JP2009066873A - 発泡熱収縮性多層フィルム及び発泡熱収縮性ラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、ポリスチレン系樹脂からなる熱収縮性発泡層と、ポリエステル系樹脂からなる熱収縮性非発泡層とを有し、かつ、共押出法を用いて製膜されてなる発泡熱収縮性多層フィルム。
【選択図】なし
Description
このような発泡フィルムを用いたラベルには、通常使用されるラベル以上の耐久性、耐熱性が求められることがあり、特に、加温されて使用される容器に用いられる発泡ラベルには、高い断熱性が要求される。
また、特許文献1に開示されているような熱収縮性ポリエステル系樹脂からなる発泡シートでは、収縮性に優れるものの、収縮仕上り性が悪く、美麗な仕上り性が要求される場合には使用することができなかった。
しかしながら、このような筒状シュリンクラベルでは、非収縮性の軟質発泡シートを用いるため、加熱装着時に、軟質発泡シートが熱収縮性フィルムからなる基材の収縮を阻害して、シュリンクラベル全体の収縮率が低下するため、高収縮性が要求される容器には使用できなかった。また、収縮時にシワが発生しやすく、収縮仕上り性の悪いものとなっていた。
しかしながら、このような多層発泡収縮フィルムは、ラミネートする前のフィルムと比べて収縮率と収縮仕上り性が悪化するという問題があった。更に、ポリスチレン系樹脂からなる熱収縮性発泡フィルムを単独で製膜する場合、延伸倍率が3倍程度と低くなるため、生産効率が著しく悪いものとなっていた。
以下に本発明を詳述する。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体は、低温収縮性に優れることから、得られる発泡熱収縮性ラベルは、シワ等が発生することなく、容器に容易に装着することができる。また、収縮仕上り性にも優れる。
また、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体と芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体との混合樹脂を用いた場合も、収縮仕上り性に優れるものとなる。
このような樹脂を単独又は複数で用いて、スチレン含有量が65〜90重量%、共役ジエン含有量が10〜35重量%の組成とすることが好ましい。このような組成の樹脂は、特に低温収縮性やミシン目におけるカット性に優れる。一方、共役ジエン含有量が10重量%未満であると、フィルムにテンションをかけたときに切れ易くなり、印刷等のコンバーティングやラベルとして使用するときにフィルムが思いもよらず破断することがある。共役ジエン含有量が35重量%を超えると、成形加工時にゲル等の異物が発生しやすくなることがある。
上記熱収縮性非発泡層を構成するポリエステル系樹脂としては、熱収縮性及び耐熱性を有するものであれば特に限定されず、例えば、ジカルボン酸とジオールとを縮重合させることにより得られる樹脂を使用することができる。
上記ジカルボン酸としては特に限定されず、例えば、o−フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、デカメチレンカルボン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステル等が挙げられる。
上記ジオールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール類;2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール類等が挙げられる。
また、特に高い耐熱性と耐溶剤性を付与する場合には、エチレングリコールに由来する成分の含有量が60〜80モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分の含有量が10〜40モル%であるものを用いることが好ましい。このようなポリエステル系樹脂は、更に、ジエチレングリコールに由来する成分を0〜20モル%含有していてもよい。
上記熱収縮性非発泡層を構成するポリエステル系樹脂としては、上述した組成を有するポリエステル系樹脂を単独で用いてもよく、上述した組成を有する2種以上のポリエステル系樹脂を併用してもよい。
上記スチレン系エラストマーの変性物における上記カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基及び水酸基等の官能基の含有量の好ましい下限は0.05重量%、好ましい上限は5.0重量%である。0.05重量%未満であると、特に熱収縮性非発泡層との接着性が不充分となることがあり、5.0重量%を超えると、上記官能基を付加する際に樹脂が熱劣化し、ゲル等の異物が発生しやすくなることがある。より好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は3.0重量%である。
式(1)中、Aは7.8〜8.4ppmにおける積分値、Bは1.2〜2.2ppmにおける積分値、Cは2.4〜2.9ppmにおける積分値を表す。
なお、上記70℃の温水中に10秒間浸した場合の収縮率とは、発泡熱収縮性多層フィルムをMD100mm、TD100mmとなるようにカットし、70℃の温水中に10秒間浸した後、TDの長さを測定し、加熱処理前の寸法に対する加熱後に収縮した寸法の比率を%で表した値のことである。
上記共押出によって各層を同時に成形することで、各層を別々に成形した後、ドライラミネート法等の方法で貼り合わせて製膜する場合と比較して、溶剤系の接着剤を用いる必要がなく、接着剤を乾燥する工程を行う必要もないことから、製膜時にフィルムの延伸配向が緩和されることがなく、高い収縮率を有する発泡熱収縮性多層フィルムを得ることができる。また、生産性の悪い熱収縮性発泡層のみを単独で製膜する場合と比較して、延伸倍率の高いフィルムを連続して製膜することが可能となり、優れた生産効率を実現することができる。
上記気体を直接供給する方法において、供給する気体としては、例えば、炭酸ガス、プロパン、ブタン、n−ペンタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、トリクロロモノフルオロメタン、メタノール、エタノール、水等が挙げられる。
本発明の発泡熱収縮性ラベルは、上記発泡熱収縮性多層フィルムをベースフィルムとして、必要に応じて、印刷層や、非発泡の樹脂層等を積層してもよい。
熱収縮性非発泡層を構成する樹脂として、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を67モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を33モル%含有するポリエステル系樹脂を用いた。
熱収縮性発泡層を構成する成分として、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン78重量%、ブタジエン22重量%:ビカット軟化点71℃、MFR6.2g/10分)100重量部に対して、発泡剤として重炭酸塩系発泡剤マスターバッチ(ポリスレンES275、永和化成工業社製)2.5重量部を添加したものを用いた。
これらの樹脂をバレル温度が160〜250℃の押出機に投入し、220℃の多層ダイスから2層構造のシート状に押出し、30℃の引き取りロールにて冷却固化した。次いで、予熱ゾーン110℃、延伸ゾーン90℃、熱固定ゾーン80℃のテンター延伸機内で延伸倍率5倍にて延伸した後、巻き取り機で巻き取ることにより、発泡熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた発泡熱収縮性多層フィルムは、総厚みが127μmであり、熱収縮性非発泡層(7μm)/熱収縮性発泡層(120μm)の2層構成からなるものであった。
なお、得られた発泡熱収縮性多層フィルムの比重を電子比重計(アルファミラージュ社製、MD−300S)を用いて測定したところ、0.79であった。
得られた発泡熱収縮性多層フィルムについて、熱収縮性発泡層が内側となるようにフィルムの両端を重ね合わせ、1,3−ジオキソランとシクロヘキサンとの混合溶剤を用いてセンターシールを行った後、扁平に折り畳むことにより、折径85mmの筒状シュリンクラベルを得た。
熱収縮性非発泡層を構成する樹脂として、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を67モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を33モル%含有するポリエステル系樹脂を用いた。
熱収縮性発泡層を構成する成分として、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン78重量%、ブタジエン22重量%:ビカット軟化点71℃、MFR6.2g/10分)100重量部に対して、発泡剤として重炭酸塩系発泡剤マスターバッチ(ポリスレンES275、永和化成工業社製)2.5重量部を添加したものを用いた。
接着層を構成する樹脂として、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(スチレン含量30重量%、無水マレイン酸付加量0.5重量%、MFR4.0g/10分)を用いた。
これらの樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして発泡熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた発泡熱収縮性多層フィルムは、総厚みが128μmであり、熱収縮性非発泡層(7μm)/接着層(1μm)/熱収縮性発泡層(120μm)の3層構成からなるものであった。
得られた発泡熱収縮性多層フィルムについて、実施例1と同様の方法で比重を測定したところ、0.91であった。
得られた発泡熱収縮性多層フィルムを用い、実施例1と同様にして筒状シュリンクラベルを得た。
熱収縮性非発泡層を構成する樹脂として、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を70モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を20モル%、ジエチレングリコールに由来する成分を10モル%含有するポリエステル系樹脂を用いた。
熱収縮性発泡層を構成する成分として、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン78重量%、ブタジエン22重量%:ビカット軟化点71℃、MFR6.2g/10分)100重量部に対して、発泡剤として重炭酸塩系発泡剤マスターバッチ(ポリスレンES275、永和化成工業社製)2.5重量部を添加したものを用いた。
接着層を構成する樹脂として、ポリエステル系エラストマー(三菱化学社製、プリマロイA1600N、融点160℃、MFR5.0g/10分)を用いた。
これらの樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして発泡熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた発泡熱収縮性多層フィルムは、総厚みが186μmであり、熱収縮性非発泡層(7μm)/接着層(1μm)/熱収縮性発泡層(170μm)/接着層(1μm)/熱収縮性非発泡層(7μm)の5層構成からなるものであった。
得られた発泡熱収縮性多層フィルムについて、実施例1と同様の方法で比重を測定したところ、0.46であった。
得られた発泡熱収縮性多層フィルムを用い、実施例1と同様にして筒状シュリンクラベルを得た。
熱収縮性非発泡層を構成する樹脂として、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を70モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を20モル%、ジエチレングリコールに由来する成分を10モル%含有するポリエステル系樹脂を用いた。
熱収縮性発泡層を構成する成分として、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン78重量%、ブタジエン22重量%:ビカット軟化点71℃、MFR6.2g/10分)100重量部に対して、発泡剤として重炭酸塩系発泡剤マスターバッチ(ポリスレンES275、永和化成工業社製)3.0重量部を添加したものを用いた。
接着層を構成する樹脂として、ポリエステル系エラストマー(三菱化学社製、プリマロイA1600N、融点160℃、MFR5.0g/10分)を用いた。
これらの樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして発泡熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた発泡熱収縮性多層フィルムは、総厚みが136μmであり、熱収縮性非発泡層(7μm)/接着層(1μm)/熱収縮性発泡層(120μm)/接着層(1μm)/熱収縮性非発泡層(7μm)の5層構成からなるものであった。
得られた発泡熱収縮性多層フィルムについて、実施例1と同様の方法で比重を測定したところ、0.85であった。
得られた発泡熱収縮性多層フィルムを用い、実施例1と同様にして筒状シュリンクラベルを得た。
スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン78重量%、ブタジエン22重量%:ビカット軟化点71℃、MFR6.2g/10分)100重量部に対して、発泡剤として重炭酸塩系発泡剤マスターバッチ(ポリスレンES275、永和化成工業社製)2.5重量部を添加したものを用い、バレル温度が160〜250℃の押出機に投入し、220℃の多層ダイスからシート状に押出し、30℃の引き取りロールにて冷却固化した。次いで、予熱ゾーン110℃、延伸ゾーン90℃、熱固定ゾーン80℃のテンター延伸機内で延伸倍率3倍にて延伸した後、巻き取り機で巻き取ることにより、厚み120μmの発泡熱収縮性フィルムを得た。
得られた発泡熱収縮性フィルムについて、実施例1と同様の方法で比重を測定したところ、0.71であった。
得られた発泡熱収縮性フィルムを用い、実施例1と同様にして筒状シュリンクラベルを得た。
非発泡のポリエステル系樹脂からなる樹脂フィルム(グンゼ社製、ファンシーラップTAS、厚さ30μm、収縮率22%)の片面に、接着剤(大日本インキ化学工業社製、LX−401A)、硬化剤(大日本インキ化学工業社製、SP−60)、酢酸エチルを1:1:3の割合で含有する接着剤組成物を塗布した後、比較例1で得られた発泡熱収縮性フィルムを貼り合わせ、2.5m×3ゾーン(60℃−70℃−80℃)からなる乾燥炉で乾燥させることによって、ドライラミネートにより発泡熱収縮性多層フィルムを得た。
得られた発泡熱収縮性多層フィルムについて、実施例1と同様の方法で比重を測定したところ、0.86であった。
得られた発泡熱収縮性多層フィルムを用い、実施例1と同様にして筒状シュリンクラベルを得た。
(1)収縮率測定
得られた発泡熱収縮性多層フィルムをMD100mm、TD100mmとなるように切り出し、70℃の温水に10秒間浸漬させた後のTDの長さLを測定し、下記式(2)から収縮率を算出した。
収縮率(%)={(100−L)/100}×100 (2)
得られたシュリンクラベルを金属缶容器(直径52mmで上部にキャップのあるもの)を被せ、スチームトンネル(フジアステック社製、SH−5000)を用いて、設定温度:80−85−95℃、トンネル通過時間:8秒で収縮させ、金属缶容器に装着させた。
〇:シワが全く認められなかった。
×:シワが1個でも認められた。
「(2)収縮仕上り性」で得られたシュリンクラベルを装着した金属缶容器を加熱したホットウォーマー(日本ヒーター機器社製、SW126OP−53)中で金属缶容器同士が接触するようにして保管し、金属缶容器及びシュリンクラベルの状態を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
〇:金属缶容器同士のブロッキングがなく、シュリンクラベルにシワや破れが全く認められなかった。
×:金属缶容器同士のブロッキングや、シュリンクラベルにシワや破れが認められた。
Claims (4)
- 少なくとも、ポリスチレン系樹脂からなる熱収縮性発泡層と、ポリエステル系樹脂からなる熱収縮性非発泡層とを有し、かつ、共押出法を用いて製膜されてなることを特徴とする発泡熱収縮性多層フィルム。
- 熱収縮性発泡層と熱収縮性非発泡層との間に、更に熱可塑性樹脂からなる接着層を有することを特徴とする請求項1記載の発泡熱収縮性多層フィルム。
- 接着層を構成する樹脂は、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、又は、これらの変性物であることを特徴とする請求項2記載の発泡熱収縮性多層フィルム。
- 請求項1、2又は3記載の発泡熱収縮性多層フィルムを用いてなることを特徴とする発泡熱収縮性ラベル。
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