を検出し、次いで挟み込みの開始が検出されてから回転速度が所定量変動したことを検出した場合に、挟み込みと判定(確定)する。
なお、挟み込みと判定した場合に、モータ20の作動を停止してウインドウガラス11のそれ以上の閉動作を停止させて、ウインドウガラス11にて挟持した異物を解放可能とするように制御してもよい。
本実施形態に係るパワーウインドウ装置1では、回転検出装置25から受け取ったパルス信号に基づいてモータ20の回転速度ωを算出する。
本実施形態に係る算出処理では、そのとき受け取ったパルス信号と、これ以前に受け取っていたパルス信号を含め連続したn個のパルス信号に基づき、これらのパルス幅から回転速度ωを算出している。このように複数のパルス信号から回転速度ωを算出すると、データ処理上、誤差変動分を相殺することができる。
そして、本実施形態に係るパワーウインドウ装置1では、パルス信号を受け取る毎に、現在の回転速度ωとkパルス前(本実施形態においては、4パルス前)の回転速度ωとの差である回転速度差Δωが算出される。
まず、このようにして算出された回転速度差Δωが変動判定しきい値αを超えたか否かが判定される。この変動判定しきい値αを超えると、挟み込みが開始したと判定される。
しかし、この時点では、挟み込みが確定したわけではないので、モータ20は回転を継続し、ウインドウガラス11は上昇を続ける。この変動判定しきい値αは、パワーウインドウ装置1がたとえ軟らかいものを挟み込んだ場合においても、これによって生じる回転速度差Δωがこの値を超えるような大きさに設定される。
すなわち、データ処理上で挟み込みの開始が検出されるのは、実際の挟み込みの開始から所定の遅れ時間後である。
このため、回転速度差Δωが変動判定しきい値αを超えたときには、既に遅れパルス信号分前から挟み込みが生じており、挟み込まれた異物には挟み込み荷重が掛かっていることになる。
具体的には、回転速度変動量ΣΔωαは、挟み込みの開始が検出されてからの回転速度差Δωの加算値として算出される。
本実施形態においては、異物の挟み込みによって回転速度差Δωに影響がでて挟み込みの開始と判定されてから、挟み込み荷重が上昇して挟み込みとして検出(確定)されるに至るまでの状態(挟み込み状態)又は挟み込み程度を判定するための挟み込み算出量として、回転速度変動量ΣΔωαが用いられている。
具体的には、現在の回転速度差Δωからpパルス信号分前の回転速度差Δωまでの平均回転速度差Δωaveを算出し、この平均回転速度差Δωaveを遅れ期間中の回転速度差とみなす。遅れ期間中の回転速度変動量ΣΔωβは、平均回転速度差Δωaveに遅れパルス信号数を乗じることにより算出される。
また、本実施形態においては、この遅れ期間中の回転速度変動量ΣΔωβに影響を与える外乱を考慮して補正を行う。
なお、これらの外乱による速度変化の状態を、遅れ荷重補正がある場合とない場合とを比較して図3乃至図6に示す。
図3はウインドウガラス11上昇中に車両ドアの閉動作を行った場合、図4はエンジン始動時、図5は悪路走行中、図6は摺動抵抗、での回転速度変化をそれぞれ示す。
また、各図共に(a)は遅れ荷重補正を行った場合であり、(b)は遅れ荷重補正を行わない場合である。
このため、例えば、パワーウインドウ装置1を閉作動中に、車両ドアの開閉を行った場合であっても、挟み込み誤検知を有効に防止することができる。
つまり、この回転速度変動量ΣΔωβは、作動状態に基づいて識別可能な回転速度変動量ΣΔωαを算出する以前に生じている作動状態に基づいては、直接識別不能な挟み込み量である。
なお、算出される平均回転速度差Δωaveは、挟み込んだ異物の硬さや変形のし易さ等の性状によって値が異なってくるから、挟み込み推定量である回転速度変動量ΣΔωβも異物の性状に応じて適宜に設定されるものとなる。
すなわち、本実施形態においては、この回転速度変動量ΣΔωtが挟み込み判定しきい値βを超えたか否か判別され、回転速度変動量ΣΔωtが、挟み込み判定しきい値βを超えた場合に挟み込みが検出(確定)される。
例えば、平均回転速度差Δωaveの大きさに応じて段階的に回転速度変動量ΣΔωβを設定しておいてもよいし、平均回転速度差Δωaveの大きさに応じて乗算するパルス信号数を異ならせて設定しておいてもよい。
なお、本実施形態においては、挟み込み量として回転速度ωの変動量を用いているが、これに限らず、他の変動量を挟み込み量として用いてもよい。例えば、ウインドウガラス11の移動速度の変動量や、機構部分の移動変動量等を用いてもよい。
線A,線Bは、回転速度ΣΔω,挟み込み荷重の変化をそれぞれ示している。
図7に示すように、パルスカウントP1時点で挟み込みが開始され、算出された回転速度ΣΔωに挟み込みによる回転速度低下の影響が現れるのは、遅れ期間Tdが経過したパルスカウントP2時点である。
しかしながら、図7の例では、パルスカウントP2時点以降のパルスカウントP3時点では、その時点での回転速度変動量ΣΔωαに挟み込み推定量である回転速度変動量ΣΔωβを加算した回転速度変動量ΣΔωtをもとに挟み込みが発生したか否かを判定する。
したがって、パルスカウントP3時点では、回転速度変動量ΣΔωαに対応する挟み込み検出荷重Fαと回転速度変動量ΣΔωβに対応する遅れ荷重(挟み込み推定量)Fβの総和が、挟み込み荷重Ftとして異物に掛かっているものとみなされる。
また、ウインドウガラス11を昇降させる昇降機構2には、遊びやガタがあるため、挟み込み当初は、この遊びやガタによって回転速度ΣΔωの低下が吸収され、回転速度ΣΔωに挟み込みの影響が現れる時期が遅れる。
しかしながら、本実施形態においては、挟み込みの開始が検出される直前の挟み込み量である回転速度変動量ΣΔωβを推定し、回転速度変動量ΣΔωαと回転速度変動量ΣΔωβの加算値に基づいて挟み込みを判定(確定)する構成であるので、回転速度変動量ΣΔωβを加算した分だけ早期に挟み込み判定が行われることになる。
つまり、この回転速度変動量ΣΔωβは、作動状態に基づいて識別可能な回転速度変動量ΣΔωαを算出する以前に生じている作動状態に基づいては、直接識別不能な挟み込み量である。
これにより、本実施形態においては、異物を比較的長い時間挟み込み状態に保持することなく、早期に挟み込み状態から開放することができる。
なお、パワーウインドウ装置1の挟み込み判定処理の遅れ補正量算出に影響を与える外乱としては、通常の外乱である摺動抵抗や経年変化、車両速度、スタータやワイパ等の電気機器の作動、走行振動等、様々なものが考えられるが、本実施形態においては、車両ドアの開閉動作によるものを例示する。
本実施形態に係るコントローラ31は、まず、回転検出装置25から受け取ったパルス信号に基づいて、モータ20の回転速度データの更新を行う(ステップS1)。
具体的には、コントローラ31は、まず回転検出装置25から受け取ったパルス信号を信号処理してパルスエッジを検出する。そして、パルスエッジを検出する毎に、前回検出されたパルスエッジと今回検出されたパルスエッジとのパルス幅(時間間隔)Tを算出してメモリ内に順次格納していく。
すなわち、パルスエッジが検出されると、新たにパルス幅T(0)を算出すると共に、前回のパルス幅T(0)〜T(2)を1ずらして、それぞれパルス幅T(1)〜T(3)として記憶し、前回のパルス幅T(3)を消去する。
本実施形態においては、現パルスエッジから4パルスエッジ前までのパルス幅T(0)〜T(3)によって(平均)回転速度ω(0)が算出される。そして、次のパルスエッジを検出すると、新たに算出されたパルス幅T(0)〜T(3)によって回転速度ω(0)が更新される。このとき、前回の回転速度ω(0)は回転速度ω(1)として記憶される。
また、本実施形態では、パルス幅T(0)〜T(3)によって回転速度ωを算出しているが、さらにこのようにして算出したm個の連続した回転速度を平均して、より平均化された回転速度ωを算出するようにしてもよい。
具体的には、回転速度ω(0)〜ω(3)を現ブロックデータ、回転速度ω(4)〜ω(7)を前ブロックデータとし、それぞれのブロック内データの和を差し引く処理を行っている。
すなわち、回転速度差Δωは、回転速度ω(4)〜ω(7)の和から回転速度ω(0)〜ω(3)の和を引くことにより算出され、パルスエッジを検出する度に(所定移動量毎に又は所定回転角毎に)、回転速度差Δω(0)〜Δω(q)(ただし、q≧p)が順送りで更新されていく。
なお、算出された値を加算したデータ数(本例では4)で除してもよい。このように、複数の回転速度ωによって回転速度差Δωを算出することにより、回転速度ω間の位相差を相殺することができる。
次に、算出された回転速度差Δω(0)が外乱判定しきい値γを正側に超えているか否かが判別される(ステップS4)。
車両が段差に乗り上げたり、ウインドウガラス11が閉められたりすると、このような外乱によってウインドウガラス11に衝撃が加わり、その結果、モータ20の回転速度に影響が及ぶ場合がある。
本実施形態では、この処理により外乱によって挟み込みを誤検出してしまうことを防止している。
正側に回転速度差Δωが振れることは、ウインドウガラス11を閉める方向にモータ20の回転が加速されることを意味し、反対に、負側に回転速度差Δωが振れることは、モータ20の回転が減速されることを意味する。
よって、負側に回転速度差Δωが振れることは、挟み込みを擬似するものとなる。ここで、外乱判定しきい値γは、正側に設定された値であり、本実施形態に係るコントローラ31では、回転速度差Δωがこの外乱判定しきい値γを正側に超えた場合は、外乱が生じたものと判定する。
これにより、引き続いて、外乱によって負側に回転速度差Δωが振れて、挟み込みの開始が検出されたとしても、その後の回転速度差Δωの累積値が増大された挟み込み判定しきい値を超えることがないので、挟み込みの誤判定を防止することができる。
なお、本例では、外乱判定しきい値γが変動判定しきい値αと無関係に設定されているが、例えば、外乱判定しきい値γを変動判定しきい値αの正負を反対にした値に設定してもよい。
具体的には、回転速度差Δω(0)が変動判定しきい値αを負側に超えた場合は挟み込みの開始と判定され、超えていない場合は挟み込みの開始と判定しない。
挟み込みの開始と判定された場合(ステップS5;有)、ステップS8へ移行する。
一方、挟み込みの開始と判定されなかった場合(ステップS5;無)、ステップS6で回転速度差Δωの累積値と挟み込み判定しきい値βへの初期値の設定が行われる。
具体的には、ステップS3で算出された回転速度変動量ΣΔωが、回転速度ωの初期変動量S0にセットされると共に、挟み込み判定しきい値βが増大されていない通常値に戻される。
このように、外乱期間が終了したと判定されると、挟み込み判定しきい値βが通常値に戻され、通常の処理が行われる。
具体的には、コントローラ31は、挟み込み開始と判定される直前にステップS6でセットされた回転速度ωの初期変動量S0(回転速度差Δωの累積値)からステップS3で算出された回転速度差Δωの累積値を差し引いて、回転速度ωの変動量Sを算出する。
したがって、ステップS5で挟み込みの開始と判定されなかった場合は、ステップS8で算出される回転速度ωの変動量Sはゼロとなるが、ステップS5で挟み込みの開始と判定された場合は、ステップS8で算出される回転速度ωの変動量Sは挟み込み開始時からの回転速度ωの変動分となる。
このように制御部3のコントローラ31は、挟み込み量算出手段として機能する。
この処理では、まず現在の回転速度差Δω(0)からpパルスエッジ前の回転速度差Δω(p)までの平均値である平均回転速度差Δωaveが算出され、この平均回転速度差Δωaveが遅れ期間Td中の回転速度差とされる(ステップS21)。
次いで、ステップS22で、ドア開か否かを判定する。
この判定は、コントローラ31に入力される、ドア開閉信号6により行われる。
このドア開閉信号6は、例えば、ドアのカーテシスイッチ等から発信される信号であり、このドア開閉信号6に基づいて、コントローラ31は、ドアの開閉状態を判定することができる。
ドア閉であれば、ステップS23でドア閉用遅れパルス値を選択してステップS25で遅れ補正量を算出する。
ドア開であれば、ステップS24でドア開用遅れパルス値を選択して、ステップS25で遅れ補正量を算出する。
ステップS25では、ステップS21で算出された平均回転速度差ΔωaveにステップS23若しくはステップS24で選択された設定遅れパルス信号数を乗じることにより、遅れ期間Td中の挟み込み推定量である回転速度変動量ΣΔωβが算出される。
このように制御部3のコントローラ31は、挟み込み量推定手段として機能する。
このように制御部3のコントローラ31は、挟み込み判定手段として機能する。
回転速度ωの変動量Sが挟み込み判定しきい値βを超えたと判断された場合(ステップS10;有)、コントローラ31は、挟み込み解除処理(ステップS11)を行い、処理を終了する。
挟み込み解除処理では、具体的には、コントローラ31は上述のように異物を解放すべくモータ20を反転させ、ウインドウガラス11を所定量だけ開動作させる。
一方、回転速度ωの変動量Sが挟み込み判定しきい値βを超えていないと判断された場合(ステップS10;無)は、処理をそのまま終了する。
また、上記実施形態では、車両のパワーウインドウ装置1に本発明の開閉部材制御装置を適用した例を示したが、これに限らず、サンルーフ開閉装置やスライドドア開閉装置等の開閉部材を開閉駆動する装置に全般に適用してもよい。
このように、厳格な補正を行うシステムが確定されているため、より確実な挟み込み検知を実行することができる。
5‥バッテリ、10‥ドア、11‥ウインドウガラス、20‥モータ、
21‥昇降アーム、21a‥ギヤ、22‥従動アーム、23‥固定チャンネル、
24‥ガラス側チャンネル、25‥回転検出装置、31‥コントローラ
32‥駆動回路
Claims (5)
- 車両のドアと、該ドアに配設される開閉部材と、該開閉部材を開閉駆動する駆動部と、開閉駆動時の前記開閉部材による異物の挟み込みを検出する挟み込み検出部と、を備えた開閉部材制御装置であって、
前記挟み込み検出部は、前記開閉部材による異物の挟み込み量を算出する挟み込み量算出手段と、
該挟み込み量算出手段が挟み込み量を算出する以前の挟み込み量を推定する挟み込み量推定手段と、
前記挟み込み量算出手段によって算出された挟み込み算出量と前記挟み込み量推定手段によって推定された挟み込み推定量に基づいて異物の挟み込みを確定する挟み込み判定手段と、
前記ドアの開閉状態を検知するドア開閉状態検知手段と、を備え、
前記挟み込み量推定手段は、前記開閉部材の閉駆動中に外乱発生の有無を判定し、外乱が有と判定した場合には、検知した外乱に応じて前記挟み込み推定量を補正するとともに、前記ドアの開閉状態に応じて前記挟み込み量算出手段にて算出された前記挟み込み量を補正することを特徴とする開閉部材制御装置。 - 前記駆動部の駆動源はモータであり、
前記外乱は、モータ駆動電圧の変動であることを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。 - 前記駆動部の駆動源はモータであり、
前記外乱は、走行振動によるモータ回転速度の変動であることを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。 - 前記外乱は、前記開閉部材の摺動抵抗であることを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
- 前記開閉部材は、車両ドアに配設されたウインドウガラスであって、
前記外乱は、前記車両ドアの開閉動作であることを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
Priority Applications (3)
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