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JP2008513075A - 同心の2つのエネルギー材料で動作する無針注射用デバイス - Google Patents

同心の2つのエネルギー材料で動作する無針注射用デバイス Download PDF

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Abstract

ガス発生器によって動作する、皮内注射、皮下注射、および筋肉注射で使用される、充填済みで使い捨て式の無針注射デバイス。火工用ガス発生器(2)と、少なくとも1つのプランジャ(13、14)と、液状活性成分の保管容器(8)と、注射ノズル(11)とを備える無針注射デバイス(1)。このデバイスは、主に、上記発生器(2)が、第2の周囲部のエネルギー材料によって取り囲まれた中心部のエネルギー材料からなる、この2つのエネルギー材料が異なった燃焼速度を有する火工装薬(4)を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明の技術分野は、ヒト医療および獣医医療の治療用の、液状活性成分(liquid active principle)の皮内(intradermal)注射、皮下(subcutaneous)注射、および筋肉内(intramuscular)注射で使用される、ガス発生器によって機能する、充填済みで使い捨て式の無針注射器の技術分野に関する。
本発明による注射デバイスでは、液状活性成分が、程度の差はあるが粘性である液体、または液体混合物、またはゲルから構成される。活性成分は、注射用の適切な溶液で溶解された固体であることができる。活性成分はまた、適切な液体内で程度の差はあるが高濃度の懸濁状態にある粉末固体であることもできる。閉鎖を回避するために、活性成分の粒子(grain)の大きさは導管の直径に対応しなければならない。
このタイプの注射器で火工装薬(pyrotechnic charge)を使用することは既に知られており、いくつかの特許の主題となっている。一例として、空のカートリッジに基づいて機能する無針皮下注射装置に関する米国特許第2322244号に言及することができる。注射される液体はカートリッジと接触して配置されており、これが、燃焼ガスによって生成された圧力の作用で注射器から放出される。別の特許、国際公開公報第98/31409号は、爆薬または火薬から構成される火工装薬を含む皮下注射システムについて記載している。この注射装置の固有の特徴は、この注射装置が、液状活性成分の放出の速度に関連する問題を、火工組成物の特徴に作用を及ぼすことによってではなく、特に、通気孔が設けられた隣接ガス拡張チャンバを規定する特別な幾何構成を提示することによって調整するように設計されていることである。この火工装薬は、液状活性成分に密接して位置付けられ、上記活性成分に極めて高い初期速度を与えることによって、それに対して直接かつ瞬間的に作用を及ぼし、同時にガスが主チャンバおよび隣接チャンバに侵入する。次いで活性成分に及ぼされる圧力が低下し、上記活性成分を患者の皮膚に貫通させるのに充分であるほぼ一定の値で固定する。隣接チャンバは、この圧力を調整することを可能にする。米国特許第2704542号は、液体噴射による注射方法に関する。この方法は特に火工装薬を伴わないが、圧力プロフィルを制御することを目的とするデバイスを含む。この目的を達成するために使用される方法は、中空シリンダに収容されている小断面の中心シリンダから作られた2部式ピストンの滑動にある。最初に、上流の圧力が中心シリンダの少量分の変位を引き起こして、押し出されるべき液体に短時間であるが極めて強い衝撃を与え、次いでピストン全体が変位されて、引き続き上記液体を適切な圧力で押し出すことにより、確実に良好な貫通を行う。
注射装置の幾何形状の特徴を修正する必要なく圧力プロフィルを制御するために、フランス特許第2807946号で、緩慢燃焼の火薬と急速燃焼の火薬の混合物から構成される火工装薬を含む、ガス発生器が装備された無針注射器を設計することが提案されている。急速燃焼の火薬は、圧力の急激な上昇を確実に起こして、皮膚を貫通するのに充分な速度を活性成分に与え、緩慢燃焼の火薬は、皮膚が破裂された後の注射の深さを保証するように選択される。米国特許出願第2002/0161329号も、注射デバイスで、異なった燃焼特性を有している2つの火薬を使用することについて記載している。
それとは対照的に、従来技術では、異なった燃焼速度を有する、中心部のエネルギー材料と周囲部のエネルギー材料との組み合わせから構成される火工装薬を含む無針注射装置は無い。この手段によって、一体型であることも、いくつかの粒に分割することもできるこの火工装薬は、2つのタイプのエネルギー材料の幾何学的分布に関して充分な均質性を維持し、したがって本発明による注射デバイスに、圧力プロフィルの制御に対する高い信頼度および再現性を与える。この火工装薬の特有の幾何形状は、既に良い結果が証明され、極めてうまく制御されている簡単な製造方法からもたらされている。
以下のこの記述では、「エネルギー材料」という用語は、黒色火薬もしくは小球火薬、プロパーゴル燃料、または爆薬であろうとも、燃焼することが可能な全ての火薬物質を意味するものとする。
米国特許第2322244号 国際公開公報第98/31409号 米国特許第2704542号 フランス特許第2807946号 米国特許出願第2002/0161329号
本発明の主題は、火工用ガス発生器、少なくとも1つのピストン、予備用液状活性成分、および注射ノズルを備える無針注射デバイスであって、上記ガス発生器は、第2の周囲部のエネルギー材料によって取り囲まれた中心部のエネルギー材料から構成される火工装薬を備え、これらの2つのエネルギー材料は異なった燃焼速度を有することを特徴とする、無針注射デバイスである。
ガス発生器は、燃焼前線が、火工装薬の周囲部からこの中心へと進行してゆくように周囲部のエネルギー材料の燃焼を開始する発火システムを備えることが好ましい。
この種の火工装薬およびこの種の発火システムを用いて、また2つのエネルギー材料に選択される組成物に応じて、注射ノズルの出口で、時間関数としての多数の圧力プロフィルを想定することが可能である。
本発明の第1の好ましい実施形態によると、周囲部のエネルギー材料は、中心部のエネルギー材料の燃焼に対して大幅または小幅な発火の遅れを作り出すように、極めて緩慢に燃焼する組成物の中から選択される。
本発明の第2の好ましい実施形態によると、周囲部のエネルギー材料は、上記材料の燃焼が、皮膚の貫通を促進する高強度燃焼の圧力ピークを瞬時に作り出すように、極めて急速に燃焼する組成物の中から選択される。
本発明による注射デバイスで使用される発火システムは、慣習的な、良い結果が証明されている特徴を有し、例えば、電流が流れる熱線、または電気的にもしくは振動によって開始することができる導火線のいずれかを伴うこともできる。
これらの2つのエネルギー材料は異なった燃焼特性を有することから、このタイプの火工装薬の活性成分は、二重の燃焼領域を誘発することになり、この結果、注射ノズルの出口で、明確に区別できる少なくとも2つの相の圧力変化が生じて、活性成分を皮膚に貫通させることと、皮膚が破裂された後の注射の深さを制御することとの二重の問題を解決することが可能になる。
有利に、周囲部のエネルギー材料は、それが中心部のエネルギー材料に対して包装体を構成するように、固体の状態である。
これらの2つのエネルギー材料は、燃焼の前線が一方のエネルギー材料から他方のエネルギー材料へと伝送されるように、相互に接触していることが好ましい。
有利に、中心部のエネルギー材料の外側表面の全体が、周囲部のエネルギー材料の内側表面と接触している。
本発明の第1の好ましい実施形態によると、火工装薬はいくつかの粒から作られた火薬であり、各粒は、周囲部のエネルギー材料によって取り囲まれた中心部のエネルギー材料から構成され、これらの2つのエネルギー材料は異なった燃焼速度を有する。
有利に、ガス発生器は、火薬から作られた単一の火工装薬を備え、周囲部エネルギー材料は、中心部のエネルギー材料の燃焼速度よりも高い燃焼速度を有する。このようにして、燃焼の開始で圧力が急速に上昇して閾値に達し、次いで中心部のエネルギー材料が燃焼し始めた後は、圧力が低下して、上述の閾値よりも下の所定レベルで安定する。初期の圧力閾値は、活性成分が治療を受ける患者の皮膚を破裂させるのを可能にし、後続の段階で得られる圧力は、活性成分が患者の皮膚に所与の深さまで貫通するのを可能にする。反対に中心部のエネルギー材料の燃焼速度よりも低い燃焼速度を有する周囲部のエネルギー材料を選択して、中心部のエネルギー材料の燃焼に対して発火の遅れをもたらすようにすることも可能である。
本発明の第2の好ましい実施形態によると、ガス発生器は、いくつかの粒をそれぞれが有する2つの火薬の混合物であって、一方が単一のエネルギー材料から構成され、他方が、異なった燃焼速度を有する、周囲部のエネルギー材料によって取り囲まれた中心部のエネルギー材料から構成される、2つの火薬の混合物によって形成される。
有利に、異なった2つのエネルギー材料から構成される火薬は、平滑化動作から得られる。この平滑化は、エネルギー材料の組成物、したがって、このエネルギーレベルおよびこの燃焼速度を修正する化学薬剤を、分散によって貫通させることにある。
本発明の好ましい実施形態によると、上記火薬は塗布動作から得られる。この塗布は、エネルギー材料の粒のまわりに、制御される燃焼特徴、例えば燃焼速度を有する、知られている厚さのエネルギー材料または不活性材料の皮膜を付着させることにある。
本発明の第3の好ましい実施形態によると、火工装薬は一体型ブロックから構成される。上記ブロックは、例えば円筒状であることができ、マス推進で作り出されるプロパーゴル燃料の複数ブロックの幾何形状のように、中心溝を有することができる。
本発明の他の好ましい変形によれば、中心部のエネルギー材料は液体の状態であり、周囲部のエネルギー材料は固体の状態である。液体のエネルギー材料は、例えばエルゴル(ergol)であることができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、中心部のエネルギー材料はゲルの状態であり、周囲部のエネルギー材料は固体の状態である。ゲルの状態であるエネルギー材料は、例えばエルゴルであることもできる。
有利に、液体の状態またはゲルの状態である中心部のエネルギー材料と、固体の状態である周囲部のエネルギー材料とから構成される火工装薬は、カプセル封入加工によって得られる。
カプセル封入は、固体、液体またはゲル様の材料を封入する、エネルギー製品または不活性製品の殻を作ることにある。
本発明の好ましい実施形態によると、中心部のエネルギー材料は、少なくとも1つの粒から作られた火薬から構成され、周囲部のエネルギー材料はニトロフィルムから構成される。
有利に、ニトロフィルムは可逆剤、安定剤、およびニトロセルロースを備える。
火薬はニトロセルロースに基づいた均質な火薬であることが好ましい。
有利に、火薬はニトログリセリンを含む。
ニトロフィルムは、火薬の粒に対して閉鎖された包装材料を構成することが好ましい。
ニトロフィルムは、一方で火薬の容器としての働きをして、ガス発生器内での火薬の一体化を促進し、他方で燃焼を開始され易いこの能力によって、またこの高い燃焼速度によって火薬の発火を促進する。
本発明による無針注射デバイスは、簡単な動作機構を使用し、小さなスペースしか要せず、特別の部品も、機械加工用もしくは追加のコストも、上記注射器の本体の幾何形状の修正も必要とせずに、液状活性成分の全てを充分に注射することを保証するという利点を有する。
さらに、本発明による注射デバイスに含まれる火工装薬に多様な組成物を使用できるということは、あらゆる可能な構成に適合させることのできる極めて多様な圧力プロフィルを実現することが可能であることを意味する。最後に、火工装薬の燃焼によって生まれる作用を、広く証明されている発火システムと組み合わせて完全に制御するということは、本発明による無針注射器が極めて信頼度が高く安全であることを意味する。
図1を参照すると、本発明による無針注射装置1は、導火線3および火工装薬4から作られた火工用ガス発生器2と、事前に張力を掛けられたばね5およびストライカー6を備える発火システム10と、燃焼室7と、注射されるべき液状活性成分9を含む液体カラム8と、注射ノズル11とを備える。液体9のカラムは、2つのストッパプラグ13、14によって閉鎖されたガラス管12を備え、これらのストッパプラグ同士の間には、注射されるべき上記液状活性成分が位置する。本発明による注射器1には、フード15とばね16によって形成されているトリガシステムが設けられるが、これは上記フード15の変位の影響下で圧縮することが可能である。
本発明による無針注射器1の機能の様態は以下の通りである。
注射装置は、ノズル11が治療を受ける患者の皮膚にあたるように位置決めされる。
フード15に掛けられた圧力が、圧縮するばね16の作用によって抵抗力を持たせた上記フード15の変位を引き起こす。上記フード15の降下の閾値を越えると、発火システム10が開放されて、事前に張力を掛けられたばね5が弛緩され、したがって、それに接合されるストライカー6が急激に変位される。上記ストライカー6は、燃焼するように設定される導火線3に激突して、火工装薬4の燃焼を誘発する。上記火工装薬4の燃焼によって放出されるガスが燃焼室7を加圧し、このようにして液体カラム8の変位を引き起こす。ノズル11の最も近くに位置する下流のピストンプラグ14は、この目的のために設けられた空間17に到来し、燃焼室7の最も近くに位置する上流のピストンプラグ13は、引き続き移動して、注射されるべき液体9に圧力を掛ける。次いで上記液体9が、ノズル11に位置する注射通路18から抜け、下流のピストンプラグ14によって放たれる。この注射は、上流のピストンプラグ13が下流のピストンプラグ14と接触するまで継続する。
以下の非限定的な実施例が、火工装薬4に関する本発明の主な特徴を説明する。
(実施例1)
火工装薬は単一の火薬から構成され、周囲部のエネルギー材料は、中心部のエネルギー材料の燃焼速度よりも低い燃焼速度を有する。ノズルで時間関数として得られる代表的な圧力プロフィルを図2に示す。第1段階では、周囲部のエネルギー材料の燃焼は圧力の僅かな上昇しかもたらさない。第2段階では、中心部のエネルギー材料の燃焼によって圧力は急激に上昇する。最後に、圧力はゆっくりと低下する。
(実施例2)
火工装薬は単一の火薬から構成され、周囲部のエネルギー材料は、中心部のエネルギー材料の燃焼速度よりも高い燃焼速度を有する。ノズルで時間関数として得られる代表的な圧力プロフィルを図3に示す。第1段階では、周囲部のエネルギー材料の燃焼によって、圧力は急激に上昇する。第2段階では、圧力はより漸進的な上昇を続け、最後に、圧力はゆっくりと低下する。
本発明による無針注射デバイスで使用できる多数の既存の火工組成物によって、ノズル出口での圧力プロフィルの広範な変化が可能になり、したがって、多数の構成を取り扱うことが可能になる。
本発明による無針注射デバイスの縦軸方向断面図である。 周囲部のエネルギー材料が、中心部のエネルギー材料よりも低い燃焼速度を有する単一火薬の燃焼によって作り出される、ノズル出口オリフィスでの時経圧力変化を表す簡略グラフである。 周囲部のエネルギー材料が、中心部のエネルギー材料よりも高い燃焼速度を有する単一火薬の燃焼によって作り出される、ノズル出口オリフィスでの時経圧力変化を表す簡略グラフである。

Claims (18)

  1. 異なった燃焼速度を有する2つのエネルギー材料から構成される火工装薬を含む火工用ガス発生器(2)と、少なくとも1つのピストン(13、14)と、予備用液状活性成分(9)と、注射ノズル(11)とを備える無針注射デバイス(1)であって、
    前記2つのエネルギー材料のうちの一方は中心部にあり、周囲部にある他方のエネルギー材料によって取り囲まれ、前記中心部のエネルギー材料の外側表面の全体が、前記周囲部のエネルギー材料の内側表面と接触していることを特徴とする、無針注射デバイス(1)。
  2. 前記周囲部のエネルギー材料は固体の状態であることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記2つのエネルギー材料は相互に接触していることを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
  4. 前記火工装薬はいくつかの粒から作られた火薬であり、各粒は、周囲部のエネルギー材料によって取り囲まれた中心部のエネルギー材料から構成され、前記2つのエネルギー材料は、異なった燃焼速度を有することを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
  5. 前記ガス発生器(2)は火薬から形成される単一の火工装薬を備え、前記周囲部のエネルギー材料は、前記中心部のエネルギー材料の燃焼速度よりも高い燃焼速度を有することを特徴とする、請求項4に記載のデバイス。
  6. 前記ガス発生器(2)は、いくつかの粒をそれぞれが有する2つの火薬の混合物において、一方が単一のエネルギー材料から構成され、他方が、異なった燃焼速度を有する、周囲部のエネルギー材料によって取り囲まれた中心部のエネルギー材料から構成される、2つの火薬の混合物によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
  7. 前記火薬は平化動作から得られることを特徴とする、請求項4に記載のデバイス。
  8. 前記火薬は塗布動作から得られることを特徴とする、請求項4に記載のデバイス。
  9. 前記火工装薬は一体型ブロックから構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
  10. 前記中心部のエネルギー材料は液体の状態であることを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
  11. 前記中心部のエネルギー材料はゲルの状態であることを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
  12. 前記火工装薬はカプセル封入加工によって得られることを特徴とする、請求項10および11のいずれかに記載のデバイス。
  13. 前記中心部のエネルギー材料は、少なくとも1つの粒から作られた少なくとも1つの火薬から構成されており、前記周囲部のエネルギー材料はニトロフィルムから構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
  14. 前記ニトロフィルムは可逆剤、安定剤、およびニトロセルロースを備えることを特徴とする、請求項13に記載のデバイス。
  15. 前記火薬はニトロセルロースに基づいた均質な火薬であることを特徴とする、請求項13に記載のデバイス。
  16. 前記火薬はニトログリセリンを含むことを特徴とする、請求項15に記載のデバイス。
  17. 前記ニトロフィルムは、火薬に対して閉鎖されている包装体を構成することを特徴とする、請求項13に記載のデバイス。
  18. 前記ガス発生器(2)は、前記周囲部のエネルギー材料の燃焼を開始する発火システム(10)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
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