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JP2008543386A - 治療用低周波パルス磁場およびそのための装置 - Google Patents

治療用低周波パルス磁場およびそのための装置 Download PDF

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JP2008543386A
JP2008543386A JP2008516092A JP2008516092A JP2008543386A JP 2008543386 A JP2008543386 A JP 2008543386A JP 2008516092 A JP2008516092 A JP 2008516092A JP 2008516092 A JP2008516092 A JP 2008516092A JP 2008543386 A JP2008543386 A JP 2008543386A
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    • A61N2/004Magnetotherapy specially adapted for a specific therapy
    • A61N2/006Magnetotherapy specially adapted for a specific therapy for magnetic stimulation of nerve tissue

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Abstract

本発明は、動物またはヒトの生理状態及び/又は神経状態に影響を及ぼすように低周波磁場パルス(Cnp)を送波するための装置である。詳細には、これら別個のCnpは、抗鬱効果、鎮痛効果または抗不安効果を有するように設計されている。これらのCnpを一連の組み合わせにおいて適用することもできる。

Description

関連出願との相互参照
本出願は、2005年6月15日に出願された米国仮特許出願第60/690,683号および2006年4月13日に出願された同第60/791,426号に由来する優先権を主張するものである。
発明の分野
本発明は、ヒトおよび動物の様々な生理状態および神経状態を修正する際の低周波磁場の使用およびそのための装置に関する。
発明の背景
広範な研究から、動物の行動機能、細胞機能および生理学的機能が磁気刺激による影響を受け得ることを示している。弱磁場は、細胞のイオン流出の改変から動物の順応および学習の修正にわたる様々な生物学的効果、ならびにヒトにおける治療作用を及ぼす。数多くの磁場曝露は、ヒトを含めた様々な種における外因性アヘン剤(例えば、モルヒネ)および内因性オピオイドペプチド(例えば、エンドルフィン)媒介性の痛覚脱失を低減させることが示されている(カバリエルズ(Kavaliers)ら、バイオロジカルブリテン(Biol Bull)、180:301〜309、1991;プラト(Prato)ら、Mag Res Imag、5:9〜14、1987;ベタンカー(Betancur)ら、Neurosci Lett、182:147〜150、1994;カバリエルズら、「電磁場と生物系との相互作用の性質について(On the nature of electromagnetic field interactions with biological systems)」、Austin:RG Landis社、p181〜190、1994;デル・セッピア(Del Seppia)ら、バイオエレクトロマグネッティクス(Bioelectromagnetics)、16:290〜294、1995;およびパピ(Papi)ら、バイオエレクトロマグネッティクス(Bioelectromagnetics)、16:295〜300、1995)。更に、極低周波(ELF)磁場曝露は、オピオイド機能における改変と整合性を有する方法で、ハトの帰巣行動(パピら、J Exp Biol、160:169〜179、1992)および齧歯動物における空間学習(カバリエルズら、J Comp Physiol A、173:241〜248、1993;およびカバリエルズら、J Comp Physiol A、179:715〜724、1996)を修正することが報告されている。
どのような理論にも肩入れするものではないが、低周波磁場療法の背後に潜むメカニズムに関して、幾つかの提唱が為されている。例えば、低周波磁場曝露は、電流の誘導を通じてそれらの効果を及ぼすものと提唱されている(ポーク(Polk)、サイエンス(Science)、Wash、247:459〜462、1992;およびウィーバー(Weaver)ら、Science、Wash、247:459〜462、1990)。また、弱磁場は、組織中のマグネタイト粒子により検出され、この検出に基づき、生理学的効果を有するということが提唱されている(キルシュビンク(Kirschvink)ら、「生物体におけるマグネタイトバイオミネラル化および磁気受容:新たな生体磁気(Magnetite biomineralization and magnetoreception in organisms:a new biomagnetism)」、New York:Plenum Press、p243〜256、1985)。しかし、このマグネタイトをベースとしたメカニズムは広範には支持されていない(プラトら、Bioelectromagnetics、17:123〜130、1996)。
生理障害、神経障害または行動障害の治療する際の低周波パルス磁場の使用が米国特許第6,234,953号に記載されており、この米国特許は参照により本明細書に組み入れられる。また、上記米国特許は、低周波パルス磁場が鎮痛効果を有する波形を含み得ることも開示している。
極低周波磁場は組織内で僅かにしか減衰しないため、そのような極低周波磁場をその場で検出することができ、且つ、その検出を生理学的なプロセスと結び付けることができれば、極低周波磁場を用いて内因性のプロセスを改変することができる。現在、磁場は、時間変動性の変調信号として設計され、その変調信号を使用して、特異的標的となる生理学的なプロセス及び/又は神経学的なプロセスを改変することができ、このようにして、様々な神経状態および生理状態、ならびに行動障害を治療/修正することができることが示されている。従って、低周波パルス磁場は、鬱病および不安神経症を含め、様々な生理障害、神経障害および行動障害の治療に有効であることが期待される。
鬱病は、米国において17000000人の人々および世界中で更に数百万人の人々の生命に影響を及ぼす状態である。鬱病は、睡眠不足、疲労、食欲喪失、機能不能および自殺念慮を含め、人々に様々な症状を引き起こす重大な疾患である。また、鬱病は、すべての社会において有意な罹患率および死亡率の原因でもある。鬱病は、現在、様々な薬理学的物質で治療されており、そのうち、もっとも広範に使用されている物質は選択的セロトニン取り込み阻害薬(SSRI)である。これらの薬理学的物質は、ある程度効果的ではあるが、不眠症、食欲障害および性的機能不全を含め、副作用を伴わないものではない。
不安神経症は、米国において19000000人の人々および世界中で更に数百万人の人々の生命に影響を及ぼす状態である。不安神経症は、疲労、不眠症および強迫傾向を含め、人々に様々な症状を引き起こす重大な疾患である。また、不安神経症は、すべての社会において有意な罹患率の原因でもある。不安神経症は、現在、様々な薬理学的物質で治療されており、そのうち、もっとも広範に使用されている物質はSSRIおよびベンゾジアゼピン類である。これらの薬理学的物質は、ある程度効果的ではあるが、眠気および依存症になる可能性を含め、副作用を伴わないものではない。
特定の状態または病状は相互に関わり合っていることが広く知られている。例えば、いくつかの研究が、慢性疼痛と鬱病との間に相互関係があることを示している。慢性片頭痛を有する患者は高率(最大80%)の鬱病の事例を示し、更に、線維筋痛または疲労も有している患者は重度の鬱病を有する傾向が高い(それぞれ、30.5%および29.5%)(メルカンテ(Mercante)ら、Arq Neuropsiquiatr、63:217〜220、2005)。ミーゼ(Mease)(J Rheumatology、32(S75):6〜21)は、線維筋痛が高率の鬱病の事例(22%)と関連していることを見出し、患者に、しばしば、治療の一部として抗鬱剤が処方されたことを記載している。また、鬱病と疼痛との間の同様な相互関係は、自己報告による不安神経症/鬱病を有する患者のうちの59.2%で、糖尿病性末梢性ニューロパシーを有する患者においても見出された(ゴア(Gore)ら、J Pain Symptom Management、30:374〜385)。従って、鬱病の治療は慢性疼痛に対する治療の1つの構成要素を形成することが示唆されている。
慢性疼痛は、鬱病だけではなく、不安神経症とも関わり合っていることが知られている。慢性疼痛を患っている患者のうちの35.1%は不安障害も患っていることが見出された。これは、全体的な人口における18.1%の不安神経症発生率と同等である(L.A.マックウィリアムス(L.A.McWilliams)ら、Pain 106(2003)127〜133)。不安神経症は、極普通に鬱病と関わり合っており、鬱病患者のう
ちの約85%は不安神経症の症状を経験しており、一方、不安障害を有する患者のうちの90%において鬱病が生じていることが見出された(ゴーマン(Gorman)、JM、Depress Anxiety、1996〜97、4(4)、160〜8)。摂食障害も鬱病および不安神経症と関わり合っていることが知られている。疼痛、鬱病および不安神経症の共存症に基づき、これらの状態または病状を同時に治療することが理にかなっている。
以下で記述される本発明は、様々な生理障害、神経障害および行動学害を治療するための代替的な治療法であって、薬理学的化合物または物質の摂取を何ら必要としない治療法、ならびにその治療法を施すための装置を提供する。従って、本発明を使用することにより、薬理学的な治療法の重大な副作用と関わり合うことなく、これらの障害の症状を(全体的または部分的に)軽減することができる。
発明の概要
本発明は、動物またはヒトの生理状態及び/又は神経状態に影響を及ぼすように、低周波磁場パルス(Cnp)を送波するための装置である。
本発明の1つの態様は、トランスデューサおよびコントローラを備える電気療法装置であって、コントローラがトランスデューサに特異的な低周波磁場パルス(Cnp)を発生させ、Cnpが複数の間欠波形を含み、波形間に潜伏期を有する。
上述される装置の幾つかの実施形態においては、波形は、最初に、被検者の標的組織における内因性の電気的活動を模倣するように設計される。
上述される装置の幾つかの実施形態においては、Cnpは抗鬱効果または抗不安効果を有するように設計される。
上述される装置の別の実施形態においては、出力は、Cnpパルストレインを形成するように不応期により分離された少なくとも2つのCnpを包含し、その不応期は可変である。
好ましくは、Cnp間の不応期は、所定の方法で時間とともに変動する。
上述の装置の別の実施形態においては、コントローラは、トランスデューサに少なくとも2つの異なる複数個のCnpを連続的に発生させることができる。
上述の装置の別の実施形態においては、トランスデューサはワイヤコイルである。
好ましくは、ワイヤコイルは楕円形状を有している。
本発明の1つの更なる態様は、被検者に特異的低周波磁場パルス(Cnp)を適用するステップを含む、生理障害、神経障害および行動障害の群から選択される障害を治療する方法であって、上記Cnpは複数の間欠波形を含む治療方法である。
上記方法の別の実施形態においては、波形は、波形間に少なくとも1つの潜伏期を有している。
上記方法の別の実施形態においては、少なくとも2つの異なる複数個のCnpが被検者に連続的に適用される。
本発明の別の態様は、鬱病、不安神経症、慢性疼痛を含む群から選択される少なくとも1つの障害を治療するための上述の装置の使用である。
上述の使用の別の実施形態においては、装置は少なくとも2つの異なる複数個のCnpを連続的に発生させることができる。
本発明の別の態様は、複数の間欠波形を含み、波形間に潜伏期を有する、低周波磁場パルス(Cnp)であり、それらの波形は、最初に、被検者の標的組織における内因性の電気的活動を模倣するように設計されている。
本発明の別の態様は、最適な深部組織への浸透が達成されるように配向されたトランスデューサを備える電気療法装置である。
別の実施形態においては、電気療法装置は、表面組織で磁場を損ねることなく深部組織の磁場がゼロ化されるように配向されたトランスデューサを備える。
本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになる。しかし、当業者にとっては、この詳細な説明から本発明の精神および範囲内における様々な変更および修飾が明らかであるため、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好適な実施形態を示してはいるが、単なる例証のためにのみ与えられていることを理解すべきである。
次に、本発明の特定の実施形態を添付図面に関して説明する。
好適な実施形態の詳細な説明
上記のように、本発明は、動物およびヒトの生理状態、神経状態および行動状態に特意的な効果を有する、計画的および特徴的な低周波磁場パルス(Cnp)、ならびにそのための装置を提供する。これらの特異的な低周波磁場パルスは、複合的な神経電磁気学的用途で使用するように設計されており、特に哺乳動物、より具体的にはヒトにおける様々な生理障害、神経障害および行動障害を治療及び/又は改善するための治療方針の展開を可能にする。
磁場は、ヒト、齧歯動物およびカタツムリにおいて様々な生物学的効果を有することが実証されている。そのような磁場を検出することができ、この検出を特定の生理学的なプロセスと広く結び付けることができる。低周波磁場パルスは、具体的に、特異的標的となる生理学的なプロセスを改変するように設計し、このようにして、高価であり、且つ、特定の薬剤の副作用に関する様々な問題をもたらす薬理学的介入を必要とせず、特定の状態を治療および軽減するための治療方法を提供し得ることが実証されている。
本発明の1つの広い態様によれば、本装置の実施形態は神経変調療法(NMT)装置である。NMTは、特異的な低周波磁場パルス(Cnp)を送波するために使用されるシステムを表す。本装置はトランスデューサおよびコントローラを含み、コントローラはトランスデューサに、一連の波形を含む、特異的なCnpを発生させることができる。
図1は、構成要素を説明するNMT装置の1つの実施形態における概念的な表現を示している。図1で説明されている実施形態においては、NMT装置は3つの構成要素:ヘッドセット1、ハンドヘルド装置2およびファームウェア(図示せず)から構成されている。
ヘッドセット1は、電気信号を特異的な電磁信号(即ち、Cnp)に変換するためのトランスデューサ3として作用し、ユーザ10により装着されるワイヤのコイルから構成されている。
ハンドヘルド装置2は、ヘッドセットへ具体的に設計された電気信号を保存および送波するための電子機器から構成されている。ハンドヘルド装置2は、好ましくは、NMTの運転状態を示すための表示部4およびユーザ制御用のボタン5を有している。
ヘッドセット1のコイルは、頭部に適切に配列するためのハーネス内に配置されている。また、コイルは、頭部に装着したホルスタ、例えばヘッドバンドまたは帽子などに埋め込むこともできる。代替的に、ワイヤコイルは、眼鏡のサイドアームまたは耳たぶ装着用のクリップに取り付けられるハーネス内に組み立てられてもよい。これにより、デザインを見て美しくし、ワイヤコイルを目立たなくする。本装置はワイヤコイルに関して説明されているが、当業者であれば、本発明のCnpを発生させることができるあらゆる同様な構造、例えば別のタイプのトランスデューサまたは磁場発生装置などを使用し得ることが理解される。
ワイヤコイルは、自己担持型のコアレス式構造(ソリッドコアを伴わない構造)として楕円形または方形に巻かれてもよい。これにより、コイルを柔軟にすることができる。代替的に、コイルをソリッドコアに巻くことができ、または多層プリント回路基板(PCB)上にエッチングすることもできる。これらについては、以下で、楕円形のコイル構成に関してより詳細に検討される。
好ましくは、トランスデューサは、有意に周辺でのレベルを増大させることなく、標的領域で最大の磁束密度を発生させることができるように設計される。更に好ましくは、トランスデューサは、適切に励起されたときに(即ち、時間変動性の電圧または電流信号を介して励起されたときに)、電磁場を発生させることができるコイルである。より好ましくは、コイルは、独特なコイルの幾何学的形状を有するワイヤコイルである。より好ましくは、ワイヤコイルの幾何学的形状は楕円形である。代替的な実施形態は、当業者に広く知られた他の電磁波源を包含する。
図2に説明されている1つの実施形態においては、ヒト被検者上でワイヤコイルを移動または配置し直す必要がなく、ヒト被検者の帯状皮質領域全体を適切に対象とすることができるように、9.0cm×3.5cmのサイズの所望のワイヤコイルが選択される。この実施形態においては、1G(100μT)の正味脳深部磁界強度が望ましい。図2に示されているように、ワイヤコイルは、9.0cmの長さL、3.5cmの幅W、および丸みを帯びた端部間における5.5cmの離間距離Sを有している。このワイヤコイルは、耳の上方2.5cmの位置における頭部の曲率に相当する、長さLに沿った1cmの曲率Cを有している。好ましくは、このワイヤコイルは、総抵抗が58オームで総インダクタンスが24mHの475巻きの32AWGワイヤを備える。
大きな直径(楕円の長軸M、図2)を使用すると、脳深部における流束密度と表面における流束密度との比:B脳深部/B表面;を最大化するのに役立つ。言い換えれば、脳の表面における流束密度レベルを有意に高めることなく、脳深部において最大可能流束密度が達成される。
有利なことに、ワイヤコイルの中心が耳の上方になるように配置される場合(図3参照)、ワイヤコイルは、矢状面(前面から後面)に沿った正中線に比較的一様な磁束密度をもたらす。図3に示されているように、ワイヤコイルは、快適で一貫した頭部へのコイルの位置付け手段を提供する特注設計のヘッドセットに配置することができる。
更に、ワイヤコイルの幾何学的形状は、大きな円形のワイヤコイル(楕円の長径と短径との平均の直径を有する)に匹敵する磁界プロファイルを提供する。
また、ワイヤコイルの幾何学的形状は、1対のワイヤコイル間の中心に位置する限定された体積内に一様な磁界プロファイルも提供する。
ワイヤコイルの幾何学的形状およびワイヤコイルの配置を用いた場合、1対のワイヤコイル間の中間点領域(脳深部に相当する)における磁界強度を最適化するか、またはこの領域にゼロ磁界を発生させるかの選択肢が存在する。後者の場合、磁界強度は、各ワイヤコイルの表面(脳の表面領域に相当)において損なわれない。中間点における最適な磁界強度は、2つの各ワイヤコイルにより発生される磁場に対応するベクトルが同じ方向に配向される(平行ベクトルとなる)ように、各ワイヤコイルにおける電流方向を配向することにより達成される。中間点における磁界強度は、上述のベクトルが相互に反対向きになる(逆平行ベクトルになる)ように、各ワイヤコイルにおける電流方向を配向することによりゼロ化される。同様に、各ワイヤコイルを励起するために使用される信号間の位相差を確定的に調節し、2つのワイヤコイル間の所定の様々な領域における最適な磁界強度を達成することもできる。この特徴により、脳の選択的な領域へエネルギーを送波するために使用することができる。言い換えれば、エネルギーの集中的な送波が達成される。本発明の1つの実施形態は、最適な深部組織への浸透が達成されるように配向されたトランスデューサを備える電気療法装置である。本発明の更なる実施形態においては、電気療法装置は、表面組織で磁場を損ねることなく、深部組織の磁場がゼロ化されるように配向されたトランスデューサを備える。
また、このワイヤコイル設計は利便性の点でも有利である。このワイヤコイルの幾何学的形状は、標的領域に向けてワイヤコイルを配置し直す必要がなく、脳の多数の領域に対して治療を施す能力を提供する。言い換えれば、被検者/患者は、1つの一貫した位置においてヘッドセットを装着し、興味あるすべての標的領域で治療レベルの特異的な磁場を受けることができる。
この楕円形のワイヤコイルは適切に曲げることができ、頭部周囲の快適なプロファイルが達成される。この設計は、さもなければ長期間にわたる使用での不快感の原因となり得る圧痛点の導入を回避する上で役立つ。また、この設計により、ワイヤコイルの凹面側での磁場密度を高め、且つ、凸面側での磁場密度を低減させる機能を増強する。
ワイヤコイルは数多くの方法で実現することができる。自己担持型のコアレス式ワイヤコイルが図4に示されている。このようなワイヤコイルは何ら支持用フレームワークを必要としない。その代りに、ワイヤコイルは担体に巻かれ、その後、電気的および磁気的に不活性な材料(即ち、エポキシ樹脂)を用いて機械的に安定化される。このような構成は、結果として生じるワイヤコイルの重量を最小限にとどめなければならないシナリオでの使用に適している。コアレス型のワイヤコイルはコアを必要としないため、これらのワイヤコイルは柔軟性が高く、従って、様々なヘッドセットの形状にうまく適合させることができる。
また、これらのワイヤコイルは、必要な楕円形状を保持するフレーム(ボビンとしても知られている)上に巻くことにより形成することもできる。このような実施形態は、ワイヤコイルを構築する頑丈な手段が必須である用途での使用に適している。また、このような構成は、ワイヤコイルを筐体内に配置しなければならない場合のハイレベルな組み立てプロセスを簡単化する。この設計の1つの例が図5に示されている。
ワイヤコイルを形成する更に別の方法は、プリント回路基板(PCB)を用いることによるものである。この方法の場合、ワイヤコイルは、各層における適切な数の「巻き数」を有する多層PCB上でエッチングされる。この設計の概略的な図が図6に示されている。この図では、PCB層間の間隔およびワイヤコイルの巻きの様子が誇張されている。ワイヤコイルは、多層PCB31上の銅トラック30により形成されている。銅トラック30は、PCB31に設けられた穴32を通過し、多数の層に掛かる多数のループを有する1つの完全な導体を提供している。
ヘッドセット1の1つの実施形態が図7に説明さている。図7は、このヘッドセットの正面図および背面図(7A)、側面図(7B)、上面図(7C)ならびに下面図(7D)を示している。このヘッドセットは、頭部への快適で一貫した装着を提供する。このヘッドセットの頂部における箱様の構造は、潜在的に、ワイヤコイルを励起する信号発生電子機器を収容することができる。
ヘッドセット1は、ハンドヘルドNMT装置2の出力に接続される(図1参照)。この接続は、好ましくは物理的な(即ち、導線による)連結である。この設計には無線の接続も含まれ、快適性(およびコンプライアンス)を高める。無線による接続は、ブルートゥースまたは他の高帯域幅/短距離無線接続などの技術によるものである。
頭部が主要な標的領域ではあるが、同様なワイヤコイル及び/又は当技術分野において既知の他のトランスデューサを用いて、他の比較的浅い組織標的、例えば膝、肘、手首、肩、足首および背中などに治療を施すこともできる。
ファームウェアは、ハンドヘルド装置2(図1)に埋め込まれているソフトウェアから構成され、ユーザとの適切に相互作用して、本治療法の制御を提供する。
ファームウェアは、特有のCnpの特有の波形の数値から導出される計量値(チェックサムとしても知られている)を前もって計算されている値と比較することができるように設計されている。これにより、装置へ転送されたデータがデータ転送プロセスにおいて破損されていないことを保証する手段を提供する。
ファームウェアは、同じ設計を用いて、各治療セッションにおける波形の適用に先立ち、波形のチェックサムを確かめることができる。これにより、(装置が患者に与えられた後に)波形が装置の常用中に破損されていないことを保証する。
ファームウェアは、標準的な暗号方式を用いて、装置に記憶されている波形が権限のない人によって容易に操作または抽出されないことを保証する。
患者による装置の日々の使用は、後に検索できるよう、装置のローカルメモリに保存される。この使用パターンにより、医師にコンプライアンス情報を提供する。また、同じ情報を保守の目的で使用することもできる。
ファームウェアは、ヘッドセット1が装置に取り付けられたかどうかを自動的に検出するための方策が講じられている。治療セッションがヘッドセット1を(導線または無線により)適切に接続することなく、開始された場合には、装置2は、警告メッセージ(このメッセージは表示部4に示されてもよい)を発生し、ヘッドセット1が装置2に接続されるまで(図1)、治療セッションを開始させない。
治療セッションで送波されるべきCnpは、装置の記憶領域を節約するように、パラメータの形態で装置に保存することができる。言い換えれば、Cnpの基本的な特性が、本
装置の正常な使用中にCnpを再現するため、付加的なパラメータ(例えば、再生速度、Cnp波形間の時間など)と共に記憶される。これにより、パルスの周波数およびそれらの全体的な繰り返し率に関してのみ異なる数多くの治療法に対する同一の基本波形の使用を容易にする。
また、本装置は、「生」の形態でCnpを保存するための方策も講じられている。言い換えれば、Cnpの正確なタイミングパラメータを予め計算し、その正確なCnpの(時間の関数としての)表現を本装置の内部メモリに保存することができる。本装置は、非常に多数のそのようなCnpの保存をサポートする。
逐次的な方法で送波される同様な及び/又は異なるCnpをグループ化することにより、特有の障害または一群の障害に対する特異的な治療法を創出することができる。これは、携帯型の音楽プレーヤにおける「演奏リスト」の使用と同様である。
ハードウェアは、装置のタイムスタンプおよびトラック使用のためのリアルタイムクロックを備える。この構成要素は、治療計画に対するコンプライアンスのモニタリングを容易にする。
1つの好適な実施形態においては、ハードウェア全体が持ち運び可能な筐体に収容され、使い易さを促進させる。
上述の構成要素とは別に、本装置は、好ましくは、様々な保守および構成操作を果たすための外部コンピュータとの通信を可能にする方策も講じられている。様々なシステム構成要素と外界との間の相互作用が図8に説明されており、図8は、NMT装置2の1つの実施形態におけるシステムレベル図を示している。
図8の実線は、特有の治療を施している間に存在する相互作用を指示している。点線は、保守または構成モードのいずれかの間(即ち、装置を提供している間、または定期的な保守の間)に存在する相互作用を指示している。
装置2は、通信リンク、例えばUSB、シリアルポートまたは他の無線手段などによりホストコンピュータ50に物理的に接続することができる。この通信リンクは、データ、例えばファームウェアおよびCnpデータなどの転送を可能にする。ファームウェアおよびCnpデータは、取り外し可能な記憶媒体(例えばコンパクトフラッシュ(登録商標)カード、フラッシュメモリなど)を介して装置2へ転送することができる。
図8は、ホストコンピュータ50から装置2へのCnpデータおよびシステム診断プログラムのアップロード51、ならびに使用ログおよび診断結果のダウンロード52により、装置2がホストコンピュータ50と通信し得る様子を示している。このような通信は、装置2内の通信ユニット53により調整される。
装置2から使用ログをダウンロード52することにより、医師は、特定の患者の使用パターンおよび、必要に応じて、使用(用量)における推奨された変更を評価することができるようになる。
装置2に常駐するファームウェアに対する更新情報をアップロード51することにより、装置をサービス施設に返却する必要がなく、医師により展開されるべき、装置に常駐するソフトウェアのあらゆる強化または設計変更が可能になる。
装置2は、ホストコンピュータ50からの要求に応じて特定の組の診断プログラムを実
行し、それらの試験結果をホストコンピュータ50にダウンロード52することができる。この機能は、離れた場所での故障解析、ならびに装置の解析および診断を行うための中心施設への結果のアップロードを容易にする。
ホストPC50に常駐するアプリケーションは、権限を与えられた者のみが(保守または構成の目的で)装置2との通信リンクを確立できることを確実にする、利用者の認証段階を含む。これにより、装置の機能が改竄され得ず、または不注意によって変更され得ないことを確実にする。
装置2が再充電可能なタイプである場合には、装置は、場合によって、外部電力供給装置54からのエネルギー充足55を受けなければならない。充足されたエネルギーは装置2内の電池56または他の電源に貯蔵することができる。
運転中、装置2は、ヘッドセット1を介して、電磁パルス57をユーザ10に送る。ユーザ10は、表示部4を介して様々な状況情報58が与えられ、また、ボタン5を介して入力59を与えることができる。
好ましくは、本発明の装置は、以下の基準:a)患者による操作が可能な程度に充分に簡単である;b)電池または家庭用AC電源のみに依存する;c)Cnpに組み込まれるような精巧な波形を再生することができる;d)コンパクトなケース内に収容されている;e)感知可能な程度の波形の劣化を伴うことなく、適切なトランスデューサ(好ましくは、2個の直径1″のコイル)を用いて、脳のあらゆる部分へ最小で100μT(ピーク)の磁場を送波するのに充分な出力を有し、且つ、比較的浅い組織標的に対して、適切なトランスデューサ(好ましくは、単一の直径3″のコイル)から1cmの位置において最小で400μT(ピーク)の磁場を送波するのに充分な出力を有する;f)患者のコンプライアンスをモニタリングすることができることにより、任意にパルス化された磁場を送波することができる。
1つの実施形態においては、すべての機能がマイクロプロセッサにより制御されるが、Cnpデータは、選定されたEEPROM(電子的に消去書き込み可能読み出し専用メモリ)から直接的にデジタル・アナログ変換器へ送られる。図9に説明されているこの独特な特徴により、記憶装置からデジタル・アナログ変換器へのより迅速なデータ転送が可能になり、完全な柔軟性および制御を維持することができる。
1つの好適な実施形態においては、装置は、コイルの表面において400μTの磁場をもたらすように、+/−6ボルトの範囲の2つの出力チャンネルを有している。入力電源は、12〜15時間持続する4個の「AA」アルカリ電池もしくはNi−MH電池、または6ボルトACアダプタである。Cnpデータは2個の1MbitのEEPROMに保存され、これらのEEPROMは、12bitの振幅分解能を持った65,536ポイントの2つのパターンを提供する。装置はLCDを有している。外部コンピュータとの通信は、19.2KbのRS−232シリアルポートを介して行われる。電池を備えた状態で、装置は約300gの重量を有し、また、装置のサイズは18cm×9cm×3.2cmであり、これにより、軽量で、且つ、持ち運びに便利に成されている。また、装置は、リアルタイムクロックおよび患者のコンプライアンスを追跡できるログファイルを備えている。180度の位相制御スイッチが、脳の深部または浅い部分の曝露を可能にしている。他の実施形態は、小型化、より多くのパターンの保存、可聴音、電力消費の低減、代替的な通信ポート、例えばUSBまたは無線リンクなど、代替的な表示器、例えばLEDなど、再充電可能なエネルギー源をサポートするための回路またはフラッシュカードサポートを含み得る。
1つの好適な実施形態においては、ヘッドセットは、更に、頭部の外縁において最大で400μT(4ガウス)、脳深部に最小で100μT(2ガウス)を送波することができるワイヤコイルを備えている。
本発明の装置は、特有のパターンにおける1つ以上のCnpを送波することができるように設計されている。Cnpの特徴については、以下で詳細に説明されている。
波形の設計
Cnpは、複数の間欠波形から構成されている。波形は、標的組織の対応する電磁波形を模倣するように設計される。例えば、標的組織が脳の1つの部分または複数の部分であった場合には、波形は、それらの部分のエネルギー活動に対応する。波形を正弦波形に依存しない臨界的な機能に影響を及ぼすように設計し得るため、波形は必ずしも正弦波ではない。波形は、典型的には、刺激を準備するための最初の上昇/下降、続いて、興味ある組織タイプにおける軸索の点火(firing)を刺激するための反対の下降/上昇、および波形が終了したときの神経興奮の確立を下げるための組み込み遅延(built in delay)を有している。
潜伏期
各波形の後に、または連続的な波形間に、遅延、潜伏期が存在する。この遅延は、時間とともに長さが漸進的に増大または減少するように設定されてもよい。これにより、時間で、波形が出現する周波数を効果的に変調する。Cnp波形の特異的な長さおよび進行は標的組織と関連付けられる。例えば中枢神経系(CNS)に関して言えば:a)脳の領域に特異的な周波数;b)異なる脳の領域間における通信/つながりに関係する周波数;およびc)特異的機能に対する異なる脳の領域の協調に関する周波数に関係する数多くの特徴的な周波数が存在する。ここで、波形は、特異的な領域に対するニューロンの活動を刺激するように設計されているが、CNSのある領域の電気的活動は、個人間で様々に異なり、また、1人の個人内においても、時間とともに変わる。従って、ある機能を標的とするためには、波形を提示する周波数は、その標的の周波数と適合していなければならない。しかし、標的は、ある周波数帯域幅内において様々に変動する。これらのCNS周波数は約7Hzから300Hzの間で変動する。(例えば:7Hzはアルファリズムに対応し;10Hzは視床活動に対応し;15Hzは自律性時間に対応し;30Hzは記憶および意識に関係する髄板内視床(intralaminar thalamus)および側頭領域に対応し;40Hzは海馬領域と扁桃側頭領域との間のつながりに対応し;45Hzは海馬の内因性周波数に対応し;80Hzは海馬−視床の通信に対応し;300Hzは運動制御に対応する。)これらの周波数は神経の電気的特性による上限を有しており、即ち。ニューロンは、「点火」した後、過分極状態になり、回復するまで再び点火することができない。従って、潜伏期は、a)波形が再度加えられたときにニューロンが応答できるように、ニューロンが回復するのを可能にし;また、b)潜伏期の長さは、波形を提示する周波数がその標的にかかわる周波数と適合するように、またはそのような周波数に近くなるように設定される。一連の潜伏期によって分離された一群の波形がCnpを形成する。
潜伏期の調節
CNSにおける標的組織の電気的活動を変化させるためには、Cnpは、その標的組織の内因性周波数を適合化することによって、適切な周波数に「ラッチオン(latch on)」し、より適切には同調し、その周波数をスローダウンまたはスピードアップさせなければならない。波形自体は実質的に変化せず、むしろ、ここで検討されている周波数が、波形が提示される率および電気的スパイクがその標的組織において起こる率に対応する。一般的に、CNSの場合、ニューロンの活動が高められると、1回の活動バースト(burst of activity)当たりの関与する組織の量は減少する。逆に、周
波数が低減されると、CNS全体を通じ、もっと多量の組織が同調および補充される。例えば、a)より高速な認知処理は率の高まりと関連付けることができ;b)癲癇型の障害を有するヒトまたは動物において率が有意に低減された場合には、発作が起こる程に多くの組織が補充され得る。従って、波形の提示率を増大または減少させることは、a)少なくともある時点で、その適用された率および内因性の率が適合化されることを確実化し(勿論、内因性の率を低減させることが目的である場合には、初期の率がその内因性の率よりも高く、または、内因性の率を高めることが目的である場合には、初期の率がその内因性の率よりも低いことを条件として);またb)その内因性の率を「引き下げ」または「押し上げる」。
不応期
Cnpを適用した結果として、標的における電気的活動の同調性が乱され得る。別のCnpの適用が有効になり得る前に、組織はその同調性を回復しなければならない。連続的なCnpの適用間に不応期を設けることにより、そのような回復を果たすことができ、ここで、その不応期の長さは標的によって決定される。例えば、Cnpが「意識」に関係したヒトの標的に適用される場合には、標的は、意識予期時間(例えば1200ms)が経過して初めて回復するであろう。別の例として、同じ標的ではあるが、有意な意識を持たない齧歯動物における適用を挙げることができ、この場合、不応期は400msまで短縮することができよう。Cnpが、1日に付き長い期間、例えば数時間にわたって適用されるような場合には、起こり得る免疫抑制を回避するため、不応期は10秒にまで延ばされるべきである。免疫抑制はCNSが慢性的に刺激されるときに起こり、この刺激の不応期を7秒より長くすればこれを最小化し得ることが示されている。一連の不応期によって分離された一群のCnpがCnp「パルストレイン」を形成する。
特性の変動性
Cnp特性は基礎をなす生理学と関係付けられ、また、内因性周波数は個人間で異なるだけでなく、1人の個人内においても変動することを指摘しておかなければならない。従って、特定の標的用に設計されるあらゆるCnpに対する特性仕様には許容範囲が存在する。上で検討されているように、Cnpの特性は幾分か変えることができ、標的の生物学的変動により、成果は同様のままとどまる。更に、生物学的な相互作用についてますます学習されており、あらたな知識の利点を取り入れるようにCnpを改変し、Cnpをもっと一層特異的にすることができる。
パルストレイン
上で検討されているように、Cnp波形は、特異的な低周波磁場パルス(即ち、Cnp)に集約される。脳における標的組織の恒常性維持機構に更に対抗するためには、CnpをCnpパルストレインに配列することが効果的であり得る。1つの好適な配列においては、最初の3つの不応期は、比較的期間が短く、漸進的に期間が増大する。4番目の不応期は、Cnpでの典型的な長さであり、それ自体は前の3つの不応期よりも長い(即ち、不応期1<不応期<不応期3<不応期4)。このとき、サイクルは、4つのうちで最も短い次の不応期(即ち、不応期1)から始まる。漸進的に増大する不応期は、脳が各パルスに対する異なるレベル応答することができるようにすることにより(例えば反応対認識処理)、ホメオスタシスに対抗する。これは、脳が特有の励起パターンに慣れ、その励起パターンに対する感度を恒常的に低減させてしまうことを防ぐ。
次に、本発明の装置により発生されるCnpを、抗鬱効果、鎮痛効果および抗不安効果を有するように設計されたCnpに関して、一般的に説明すると共に、具体的にも説明する。
図1017を参照する。これらの図におけるy軸は「正規化された値」を指示している
。正規化された値はCnpのデジタル表現である。これらの値は、電気療法装置の記憶装置に2進数で保存される。装置のデジタル・アナログ変換器がそれらの値を電位差(ボルト単位での表現)に線形に変換し、その後、トランスデューサまたはコイルがそれらの電位差を磁場(μT単位で表現)に線形に変換する。
1つの好適な実施形態は、図10〜17に示されている数値を+/−12Vピークピークの電圧レベルに変える。これらの電圧範囲は、次に、約110μTのピーク磁場に変わる。
表6〜8も参照し、そこでは、「振幅」の欄は、正規化された値を用いて、装置により生成された電圧を指示している。好ましくは、+/−12Vピークピークの電圧レベルが約110μTのピーク磁場に変えられる。
Cnp−1抗鬱用Cnp:
Cnp−1は、波形および特性、潜伏期、振幅変調、ならびに不応期により特徴付けすることができる。このCnpは抗鬱効果を有するように設計されている。
一般的に言えば、Cnpは、複数の間欠波形から構成されている。波形は、標的組織の対応する電磁波形を模倣するように設計されている。鬱病の場合、低周波磁場により影響を及ぼされるべき脳の主要な領域は、脳の内側視床前前頭皮質領域、前帯状および前頭皮質である。
基本波形が図10に説明されている。この波形の多数の単位が、潜伏期によって分離することなく、連続して配列され得ることに留意することが重要である。この波形の持続時間は好ましくは1〜30msである。図10に示されているように、この波形が正弦波形に依存しない臨界的な機能に影響を及ぼすように設計されたものであるため、波形は正弦波ではない。
図10に示されているように、波形は、下降(10a)、上昇(10b)、遅延(10c)、急速な下降(10d)、ならびに上昇および下降(10e)の特性を含んでいる。下降(10a)の間、波形はニューロンを刺激するための準備をしている。上昇(10b)は興味ある組織タイプにおける軸索の点火を刺激する。組み込み遅延(10c)は、波形が終了したときの神経興奮の確率を低減する。急速な下降(10d)は、それらのニューロンの固有周波数と同調したニューロンの点火を引き起こす。最後に、上昇および下降(10e)は、脳組織がホメオスタシスに達するのを防止し、且つ、特性10a〜10dの次の配列に対する準備をする方向性雑音として機能する。
Cnpの波形は潜伏期によって分離されることなく一群となって起こり得ることが上述されている。逆に、(同様な長さまたは様々な長さの)潜伏期によって分離された多数の波形がCnpを形成することもできる。潜伏期は、好ましくは、1〜300msの範囲である。Cnp−1の1つの実施形態が図11に示されている。
これらのCnpは不応期によって分離されていてよい。Cnpを適用した結果として、標的とされた領域における神経組織がそのCnpに従ったパターンで刺激される。しかし、神経組織がそれらの刺激に順応し、それにより、反応性を失い得ることが観測されている。刺激はCnpに沿って振幅が弱まるため、振幅変調がその神経組織の感度を漸進的に上方に調整するように機能する。不応期の後、次いで、新たなCnpが高い振幅で始まり、これが、その標的組織にショックを与えて意識させ、その刺激の反応性をもたらす。
不応期によって分離された一連のCnpがCnpパルストレインを構成する。Cnp−
1パルストレインの1つの実施形態が図12に示されている。好ましくは、4つの不応期が存在し、最初の3つは持続時間が漸進的に増大する短めの不応期であり、4番目の長めの不応期はCnp−1パルスでの典型的な長さである。これらの短めの不応期は好ましくは100〜400msの範囲であり、長めの不応期は好ましくは3000〜4000msの範囲である。Cnp−1パルストレインに対する一連の不応期の1つの好適な実施形態は、表1に記載されているように、大凡の持続時間を有している。
Cnp−1の1つの実施形態が表6におけるデータポイントにより記述されている。上記で検討されているように、データポイントの「振幅」は本装置により発生された電圧を指示しており、この電圧が、次に、トランスデューサに磁場の発生を引き起こさせる。
Cnp−1は、好ましくは、負に傾斜した双極性正弦波エンベロープを伴う振幅変調を含む。
Cnp−2鎮痛用Cnp:
Cnp−2は、図13に示されている鎮痛用の波形を含む(この波形は、以前に、米国特許第6,234,953号で開示されたものである)。
図13に示されているように、この鎮痛用の波形は、上昇(13a)、下降(13b)、遅延(13c)および急速な下降(13d)の特性を含んでいる。上昇(13a)の間に、波形は最大に達し、ニューロンを刺激するための準備をする。下降(13b)は、興味ある組織タイプにおける軸索の点火を刺激する。組み込み遅延(13c)は、波形が終了したときの神経興奮の確率を低減するように機能する。最後に、急速な下降(13d)は、それらのニューロンの固有周波数と同調したニューロンの点火を引き起こす。
単一の鎮痛用波形の1つの実施形態が表2におけるデータポイントによって記述されている。上記で検討されているように、データポイントの「振幅」は本装置により発生された電圧を指示しており、この電圧が、次に、トランスデューサに磁場の発生を引き起こさせる。
好ましくは、Cnp−2は、様々に異なる潜伏期によって分離された一連のCnp−2波形を含んでいる。これらの潜伏期は、好ましくは、1〜50msの範囲である。一連の潜伏期の1つの好適な実施形態は、表7に記載されているように、それぞれの大凡の持続時間を有する17個のそのような潜伏期を含む。
Cnp−2パルストレインの1つの実施形態が図14に示されている。好ましくは、Cnp−2パルストレインは、様々に異なる不応期によって分離された一連のCnp−2を含む。これら一連の様々に異なる不応期は、好ましくは、3つの短めの不応期および4番目の長めの不応期を含んでおり、4番目の不応期は、Cnp−2に適した持続時間を有している。これら短めの不応期は、好ましくは、50〜350msの範囲であり、長めの不応期は、好ましくは、1600〜1900msの範囲である。一連の不応期の1つの好適な実施形態は、表3に記載されているように、それぞれの大凡の持続時間を有する4個のそのような不応期を含む。
Cnp−3抗不安用Cnp:
Cnp−3の磁場は、波形、潜伏期および不応期により特徴付けすることができる。このCnpは抗不安特性を有するように設計されている。このCnpは、好ましくは、脳の島皮質、パペッツ回路および前帯状領域を標的とするように設計される。
Cnp−3の基本的な波形の1つの実施形態が図15に説明されている。この波形の持続時間は、好ましくは50〜100msである。図15に示されているように、この波形
は、上昇(15a)、下降(15b)、遅延(15c)および急速な下降(15d)の特性を含んでいる。上昇(15a)の間に、波形は最大に達し、ニューロンを刺激するための準備をする。下降(15b)は、興味ある組織タイプにおける軸索の点火を刺激する。組み込み遅延(15c)は、波形が終了したときの神経興奮の確率を低減するように機能する。最後に、急速な下降(15d)は、それらのニューロンの固有周波数と同調したニューロンの点火を引き起こす。
単一の抗不安波形の1つの実施形態が表8におけるデータポイントによって記述されている。
この抗不安用Cnpパルスは潜伏期を有している。この潜伏期は、時間とともに長さが漸進的に増大または減少するように設定され、波形が出現する周波数を調節する。Cnp−1およびCnp−2の場合と同様に、これらの波形の特定の長さおよび進行は、標的組織と関連付けられる。標的組織の周波数に合わせるため、またはそのような周波数に近付けるため、抗不安用Cnpの各パルスにおける波形と波形との間の潜伏期は、好ましくは、1〜250msの範囲である。Cnp−3パルスの1つの好適な実施形態は、表4に記載されているように、それぞれの大凡の持続時間を有する一連の17個の潜伏期を含む。
Cnp−3は、幾つかのCnp−3波形から構成され、その1つの実施形態が図16に示されている。抗鬱用Cnpの場合とは異なり、Cnp−3は、構成波形の有意な振幅変調を呈さない。
Cnp−3パルストレインの1つの実施形態が図17に示されている。好ましくは、3つの短めの不応期とそれに続く4番目の長めの不応期からなる4つの様々に異なる不応期が存在する。これら3つの短めの不応期は、好ましくは200〜900msの範囲であり、長めの不応期は、好ましくは5000〜7000msの範囲である。Cnp−3パルスの1つの実施形態は、表5に記載されているように、それぞれの大凡の持続時間を有する
不応期を持っている。
治療カクテル
本発明の別の実施形態によれば、本装置は、連続的に(様々な時間的長さで様々な数の、即ち、様々な数のCnpパルストレインの)異なるCnpを送波する。この異なるCnpの配列を「治療カクテル」と呼ぶ。
特定の状態または病状は相互に関連し合っている可能性があることが広く知られている。そのような状態を、治療カクテルを用いて、治療するための第1ステップは、これらの構成要素に対応するCnpを同定することである。この後、それらのCnpが連続的に適用される。Cnpの順番は互換可能であるが、特定の好適な実施形態が生じる。
慢性疼痛が鬱病と関係していることを示す研究に基づき、抗鬱用Cnpパルストレインとそれに続く鎮痛用Cnpパルストレイン、続いて抗不安用Cnpパルストレインを含む治療カクテルが望ましいであろうと予測される。具体的には、好適な配列はCnp−1、次いでCnp−2、その後Cnp−3であり;これらの各Cnpパルストレインは、それぞれ、5分、30分および5分の典型的な持続時間を包含する。
摂食障害は、鬱病および不安神経症と関係していることが知られている。抗鬱用Cnpパルストレインとそれに続く抗不安用Cnpパルストレインを含む治療カクテルは、摂食障害を治療するのに有望であることを示している(以下の実験3参照)。具体的には、好適な配列はCnp−1、次いでCnp−3であり;これらの各Cnpパルストレインは、それぞれ20〜30分の典型的な持続時間を有している。
本発明の利点を以下の実施例により更に例証する。これらの実施例およびここで説明されている具体的な詳細事項は、例証のためにのみ提示されたものであり、本発明の特許請求の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
実験1
この実験は、図18に示されているように、楕円形コイルを伴うヘッドセットの実施形態による磁場の集中を実証するものである。図18の点線は、2つのコイル3の中心と中心との間に位置するヘッドセットの中央平面を指示している。また、それらのコイルに相対的な座標軸の配向、およびコイル筐体表面におけるそれらのコイルの中心で磁束密度が最も高い位置(P)も指示されている。
測定機構が図19に示されている。ヘッドセットに設けられた1対のコイル3により発生された磁場の空間プロファイルが高感度磁束磁力計40を用いて測定された。測定の再現性および一貫性を確保するため、アクリルシートを用いて空間格子41を発生させた。磁力計40は、振動を取り除くように安定化された三脚に取り付けられた。ヘッドセット
は、格子に沿って容易に動かすことができる枠に配置された。
それぞれの位置において、3つすべての直交方向(Bx、ByおよびBz)におけるピーク磁束密度を測定した。その後、次の式:
を用いて大きさを算出した。
3つの高さ位置において水平な2D平面をサンプリングすることにより、磁場プロファイルへの3次元近似を行った。初めに、コイルを等しく上側半分と下側半分に切り分ける中央平面(対称な水平面)に走査平面を整列させた。この走査の結果が図20に表わされている。グレイスケール・バーを用いてこの磁場プロファイルの視覚的な評価を容易にし、また、このグレイスケール図式の数値はμT単位で測定された磁束密度に対応している。上述の中央平面の下側2cmと4cmに位置する2つの平行な平面に対して同じ手順を繰り返し、それらの結果が、それぞれ、図21および図22に表わされている。2Dプロファイルが上述の水平な中央平面上では同一であると推定することは合理的である。
上述の磁場プロファイル図から明らかなように、磁束密度(B)は、Y=0を通るY軸に直交した垂直平面に沿って徐々に減少する。これは、脳の外側領域(Y=−4およびY=4における垂直平面)に近づくにつれ、減衰率のコントラストが鮮明になる。従って、望み通り、磁束密度は中央付近(脳深部領域)で一様性が高い。
実験2
この実験は、疼痛の治療におけるCnp−2パルストレインの使用を例証するものである。比較的弱く(100μTから400μT)、低周波(<1000Hz)の特定のパルス化された磁場(Cnp)は、陸生巻貝、マウス、および熱感覚閾値および痛覚閾値を測定する健常なヒトボランティアにおいて、抗侵害受容効果(鎮痛効果)を有することが示されている。筋骨格系の原因により慢性疼痛を被っている患者におけるCnp−2療法の鎮痛効果は、一般的な処方オピオイド鎮痛薬に関する無作為化比較試験において達成された効果に匹敵し得ることが見出された。
方法
(±400μTの頭部表面から±35μTの脳深部までの)低周波特異的パルス磁場(Cnp−2)の鎮痛効能を、同様な患者集団での一般的な処方オピオイド鎮痛薬の効能と比較した。Cnp−2はパルストレインとして適用された(図14)。モルヒネ調合物、CRコデインおよびCRオキシコデインを含めた無作為化臨床試験から得られたデータを使用した。これら3つの研究はすべて、骨関節炎に由来する慢性疼痛を患っている患者を含んだ。Cnp−2により達成された痛覚脱失に関するデータは、慢性筋骨格系疼痛を被っている患者の二重盲検無作為化プラセボ対照試験においてセントジョセフヘルスケア(St.Joseph’s Health Care)(ロンドン)外来ペインクリニック(Outpatient Pain Clininc)から集められた。この研究において、被検者は、7日間、(使える状態であるかプラセボであるかのいずれかの)Cnp−2装置が貸し与えられ、少なくとも1日に2回、40分間使用するように指示された(隠されたデータロガーによりコンプライアンスが監視された)。それぞれの治療後と、試験後(患者がCnp−2装置を返却した後)の1週間のウォッシュアウト期間(a washout week)における各日の間、疼痛日記のすべての項目に記入が為された。すべての研究において、疼痛は、視覚アナログ尺度(VAS)を用いて治療前と治療後に測
定され、数値が高ければ高いほど、痛みが大きいことを示す。治療の鎮痛効果およびプラセボの鎮痛効果は:
{(VASのベースライン値−介入後のVAS値)/(VASのベースライン値)}×100%
として算出された。
治療とプラセボとの間の鎮痛効果における差がそれぞれの治療様式での正味の鎮痛効果(NAE)であり、プラセボに加えて影響を及ぼされた疼痛軽減の量を表す。各オピオイド鎮痛薬に対し、本研究で使用された投薬量は、標準的な変換比率を用いて同等な経口モルヒネ用量に変換された。
結果
ヒトにおけるCnp−2およびオピオイド鎮痛処方薬の比較。
検討
表1は、7種類のオピオイド鎮痛調合物の鎮痛効能を表している。Cnp−2での治療結果は表1の最下行に示されている。すべての研究で同様なデータ解析技術(最終観測繰り越しが使用され、Cnp−2で提示されたデータは、摂取時のVAS疼痛スコアが10段階のうちの4かそれ以上に大きかった患者を表している。この参加判定基準は、それ以外の研究と共通である。データの比較は、Cnp−2の正味の鎮痛効果が、オピオイド鎮痛により達成された効果と略等しいかそれ以上であることを示している。興味あることに、データは、治療を行った週にわたって疼痛軽減の増大する蓄積効果も示し、また、(患者が既にCnp−2装置を返却した後の)「ウォッシュアウト」相に入ってからも1日以上、効果が有意に保持されたことを示している[データは提示されていない]。
実験3
摂食障害は、高レベルの鬱病および不安神経症と関係していることが知られている。この実験は、不安神経症および摂食障害を被っている患者に及ぼす抗鬱用および抗不安用Cnp(それぞれ、Cnp−1およびCnp−3)のカクテルの効果について調べた。摂食障害を有する8人の患者、全般性不安障害を有する5人の患者および5人の対象患者からなる小さな予備的研究は、初期問診、生理学的試験バッテリおよびルーチン的な臨床検査によりプレスクリーニングされた。それらの患者は、それぞれ、1週間に2回、1時間、4週間の間に合計で8回の1時間のセッションからなる神経変調療法(NMT)を受けた。治療の終了後、フォローアップ問診、生理学的試験バッテリおよび臨床検査を繰り返し行った。35μTのパルス化された磁場のポータブルソースが使用された。
方法
NMTの効果を評価するため、重度の拒食症(平均BMIは16.8、SD=3.2)を有する8人の患者、重度の不安神経症(平均BMIは21.3、SD=4.2)を被っている5人の患者、および5人の正常な対照者が、1ヶ月間にわたり、反復的な週2回のNMTのセッションを受けた。このNMTは、30分間のCnp−1、続いて30分間のCnp−3、合計で1時間、週に2回のセッションを含んだ。この研究の開始時には、拒食症グループは、摂食障害一覧表、第2版の大多数の尺度で(例えば身体的な不満、無力感、痩せ願望、社会に対する不安感および対人不信感の測度に関して)正常な対照者と有意に異なっていた。拒食症患者および不安神経症患者は共に、ハミルトン(Hamilton)の不安尺度、ハミルトンの鬱病尺度およびイェール−ブラウン(Yale−Brown)の強迫尺度で、対照グループよりも有意に高いスコアを有していた。これら3つのグループは、年齢および身長に関して有意に異ならなかった(p>0.05)。すべてが女性であった。
結果
1か月のNMT後、図23および図24に示されているように、不安神経症グループに、ハミルトンの不安尺度およびハミルトンの鬱病尺度における有意な減少が存在した(ANOVA、両側検定、p<0.05)。拒食症グループは、両尺度とも、改善に向けた僅かな傾向を示した。
これら3つのどのグループにおいても、統計学的に有意な他の変化は存在しなかった。しかし、非常に僅かな例外を除き、拒食症グループにおける傾向は期待された方向(スコアレベルの改善)であったことに留意すべきである。
検討
不安神経症を被っている患者においては、1ヶ月間の週に2回のNMT後、統計学的に有意な改善が存在した;彼らの不安スコアおよび鬱スコアは有意に低減した。これらのスコアは拒食症患者のグループにおいても同じ傾向を示したが、おそらくサンプルサイズが小さく、且つ、NMTの継続期間が短かったため(1ヶ月間のみ)、統計学的有意性に達しなかった。
本発明の好適な実施形態について本明細書で説明してきたが、当業者であれば、本発明の精神または添付の特許請求項の範囲から逸脱することなく、そこに変更を為し得ることが理解されよう。
図1は神経変調療法装置の概略図を示している。 図2は、神経変調療法装置において使用されるトランスデューサの1つの実施形態を表しており、このトランスデューサは磁気ワイヤコイルである。 図3は、ヘッドセットに装着された図2のワイヤコイルを示している。 図4は、図2のワイヤコイルのコアレス型の実施形態を示している。 図5は、図2のワイヤコイルのソリッドコア型の実施形態を示している。 図6は、図2のワイヤコイルの積層プリント回路基板(PCB)型の実施形態を表している。 図7は、図3のヘッドセットの幾つかの図:正面図および背面図(A)、側面図(B)、上面図(C)ならびに下面図(D)を示している。 図8は、神経変調療法装置のシステムレベル図を示している。 図9は、神経変調療法装置の1つの実施形態におけるデータ転送を表している。 図10はCnp−1の基本的な波形を示している。Cnp−1は、抗鬱効果を有するように設計された特異的なCnpである。 図11は1つのCnp−1パルスを示している。 図12はCnp−1パルストレインを示している。 図13はCnp−2の基本的な波形を示している。Cnp−2は、鎮痛効果を有するように設計された特異的なCnpである。 図14はCnp−2パルストレインを示している。 図15はCnp−3の基本的な波形を示している。Cnp−3は、抗不安効果を有するように設計された特異的なCnpである。 図16は1つのCnp−3パルスを示している。 図17はCnp−3パルストレインを示している。 図18は、図3のヘッドセットを示しており、座標軸を定め、ヘッドセットの中央平面を表している。 図19は、図3のヘッドセットにより発生される磁場を測定するために使用される実験装置を示している。 図20は、図3のヘッドセットにおけるコイルとコイルとの間の中央平面でのピーク磁束密度の3D空間プロファイルである。 図21は、図3のヘッドセットにおける中央平面下2cmの位置でのピーク磁束密度の3D空間プロファイルである。 図22は、図3のヘッドセットにおける中央平面下4cmの位置でのピーク磁束密度の3D空間プロファイルである。 図23は、本発明の1つの実施形態を用いた治療の結果としての、異なる被検者における不安レベルの変化を示すグラフである。 図24は、本発明の1つの実施形態を用いた治療の結果としての、異なる被検者における鬱レベルの変化を示すグラフである。

Claims (57)

  1. トランスデューサおよびコントローラを備える電気療法装置であって、コントローラが特定の低周波磁場パルス(Cnp)を発生させるようにトランスデューサを励起することができ、Cnpが複数の間欠波形を含み、波形間に潜伏期を有する、電気療法装置。
  2. 波形が、最初に、前記被検者における標的組織の内因性の電気的活動を模倣するように設計されている、請求項1に記載の装置。
  3. 波形間の潜伏期が時間の経過とともに所定の方法で変動する、請求項1から2のいずれか1項に記載の装置。
  4. 前記低周波磁場パルスが、最初に、標的組織の電気的活動に同調し、その結果として、前記標的組織の内因性の電気的活動に影響を及ぼすように設計されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
  5. Cnpが抗鬱効果を有するように設計されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 波形が、動物における内側視床前帯状前頭皮質および前前頭皮質のうちの少なくとも1つの電磁波形を模倣している、請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
  7. CnpがCnp−1である、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
  8. 波形が図10に示すとおりである、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
  9. Cnpが表6で表わされている、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
  10. 潜伏期が1msから200msの範囲である、請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 表2に記載されているように、複数の潜伏期が存在する、請求項1から10のいずれか1項に記載の装置。
  12. Cnpが抗不安効果を有するように設計されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
  13. 波形が、動物における島皮質、パペッツ回路および前帯状のうちの少なくとも1つの電磁波形を模倣している、請求項1から4および請求項12のいずれか1項に記載の装置。
  14. CnpがCnp−3である、請求項1から4および請求項12から13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 波形が図15に示すとおりである、請求項1から4および請求項12から14のいずれか1項に記載の装置。
  16. 波形が表8で表わされている、請求項1から4および請求項12から15のいずれか1項に記載の装置。
  17. 潜伏期が1msから250msの範囲である、請求項1から4および請求項12から1
    6のいずれか1項に記載の装置。
  18. 表4に記載されているように、複数の潜伏期が存在する、請求項1から4および請求項12から17のいずれか1項に記載の装置。
  19. 発生したCnpが複数のCnpを含み、Cnpが少なくとも1つの不応期によって分離されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
  20. 連続的な不応期が可変である、請求項1から4および請求項19のいずれか1項に記載の装置。
  21. 連続的な不応期の持続時間が漸進的に増大する、請求項19および20に記載の装置。
  22. 4つの連続的な不応期が存在する、請求項19から21のいずれか1項に記載の装置。
  23. CnpがCnp−1であり、不応期が100msから4000msの範囲である、請求項19から22のいずれか1項に記載の装置。
  24. 表1に記載されているように、複数の不応期が存在する、請求項23に記載の装置。
  25. CnpがCnp−2であり、不応期が50msから1900msの範囲である、請求項19から22のいずれか1項に記載の装置。
  26. 表3に記載されているように、複数の不応期が存在する、請求項25に記載の装置。
  27. CnpがCnp−3であり、不応期が200msから7000msの範囲である、請求項19から22のいずれか1項に記載の装置。
  28. 表5に記載されているように、複数の不応期が存在する、請求項27に記載の装置。
  29. コントローラがトランスデューサに連続した少なくとも2つの異なる複数のCnpを発生させることができる、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
  30. 少なくとも2つの異なる複数のCnpが、抗鬱効果、鎮痛効果および抗不安効果のうちの少なくとも1つを有するように設計されている、請求項29に記載の装置。
  31. 少なくとも2つの異なる複数のCnpが、Cnp−1、Cnp−2およびCnp−3のうちの少なくとも1つを含む、請求項29から30のいずれか1項に記載の装置。
  32. 少なくとも2つの複数の異なるCnpが、図10、図13および図15に示すとおりの少なくとも1つの波形を含む、請求項29から31のいずれか1項に記載の装置。
  33. 少なくとも2つの複数の異なるCnpが、表6で表わされるCnp、表7で表わされる波形および表8で表わされる波形のうちの少なくとも1つを含む、請求項29から32のいずれか1項に記載の装置。
  34. 連続した少なくとも2つの異なる複数のCnpが、摂食障害を治療するように設計された配列を形成している、請求項29から33のいずれか1項に記載の装置。
  35. 連続した少なくとも2つの異なるCnpが、Cnp−1、続いてCnp−3である、請
    求項34に記載の装置。
  36. 連続した少なくとも2つの異なる複数のCnpが、それぞれ、図10に示される波形および図15に示される波形を含む、請求項34から35のいずれか1項に記載の装置。
  37. 連続した少なくとも2つの異なる複数のCnpが、それぞれ、表6で表わされるパルスおよび表8で表わされる波形を含む、請求項34から35のいずれか1項に記載の装置。
  38. 連続した少なくとも2つの異なる複数のCnpが、慢性疼痛を治療するように設計された配列を形成している、請求項29から33のいずれか1項に記載の装置。
  39. 連続した少なくとも2つの異なる複数のCnpが、Cnp−1、続いてCnp−2、その後にCnp−3が続く、請求項38に記載の装置。
  40. それぞれ、図10に示される波形、図13に示される波形および図15に示される波形を含む、連続した少なくとも3つの異なる複数のCnpが存在する、請求項38から39のいずれか1項に記載の装置。
  41. 表6で表わされるパルス、表7で表わされる波形および表8で表わされる波形をそれぞれ含む、連続した少なくとも2つの異なる複数のCnpが存在する、請求項38から39のいずれか1項に記載の装置。
  42. トランスデューサがワイヤコイルである、請求項1から41のいずれか1項に記載の装置。
  43. ワイヤコイルが脳深部領域を標的とするように設計されている、請求項42に記載の装置。
  44. ワイヤコイルの形状が楕円形である、請求項42から43のいずれか1項に記載の装置。
  45. ワイヤコイルが、コアレス型のワイヤコイル、ソリッドコア型のワイヤコイルおよび多層プリント回路基板ワイヤコイルを含む群から選択される、請求項42から44のいずれか1項に記載の装置。
  46. 被検者に特異的低周波磁場パルス(Cnp)を適用するステップを含む、生理障害、神経障害および行動障害からなる群から選択される障害を治療する方法であって、Cnpが複数の間欠波形を含み、波形間に潜伏期を有し、前記波形が、最初に、前記被検者における標的組織の内因性の電気的活動を模倣するように設計され、前記低周波パルス磁場の適用が前記標的組織において所望の効果をもたらすのに有効な時間の間行われる、治療方法。
  47. 波形間の潜伏期が時間の経過とともに所定の方法で変動する、請求項46に記載の方法。
  48. 前記低周波パルス磁場が、最初に、標的組織の電気的活動に同調し、その結果として、前記標的組織の内因性の電気的活動に影響を及ぼす、請求項46から47のいずれか1項に記載の方法。
  49. 使用されるCnpが複数のCnpを含み、Cnpが少なくとも1つの不応期により分離
    されている、請求項46から48のいずれか1項に記載の方法。
  50. 複数の不応期が存在し、不応期が時間の経過とともに所定の方法で変動する、請求項49に記載の方法。
  51. 少なくとも2つの異なる複数のCnpが連続的に適用される、請求項46から50のいずれか1項に記載の方法。
  52. 鬱病、不安神経症、慢性疼痛および摂食障害を含む群から選択される少なくとも1つの障害を治療するための請求項1から45のいずれか1項に記載の装置の使用。
  53. 間欠波形を含む低周波磁場パルス(Cnp)であって、波形間に潜伏期を有し、前記波形が、最初に、被検者における標的組織の内因性の電気的活動を模倣するように設計されている、低周波磁場パルス。
  54. Cnp−1、Cnp−2およびCnp−3の群から選択されるCnpを含む、請求項53に記載のCnp。
  55. 不応期によって分離されている一連のCnpであって、Cnpが、Cnp−1、Cnp−2およびCnp−3からなる群から選択される、一連のCnp。
  56. 最適な深部組織への浸透が達成されるように配向されたトランスデューサを備える、電気療法装置。
  57. 深部組織の磁場が表面組織で磁場を損ねることなくゼロ化されるように配向されたトランスデューサを備える、電気療法装置。
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