JP2008303164A - 油中水型固型メーキャップ化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記成分(A)(B)(C)(D)(E)を含み、さらに下記(1)及び(2)の条件を満たすことを特徴とする油中水型固型メーキャップ化粧料。
成分:(A)モノオレイン酸グリセリン
(B)アルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤
(C)水性成分
(D)固形油分を含む油性成分
(E)粉末
条件:(1)成分(C)の水性成分の質量を成分(C)の水性成分と成分(D)の油性成分の質量の和で除することで得られる内水相比が50%以上である。
(2)モノオレイン酸グリセリン純度が90質量%以上である。
【選択図】 なし
Description
従って、「みずみずしさ」「なめらかさ」などの使用感を備えつつ、高SPF付与、化粧持ちのよさなどを併せ持つ固型乳化メーキャップ組成物は得られていないのが実情であった。
すなわち、化粧もちのよさや肌へのエモリエント効果のある油中水型固形乳化化粧料に、みずみずしさ、さっぱりさを付与させるために高内水相比のものとしても、その安定性を良好に保つことは困難であった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑み行われたものであり、化粧持ちがよく高SPFが付与でき、肌へのエモリエント効果のある油中水型固形乳化化粧料でありながら、使用性の良好な高内水相比のものであり、且つ乳化安定性が良好である油中水型固型メーキャップ化粧料を提供することを目的とする。
また、前記メーキャップ化粧料において、成分(A)と成分(B)の質量比が1:1〜5:1であることが好適である。
また、前記メーキャップ化粧料において、成分(A)と成分(B)を合わせた質量が全質量に対して0.1〜2.0質量%であることが好適である。
また、前記メーキャップ化粧料において、直鎖飽和炭化水素ワックス及び分岐飽和炭化水素ワックスと、キャンデリラロウとを配合比率9:1〜1:1で含有することが好適である。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラミル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン等がある。
金属イオン封鎖剤としては、エデト酸ナトリウム塩、メタリン酸ナトリウム、リン酸等がある。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α-トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等がある。
薬剤としては、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸DL−α−トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸2−グルコシド、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl−α−トコフェロール2−Lアスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム塩、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類、アラントイン、アズレン等の坑炎症剤、アルブチン等の美白剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤、イオウ、塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、γ−オリザノール等がある。
また、上記薬剤は遊離の状態で使用されるほか、造塩可能なものは酸または塩基の塩の型で、またカルボン酸基を有するものはそのエステルの形で使用することができる。
なお、極性の油分については、乳化物の安定性を損なわない範囲で少量配合することが望ましい。極性油分としては、オクタン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イロプロピル、イソパルミチン酸オクチル、オレイン酸イソデシル、コハク酸2−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチルなどに代表されるエステル油がある。
非極性油としては、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、パラフィン、イソパラフィン等に代表される炭化水素油がある。
なお、本発明で用いる「固型」または「固型状」の語は、50℃以下の温度において組成物、または成分が流動性を示さず、通常の保管条件下においても著しい変形を示さない状態にあることを示す。また、「固型」とは、より具体的には、かかる硬度が、37℃において、当該技術分野で常用されている硬度計(レオメーター)を使用して測定した場合に、下記式で示される硬度(γ)が2以上であることを要する。
L:サンプルの厚み(mm)
l:圧縮距離(mm)
a:針の断面積(cm2)
モノオレイン酸グリセリン、アルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤、油性成分およびその他の油溶性成分を混合し、約80℃に加熱して溶解する。油性成分に粉末を分散する。水性成分およびその他の水溶性成分を混合、溶解し、80℃に加熱する。油溶性成分のパーツを比較的強く攪拌しながら水溶性成分のパーツを徐添する。
下記表1〜表5に示す組成物について、以下の評価基準に基づいて、乳化安定性、硬度使用感、相平衡を評価した。
1.高温での乳化安定性
40℃で一ヶ月保存後に目視にて安定性を評価した。
◎:水および/または油の分離が全く認められない。
○:水および/または油の分離が極僅かに認められる。
×:水および/または油の分離が明らかに認められる。
2.低温での乳化安定性
0℃で一ヶ月保存後に光学顕微鏡観察を行い安定性を評価した。
○:結晶の析出が全く認められない。
△:結晶の析出が極僅かに認められる。
×:結晶の析出が明らかに認められる。
硬度計(RHEO METER:FUDOH工業社製)を用い、下記測定条件で硬度(γ)を測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(測定条件)
負荷重:200g
針の径:5.6φ
針入速度:2cm/min
針入距離:1mm
測定温度:37℃
(評価基準)
◎:硬度が90以上
○:硬度が70以上90未満
△:硬度が50以上70未満
×:硬度が50以下
4.使用感
専門パネル10名により使用感の評価を行った。
◎:10名中9名以上がみずみずしくさっぱりしていると評価。
○:10名中7ないし8名がみずみずしくさっぱりしていると評価。
△:10名中4ないし6名がみずみずしくさっぱりしていると評価。
×:10名中3名以下がみずみずしくさっぱりしていると評価。
これに対して、モノオレイン酸グリセリンとフィタントリオールとを併用した試験例1−6においては、高内水相比で優れた安定性のW/O型乳化物が調製することができ、使用感も非常に良好であった。
そこで、本発明者らは、モノオレイン酸グリセリン及びフィタントリオールの組み合わせによる高内水相比W/O型乳化物の向上機構について検討を行った。
この結果、モノオレイン酸グリセリンとフィタントリオールとの配合比率を9:1〜2:3とした場合(試験例2−2〜2−6)、それぞれ単独の場合(試験例2−1及び2−7)と比較して乳化安定性が優れる傾向にあるが、特に1:1〜5:1の範囲(試験例2−3〜2−5)において優れた安定性が得られることが分かった。
なお、モノオレイン酸グリセリンとフィタントリオールとの合計配合量を4質量%とすると(試験例2−8)、安定性に問題はないが、使用感が低下する傾向にある。また、同様に合計配合量を0.1質量%とすると(試験例2−9)、安定性が低下する傾向がある。
以上のように、モノオレイン酸グリセリンとフィタントリオールとの配合比は1:1〜5:1が好ましく、また、その合計量は組成物中4質量%以下、特に0.1〜2質量%であることが好ましいことが理解される。
つづいて、本発明者らは、高内水相比W/O型乳化物の調製に使用するモノオレイン酸グリセリンの純度と乳化安定性との関係について検討した。
この結果、モノオレイン酸グリセリンの純度が90質量%である場合(試験例3−1)、乳化安定性に優れた組成物であるが、その純度が75質量%(試験例3−2)、さらに45質量%(試験例3−3)と、モノオレイン酸グリセリンの純度が低くなるにつれ、乳化安定性もさらに低下する傾向にあった。
次に本発明者らは、高内水相比のW/O型乳化物でありながら、良好な乳化安定性を保持するために使用する界面活性剤について、さらに検討を進めた。
この結果、通常化粧料の乳化剤として汎用されている、アルキル基に分岐構造を有する適度なアルキル鎖長の界面活性剤を使用した場合、乳化安定性に優れた組成物となることが分かった(試験例4−1〜3)。これに対して、同様のアルキル鎖長であっても、アルキル基が分岐していない界面活性剤であると、低温での結晶化が問題となり、乳化安定性が低下した(試験例4−4〜5)。
以上の結果から、モノオレイン酸グリセリンと併用する界面活性剤としては、アルキル基に分岐構造を有するものを使用することが、高内水相比であり良好な安定性を保持したW/O型乳化物の調製ために好ましいことが理解される。また、この点に関して、バイコンティニュアスキュービック液晶と水との共相状態が乳化安定性の良否と相関関係があることが示唆された。
引き続き本発明者らは、高内水相比W/O型乳化物の調製に使用する固形油分の選定について、検討を行った。
さらに、本発明者らは、乳化安定性に優れた高内水相比W/O型乳化物を調製するための固形油分の配合比率について検討を進めた。
この結果、キャンデリラロウを併用した場合の方が硬度が高くなる傾向にあった(試験例6−2,6−3)。ただし、パラフィンワックス+マイクロクリスタリンワックス:キャンデリラロウの比率が1:1を超え、キャンデリラロウの配合比率の方が高くなると、安定性も悪くなり、硬度も低下した(試験例6−5)。
Claims (7)
- 下記成分(A)(B)(C)(D)(E)を含み、さらに下記(1)及び(2)の条件を満たすことを特徴とする油中水型固型メーキャップ化粧料。
成分:(A)モノオレイン酸グリセリン
(B)アルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤
(C)水性成分
(D)固形油分を含む油性成分
(E)粉末
条件:(1)成分(C)の水性成分の質量を成分(C)の水性成分と成分(D)の油性成分の質量の和で除することで得られる内水相比が50%以上である。
(2)モノオレイン酸グリセリン純度が90質量%以上である。 - 請求項1に記載のメーキャップ化粧料において、成分(B)のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤が、テトラメチルトリヒドロキシヘキサデカン、イソステアリン酸グリセリンエステル、イソステアリルグリセリルエーテルから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする油中水型固型メーキャップ化粧料。
- 請求項1又は2に記載のメーキャップ化粧料において、成分(A)と成分(B)の質量比が1:1〜5:1であることを特徴とする油中水型固型メーキャップ化粧料。
- 請求項1から3のいずれかに記載のメーキャップ化粧料において、成分(A)と成分(B)を合わせた質量が全質量に対して0.1〜2.0質量%であることを特徴とする油中水型固型メーキャップ化粧料。
- 請求項1から4のいずれかに記載のメーキャップ化粧料において、成分(D)に含まれる固形油分が、直鎖飽和炭化水素ワックス及び分岐飽和炭化水素ワックス、キャンデリラロウ、又は米ぬかロウであることを特徴とする油中水型固型メーキャップ化粧料。
- 請求項5に記載のメーキャップ化粧料において、直鎖飽和炭化水素ワックス及び分岐飽和炭化水素ワックスと、キャンデリラロウとを配合比率9:1〜1:1で含有することを特徴とする油中水型固型メーキャップ化粧料。
- 請求項1から6のいずれかに記載のメーキャップ化粧料において、成分(E)の粉末の質量が、化粧料全量に対して10〜20質量%であることを特徴とする油中水型固型メーキャップ化粧料。
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