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JP2008238091A - マイクロ流路体 - Google Patents

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JP2008238091A
JP2008238091A JP2007084212A JP2007084212A JP2008238091A JP 2008238091 A JP2008238091 A JP 2008238091A JP 2007084212 A JP2007084212 A JP 2007084212A JP 2007084212 A JP2007084212 A JP 2007084212A JP 2008238091 A JP2008238091 A JP 2008238091A
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Atsushi Ogasawara
厚志 小笠原
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Kyocera Corp
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Abstract

【課題】 基体の熱設計の自由度が高いマイクロ流路体を提供すること。
【解決手段】 マイクロ流路体1は、基体2の内部に、流体が流通される流路2aを有し、流路2aに沿って面が対向するように基体2内部に金属層3が設けられている。金属層3の形成されている箇所において熱伝導率を異ならせることができ、熱伝導率の異なる箇所を適宜に設置することで、熱設計の自由度が高いマイクロ流路体1を提供することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内部に微小な流路を持つマイクロ流路体に関し、特に微小な流路内で複数流体の混合を行なう微小混合デバイス(マイクロミキサ)や、流体の加熱、冷却を行なう微小熱交換デバイス、および化学、生化学、物理化学反応を行なう微小反応デバイス(マイクロリアクタ)等に用いられるマイクロ流路体に関する。
従来、ガラス、石英ガラス、シリコン(Si)基板等から成る基体の内部に、レーザー加工やエッチング加工等の手段により細い溝を形成して、流体を流すための流路を設けるとともに、流路の端に流入口および流出口を設けて成るマイクロ流路体が知られている(例えば、下記の特許文献1参照)。
また、この流路の近傍にヒーターを配置し、流路に流通される流体を加熱することによって、流体中における化学反応等の反応を促進するマイクロ流路体が知られている。このようなマイクロ流路体において、熱交換を促進するために、複数並列に設けられた貫通孔に高熱伝導性素材を充填してマイクロ流路体の外部と流路近傍との間に熱経路を設ける例も示されている(例えば、下記の特許文献2参照)。
特開2000−298109号公報 特表2002−527254号公報
上記従来のマイクロ流路体をマイクロケミカルデバイスとして用いる場合、流体の加熱、流体からの放熱等のマイクロ流路体の熱設計を行なう際は、そのマイクロ流路体の形状、流路の加熱部と発熱体との位置関係または流路の放熱部と冷却体との位置関係、流体の流速、およびマイクロ流路体が形成される基体の熱伝導率などを考慮して行なわれる。
しかしながら、基体の熱伝導率は基体の材料を選定する段階で決定されてしまうため、熱設計の自由度が小さいという問題点があった。
本発明は上記問題点に鑑み案出されたもので、その目的は、基体の熱設計の自由度が高いマイクロ流路体を提供することにある。
本発明のマイクロ流路体は、絶縁物から成る基体内部に、流体が流通される流路と、前記流路に沿って面が対向するように設けられて成る金属層と備えて成る。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、前記金属層の熱伝導率は前記基体の熱伝導率よりも高いことを特徴とする。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、前記金属層の厚みは5乃至500μmであることを特徴とする。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、前記金属層は銅を含むことを特徴とする。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、前記金属層は白金を含むことを特徴とする。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、前記金属層に隣接して配置され、前記基体内部または前記基体表面に前記流体を加熱する加熱手段を備えることを特徴とする。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、前記金属層は前記流路と前記加熱手段との間に配置されていることを特徴とする。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、前記金属層は前記加熱手段と接するように設けられていることを特徴とする。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、前記金属層に隣接して配置され、前記基体内部または前記基体表面に前記流体を冷却する冷却手段を備えることを特徴とする。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、前記金属層は前記流路と前記冷却手段との間に配置されていることを特徴とする。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、前記金属層は前記冷却手段と接するように設けられていることを特徴とする。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、前記基体は、セラミックスから成ることを特徴とする。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、前記基体は、セラミックグリーンシート積層法によって形成されることを特徴とする。
本発明のマイクロ流路体において、絶縁物から成る基体内部に、流体が流通される流路と、流路に沿って面が対向するように設けられて成る金属層とを備えて成ることから、流路に沿って、金属層の形成されている箇所において熱伝導率を異ならせることができ、また金属層を適宜に設置することにより、熱設計の自由度が高いマイクロ流路体を提供することができる。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、金属層の熱伝導率は基体の熱伝導率よりも高い場合、基体内部または基体表面に熱放散、熱拡散速度の高い箇所を適宜に設置できる。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、金属層の厚みは5〜500μmである場合、体積が小さく熱設計の自由度が高いマイクロ流路体を提供することができる。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、金属層は銅を含む場合、金属層の熱放散、熱拡散速度を高いものとすることができる。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、金属層は白金を含む場合、金属層の熱放散、熱拡散速度を高いものとするとともに、金属層を化学的に安定で耐薬品性に優れたものとすることができる。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、金属層に隣接して配置され、基体内部または基体表面に流体を加熱する加熱手段を備える場合、金属層が加熱手段からの熱を伝えて流路に沿って均熱化するので、流体の加熱効率の高いマイクロ流路体を提供することができる。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、金属層は流路と加熱手段との間に配置されている場合、加熱手段によって加熱された金属層を介して流体が均一に加熱されるようになるので、流体の加熱効率が高く、加熱温度ばらつきの小さいマイクロ流路体を提供することができる。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、金属層は加熱手段と接するように設けられている場合、金属層が加熱手段によって直接加熱されるようになるので、流体の加熱効率の高いマイクロ流路体を提供することができる。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、金属層に隣接して配置され、基体内部または基体表面に流体を冷却する冷却手段を備える場合、金属層が冷却手段に吸熱されて流路に沿って均等に冷却され易くなるので、流体の冷却効率の高いマイクロ流路体を提供することができる。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、金属層は流路と冷却手段との間に配置されている場合、冷却手段によって冷却された金属層を介して流体が均一に冷却されるようになるので、流体の冷却効率が高く、冷却温度ばらつきの小さいマイクロ流路体を提供することができる。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、金属層は冷却手段と接するように設けられている場合、金属層が冷却手段によって冷却され易くなるので、流体の冷却効率が高いマイクロ流路体を提供することができる。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、基体は、セラミックスから成る場合、化学的に安定で耐薬品性に優れたマイクロ流路体を提供することができる。
好ましくは、本発明のマイクロ流路体において、基体は、セラミックグリーンシート積層法によって形成される場合、基体内部および基体表面に容易に金属層を設置でき、製造効率の良いマイクロ流路体を提供することができる。
本発明のマイクロ流路体およびマイクロ流路体の製造方法について以下に詳細に説明する。図1(a)は本発明のマイクロ流路体の実施の形態の一例を示す斜視図、図1(b)は図1(a)に示すマイクロ流路体の分解斜視図である。これらの図において、1はマイクロ流路体、2は基体、2aは流路、3は金属層、4は加熱手段または冷却手段を示す。
本発明のマイクロ流路体1は、基体2に、流体が流通される流路2aを有し、流路2aの上方および下方の少なくとも一方の基体2内部に流路2aの延設方向と並行させて金属層3が設けられている。
図1に示すマイクロ流路体1の実施の形態の一例においては、基体2表面に流路2aの流入口2cまたは流出口2dが配置されており、基体2の内部に設けられた流路2aは流入口2cまたは流出口2dに接続されており、流路2aの直下の基体2内部に流路2aの延設方向に沿って面が対向するように一体に連続した金属層3が流路2aに並行して設けられ、また金属層3を挟んで流路2aに対する箇所にヒーター等の流体を加熱する発熱体が加熱手段4として配置され、加熱手段4としてのヒーターの両端はマイクロ流路体1外部に導体で引き出され、リード線等によって外部電気回路と電気的に接続される。
金属層3は、図1に示すように平面状に流路2aと平行に設けてもよいし、流路に沿って流路の周囲を取り囲むように筒状に設けてもよいし、筒の軸方向に縦に分割した形状で半分だけ取り囲むように設けてもよい。また、金属層3が流路2a内に露出するように設けられてもよい。
ここで基体2は、セラミックスや、ガラス、石英、Si、その他の金属、あるいは樹脂等から成り、基体2の内部にエッチング法や切削法および金型を用いた成形法などにより被処理流体が流通される幅が微小な流路2aが形成されている。セラミックスとしては、アルミナ(Al)質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,ムライト(3Al・2SiO)質焼結体,ガラスセラミックス等が用いられる。このように、基体2に流路2aが形成されることによって内部に流体が流通される流路を有するマイクロ流路体1となる。基体2は被処理流体によって侵されない材質のものを適宜選択すればよい。
流路2aは、5〜500μmの微小な幅および高さが5〜500μmの断面矩形状の微小な流路として設けられる。なお、流路2aの断面は円形であってもよいし、三角形その他多角形であってもよい。
このようにして得られたマイクロ流路体1は、例えば、流路2aで流体を加熱したり冷却したり、さらに流体同士を混合させて反応させる化学、生化学、物理化学反応を行なわせるマイクロ化学リアクター等に好適に用いることができる。
流路2aの配置としては、例えば、図1(a)に示すように流入口2cが2箇所と流出口2dが1箇所設けられ、2箇所の流入口2cから流れてくる流体が合流して流出口2dへ流れるように流路2aが形成されている形態であったり、流入口2cと流出口2dとが2箇所あるいはそれ以上の複数箇所に設けられ、複数箇所の流入口2cに接続された複数本の流路2aを所定順序で合流させ、さらに流路2aから流出口2cに向け複数本の流路2aに分岐する形態であったりする。流路2aは直線状に配置されていても良いし、曲線状に配置されていてもよい。流路2aの配置は、図1(a)に示す形態に限定されることはなく、目的に合わせて種々の形態とし得る。
また、流路2aは一定の幅である必要はない。例えば金属層3が配置されている部位で幅を広くし、流体の流速を下げて流体が加熱または冷却されやすいようにしてもよい。
流体を加熱する加熱手段4としては、例えば、図1(b)に示すように流路2a直下にヒーター等の発熱体を配置し、発熱体に電流を流す等で熱エネルギーを供給することにより、流路2a中を流れる流体を適宜、所望の温度に加熱するように設けられる。加熱手段4を設けて流体を所定の温度に加熱することにより、流体に含まれる物質同士の最適な反応を促すことができる。このとき加熱手段4は、一箇所のみでなく複数の箇所に配置されていてもよく、また流路2a直下に限定されず、例えば基体2全面を加熱する位置に設けられていてもよい。
ここで加熱手段4としてヒーターを用いる場合、ヒーターは基体2の材質およびその目的に合わせて、作製可能なヒーターが選択されればよく、例えばセラミック製の基体においてはタングステン(W)やモリブデン(Mo)等の高融点金属メタライズ層を設ける方法や、シリコン(Si)やガラス製の基体においては、これら基板上に各種金属薄膜を形成する方法などが用いられる。またヒーターの配置個所も基体2表面もしくは基体2内部に関わらず、目的にあわせた所望の位置に形成すればよい。ヒーターの少なくとも一端は基体2の表面に引き出され、外部電気回路と接続される。
このとき引き出された部位と外部電気回路との接続は、物理的なクリッピングや圧着などの直接接触方法が取られてもよいし、図1(a)に示すように、基体2表面の配線部に適宜めっきを施し、リード線等の半田付けや、ワイヤーボンディングなどによる間接的な接続でもかまわない。
また加熱手段4は必ずしも図1(a)に示すような基体2との同一成形体でなくてもよく、例えばヒーターブロックのような加熱機器に、マイクロ流路体を接触させるなどの方法でもかまわない。またその加熱方法も図1(b)に示すような抵抗加熱だけではなく、誘導加熱、輻射、レーザー照射による加熱、および加熱媒体(温水、加熱ガスなど)の流動による加熱などの方法を選択することも可能であり、図1(a)に示す形態に限定されることはなく、目的に合わせて種々の形態とし得る。例えば、加熱手段4が配置される箇所に流路2a同様の流路を設け、この流路に高温の加熱媒体を流通させてもよい。
ここで、図1(b)に示す金属層3は、流路2aと加熱手段4のヒーターとの間に配置され、本例では、ヒーターからの熱が金属層3に伝熱し、基体2よりも熱伝導率の高い金属層3により、流路2aおよび加熱手段4の形成幅よりも広く、流路2aに沿って配置されている金属層3の面方向にすばやく拡散し、流路2aが金属層3と並行する部位の温度を流路2aに沿って一定のものとすることによって、流路2a内の流体が効率よく、かつ温度ばらつきが小さい状態で加熱される。このとき金属層3は基体2の材質およびその目的に合わせて、作製可能な金属層3が選択されればよい。また金属層3の配置個所も基体2表面もしくは基体2内部に関わらず、目的にあわせた所望の位置、形状に形成すればよい。
また、図1(b)においては1層の金属層3を形成した例を示しているが、金属層3は重なるように複数層形成されていてもよい。複数層設けることにより、複数の金属層3の厚み合計が厚いものになるので、金属層3による流路2a周囲の均熱効果をより大きなものとすることができる。
また図1(b)において、加熱手段4に代えて、冷却手段4が設けられてもよい。流体を冷却する冷却手段4としては、例えば、冷却媒体(冷水、冷却ガスなど)を流通させるための流路、ペルチェ素子等の熱電冷却素子、放熱フィン等が挙げられる。
金属層3は、例えば、流路2aと冷却手段との間に配置され、流路2a内の流体の熱が金属層3に伝熱し、基体2よりも熱伝導率の高い金属層3により、金属層3の面方向にすばやく移動し、流路2aが金属層3と並行する部位の温度を流路2aに沿って一定のものとすることによって、流路2a内の流体の熱が効率よく素早く吸熱されて流体が冷却される。冷却手段4は、流路2a中を流れる流体の温度を所望の温度にコントロールすることで、最適な反応を促すことができる。また上記の加熱手段4同様、冷却手段4は一箇所のみでなく複数の箇所に配置されていてもよく、また流路2a直下に限定されず、例えば基体2全面を冷却するように配置されていてもよい。
上記の例のように、本発明のマイクロ流路体1は、基体2と熱伝導率の異なる金属層3を熱の移動を制御する伝熱経路として利用することができ、マイクロ流路体1の熱的な設計の自由度の高いものとなる。上記の例では、加熱手段4から流路2aへ、もしくは流路2aから冷却手段4へと、熱伝導率を高める手段として金属層3を利用している。金属層3を伝熱経路として利用することで、例えばマイクロ流路体1のある領域で発生した熱を他の領域に伝えないように、その領域間に金属層3および加熱手段4または冷却手段4を配置し、発熱領域で発生した熱を例えば冷却手段4によって吸熱させることで、領域間の温度差を維持するといったような、断熱手段としても利用が可能となる。
好ましくは、金属層3の熱伝導率は基体2の熱伝導率よりも高いほうが望ましい。
この構成により、基体2内部または基体2表面に、基体2の熱伝導率よりも熱放散、熱拡散速度の高い箇所を任意に設置でき、結果として自由度の高い熱設計が可能となる。
好ましくは、金属層3の厚みは5〜500μmであることが望ましい。
この構成により、熱設計の自由度が高いマイクロ流路体1を、その体積を大きくすること無く、実現できる。金属層3は熱伝導率を高くする目的から熱抵抗の小さいことが望ましい。すなわちその厚みはできるだけ厚く、面積は大きい方がよい。極端な方法を採るのであれば、マイクロ流路体1の表面に金属ブロックを接合させることでも本発明の趣旨は達成できるが、この方法ではマイクロ流路体1の内部に配置するのは難しく、形状的な制限も大きい。またマイクロ流路体1自体の体積が大きくなってしまうという課題も避けられない。
また、金属層3を形成する方法としては、半導体製造プロセス等で用いられる蒸着法やスパッタ法などの薄膜形成技術も利用が可能だが、金属層3を伝熱経路として利用するには、厚み数μmの金属膜では十分な効果は望めない。上記の観点から、マイクロ流路1中に比較的自由に配置、パターン形成ができて、かつ伝熱経路として所望の特性を得るためには、金属層3の厚みは5〜500μm程度が望ましい。
厚みが5〜500μmの金属層3は具体的には、メタライズ法,めっき法や金属箔を挿入する方法等によって形成される。
好ましくは、金属層3は銅(Cu)、もしくはCuが含有されている合金から成るのがよい。
この構成により、金属層3の熱放散、熱拡散速度の高いものとすることができる。前記のように、金属層3の熱伝導率は基体2の熱伝導率よりも高いことで任意の熱設計が可能となるが、その目的から金属層3の熱伝導率はできるだけ大きいほうが、設計の自由度としては高くなる。金属層3の材料として選択されうる材料は、各製造プロセスにより様々だが、上記観点から金属材料として、最大の熱伝導率を持つCuを選択することで、上記目的が達成しやすくなる。Cu、もしくはCuを含有する合金層を形成する方法としては、プリント基板にCu配線層を形成する場合に用いられる、樹脂基板上へのめっき法等によるCu箔層形成技術が挙げられる。その他、ガラス、シリコン基板上などへのスパッタ法などの薄膜形成方法でも作製は可能だが、前記理由により、数μmレベルの薄膜では目的とする特性は十分発揮できない場合がある。セラミックスに対しては、ガラスセラミックス等の低温焼結セラミックスへのCuメタライズ法や、CuとWなどの高融点金属の合金によるメタライズ法、または、チタン(Ti)、ジルコニア(Zr)などの活性金属を介したCu箔のろう材接合等が可能である。
好ましくは、金属層3は白金(Pt)、もしくはPtが含有されている合金層から成るのがよい。
Ptはかなり大きな熱伝導率を有するので、金属層3の熱放散、熱拡散速度を高いものとできるとともに、化学的に安定なものなので、金属層3の設置位置、使用温度および金属層3をマイクロ流路体1の表面に設置した場合の表面被覆等の問題を考慮する必要が少なくなる。また、流路内に露出させる構造とすることもできる。
好ましくは、流路2aの上方および下方の少なくとも一方の基体2内部または基体2表面に加熱手段4が設けられていることが望ましい。
この構成により、加熱手段4からの発熱を流路2a周辺に集中させて、効率よく流体へ伝熱できるため、小さい熱量の加熱手段4によって流体を加熱することができ、流体の加熱効率の高いマイクロ流路体1を提供できる。
好ましくは、金属層3は流路2aと加熱手段4との間に位置するように設けられていることが望ましい。
この構成により、加熱手段4からの熱を金属層3で素早く拡散させて流路2a周辺を均熱化させ、金属層3から、流路2a中の流体へ伝熱する配置となるため、流体の加熱効率が高く、流体の加熱温度のばらつきを小さくできる。
好ましくは、金属層3は加熱手段4と少なくとも部分的に接するように設けられていることが望ましい。
この構成により、加熱手段4から金属層3に直接伝熱できることになり、流体の加熱効率のより高いマイクロ流路体を提供できる。本構成における加熱手段4は、図1(b)のような基体2上に形成される抵抗加熱ヒーターでは、基体2内部もしくは表面でヒーターと伝熱用の金属層3とを電気的に接続させた、同一電気閉回路として配置させればよい。輻射、レーザー照射などの非接触式加熱方法であれば、基体2表面に金属層3を配置し、金属層3自体を直接加熱することで同様の配置とすることができる。
以上の構成により、流体の加熱効率が高いマイクロ流路体1を提供できる。
好ましくは、流路2aの上方または下方の少なくとも一方の基体2内部または基体2表面に流路2aに沿って冷却手段4が設けられていることが望ましい。
この構成により、流路2aを通過する流体の熱を短時間に冷却手段4へ放熱できるため、流体の冷却効率が高くなる。
好ましくは、金属層3は流路2aと冷却手段4との間に位置するように設けられているのがよい。
この構成により、冷却手段4に流路2aからの熱を金属層3で素早く熱拡散させ、その金属層3から、冷却手段4に吸熱させる配置となるため、流体の冷却効率が高く、流体の冷却温度ばらつきが小さくできる。
好ましくは、金属層3は冷却手段4と少なくとも部分的に接するように設けられているのがよい。この構成により、流体の冷却効率が高いマイクロ流路体1を提供できる。具体的には、金属層3にペルチェ素子等の熱電冷却素子、放熱フィン等の冷却手段を接合する等する。
以上の構成により、流体の冷却効率が高いマイクロ流路体1を提供できる。
好ましくは、基体2は、セラミックスから成ることが望ましい。
この構成により、化学的に安定で耐薬品性に優れ、かつ熱設計の自由度が高いマイクロ流路体1を提供するができる。流体との熱の授受を効率よく行なうとすれば、マイクロ流路体1の材質自体も、熱伝導率の高い金属材料で構成したほうが、その熱交換効率は高くできる。しかし、図1(b)のような電気配線を内蔵するのであれば、導電体である金属材料は選定しづらく、また流体が金属を腐食する可能性がある物質である場合にも、金属材料は使用できない。上記観点からセラミックスをマイクロ流路体1の材料として選定するのが好ましい。熱伝導率という点ではセラミックスは金属材料には及ばず、熱設計は制限されるが、本発明の構成により、セラミックス材料を選択したとしても、金属層3により部分的に高い熱伝導率とすることができるようになるので、結果として化学的に安定で、かつ熱設計の自由度が高いマイクロ流路体1とすることができる。
好ましくは、基体2は、セラミックグリーンシート積層法によって形成されることが望ましい。この構成により、図1(a)に示す構成のように、基体2の内部および表面に容易に平面状等の金属層3を設置でき、製造効率の良いマイクロ流路体1を提供することができる。グリーンシート上のスクリーン印刷法等によるメタライズ法は、金属層3や図1(b)のような加熱手段4を適宜に、かつ積層後の焼成により、流路2aの形成と金属層3の形成とが同時に容易に行なえるため、金属層3を有する本発明のマイクロ流路体1の作製が簡便なものとなる。
例えば、基体2がAl質焼結体から成る場合であれば、Al,酸化珪素(SiO),酸化マグネシウム(MgO),酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に適当な有機バインダ,溶剤,可塑剤,分散剤等を混合添加して泥漿状となすとともに、これからドクターブレード法やカレンダーロール法を採用することによってセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を形成し、しかる後に、このセラミックグリーンシートにW,Mo等の高融点金属を主成分とし有機溶剤を混合して成る金属層3となるメタライズペーストを所定のパターンに印刷塗布し、流路2a等と成る適当な打ち抜き加工を施した後に、このグリーンシートを複数枚積層し、約1600℃の温度で焼成することによって作製される。
セラミックグリーンシートを流路2aの形状で打ち抜くことによって、容易に所定形状の流路2aを形成することができ、製造効率の良いマイクロ流路体1を提供することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。また、上記実施の形態の説明において上下左右という用語は、単に図面上の位置関係を説明するために用いたものであり、実際の使用時における位置関係を意味するものではない。
(a)は本発明のマイクロ流路体の実施の形態の一例を示す斜視図、(b)は図1(a)に示すマイクロ流路体の分解斜視図である。
符号の説明
1:マイクロ流路体
2:基体
2a:流路
3:金属層
4:加熱手段または冷却手段

Claims (13)

  1. 絶縁物から成る基体内部に、流体が流通される流路と、前記流路に沿って面が対向するように設けられて成る金属層とを備えて成るマイクロ流路体。
  2. 前記金属層の熱伝導率は前記基体の熱伝導率よりも高いことを特徴とする請求項1記載のマイクロ流路体。
  3. 前記金属層の厚みは5乃至500μmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のマイクロ流路体。
  4. 前記金属層は銅を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のマイクロ流路体。
  5. 前記金属層は白金を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のマイクロ流路体。
  6. 前記金属層に隣接して配置され、前記基体内部または前記基体表面に前記流体を加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のマイクロ流路体。
  7. 前記金属層は前記流路と前記加熱手段との間に配置されていることを特徴とする請求項6記載のマイクロ流路体。
  8. 前記金属層は前記加熱手段と接するように設けられていることを特徴とする請求項6または請求項7記載のマイクロ流路体。
  9. 前記金属層に隣接して配置され、前記基体内部または前記基体表面に前記流体を冷却する冷却手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のマイクロ流路体。
  10. 前記金属層は前記流路と前記冷却手段との間に配置されていることを特徴とする請求項9記載のマイクロ流路体。
  11. 前記金属層は前記冷却手段と接するように設けられていることを特徴とする請求項9または請求項10記載のマイクロ流路体。
  12. 前記基体は、セラミックスから成ることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のマイクロ流路体。
  13. 前記基体は、セラミックグリーンシート積層法によって形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載のマイクロ流路体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011109201A (ja) * 2009-11-13 2011-06-02 Kobe Steel Ltd アンテナ装置
JPWO2013027393A1 (ja) * 2011-08-22 2015-03-05 パナソニック株式会社 マイクロ流体デバイス
JP2016019935A (ja) * 2014-07-14 2016-02-04 株式会社神戸製鋼所 反応器、反応装置、反応方法及び反応生成物

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