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JP2008504258A - 不飽和官能化多価アルコールエステルからの注射可能マイクロスフェア - Google Patents

不飽和官能化多価アルコールエステルからの注射可能マイクロスフェア Download PDF

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JP2008504258A JP2007518119A JP2007518119A JP2008504258A JP 2008504258 A JP2008504258 A JP 2008504258A JP 2007518119 A JP2007518119 A JP 2007518119A JP 2007518119 A JP2007518119 A JP 2007518119A JP 2008504258 A JP2008504258 A JP 2008504258A
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Abstract

注射可能薬剤充填マイクロスフェアが、ポリエステルの不飽和官能化多価アルコールエステから、不飽和官能化エステルを疎水性有機溶媒に溶解させ、薬剤および/または生物学的活性剤を水に溶解させ、2溶液を混合して油中水型エマルジョンを形成させ、安定化剤の水性溶液を形成し、油中水型エマルジョンおよび安定化剤溶液を混合して、水中油中水型エマルジョンを形成させ、そして有機溶媒を蒸発させることを含む、方法により得られる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2004年6月28日出願の米国仮出願60/582,823の利益を主張し、その全体を引用により本明細書に包含する。
本発明は、一部、米商務省により提供されたNational Textile Center受託番号00-27-07400の米国政府支援のもとに成された。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
技術分野
本発明は、薬剤/生物学的活性剤充填注射可能ヒドロゲルマイクロスフェアおよび、身体への薬剤/生物学的活性剤の制御放出に有用であるそれにより形成された薬剤/生物学的活性剤充填マイクロスフェアに関する。
封入されたまたは共有結合された薬剤を有するマイクロスフェアは、外科的インプラントの代替としての注射可能懸濁液の供給を可能にし、一回の注射で複数薬剤の投与を可能にする。これらのマイクロスフェアは、治療的濃度に到達させるための初期バースト、続く代謝的損失を補うことにより治療濃度を維持するための薬剤の0次放出を提供する。故に、マイクロスフェアは治療濃度の持続放出を提供する。
D,L−ラクチド/グリコリドからの生物分解性ポリエステルのマイクロスフェアおよびε−カプロラクトンからの生物分解性ポリエステルのマイクロスフェアは、薬剤および巨大分子の身体への制御された放出のために注目されている。しかしながら、これらのポリエステルは相対的に疎水性であり、より親水性の表面が、循環系における有効寿命を延ばすために、および炎症性応答の発生を減少させるために、注射可能マイクロスフェアに対して望まれる。親水性特性は、ポリエステルマイクロスフェアの親水性ポリマーでの表面修飾により達成されている。故に、より親水性の表面を有するポリエステルマイクロスフェアは、親水性ポリマーの化学結合または物理的吸着の確実性を損なわなずには得られない。
本発明により、表面親水性を有する生物分解性注射可能ポリエステルマイクロスフェアが、不飽和官能化、例えば、二重結合官能化、ポリエステルの多価アルコールエステル、例えば、米国特許6,592,895およびLang, M., et al., Journal of Polymer Science:Park A:Polymer Chemistry, Vol. 40, 1127-1141 (2002)(両文献の全体を、引用により本明細書に包含する)に記載のものから、マイクロスフェアを形成することにより、親水性ポリマーでの表面修飾なしに製造できることが発見された。
ここに、一つの態様において(第一の態様と記す)、本発明は、二重エマルジョン技術を利用し、
(a)ポリエステルの不飽和官能化、例えば、二重結合官能化、多価アルコールエステルを疎水性有機溶媒に溶解させ、
(b)薬剤および/または他の生物学的活性剤を水に溶解させ、
(c)段階(a)および段階(b)で形成させた溶媒を混合して第一エマルジョンを形成させ、ここで、段階(a)において形成させた溶液が連続相を構成し、そして段階(b)において形成させた溶液が分散相を構成し、
(d)安定化剤を水に溶解させ、
(e)段階(d)で形成させた溶液と段階(c)で形成させたエマルジョンを混合して、水中油中水型(water-in-oil-in-water)エマルジョンを形成させ、ここで、段階(d)の溶液が連続相を構成し、そして段階(c)で形成させたエマルジョンが分散相を構成し、
(f)有機溶媒を、段階(d)で形成させた水中油中水型エマルジョンから蒸発させて、該薬剤および/または他の生物学的活性剤をその中に封入したポリエステルの不飽和官能化多価アルコールエステルから硬化したマイクロスフェアを形成させ、
(g)その中に薬剤/生物学的活性剤が充填された硬化マイクロスフェアを回収する
段階を含む、薬剤/生物学的活性剤充填生物分解性注射可能マイクロスフェアの形成に関する。
他の例では(第二の態様と記す)、薬剤および/または他の生物学的活性剤が反応して不飽和官能性と共有結合を形成でき、そして段階(f)で形成された硬化したマイクロスフェアおよび段階(g)における回収は、該不飽和官能性で反応させてマイクロスフェアに共有結合させる。
好ましくは、第一および第二の態様のための該不飽和官能化、例えば、該二重結合官能化、多価アルコールエステルは、ε−カプロラクトンモノマーまたはε−カプロラクトンとラクチドモノマーまたはグリコリドモノマーのブレンドを、3個から6個のヒドロキシル基を含む多価アルコール存在下で重合化させて、多価アルコールエステルを形成させ(ここで、アシル基は遊離ヒドロキシルをその末端に有する)(PGCL)、そして無水マレイン酸と反応させて該遊離ヒドロキシルのいくつかまたは各々を2−カルボキシエテニル基、特に1−カルボキシル−2−カルボキシエテニル基を含む部分に変換させて、(PGCLM)と呼ぶ(PGCL)のマレイン酸エステルを形成させることにより得る。
ポリエステルの多価アルコールエステルは、通常3種の異なる官能性末端基、すなわち未反応−OH、−COOHおよび>C=C<を有し、多側鎖(arm)、例えば3側鎖化合物である。
第一の態様中の段階(f)における溶媒蒸発は、ポリマー沈殿によるマイクロスフェアの硬化をもたらす。
ここに、他の態様において(本発明の第三の態様と記す)、本発明は、マイクロスフェア注射後の数ヶ月の期間にわたる持続放出のための、例えば、マイクロスフェアの1から10重量%の薬剤または他の生物学的活性剤、例えば、タンパク質が充填された、硬化した不飽和官能化、例えば、二重結合官能化、多側鎖ポリエステルの多価アルコールエステルの形の、15から60μmの平均横断面を有する、生物分解性注射可能マイクロスフェアに関する。不飽和官能性は、遅延放出のための生物学的活性剤との共有結合を可能にし、そして、一方はマイクロスフェアからそして他方はヒドロゲルからである2種の異なる放出形態を可能にする利点を有するマイクロスフェア表面上のハイドロゲルを形成する機会を提供する。好ましい例では、該マイクロスフェアは、ε−カプロラクトンモノマーをグリセロール存在下で重合化させて多価アルコールエステルを形成させ(ここで、アシル基は遊離ヒドロキシルをその末端に有する)、そして無水マレイン酸と反応させて該遊離ヒドロキシルのいくつかまたは各々をカルボキシエテニル基、特に1−カルボキシル−2−カルボキシエテニル末端基を含む部分に変換させることにより得た、硬化した二重結合官能化ポリエステルの多価アルコールエステルの形である;すなわち、該マイクロスフェアは、−OH、−COONおよび>C=C<官能基を有する末端官能化3側鎖ポリ(ε−カプロラクトン)マレイン酸である二重結合官能化ポリエステルの多価アルコールエステルの形である。
別法として、マイクロスフェアの表面は、例えば、表面二重結合での架橋によりヒドロゲルに変換されている。充填は、例えば、薬剤または他の生物学的活性剤、例えば、任意の水溶性ペプチドまたはタンパク質、または水溶性ビタミン(全ビタミンB群、ビオチン、葉酸およびアスコルビン酸を含む)の、マイクロスフェア内および/またはマイクロスフェア表面のヒドロゲル内への封入によりおよび/または該マイクロスフェアの官能基(複数もある)への共有結合(すなわち、末端−OH、−COONおよび>C=C<官能基を介した)により得ることができる。マイクロスフェアの官能基(複数もある)に共有結合させるための薬剤または他の生物学的活性剤は、例えば、炭素−炭素二重結合(エン)および炭素−炭素三重結合(イン)の両方を含む化合物であるエンイン(抗癌性染料(dye))を含む。ここのマイクロスフェアは、親水性表面を有し、そして良好なかつより持続した治療剤の送達のために疎水性表面のマイクロスフェアよりも循環系において長い寿命を有する。
本明細書で使用する用語“生物分解性”は、正常に機能しているヒトおよび生存生物(例えば細菌)の体において、トリプシン、リパーゼおよびライソーム(lysome)のような種々の酵素によりおよび/または水性環境で分解できることを意味する。
ここに記載の分子量よび多分散性はポリスチレン標準を使用したゲル浸透クロマトグラフィーにより決定する。より特に、製造したポリマーの分子量(MおよびM)は、溶離剤としてテトラヒドロフラン(THF)(1.0ml/分)を、Water 510 HPLCポンプ、Water U6Kインジェクター、連続した3種のPSS SDVカラム(直線状および10および100オングストローム)、およびMilton ROM示差屈折計を使用したゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で、サンプル濃度はTHF 1mlあたり5−10mgで、カラムは狭い分子量分布を有するポリスチレン標準で較正して、決定する。
図面の簡単な説明
図1は、PGCLおよびPGCLMの化学構造ならびにNPGCLMの代表的構造を示す;
図2Aは、作業実施例において形成したPGCLM65マイクロスフェアのサイズ分布を示す;
図2Bは、作業実施例において形成したPGCLM81マイクロスフェアのサイズ分布を示す;
図2Cは、作業実施例において形成したPGCLM61マイクロスフェアのサイズ分布を示す;
図3Aは、作業実施例で得たPGCLM41、PGCLM61、PGCLM81およびPGCLM85についてのOVAの累積的放出を示す;
図3Bは、作業実施例で得たPGCLM61、PGCL61および架橋PGCLM61(NPGCLM61と呼ぶ)についてのOVAの累積的放出を示す。
詳細な記載
ここで、我々は第一の態様の方法に話題を変える。
段階(a)のためのポリエステルの不飽和官能化多価アルコールエステルは、米国特許6,592,895およびLang, M., et al., Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry, Vol. 40, 1127-1141 (2002)に記載され、それらの中に示される通りに合成できるポリエステルの二重結合官能化多価アルコールエステルを含む。
非常に好ましいポリエステルの二重結合官能化多価アルコールエステルは、ε−カプロラクトンモノマーをグリセロール存在下で重合させて、アシル基の末端に遊離ヒドロキシルを有するエステル(PGCL)を得て、無水マレイン酸と反応させて該遊離ヒドロキシルのいくつかまたは各々を2−カルボキシエテニル基、特に1−カルボキシル−2−カルボキシエテニル基に変換させることにより得る。これらのポリエステルの二重結合官能化多価アルコールエステルおよびそれらの製造は、米国特許6,592,895に記載され、本明細書でPGCLMと呼ぶ。得られる化合物は、例えば、1,000から50,000の範囲の数平均分子量、Mを有する。
段階(a)のための溶媒は、ポリエステルの不飽和官能化多価アルコールエステルを室温で溶解し、例えば、30−45℃の範囲の沸点を有する(これは溶媒の容易な除去を可能にする)ものである。段階(a)のための好ましい溶媒はジクロロメタン(38.9−40℃のbp)である。段階(a)のための他の適当な溶媒は、クロロホルム、酢酸エチル、およびN,N−ジメチルホルムアミドを含む。
段階(a)について、本ポリエステルの二重結合官能化多価アルコールエステルを、疎水性有機溶媒に、例えば、0.5から10%w/vの範囲の量で溶解する。濃度の上昇は最終的に得られるマイクロスフェアの平均直径の増加、ならびに、後記の通りに充填される水溶性薬剤の充填効率(loading efficiency)の増加をもたらし、そして少なくとも6%w/vまでの増加は充填レベルの増加をもたらす(薬剤%、マイクロスフェアのw/w)。
次に、我々は、マイクロスフェアに、そこからの持続放出のために充填される薬剤および/または他の生物学的活性剤;すなわち、薬剤および/または他の生物学的活性剤に話題を変える。本薬剤または生物学的活性剤は、例えば、アミノキシルラジカルの担体または抗炎症剤(例えば、セロリムス(serolimos))または抗増殖剤(例えば、パクリタキセル)、または生物製剤、またはタンパク質、またはサイトカイン、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド、または遺伝子、または炭水化物、ホルモン、または上記の通りであり得る。
段階(b)について、水溶性薬剤および/または他の生物学的活性剤を、1−500mg/mlの濃度で水に溶解する。
段階(c)で混合する段階(b)の溶液対段階(a)の溶液の体積比は、例えば、3:1から10:1であり得て、例えば、段階(c)における水対ジクロロメタンの体積比は9:1から1:1の範囲であり得る。混合は800から1,000rpmで5分から1時間、磁気撹拌子を使用して行うことができる。
段階(d)のための安定化剤は、段階(a)の溶媒に不溶性であり、水での洗浄により除去でき、そして日光および人工光に安定であり、水相と有機相の間の界面張力を減少させ、段階(e)における小滴の崩壊を段階(f)で硬化したマイクロスフェアを得る前に限定する化合物である。
好ましい安定化剤は、10,000から30,000の数平均分子量を有するポリビニルアルコール(PVA)であり、それは85−90%加水分解され、段階(d)で形成させた溶液中に0.5から10%、例えば、0.5から5%w/vの範囲の量で存在する。0.5%w/v未満の量でのPVAの使用は望ましくないマイクロスフェアの凝集と、続く大きな凝集物の形成をもたらす。
PVAの代替物はPluronic F68(7680から9510の分子量およびCAS登録番号9003−11−6を有する、構造式:
HO(CO)(CO)(CO)
(式中、aは80であり、そしてbは27である)
を有するエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー)、ヒト血清アルブミン(HSA)、および塩素酸ナトリウムを含む。
段階(e)で混合する段階(d)の溶液対段階(c)のエマルジョンの体積比は、例えば、5:1から1:1の範囲であり得る。
段階(f)の蒸発は、段階(e)で形成させたエマルジョンを大気に曝し、エマルジョンを室温から45℃に維持しながら撹拌することにより、容易に行える。蒸発により、エマルジョン滴の表面への安定化剤のより多い存在により、本マイクロスフェアは沈殿し、硬化する。
段階(g)の回収は、マイクロスフェアを回収するための遠心、PVAまたは他の安定化剤を除去するためのマイクロスフェアの蒸留水での洗浄、および凍結乾燥により行うことができ、そして、その後使用まで貯蔵する。
我々は、次に、マイクロスフェアの表面がヒドロゲルに変換されている例に話題を変える。これは、段階(a)で形成させた溶液に、光開始剤を、例えば、二重結合官能化多価アルコールエステルの0.05から0.5%w/wで、例えば、2,2−ジメトキシ2−フェニルアセトフェノン(DMPA)を0.1%(PGCLMのw/w)で包含させ、次いで、段階(a)および段階(b)で形成させた溶媒を混合して段階(c)のエマルジョンを形成させ、そして、段階(e)で段階(d)で形成させた溶液と段階(c)で形成させたエマルジョンを混合し、段階(e)を行う中で、二重結合官能性において、例えば、光架橋により架橋をもたらし、すなわち、放射エネルギーの適用により、例えば、長波長UV光(365nm、16ワット)で、室温で穏やかに撹拌しながら一晩照射することにより、ビニル結合の破壊および架橋の形成をもたらすことにより、行う。その後、マイクロスフェア表面にヒドロゲルが形成されないときと同じ硬化マイクロスフェア形成および回収法を使用できる。
我々は、ここで第三の態様に話題を変える。後記の作業実施例における注射可能マイクロスフェアは、約20μmから約55μmの平均横断面を有し、そして薬剤または他の生物学的活性剤がマイクロスフェアの約1から約8重量%充填されていた。一つの別法として、PGCLMマイクロスフェアの表面を上記の通りヒドロゲルに変換する。全ての例で、マイクロスフェア表面の二重結合およびカルボキシル基が、薬剤または他の生物学的活性剤と共有結合できる。充填効率(実際に充填された薬剤(g)/理論的充填(g)×100%)は、容易に約45%まで(1例で46%が得られた)得られ、充填レベル(実際に充填された薬剤(g)/マイクロスフェア重量(g)×100%)は容易に約8%まで得られ、0.1Mリン酸緩衝化食塩水(PBS)中37°での累積的放出は、50日間で約50%まで得られる。
上記の通り、マイクロスフェア表面でヒドロゲルが形成されているものを含む第三の態様における注射可能マイクロスフェアは、生物分解性である。
“いくつかまたは各々”なる表現において、“いくつか”は1個以上であるが全てより少ないことを意味し、そして“各々”は全てを意味する。
本発明を下記作業実施例により説明する。
作業実施例
使用するポリマーは、米国特許6,592,895に記載のPGCL−Ma−3であり、米国特許6,592,895に記載の通り製造した。
ポリマーの製造法は下記の通りである:
簡単に言うと、ε−カプロラクトン(CL)を、コアとして働くグリセロール(20:1のCL対グリセロールのヒドロキシル基の供給モル比)、およびオクチル酸第一スズ触媒(CLの0.1wt%)存在下でシラン処理(silinized)Pyrox加圧反応試験管(press reaction tube)中、開環重合化させることによりヒドロキシル官能化3側鎖ポリ(ε−カプロラクトン)(PGCL)を合成した。減圧し、乾燥アルゴンで数回再充填後、重合化試験管を真空で密封し、130℃の油浴に48時間入れた。得られたポリマー(PGCL)をクロロホルムに溶解し、次いで過剰の石油エーテルに注いで生成物を沈殿させた。沈殿を蒸留水で4回洗浄し、Pで真空下、室温で一定重量が得られるまで乾燥させた。
二重結合官能化3側鎖ポリ(ε−カプロラクトン)マレイン酸(PGCLM)、PGCLおよび無水マレイン酸の5当量のヒドロキシル官能基を三首フラスコに乾燥N環境下入れ、フラスコを130℃で1日加熱した。反応混合物を次いで室温に冷却し、クロロホルムに溶解した。このクロロホルム溶液を過剰の石油エーテルに注ぎ、PGCLMを沈殿させた。粉末の沈殿を、何らかの過剰の無水マレイン酸を除去するために500mLの蒸留水中、4時間撹拌した。濾過後、沈殿を蒸留水で4回洗浄し、Pで真空下、室温で一定重量が得られるまで乾燥させた。
直鎖高分子量(ポリ(ε−カプロラクトン)、M=56.9kg/mol)はまた開始剤としてのグリセロールまたは何らかの他のアルコールなしで、オクチル酸第一スズの用量を0.05wt%CLに減少させる以外、同じ方法でも合成した。この高分子量PCLは、PGCLおよびPGCLM特徴付け、マイクロスフェア製造およびタンパク質封入のコントロールとして使用した。
他の例では、架橋PGCLM(NPGCLM)を、PGCLM形成のために0.1%(w/w)DMPAを反応混合物包含させ、PGCLM形成後、次いで長波長ランプ(365nm、16ワット)で照射して、二重結合部位で架橋させることにより製造した。
他の例では、Tarvainen, T., et al., J. Control. Release, 86 (2-3), 213-222 (2003)に記載の2,2'−ビス(2−オキサゾリム)結合ポリ(ε−カプロラクトン)(PCL−O)を得た。
PGCL、PGCLM、NPGCLM、PCLおよびPCL−Oの物理化学特性を下記表1に記載する:
Figure 2008504258
a. ポリスチレン標準を用いるGPCにより決定;
b. 結晶度=(ΔHm, サンプル/ΔH°m, 100%結晶)×100%;
c. CLモノマー対グリセロールのヒドロキシルのモル比は20/1;
d. 供給モル比として5当量の無水マレイン酸を有するPGCL。
図1はPGCLおよびPGCLMの化学構造ならびにNPGCLMの代表的構造を示す。
薬剤充填なしのPGCLMおよびNPGCLMマイクロスフェアを製造した。
薬剤充填なしのマイクロスフェアの製造のために、PGCL−Ma−3をジクロロメタンに溶解した(4%、6%、8%w/v)。溶液を50mL 水性1%(w/v)ポリビニルアルコール(PVA)(分子量12,000−23,000および87−89%加水分解)中に混合することにより乳化させ、30分、900rpmで撹拌した。得られる溶液を室温(22℃)で磁気撹拌子により一晩撹拌し、ジクロロメタンを蒸発させた。サンプルを22℃で遠心(800rpmで6時間)により蒸発させ、蒸留水で少なくとも4回洗浄してPVAを除去した。サンプルを、真空下、−45℃でVirtis Freeze Drier中、3日間凍結乾燥させ、マイクロスフェア生成物を得て、それを真空でデシケーター中に貯蔵した。
架橋表面網状(ヒドロゲル)構造を有するマイクロスフェアの製造のために、PGCLMの0.1%(w/w)レベルのDMPAをPGCLM溶液に添加し、それを次に乳化させて、水中油中水型エマルジョンを形成させた。エマルジョンを次いで長波長UVランプ(365nm、16ワット)で室温で照射して、表面架橋をもたらし、一晩、室温で穏やかに撹拌してジクロロメタンを蒸発させた。得られるマイクロスフェアの回収法は、上段落と同様であった。
図2A、2B、および2Cは、各々得られたPGCLM65マイクロスフェア、PGCLM81マイクロスフェアおよびPGCLM61マイクロスフェアのサイズ分布を示す。
薬剤充填のために、OVAと記すオブアルブミンタンパク質(アルブミン、鶏卵、グレードV)を、充填すべき薬剤の代表として選択した。それは抗体細胞−介在免免疫反応の誘発における抗原として、ならびに経口ワクチン送達のために使用されている。
OVAを充填されたPGCLMおよびNPGCLMマイクロスフェアは、水中油中水型(w/o/w)エマルジョン技術により製造した。
OVA充填PGCLMマイクロスフェアについて、充填は下記の通り行った:
1mL OVA水性溶液(40、80または170mg OVA含有)を10mLのPGCLM溶液(ジクロロメタン中4%、6%、8%w/v)に、激しく撹拌(磁気撹拌子で、900rpmで15分)しながら分散させて、油中水型エマルジョンを形成させ、ここで、水性OVA溶液がPGCLM溶液連続相中の分散相であった。得られるw/oエマルジョンを50mL 水性1%PVA(M=12,000−23,009および87−89%加水分解)溶液(w/v)に、磁気撹拌子で、30分、900rpmで混合しながら乳化させ、w/o/wエマルジョンを形成させた。得られるw/o/wエマルジョンを、穏やかに一晩、室温(22℃)で磁気撹拌子(EYELA Magnetic Stirrer RC-2)で撹拌して有機溶媒を蒸発させ、水性連続相中に不溶性のOVAが充填された硬化したマイクロスフェアを残した。マイクロスフェアを、22℃での遠心(International Centrifuge, Clinical Model, International Equipment Co,, Needham Hts, Mass 02194 USA)により集め、蒸留水で少なくとも4回洗浄して、PVA乳化剤を除去した。サンプルを次いで3日間、真空下、45℃でVirtis Freeze Drier(Gardiner, NY)中凍結乾燥させて、マイクロスフェアを得て、それを特徴付けおよび使用前に真空でデシケーター中、40℃で貯蔵した。
他の例では、0.1%(PGCLMのw/w)のDMPAをPGCLMの溶液に添加し、その後それを使用してOVAの水性溶液とw/oエマルジョンを形成させ、その上で該w/oエマルジョンをPVA水性溶液と混合してw/o/wエマルジョンを形成させ、それを長波長UVランプ(365nm、16ワット)の使用により、室温で一晩穏やかに撹拌しながら照射する以外、上記と同じであった。その後、上記で使用ものと同じ方法を使用してマイクロスフェアを回収した。結果は、OVAを充填された架橋表面網状構造マイクロスフェア(NPGCLMと呼ぶ)となった。
OVA充填されたPGCLMおよびNPGCLMマイクロスフェアの特徴を下記表2に示す。
Figure 2008504258
a. 溶媒としてのジクロロメタン(DCM)、PGCL M=15.4kDa;PGCLM M=13.3kDa;NPGCLMMn=13.3kDa;
b. 溶媒としての水;
c. OVA充填(%)=実際に充填されたOVA(g)/マイクロスフェア重量(g)×100%
d. 充填効率=実際に充填されたOVA(g)/供給OVA(g)×100%。
上記表2および後記において、PGCLM41は4%w/v PGCLMポリマーおよび1%w/v PVAを使用して製造したマイクロスフェアを意味し、PGCLM61は6%w/v PGCLMポリマーおよび1%w/v PVAを使用して製造したPGCLMマイクロスフェアを意味し、PGCLM81は8%w/v PGCLMポリマーおよび1%w/v PVAを使用して製造したPGCLMマイクロスフェアを意味する。PGCL61は、6%w/v PGCLおよび1%w/v PVAを使用して製造したPGCLマイクロスフェアを意味する。NPGCLM61は6%w/v PGCLMポリマーおよび1%w/v PVAを使用して製造したNPGCLMマイクロスフェアを意味する。
平均直径は、下記方法に従い決定した。乾燥させたマイクロスフェア粉末サンプルを最初にHPLCグレートの水(5−10%用量)に懸濁させ、次いで短く超音波処理して均質懸濁液を得た。サイズ測定は、レーザー光分散法により行った(Brinkman Particle Size Analyzer 2010, Brinkman Instruments, Inc,, Westbury, NY)。
表2は、平均直径がDCM/HO溶媒中のPGCLM濃度に依存することを示す。DCMの固定された用量で、一定PVA濃度(1%w/v)でのPGCLM濃度の4%から8%w/vの増加は、マイクロスフェアサイズの減少をもたらした。架橋NPGCLMは、非架橋PGCLMよりも小さな平均直径を有した。
表2の充填効率は、ポリマー濃度と薬剤充填の間に相関関係が存在することを示す。PGCLMおよびNPGCLMマイクロスフェアに関するOVA充填効率は41%から45%(w/w)の範囲であった。対応する充填レベルは、4.1から7.6%(w/w)の範囲であった。表2は、一定OVAおよびPVA濃度での、ポリマー濃度の増加は、充填効率のわずかな上昇をもたらし、そして、光架橋された例において充填効率は平均直径が小さいとの事実にも係わらず改善されることを示す。
オブアルブミン(OVA)濃度の、一定マイクロスフェア製剤(固定されたポリマー濃度およびそのPVA安定化剤に対する比率)でのOVA充填効率に対する影響を、下記表3に示す。
Figure 2008504258
a. 溶媒としてのジクロロメタン、PGCLM M=13.3kDa;
b. 溶媒としての水;
c. OVA充填(%)=実際に充填されたOVA(g)/マイクロスフェア重量(g)×100%
d. 充填効率=実際に充填されたOVA(g)/供給OVA(g)×100%。
上記表3において、PGCLM61は6%w/v PGCLMポリマーおよび1%w/v PVAを使用して製造したマイクロスフェアを意味する。データは、水性相中のOVA濃度の上昇(10から40から85mg)は、マイクロスフェア平均直径に有意な変化なしで、OVA充填効率の43%から28%への低下をもたらすことを示す。
6%および8%PGCLM濃度から形成されたマイクロスフェアにおけるOVA充填効率に対するPVA濃度(0.5%w/vから5%w/vの範囲)の影響を、下記表4に示す。
Figure 2008504258
a. 溶媒としてのジクロロメタン、PGCLM M=13.3kDa;
b. 溶媒としての水;
c. OVA充填(%)=実際に充填されたOVA(g)/マイクロスフェア重量(g)×100%
d. 充填効率=実際に充填されたOVA(g)/供給OVA(g)×100%。
表4のPGCLM61およびPGCLM81は、表2に記載の通りである。表4および後記に関して、PGCLM605は6%(w/v)PGCLMポリマーおよび0.5%(w/v)PVAを使用して製造したマイクロスフェアを意味する;PGCLM65は6%(w/v)PGCLMポリマーおよび5%(w/v)PVAを使用して製造したマイクロスフェアを意味する;PGCLM805は8%PGCLM(w/v)および0.5%(w/v)PVAを使用して製造したマイクロスフェアを意味する;そしてPGCLM85は8%(w/v)PGCLMおよび5%(w/v)PVAを使用して製造したマイクロスフェアを意味する。
上記表4において、データは、6%PGCLMおよび8%PGCLMの両方について、低いPVA安定化剤濃度(0.5%)は、低いOVA充填レベルおよび充填効率をもたらし、そして高いPVA安定化剤濃度(1%、5%)は高い充填レベルおよび充填効率をもたらし、そしてPVA濃度の減少はマイクロスフェアのサイズ低下をもたらすことを示す。
OVA充填PGCLMマイクロスフェア表面の走査型電子顕微鏡(SEM)は、ほとんど球形の、非凝集、平滑表面、無孔表面外観のマイクロスフェアを示す。
pH7.4のリン酸緩衝化食塩水(PBS)に37℃で暴露させたときのマイクロスフェアのSEM造影は、表面から内部に伸びる小孔が経時的に発達し、経時的に隣の孔と融合して大きな孔を形成することを示した。同じ試験において、NPGCLMマイクロスフェアは、NPGCLM表面でのヒドロゲルの膨張性の性質に起因する、より相互連結し、そして不規則な孔の、より粗い表面を示した。
PGCLMマイクロスフェアの表面上の不飽和官能性結合(>C=C<)を、後方散乱電子像(BSE)およびX線元素分析スペクトルにより確認した。
PBS中、37℃でのPGCLMマイクロスフェアからのOVAの累積的放出を測定するインビトロ実験は、マイクロスフェア形成条件にかかわらず、OVA放出が初期バースト放出、続くゆっくりで漸進的な放出により特徴付けられることを示した。結果は図3Aに示す。図3Aに示す通り、OVA充填PGCLMマイクロスフェアに関して、1日目の初期バースト累積的放出%は、PGCLM41、PGCLM61、PGCLM81、およびPGCLM85について、各々23、26、27、および28%であった。10日間の最後に、OVAの対応する累積的放出%は、28、32、32、および35%であった。その期間後、OVA放出は遅くなった。50日間の最後に、PGCLMマイクロスフェアからのOVAの放出は45−49%に達し、PGCLM85が最高のOVA放出%を有した。観察された放出プロファイルは、小さいサイズおよび低い充填効率を有するPGCLMマイクロスフェアが、早いバースト放出および高い全体的累積的放出パーセントを示すことを指示する。
PGCL61、PGCLM61およびNPGCLM61マイクロスフェアの累積的放出プロファイルを比較した。結果を図3Bに示す。PGCL61マイクロスフェアは、PGCL61のマレイン酸モノエステル鎖末端を欠く点でPGCLM61と異なる;一方、PGCLM61とNPGCLM61は、互いに、NPGCLM61マイクロスフェアが網状構造形成(すなわち、光架橋)されており、PGCLM61マイクロスフェアがされていない点で異なる。OVAの初期バーストは、PGCL61、PGCLM61およびNPGCLM61マイクロスフェアについて各々20、26および16%であった。非網状構造形成PGCLM61マイクロスフェアと比較して、NPGCLM61マイクロスフェアにおいて、OVAバースト放出の40%減少があった。故に、マイクロスフェア中の網状構造の存在は、初期バースト放出の強度を減少させた。50日試験期間の最後に、PGCL61、PGCLM61およびNPGCLM61マイクロスフェアの各々について、43、47および40%の累積的OVA放出が見られた。故に、OVA放出の程度は、PGCLM61>PGCL61>NPGCLM61の順番であった。
ゲル電気泳動データは、製剤およびインビトロ放出試験に関係なく、ポリマーによるOVAの断片化を示さなかった。放出されたOVAは、新鮮なOVAサンプルと同じ分子量を有することが示された。
ここに記載の実験において、PVAに関して0.5%w/vより低い濃度は、マイクロスフェアの凝集および続く大きな凝集体の形成を防止できず、そして4%より低いPGCLMで形成されたマイクロスフェアの形成は不完全であり、その中へのOVAの封入は不完全であった。
PGCLマイクロスフェアおよびNPGCLMマイクロスフェアと比較して、PGCLMマイクロスフェアからの速いOVA放出は、水和およびタンパク質放出レベルを制限するための架橋網状なしの、PCL側鎖の末端−COOH基が原因の、PGCLMの高い親水性に起因した。
マイクロスフェアからのOVAの長期持続放出は、薬剤濃度における経時的な周期変化なく、薬剤の連続的送達を示すのに十分であり、故に、長期間にわたり、良好な薬理学的特性を提供する。
変形
本発明前記の開示はある種の操作可能かつ好ましい態様を記載するために提示している。本発明は、変形および修飾が当業者には明白であり、その全てが本発明の範囲内であるため、そのように限定することを意図しない。
PGCLおよびPGCLMの化学構造ならびにNPGCLMの代表的構造を示す。 作業実施例において形成したPGCLM65マイクロスフェアのサイズ分布を示す。 作業実施例において形成したPGCLM81マイクロスフェアのサイズ分布を示す。 作業実施例において形成したPGCLM61マイクロスフェアのサイズ分布を示す。 作業実施例で得たPGCLM41、PGCLM61、PGCLM81およびPGCLM85についてのOVAの累積的放出を示す。 作業実施例で得たPGCLM61、PGCL61および架橋PGCLM61(NPGCLM61と呼ぶ)についてのOVAの累積的放出を示す。

Claims (16)

  1. (a)ポリエステルの不飽和官能化多価アルコールエステルを疎水性有機溶媒に溶解させ、
    (b)薬剤および/または他の生物学的活性剤を水に溶解させ、
    (c)段階(a)および段階(b)で形成させた溶媒を混合してエマルジョンを形成させ、ここで、段階(a)において形成させた溶液が連続相を構成し、そして段階(b)において形成させた溶液が分散相を構成し、
    (d)安定化剤を水に溶解させ、
    (e)段階(d)で形成させた溶液と段階(c)で形成させたエマルジョンを混合して、水中油中水型(water-in-oil-in-water)エマルジョンを形成させ、ここで、段階(d)の溶液が連続相を構成し、そして段階(c)で形成させたエマルジョンが分散相を構成し、
    (f)有機溶媒を、段階(d)で形成させた水中油中水型エマルジョンから蒸発させて、該薬剤および/または他の生物学的活性剤をその中に封入したポリエステルの不飽和官能化多価アルコールエステルから硬化したマイクロスフェアを形成させ、
    (g)薬剤/生物学的活性剤充填硬化マイクロスフェアを回収する
    段階を含む、薬剤/生物学的活性剤充填注射可能マイクロスフェアの形成法。
  2. ポリエステルの不飽和官能化多価アルコールエステルを、ε−カプロラクトンモノマーまたはε−カプロラクトンモノマーとラクチドモノマーもしくはグリコリドモノマーのブレンドを、3個から6個のヒドロキシル基を含む多価アルコール存在下で重合化させて、ポリエステルの多価アルコールエステルを形成させ(ここで、アシル基は遊離ヒドロキシルをその末端に有する)、そして無水マレイン酸と反応させて該遊離ヒドロキシルのいくつかまたは各々を1−カルボキシル−2−カルボキシエテニル基を含む部分に変換させることにより得る、請求項1記載の方法。
  3. 二重結合官能化ポリエステルの多価アルコールエステルを、ε−カプロラクトンモノマーを、グリセロール存在下で重合化させて、ポリエステルの多価アルコールエステルを形成させ(ここで、アシル基は遊離ヒドロキシルをその末端に有する)、そして無水マレイン酸と反応させて該遊離ヒドロキシルのいくつかまたは各々を1−カルボキシル−2−カルボキシエテニル基を含む部分に変換させることにより得る、請求項2記載の方法。
  4. 二重結合官能化ポリエステルの多価アルコールエステルが1,000から50,000の範囲の数平均分子量、Mを有する、請求項3記載の方法。
  5. 段階(a)の溶媒がポリエステルの不飽和官能化多価アルコールエステルを室温で溶解し、30−45℃の範囲の沸点を有するものである、請求項4記載の方法。
  6. 溶媒がジクロロメタンである、請求項5記載の方法。
  7. 安定化剤が安定化に有効な濃度で水に可溶性であり、段階(a)の溶媒に不溶性であり、水での洗浄により除去でき、そして日光および人工光に安定である、請求項4記載の方法。
  8. 安定化剤が10,000から30,000の範囲の数平均分子量を有するポリビニルアルコールであり、85−90%加水分解され、そして段階(d)で形成させた溶液に0.5%から5%w/vの範囲で存在する、請求項7記載の方法。
  9. 段階(c)で混合する段階(b)で形成させた溶液対段階(a)で形成させた溶液の体積比が3:1から10:1の範囲である、請求項4記載の方法。
  10. 光開始剤が段階(a)で形成させた溶液に存在し、段階(e)で形成させた混合物中を照射して光架橋を得て、分散相粒子上にヒドロゲル表面を提供する、請求項4記載の方法。
  11. (a)ポリエステルの不飽和官能化多価アルコールエステルを疎水性有機溶媒に溶解させ、
    (b)薬剤および/または他の生物学的活性剤を水に溶解させ、
    (c)段階(a)および段階(b)で形成させた溶媒を混合してエマルジョンを形成させ、ここで、段階(a)で形成させた溶液が連続層を構成し、そして段階(b)で形成させた溶液が分散相を構成し、
    (d)安定化剤を水に溶解し、
    (e)段階(d)で形成させた溶液と段階(c)で形成させたエマルジョンを混合して水中油中水型エマルジョンを形成させ、ここで、段階(d)の溶液が連続層を構成し、そして段階(c)で形成させたエマルジョンが分散相を構成し、
    (f)有機溶媒を水中油中水型エマルジョンから蒸発させて、該マイクロスフェアを形成するポリエステルの多価アルコールエステルの不飽和官能性に共有結合的に結合した薬剤/生物学的活性剤を有する、硬化したマイクロスフェアを形成させ、
    (g)薬剤/生物学的活性剤充填硬化マイクロスフェアを回収する
    段階を含む、薬剤/生物学的活性剤充填注射可能マイクロスフェアの形成法。
  12. マイクロスフェア注射後の持続放出のための、マイクロスフェアの1から10重量%の薬剤または他の生物学的活性剤が充填された、硬化したポリエステルの不飽和官能化多価アルコールエステルの形の、10から60μmの平均横断面を有する注射可能マイクロスフェア。
  13. ポリエステルの不飽和官能化多価アルコールエステルを、ε−カプロラクトンモノマーをグリセロール存在下で重合化させてポリエステルの多価アルコールエステルを形成させ(ここで、アシル基は遊離ヒドロキシルをその末端に有する)、そして無水マレイン酸と反応させて該遊離ヒドロキシルのいくつかまたは各々を1−カルボキシル−2−カルボキシエテニル基を含む部分に変換させることにより得る、請求項12記載の注射可能マイクロスフェア。
  14. マイクロスフェアがヒドロゲルに変換されている、請求項13記載の注射可能マイクロスフェア。
  15. 薬剤/生物学的活性剤がマイクロスフェア中に封入されている、請求項12記載の注射可能マイクロスフェア。
  16. 薬剤/生物学的活性剤が該マイクロスフェアを形成するポリエステルの多価アルコールエステルの不飽和官能性に共有結合している、請求項12記載の注射可能マイクロスフェア。
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