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JP2009063229A - 熱交換器およびその製造方法 - Google Patents

熱交換器およびその製造方法 Download PDF

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JP2009063229A JP2007231189A JP2007231189A JP2009063229A JP 2009063229 A JP2009063229 A JP 2009063229A JP 2007231189 A JP2007231189 A JP 2007231189A JP 2007231189 A JP2007231189 A JP 2007231189A JP 2009063229 A JP2009063229 A JP 2009063229A
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Shunsuke Ikawa
俊輔 伊川
Yoshiharu Sugano
快治 菅野
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

【課題】製造する際に熱交換管にエロージョンが発生することを防止、さらに製造コストの低減および軽量化を図りうる熱交換器を提供する。
【解決手段】熱交換器であるコンデンサのヘッダタンクは、少なくとも外面にろう材層12を有する筒状体からなり、かつ複数の管挿通穴14を有するヘッダタンク本体10と、ヘッダタンク本体10の両端開口を閉鎖する閉鎖部材11とからなる。コンデンサの熱交換管4のコルゲートフィンがろう付される面に、長さ方向にのびる凹溝が存在している。ヘッダタンク本体10の外面に、ろう材層の薄い部分またはろう材層の存在しない部分からなる溝状の2つのろう材途切れ部15を、管挿通穴14の通風方向の両側においてヘッダタンク本体10の全長にわたって形成する。
【選択図】図2

Description

この発明は、たとえばカーエアコンのコンデンサやエバポレータ、オイルクーラ、ラジエータ、ヒータコアなどの自動車に搭載される熱交換器およびその製造方法に関する。
この明細書および特許請求の範囲において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
自動車用熱交換器として、外面にろう材層を有する材料により形成され、かつ互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に、ヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて配置され、かつ両端部がヘッダタンクに形成された管挿通穴内に挿入された状態でヘッダタンクにろう付された複数の扁平状熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたコルゲートフィンとを備えており、ヘッダタンクが、少なくとも外面にろう材層を有する筒状体からなり、かつ複数の管挿通穴を有するヘッダタンク本体と、ヘッダタンク本体の両端にろう付されてその両端開口を閉鎖する閉鎖部材とからなるものが広く用いられている。
ところで、近年、自動車用熱交換器には、さらなる高性能化、軽量化などが求められているため、熱交換管の管壁の薄肉化を図ったり、ヘッダタンクを形成する材料に使用するろう材の量を減らしたりする傾向にある。
自動車用熱交換器に用いられる熱交換管としては、アルミニウム押出形材製のものの他に、アルミニウムブレージングシート製素板を折り曲げて扁平中空状に成形したものが知られている(特許文献1参照)。特許文献1記載の熱交換管は、互いに対向する1対の平坦壁と、両平坦壁の両側縁どうしに跨る2つの側壁と、両平坦壁の幅方向の中間部どうしに跨る補強壁とを備えており、一方の平坦壁を形成する1つの第1平坦壁形成部、第1平坦壁形成部の両側縁に設けられかつ側壁を形成する2つの側壁形成部、両側壁形成部における第1平坦壁形成部とは反対側の側縁に設けられかつ他方の平坦壁を形成する2つの第2平坦壁形成部、および両第2平坦壁形成部における側壁形成部とは反対側の側縁に設けられかつ補強壁を形成する2つの補強壁形成部を有する1枚のアルミニウムブレージングシート製素板の両補強壁形成部が第2平坦壁形成部に対して同方向に曲げられて補強壁用凸条が形成された後、両第2平坦壁形成部が第1平坦壁形成部に対して平行となるように、素板が両側壁形成部において曲げられることにより、両補強壁用凸条の先端が第1平坦壁形成部の内面に当接させられるとともに、両補強壁用凸条どうしがろう付されたものである。
特許文献1記載の熱交換管は、熱交換器の製造時に、他の部品のろう付と同時に補強壁形成部どうしがろう付されることにより製造される。しかしながら、素板を折り曲げてなる折り曲げ体の両第2平坦壁形成部と補強壁形成部との連接部外面が丸みを帯びることは避けられないので、両第2平坦壁形成部間にその長さ方向にのびる凹溝が形成されることになる。したがって、熱交換器を製造する際に、ヘッダタンクを形成する材料から溶け出した溶融ろう材が、毛細管現象により、上記凹溝に沿って大量に流れるとともに、折り曲げ体とコルゲートフィンとの接触部に沿って折り曲げ体の幅方向に流れる。その結果、製造された熱交換管にエロージョンが発生したり、エロージョンの発生に起因して貫通穴があくという問題がある。また、ヘッダタンクを形成する材料の外面を覆うろう材量を多くしておかなければならず、材料コストが高くなり、ひいては熱交換器の製造コストが高くなるとともに、熱交換器の重量が増加するという問題がある。
また、アルミニウム押出形材製熱交換管の場合にも、押出加工時にダイスマークと呼ばれる凹溝が形成されることがあり、この場合も、上述した特許文献1記載の熱交換管の場合と同様な問題がある。
特開2004−17861号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、製造する際に熱交換管にエロージョンが発生することを防止することができ、さらに製造コストの低減および軽量化を図ることができる熱交換器およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)外面にろう材層を有する材料により形成され、かつ互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に、ヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて配置され、かつ両端部がヘッダタンクに形成された管挿通穴内に挿入された状態でヘッダタンクにろう付された複数の扁平状熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたコルゲートフィンとを備えており、ヘッダタンクが、少なくとも外面にろう材層を有する筒状体からなり、かつ複数の管挿通穴を有するヘッダタンク本体と、ヘッダタンク本体の両端開口を閉鎖する閉鎖部材とからなり、熱交換管のコルゲートフィンがろう付される面に、長さ方向にのびる凹溝が存在している熱交換器であって、
ヘッダタンク本体の外面における管挿通穴の近傍部分に、ろう材層の薄い部分またはろう材層の存在しない部分からなる溝状のろう材途切れ部が形成されている熱交換器。
2)2つのろう材途切れ部が、管挿通穴の通風方向の両側においてヘッダタンク本体の長さ方向にのびるように形成されている上記1)記載の熱交換器。
3)1つのろう材途切れ部が、すべての管挿通穴を取り囲むように形成されている上記1)記載の熱交換器。
4)管挿通穴と同数のろう材途切れ部が、各管挿通穴を取り囲むように複数形成されている上記1)記載の熱交換器。
5)ヘッダタンクが、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートを筒状に成形して両側縁部どうしの突き合わせ部をろう付することにより形成されたヘッダタンク本体と、ヘッダタンク本体の両端開口を閉鎖する閉鎖部材とよりなり、管挿通穴が、ヘッダタンク本体のろう付部とは反対側に形成され、ヘッダタンク本体の内面におけるアルミニウムブレージングシートの両側縁部どうしのろう付部の両側において、ろう材層の薄い部分またはろう材層の存在しない部分からなるろう材途切れ部が、ヘッダタンク本体の長さ方向にのびるように形成されている上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
6)ヘッダタンクが、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなる複数の構成部材を相互にろう付して筒状とすることにより形成されたヘッダタンク本体と、ヘッダタンク本体の両端開口を閉鎖する閉鎖部材とよりなり、管挿通穴がいずれか1つの構成部材に形成され、ヘッダタンク本体の内面における管挿通穴の通風方向の両側において、ろう材層の薄い部分またはろう材層の存在しない部分からなるろう材途切れ部が、ヘッダタンク本体の長さ方向にのびるように形成されている上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
7)外面にろう材層を有する材料により形成され、かつ互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に、ヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて配置され、かつ両端部がヘッダタンクに形成された管挿通穴内に挿入された状態でヘッダタンクにろう付された複数の扁平状熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたコルゲートフィンとを備えており、ヘッダタンクが、少なくとも外面にろう材層を有する筒状体からなり、かつ複数の管挿通穴を有するヘッダタンク本体と、ヘッダタンク本体の両端開口を閉鎖する閉鎖部材とからなり、熱交換管のコルゲートフィンがろう付される面に、長さ方向にのびる凹溝が存在している熱交換器を製造する方法であって、
ヘッダタンク本体、閉鎖部材、熱交換管およびコルゲートフィンを一括してろう付することを含み、当該ろう付の前に、ヘッダタンク本体の外面における管挿通穴の近傍部分に、ろう材層を取り除くことによって溶融ろう材流れ抑制溝を形成しておくことを特徴とする熱交換器の製造方法。
8)2つの溶融ろう材流れ抑制溝を、管挿通穴の通風方向の両側においてヘッダタンク本体の長さ方向にのびるように形成しておく上記7)記載の熱交換器の製造方法。
9)1つの溶融ろう材流れ抑制溝を、すべての管挿通穴を取り囲むように形成しておく上記7)記載の熱交換器の製造方法。
10)管層通穴と同数の溶融ろう材流れ抑制溝を、各管挿通穴を取り囲むように複数形成しておく上記7)記載の熱交換器の製造方法。
11)両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートを筒状に成形して両側縁部どうしの突き合わせ部をろう付することによりヘッダタンク本体をつくることを含み、管挿通穴を、筒状に成形したアルミニウムブレージングシートの両側縁部どうしの突き合わせ部とは反対側に形成しておき、筒状に成形したアルミニウムブレージングシートの内面における両側縁部どうしの突き合わせ部の両側部分に、アルミニウムブレージングシートのろう材層を取り除くことによって、ヘッダタンク本体の長さ方向にのびる溝状の溶融ろう材流れ抑制溝を形成しておく上記7)〜10)のうちのいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
12)両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなる複数の構成部材を相互にろう付して筒状とすることによりヘッダタンク本体をつくることを含み、管挿通穴をいずれか1つの構成部材に形成し、管挿通穴が形成された構成部材の内面における管挿通穴の通風方向の両側部分に、アルミニウムブレージングシートのろう材層を取り除くことによって、ヘッダタンク本体の長さ方向にのびる溝状の溶融ろう材流れ抑制溝を形成しておく上記7)〜10)のうちのいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
13)取り除くべきろう材層の厚みをtmm、形成すべき溶融ろう材流れ抑制溝の深さをHmm、形成すべき溶融ろう材流れ抑制溝の幅をWmmとした場合、H≧tおよびW≧2tの関係を満たす上記7)〜12)のうちのいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
上記1)の熱交換器において、ヘッダタンク本体の外面における管挿通穴の近傍部分の溝状のろう材途切れ部は、ヘッダタンク本体、閉鎖部材、熱交換管およびコルゲートフィンを一括してろう付する前の段階で、ヘッダタンク本体の外面における管挿通穴の近傍部分に、ろう材層を取り除くことによって形成された溶融ろう材流れ抑制溝からなる。そして、熱交換器の製造の際のヘッダタンク本体、閉鎖部材、熱交換管およびコルゲートフィンの一括ろう付時に、溶融ろう材流れ抑制溝の働きにより、ヘッダタンク本体を形成する材料から溶け出した溶融ろう材が、毛細管現象により熱交換管の凹溝に沿って大量に流れることが防止される。すなわち、ろう付時に、溶融ろう材流れ抑制溝の両側に存在する溶融したろう材どうしが接触することが抑制され、この溶融ろう材流れ抑制溝を越えての溶融ろう材の大量の流れが抑制される。したがって、熱交換器の製造時に熱交換管にエロージョンが発生することが防止されるとともに、エロージョンの発生に起因する貫通穴の発生も防止される。しかも、熱交換器の製造の際に、ヘッダタンク本体を形成する材料から溶け出した溶融ろう材が、毛細管現象により熱交換管の凹溝に沿って大量に流れることが防止されるので、熱交換管とコルゲートフィンとの接触部に沿って流れるろう材の量を低減することもできる。したがって、ヘッダタンク本体を形成する材料の外面を覆うろう材量を少なくすることが可能になり、材料コストが安くなって熱交換器の製造コストを低減することができるとともに、熱交換器の軽量化を図ることができる。
上記2)〜4)の熱交換器によれば、熱交換器の製造の際のヘッダタンク本体、閉鎖部材、熱交換管およびコルゲートフィンの一括ろう付時に、ヘッダタンク本体を形成する材料から溶け出した溶融ろう材が熱交換管の凹溝に沿って大量に流れることが効果的に防止される。
上記5)の熱交換器によれば、熱交換器の製造の際のヘッダタンク本体、閉鎖部材、熱交換管およびコルゲートフィンの一括ろう付時に、ヘッダタンク本体を形成する筒状に成形されたアルミニウムブレージングシートの外面から溶け出した溶融ろう材が、筒状に成形されたアルミニウムブレージングシートの両側縁部どうしの突き合わせ部から大量にヘッダタンク本体内に流れ込むことが防止される。したがって、ヘッダタンク本体を形成する筒状に成形されたアルミニウムブレージングシートの外面を覆うろう材量を少なくすることが可能になり、材料コストが安くなって熱交換器の製造コストを低減することができるとともに、熱交換器の軽量化を図ることができる。
上記6)の熱交換器によれば、熱交換器の製造の際のヘッダタンク本体、閉鎖部材、熱交換管およびコルゲートフィンの一括ろう付時に、ヘッダタンク本体のアルミニウムブレージングシートからなる構成部材の外面から溶け出した溶融ろう材が、構成部材どうしの継ぎ目部分から大量にヘッダタンク本体内に流れ込むことが防止される。したがって、ヘッダタンク本体の構成部材を形成するアルミニウムブレージングシートの外面を覆うろう材量を少なくすることが可能になり、材料コストが安くなって熱交換器の製造コストを低減することができるとともに、熱交換器の軽量化を図ることができる。
上記7)の熱交換器の製造方法によれば、熱交換器の製造の際のヘッダタンク本体、閉鎖部材、熱交換管およびコルゲートフィンの一括ろう付時に、溶融ろう材流れ抑制溝の働きにより、ヘッダタンク本体を形成する材料から溶け出した溶融ろう材が、毛細管現象により熱交換管の凹溝に沿って大量に流れることが防止される。すなわち、ろう付時に、溶融ろう材流れ抑制溝の両側に存在する溶融したろう材どうしが接触することが抑制され、この溶融ろう材流れ抑制溝を越えての溶融ろう材の大量の流れが抑制される。したがって、熱交換器の製造時に熱交換管にエロージョンが発生することが防止されるとともに、エロージョンの発生に起因する貫通穴の発生も防止される。しかも、熱交換器の製造の際に、ヘッダタンク本体を形成する材料から溶け出した溶融ろう材が、毛細管現象により熱交換管の凹溝に沿って大量に流れることが防止されるので、熱交換管とコルゲートフィンとの接触部に沿って流れるろう材の量を低減することもできる。したがって、ヘッダタンク本体を形成する材料の外面を覆うろう材量を少なくすることが可能になり、材料コストが安くなって熱交換器の製造コストを低減することができるとともに、熱交換器の軽量化を図ることができる。
上記8)〜10)の熱交換器の製造方法によれば、熱交換器の製造の際のヘッダタンク本体、閉鎖部材、熱交換管およびコルゲートフィンの一括ろう付時に、ヘッダタンク本体を形成する材料から溶け出した溶融ろう材が熱交換管の凹溝に沿って大量に流れることが効果的に防止される。
上記11)の熱交換器の製造方法によれば、熱交換器の製造の際のヘッダタンク本体、閉鎖部材、熱交換管およびコルゲートフィンの一括ろう付時に、ヘッダタンク本体を形成する筒状に成形されたアルミニウムブレージングシートの外面から溶け出した溶融ろう材が、筒状に成形されたアルミニウムブレージングシートの両側縁部どうしの突き合わせ部から大量にヘッダタンク本体内に流れ込むことが防止される。したがって、ヘッダタンク本体を形成する筒状に成形されたアルミニウムブレージングシートの外面を覆うろう材量を少なくすることが可能になり、材料コストが安くなって熱交換器の製造コストを低減することができるとともに、熱交換器の軽量化を図ることができる。
上記12)の熱交換器の製造方法によれば、熱交換器の製造の際のヘッダタンク本体、閉鎖部材、熱交換管およびコルゲートフィンの一括ろう付時に、ヘッダタンク本体のアルミニウムブレージングシートからなる構成部材の外面から溶け出した溶融ろう材が、構成部材どうしの継ぎ目部分から大量にヘッダタンク本体内に流れ込むことが防止される。したがって、ヘッダタンク本体の構成部材を形成するアルミニウムブレージングシートの外面を覆うろう材量を少なくすることが可能になり、材料コストが安くなって熱交換器の製造コストを低減することができるとともに、熱交換器の軽量化を図ることができる。
上記13)の熱交換器によれば、熱交換器の製造の際のヘッダタンク本体、閉鎖部材、熱交換管およびコルゲートフィンの一括ろう付時に、ヘッダタンク本体を形成する材料から溶け出した溶融ろう材の熱交換管の凹溝に沿う大量の流れ、および/またはヘッダタンク本体を形成する材料の外面から溶け出した溶融ろう材のヘッダタンク本体内への大量の流入を効果的に抑えることができる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明による熱交換器を、カーエアコンのコンデンサに適用したものである。
なお、以下の説明において、図1の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとし、通風方向下流側(図1に矢印Xで示す方向、図4の右側)を前、これと反対側を後というものとする。
図1において、コンデンサ(1)は、上下方向にのびかつ左右方向に間隔をおいて配置された1対のアルミニウム製ヘッダタンク(2)(3)と、両ヘッダタンク(2)(3)間において幅方向を前後方向に向けるとともに上下方向に間隔をおいて配置され、かつ両端部が両ヘッダタンク(2)(3)に接続された複数の扁平状アルミニウム製熱交換管(4)と、隣り合う熱交換管(4)どうしの間、および上下両端の熱交換管(4)の外側に配置されて熱交換管(4)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(5)と、上下両端のコルゲートフィン(5)の外側に配置されてコルゲートフィン(5)にろう付されたアルミニウムブレージングシート製サイドプレート(6)とよりなり、左側ヘッダタンク(2)が、高さ方向の中央部よりも上方において仕切板(7)により上下2つのヘッダ部(2a)(2b)に仕切られ、右側ヘッダタンク(3)が、高さ方向の中央部よりも下方において仕切板(7)により上下2つのヘッダ部(3a)(3b)に仕切られ、左側ヘッダタンク(2)の上ヘッダ部(2a)に入口部材(8)がろう付され、右側ヘッダタンク(3)の下ヘッダ部(3b)に出口部材(9)がろう付されている。そして、入口部材(8)を通って左側ヘッダタンク(2)の上ヘッダ部(2a)内に流入した冷媒は、左側ヘッダタンク(2)の仕切板(7)よりも上方に位置する熱交換管(4)内を右方に流れて右側ヘッダタンク(3)の上ヘッダ部(3a)内の上部に流入し、上ヘッダ部(3a)内を下方に流れて左側ヘッダタンク(2)の仕切板(7)と右側ヘッダタンク(3)の仕切板(7)との間の高さ位置にある熱交換管(4)内を左方に流れて左側ヘッダタンク(2)の下ヘッダ部(2b)内の上部に流入し、下ヘッダ部(2b)内を下方に流れて右側ヘッダタンク(3)の仕切板(7)よりも下方に位置する熱交換管(4)内を右方に流れて右側ヘッダタンク(3)の下ヘッダ部(3b)内に流入し、出口部材(9)を通ってコンデンサ(1)の外部に流出する。
コンデンサ(1)の左右のヘッダタンク(2)(3)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートを筒状に成形して両側縁部どうしの突き合わせ部をろう付することにより形成されたヘッダタンク本体(10)と、ヘッダタンク本体(10)の両端にろう付されて両端開口を閉鎖するアルミニウム製閉鎖部材(11)とからなる。
図2および図3に示すように、両ヘッダタンク(2)(3)のヘッダタンク本体(10)は、筒状に成形されたアルミニウムブレージングシートの両側縁部どうしの突き合わせ部をろう付することにより形成されたものであり、両ヘッダタンク(2)(3)のヘッダタンク本体(10)の内外両周面はアルミニウムろう材層(12)により覆われている。また、ヘッダタンク本体(10)における筒状に成形されたアルミニウムブレージングシートの両側縁部どうしの突き合わせ部のろう付部(13)とは反対側の部分に、前後方向に長い管挿通穴(14)が上下方向に間隔をおいて複数形成されている。ヘッダタンク本体(10)の外面における管挿通穴(14)の近傍部分に、ろう材層(12)の薄い部分またはろう材層(12)の存在しない部分、ここではろう材層(12)の存在しない部分からなる溝状のろう材途切れ部(15)が形成されている。すなわち、2つのろう材途切れ部(15)が、管挿通穴(14)の前後両側においてヘッダタンク本体(10)の長さ方向にのびるように全長にわたって形成されている。また、ヘッダタンク本体(10)の内面におけるろう付部(13)の両側部分に、ろう材層(12)の薄い部分またはろう材層(12)の存在しない部分、ここではろう材層(12)の存在しない部分からなる溝状のろう材途切れ部(16)が、ヘッダタンク本体(10)の長さ方向にのびるように全長にわたって形成されている。
図4に示すように、熱交換管(4)は、少なくとも片面にろう材層を有する帯状のアルミニウムブレージングシートを、ろう材層が外側に来るように中空状に曲げてろう付することにより形成されたものであり、互いに対向する上下両壁(17)(18)と、上下両壁(17)(18)の前後両側縁どうしにまたがる前後両側壁(19)(20)と、上下両壁(17)(18)の幅方向の中央部どうしに跨る1つの補強壁(21)とを備えている。なお、熱交換管(4)については、ろう材層の図示は省略する。下壁(18)は1つの下壁形成部(18A)からなり、上壁(17)は前後両側壁(19)(20)を介して下壁形成部(18A)の前後両側縁に一体に形成されるとともに、前後両側壁(19)(20)とは反対側の縁部どうしが突き合わされた2つの上壁形成部(17A)(17B)からなる。補強壁(21)は、両上壁形成部(17A)(17B)における互いに突き合わされた縁部にそれぞれ下方に突出するように一体に形成されて先端部が下壁形成部(18A)内面に当接させられ、かつ互いに密着状態でろう付された2つの補強壁用凸条(21A)からなる。図5に示すように、上壁形成部(17A)(17B)と補強壁用凸条(21A)との連接部の外面は丸みを帯びており、これにより両上壁形成部(17A)(17B)間には熱交換管(4)の長さ方向にのびる凹溝(22)が全長にわたって形成されている。熱交換管(4)の両端部は、ヘッダタンク本体(10)の管挿通穴(14)内に挿入された状態でヘッダタンク本体(10)、すなわち両ヘッダタンク(2)(3)にろう付されている。
コンデンサ(1)は、以下に述べる方法で製造される。
まず、図6(a)に示すように、アルミニウム製芯材(24)と、アルミニウムろう材からなりかつ芯材(24)の両面を覆う皮材(25)(ろう材層)を有するアルミニウムブレージングシートよりなる素板(23)の幅方向の中央部に管挿通穴(14)を形成する。ついで、素板(23)の片面における管挿通穴(14)の両側部分に、少なくとも皮材(25)のすべてを取り除いてなる溶融ろう材流れ抑制溝(26)を全長にわたって形成する。また、素板(23)の他面における両側縁寄りの部分に、少なくとも皮材(25)のすべてを取り除いてなる溶融ろう材流れ抑制溝(27)を全長にわたって形成する。
ここで、図7に示すように、取り除くべき皮材(25)の厚みをtmm、形成すべき溶融ろう材流れ抑制溝(26)(27)の深さをHmm、形成すべき溶融ろう材流れ抑制溝の幅をWmmとした場合、H≧tおよびW≧2tの関係を満たしていることが好ましい。図示の例ではH>tであり、皮材(25)のすべてに加えて芯材(24)の一部分も切除されている。
ついで、素板(23)を、溶融ろう材流れ抑制溝(26)が外側に来るとともに、溶融ろう材流れ抑制溝(27)が内側に来るように筒状に成形して両側縁部どうしを突き合わせることによって、ヘッダタンク本体(10)を形成するための筒状体(28)を得る(図6(b)参照)。
また、アルミニウム製芯材と、アルミニウムろう材からなりかつ芯材の両面を覆う皮材(ろう材層)を有するアルミニウムブレージングシートよりなる平坦な熱交換管用素板(30)を用意する。なお、素板(30)については芯材および皮材を区別した図示は省略する。素板(30)は、1つの下壁形成部(18A)、下壁形成部(18A)の両側縁に設けられかつ前後両側壁(19)(20)を形成する2つの側壁形成部(31)(32)、両側壁形成部(31)(32)における下壁形成部(18A)とは反対側の側縁に設けられた2つの上壁形成部(17A)(17B)、および両上壁形成部(17A)(17B)における側壁形成部(31)(32)とは反対側の側縁に設けられかつ補強壁用凸条(21A)を形成する2つの補強壁形成部(図示略)からなる。
そして、素板(30)の両補強壁形成部を両上壁形成部(17A)(17B)に対して上方に曲げて補強壁用凸条(21A)を形成する(図8(a)参照)。ついで、素板(30)を、両側壁形成部(31)(32)において両上壁形成部(17A)(17B)を折り返すように曲げていき(図8(b)および(c)参照)、両補強壁用凸条(21A)の先端を下壁形成部(18A)の内面に当接させるとともに、両補強壁用凸条(21A)どうしを密着させて折り曲げ体(33)をつくる(図8(d)参照)。上述した素板(30)のすべての曲げは、ロールフォーミングにより行われる。なお、図8においては示されていないが、折り曲げ体(33)の両上壁形成部(17A)(17B)間には、折り曲げ体(33)の長さ方向にのびる凹溝(22)が全長にわたって形成されている。
さらに、コルゲートフィン(5)、サイドプレート(6)、仕切板(7)、入口部材(8)、出口部材(9)および閉鎖部材(11)を用意する。
ついで、筒状体(28)、閉鎖部材(11)、折り曲げ体(33)、コルゲートフィン(5)、サイドプレート(6)、仕切板(7)、入口部材(8)および出口部材(9)を組み合わせて適当な治具により仮止めする。その後、仮止め体を所定のろう付温度に加熱し、筒状体(28)の皮材(25)を利用して筒状体(28)の両側縁部どうしの突き合わせ部をろう付することによりヘッダタンク本体(10)を形成するとともに、ヘッダタンク本体(10)の両端部に閉鎖部材(11)をろう付し、さらに筒状体(28)の皮材(25)を利用してヘッダタンク本体(10)に入口部材(8)および出口部材(9)をろう付する。これと同時に、素板(30)のろう材からなる皮材を利用して折り曲げ体(33)における補強壁用凸条(21A)の先端と下壁形成部(18A)、および両補強壁用凸条(21A)どうしをろう付して熱交換管(4)を形成するとともに、筒状体(28)の皮材(25)および素板(30)の皮材を利用して熱交換管(4)とヘッダタンク本体(10)とをろう付し、さらに素板(30)の皮材を利用して熱交換管(4)とコルゲートフィン(5)とをろう付するとともに、サイドプレート(6)のろう材層を利用してコルゲートフィン(5)とサイドプレート(6)とをろう付する。こうして、コンデンサ(1)が製造される。
上述したコンデンサ(1)の製造の際の全部品の一括ろう付時に、外側の溶融ろう材流れ抑制溝(26)の働きによって、筒状体(28)の外面から溶け出した溶融ろう材が、毛細管現象により凹溝(22)に沿って流れることが防止される。すなわち、溶融ろう材流れ抑制溝(26)が上述したH≧tおよびW≧2tの関係を満たしていることにより、溶融ろう材流れ抑制溝(26)の両側に存在する溶融したろう材どうしが接触することが抑制され、この溶融ろう材流れ抑制溝(26)を越えての大量の溶融ろう材の流れが抑制される。したがって、ヒータコア(1)の製造時に熱交換管(4)にエロージョンが発生することが防止されるとともに、エロージョンの発生に起因する貫通穴の発生も防止される。そして、溶融ろう材流れ抑制溝(26)は形状を変えてろう材途切れ部(15)となる。
また、筒状体(28)の外面から溶け出した溶融ろう材が、毛細管現象により凹溝(22)に沿って大量に流れることを防止することができるので、熱交換管(4)とコルゲートフィン(5)との接触部に沿って流れるろう材の量を低減することもできる。しかも、内側の溶融ろう材流れ抑制溝(27)の働きによって、筒状体(28)の外面から溶け出した溶融ろう材が、筒状体(28)を形成する素板(23)の両側縁部どうしの突き合わせ部から大量に筒状体(28)内に流れ込むことが防止される。すなわち、溶融ろう材流れ抑制溝(27)が上述したH≧tおよびW≧2tの関係を満たしていることにより、溶融ろう材流れ抑制溝(27)の両側に存在する溶融したろう材どうしが接触することが抑制され、この溶融ろう材流れ抑制溝(27)を越えての大量の溶融ろう材の流れが抑制される。したがって、筒状体(28)の外面の皮材(25)を形成するろう材量を少なくすることが可能になり、材料コストが安くなってコンデンサ(1)の製造コストを低減することができるとともに、コンデンサ(1)の軽量化を図ることができる。そして、溶融ろう材流れ抑制溝(27)は形状を変えてろう材途切れ部(16)となる。
コンデンサ(1)の製造の際の全部品の一括ろう付時には、筒状体(28)の内外両面の皮材(25)を構成するろう材は必要部分のろう付に使用されるので、図9に示すように、ヘッダタンク本体(10)の内外両面のろう材層(12)の厚みは、筒状体(28)を形成するアルミニウムブレージングシートの皮材(25)の厚みよりも薄くなる。また、筒状体(28)を形成するアルミニウムブレージングシートの皮材(25)における両溶融ろう材流れ抑制溝(26)(27)に臨んでいた部分は溝(26)(27)内に流れ込み、皮材(25)における溝(26)(27)の両側面と外面との角部が丸みを帯びるように形状が変わっている。
図10〜図12はヘッダタンク本体の変形例を示す。
図10に示すヘッダタンク本体(40)の場合、1つの長方形状のろう材途切れ部(41)が、すべての管挿通穴(14)を取り囲むように形成されている。
図11に示すヘッダタンク本体(45)の場合、管挿通穴(14)と同数の長方形状のろう材途切れ部(46)が、各管挿通穴(14)を取り囲むように形成されている。
図10および図11に示すヘッダタンク本体(40)(45)のその他の構成は上述した実施形態のヘッダタンク本体(10)と同様であり、上述した実施形態における全部品の一括ろう付の前に、筒状体(28)を形成する素板(23)の段階で形成しておいた溶融ろう材流れ抑制溝からなる。これらの溶融ろう材流れ抑制溝の場合も、切除すべき皮材の厚みをtmm、形成すべき溶融ろう材流れ抑制溝の深さをHmm、形成すべき溶融ろう材流れ抑制溝の幅をWmmとした場合、H≧tおよびW≧2tの関係を満たしていることが好ましい。
図12に示すヘッダタンク本体(50)は、左右方向内方が開口した上下方向に長い直方体状の箱状体(51)(構成部材)と、箱状体(51)の左右方向内方への端部にろう付されかつ箱状体(51)の左右方向内方への開口を閉鎖するヘッダプレート(52)(構成部材)とよりなる。箱状体(51)およびヘッダプレート(52)は、それぞれアルミニウム製芯材と、アルミニウムろう材からなりかつ芯材の両面を覆う皮材(ろう材層)を有するアルミニウムブレージングシートよりなる素板を折り曲げて必要箇所をろう付することにより形成されている。なお、図示は省略したが、ヘッダ箱状体(50)の上下両端開口を閉鎖する閉鎖部材は、箱状体(51)および/またはヘッダプレート(52)に一体に形成する場合があり、あるいは箱状体(51)およびヘッダプレート(52)と別個に形成されたものがヘッダタンク本体(50)にろう付される場合もある。
ヘッダプレート(52)に、前後方向に長い管挿通穴(14)が上下方向に間隔をおいて複数形成されている。ヘッダプレート(52)の外面、すなわちヘッダタンク本体(50)の外面の管挿通穴(14)の前後両側部分に、ろう材層の薄い部分またはろう材層の存在しない部分からなる溝状のろう材途切れ部(53)が、ヘッダタンク本体(50)の長さ方向にのびるように全長にわたって形成されている。また、ヘッダプレート(52)の内面、すなわちヘッダタンク本体(50)の内面の管挿通穴(14)の前後両側部分に、ろう材層の薄い部分またはろう材層の存在しない部分からなる溝状のろう材途切れ部(54)が、ヘッダタンク本体(50)の長さ方向にのびるように全長にわたって形成されている。
図12に示すヘッダタンク本体(50)のろう材途切れ部(53)(54)は、ヘッダタンク本体(50)を備えたコンデンサの製造時における全部品の一括ろう付の前に、箱状体(51)および/またはヘッダプレート(52)を形成する素板の段階で形成しておいた溶融ろう材流れ抑制溝からなる。これらの溶融ろう材流れ抑制溝の場合も、切除すべき皮材の厚みをtmm、形成すべき溶融ろう材流れ抑制溝の深さをHmm、形成すべき溶融ろう材流れ抑制溝の幅をWmmとした場合、H≧tおよびW≧2tの関係を満たしていることが好ましい。
なお、図12に示すヘッダタンク本体(50)において、内外のろう材途切れ部は、図10および図11に示すヘッダタンク本体(40)(45)の場合と同様に、すべての管挿通穴(14)を取り囲むように長方形状のものが1つ形成されていたり、あるいは各管挿通穴(14)を取り囲むように長方形状のものが管挿通穴(14)と同数形成されていたりしてもよい。
上記実施形態においては、この発明による熱交換器はカーエアコンのコンデンサに適用されているが、これに限定されるものではなく、カーエアコンのエバポレータやヒータコア、あるいは他の熱交換器、たとえばルームエアコンのコンデンサやエバポレータにも適用可能である。
この発明による熱交換器を適用したコンデンサの全体構成を示す斜視図である。 図1に示すコンデンサのヘッダタンク本体を拡大して示す一部を省略した斜視図である。 図1に示すコンデンサのヘッダタンク本体の拡大横断面図である。 図1のA−A線拡大断面図である。 図4の部分拡大図である。 図1に示すコンデンサの製造方法においてヘッダタンク本体をつくる筒状体を形成する方法を示す図である。 図6(a)の要部を拡大して示す断面図である。 図1に示すコンデンサの製造方法において熱交換管をつくる折り曲げ体を形成する方法を示す図である。 ろう材途切れ部を拡大して示す断面図である。 ヘッダタンク本体の変形例を示す一部を省略した斜視図である。 ヘッダタンク本体の他の変形例を示す一部を省略した斜視図である。 ヘッダタンク本体のさらに他の変形例を示す水平横断面図である。
符号の説明
(1):コンデンサ(熱交換器)
(2)(3):ヘッダタンク
(4):熱交換管
(5):コルゲートフィン
(10):ヘッダタンク本体
(11):閉鎖部材
(12):ろう材層
(13):ろう付部
(14):管挿通穴
(15)(16):ろう材途切れ部
(22):凹溝
(23):素板
(25):皮材(ろう材層)
(26)(27):溶融ろう材流れ抑制溝
(28):筒状体
(40)(45):ヘッダタンク本体
(41)(46):ろう材途切れ部
(50):ヘッダタンク本体
(51):箱状体(構成部材)
(52):ヘッダプレート(構成部材)
(53)(54):ろう材途切れ部

Claims (13)

  1. 外面にろう材層を有する材料により形成され、かつ互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に、ヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて配置され、かつ両端部がヘッダタンクに形成された管挿通穴内に挿入された状態でヘッダタンクにろう付された複数の扁平状熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたコルゲートフィンとを備えており、ヘッダタンクが、少なくとも外面にろう材層を有する筒状体からなり、かつ複数の管挿通穴を有するヘッダタンク本体と、ヘッダタンク本体の両端開口を閉鎖する閉鎖部材とからなり、熱交換管のコルゲートフィンがろう付される面に、長さ方向にのびる凹溝が存在している熱交換器であって、
    ヘッダタンク本体の外面における管挿通穴の近傍部分に、ろう材層の薄い部分またはろう材層の存在しない部分からなる溝状のろう材途切れ部が形成されている熱交換器。
  2. 2つのろう材途切れ部が、管挿通穴の通風方向の両側においてヘッダタンク本体の長さ方向にのびるように形成されている請求項1記載の熱交換器。
  3. 1つのろう材途切れ部が、すべての管挿通穴を取り囲むように形成されている請求項1記載の熱交換器。
  4. 管挿通穴と同数のろう材途切れ部が、各管挿通穴を取り囲むように複数形成されている請求項1記載の熱交換器。
  5. ヘッダタンクが、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートを筒状に成形して両側縁部どうしの突き合わせ部をろう付することにより形成されたヘッダタンク本体と、ヘッダタンク本体の両端開口を閉鎖する閉鎖部材とよりなり、管挿通穴が、ヘッダタンク本体のろう付部とは反対側に形成され、ヘッダタンク本体の内面におけるアルミニウムブレージングシートの両側縁部どうしのろう付部の両側において、ろう材層の薄い部分またはろう材層の存在しない部分からなるろう材途切れ部が、ヘッダタンク本体の長さ方向にのびるように形成されている請求項1〜4のうちのいずれかに記載の熱交換器。
  6. ヘッダタンクが、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなる複数の構成部材を相互にろう付して筒状とすることにより形成されたヘッダタンク本体と、ヘッダタンク本体の両端開口を閉鎖する閉鎖部材とよりなり、管挿通穴がいずれか1つの構成部材に形成され、ヘッダタンク本体の内面における管挿通穴の通風方向の両側において、ろう材層の薄い部分またはろう材層の存在しない部分からなるろう材途切れ部が、ヘッダタンク本体の長さ方向にのびるように形成されている請求項1〜4のうちのいずれかに記載の熱交換器。
  7. 外面にろう材層を有する材料により形成され、かつ互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に、ヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて配置され、かつ両端部がヘッダタンクに形成された管挿通穴内に挿入された状態でヘッダタンクにろう付された複数の扁平状熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたコルゲートフィンとを備えており、ヘッダタンクが、少なくとも外面にろう材層を有する筒状体からなり、かつ複数の管挿通穴を有するヘッダタンク本体と、ヘッダタンク本体の両端開口を閉鎖する閉鎖部材とからなり、熱交換管のコルゲートフィンがろう付される面に、長さ方向にのびる凹溝が存在している熱交換器を製造する方法であって、
    ヘッダタンク本体、閉鎖部材、熱交換管およびコルゲートフィンを一括してろう付することを含み、当該ろう付の前に、ヘッダタンク本体の外面における管挿通穴の近傍部分に、ろう材層を取り除くことによって溶融ろう材流れ抑制溝を形成しておくことを特徴とする熱交換器の製造方法。
  8. 2つの溶融ろう材流れ抑制溝を、管挿通穴の通風方向の両側においてヘッダタンク本体の長さ方向にのびるように形成しておく請求項7記載の熱交換器の製造方法。
  9. 1つの溶融ろう材流れ抑制溝を、すべての管挿通穴を取り囲むように形成しておく請求項7記載の熱交換器の製造方法。
  10. 管層通穴と同数の溶融ろう材流れ抑制溝を、各管挿通穴を取り囲むように複数形成しておく請求項7記載の熱交換器の製造方法。
  11. 両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートを筒状に成形して両側縁部どうしの突き合わせ部をろう付することによりヘッダタンク本体をつくることを含み、管挿通穴を、筒状に成形したアルミニウムブレージングシートの両側縁部どうしの突き合わせ部とは反対側に形成しておき、筒状に成形したアルミニウムブレージングシートの内面における両側縁部どうしの突き合わせ部の両側部分に、アルミニウムブレージングシートのろう材層を取り除くことによって、ヘッダタンク本体の長さ方向にのびる溝状の溶融ろう材流れ抑制溝を形成しておく請求項7〜10のうちのいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
  12. 両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなる複数の構成部材を相互にろう付して筒状とすることによりヘッダタンク本体をつくることを含み、管挿通穴をいずれか1つの構成部材に形成し、管挿通穴が形成された構成部材の内面における管挿通穴の通風方向の両側部分に、アルミニウムブレージングシートのろう材層を取り除くことによって、ヘッダタンク本体の長さ方向にのびる溝状の溶融ろう材流れ抑制溝を形成しておく請求項7〜10のうちのいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
  13. 取り除くべきろう材層の厚みをtmm、形成すべき溶融ろう材流れ抑制溝の深さをHmm、形成すべき溶融ろう材流れ抑制溝の幅をWmmとした場合、H≧tおよびW≧2tの関係を満たす請求項7〜12のうちのいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
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WO2018135149A1 (ja) * 2017-01-18 2018-07-26 株式会社デンソー 板状部材によって一部が形成された構造体、及びこれを用いた熱交換器
CN110446903A (zh) * 2017-03-21 2019-11-12 株式会社电装 热交换器

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