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JP2008525701A - 時間遅延を伴う切替手段を備える自動車エンジンの熱エネルギー制御システム - Google Patents

時間遅延を伴う切替手段を備える自動車エンジンの熱エネルギー制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】切替ラジエータが高温冷却材サイクルと接続された高温サイクル構成と、切替ラジエータが低温冷却材サイクルと接続された低温サイクル構成の2つのサイクル構成をとりうる、自動車のエンジンで発生する熱エネルギーの制御システムにおいて、高温サイクル構成から低温サイクル構成への切替の際に、熱的な衝撃を回避しうるシステムを提供する。
【解決手段】高温用ラジエータ20を含む高温冷却材サイクル12と、低温用ラジエータ30,30a,30bを含む低温冷却材サイクル14とを備え、互いに同一の冷却材が流れるようになっているシステムにおいて、システムを、切替器52,54,56によって、切替ラジエータ36が高温冷却材サイクル12と接続された高温サイクル構成と、切替ラジエータ36が低温冷却材サイクル14と接続された低温サイクル構成との間で切り替えうるようにする。これらの切替器52,54,56は、高温サイクル構成から低温サイクル構成への切替の際、熱的な衝撃を緩和するため、所定の時間遅延を経て逐次作動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、2つの冷却材サイクルを備える自動車の熱エネルギー制御システムに関する。より詳しくいうと、本発明は、エンジンと高温用ラジエータを含む高温冷却材サイクルと、低温用ラジエータを含む低温冷却材サイクルとを備え、自動車のエンジンで発生する熱エネルギーを制御するシステムに関するものである。
上記のタイプの熱エネルギー制御システムは、下記特許文献1により公知となっている。この特許文献1に開示されているシステムは、制御装置により制御される切替手段によって2つの部分に分けられた単一のラジエータを備えている。このシステムは、ラジエータの一方の部分が、高温冷却材サイクル用に割り当てられる高温サイクル構成と、もう一方の部分が、低温冷却材サイクル用に割り当てられる低温サイクル構成の2つのサイクル構成をとることができる。この際、ラジエータの熱交換面積は、すべて、高温冷却材サイクルおよび低温冷却材サイクルのいずれかに割り当てられる。
このタイプの熱エネルギー制御システムにおいては、冷却材の一のサイクル構成から他のサイクル構成への切替は、制御パラメータが一定の閾値を超えるか否かによって行われる。しかし、ラジエータの一部または全部に、高温冷却材(85〜100℃)が存在する高温サイクル構成から、この高温冷却材が低温冷却材サイクル(40〜60℃)へ注入される低温サイクル構成へ切り替える際には、熱的な衝撃が生ずる。
さらに、ラジエータのすべての熱交換面積が、2つの冷却材サイクルのうちの一方に割り当てられるため、もう一方の冷却材サイクルは、冷却(熱交換)のための面積を有しない。したがって、このようなシステムは、高温冷却材サイクルおよび低温冷却材サイクルの双方を冷却する必要性を考えると、満足しうるものではない。
米国特許第5353757号明細書
本発明は、上記の問題点を解消するようにした、自動車のエンジンで発生する熱エネルギーの制御システムを提供することを目的としている。
本発明に係る熱エネルギー制御システムは、切替ラジエータと、切替ラジエータおよび高温冷却材サイクルの間に位置する第1の切替手段と、切替ラジエータおよび低温冷却材サイクルの間に位置する第2および第3の切替手段とを備えるものであり、これらの切替手段は、システムを、切替ラジエータが高温冷却材サイクルと接続された高温サイクル構成と、切替ラジエータが低温冷却材サイクルと接続される低温サイクル構成との間で切り替えることができ、かつ高温サイクル構成から低温サイクル構成への切替の際、熱的な衝撃を緩和するために、所定の時間遅延を経て逐次作動するようになっている。
本発明に係る制御システムは、上記のような構成を有するため、高温サイクル構成から低温サイクル構成へ切り替えられる際、高温冷却材サイクルを流れる高温冷却材は、低温冷却材サイクル中に徐々に混入する。なお、システムを、低温サイクル構成から高温サイクル構成へ切り替える際にも、同様の措置をとることができる。
本発明においては、システムのサイクル構成を問わず、高温冷却材サイクルと低温冷却材サイクルは、いずれも、冷却材を冷却するための適当な熱容量を保存しうる。
本発明に係る制御システムは、高温冷却材サイクルを流れる冷却材を切替ラジエータへ流入させるための高温冷却材用の入口管と、切替ラジエータから流出した冷却材を高温冷却材サイクルへ戻すための高温冷却材用の出口管と、低温冷却材サイクルを流れる冷却材を切替ラジエータへ流入させるための低温冷却材用の入口管と、切替ラジエータから流出した冷却材を低温冷却材サイクルへ戻すための低温冷却材用の出口管とをさらに備え、第1および第2の切替手段は、それぞれ、前記高温冷却材用の入口管および低温冷却材用の入口管に設けられていることが好ましい。
また、前記低温冷却材用の出口管は、前記低温用ラジエータの一部の上流側において、低温冷却材サイクルに接続されており、前記第3の切替手段は、低温冷却材サイクルにおける前記低温冷却材の入口管の出口ノードと、前記低温冷却材用の出口管の入口ノードとの間に設けられているのが好ましい。したがって、前記第3の切替手段は、低温サイクル構成において、切替ラジエータを、低温用ラジエータと直列に置くことを可能にする。
他方、本発明においては、切替ラジエータと冷却用ラジエータは、並列に置くこともできる。この場合、第3の切替手段は、用いなくてもよい。
前記各切替手段は、高温冷却材サイクルまたは低温冷却材サイクルを冷却する際に参照されるべき代表的な制御パラメータを提供するセンサに接続された制御装置によって制御されるのが好ましい。
また、前記代表的な制御パラメータは、エンジンの出口における冷却材の温度、エンジンの負荷を表すパラメータ、およびエンジンの負荷状態を知りうるパラメータの中から選択されるのが好ましい。
前記制御装置は、エンジンの始動時には、システムを前記低温サイクル構成におき、かつ前記制御パラメータを読み取って、低温閾値と比較し、制御パラメータが、低温閾値よりも小さいときには、システムを低温サイクル構成に留めるようになっているのが好ましい。
さらに、前記制御装置は、前記制御パラメータを前記低温閾値と比較した後、この制御パラメータを高温閾値とも比較し、制御パラメータがこの高温閾値よりも大きいときには、システムを高温サイクル構成へ切り替えるようになっているのが好ましい。
本発明に係る制御システムは、前記パラメータが、高温閾値よりも大きい間は、高温サイクル構成を維持する。本発明においては、低温閾値と高温閾値の2つの閾値を設定し、パラメータが1つの閾値を上回ったり下回ったりしても、直ちにもう一方のサイクル構成へ切り替えることはないため、システムが不安定になるのを回避することができる。
前記制御装置は、前記制御パラメータと低温閾値の比較の結果、制御パラメータが低温閾値よりも小さいときには、直ちに、第1の切替手段の切替を指示し、ついで、第1の時間の経過後、第2の切替手段の切替を指示し、最後に、第1の時間よりも長い第2の時間の経過後、第3の切替手段の切替を指示するようになっているのが好ましい。
反対に、制御パラメータと高温閾値の比較の結果、制御パラメータが高温閾値よりも大きいときには、システムを低温サイクル構成から高温サイクル構成へ切り替えるべく、制御装置は、第1の切替手段、第2の切替手段、および第3の切替手段を直ちに切り替えるよう指示することができる。他方、制御装置は、直ちに、第3の切替手段の切替を指示し、ついで、第1の時間の経過後、第2の切替手段の切替を指示し、最後に、第1の時間よりも長い第2の時間の経過後、第1の切替手段の切替を指示することもできる。
前記各切替手段は、2つの切替位置をもつ電動バルブであるのが好ましい。
前記高温用ラジエータと切替ラジエータは、高温用冷却部と切替冷却部からなる単一の熱交換器として構成するのが好ましい。これにより、熱交換器の数を減らし、しかも、システムの熱容量を増大させることができるからである。
本発明の通常の実施形態においては、低温冷却材サイクルは、空調サイクルの一部をなすコンデンサおよび過給クーラの少なくとも一方を備えている。
最後に、低温用ラジエータは、第1および第2の冷却通路に分けられているのが好ましい。
本発明によれば、切替ラジエータが高温冷却材サイクルと接続された高温サイクル構成と、切替ラジエータが低温冷却材サイクルと接続された低温サイクル構成の2つのサイクル構成をとりうる、自動車のエンジンで発生する熱エネルギーの制御システムにおいて、高温サイクル構成から低温サイクル構成への切替の際に、熱的な衝撃を回避することができる。
本発明の上記以外の特徴および効果は、添付の図面を参照して行う、以下の実施形態の説明から明らかになると思う。
図1と図2に示すように、本発明に係る、自動車エンジン10において発生する熱エネルギーの制御システムは、高温冷却材サイクル12と低温冷却材サイクル14を備えている。この2つの冷却材サイクルは、互いに接続され、同一の冷却材(例えば、水に、エチレングリコールのようなゲル化防止剤を添加したもの)が流通する2つのサイクル構成(高温サイクル構成と低温サイクル構成)を形成しうるようになっている。
高温冷却材サイクル12は、冷却材を循環させるためのポンプ(機械式または電動式)16を備えている。また、この高温冷却材サイクル12は、公知の熱エネルギー制御システムと同様に、エンジンの出口部分に、サーモスタットまたは自動温度調節式のバルブ(図示せず)を具備している。なお、これらのサーモスタットまたはバルブは、冷却材の分岐部や、自動車の主たるラジエータである高温用ラジエータ(熱交換器)20に設けることもできる。
高温冷却材サイクル12は、他の熱交換器、例えばオイルクーラを備えることもできる。しかし、このような構成要素は、本発明の技術的範囲とは無関係であるため、図示しない。
低温冷却材サイクル14は、電動式の循環ポンプ28と、低温用ラジエータ30を備えている。低温用ラジエータ30は、第1の通路30aと第2の通路30bを有している。また、低温冷却材サイクル14は、車室用空調サイクルの一部をなすコンデンサ32を備えている。このコンデンサ32は、公知のコンデンサとは対照的に、低温冷却材サイクル14を流れる冷却材によって冷却される。この際、低温ループを流れる冷却材の温度は、コンデンサ32が良好に稼動しうるよう、40〜60℃とすることが必要である。さらに、低温冷却材サイクル14は、この低温冷却材サイクル14を流れる冷却材によって冷却される過給クーラ34も備えている。
本発明のシステムは、後に詳しく説明するように、高温冷却材サイクル12または低温冷却材サイクル14と接続される切替ラジエータ36を備えている。図1と図2においては、高温用ラジエータ20と切替ラジエータ36は、単一の熱交換器38内で、それぞれ独立のセクションを構成している。しかし、変形例として、切替ラジエータ36は、高温用ラジエータ20および低温用ラジエータ30の双方と別体の装置とすることもできる。
また、本発明のシステムは、高温冷却材サイクル12を流れる高温の冷却材を、切替ラジエータ36へ送り込むための入口管40と、高温の冷却材を、切替ラジエータ36から高温冷却材サイクル12へ戻すための出口管42を備えている。
一方、低温冷却材用の入口管44は、低温冷却材サイクル14を流れる冷却材を、切替ラジエータ36へ送り込む役割を果たし、他方、低温冷却材用の出口管46は、冷却材を、切替ラジエータ36から低温冷却材サイクルへ戻す役割を果たす。2つの入口管40,44は、第1の共通管48へ連なっている。また、2つの出口管42,46は、第2の共通管50から分岐している。
第1の切替手段としての電動バルブ52は、高温冷却材の入口管40に取り付けられており、他方、第2の切替手段としての電動バルブ54は、低温冷却材の入口管44に取り付けられている。さらに、第3の切替手段としての電動バルブ56は、低温冷却材サイクル14における、入口管44の出口ノード58と、出口管46の入口ノード60との間に取り付けられている。入口ノード60は、冷却材の循環する方向において、低温用ラジエータ30の上流側、より詳しくは、低温用ラジエータ30の第1の通路30aの上流側に位置している。
しかし、この実施形態の変形例においては、破線61で示すように、出口管46は、低温用ラジエータ30の第1の通路30aの下流側に位置するノード62において、低温冷却材サイクル14と接続される。
第1、第2および第3の切替手段は、それぞれ、2つの切替位置を有する電動バルブであるが、他の機器とすることもできる。この電動バルブは、全開もしくは全閉という二者択一的な制御も、段階的な制御も可能である。電動バルブは、制御装置64(図3参照)によって制御される。この制御に用いるため、エンジン冷却の際に参照されるべき代表的なパラメータを、センサ66が測定するようになっている。
センサ66は、エンジン10の出口における冷却材の温度を測定する。エンジンの出口における冷却材の温度は、上記のパラメータとして最も適している。しかし、エンジン負荷を表すパラメータや、エンジンの負荷状態を知りうるパラメータ(例えばエンジントルク)のような他のパラメータも想定しうる。制御装置64には、電動バルブ52,54,56のいずれを開放して、いずれを閉鎖するかを制御するための制御手順が格納されている。
図1に示す熱エネルギー制御システムは、「低温サイクル構成」をとっており、切替ラジエータ36は、低温冷却材サイクル14と接続されている。すなわち、電動バルブ52,56は閉鎖され、他方、電動バルブ54は開放されている。したがって、切替ラジエータ36は、低温用ラジエータ30の第1および第2の通路30a,30bと直列になっている。
出口管46は、第1の通路30aの上流側に位置する入口ノード60において、低温冷却材サイクル14と接続されているが、この出口管46を、第1の通路30aの下流側(ノード62)において接続する場合には、切替ラジエータ36と第1の通路30aは並列となり、電動バルブ56を用いる必要はなくなる。
図2に示す熱エネルギー制御システムは、切替ラジエータ36が、高温冷却材サイクルの一部をなす「高温サイクル構成」をとっている。このサイクル構成においては、電動バルブ52,56は開放され、他方、電動バルブ54は閉鎖されている。したがって、高温用ラジエータ20と低温用ラジエータ30は、並列的に働く。この場合、切替ラジエータ36の熱容量が、高温用ラジエータ20のそれに加わる。しかし、低温冷却材サイクル14の熱容量は、低温用ラジエータ30のそれに限定される。
図4は、電動バルブ52,54,56を制御する際の手順の一例を示した流れ図である。エンジンの始動時(過程100)には、システムは、低温サイクル構成にあるか否かは不明である(過程102)。一方、エンジンが始動した当初は、冷却材は冷えた状態にあるため、エンジン温度の上昇速度を加速しうるよう、冷却材を再冷却するのは好ましくない。
過程104においては、センサ66を介して、エンジンの出口における冷却材の温度(Ts mot)データを収集する。
過程106においては、収集した冷却材の温度(Ts mot)データを、低温閾値(Ts mot 1;例えば85℃)と比較する。この結果、冷却材の温度が、低温閾値(Ts mot 1)よりも低いときには、過程108において、システムが低温サイクル構成にあるか否かの検証を行う。
システムが低温サイクル構成にあるときには、矢印110で示すように、過程102に戻る。
他方、システムが低温サイクル構成にないときには、過程112において、制御装置64は、各電動バルブの開閉を制御して、システムを低温サイクル構成に切り替える。
本発明においては、所定の時間tが経過したときに、エンジンの出口における冷却材の温度(Ts mot)が、低温閾値(Ts mot 1)よりも低いと検知されたときには、制御装置64は、電動バルブ52を閉鎖するよう指令を出す。その結果、高温冷却材サイクルを流れる冷却材は、切替ラジエータ36を通過することはできなくなる。
さらに、所定の遅延時間t1が経過した後、制御装置64は、電動バルブ54の開放を指示する。このため、低温冷却材サイクル14を流れる冷却材の一部は、切替ラジエータ36へ導かれ、他の一部は、開放されたままの電動バルブ56へ向かって循環を続ける。したがって、切替ラジエータ36からは、徐々に、高温の冷却材がなくなり、低温の冷却材がこれに置き換わる。この過程は徐々に進行するため、3つの電動バルブの切替を同時に指示したときとは違って、熱的な衝撃は回避される。
ついで、所定の遅延時間t2が経過した後、制御装置64は、電動バルブ56を閉鎖するよう指令を出す。その結果、これまで低温用ラジエータ30の第1の通路30aへ向かっていた低温の冷却材は、すべて、切替ラジエータ36へ向かう。
こうして、システムは、高温サイクル構成から低温サイクル構成へ完全に切り替わる。
エンジンの出口における冷却材の温度が、低温閾値よりも低い間は、システムは、低温サイクル構成に留まる。
エンジンの出口における冷却材の温度(Ts mot)が、低温閾値(Ts mot 1)よりも高い場合には、過程114において、この温度(Ts mot)を、高温閾値(Ts mot 2;例えば105℃)と比較する。この比較の結果、エンジンの出口における冷却材の温度(Ts mot)が、低温閾値(Ts mot 1)よりも高いが、高温閾値(Ts mot 2;例えば105℃)よりは低いことが判明した場合には、システムにおける冷却材サイクルの構成は変えられない。換言すれば、システムが低温サイクル構成にあって、冷却材の温度が、低温閾値よりも高いものの、例えば100℃に留まる場合には、この低温サイクル構成を維持する。
他方、過程114において、エンジンの出口における冷却材の温度(Ts mot)が、高温閾値(Ts mot 2)よりも高いことが判明した場合には、制御装置64は、システムを低温サイクル構成から高温サイクル構成へ切り替える。このために、制御装置64は、電動バルブ52,56を開放し、電動バルブ54を閉鎖する。
過程114においては、各電動バルブの開閉は同時に行われる。すなわち、時間遅延は想定されていない。しかし、変形例として、上記の高温サイクル構成から低温サイクル構成への切替に係るt1,t2のような時間遅延を導入することもできる。この場合、制御装置は、各電動バルブに対して、過程112における順序とは反対の順序で指令を発する。すなわち、最初に電動バルブ56を開放し、ついで電動バルブ54を閉鎖し、最後に電動バルブ52を開放する。この結果、システムは、過程118におけるように、高温サイクル構成となる。
エンジンの出口における冷却材の温度(Ts mot)が、高温閾値(Ts mot 2)よりも低下した場合でも、システムは、直ちに低温サイクル構成に戻ることはなく、冷却材の温度が、低温閾値(Ts mot 1)よりも低くなるまでは、システムは、高温サイクル構成に留まる。
このように、本発明においては、低温閾値と高温閾値の2つの閾値を設定するため、システムの安定性を保つことができ、かつ高温サイクル構成と低温サイクルの間の切替が不安定になるのを回避することができる。
本発明に係る熱エネルギー制御システムが低温サイクル構成にある場合のブロック図である。 同じく、高温サイクル構成にある場合のブロック図である。 図1および図2における切替手段と制御装置との接続関係を示すブロック図である。 切替手段の制御の一例を示す流れ図である。
符号の説明
10 エンジン
12 高温冷却材サイクル
14 低温冷却材サイクル
16 ポンプ
20 高温用ラジエータ
28 循環ポンプ
30 低温用ラジエータ
30a 第1の通路
30b 第2の通路
32 コンデンサ
34 過給クーラ
36 切替ラジエータ
38 熱交換器
40 高温冷却材用の入口管
42 高温冷却材用の出口管
44 低温冷却材用の入口管
46 低温冷却材用の出口管
48 第1の共通管
50 第2の共通管
52,54,56 電動バルブ
58 出口ノード
60 入口ノード
64 制御装置
66 センサ

Claims (14)

  1. 自動車のエンジン(10)で発生する熱エネルギーの制御システムであって、エンジンと高温用ラジエータ(20)を含む高温冷却材サイクル(12)と、低温用ラジエータ(30)(30a)(30b)を含む低温冷却材サイクル(14)とを備え、高温冷却材サイクル(12)および低温冷却材サイクル(14)には、同一の冷却材が流れるようになっている制御システムにおいて、切替ラジエータ(36)と、切替ラジエータ(36)および高温冷却材サイクル(12)の間に位置する第1の切替手段(52)と、切替ラジエータ(36)および低温冷却材サイクル(14)の間に位置する第2および第3の切替手段(54)(56)とをさらに備え、これらの切替手段(52)(54)(56)は、制御システムを、切替ラジエータが高温冷却材サイクルと接続された高温サイクル構成から、切替ラジエータが低温冷却材サイクルと接続される低温サイクル構成へ切り替えることができ、かつ高温サイクル構成から低温サイクル構成への切替の際、熱的な衝撃を緩和するために、所定の時間遅延を経て逐次作動するようになっていることを特徴とする制御システム。
  2. 前記高温冷却材サイクル(12)を流れる冷却材を切替ラジエータ(36)へ送り込むための高温冷却材用の入口管(40)と、切替ラジエータ(36)から流出した冷却材を高温冷却材サイクル(12)へ戻すための高温冷却材用の出口管(42)と、前記低温冷却材サイクル(14)を流れる冷却材を切替ラジエータ(36)へ流入させるための低温冷却材用の入口管(44)と、切替ラジエータ(36)から流出した冷却材を低温冷却材サイクル(14)へ戻すための低温冷却材用の出口管(46)とをさらに備え、前記第1および第2の切替手段(52)(54)は、それぞれ、前記高温冷却材用の入口管(40)および低温冷却材用の入口管(44)に設けられていることを特徴とする請求項1記載の制御システム。
  3. 前記低温冷却材用の出口管(46)は、前記低温用ラジエータ(30)の一部(30a)の上流側において、低温冷却材サイクル(14)に接続されており、前記第3の切替手段(56)は、低温冷却材サイクルにおける、前記低温冷却材の入口管(44)の出口ノード(58)と、前記低温冷却材用の出口管(46)の入口ノード(60)との間に設けられていることを特徴とする請求項2記載の制御システム。
  4. 前記各切替手段(52)(54)(56)は、高温冷却材サイクルまたは低温冷却材サイクルを冷却する際に参照されるべき代表的な制御パラメータを提供するセンサ(66)に接続された制御装置(64)によって制御されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制御システム。
  5. 前記代表的な制御パラメータは、エンジン(10)の出口における冷却材の温度、エンジンの負荷を表すパラメータ、およびエンジンの負荷状態を知りうるパラメータの中から選択されることを特徴とする請求項4記載の制御システム。
  6. 前記制御装置(64)は、エンジンの始動時には、システムを前記低温サイクル構成におき、かつ前記制御パラメータを読み取って、低温閾値と比較し、制御パラメータが、低温閾値よりも小さいときには、システムを低温サイクル構成に留めるようになっていることを特徴とする請求項4または5記載の制御システム。
  7. 前記制御装置(64)は、前記制御パラメータを前記低温閾値と比較した後、この制御パラメータを高温閾値とも比較し、制御パラメータがこの高温閾値よりも大きいときには、システムを高温サイクル構成へ切り替えるようになっていることを特徴とする請求項6記載の制御システム。
  8. 前記制御装置(64)は、前記制御パラメータと低温閾値の比較の結果、制御パラメータが低温閾値よりも小さいときには、直ちに、第1の切替手段(52)の切替を指示し、ついで、第1の時間(t1)の経過後、第2の切替手段(54)の切替を指示し、最後に、第1の時間(t1)よりも長い第2の時間(t2)の経過後、第3の切替手段(56)の切替を指示するようになっていることを特徴とする請求項6または7記載の制御システム。
  9. 前記制御装置(64)は、前記制御パラメータと高温閾値の比較の結果、制御パラメータが高温閾値よりも大きいときには、直ちに、第1の切替手段(52)、第2の切替手段(54)、および第3の切替手段(56)の切替を指示するようになっていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の制御システム。
  10. 前記制御装置(64)は、前記制御パラメータと高温閾値の比較の結果、制御パラメータが高温閾値よりも大きいときには、直ちに、第3の切替手段(56)の切替を指示し、ついで、第1の時間(t1)の経過後、第2の切替手段(54)の切替を指示し、最後に、第1の時間(t1)よりも長い第2の時間(t2)の経過後、第1の切替手段(52)の切替を指示するようになっていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の制御システム。
  11. 前記各切替手段(52)(54)(56)は、2つの切替位置をもつ電動バルブであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の制御システム。
  12. 前記高温用ラジエータ(20)と切替ラジエータ(36)は、高温用冷却部と切替冷却部とからなる単一の熱交換器(38)として構成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の制御システム。
  13. 前記低温冷却材サイクル(14)は、空調サイクルの一部をなすコンデンサ(32)および過給クーラ(34)の少なくとも一方を備えていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の制御システム。
  14. 前記低温用ラジエータ(30)は、第1および第2の冷却通路(30a)(30b)に分けられていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の制御システム。
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