JP2008503718A - 良性前立腺過形成のマーカーとしてのjm−27 - Google Patents
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Abstract
JM-27に対する血清アッセイは良性前立腺過形成(BPH)を有する個体を特定する。その血清アッセイを用いて、BPHを診断する方法、BPHの重篤度を決定する方法、治療経過をモニターする方法、およびBPHの進行をモニターする方法が行われる。
Description
政府により支援された研究に関する記述
本発明はDK-063593の認可番号の元で米国連邦政府からの支援を用いて為された。かくして、米国連邦政府は本発明に関して一定の権利を有する。
本発明はDK-063593の認可番号の元で米国連邦政府からの支援を用いて為された。かくして、米国連邦政府は本発明に関して一定の権利を有する。
発明の分野
本発明は、良性前立腺過形成(BPH)を有する個体の血清中でJM-27を検出する方法に関する。より具体的には、本発明は、血清サンプル中のJM-27の存在を検出するために、免疫アッセイと組合わせて、抗JM-27抗体を用いる方法に関する。この方法は、BPHを診断し、およびBPHの重篤度を決定し、ならびにBPH治療の有効性をモニターするのに有用である。
本発明は、良性前立腺過形成(BPH)を有する個体の血清中でJM-27を検出する方法に関する。より具体的には、本発明は、血清サンプル中のJM-27の存在を検出するために、免疫アッセイと組合わせて、抗JM-27抗体を用いる方法に関する。この方法は、BPHを診断し、およびBPHの重篤度を決定し、ならびにBPH治療の有効性をモニターするのに有用である。
発明の背景
癌および良性前立腺過形成(BPH)などの前立腺増殖の異常は、男性において生じる最も一般的な、費用が高く、衝撃が大きい疾患のいくつかをもたらす。BPHは60を超える年齢の男性における最も一般的な良性腫瘍に当たる。事実、80歳まで生存する男性の4分の1がこの疾患に関する治療を必要とすると見積もられている。BPHは通常、50歳以降に臨床的に注目され、BPHの発生率は年齢と共に増加する。しかしながら、40〜49歳の男性の実に3分の2ではこの疾患の組織学的証拠が示される。
癌および良性前立腺過形成(BPH)などの前立腺増殖の異常は、男性において生じる最も一般的な、費用が高く、衝撃が大きい疾患のいくつかをもたらす。BPHは60を超える年齢の男性における最も一般的な良性腫瘍に当たる。事実、80歳まで生存する男性の4分の1がこの疾患に関する治療を必要とすると見積もられている。BPHは通常、50歳以降に臨床的に注目され、BPHの発生率は年齢と共に増加する。しかしながら、40〜49歳の男性の実に3分の2ではこの疾患の組織学的証拠が示される。
尿道を取り囲む膀胱頚部での前立腺の解剖学的位置は、膀胱出口の閉塞などのBPHの病理において重要な役割を果たす。2つの前立腺の要素が膀胱出口の閉塞において役割を果たすと考えられる。第1は前立腺組織の質量の相対的増加である。第2の要素は前立腺平滑筋緊張である。
男性におけるBPHの原因となる因子が集中的に研究されてきた。Ziadaら、Urology 53: 1-6(1999)を参照されたい。一般的には、2つの最も重要な因子は加齢および機能的精巣の存在であるようである。これらの因子はBPHの発生に対して重要であろうが、両方とも非特異的である。
BPHは症候性および無症候性のいずれの形態でも存在し、それを診断するのを特に困難にしている。DNAマイクロアレイを用いる遺伝子発現プロフィール試験により、BPHと関連する比較的前立腺に特異的なタンパク質としてJM-27が同定された。Prakashら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99: 7598-03 (2002)、ならびにPCT出願第WO 03/008561号および第WO 02/10338号を参照されたい。そのような研究は、JM-27が組織学的BPHと比較して症候性BPHにおいて有意に上方調節されることを示した。
治療手法がより有効であって膀胱損傷が起こる前にその治療手法を適用するために、BPH、特に重篤なBPHを有する個体を特定することが望ましい。しかしながら、BPHは組織生検において判別するのが困難であることが多く、あいまいな症状スコアリングを用いてBPHの重篤度を計測するのが現在は困難である。
BPHに起因して前立腺特異的抗原(PSA)レベルが上昇した個体と、前立腺癌に起因してPSAレベルが上昇した個体との間を識別することも望ましい。前立腺癌を診断する現在の方法は、実際にはBPHの結果でありうるPSAレベル上昇の検出に大きく依存する。PSAの上昇の原因間を識別することができれば、BPH患者における不必要な生検の数を減少させることができる。
BPHを罹患する個体を特定し、個体におけるBPHの重篤度を決定する効率的で単純な方法の必要性が依然として存在する。同様に、前立腺癌を有する個体とBPHを有する個体を識別する効率的で単純な方法の必要性も依然として存在する。
また、BPH治療の経過をモニターする方法、およびBPH治療について決定を知らせるツールの必要性も依然として存在する。
発明の概要
本発明者らは、JM-27がBPHを有する個体の血清中で検出可能であり、血清中で検出されたJM-27のレベルがBPHの重篤度と相関することを発見した。具体的には、症候性BPHにおけるJM-27の血清レベルは、無症候性BPHにおけるJM-27の血清レベルよりも低い。本発明者らはまた、JM-27の血清レベルはBPH治療の経過をモニターするのに有用であることも見出した。
本発明者らは、JM-27がBPHを有する個体の血清中で検出可能であり、血清中で検出されたJM-27のレベルがBPHの重篤度と相関することを発見した。具体的には、症候性BPHにおけるJM-27の血清レベルは、無症候性BPHにおけるJM-27の血清レベルよりも低い。本発明者らはまた、JM-27の血清レベルはBPH治療の経過をモニターするのに有用であることも見出した。
これらの発見に従って、本発明はJM-27に対する血清に基づくアッセイを提供する。このアッセイは、(a)血清サンプルを提供する工程、および(b)血清サンプル中のJM-27を検出する工程を含む。工程(b)の検出方法は、ELISA、免疫沈降法およびウェスタンブロッティングなどの任意の公知のタンパク質検出方法を用いてもよい。
別の態様においては、本発明は、(a)個体から血清サンプルを提供すること、(b)該血清サンプル中に存在するJM-27のレベルを検出すること、および(c)JM-27の検出されたレベルをBPHの診断と関連付けることを含む、BPHを診断する方法を提供する。工程(b)の検出方法は、ELISA、免疫沈降法およびウェスタンブロッティングなどの任意の公知のタンパク質検出方法を用いてもよい。好ましい実施形態はELISAを用いる。一実施形態においては、JM-27の血清に基づくアッセイは、(i)抗JM-27抗体を、血清で被覆された固相と接触させた状態に置く工程、(ii)未結合の抗JM-27抗体を除去する工程、(iii)二次抗体を該固相と接触させる工程、(iv)未結合の二次抗体を除去する工程、(v)該固相に結合した二次抗体のレベルを検出する工程(ここで、(v)のレベルは血清中のJM-27のレベルを示す)を含む。
特定の実施形態においては、前記診断方法は症候性BPH、無症候性BPH、および前立腺癌を有する個体間を識別するのに有用である。
本発明はまた、BPHの重篤度を決定する方法、およびBPH治療から最も利益を受ける患者を階層化する方法も提供する。この方法は、(a)個体から血清サンプルを提供すること、(b)該血清サンプル中に存在するJM-27のレベルを検出すること、および(c)JM-27の検出されたレベルを、BPHの重篤度と関連付けること、を含む。より重篤な疾患状態を示す、低い血清レベルのBPHを有する患者を、BPH治療のために選択することができる。
本発明はまた、個体におけるBPH治療の有効性またはBPH進行の過程をモニターする方法も提供する。この方法は、(a)個体から血清サンプルを提供すること、(b)該血清中に存在するJM-27のレベルを検出すること、および(c)JM-27の検出されたレベルを、同じ個体中のJM-27のより早期の血清レベルと比較すること、を含む。時間経過に伴う血清JM-27レベルの増加はBPHが改善されたことを示すが、時間経過に伴う血清JM-27レベルの減少はBPHが悪化したことを示す。
特定の実施形態においては、BPH治療の有効性をモニターする方法を用いて、5α-リダクターゼ阻害剤を用いる治療などの、アンドロゲン治療の有効性をモニターする。この方法は、この目的にとって特に有用である。アンドロゲン自体はBPHの特異的マーカーではないが、アンドロゲンにより調節されるJM-27はBPHの特異的マーカーである。
本発明のそれぞれの上記の実施形態について、JM-27タンパク質に対して特異的な抗JM-27抗体、その天然の変異体または同定フラグメントを用いることができる。特に、配列番号1により表されるアミノ酸配列を有するJM-27タンパク質フラグメントに対して特異的な抗体を用いることができる。JM-27に対するモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体の両方とも有用な試薬となる。特定の実施形態においては、レポーター分子により標識された抗体などの二次抗体を用いて、血清サンプル中のJM-27の量を検出する。前記アッセイにおいて用いられるレポーター分子により標識された抗体は、該サンプル中で二次抗体の定量を可能にする酵素であってもよい。
好ましい実施形態の詳細な説明
I. 定義
便宜上、明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲で用いられる特定の用語および語句の意味を以下に提供する。
I. 定義
便宜上、明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲で用いられる特定の用語および語句の意味を以下に提供する。
単数形「a」、「an」および「the」は、本文が明確にそうでないことを指示しない限り複数への言及を包含する。
用語「抗体」は、JM-27のエピトープ決定基に機能的に結合することができる任意の合成のまたは遺伝子組換えタンパク質を含む。また、「抗体」は、完全長(すなわち、天然のもの、もしくは通常の免疫グロブリン遺伝子断片組換えプロセスにより形成されたもの)の免疫グロブリン分子(例えば、IgG抗体)または免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な(すなわち、特異的に結合する)部分、例えば、抗体フラグメントをも指す。
「抗体フラグメント」は、F(ab')2、F(ab)2、Fab'、Fab、Fv、scFv(一本鎖Fv)などの抗体の一部である。構造に拘らず、抗体フラグメントは無傷の抗体により認識されるのと同じJM-27抗原と結合する。
用語「抗体フラグメント」はまた、特異的JM-27抗原と結合して複合体を形成することにより抗体と同様に機能する、任意の合成のまたは遺伝子組換えタンパク質をも含む。例えば、抗体フラグメントは、重鎖および軽鎖の可変領域からなる「Fv」フラグメントなどの、可変領域からなる単離されたフラグメント、軽鎖および重鎖の可変領域がペプチドリンカーにより連結された組換え一本鎖ポリペプチド分子(「scFvタンパク質」)、ならびに超可変領域を模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位、をも包含する。Fvフラグメントを様々な方法で構築して、多価および/または多特異的結合形態を得ることができる。前者の多価の場合においては、これらは特異的エピトープに対する2個以上の結合部位と反応するが、多特異的形態の場合、2個以上のエピトープ(抗原の、または特異的抗原および異なる抗原に対するもののいずれか)が結合する。
本明細書においては、用語「抗体成分」は、抗体全体、融合タンパク質、およびこれらのいずれかのフラグメントの両方を含む。
「キメラ抗体」は、1つの種から誘導された抗体、好ましくはげっ歯類抗体の相補性決定領域(CDR)を含む、重鎖抗体鎖と軽鎖抗体鎖の両方の可変領域を含むが、該抗体分子の定常領域はヒト抗体のものに由来する、組換えタンパク質である。獣医学での適用のために、該キメラ抗体の定常領域は、ネコまたはイヌなどの他の種のものに由来してもよい。
「ヒト化抗体」は、1つの種に由来する抗体、例えば、げっ歯類の抗体からのCDRが、げっ歯類抗体の重鎖および軽鎖可変領域からヒトの重鎖および軽鎖可変ドメインに転換された、組換えタンパク質である。該抗体分子の定常ドメインはヒト抗体のものから誘導されたものである。
「ヒト抗体」は、抗原チャレンジに応答して特異的ヒト抗体を産生するように「操作された」トランスジェニックマウスから得られた抗体である。この技術においては、ヒト重鎖および軽鎖の遺伝子座のエレメントを、内因性重鎖および軽鎖の遺伝子座の標的化された破壊を含む胚性幹細胞系から誘導されたマウス系統に導入する。トランスジェニックマウスはヒト抗原に特異的なヒト抗体を合成することができ、このマウスを用いてヒト抗体を分泌するハイブリドーマを作製することができる。トランスジェニックマウスからヒト抗体を取得する方法は、Greenら、Nature Genet. 7:13 (1994)、Lonbergら、Nature 368: 856 (1994)、およびTaylorら、Int. Immun. 6: 579 (1994)により記載されている。完全なヒト抗体を、遺伝子または染色体トランスフェクション方法、ならびにファージ展示技術により構築することもでき、それらの技術は全て当業界で公知である。免疫されていないドナーに由来する免疫グロブリン可変ドメインの遺伝子レパートリーからの、in vitroでのヒト抗体およびそのフラグメントの産生については、例えば、McCaffertyら、Nature 348: 552-553 (1990)を参照されたい。この技術においては、抗体可変ドメイン遺伝子を、繊維状バクテリオファージの主要な、またはマイナーなコートタンパク質遺伝子中に読み枠を合わせてクローニングし、そしてそれをファージ粒子の表面上に機能的抗体フラグメントとして展示する。繊維状粒子はファージゲノムの一本鎖DNAコピーを含むので、抗体の機能的特性に基づく選択はこれらの特性を示す抗体をコードする遺伝子の選択をももたらす。この方法では、ファージはB細胞の特性のいくつかを模倣する。ファージ展示を様々な形式で行うことができる。概論については、JohnsonおよびChiswell, Current Opinion in Structural Biol. 3: 5564-571 (1993)を参照されたい。
「良性前立腺過形成」とは、加齢した男性において発生することが多い、前立腺の非悪性の肥大を指す。BPHの症状は様々であるが、最も一般的な症状は排尿に伴う変化または問題、例えば、(a)躊躇するような、断続的な弱い尿流、(b)尿意切迫および尿漏れまたは尿滴下、ならびに(c)特に夜間の頻尿などを含む。この疾患はまた、いわゆるより下部尿路症状(LUTS)に大きく寄与する。
2つの異なる型のBPH:(a)無症候性、または組織学的なもの、および(b)重篤なBPH症状を含む、症候性のものが、存在する。前者においては、1つ以上のBPH病変が前立腺内に存在するが、患者はいかなる症状も経験しない。後者においては、患者は様々な症状を経験する。症候性BPHに罹患した最も重篤な患者は外科的介入を必要とする場合がある。
「生体分子配列」または「配列」とは、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の全部または一部を指す。
「診断」および「診断すること」は、一般的には、疾患または障害に対する被験体の罹りやすさの決定、被験体が疾患または障害に現在罹患しているかどうかの決定、疾患または障害に罹患した被験体の予後判定、およびテラメトリックス(例えば、治療の効果または有効性に関する情報を提供するために被験体の状態をモニターすること)を含む。
「エピトープ」は、本発明の抗体と特異的に相互作用することができる任意の決定基を指す。エピトープ決定基は通常、アミノ酸または糖側鎖などの化学的に活性な表面分子群を含み、通常、特定の3次元構造特性、ならびに特定の電荷特性を有する。
「タンパク質の断片」とは、別のタンパク質の一部であるタンパク質を指す。例えば、タンパク質の断片は、培養細胞から単離された完全長タンパク質を消化することにより得られたポリペプチドを含みうる。一実施形態においては、タンパク質断片は少なくとも約6個のアミノ酸を含む。別の実施形態においては、この断片は少なくとも約10個のアミノ酸を含む。さらに別の実施形態においては、タンパク質断片は少なくとも約16個のアミノ酸を含む。
「過形成」とは、組織中で異常な増殖または異常な配置を示す細胞を指す。用語「過形成」は、良性腫瘍などの、良性の細胞増殖障害を含む。
本明細書で互換的に用いられる「個体」、「被験体」、「宿主」および「患者」は、診断、治療、または療法が望ましい任意の哺乳動物被験体を指す。1つの好ましい実施形態においては、個体、被験体、宿主、または患者はヒトである。他の被験体としては、限定されるものではないが、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、霊長類、およびマウスが挙げられる。
「単離された」とは、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、免疫グロブリン、または宿主細胞が天然に存在する環境とは異なる環境中にある該ポリヌクレオチド、ポリペプチド、免疫グロブリン、または宿主細胞を指す。
「JM-27」は、配列番号2により表されるタンパク質を指す。このタンパク質は前立腺および特定の雌の生殖組織、例えば、子宮組織においてのみ発現される。JM-27転写物は症候性BPHにおいて17倍に上方調節される;JM-27タンパク質の発現もBPHにおいて上方調節される。JM-27は細胞接着タンパク質においてしばしば認められるRGDモチーフを含むMAGE/GAGE様タンパク質のファミリーと相同的である。BPHのマーカーとして機能する能力を保持するJM-27の相同体、天然の変異体、および断片も本発明の範囲内にある。
「標識」とは、直接的に、またはシグナル産生系の1種以上のさらなるメンバーとの相互作用を介して、検出可能なシグナルを産生することができる薬剤を指す。直接的に検出可能であり、本発明において有用である標識としては、蛍光標識が挙げられる。具体的なフルオロフォアとしては、フルオレセイン、ローダミン、BODIPY、シアニン染料などが挙げられる。本発明はまた、標識としての35S、32P、3Hなどの、放射性同位体の使用も包含する。コロイド金または着色ガラスまたはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックス)ビーズなどの比色標識を用いることもできる。さらに、触媒酵素も標識として機能し得る。
「モジュレートする」とは、所定の現象を増加または減少させることを指す。JM-27モジュレーターは、直接的または間接的に、JM-27の1つ以上の活性を増加または減少させる。例えば、JM-27モジュレーターは、JM-27に結合することによりタンパク質活性に直接的に影響を及ぼし、JM-27の転写、翻訳または翻訳後修飾に影響することによりタンパク質活性に間接的に影響を及ぼし得る。
「新生物」とは、腫瘍をもたらす、異常な新規増殖を指す。過形成とは異なり、新生物性増殖は元の刺激の非存在下でも持続し、未制御で進行性であることを特徴とする。悪性新生物、または悪性腫瘍は、前者がより大きい程度の退形成を示し、浸潤および転移の特性を有する点で良性腫瘍とは区別される。
本明細書で互換的に用いられる「ポリペプチド」および「タンパク質」とは、任意の長さのポリマー形態のアミノ酸を指し、これは、翻訳された、翻訳されていない、化学修飾された、生化学的に修飾された、および誘導体化されたアミノ酸を含んでもよい。ポリペプチドまたはタンパク質は天然、組換え、もしくは合成のもの、またはこれらの任意の組合せのものであってよい。さらに、ポリペプチドまたはタンパク質は天然のタンパク質またはペプチドの断片を含んでもよい。ポリペプチドもしくはタンパク質は単一の分子であってもよく、または多分子複合体であってもよい。さらに、そのようなポリペプチドまたはタンパク質は修飾されたペプチド主鎖を有してもよい。この用語は、異種アミノ酸配列との融合タンパク質、N末端メチオニン残基を有するか、または有さない、異種および同種リーダー配列との融合物、免疫学的にタグ付けされたタンパク質などの融合タンパク質を含む。
「配列同一性」とは、類似性または相補性の程度を指す。部分的同一性または完全な同一性がありうる。部分的に相補的な配列は、同一配列が標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズすることを少なくとも部分的に妨げるものであり、これを機能的用語「実質的に同一」を用いて表現する。標的配列への完全に相補的な配列のハイブリダイゼーションの阻害を、低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイゼーションアッセイ(サザンまたはノーザンブロット、溶液ハイブリダイゼーションなど)を用いて試験することができる。実質的に同一な配列またはプローブは、低ストリンジェンシー条件下で標的配列への完全に同一な配列またはプローブの結合(すなわち、ハイブリダイゼーション)について競合し、これを阻害するであろう。低ストリンジェンシー条件は非特異的結合が許容されるようなものであると言うわけではない。その低ストリンジェンシー条件は、2つの配列の互いへの結合が特異的(すなわち、選択的)相互作用であることを必要とする。非特異的結合が存在しないことを、部分的な程度の相補性(例えば、約30%未満の同一性)さえ欠く第2の標的配列の使用により試験することができる。非特異的結合の非存在下では、前記プローブは第2の非相補的標的配列にハイブリダイズしないであろう。
2つの核酸またはポリペプチド配列の内容において配列同一性を見る別の方法は、特定の領域に渡って最大に一致するようにアラインメントされた場合に同じである2つの配列中の残基に対する参照を含む。本明細書で用いる場合、配列同一性のパーセンテージは、比較ウィンドウに渡って2つの最適にアラインメントされた配列を比較することにより決定される値を意味し、ここで比較ウィンドウ中のポリヌクレオチド配列部分は、2つの配列の最適のアラインメントに対する参照配列(付加または欠失を含まない)と比較して付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含んでよい。このパーセンテージを、同一の核酸塩基が両配列中で生じた位置の数を決定して一致した位置の数とし、その一致した位置の数を、比較のウィンドウ中での位置の総数で除算し、およびその結果に100を乗算して配列同一性のパーセンテージを得ることにより算出する。
「血清サンプル」とは、血清の成分を含む検体を指す。血清サンプルの例は、全血、血漿および血清である。好ましい血清サンプルは血漿および血清である。
用語「治療」、「治療すること」、「治療する」などは、所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを指す。この効果は、疾患もしくは症状を完全もしくは部分的に防止する点で予防的であってもよく、ならびに/または疾患および/もしくは疾患に起因する副作用に関する部分的もしくは完全な安定化もしくは治癒の点で治療的であってもよい。「治療」は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の治療をカバーし、(a)その疾患もしくは症状に罹りやすいが、それを有するとまだ診断されていない被験体において該疾患もしくは症状が生じることを防止すること;(b)この疾患症状を阻止すること、すなわち、その進展を止めること;または(c)この疾患症状を軽減すること、すなわち、疾患もしくは症状の緩解を引き起こすことを含む。
II. JM-27を検出するための血清アッセイ
一態様においては、本発明は、(a)個体から血清サンプルを提供する工程、および(b)該血清サンプル中のJM-27のレベルを検出する工程を含む、JM-27を検出するためのアッセイを提供する。当業界で周知の様々なタンパク質検出方法、例えば免疫アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、ウェスタンブロッティング、およびJM-27に対する機能的アッセイなどの任意のものを、検出工程に用いることができる。
一態様においては、本発明は、(a)個体から血清サンプルを提供する工程、および(b)該血清サンプル中のJM-27のレベルを検出する工程を含む、JM-27を検出するためのアッセイを提供する。当業界で周知の様々なタンパク質検出方法、例えば免疫アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、ウェスタンブロッティング、およびJM-27に対する機能的アッセイなどの任意のものを、検出工程に用いることができる。
血清サンプル中でのJM-27ポリペプチドの存在を検出し、および/またはそのレベルを測定するためのいくつかの方法は、JM-27に特異的な抗体を用いる。具体的には、血清サンプル中でのJM-27ポリペプチドの存在を検出するための方法は、該サンプルを抗体と接触させる工程およびサンプル中での該抗体のJM-27との結合を検出する工程を含んでもよい。より具体的には、該抗体を、限定されるものではないが、放射標識、酵素、色素体および蛍光団などの化合物を用いて検出可能なシグナルを産生するように標識することができる。
例えば、免疫蛍光アッセイを、最初にJM-27ポリペプチドを単離することなく血清上で容易に実施することができる。まず、血清タンパク質を、顕微鏡スライドまたはマイクロタイターウェルなどの固相支持体上に固定する。次に、固定されたタンパク質をJM-27ポリペプチドに特異的な抗体に曝露する。アッセイの感度を増加させるために、固定されたタンパク質を、標識され、JM-27ポリペプチドに特異的な一次抗体に結合する二次抗体に、さらに曝露することができる。典型的には、二次抗体を、例えば、蛍光マーカーを用いて、検出可能に標識する。JM-27ポリペプチドを蛍光標識し、容易に可視化することができる。
本明細書を読めば当業者には容易に明らかとなるであるように、本明細書に記載された検出方法および他の方法は容易に変更することができる。そのような変更は本発明の意図される範囲内にある。例えば、上記の検出スキームにおいては、検出における使用のための抗体を固相支持体上に固定し、血清サンプルを固定されたプローブと接触させることができる。次いで、抗体への血清サンプル中のJM-27の結合を様々な方法で検出することができる。
好適な対照と比較する場合、JM-27に特異的な抗体の特異的結合の検出は、JM-27ポリペプチドが該サンプル中に存在することを示唆する。好適な対照としては、JM-27ポリペプチドを含むことが知られていないサンプルおよびコードされたそのポリペプチドにとって特異的ではない抗体、例えば、抗イディオタイプ抗体と接触されたサンプルが挙げられる。特異的抗体-抗原相互作用を検出するための様々な方法は当業界で公知であり、限定されるものではないが、標準的な免疫組織学的方法、免疫沈降法、酵素免疫アッセイ、およびラジオイムノアッセイなどの方法において用いることができる。一般的には、特異的抗体を、直接的または間接的に、検出可能に標識することができる。直接的標識としては、放射性同位体;生成物が検出可能である酵素(例えば、ルシフェラーゼ、3-ガラクトシダーゼなど);蛍光標識(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリンなど);蛍光発光金属(例えば、EDTAなどの金属キレート化基を介して抗体に結合された、112Eu、またはランタニド系の他のもの);化学発光化合物(例えば、ルミノール、イソルミノール、アクリジニウム塩など);生物発光化合物(例えば、ルシフェリン、エクオリン(グリーン蛍光タンパク質)など)が挙げられる。抗体を、ポリスチレンプレートまたはビーズなどの不溶性支持体に結合(カップリング)させることができる。間接的な標識は、コードされたポリペプチドにとって特異的な抗体(「特異的一次抗体」)にとって特異的な二次抗体(ここで二次抗体は上記のように標識される);および特異的結合対、例えば、ビオチン-アビジンなどのメンバーが挙げられる。血清サンプルを、細胞、細胞粒子、または可溶性タンパク質を固定することができる、ニトロセルロースなどの、固相支持体または担体と接触させ、この上に固定することができる。次いで、支持体を好適なバッファーで洗浄した後、検出可能に標識された特異的一次抗体と接触させることができる。検出方法は当業界で公知であり、検出可能な標識により放出されるシグナルに対して好適なものとして選択することができる。一般的には、好適な対照および好適な標準と比較して、検出を達成する。
特定の実施形態においては、JM-27を検出するためのアッセイは、(i)抗JM-27抗体を、血清で被覆された固相と接触させた状態に置くこと、(ii)未結合の抗JM-27抗体を除去すること;(iii)二次抗体を該固相と接触させること、(iv)未結合の二次抗体を除去すること;(v)該固相に結合した二次抗体のレベルを検出すること(ここで、(v)のレベルは血清中のJM-27のレベルを示す)を含む。
III. BPHを診断する方法
別の態様においては、本発明はBPHを診断する方法であって、(a)個体から血清サンプルを提供すること、(b)血清サンプル中に存在するJM-27のレベルを検出すること、および(c)JM-27の検出されたレベルをBPHの診断と関連付けることを含む、前記方法を提供する。
別の態様においては、本発明はBPHを診断する方法であって、(a)個体から血清サンプルを提供すること、(b)血清サンプル中に存在するJM-27のレベルを検出すること、および(c)JM-27の検出されたレベルをBPHの診断と関連付けることを含む、前記方法を提供する。
この方法は、(a)患者から得られた血清サンプル中のJM-27のレベルを決定すること、(b)血清サンプル中のJM-27のレベルを、正常な生物サンプル中のJM-27のレベルと比較すること、および(c)JM-27のレベルをBPHの診断と関連付けることを含む。
本発明の関連する態様は、BPHに対する患者の素因を判定する方法を提供する。この方法は、(a)患者から得られた血清サンプル中のJM-27のレベルを決定すること、(b)該血清サンプル中のJM-27のレベルを、正常な生物サンプル中のJM-27のレベルと比較すること、および(c)JM-27のレベルを、BPHに対する素因の診断と関連付けることを含む。
具体的には、患者の診断において、患者から得られた血清サンプル中のJM-27のレベルを決定してもよい。次に、患者の血清サンプル中のJM-27のレベルを、正常な血清サンプルに由来するJM-27レベルまたは血清JM-27レベルの標準曲線と比較し、BPHの陽性または陰性診断と関連付けることができる。BPHに対する患者の素因を、類似の方法を用いて判定することができる。
一実施形態においては、BPHの重篤度を、患者のJM-27ポリペプチドのレベルを、正常なJM-27ポリペプチドのレベルまたは血清JM-27ポリペプチドのレベルの標準曲線と比較することにより決定することができる。より低いレベルのJM-27は、より重篤な、または進行したBPHと相関する。かくして、JM-27の血清レベルを用いて、症候性BPHと無症候性BPHを識別することができる。
別の実施形態においては、BPHおよび前立腺癌を、患者のJM-27ポリペプチドレベルを正常なJM-27ポリペプチドレベルと比較することにより識別することができる。BPHとは異なり、前立腺癌はJM-27の血清レベルに有意な影響を及ぼさない。上記のように、前立腺癌を診断する現在の方法は、実際にはBPHから生じる可能性があるPSAレベルの上昇を検出することに依存する。BPHを明確に診断し、それによって上昇したPSAの原因間を区別できることにより、BPH患者における不必要な生検の数は減少するであろう。
IV. BPH治療をモニターする方法
JM-27の血清レベルは、BPH進行における変化を検出し、ならびに/または種々の治療および予防的介入の効力をモニターするマーカーとして特に興味深い。例えば、JM-27の血清レベルは、進行性疾患であることを示すことができ、従って、逆に、患者に対してより積極的な治療を正当化することができる。かくして、本発明のJM-27血清アッセイは、BPH治療を評価し、個体におけるBPHの管理に関する決定を行うのにも有用である。患者におけるJM-27の血清レベルを決定すること、ならびに患者のプロフィールを正常な組織及びその疾患の様々なタイプにおける公知の発現と比較することにより、治療の特異性の点および患者の快適さのレベルの点の両方において、患者にとって最良の、可能性のある治療の決定が可能になる。
JM-27の血清レベルは、BPH進行における変化を検出し、ならびに/または種々の治療および予防的介入の効力をモニターするマーカーとして特に興味深い。例えば、JM-27の血清レベルは、進行性疾患であることを示すことができ、従って、逆に、患者に対してより積極的な治療を正当化することができる。かくして、本発明のJM-27血清アッセイは、BPH治療を評価し、個体におけるBPHの管理に関する決定を行うのにも有用である。患者におけるJM-27の血清レベルを決定すること、ならびに患者のプロフィールを正常な組織及びその疾患の様々なタイプにおける公知の発現と比較することにより、治療の特異性の点および患者の快適さのレベルの点の両方において、患者にとって最良の、可能性のある治療の決定が可能になる。
一実施形態においては、そのような方法は、(a)個体から血清サンプルを提供すること、(b)該血清サンプル中に存在するJM-27のレベルを検出すること、および(c)JM-27の検出されたレベルを、同じ患者におけるJM-27のより早期の血清レベルと比較することを含む。好ましくは、評価される治療は、ドキサゾシンまたはフィナステリドの投与などのアンドロゲン治療を含む。
V. 抗体および本発明によるその使用
本発明のポリクローナルおよびモノクローナル抗体は、JM-27またはJM-27の免疫原性断片との免疫反応性を有する。所望であれば、例えば、JM-27ポリペプチドを結合させるマトリックスに結合させ、それから溶出させることにより、または好ましくはNMPなどの非JM-27タンパク質を用いて非特異的抗体を選択的に除去することにより、ポリクローナル抗体をさらに精製することができる。異なるエピトープ特異性を有するプールされたモノクローナル抗体から本質的になる抗体、ならびに相異なるモノクローナル抗体調製物を提供する。
本発明のポリクローナルおよびモノクローナル抗体は、JM-27またはJM-27の免疫原性断片との免疫反応性を有する。所望であれば、例えば、JM-27ポリペプチドを結合させるマトリックスに結合させ、それから溶出させることにより、または好ましくはNMPなどの非JM-27タンパク質を用いて非特異的抗体を選択的に除去することにより、ポリクローナル抗体をさらに精製することができる。異なるエピトープ特異性を有するプールされたモノクローナル抗体から本質的になる抗体、ならびに相異なるモノクローナル抗体調製物を提供する。
本発明と共に使用するための抗JM-27抗体を、当業者であれば容易に調製することができるであろう。好ましい例として、本発明者らは9G4.2と命名したクローンからモノクローナル抗体を調製した。以下の実施例に記載された血清JM-27アッセイにおけるこの抗体の感度および特異性は、それぞれ85%および76%である。
JM-27の同定用ペプチド断片を用いて、JM-27に特異的な抗体を調製することができる。該ペプチド断片の異なるエピトープに結合する抗体、または、ペプチド断片を組合わせることにより作製されたエピトープを、重複する領域において、もしくは(例えばペプチド断片のダイマーもしくはトリマーの)二次構造エレメントに対して認識することができる抗体を、調製することができる。
従来の方法を用いて前記抗体を調製することができる。例えば、JM-27ペプチドを用いることにより、ポリクローナル抗血清またはモノクローナル抗体を標準的な方法を用いて作製することができる。本発明はまた、当業者には公知の方法により作製された、キメラ抗体分子も意図する。
前記抗体を、当業者には公知である様々な酵素、蛍光物質、発光物質および放射活性物質などの検出可能なマーカーを用いて標識することができる。
天然のJM-27およびその断片に対して反応性の抗体を用いて、血清サンプル中のペプチド配列などのJM-27を検出することができる。例えば、そのような抗体を、JM-27タンパク質の抗原性決定部位と該抗体との間の結合相互作用に依存する任意の公知の免疫アッセイおよび免疫学的方法において用いることができる。そのようなアッセイの例は、ラジオイムノアッセイ、ウェスタン免疫ブロッティング、酵素免疫アッセイ(例えば、ELISA)、免疫蛍光、免疫沈降、ラテックス凝集、および免疫組織化学的試験である。かくして、前記抗体を用いて、サンプル中のJM-27の量を同定するか、または定量し、かくして、BPHの診断指標として用いることができる。
サンプルを、該サンプル中のJM-27に結合した後に検出することができる、ペプチド断片のエピトープに特異的な抗体と接触させ、および該サンプル中のJM-27に結合した抗体、または未反応の抗体についてアッセイすることにより、JM-27の存在または非存在について該サンプルを試験することができる。
免疫アッセイの方法においては、サンプルまたは濃縮されたサンプルの所定量を、抗体または標識された抗体と混合する。この方法において用いられる抗体の量は、選択された標識薬剤に依存する。次いで、前記抗体または標識された抗体に結合したJM-27の量を、当業者には公知の方法により検出することができる。サンプルまたは抗体を不溶化することができ、例えば、サンプルまたは抗体を公知の方法を用いて好適な担体と反応させることができる。好適な担体の例はSepharoseまたはアガロースビーズである。不溶化されたサンプルまたは抗体を用いる場合、抗体に結合したJM-27または未反応の抗体を洗浄により単離する。例えば、サンプルをニトロセルロース膜上にブロットする場合、JM-27に結合した抗体を、バッファー、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いて洗浄することにより、未反応の抗体から分離する。
標識された抗体を用いる場合、JM-27の存在を、サンプル中の結合した標識抗体の量を測定することにより決定することができる。標識された物質を測定する好適な方法は、標識用薬剤に依存する。
未標識抗体を本発明の方法において用いる場合、JM-27の存在を、抗体と特異的に相互作用して凝集または沈降を引き起こす物質を用いて、1種以上のJM-27分子に結合した抗体の量を測定することにより決定することができる。特に、JM-27に特異的な抗体に対する標識された抗体を反応混合物に添加することができる。本発明のペプチドに特異的な抗体に対する抗体を、本明細書に記載された当業界で公知の従来の手順により調製および標識することができる。JM-27に特異的な抗体に対する抗体は、種特異的抗免疫グロブリン抗体またはモノクローナル抗体であってよく、例えば、ヤギ抗ウサギ抗体を用いて、本発明のペプチドに特異的なウサギ抗体を検出することができる。
抗体を作製するための好ましいJM-27断片は、CPGQEREGTPPIEERKVE(配列番号1)を有するペプチドである。JM-27一次アミノ酸配列のマイナーな改変も、有用なペプチドをもたらし得る。そのようなマイナーな改変は「保存的置換」を含む。本明細書で用いる場合、保存的置換とは、構造的に類似する残基によるアミノ酸残基の置換を指す。保存的置換の例としては、イソロイシン、バリン、ロイシンもしくはメチオニンなどの疎水性残基の間でのあるものから別のものへの置換、またはアルギニンからリジンへの置換、グルタミン酸からアスパラギン酸への置換、もしくはグルタミンからアスパラギンへの置換などの極性残基の間でのあるものから別のものへの置換が挙げられる。
JM-27およびその断片を、例えば、Merrifield, J. Am. Chem. Soc. 85: 2149 (1962)、ならびにStewartおよびYoung, SOLID PHASE PEPTIDES SYNTHESIS 27-62 (Freeman Publ., 1969)により記載の公知の固相ペプチド合成方法により合成することができる。
JM-27との結合を示す抗体結合性ドメインの同定および単離のための好ましい方法は、バクテリオファージXベクターシステムである。このベクターシステムを用いて、大腸菌中のマウス抗体レパートリー(Huseら、Science 246: 1275-81 (1989)を参照)、およびヒト抗体レパートリー(Nullinaxら、Proc. Natl Acad. Sci. USA 87: 8095-99 (1990))からFabフラグメントのコンビナトリアルライブラリーを発現させた。
本発明の抗体は、それらを液相中で用いるか、または固相担体に結合させることができる免疫アッセイにおける使用にとって好適である。さらに、これらの免疫アッセイにおける抗体を様々な方法で検出可能に標識することができる。本発明の抗体を用いることができる免疫アッセイのタイプの例は、直接的または間接的形式の競合および非競合免疫アッセイである。そのような免疫アッセイの例は、ラジオイムノアッセイ(RIA)およびサンドイッチ(イムノメトリック)アッセイである。本発明の抗体を用いる抗原の検出を、生理学的サンプルに対する免疫組織化学アッセイなどの、フォワード、リバース、または同時モードのいずれかで泳動させる免疫アッセイを用いて実施することができる。あるいは、本発明の抗体を用いて、ウェスタンブロットおよび2次元ゲルなどの電気泳動で分散させたゲルプロトコル中に存在するJM-27を検出することができる。
本発明の抗体を多くの異なる担体に結合させて、これを用いてJM-27の存在を検出することができる。周知の担体の例としては、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然および修飾セルロース、ポリアクリルアミド、アガロースおよびマグネタイトが挙げられる。担体の性質は、本発明の目的に応じて可溶性であっても不溶性であってもよい。
アッセイを実施する場合、インキュベーション媒体中に特定の「ブロッカー」を含有させるのが望ましい(通常、標識された可溶性抗体を添加する)。「ブロッカー」を添加して、実験サンプル中に存在する非特異的タンパク質、プロテアーゼ、または抗JM-27免疫グロブリンに対する抗異好性免疫グロブリンが、固相支持体上の抗体、もしくは放射標識された指標抗体を架橋するかまたは破壊して偽陽性または偽陰性の結果を生じることがないことを確実にする。従って、「ブロッカー」の選択は本発明に記載のアッセイの特異性に実質的に加えることができる。
前記アッセイにおいて用いられるものと同じクラスまたはサブクラス(アイソタイプ)のたくさんの非関連性(すなわち、非特異的)抗体(例えば、IgG1、IgG2a、IgMなど)を「ブロッカー」として用いることができることが見出された。「ブロッカー」は、適切な感度を維持し、さらに検体中で交叉反応性タンパク質(通常、1〜100μg/μl)を相互に生じることによる任意の望ましくない干渉を阻害するのに十分高いレベルで、用いる。
VI. 実施例
以下の非限定的な実施例は、本発明の特定の態様をさらに詳細に説明するものである。これらの実施例は本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
以下の非限定的な実施例は、本発明の特定の態様をさらに詳細に説明するものである。これらの実施例は本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1 -ペプチド合成および抗体産生
JM-27タンパク質に対する抗ペプチド抗体を、JM-27遺伝子の配列中にコードされた合成ペプチドに対して生成させた。ヒトJM-27のアミノ酸残基44〜60に当たる合成ペプチドCPGQEREGTPPIEERKVE(配列番号1)を用いて、ウサギにおいてポリクローナル抗体を調製した。このペプチドを用いて、JM-27タンパク質に対するさらなるモノクローナルおよびポリクローナル抗体を調製することもできる。
JM-27タンパク質に対する抗ペプチド抗体を、JM-27遺伝子の配列中にコードされた合成ペプチドに対して生成させた。ヒトJM-27のアミノ酸残基44〜60に当たる合成ペプチドCPGQEREGTPPIEERKVE(配列番号1)を用いて、ウサギにおいてポリクローナル抗体を調製した。このペプチドを用いて、JM-27タンパク質に対するさらなるモノクローナルおよびポリクローナル抗体を調製することもできる。
実施例2 -免疫組織化学分析
免疫組織化学試験を、種々の前立腺組織サンプルから得られた組織のホルマリン固定されたパラフィン包埋切片上で行った。免疫組織化学試験を、標準的なアビジン-ビオチン技術を用いて実施し、プロテアーゼ予備処理工程を含めた。第1群は20歳以下の年齢の個体からの正常な前立腺組織を含んでいた。第2群は20〜50歳の年齢の個体からの前立腺組織を含んでいた。第3群は症候性の良性前立腺過形成を有する個体からの前立腺組織からなっていた。第4群は50歳を超える年齢の個体からの前立腺組織からなっていた。正常な前立腺または無症候性BPHと比較して、JM-27は症候性BPHにおいてのみ過剰発現および上方調節されることが見出された。
免疫組織化学試験を、種々の前立腺組織サンプルから得られた組織のホルマリン固定されたパラフィン包埋切片上で行った。免疫組織化学試験を、標準的なアビジン-ビオチン技術を用いて実施し、プロテアーゼ予備処理工程を含めた。第1群は20歳以下の年齢の個体からの正常な前立腺組織を含んでいた。第2群は20〜50歳の年齢の個体からの前立腺組織を含んでいた。第3群は症候性の良性前立腺過形成を有する個体からの前立腺組織からなっていた。第4群は50歳を超える年齢の個体からの前立腺組織からなっていた。正常な前立腺または無症候性BPHと比較して、JM-27は症候性BPHにおいてのみ過剰発現および上方調節されることが見出された。
実施例3 -マイクロアレイ分析
570を超えるサンプルから行った、広範囲の正常なヒト組織をカバーするマイクロアレイ実験により、JM-27が前立腺(および特定の他の雌性生殖組織)においてのみ発現されることが示された。それゆえ、JM-27をBPHに対するマーカーとして、ならびにBPHのための治療標的として用いることができる。
570を超えるサンプルから行った、広範囲の正常なヒト組織をカバーするマイクロアレイ実験により、JM-27が前立腺(および特定の他の雌性生殖組織)においてのみ発現されることが示された。それゆえ、JM-27をBPHに対するマーカーとして、ならびにBPHのための治療標的として用いることができる。
異なる患者群に由来する前立腺特定サンプルを用いる他のマイクロアレイ試験により、新生物性前立腺を有する正常かつ無症候性BPH患者と比較した場合、症候性BPH患者において、JM-27が17倍も多く上方調節されることが示された。試験した前立腺サンプルは、(1)正常な前立腺組織を有する20歳以下の年齢の個体;(2)20〜50歳の年齢の個体;(3)症候性BPHを有する個体;および(4)50歳を超える年齢の個体であった。
実施例4 -血清に基づくELISAアッセイ
ELISAアッセイを開発して、BPHを有する個体の血清中のJM-27を検出した。好ましい形式は、血清タンパク質をマイクロタイタープレートに結合させる間接的免疫アッセイである。結合したJM-27タンパク質を抗JM-27抗体を用いて検出し、次いでそれを二次抗体を用いて検出した。ELISAアッセイは血清中のJM-27のレベルの差異を検出することができ、その差異はその後、BPHの型および重篤度と関連付けることができる。
ELISAアッセイを開発して、BPHを有する個体の血清中のJM-27を検出した。好ましい形式は、血清タンパク質をマイクロタイタープレートに結合させる間接的免疫アッセイである。結合したJM-27タンパク質を抗JM-27抗体を用いて検出し、次いでそれを二次抗体を用いて検出した。ELISAアッセイは血清中のJM-27のレベルの差異を検出することができ、その差異はその後、BPHの型および重篤度と関連付けることができる。
ELISAを実施するために、マイクロタイタープレートウェル1個あたり100μlの各標本を入れる。次いで、プレートを振とうさせながら室温にて一晩インキュベートする。次いで、Tween-20を含むTBS中の1%ミルク/BSAを用いてブロッキングを行った後、Tween-20を含むTBS中の2.5%ミルク/BSAを用いてインキュベーションを行う。次いで、プレートを3回洗浄し、ブロッキングバッファー(1%ミルクまたはBSA)を用いてブロックし、振とうさせながら30分間室温にてインキュベートする。JM-27抗体を、抗体希釈バッファー(2.5%ミルクまたはBSA)中に1:50の最終濃度まで希釈し、100μlのその溶液を各試験ウェルに添加する。JM-27抗体を、空白ウェルまたはIgG対照ウェルには添加しない。次いで、プレートを振とうさせながら室温にて2時間インキュベートする。次いで、プレートを再び3回洗浄する。次いで、抗体希釈バッファー中に1:5000で希釈した100μlの二次抗体(ヤギ抗マウス)を各ウェルに添加する。二次抗体を、振とうさせながら室温にて2時間インキュベートする。好適な容量のテトラメチルベンジイジン(TMB)基質を分注し、暗闇中で保持する。これを各ランにおける同じ時点で行って、TMBが使用前に同様の温度に到達することを確実にするべきである。次いで、プレートを3回洗浄した後、100μlの予め温めたTMBを各ウェルに添加する。次いで、プレートを設定した時点で630 nmで読み取る。
実施例5 -BPHに対する血清JM-27レベルの相関
患者の血清中のJM-27のレベルについてELISAアッセイを行って、BPHと血清JM-27レベルを関連付けた。BPHを有する50人の患者から得たサンプルを、前立腺癌または他の型の癌を有する患者から得たサンプルと共に試験した。大部分のサンプルは複数のプレート上で泳動し、良好な再現性が得られた。
患者の血清中のJM-27のレベルについてELISAアッセイを行って、BPHと血清JM-27レベルを関連付けた。BPHを有する50人の患者から得たサンプルを、前立腺癌または他の型の癌を有する患者から得たサンプルと共に試験した。大部分のサンプルは複数のプレート上で泳動し、良好な再現性が得られた。
その結果は、個体が前立腺癌を有するかどうかに拘らず、血清JM-27レベルにのみ基づく米国泌尿器科学会(AUA)症状スコアが高いおよび低い男性間で明確な区別を示した。カットオフを、サンプルの最初の泳動に基づいて確立し、残りのサンプルに適用した。アッセイは85%の感度および76%の特異性を示した。陽性の予測値は83%であり、陰性の予測値は79%であった。これらの結果は、血清JM-27レベルが、AUA症状スコアが高いBPH(症状が重い)を有する個体から、AUA症状スコアが低いBPH(症状が軽い)を有する個体を区別するのに有用であることを示している。驚くべきことに、より高いAUA症状スコアを有するBPH患者ほどより低い血清JM-27レベルを有し、一方より低いAUA症状スコアを有する患者ほどより高いJM-27レベルを有していた。血清JM-27レベルとBPH患者における症状の重篤度との相関を示す、図2および4を参照されたい。
実施例6 -JM-27 ELISAアッセイの感度
JM-27タンパク質の標準曲線を用いる試験を行って、ELISAアッセイが低いng/ml範囲でJM-27を検出することができることを証明した。このアッセイは、これらの試験において高い再現性を示す形で行われ、一貫性のあるアッセイ内およびアッセイ間の値を示した。図3は、4℃および-20℃で保存したモノクローナル抗体ストックを用いるELISAアッセイの感度を示す。
JM-27タンパク質の標準曲線を用いる試験を行って、ELISAアッセイが低いng/ml範囲でJM-27を検出することができることを証明した。このアッセイは、これらの試験において高い再現性を示す形で行われ、一貫性のあるアッセイ内およびアッセイ間の値を示した。図3は、4℃および-20℃で保存したモノクローナル抗体ストックを用いるELISAアッセイの感度を示す。
実施例7 -JM-27のアンドロゲン調節
去勢によるアンドロゲン枯渇の効果を、ラット前立腺におけるJM-27について試験した。その結果は、去勢された動物では、腹葉および背葉の両方でJM-27発現が有意に減少することを示している。去勢後のJM-27発現の喪失が実際にアンドロゲンの喪失に寄与した作用であったかどうかを検証するために、去勢されたラットを、去勢直後に、および各試験の期間を通じて、徐放性テストステロンペレット(15 mg)で処置した。予想された通り、去勢後のテストステロンの外因性投与により、これらの動物におけるJM-27発現を維持することができた。
去勢によるアンドロゲン枯渇の効果を、ラット前立腺におけるJM-27について試験した。その結果は、去勢された動物では、腹葉および背葉の両方でJM-27発現が有意に減少することを示している。去勢後のJM-27発現の喪失が実際にアンドロゲンの喪失に寄与した作用であったかどうかを検証するために、去勢されたラットを、去勢直後に、および各試験の期間を通じて、徐放性テストステロンペレット(15 mg)で処置した。予想された通り、去勢後のテストステロンの外因性投与により、これらの動物におけるJM-27発現を維持することができた。
Claims (20)
- (a)個体から血清サンプルを提供する工程、および(b)該血清サンプル中のJM-27のレベルを検出する工程を含む、JM-27を検出するためのアッセイ。
- 工程(b)の検出が抗JM-27抗体を用いるものである、請求項1に記載のアッセイ。
- 工程(b)の前記検出がELISA、免疫沈降またはウェスタンブロッティングを用いるものである、請求項2に記載のアッセイ。
- 工程(b)の検出が二次抗体を用いるものである、請求項2に記載のアッセイ。
- 工程(b)の検出が、(i)前記抗JM-27抗体を、前記血清で被覆された固相と接触させた状態に置くこと、(ii)未結合の抗JM-27抗体を除去すること;(iii)二次抗体を前記固相と接触させること、(iv)未結合の二次抗体を除去すること;(v)前記固相に結合した二次抗体のレベルを検出することを含み、ここで(v)の前記レベルは前記血清中のJM-27のレベルを示す、請求項4に記載のアッセイ。
- 前記二次抗体がレポーター分子により標識された抗体である、請求項5に記載のアッセイ。
- 前記レポーター分子が酵素である、請求項6に記載のアッセイ。
- 前記抗JM-27抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質またはタンパク質断片を認識し、これに結合する、請求項2に記載のアッセイ。
- (a)個体から血清サンプルを提供すること、(b)該血清サンプル中に存在するJM-27のレベルを検出すること、および(c)JM-27の検出されたレベルを、BPHの診断と関連付けることを含む、BPHを診断する方法。
- 工程(b)の検出が抗JM-27抗体を用いるものである、請求項9に記載の方法。
- 工程(b)の前記検出がELISA、免疫沈降またはウェスタンブロッティングを用いるものである、請求項10に記載の方法。
- 工程(b)の検出が二次抗体を用いるものである、請求項10に記載の方法。
- 工程(b)の検出が、(i)前記抗JM-27抗体を、前記血清で被覆された固相と接触させた状態に置くこと、(ii)未結合の抗JM-27抗体を除去すること;(iii)二次抗体を該固相と接触させること、(iv)未結合の二次抗体を除去すること、および(v)該固相に結合した二次抗体のレベルを検出することを含み、ここで(v)のレベルが該血清中のJM-27のレベルを示す、請求項12に記載の方法。
- 前記二次抗体がレポーター分子により標識された抗体である、請求項12に記載の方法。
- 前記レポーター分子が酵素である、請求項14に記載の方法。
- 前記抗JM-27抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質またはタンパク質断片を認識し、これに結合する、請求項10に記載の方法。
- (a)個体から血清サンプルを提供すること、(b)該血清サンプル中に存在するJM-27のレベルを検出すること、および(c)JM-27の検出されたレベルを、BPHの重篤度と関連付けることを含む、個体におけるBPHの重篤度を決定する方法。
- (a)個体から血清サンプルを提供すること、(b)該血清サンプル中に存在するJM-27のレベルを検出すること、および(c)JM-27の検出されたレベルを、同じ個体中のJM-27のより早期の血清レベルと比較することを含む、個体におけるBPH治療の有効性をモニターする方法。
- 前記治療が前記個体へのドキサゾシンの投与を含む、請求項18に記載の方法。
- 前記治療が前記個体へのフィナステリドの投与を含む、請求項18に記載の方法。
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