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JP2008500278A - フルオレンカルボン酸エステル及び可溶性tnf受容体融合タンパク質を基にした新規な医薬組成物 - Google Patents

フルオレンカルボン酸エステル及び可溶性tnf受容体融合タンパク質を基にした新規な医薬組成物 Download PDF

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JP2008500278A JP2006553547A JP2006553547A JP2008500278A JP 2008500278 A JP2008500278 A JP 2008500278A JP 2006553547 A JP2006553547 A JP 2006553547A JP 2006553547 A JP2006553547 A JP 2006553547A JP 2008500278 A JP2008500278 A JP 2008500278A
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ミッシェル ペレ
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ミハエル ペー ピーペル
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ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
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Abstract

本発明は、式1で表されるフルオレンカルボン酸エステルから誘導される抗コリン作用薬と、可溶性TNF受容体融合タンパク質とを基にした新規な医薬組成物、その製造方法ならびに呼吸器系疾患の治療のための該組成物の使用に関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、式1で表されるフルオレンカルボン酸エステルから誘導される抗コリン作用薬:
Figure 2008500278
と、可溶性TNF受容体融合タンパク質を基にした新規な医薬組成物、その製造方法ならびに呼吸器系疾患の治療のための該組成物の使用に関する。
(発明の説明)
本発明は、抗コリン作用薬と可溶性TNF受容体融合タンパク質を基にした新規な医薬組成物、その製造方法ならびに呼吸器系疾患の治療のための該組成物の使用に関する。
驚いたことに、1種以上、好ましくは1種の抗コリン作用薬を、1種以上、好ましくは1種の可溶性TNF受容体融合タンパク質と一緒に用いると、炎症性及び/又は閉塞性の気道疾患の治療において、予期しなかった有利な治療効果を見出すことができる。
この相乗効果を考慮すると、本発明の医薬組成物は、従来の単剤治療で使用したそれぞれの化合物の場合に比べて、少ない投与量で用いることができる。前述の効果は、2種の有効成分を単一有効成分処方にして同時に投与する場合、また、別々の処方にして順次投与する場合のどちらにもみることができる。本発明では、2種の有効成分を単一処方にして同時に投与する方が好ましい。
本発明の範囲において、抗コリン作用薬1という用語は式1の化合物を示す。











Figure 2008500278
(式中、
Aは、下記から選択される二重結合基を示し、
Figure 2008500278
-は、1個の負電荷を有するアニオンを示し、好ましくは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp−トルエンスルホネートからなる群から選択されるアニオン、より好ましくは塩化物、臭化物又はメタンスルホネートを示し、
15は、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、−CF3、CHF2又はフッ素を示し、
1'及びR2'は同一でも異なっていてもよく、C1−C5−アルキルを示し、C3−C6−シクロアルキル、ヒドロキシル又はハロゲンで置換されていてもよく、あるいは、R1'及びR2'は一緒になって−C3−C5−アルキレンブリッジを示し、
13、R14、R13'及びR14'は同一でも異なっていてもよく、水素、−C1−C4−アルキル、−C1−C4−アルキルオキシ、ヒドロキシル、−CF3、−CHF2、CN、NO2又はハロゲンを示す。)
式1の化合物は、例えばWO03/064419に開示されている。
本発明の組合せにおいて好ましい式1の化合物は、式中、
Aが、下記から選択される二重結合基を示し
Figure 2008500278
-が塩化物、臭化物及びメタンスルホネートから選択されるアニオン、好ましくは臭化物のアニオンを示し、
15がヒドロキシル、メチル又はフッ素を示し、好ましくはメチル又はヒドロキシルを示し、
1'及びR2'は同一でも異なっていてもよく、メチル又はエチル、好ましくはメチルを示し、
13、R14、R13'及びR14'は同一でも異なっていてもよく、水素、−CF3、−CHF2又はフッ素を示し、好ましくは水素又はフッ素を示す化合物である。
本発明の組合せにおいて特に好ましい式1の化合物は、式中、
Aが、下記から選択される二重結合基を示し
Figure 2008500278
-が臭化物を示し、
15がヒドロキシル又はメチルを示し、好ましくはメチルを示し、
1'及びR2'は同一でも異なっていてもよく、メチル又はエチル、好ましくはメチルを示し、
13、R14、R13'及びR14'は同一でも異なっていてもよく、水素又はフッ素を示す化合物である。
特に重要な医薬組成物は、式2の化合物を下記化合物1のいずれか1つと一緒に含む医薬組成物である。
− スコピン9-メチル-フルオレン-9-カルボン酸エステルメトブロマイド(1a)、
− トロペノール9-フルオロ-フルオレン-9-カルボン酸エステルメトブロマイド(1b)、
− スコピン9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボン酸エステルメトブロマイド(1c)、
− スコピン9-フルオロ-フルオレン-9-カルボン酸エステルメトブロマイド(1d)、
− トロペノール9-メチル-フルオレン-9-カルボン酸エステルメトブロマイド(1e)及び
− トロペノール9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボン酸エステルメトブロマイド(1f)。
本発明の医薬組成物は、式1の化合物がそれぞれの光学異性体、個々の鏡像異性体の混合物又はラセミ体の形で含有されていてもよい。
本発明の範囲において、化合物1’に言及する場合は塩1に含まれる薬理学的に有効なカチオンを指すものとみなす。
このようなカチオン1’は式1’により特徴づけられる。









Figure 2008500278
(式中、それぞれの基は、本願明細書前記で定義したとおりである。)
化合物1に言及する場合は常に成分1’も含むことは当然のことである。
本発明の範囲において、可溶性TNF受容体融合タンパク質(以後2と記載する)という用語は、TNFα受容体(免疫グロブリン分子のFc部分のような他のタンパク質画分と融合)から誘導された少なくとも1つのTNFα結合部位を含み、かつPEG付加(pegylation)によって変性可能な化合物を指す。レネルセプト(lenercept)及びエタネルセプト(etanercept)が本発明では非常に重要である。特に好ましい可溶性TNF受容体融合タンパク質2はエタネルセプトである。
本発明の1及び2の医薬組成物は吸入による投与が好ましい。好適なカプセルに充填した適当な吸入可能粉末(インハレット)を最適な粉末吸入器を用いて投与することができる。この医薬品は、1及び2を含む医薬組成物の好適な溶液を用いて吸入することもできる。
そこで、態様の1つとして、本発明は1及び2の組合せを含む医薬組成物に関する。別の態様においては、本発明は、塩1を1種以上と化合物2を1種以上含む医薬組成物に関するもので、溶媒和物又は水和物の状態であってもよい。また、有効成分を単一処方内に混合してもよいし、あるいは2つの別々の処方に含有してもよい。有効成分1及び2を単一処方に含む医薬組成物の方が本発明では好ましい。
さらに別の態様では、本発明は、治療上有効量の1及び2に加えて、製薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物に関するものである。もう1つの態様では、本発明は、治療上有効量の1及び2の他に製薬学的に許容される賦形剤を含まない医薬組成物に関する。
さらに、本発明は、炎症性及び/又は閉塞性気道疾患、とりわけ喘息又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療するための、治療上有効量の1及び2を含有する医薬組成物を調製するために1及び2を使用することに関する。この組合せが有効である他の疾病は、嚢胞性繊維症や特発性(iodiopathic)肺繊維症等の繊維症を伴う炎症性肺疾患、ならびに、鼻炎等の上気道の炎症性疾患である。
また、本発明は、炎症性及び/又は閉塞性気道疾患、とりわけ喘息又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療用の医薬組成物を調製するための1の使用に関するもので、治療上有効量の2も同様に使用することに特徴を有する。
さらに本発明は、炎症性及び/又は閉塞性気道疾患、とりわけ喘息又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ならびに、アレルギー性/非アレルギー性鼻炎、嚢胞性繊維症及び特発性肺繊維症等を治療するために、1及び2の前記医薬組成物組合せの治療上有効量を同時又は順次使用することに関する。
1及び2の有効成分組合せにおいて、成分1は鏡像異性体、鏡像異性体の混合物又はラセミ化合物の状態で存在していてもよく、成分2はグリコシル化したタンパク質として存在してもよく、その場合のグルコシル化の程度とタイプは様々であってよい。
本発明の有効成分組合せにおいて使用できる2種の有効成分1及び2の比率は様々である。有効成分1及び2は、溶媒和物又は水和物の形で存在してもよい。1及び2の化合物の選択によって、本発明の範囲内で用いることができる質量比は、異なる化合物の分子量の差やそれらの効力の違いを基に変わる。
基本的には、本発明の医薬組成物は、化合物1及び2を質量比で1:2000〜1:1の範囲、好ましくは1:1000〜1:2の範囲の割合で含むことができる。とりわけ好ましい医薬組成物においては、1’と2を1:250〜1:3、より好ましくは1:100〜1:5の割合で含む1と2の質量比が特に好ましい。本発明の範囲を限定するものではないが、例えば、本発明の1及び2の好ましい組合せには、1’及び抗TNF受容体融合タンパク質2が以下の質量比で含まれるとよい。1:200、1:100、1:90、1:85、1:80、1:75、1:70、1:65、1:60、1:55、1:50、1:49、1:48、1:47、1:46、1:45、1:44、1:43、1:42、1:41、1:40、1:39、1:38、1:37、1:36、1:35、1:34、1:33、1:32、1:31、1:30、1:29、1:28、1:27、1:26、1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5。
1と2の組合せを含む本発明の医薬組成物は、通常、1回の投与ごとに1及び2を併せて1〜10000μg、好ましくは10〜5000μg、より好ましくは100〜5000μg、さらに好ましくは1000〜2000μgの投与量になるようにして投与する。例えば、本発明による1と2との組合せには、1回の投与での投与量の合計が約200μg、205μg、210μg、215μg、220μg、225μg、230μg、235μg、240μg、245μg、250μg、255μg、260μg、265μg、270μg、275μg、280μg、285μg、290μg、295μg、300μg、305μg、310μg、315μg、320μg、325μg、330μg、335μg、340μg、345μg、350μg、355μg、360μg、365μg、370μg、375μg、380μg、385μg、390μg、395μg、400μg、405μg、410μg、415μg、420μg、425μg、430μg、435μg、440μg、445μg、450μg、455μg、460μg、465μg、470μg、475μg、480μg、485μg、490μg、495μg、500μg、505μg、510μg、515μg、520μg、525μg、530μg、535μg、540μg、545μg、550μg、555μg、560μg、565μg、570μg、575μg、580μg、585μg、590μg、595μg、600μg、605μg、610μg、615μg、620μg、625μg、630μg、635μg、640μg、645μg、650μg、655μg、660μg、665μg、670μg、675μg、680μg、685μg、690μg、695μg、700μg、705μg、710μg、715μg、720μg、725μg、730μg、735μg、740μg、745μg、750μg、755μg、760μg、765μg、770μg、775μg、780μg、785μg、790μg、795μg、800μg、805μg、810μg、815μg、820μg、825μg、830μg、835μg、840μg、845μg、850μg、855μg、860μg、865μg、870μg、875μg、880μg、885μg、890μg、895μg、900μg、905μg、910μg、915μg、920μg、925μg、930μg、935μg、940μg、945μg、950μg、955μg、960μg、965μg、970μg、975μg、980μg、985μg、990μg、995μg、1000μg、1005μg、1010μg、1015μg、1020μg、1025μg、1030μg、1035μg、1040μg、1045μg、1050μg、1055μg、1060μg、1065μg、1070μg、1075μg、1080μg、1085μg、1090μg、1095μg、1100μg、1105μg、1110μg、1115μg、1120μg、1125μg、1130μg、1135μg、1140μg、1145μg、1150μg、1155μg、1160μg、1165μg、1170μg、1175μg、1180μg、1185μg、1190μg、1195μg、1200μg、1250μg、1300μg、1350μg、1400μg、1450μg、1500μg、1550μg、1600μg、1650μg、1700μg、1750μg、1800μg、1850μg、1900μg、1950μg、2000μg、2050μg、2100μg、2150μg、2200μg等となるような量の1’と2が含有される。上記記載の1回の投与あたりの推奨投与量は実際に記載されている数値に限定するとみなすべきではなく、一例として開示した投与量を意味する。およそ±2.5μgの範囲内で上記数値を上下するような投与量も、一例として記載の数値に含まれるのは勿論のことである。このような投与量範囲において、有効成分1’及び2が前記記載の質量比で存在すればよい。
本発明の範囲を限定するものではないが、例えば、本発明による1と2との組合せにおいて、1’と可溶性TNF受容体融合タンパク質2とが、20μgの1’と50μgの2、20μgの1’と50μgの2、20μgの1’と100μgの2、20μgの1’と200μgの2、20μgの1’と300μgの2、20μgの1’と400μgの2、20μgの1’と500μgの2、20μgの1’と600μgの2、20μgの1’と700μgの2、20μgの1’と800μgの2、20μgの1’と900μgの2、20μgの1’と1000μgの2、20μgの1’と1500μgの2、20μgの1’と2000μgの2、40μgの1’と50μgの2、40μgの1’と100μgの2、40μgの1’と200μgの2、40μgの1’と300μgの2、40μgの1’と400μgの2、40μgの1’と500μgの2、40μgの1’と600μgの2、40μgの1’と700μgの2、40μgの1’と800μgの2、40μgの1’と900μgの2、40μgの1’と1000μgの2、40μgの1’と1500μgの2、40μgの1’と2000μgの2、60μgの1’と50μgの2、60μgの1’と100μgの2、60μgの1’と200μgの2、60μgの1’と300μgの2、60μgの1’と400μgの2、60μgの1’と500μgの2、60μgの1’と600μgの2、60μgの1’と700μgの2、60μgの1’と800μgの2、60μgの1’と900μgの2、60μgの1’と1000μgの2、60μgの1’と1500μgの2、60μgの1’と2000μgの2、100μgの1’と50μgの2、100μgの1’と100μgの2、100μgの1’と200μgの2、100μgの1’と300μgの2、100μgの1’と400μgの2、100μgの1’と500μgの2、100μgの1’と600μgの2、100μgの1’と700μgの2、100μgの1’と800μgの2、100μgの1’と900μgの2、100μgの1’と1000μgの2、100μgの1’と1500μgの2、100μgの1’と2000μgの2、150μgの1’と50μgの2、150μgの1’と100μgの2、150μgの1’と200μgの2、150μgの1’と300μgの2、150μgの1’と400μgの2、150μgの1’と500μgの2、150μgの1’と600μgの2、150μgの1’と700μgの2、150μgの1’と800μgの2、150μgの1’と900μgの2、150μgの1’と1000μgの2、150μgの1’と1500μgの2、150μgの1’と2000μgの2、200μgの1’と50μgの2、200μgの1’と100μgの2、200μgの1’と200μgの2、200μgの1’と300μgの2、200μgの1’と400μgの2、200μgの1’と500μgの2、200μgの1’と600μgの2、200μgの1’と700μgの2、200μgの1’と800μgの2、200μgの1’と900μgの2、200μgの1’と1000μgの2、200μgの1’と1500μgの2、200μgの1’と2000μgの2で、1回の投与ごとに投与されるような量で含まれているとよい。
当該分野の当業者であれば、本発明による処方中の有効カチオン1’の前記記載量から、選択したアニオン(例えば臭化物)の質量を考慮に入れて塩1の総量を計算することは容易である。
本発明の組合せに適した実施可能な投与量について記載した前述の例は、1回の投与における投与量を指すと解釈すべきである。しかしながら、これらの例によって、本発明の組合せを多数回投与する可能性がないと解釈すべきではない。医療上の必要性に応じて、患者は吸入による投与を多数回うけることができる。一例を挙げると、患者は治療日ごとに午前中2〜3回(例えば、粉末吸入器、MDI等で2〜3回吸入)本発明の組合せを摂取することができる。前記の投与量の例は1回の投与(即ち、1回の吸入)ごとの投与量の例として単に理解すべきであり、本発明の組合せを多数回投与する場合は、前述の例の投与量をかけあわせることになる。本発明の組成物は、例えば1日1回、あるいは抗コリン作用剤の作用時間によっては1日2回又は2〜3日ごとに1回の投与も可能である。
さらに強調しておくべきことは、前記の投与量の例は計量した投与量の例としてのみ解釈すべきであるということである。言い換えれば、前記投与量の例は、実際に肺に到達する本発明の組合せの有効投与量と理解すべきではない。通常、投与された有効成分の計量投与量よりも肺へ送達される量が少ないことは、この分野の当業者には明らかである。
本発明による1及び2の有効成分組合せは、吸入による投与が好ましい。そのためには、成分1及び2は吸入に適した形態で利用できなければならない。吸入用調剤としては吸入可能粉末及び吸入可能な溶液が挙げられる。有効成分1及び2の組合せを含有する本発明の吸入粉末は、有効成分のみから構成されていてもよいし、あるいは、有効成分と生理的に許容される賦形剤との混合物で構成されていてもよい。また、本発明の範囲において、吸入可能な溶液とは、濃縮物又は噴霧器に入れて直ぐに使用できる無菌吸入液が挙げられる。本発明によるこの調剤は、有効成分1及び2の組合せを、1つの処方中に一緒に含有させるか、又は2つの別個の処方に含有させるかのいずれでもよい。本発明の範囲において使用できるこれらの調剤については、明細書の次のパートでより詳細に説明する。
A)本発明による有効成分1及び2の組合せを含む吸入粉末:
本発明による吸入粉末は、1及び2のみを含むか、又は1及び2を生理的に許容される適当な賦形剤と混合させて含むかのいずれでもよい。
有効成分1及び2が生理的に許容される賦形剤との混合物として存在する場合、以下の生理的に許容される賦形剤を使用して本発明による吸入粉末を調製することができる。単糖類(例えば、グルコース又はアラビノース)、二糖類(例えば、ラクトース、サッカロース、マルトース、トレハロース)、オリゴ糖類及び多糖類(例えば、デキストラン)、多価アルコール類(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)あるいは、これら賦形剤相互の混合物。好ましくは、単糖類又は二糖類が使用され、ラクトース、トレハロース又はグルコースの使用が好ましく、限定はされないが、その水和物の形が特に好ましい。本発明の目的にとって、ラクトースが特に好ましい賦形剤であり、ラクトース一水和物が最も好ましい。
本発明による吸入粉末の範囲において、賦形剤の空気力学的質量中央径(mass mean aerodynamic diameter)は最大250μmまで、好ましくは10〜150μm、最も好ましくは15〜80μmの範囲である。上記の賦形剤に空気力学的質量中央径1〜9μmのより微細な賦形剤画分を添加することが適切と考えられる場合もあろう。より微細な賦形剤も、本願明細書中で前記に列挙した使用可能な賦形剤の群から選択される。
最終的には、本発明の吸入粉末を調製するために、好ましくは空気力学的質量中央径0.5〜10μm、さらに好ましくは1〜5μmの有効成分1及び2を、賦形剤混合物に添加する。本発明の吸入粉末の製造方法及び成分の最終的な混合方法については、従来技術より公知である。製造方法には噴霧乾燥又は粉砕及び微粉化が含まれるが、これらに限定されるものではない。吸入に適した適切な粒径範囲を有する粒子を製造する最中にタンパク質成分が変性しないようにする方法が特に好ましい。本発明の吸入粉末は、1及び2の両方を含む単一の粉体混合物、あるいは、1又は2のみを含有する別個の吸入粉末の形態のどちらかに調製して投与することができる。
本発明の吸入粉末は、従来技術から公知の吸入器を用いて投与することができる。1及び2に加えて生理的に許容される賦形剤を含む本発明の吸入粉末は、例えば、US4570630Aに記載されているような計量チャンバーを用いた供給源から一回分の投与量を放出する吸入器によって、あるいは、DE3625685Aに記載されているような他の手段によって投与することができる。好ましくは、1と2とに加えて生理的に許容される賦形剤を含む本発明の吸入粉末をカプセルに充填(所謂インハレット(inhalettes)形成)し、例えばWO94/28958に記載されているような吸入器で使用する。
図1に、本発明の医薬組成物をインハレットにして使用するための特に好ましい吸入器を示す。
カプセルから粉砕した医薬組成物を吸入するためのこの吸入器(「ハンディヘラー」)は、2個の窓2を含むハウジング1と、空気導入口を有し、スクリーンハウジング4を介して固定されたスクリーン5を備えたデッキ3と、デッキ3に連結し、2本の尖ったピン7を備えバネ8に対して可動型の押しボタン9を有する吸入チャンバー6と、スピンドル10を介してハウジング1、デッキ3及びカバー11と連結し、跳ね上げ式で開閉可能なマウスピース12と、カプセルチャンバー6を中心とした中央領域で、スクリーンハウジング4及びスクリーン5の下に位置する、直径1mm未満の3個の穴13とによって特徴づけられる。
空気は主にヒンジ近傍のデッキ3とベース1の間から吸入器に流入する。この領域ではデッキの幅の方が狭いので、空気が流入するスリットが形成される。さらに、空気は逆流し、導入管からカプセルチャンバー6に入り込む。この空気の流れはさらにフィルター及びフィルターホルダを通ってマウスピースに流れる。一部の少量の空気がマウスピースとデッキとの間に入り、フィルターホルダとデッキの間を通って本流へと合流する。製造上の公差があるため、フィルターホルダとデッキ間の実際のスリット幅により上記の空気の流れは幾分不確定である。ツール類が新品か再生品であるかによって、吸入器の流動抵抗値は目標値から少々ずれることもある。このずれを修正するために、デッキには、カプセルチャンバー6を中心とした中央領域で、かつスクリーンハウジング4及びスクリーン5の下に位置するところに、直径1mm未満の3個の穴13がある。これらの穴13を通って空気はベースから空気流の主流へと流れこみ、吸入器の流動抵抗をわずかに下げる。平均流動抵抗が目標値と一致するようにツール内に適切なインサートを設けることによって穴13の実際の直径を設定することができる。
前記の好ましい使用のために、本発明による吸入粉末をカプセル(吸入器)に充填する場合、各カプセルの吸入粉末の充填量は、1〜30mg、好ましくは3〜20mg、より好ましくは5〜10mgが推奨される。本発明によれば、前記1’及び2の1回の投与量を一緒又は別個のいずれかでカプセル内に収容する。
B)本発明の有効成分1及び2の組合せを含む、吸入性溶液又は懸濁液:
別の好適な実施形態として、本発明の有効成分の組合せを吸入性溶液及び懸濁液の状態で用いる。使用する溶媒/懸濁化剤は水性又はアルコール性がよく、好ましくはエタノール性である。溶媒/懸濁化剤としては、水を単独で用いるか又は水とエタノールとの混合物がよい。水に対するエタノールの相対的割合は限定されない(混合物中のタンパク質成分が不可逆的変性を引き起こさないようにするという必要条件以外は限定されない)が、その最大値は70容量%まで、より好ましくは60容量%まで、最も好ましくは30容量%までである。残りの容量は水で構成される。1及び2を別個又は一緒に含有する溶液又は懸濁液を、適当な酸でpH2〜7、好ましくは2〜5に調整する。pH値は無機酸又は有機酸から選択される酸を用いて調整すればよい。好適な無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸が挙げられる。特に好適な有機酸の例としては、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸及び/又はプロピオン酸等が挙げられる。推奨される無機酸は塩酸及び硫酸である。また、有効成分の一方とともに酸付加塩をすでに形成している酸を使用することも可能である。有機酸の中では、アスコルビン酸、フマル酸及びクエン酸が好ましい。所望であれば、上記の酸の混合物を用いることもでき、特に、酸性化特性に加えて、例えば香料、酸化防止剤又は錯化剤としての特性を有する酸、例えばクエン酸又はアスコルビン酸等の場合は、混合して用いるとよい。本発明によると、塩酸を用いてpH値を調整することが特に好ましい。
本発明では、エデト酸(EDTA)又はその公知の塩の1つであるエデト酸ナトリウムを安定剤又は錯化剤として添加することは、本発明の処方においては不要である。実施形態によっては、この化合物を1種以上含んでもよい。推奨実施形態は、エデト酸ナトリウムを基準とした含有量が、100mg/100ml未満、好ましくは50mg/100ml未満、さらに好ましくは20mg/100ml未満である。一般に、エデト酸ナトリウムの含有量が0〜10mg/100mlの範囲となる吸入液が好ましい。
本発明の吸入液には、補助溶剤及び/又は他の賦形剤を添加することができる。好ましい補助溶剤は、ヒドロキシル基又は他の極性基を含むもので、例えばアルコール類、特にイソプロピルアルコール、グリコール類、特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセロールと、ポリオキシエチレンアルコール類とポリオキシエチレン脂肪酸エステル類である。本明細書における賦形剤及び添加剤という用語は、それ自体は活性物質ではないが、活性物質を含む調剤の定性的特性を改善するために薬理学的に好適な溶媒中で1種またはそれより多くの活性物質と共に処方できる、薬理的に許容される任意の物質を意味する。これらの物質は薬理的作用を持たないことが好ましいが、所望の療法との関連において容易に認識できるような薬理作用は持たないか、少なくとも望ましくない薬理作用を有していないことが好ましい。賦形剤及び添加剤としては、例えば、大豆レシチン、オレイン酸、ポリソルベートなどのソルビタンエステル類、ポリビニルピロリドンなどの界面活性剤、他の安定剤、錯化剤、最終的な薬剤処方物の品質保持期間を保証又は延長する酸化防止剤及び/又は防腐剤、香味付与剤、ビタミン類及び/又は当分野で公知の他の添加剤が挙げられる。また、添加剤には、例えば塩化ナトリウムなどの薬理学的に許容される塩も等張剤として含まれる。
好ましい賦形剤としては、例えば、pHの調整に使用されていないことを前提としたアスコルビン酸、さらにはビタミンA、ビタミンE、トコフェロール及び人体内で産生する同様なビタミン類及びプロビタミン類等の酸化防止剤が挙げられる。
防腐剤を使用して病原体による汚染から調剤を保護することができる。適当な防腐剤は当該分野において公知のものであり、特に当該分野において既知の濃度の、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム又は安息香酸もしくは安息香酸ナトリウムなどの安息香酸塩である。上記防腐剤は、好ましくは50mg/100mlまで、より好ましくは5〜20mg/100mlの濃度で存在していることが好ましい。
好ましい調剤は、溶剤としての水及び有効成分1と2との組合せのほかに、塩化ベンザルコニウム及びエデト酸ナトリウムのみを含むものである。エデト酸ナトリウムを含有させない推奨実施形態もある。
本発明の吸入液は、特別に、治療投与量である少量の液体調剤を数秒間以内で霧状にして治療用吸入に適したエアロゾルを生成することができるタイプの吸入器を用いて投与される。本発明の範囲内において、100μL未満、好ましくは50μL未満、より好ましくは10〜30μLの量の有効成分溶液を、好ましくは1回のスプレー操作で霧状にすることができ、その結果、空気力学的質量中央径が20μm未満、好ましくは10μm未満のエアロゾルを生成させ、エアロゾルの吸入されうる部分が治療上の有効量に相当するように生成させることのできる吸入器が好ましい吸入器である。
吸入用液状医薬組成物の定量を放出するタイプの装置については、例えば国際特許出願WO91/14468及びWO97/12687(特に図6a及び図6b参照)に記載されている。これらに記載されているネブライザー(装置)は、「Respimat(登録商標)」という名称で知られている。
このネブライザー(「Respimat(登録商標)」)を効果的に利用して、有効成分1及び2の組合せを含む本発明の吸入エアロゾルを生成することができる。この装置の形状は円筒形で、長さ9〜15cm及び幅2〜4cmそこそこの取扱い易いサイズであるために、患者は常に携行することができる。このネブライザーは、高圧を利用して小さなノズルから所定量の医薬処方物を噴霧して、吸入エアロゾルを生成するものである。
好ましい噴霧器は、上部ハウジング部と、ポンプハウジングと、ノズルと、ロック機構と、バネハウジングと、バネと、貯蔵容器から実質的になり、
− 上部ハウジング部内に固定され、その一端にはノズル又はノズル装置を備えたノズル本体を含むポンプハウジング、
− バルブ本体を備えた中空プランジャー、
− 中空プランジャーが中に固定され、上部ハウジング部に配置された動力取り出しフランジ、
− 上部ハウジング部に位置するロック機構、
− 内部にバネを収容し、回転軸受けによって上部ハウジング部に回動可能に取り付けられているバネハウジング、
− バネハウジング上に軸方向に取り付けられている下部ハウジング部、によって特徴づけられる。
バルブ本体を備えた中空プランジャーは、WO97/12687に開示の装置に対応する。中空プランジャーは、ポンプハウジングのシリンダ内に一部が突き出ており、シリンダ内で軸方向に移動可能である。特に図1乃至図4、とりわけ図3、及びそれに関連する説明部分に記載されている。バネが作動した瞬間に、バルブ本体を備えた中空プランジャーは、その高圧末端において、流体、即ち計量した有効成分溶液に対して5〜60Mpa(約50〜600bar)、好ましくは10〜60Mpa(約100〜600bar)の圧力を及ぼす。1回のスプレーによる量は、好ましくは10〜50μL、特に好ましくは10〜20μLで、最も好ましくは15μLである。
バルブ本体は、好ましくは、バルブ本体に面した中空プランジャーの端部に取り付けられる。
ノズル本体内のノズルは微細構造を有することが好ましく、即ち、マイクロテクノロジーによって作製されたものであることが好ましい。微細構造を有するノズル本体については、例えばWO94/07607に開示されており、この明細書の内容、特に図1及びその関連説明の内容を本願明細書に引用する。
ノズル本体は、例えば、強固に結合した2枚のガラス及び/又はシリコンシートからなり、2枚のうちの少なくとも1枚には、1本以上の微細構造により作製された溝があり、この溝によってノズル入口端部とノズル出口端部はつながっている。ノズル出口端部には、深さ2〜10μmで幅5〜15μm、好ましくは深さが4.5〜6.5μmで、長さが7〜9μmの少なくとも1個の円形又は非円形開口部がある。
ノズル開口部が複数個、好ましくは2個ある場合、ノズル本体内におけるノズルのスプレー方向は互いに平行に延びてもよいし、あるいはノズル開口方向に互いに対して傾斜させることも可能である。出口端部に少なくとも2つのノズル開口部を有するノズル本体において、スプレー方向は、互いに対して20〜160度、好ましくは60〜150度、最も好ましくは80〜100度の角度がよい。ノズル開口部同士は、好ましくは10〜200μm、より好ましくは10〜100μm、最も好ましくは30〜70μmの間隔をおいて配置される。50μmの間隔が最も好ましい。したがって、スプレー方向はノズル開口部近傍でぶつかることになる。
液状医薬調剤は、600barまでの導入圧力、好ましくは200〜300barの導入圧力でノズル本体に突き当たり、ノズル開口部を通って霧化され吸入エアロゾル状態になる。エアロゾルの好ましい粒径または液滴の径は20μmまで、好ましくは3〜10μmである。
ロック機構は、力学的エネルギーを保存するためのバネ、好ましくは円筒状の圧縮コイルバネを有する。このバネは作動部材としての動力取出しフランジに作用するが、フランジの移動はロック部材の位置によって決まる。この動力取出しフランジの移動は、上部および下部の止め(stop)によって正確に定められている。上部ハウジング部が下部ハウジング部内のバネハウジングと反対に回転する際に発生する外部トルクによって、動力増速機、例えば螺旋状スラストギアを介してバネを偏向することが好ましい。この場合、上部ハウジング部及び動力取出しフランジは、単一又は多数のV字型ギアを有する。
噛合するロック面を有するロック部材は、動力取出しフランジの回りにリング状に配置されている。ロック部材は、例えば、本質的に径方向に弾性変形するプラスチックまたは金属製リングからなる。このリングは、噴霧器の軸に対して直角をなす面に配置される。バネの偏向により、ロック部材のロック表面は動力取出しフランジの通路内に移動し、バネが緩まないようにする。ロック部材はボタンによって作動する。この作動ボタンはロック部材に接続又は連結している。ロック機構を作動させるには、作動ボタンをリング状平面に水平に動かし、好ましくは噴霧器内に移動させる。これによって変形性リングはリング状平面方向に変形する。ロック機構の構成に関する詳細は、WO97/20590に記載されている。
バネハウジングの上から下部ハウジング部は軸方向にはめこまれ、マウント(mounting)、スピンドルの駆動装置及び流体用貯蔵容器を収容する。
噴霧器を作動させると、上部ハウジング部は下部ハウジング部に対して相対的に回転し、下部ハウジング部はバネハウジングを一緒に回転させる。結果として、バネは螺旋状スラストギアによって圧縮、偏向され、ロック機構が自動的に嵌合する。回転角は360度分の整数度、例えば180度が好ましい。バネが偏向されると同時に、上部ハウジング部における動力取出し部が所定の距離だけ移動し、中空プランジャーがポンプハウジング内のシリンダ内部に引き戻され、その結果として、流体の一部が貯蔵容器から吸い出され、ノズル前方の高圧チャンバーに送りこまれる。
所望であれば、噴霧用の流体を収容する多数の交換可能な貯蔵容器を順番に噴霧器に押し込み、連続的に使用することもできる。貯蔵容器には、本発明による水性エアロゾル調剤が収容される。
噴霧工程は、作動ボタンを軽く押すことにより開始される。この結果、ロック機構により動力取出し部材用の通路が開かれる。偏向したバネによって、ポンプハウジングのシリンダ内にプランジャーが押し込まれる。流体が霧状になって噴霧器のノズルから放出される。
構造についての更なる詳細については、PCT出願WO97/12683及びWO97/20590に開示されており、これらを本願明細書に引用する。
噴霧器(ネブライザー)の構成部品は、その目的に適した材料で作られる。噴霧器のハウジング、さらには操作上許されるならば他の部品も同様に、例えば射出成型によって好ましくはプラスチックで作製される。医療目的から生理学的に安全な材料を用いる。
WO97/12687の図6a/図6bは、本発明による水性エアロゾル調剤の吸入に有利に使用できるネブライザー(「Respimat(登録商標)」)を示す。
WO97/12687の図6aは、バネが偏向した状態の噴霧器全体の長手方向断面図であり、一方、図6bは、バネが緩んだ状態の噴霧器全体の長手方向断面図である。
上部ハウジング部(51)はポンプハウジング(52)を収容し、その端部には噴霧器ノズル用のホルダ(53)が取付けられている。ホルダにはノズル本体(54)及びフィルタ(55)がある。ロック機構の動力取出しフランジ(56)内に固定された中空プランジャー(57)は、ポンプハウジングのシリンダ内にその一部が突き出している。中空プランジャーは、その端部においてバルブ本体(58)を担持する。中空プランジャーは、封止手段(59)によって封止される。上部ハウジング部内には止め(60)があり、バネが緩んでいる状態の時には動力取出しフランジが止めに突き合わさる。動力取出しフランジ上には止め(61)があり、バネが偏向すると動力取出しフランジがこの止めに突き合わさる。バネの偏向後、ロック部材(62)は、上部ハウジング部内の止め(61)と支持体(63)との間を移動する。作動ボタン(64)がロック部材に連結している。上部ハウジング部は、マウスピース(65)で終端しており、またその上に配置できる保護カバー(66)によって封止される。
圧縮バネ(68)を備えたバネハウジング(67)は、カチッとはまる爪(69)及び回転軸受けによって上部ハウジング部に回動自在に取付けられている。下部ハウジング部(70)はバネハウジングの上からかぶせられている。バネハウジング内部には、噴霧する流体(72)用の交換可能な貯蔵容器(71)がある。貯蔵容器はストッパー(73)により封止され、ストッパーを介して中空プランジャーは貯蔵容器内に突き出し、かつその端部が流体中に浸漬される(有効成分溶液の供給)。
機械的カウンタ用のスピンドル(74)は、バネハウジングのカバー内に取付けられている。上部ハウジング部に面したスピンドルの端部には、駆動ピニオン(75)がある。スライダ(76)がスピンドル上に配置されている。
上記ネブライザーは、本発明のエアロゾル調剤を噴霧するのに好適で、吸入に適したエアロゾルを生成する。
本発明の処方物を上記方法(「Respimat(登録商標)」)を用いて噴霧する場合、吸入器の全操作(スプレー作動)の少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%の達成状態で、放出される量が、25%以下、好ましくは20%以下の許容差を含んだ規定量に相当するとよい。好ましくは1回ごとのスプレー動作で、5〜30mg、最も好ましくは5〜20mgの処方物が規定量として放出されることが好ましい。
本発明の処方物は、上記以外の吸入器、例えば、ジェット流吸入器等によって噴霧することができる。
従って、更なる本発明の態様は、上記のような吸入溶液又は懸濁液状態の医薬組成物の投与に適した装置、好ましくは「Respimat(登録商標)」と組み合わせた、吸入溶液又は懸濁液状態の医薬組成物に関する。好ましくは、「Respimat(登録商標)」という名称で公知の装置と組み合わせた、本発明による有効成分1及び2の組合せを特徴とする吸入溶液又は懸濁液に関する。さらに、本発明は、本願明細書で前述したような本発明の吸入溶液又は懸濁液を収容することを特徴とする、前記吸入用装置、好ましくは「Respimat(登録商標)」に関するものである。
本発明による吸入溶液又は懸濁液は、濃縮物又は直ぐに使用できる無菌吸入溶液もしくは懸濁液、ならびに「Respimat(登録商標)」用に設計された上記溶液及び懸濁液の状態とすることができる。
濃縮物の場合、例えば等張性の生理食塩水を添加することによって直ぐに使用可能な処方物を作成できる。直ぐに使用できる無菌処方物は、ベンチュリの原理又は他の原理によって超音波又は圧縮空気を用いて吸入性エアロゾルを生成するエネルギー駆動型の固定式又は持運び可能なネブライザーを使用して投与することができる。
従って、本発明の別の態様は、濃縮物又は直ぐに使用可能な無菌処方物の形態をとる、前述のような吸入溶液又は懸濁液状態の医薬組成物に関するもので、これらの溶液の投与に適した装置、即ち、ベンチュリの原理または他の方法によって超音波又は圧縮空気を用いて吸入性エアロゾルを生成する、エネルギー駆動式の自立型又は持運び可能なネブライザーであることを特徴とする装置と組み合わせた医薬組成物に関する。
以下の実施例は本発明をより詳細に一例を挙げて説明することを意図するもので、本発明の範囲を以下の実施形態に限定するものではない。
処方例
A)吸入粉末
1)
Figure 2008500278
2)
Figure 2008500278
3)
Figure 2008500278
4)
Figure 2008500278
5)
Figure 2008500278
6)
Figure 2008500278
7)
Figure 2008500278
8)
Figure 2008500278
9)
Figure 2008500278

10)
Figure 2008500278
11)
Figure 2008500278
12)
Figure 2008500278
本発明の医薬組成物をインハレットにして使用するための特に好ましい吸入器を示す。

Claims (17)

  1. 式1の抗コリン薬を1種以上:
    Figure 2008500278
    (式中、
    Aは、下記から選択される二重結合基を示し、
    Figure 2008500278
    -は、1個の負電荷を有するアニオンを示し、好ましくは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp−トルエンスルホネートからなる群から選択されるアニオン、より好ましくは塩化物、臭化物又はメタンスルホネートを示し、
    15は、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、−CF3、CHF2又はフッ素を示し、
    1'及びR2'は同一でも異なっていてもよく、C1−C5−アルキルを示し、C3−C6−シクロアルキル、ヒドロキシル又はハロゲンで置換されていてもよく、あるいは、R1'及びR2'は一緒になって−C3−C5−アルキレンブリッジを示し、
    13、R14、R13'及びR14'は同一でも異なっていてもよく、水素、−C1−C4−アルキル、−C1−C4−アルキルオキシ、ヒドロキシル、−CF3、−CHF2、CN、NO2又はハロゲンを示す。)
    と、1種以上の可溶性TNF受容体融合タンパク質2とを一緒に含有することを特徴とする医薬組成物であって、個々の光学異性体、それらの混合物又はラセミ化合物の状態であってもよく、また、薬理学的に許容される酸付加塩の状態であってもよく、また、溶媒和物又は水和物の形でもよく、また、製薬的に許容される賦形剤と一緒であってもよい医薬組成物。
  2. 前記タンパク質2が、エタネルセプト又はレネルセプトである請求項1記載の医薬組成物。
  3. 前記タンパク質2がエタネルセプトである請求項2記載の医薬組成物。
  4. 前記有効成分1及びタンパク質2が単一調剤中に一緒に存在するか、又は、2種の別々の調剤に含有されるかのいずれかである、請求項1〜3のいずれか1項記載の医薬組成物。
  5. 前記有効成分1のタンパク質2に対する質量比が1:2000〜1:1の範囲、好ましくは1:1000〜1:2の範囲である、請求項1〜4のいずれか1項記載の医薬組成物。
  6. 1回の投与量が、前記有効成分1及びタンパク質2を併せて1〜10000μg、好ましくは10〜5000μgに相当する、請求項1〜5のいずれか1項記載の医薬組成物。
  7. 前記医薬組成物が吸入に適した調剤形態であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の医薬組成物。
  8. 前記医薬組成物が、吸入粉末及び吸入溶液又は懸濁液から選択される調剤である、請求項7項記載の医薬組成物。
  9. 前記医薬組成物が、単糖類、二糖類、オリゴ糖類及び多糖類、多価アルコール類、塩類、またはこれらの賦形剤相互の混合物から選択される生理的に許容される好適な賦形剤と共に1及び2を含有する吸入粉末であることを特徴とする、請求項8記載の医薬組成物。
  10. 前記賦形剤の空気力学的質量中央径が最大250μmまで、好ましくは10〜150μmである、請求項9記載の吸入粉末。
  11. 請求項9又は10記載の吸入粉末を含有することを特徴とするカプセル。
  12. 前記有効物質1及びタンパク質2のみを成分として含有する吸入粉末であることを特徴とする、請求項8記載の医薬組成物。
  13. 水、エタノール又は水とエタノールとの混合物を溶媒として含有する、吸入溶液又は懸濁液であることを特徴とする、請求項8記載の医薬組成物。
  14. pH値が2〜7、好ましくは2〜5であることを特徴とする請求項13記載の吸入溶液又は懸濁液。
  15. 吸入器、好ましくはハンディヘラーでの請求項11記載のカプセルの使用。
  16. 好適な吸入器で噴霧するための、請求項13又は14記載の吸入液の使用。
  17. 炎症性又は閉塞性気道疾患の治療用医薬品を製造するための請求項1〜14のいずれか1項記載の組成物の使用。
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