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JP2009040738A - 油中水乳化剤形の皮膚外用剤 - Google Patents

油中水乳化剤形の皮膚外用剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 夏でも使用可能な油中水乳化剤形の皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】 1)有機変性粘土鉱物と、2)分岐脂肪酸とを、油中水乳化剤形の皮膚外用剤に含有させる。前記有機変性粘土鉱物は、ジステアロジモニウム変性ヘクトライトであることをが好ましく、前記分岐脂肪酸はイソステアリン酸であることが好ましい。更に両性金属の酸化物乃至は水酸化物を含有することが好ましく、前記両性金属の酸化物乃至は水酸化物は、酸化亜鉛であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、皮膚外用剤に関し、更に詳細には、化粧料などに好適な皮膚外用剤に関する。
乳化剤形で、且つ、粉体を含有する皮膚外用剤は、粉体に起因する乾燥感が生じないことから、化粧行為に時間を要する欠点が存するにもかかわらず、忙しい現代でもメークアップ化粧料に於いて重要な役割を演じている。この様な剤形での課題は、比重の非常に大きな粉体を、重力に逆らって、乳化構造で支えなければならないことである。この為、乳化構造が強固であり、且つ、粉体凝集を起こしにくい、脂肪酸石鹸を利用した乳化系が適用されてきた。しかしながら、脂肪酸石鹸構造を利用することにより、界面活性剤としての石鹸の作用も発現し、系の耐水性は著しく低下し、汗をかきやすい夏場の使用には困難が伴った。この様な背景から、有機変性粘土鉱物の乳化性を利用した、油中水乳化剤形を利用する方法が開発された(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、高内相であるとはいえ、油中水乳化剤形を夏に使用するには、その重すぎる使用感の問題が存し、のびを軽くし、夏にも耐えられるような努力がなされている。これには、粉体を含有すること自体でチキソトロピー性が増大し、更に油中水乳化物ののびを重くさせていることも理由の一つとして存在する。前記のびの軽快化手段としては、例えば、球状の弾性体を含有させることなどが提案されている(例えば、特許文献2を参照)が、粉体の増量はチキソトロピー性の増大にも通じるので、その効果については些か疑問が存することをぬぐえない。
一方、イソステアリン酸などの分岐脂肪酸については、オイルゲルにおいて、構成成分を均一化する作用が存すること(例えば、特許文献3、特許文献4を参照)、さっぱりとした感触を呈する水中油乳化物の油分として用いること(例えば、特許文献5を参照)等が知られているが、分岐脂肪酸を含有する油中水乳化剤形は全く知られていないし、この様な構成を採用することにより、粉体の分散状態を維持しながら、のびの良さや仕上がりのさっぱり感を発現することも全く知られていなかった。
特開平11−246354号公報 特開平10−109917号公報 特開2005−298635号公報 特開2005−298388号公報 特開2004−168670号公報
本発明は、この様な状況下為されたものであり、夏でも使用可能な油中水乳化剤形の皮膚外用剤を提供すること課題とする。
この様な状況に鑑みて、例え、粉体類を含有したとしても、その使用に際しての感触が軽く、夏でも使用可能な油中水乳化剤形の皮膚外用剤を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)有機変性粘土鉱物と、2)分岐脂肪酸とを含有する、油中水乳化剤形の皮膚外用剤がその様な特性を備えていることを見いだし、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示す通りである。
<1>1)有機変性粘土鉱物と、2)分岐脂肪酸とを含有することを特徴とする、油中水乳化剤形の皮膚外用剤。
<2>前記有機変性粘土鉱物は、ジステアロジモニウム変性ヘクトライトであることを特徴とする、<1>に記載の皮膚外用剤。
<3>前記分岐脂肪酸はイソステアリン酸であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の皮膚外用剤。
<4>更に両性金属の酸化物乃至は水酸化物を含有することを特徴とする、<1>〜<3>何れか1項に記載の皮膚外用剤。
<5>前記両性金属の酸化物乃至は水酸化物は、酸化亜鉛であることを特徴とする、<4>に記載の皮膚外用剤。
<6>紫外線防護化粧料であることを特徴とする、<5>に記載の皮膚外用剤。
本発明によれば、夏でも使用可能な油中水乳化剤形の皮膚外用剤を提供できる。
(1)本発明の皮膚外用剤の必須成分である有機変性粘土鉱物
本発明の皮膚外用剤は有機変性粘土鉱物を必須成分として含有することを特徴とする。ここで有機変性とは、粘土鉱物の一部に有機化合物の一部を共有結合乃至はイオン結合を介して強固乃至は緩やかな結合を生ぜしめ、有機化合物の性質の一部乃至は全部を粘土鉱物に付与させることを意味し、この様な変性としては4級アミン基と粘土鉱物のアニオン部分を結合させる方法、カルボキシル基と粘土鉱物のカチオン部分を結合させる方法等が例示でき、4級アミン基と粘土鉱物のアニオン部分を結合させる方法が特に好ましく例示できる。粘土鉱物を変性させる4級アミノ基を有する化合物としては、特に限定されるわけではないが、クオタニウムと称される化合物が例示される。クオタニウムとは、低分子の置換第4級アンモニウム塩であって、国際基準化粧品原材料(INCI)に登録された化粧料原料が好ましい。さらに、粘土鉱物を変性させる4級アミノ基を有する化合物は、クオタニウム化合物のなかでも、従来の皮膚外用剤に含有されるクオタニウム化合物であることが好ましい。従来の皮膚外用剤で使用されているクオタニウム化合物としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド等が好ましく例示される。ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド等は、粘土鉱物とともに安定な油中水乳化構造を形成することができるので好ましい。一方、4級アミノ基を有する化合物で変性される粘土鉱物(未変性粘土鉱物)としては、従来の皮膚外用剤に含有される粘土鉱物であれば特段の限定無く使用することができる。従来の皮膚外用剤に含有される粘土鉱物としては、スメクタイト系のヘクトライト、ベントナイトやモンモリロナイト;カオリナイト;イライト;マリーン粘土鉱物(海泥);デザートローズ粘土鉱物;パスカライトなどが好ましく挙げられる。これらのうち、油中水乳化構造を安定化させることができるベントナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト又はカオリナイトが好ましく例示される。本発明の皮膚外用剤に含有される4級アミノ基を有する化合物で変性された粘土鉱物の製造方法の一例を以下に説明する。前記未変性粘土鉱物を分散媒に分散させる。該分散剤は水系の溶媒であることが好ましく、水であってもよい。分散未変性粘土鉱物を含む分散液に、さらに4級アミノ基を有する化合物を加え、よく撹拌する。4級アミノ基を有する化合物は、水に溶解されて加えられてもよい。加えられる4級アミノ基を有する化合物の量は、分散未変性粘土鉱物の量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましい。この様な構成を取ることにより、乳化系において、好ましい使用感を呈するためである。撹拌後、分散質を濾取し、脱水、乾固することにより本発明における変性粘土鉱物を得ることができる。あるいは、分散質を濾取することなく、減圧濃縮することにより分散剤を除去して乾固させることにより、本発明における変性粘土鉱物を得ることもできる。得られた変性粘土鉱物は、好ましくは所望のサイズ(粒径が1〜1000μmであることが好ましい)に粉砕され、本発明の皮膚外用剤に含有される。本発明における変性粘土鉱物は、前述したように調製して使用されることもできるが、市販されているものを使用することもできる。市販されている変性粘土鉱物には、化粧料などの皮膚外用剤などとして用いられているものもある。市販されている変性粘土鉱物としては、例えば、エレメンティス社より「ベントン38V」の名称で販売されている、ジメチルジステアリルアンモニウム変性ヘクトライトなどが好ましく例示される。本発明の皮膚外用剤においては、かかる成分は0.5〜10質量%好ましく含有され、より好ましくは1〜5質量%含有される。かかる成分は、高内相の油中水乳化物を形成する作用に優れる。個々で、本発明に言う油中水乳化剤形とは、最外相が油相である乳化剤形の総称であり、油中水滴型乳化剤形、油中水中油滴乳化剤形などの総称を示す。
(2)本発明の皮膚外用剤の必須成分である分岐脂肪酸
本発明の皮膚外用剤は分岐脂肪酸を必須成分として含有することを特徴とする。前記分岐脂肪酸における炭素数は10〜30が好ましく、より好ましくは14〜24である。これは炭素数が小さすぎると、使用時に刺激感を呈する場合が存し、大きすぎると、効果を奏しない場合が存する。具体的にはイソパルミチン酸、イソステアリン酸、2−ブチルヘキサン酸などが特に好適に例示できる。これらの中ではイソステアリン酸が特に好ましい。本発明の皮膚外用剤に於いて、前記分岐脂肪酸は、低温域における系の粘度を減じ、高温域における増粘を抑制し粘度を維持する効果を有する。この様な効果を奏するためには、前記分岐脂肪酸から選択される1種乃至は2種以上を0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜0.5質量%含有させることが好ましい。含有量が少なすぎると前記粘度安定化効果を奏しない場合が存し、含有量が多すぎる場合には、高温域での経時増粘や、低温域での経時減粘が存する場合が存するためである。
(3)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、前記必須成分を含有し、油中水乳化剤形であることを特徴とする。本発明の皮膚外用剤においては、かかる成分以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。これらの内、特に好ましい成分としては、酸化亜鉛が挙げられる。酸化亜鉛は紫外部A領域にも吸収を有した紫外線防護剤であると同時に、抗菌性も有し、且つ、両性金属であることから、酸とでも、アルカリとでも配位結合を形成する。この配結合形成性が、前記分岐脂肪酸を介して、系の安定化に寄与もすると考えられる。これらの様な作用を奏するためには、前記酸化亜鉛は、5〜30質量%含有することが好ましく、より好ましくは、10〜25質量%である。
又、前記有機変性粘土鉱物の乳化性を補助する意味で、ポリエーテル変性シリコーンを含有させることも好ましい。ポリエーテル変性シリコーンとしては、ポリエチレングリコール変性メチルシロキサンやポリプロピレングリコール変性メチルシロキサン、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール変性メチルシロキサンなどが好ましく例示できる。特に好ましいものは、ポリエチレングリコール(10)変性メチルシロキサンであり、これには、例えば、信越化学株式会社製の「シリコーンKF6017」等が市販品として存する。この様なポリエーテル変性シリコーンの好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、1〜20質量%であり、より好ましくは5〜15質量%である。
本発明の皮膚外用剤は、前記必須成分と、任意成分とを常法に従って処理することにより、製造することが出来る。本発明の皮膚外用剤としては、例えば、医薬部外品を包含する化粧料、皮膚外用医薬組成物、皮膚外用雑貨等、皮膚に外用で投与されるものに適用できる。特に好ましくは化粧料が例示できる。又、その剤形は油中水乳化形態を取れば、乳液、クリーム、固形乃至は半固形などの状態を取ることができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明について、更に詳細に説明を加える。
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である紫外線防護化粧料を作成した。即ち、イの成分をコボルミルで均一な分散体と為し、しかる後にロの成分と合わせて80℃に温度調整した。これにハの成分を加え、更に、攪拌下、一様に分散させた後、予め、80℃に加温し、一様に可溶化したニを徐々に加えて乳化し、攪拌冷却し化粧料1を得た。同様に、イソステアリン酸をステアリン酸に置換した比較例1、オレイン酸に置換した比較例2、シクロメチコンに置換した比較例3も作成した。
Figure 2009040738
<試験例1>
化粧料1、比較例1、比較例2及び比較例3の温度安定性を調べた。即ち、各サンプルをクリーム瓶に充填し、5℃、20℃、40℃に1ヶ月保存し、一晩かけて20℃に戻した後に、硬度を測定し、保存開始時の20℃の硬度からの変化を調べた。結果を表2に示す。これより、本発明の皮膚外用剤は、温度安定性に優れることが分かる。硬度の測定条件は、カードメータでアタッチメントが16mmφで荷重が100gであった。尚、硬度が増加している比較例1〜3の40℃1ヶ月保存20℃戻し品では、明らかに化粧料の延展時ののびが重くなり、夏に使用するのには適しているとは言い難いことが判明した。
Figure 2009040738
実施例1と同様に下記に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である化粧料2を作成した。このものは20℃の初期硬度が13(16mmφ−100g)であり、5℃1ヶ月保存20℃戻しの硬度が13、20℃1ヶ月保存の硬度が13、40℃1ヶ月保存20℃戻しの硬度が10であった。同様の効果が認められた。
Figure 2009040738
実施例1と同様に下記に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である化粧料3を作成した。このものは20℃の初期硬度が16(16mmφ−100g)であり、5℃1ヶ月保存20℃戻しの硬度が12、20℃1ヶ月保存の硬度が14、40℃1ヶ月保存20℃戻しの硬度が8であった。同様の効果が認められたものの、化粧料1ほどではなく、酸化亜鉛の効果が確認された。
Figure 2009040738
実施例1と同様に下記に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である化粧料3を作成した。このものは20℃の初期硬度が15(16mmφ−100g)であり、5℃1ヶ月保存20℃戻しの硬度が14、20℃1ヶ月保存の硬度が14、40℃1ヶ月保存20℃戻しの硬度が11であった。同様の効果が認められ、酸化亜鉛は5%以上でその効果が明瞭になることが分かる。
Figure 2009040738
本発明は、化粧料などの皮膚外用剤に応用できる。

Claims (6)

  1. 1)有機変性粘土鉱物と、2)分岐脂肪酸とを含有することを特徴とする、油中水乳化剤形の皮膚外用剤。
  2. 前記有機変性粘土鉱物は、ジステアロジモニウム変性ヘクトライトであることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 前記分岐脂肪酸はイソステアリン酸であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. 更に両性金属の酸化物乃至は水酸化物を含有することを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  5. 前記両性金属の酸化物乃至は水酸化物は、酸化亜鉛であることを特徴とする、請求項4に記載の皮膚外用剤。
  6. 紫外線防護化粧料であることを特徴とする、請求項5に記載の皮膚外用剤。
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