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JP2008236103A - 映像配信システム、映像配信方法、映像配信サーバ及び映像配信プログラム - Google Patents

映像配信システム、映像配信方法、映像配信サーバ及び映像配信プログラム Download PDF

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JP2008236103A
JP2008236103A JP2007069892A JP2007069892A JP2008236103A JP 2008236103 A JP2008236103 A JP 2008236103A JP 2007069892 A JP2007069892 A JP 2007069892A JP 2007069892 A JP2007069892 A JP 2007069892A JP 2008236103 A JP2008236103 A JP 2008236103A
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Koichi Kato
晃一 加藤
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Faurecia Clarion Electronics Co Ltd
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Clarion Co Ltd
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Abstract

【課題】配信されている映像データを車載機器が受信して再生する場合に、受信開始から再生が開始されるまでの遅延時間を短縮し実用的な範囲内に収めることのできるようにする。
【解決手段】映像配信サーバ3からWAN4を介して車両6に搭載された車載装置7に対し、所定の映像ビットレートBbで符号化された映像データ100を先頭から順に配信する場合に、この映像データ100を、先頭から順に複数のデータブロック101に分けると共に、少なくとも先頭のデータブロック101が他のデータブロック101よりも映像ビットレートが低くなるように各データブロック101の映像ビットレートを変換し、変換した後の先頭のデータブロック101Aから順番に前記車載装置7に送信するようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、ネットワークを介して車載装置に映像データを配信するための技術に関する。
従来、インターネット等のネットワークに接続された無線基地局(アクセスポイントとも呼ばれる)との間で無線通信を利用して通信し、当該無線基地局を介してネットワークに接続された各種の端末と通信可能にする無線LANが広く普及している。
無線LANの通信規格はIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)によって標準の規格策定が行われており、現在では、2.4GHz帯の電波を使用して最大11Mbpsの通信が可能な802.11bと、2.4GHz帯の電波を使用して最大54Mbpsの通信が可能な802.11gと、5.2GHz帯の電波を使用して最大54Mbpsの通信が可能な802.11aという3つの規格が存在している。
近年では、2〜11GHz帯の電波を使用し最大70Mbpsの通信が可能な802.16aという規格も実用化されている。802.16aにおいては、1台の無線通信装置が最大30マイル(約50km)の通信距離を有しており、屋外での使用が想定されている。
また、無線LAN技術の進歩に伴い、近年では、無線LANシステムを車両に搭載して、車で移動しながら各種情報をネットワークに接続された端末からダウンロードする技術が各種提案されている。そして、この技術によれば、例えば、車両からアクセスポイントへ無線接続して、交通情報や音楽のようなエンターテイメント性のある情報をダウンロードすることが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
ところで、近年、インターネット等のネットワークを介して映像配信サーバから映像データをストリーミング配信するサービスが各種提供されている。
特開2003−302232号公報
しかしながら、映像データのストリーミング配信においては、映像データが所定の符号化(いわゆるコーデック)により符号化圧縮(いわゆるエンコード)されたものが映像データとして配信されるものの、元の映像データのデータサイズが大きいため、符号化圧縮したとしても比較的大きなデータサイズとなる。
したがって、車両において映像を視聴しようと車載機器によって映像データのストリーミング受信を開始しても、一定時間分の映像データを受信するのに比較的長い時間を要し、なかなか再生可能な状態とならない。
また映像データを受信している時間も長時間となり、車両が移動することで電波の受信状況が変わり、映像データの受信に失敗する状況も発生する可能性も十分考えられる。このような状況のため、車載機器に対する映像データの配信サービスは実用的でなくあまり行われていない。
また、映像データの符号化圧縮率を高めることで映像データのデータサイズを小さくすることは可能であるが、符号化圧縮率を高めると映像の画質が劣化し、この揚合はユーザが満足する画質が得られないことが多い。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、配信されている映像データを車載機器が受信して再生する場合に、受信開始から再生が開始されるまでの遅延時間を短縮し実用的な範囲内に収めることのできる映像配信システム、映像配信方法、映像配信サーバ及び映像配信プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ネットワークに接続された無線基地局と通信する無線部を備えた車載装置と、前記車載装置に対して前記ネットワークを介して、所定の映像ビットレートで符号化された映像データを先頭から順に配信する映像配信サーバとを備えた映像配信システムであって、前記映像データを先頭から順に複数のデータブロックに分けると共に、少なくとも先頭のデータブロックが他のデータブロックよりも映像ビットレートが低くなるように各データブロックの映像ビットレートを変換する配信用データ生成装置を備え、前記映像配信サーバは、前記配信用データ生成装置によって生成された各データブロックを先頭から順に前記車載装置に送信することを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも最初に送信されるデータブロックの映像ビットレートを低くして車載装置に送信される。したがって、少なくとも最初に送信されるデータブロックのデータサイズが小さくなるため、該データブロックの全てのデータを受信するのに要する時間が短縮され、これにより、データブロックの受信を開始してから車載装置が映像データの再生を開始するまでの遅延時間を早めることが可能となる。さらに、この遅延時間を、先頭のデータブロックのデータサイズを適宜決定することで調整することが可能となる。
これに加え本発明によれば、データブロックの受信時に通信エラー等が生じ、一時的に受信が途絶えたりして受信時間が延びた場合でも、映像ビットレートを低くしたデータブロックにおいては受信時間が短縮されるため、受信時間の延長の影響を少なくすことができる。
さらに、映像ビットレートを低くするデータブロックを先頭から幾つかのデータブロックに限定し、それ以降のデータブロックの映像ビットレートを所定の映像ビットレートを維持することで、映像ビットレートの低下に伴う画質劣化を抑制することができる。
また本発明は、上記発明において、前記配信用データ生成装置は、前記映像配信サーバと前記車載装置との間の通信速度を検出する通信速度検出部を有し、前記データブロックのそれぞれの映像ビットレートを、前記通信速度検出部により検出された通信速度以下にすることを特徴とする。
本発明によれば、映像データの各データブロックの映像ビットレートが映像配信サーバと車載装置との間の通信速度以下に限定される。これにより、車載装置が各データブロックを受信するのに要する時間が、各データブロックを再生するときの再生時間以内に抑えられるため、再生時間よりも早く各データブロックの受信が完了することとなるから、通信エラー等により一時的に受信が途絶えたとしても、映像再生の中断の発生頻度を抑制することが可能となる。
また本発明は、上記発明において、前記映像データは、複数に分割可能なフレーム構成を有する。
本発明によれば、映像データを複数のデータブロックに分ける処理が容易となる。
また上記目的を達成するために、本発明は、映像配信サーバからネットワークを介して車両に搭載された車載装置に対し、所定の映像ビットレートで符号化された映像データを先頭から順に配信する映像配信方法であって、前記映像配信サーバが配信する映像データを、先頭から順に複数のデータブロックに分けると共に、少なくとも先頭のデータブロックが他のデータブロックよりも映像ビットレートが低くなるように各データブロックの映像ビットレートを変換し、前記先頭のデータブロックから順番に前記車載装置に送信することを特徴とする。
また上記目的を達成するために、本発明は、ネットワークに接続された無線基地局と通信する無線部を備えた車載装置に対し、前記ネットワークを介して、所定の映像ビットレートで符号化された映像データを先頭から順に配信する映像配信サーバであって、前記映像データを先頭から順に複数のデータブロックに分けると共に、少なくとも先頭のデータブロックが他のデータブロックよりも映像ビットレートが低くなるように各データブロックの映像ビットレートを変換する配信用データ生成装置を備え、前記配信用データ生成装置により生成した各データブロックを先頭から順番に前記車載装置に送信することを特徴とする。
また上記目的を達成するために、本発明は、ネットワークに接続された無線基地局と通信する無線部を備えた車載装置に対し、前記ネットワークを介して、所定の映像ビットレートで符号化された映像データを先頭から順に配信する映像配信サーバを、前記映像データを先頭から順に複数のデータブロックに分けると共に、少なくとも先頭のデータブロックが他のデータブロックよりも映像ビットレートが低くなるように各データブロックの映像ビットレートを変換し、各データブロックを先頭から順番に前記車載装置に送信する手段として機能させることを特徴とする映像配信プログラムを提供する。
本発明に係る映像配信方法、映像配信サーバ及び映像配信プログラムによれば、本発明の映像配信システムと同様な効果を奏する。
なお、本発明に係る映像配信プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して実施することが可能である。
本発明によれば、少なくとも最初に送信されるデータブロックの映像ビットレートを低くして車載装置に送信される。したがって、少なくとも最初に送信されるデータブロックのデータサイズが小さくなるため、該データブロックの受信時間が短縮され、これにより、データブロックの受信を開始してから車載装置が映像データの再生を開始するまでの遅延時間を早めることが可能となる。さらに、この遅延時間を、先頭のデータブロックのデータサイズを適宜決定することで調整することが可能となる、などの効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る車載用映像配信システム1の構成を示す概略図である。
車載用映像配信システム1は、映像配信サービス提供業者が所有するサービスセンタ2に設置された1又は複数の映像配信サーバ3と、ネットワークの一例たるWAN(Wide Area Network)4と、このWAN4に通信可能に接続された複数の無線基地局(アクセスポイント)5と、車両6に搭載された車載装置7とを有し、この車載装置7は、上記無線基地局5と無線通信する無線部8と、映像表示や音声出力を行う車載AV機本体9とを備えている。
かかる構成の下、車載用映像配信システム1においては、映像配信サーバ3からWAN4及び無線基地局5を介して車載装置7に映像データ100(図3参照)がストリーミング配信され、車載装置7の無線部8が映像データを順次受信して車載AV機本体9に出力し、この車載AV機本体9が映像データ100に基づく映像表示、該映像データ100に含まれる音声データに基づく音声出力を行う。
図2は、上記映像配信サーバ3の機能的構成を示すブロック図である。
映像配信サーバ3は、制御部19と、WANI/F部10と、映像データ選択部11と、映像データ格納部12と、映像データ分割部13と、通信状態判定部14と、映像データビットレート変換部15とを有している。
制御部19は各部を中枢的に制御するものであり、プログラム実行手段、演算手段としてのCPUや記憶手段としてのROM17を有し、このROM17には、車載装置7に映像データ100を配信する制御処理を規定する映像配信プログラム18が格納されている。
WANI/F部10は、WAN4を介して車載装置7と双方向にデータ通信するための通信インタフェースであり、車載装置7の無線部8から送信された接続要求データや、車載装置7のユーザが配信を所望する映像を示す映像選択データなどの各種データを受信し、映像データ選択部11や通信状態判定部14、制御部19などに出力する。
映像データ選択部11は、車載装置7から受信した上記映像選択データを映像データ格納部12に出力する。
映像データ格納部12は、配信対象となる多数の映像データ100を格納し、映像選択データが入力された場合、この映像選択データが示す映像データ100を読み出して、映像データ分割部13に出力する。
映像データ格納部12に格納されている映像データ100は、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)などの所定の符号化圧縮方式(CODEC)により、所定の映像ビットレートにより符号化圧縮されて格納されている。
本実施形態では、図3に示すように、総再生時間が30分の映像データが4Mbit/sの映像ビットレートで符号化圧縮されている場合を説明する。
なお、この映像データには、映像データと共に、所定の符号化圧縮方式により符号化及び圧縮された音声データが含まれており、映像データの再生時には映像表示と共に音声出力も行われる。
映像データ分割部13、通信状態判定部14及び映像データビットレート変換部15は、映像データ100を複数のデータブロック101(図3参照)に分割し、また、各データブロック101の映像ビットレートを変換して、配信用の映像データを生成する配信用データ生成装置16を構成する。
詳述すると、映像データ分割部13は、映像データ格納部12から出力された映像データ100を、先頭から複数のデータブロック101(図3参照)に分け、各データブロック101を映像データビットレート変換部15に先頭から順番に出力する。
本実施形態では、図3に示すように、映像データ分割部13は、4Mbit/sの映像ビットレートで符号化圧縮されている総再生時間が30分の映像データ100を、5分の再生時間ごとに分割して6個のデータブロック101を生成する。
なお、映像データ分割部13が映像データ100を先頭から所定の再生時間ごとに分割する構成に限らず、例えば、映像データ100の先頭から所定のデータサイズごと、分割数などで重み付けしたデータサイズごと、或いは、ランダムといった各種の基準を用いて映像データ100を分割することが可能である。
また、映像データ100には、通常、映像の内容と連携した、チャプターと称される複数の区切り、或いは、MPEGなどの符号化圧縮方式において用いられる複数のキーフレームが含まれている。このキーフレームは、元の映像データを符号化圧縮して生成されたフレームデータ列の中で直前のフレームとの間に相関を持たないフレームであるであり、このフレームで映像データ100を分割した場合には、分割点のフレームを再符号化する必要がない。
したがって、映像データ分割部13は、上記チャプターが示す区切り位置で映像データ100を分割することで映像の内容に応じた分割を行い構成としても良く、また、キーフレームの位置ごとに映像データ100を分割することで、分割点の前後のフレームを再符号化する処理を不要にする構成としても良い。
次いで、図2に示す通信状態判定部14は、上記WANI/F部10が、上記接続要求データや映像選択データを受信した際に、これらの受信データに生じていたビットエラーレート、フレームエラーレート、及び、車載装置7が接続されている無線基地局5のサービスエリア内で接続されている移動体数等に基づいて、該車載装置7との間での通信に利用可能な通信データレートを算出し、映像データビットレート変換部15に出力する。
映像データビットレート変換部15は、映像データ分割部13からデータブロック101が入力されるごとに、通信状態判定部14によって計算された通信データレート、及び、該データブロック101の先頭からの順番に基づいて、データブロック101の映像ビットレートを決定し、この決定した映像ビットレートでデータブロック101の映像データを再度符号化圧縮してWANI/F部10に出力し、このデータブロック101が車載装置7に送信される。
映像データビットレート変換部15による映像ビットレートの決定、及び、再度の符号化圧縮について更に詳述する。
本実施形態では、複数のデータブロック101のうち、少なくとも先頭のデータブロック101の映像ビットレートを、他のデータブロック101の映像ビットレートよりも小さくすべく、先頭のデータブロック101から3番目のデータブロック101に対して、次のように映像ビットレートが規定されている。
すなわち、図3に示すように、
先頭のデータブロック101の映像ビットレートは元の映像ビットレートの1/8
2番目のデータブロック101の映像ビットレートは元の映像ビットレートの1/4
3番目のデータブロック101の映像ビットレートを元の映像ビットレートの1/2
とし、4番目以降のデータブロック101の映像ビットレートは元の映像ビットレートと同じ。
このようなデータブロック101の順番に基づく映像ビットレートの規定により、図3に示すように、先頭のデータブロック101の映像ビットレートが0.5Mbit/s、2番目のデータブロック101の映像ビットレートが1Mbit/s、3番目のデータブロック101の映像ビットレートが2Mbit/s、そして、4番目以降のデータブロック101の映像ビットレートが元と同じ4Mbit/sとして求められる。
ここで、車載装置7と映像配信サーバ3との間の通信速度(bps)が低い場合、映像データ100の総再生時間に対して、映像データ100の全部のデータブロック101を車載装置7が受信するまでの受信時間が長くなってしまい再生が途切れ途切れになる。
そこで、本実施形態では、通信状態判定部14によって計算された通信データレートをビットレートに変換してなる通信速度Baと、上記データブロック101の順番に基づいて決定した映像ビットレートBbとの比が少なくとも1以下になるように各データブロック101の映像ビットレートを補正する。
すなわち、映像データビットレート変換部15が決定するデータブロック送信時の映像ビットレートBcとすると、
1)Ba/Bb≦1の場合、Bc=Bb
2)Ba/Bb>1の場合、Bc=Ba×α(但しαは1以下の定数)
となる。
例えば通信速度Baが3Mbpsの場合、図3に示す例では、先頭から3番目までのデータブロック101の映像ビットレートBbは、通信速度Baよりも小さくなるため、映像データビットレート変換部15は、データブロック101の映像ビットレートBc=Bbに決定する。これに対して、4番目以降のデータブロック101の映像ビットレートBbは通信速度Baよりも大きくなるため、映像データビットレート変換部15は、4番目以降のデータブロック101の映像ビットレートBcを例えば3Mbit/sに決定して、各データブロック101を再度符号化圧縮して、データブロック101Aを順次生成する。
これにより、図3に示すように、各データブロック101Aを車載装置7が受信するに要する受信時間は、映像ビットレートが最も大きなデータブロック101Aでも、そのデータブロック101Aの映像の再生時間(本実施形態では5分)以下に抑えられ、さらに、映像ビットレートが最も小さい先頭のデータブロック101Aにおいては、その受信時間が通常よりも非常に短くされる。
そして、かかるデータブロック101Aを無線基地局5を介して車載装置7が順次受信することで、各データブロック101Aに基づく映像再生が行われることになる。
なお、映像データ100が音声データを含んでいる場合には、この音声データの音声ビットレートを加味して、上記定数αを設定する。
すなわち、データブロック送信時の映像ビットレートBcが、通信速度Baから音声ビットレートBdを差し引いたビットレート以下となるように、上記定数αを決定し、1つのデータブロック101Aを送信するのに要する時間を、該データブロック101Aを再生したときの再生時間以内に確実に収まるようにする。
図4は、前掲図1に示した無線基地局5の機能的構成を示す図である。
無線基地局5は、WAN4を介して映像配信サーバ3と通信するための通信インタフェースであるWANI/F部20と、無線LANの規格に準拠して車載装置7と無線通信する無線LAN部21と、データ通信の中継動作を制御する基地局データ制御部22とを有し、映像配信サーバ3と車載装置7との双方向データ通信を中継する中継機として機能する。
図5は、前掲図1に示した車載装置7の構成を示す図である。
車載装置7は、図5に示すように、主制御部30と、無線LAN部31と、表示部32と、オーディオ部33と、ユーザI/F(インタフェース)部34とを備えている。
主制御部30は、各部を中枢的に制御するものであり、プログラム実行手段としてのCPUや信号処理手段としてのDSP、ユーザI/F部34からの入力等のO(Input/Output)制御を実行するI/O制御部を有している。また、主制御部30は、記憶手段としてのROM35及びRAM36を有し、このROM35には、映像データ受信プログラム37等の各種プログラムやデータが格納されている。
映像データ受信プログラム37は、映像配信サーバ3から映像データを受信して再生するためのプログラムであり、この映像データ受信プログラム37を主制御部30が実行することによって、データ通信制御や映像データの復調、再生制御といった各種の制御を行うことになるが、これについては、後に詳述する。
無線LAN部31は、OSI参照モデルにおける物理層、データリンク層及びメディアアクセス層の処理を担っており、トランスポート層やセッション層等のメディアアクセス層よりも上層の処理を主制御部30が実行することで、主制御部30との協働の下、無線基地局5と無線通信すると共に、この無線基地局5及びWAN4を介して映像配信サーバ3と双方向に通信する。そして、該無線LAN部31及び主制御部30により、図1に示す無線部8が構成されている。
表示部32は、フラットパネルディスプレイの一例たる液晶パネルと、この液晶パネルを駆動する駆動部とを有し、主制御部30の制御の下、映像配信サーバ3から受信した映像データに基づく映像表示や、メニュー画面の表示といった各種表示を行う。
オーディオ部33は、音声信号を増幅するアンプ、このアンプによって増幅された音声信号に基づいて音を車室内に出力するスピーカ装置を有し、主制御部30の制御の下、映像配信サーバ3から受信した映像データに含まれている音声データを再生する。
ユーザI/F34は、タッチパネル、スイッチなどの各種操作装置や赤外線リモコン受信装置とったユーザによる操作を入力する入力装置であり、このユーザI/F部34からは、例えば、映像配信サーバ3に対する映像データのダウンロード要求や、ダウンロードする映像データの選択のための操作が入力され、主制御部30に出力される。
なお、主制御部30、表示部32、オーディオ部33及びユーザI/F部34により、図1に示す車載AV機本体9が構成されている。
次いで、車載装置7の主制御部30が映像データ受信プログラム37を実行することで実現される車載装置7の機能的構成を説明する。
図6は車載装置7の機能的構成を示すブロック図である。
この図に示すように、主制御部30は、映像データ受信プログラム37を実行することで、映像配信サーバ接続制御部40、送信部41、受信部42、受信データ処理部43、及び、映像データ復調・再生部44として機能する。
映像配信サーバ接続制御部40は、ユーザによってユーザI/F部34から映像配信の要求が入力された場合に、映像配信サーバ3に対する接続要求を送信部41に出力する。
送信部41は、映像配信サーバ3に対して送信する各種データの通信データを、所定の通信プロトコルに従って生成するものであり、映像配信サーバ接続制御部40から接続要求が入力された場合には、接続要求データを生成し無線LAN部31に出力し、この無線LAN部31から映像配信サーバ3に送信する。
受信部42は、WAN4を介して映像配信サーバ3から受信した各種の通信データから上記所定の通信プロトコルに従って受信データを生成し受信データ処理部43に出力する。
受信データ処理部43は、上記受信部42から出力された受信データに含まれている各種データを生成するものであり、映像データ100のデータブロック101Aが含まれている場合には、このデータブロック101Aを映像データ復調・再生部44に出力する。
映像データ復調・再生部44は、映像データ100のデータブロック101Aが入力されると、そのデータブロック101Aに対して施された上記所定の符号化圧縮を復調して映像データ及び音声データを生成し、映像データを表示部32に出力すると共に、音声データをオーディオ部33に出力する。これにより、映像及び音声の再生が行われる。
ここで、上記映像データ復調・再生部44には、バッファメモリ45が設けられており、このバッファメモリ45には、受信中のデータブロック101Aのデータが順次バッファリング(蓄積)される。配信された映像を再生する際には、先ず、映像データ100の先頭のデータブロック101Aを全てバッファメモリ45にバッファリングした後、該データブロック101Aの再生が行われる。そして、この再生と並行して、次のデータブロック101Aのデータがバッファメモリ45にバッファリングされる。
次いで、本実施形態に係る車載用映像配信システム1の動作について説明する。
図7は、車載装置7及び映像配信サーバ3の動作を共に示すシーケンス図である。
映像配信サーバ3から映像配信を受ける旨を、ユーザが車載装置7のユーザI/F34から入力すると、車載装置7は、接続要求データを映像配信サーバ3に送信する(ステップS1)。
映像配信サーバ3は、上記接続要求データを受信することで接続要求を受け付け、そして、映像データ格納部12に格納されている配信可能な映像データ100のリストを車載装置7に送信する(ステップS2)。なお、この接続要求の受け付け時には、ユーザの認証処理も行われている。
車載装置7は、リストを受信すると、配信を要求する映像をユーザに選択させるべくリストを表示部32に表示し、ユーザの選択結果をユーザI/F部34から取得し、映像選択データとして映像配信サーバ3に送信する(ステップS3)。
映像配信サーバ3は、映像選択データを受信すると、ユーザによって選択された映像データ100を映像データ格納部12から読み出す(ステップS4)。
また、映像配信サーバ3においては、上記ステップS1にて受信した接続要求データ、或いは、上記ステップS3において受信した映像選択データに基づいて、通信状態判定部14が、車載装置7と映像配信サーバ3との間の通信速度Baを算出する(ステップS5)。
次いで、映像配信サーバ3は、ステップS4において読み出した映像データ100を、所定の分割基準に基づいて先頭から順に複数のデータブロック101に分割し(ステップS6)、これらのデータブロック101に対して先頭のデータブロック101から順に以下の処理を行う。
すなわち、映像配信サーバ3は、処理対象のデータブロック101の先頭からの順番と、上記ステップS5にて算出した通信速度Baとに基づいて、このデータブロック101の映像ビットレートBcを設定し、この映像ビットレートBcと、データブロック101の現在の映像ビットレートBbとが異なる場合には、このデータブロック101を映像ビットレートBcで再度符号化圧縮を行ってデータブロック101Aを生成し(ステップS7)、このデータブロック101Aを車載装置7に送信する(ステップS8)。
そして、映像配信サーバ3は、これらステップS7及びステップS8の処理を、全てのデータブロック101Aについて行った後(ステップS9:Y)、処理を終了する。
車載装置7においては、上記ステップS8において映像配信サーバ3から送信されたデータブロック101Aを受信し(ステップS10)、バッファメモリ45に順次バッファリングし、先頭のデータブロック101Aの受信が完了したときに、そのデータブロック101Aの映像データの再生を開始する(ステップS11)。
これにより、前掲図3に示すように、映像データ100の先頭のデータブロック101Aの受信を開始してから該データブロック101Aの受信が完了するまでの遅延時間Taの後に、該データブロック101Aの再生が開始される。
この遅延時間Taは、上記のように、先頭のデータブロック101Aの映像ビットレートBcに依存する。この映像ビットレートBcは、他のデータブロック101Aの通常の映像ビットレートBbよりも小さくされているため受信時間が短縮され、これにより、上記遅延時間Taが短縮され、再生開始までの待ち時間が短縮される。
次いで、図7に示すように、車載装置7は、全データブロック101Aの受信が完了するまで、上記ステップS10及びS11を継続して実行し、全データブロック101Aの受信が完了したときに(ステップS12:Y)、処理を終了する。
なお、この処理の終了時に、未再生のデータブロック101Aがバッファメモリ45に蓄積されている場合には、これらのデータブロック101Aの再生が終了するまで、映像の再生処理は継続される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、映像配信サーバ3から映像データを車載装置7に送信する際に、映像データ100を先頭から順に複数のデータブロック101に分けると共に、少なくとも先頭のデータブロック101の映像ビットレートを、他のデータブロック101の所定の映像ビットレートBbよりも低くした各データブロック101Aを車載装置7に順次送信する構成とした。
この構成により、少なくとも最初に車載装置7に送信されるデータブロック101Aのデータサイズが通常よりも小さくなるため、該データブロック101Aの全データを受信するのに要する受信時間が短縮され、これにより、データブロック101Aの受信を開始してから車載装置7が映像データの再生を開始するまでの遅延時間Taを早めることが可能となる。さらに、この遅延時間Taを、先頭のデータブロック101Aのデータサイズを適宜決定することで調整することができる。
さらに、データブロック101Aの受信時に通信エラー等が生じ、一時的に受信が途絶えたりしてデータブロック101Aの受信時間が延びた場合でも、映像ビットレートを低くしたデータブロック101Aにより受信時間が短縮されているため、受信時間の延長の影響を少なくすことができる。
さらに、映像ビットレートを低くするデータブロック101Aを先頭から幾つかのデータブロック101Aに限定することで、映像ビットレートの低下に伴う画質劣化を抑制することができる。
特に映画やドラマといった映像の場合、再生当初の部分にはオープニング映像などの本編とあまり関係の無い映像が含まれていることが多いため、再生冒頭部分での画質低下は本編視聴に大きな影響を与える事はない。
また、本実施形態によれば、映像配信サーバ3から送信されるデータブロック101Aのそれぞれの映像ビットレートBcを、映像配信サーバ3と車載装置7との間の通信速度Baよりも低くする構成とした。
この構成により、車載装置7が各データブロック101Aを受信するのに要する受信時間が、各データブロック101Aを再生するときの再生時間以内に抑えられるため、再生時間よりも早く各データブロック101Aの受信が完了することとなるから、通信エラー等により一時的に受信が途絶えたとしても、映像再生の中断の発生頻度を抑制することが可能となる。
また映像データ100が複数に分割可能なフレーム構成を有するように符号化圧縮することで、該映像データを複数のデータブロック101に分ける処理が容易となる。
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態において、映像配信サーバ3が、映像データ分割部13、通信状態判定部14、及び、映像データビットレート変換部15を有する配信用データ生成装置16を備える構成としたが、これに限らず、この配信用データ生成装置16を、映像配信サーバ3と別体に設けても良い。
すなわち、映像配信サーバ3とWAN4との間に、上記配信用データ生成装置16を介在させ、映像配信サーバ3が出力した映像データ100を、上記配信用データ生成装置16により複数のデータブロック101に分割し、各データブロック101の映像ビットレートを変換するようにしても良い。
また、上述した実施形態において、映像配信サーバ3が車載装置7のみに映像データ100を配信する場合を例示したが、車載装置7に加え、例えば、携帯電話機やノート型パソコン、PDA等の移動端末に対して映像データ100を配信しても良いことは勿論である。この場合、車載装置7に対して映像データ100を配信する場合と同様に、映像データ100を複数のデータブロック101に分割して配信しても良いし、また、通常のストリーミング配信と同様に配信しても良い。
また、上述した実施形態において、車載装置7と映像配信サーバ3との間の通信速度Baを算出する通信状態判定部14を映像配信サーバ3に設けた構成について説明したが、これに限らず、車載装置7に設け、通信速度Baの算出結果を映像配信サーバ3に送信する構成としても良い。
また、上述した実施形態において、映像データ100が、一定の映像ビットレートで予め符号化圧縮されている場合を例示したが、これに限らず、単位フレームあたりの映像のデータ量及び前後フレームとの相関に応じて映像ビットレートを可変させて符号化圧縮されていても良い。
車載用映像配信システムの構成を示す概略図である。 映像配信サーバの機能的構成を示すブロック図である。 映像データのデータブロックと共に配信の態様を示す図である。 無線基地局の機能的構成を示すブロック図である。 車載装置の構成を示す図である。 車載装置の機能的構成を示すブロック図である。 車載用映像配信システムの動作を示すタイミングチャート。
符号の説明
1 車載用映像配信システム
3 映像配信サーバ
4 WAN
5 無線基地局
6 車両
7 車載装置
8 無線部
12 映像データ格納部
13 映像データ分割部
14 通信状態判定部
15 映像データビットレート変換部
16 配信用データ生成装置
18 映像配信プログラム
19 制御部
45 バッファメモリ
100 映像データ
101、101A データブロック
Ba 通信速度
Bb、Bc 映像ビットレート
Ta 遅延時間

Claims (6)

  1. ネットワークに接続された無線基地局と通信する無線部を備えた車載装置と、
    前記車載装置に対して前記ネットワークを介して、所定の映像ビットレートで符号化された映像データを先頭から順に配信する映像配信サーバとを備えた映像配信システムであって、
    前記映像データを先頭から順に複数のデータブロックに分けると共に、少なくとも先頭のデータブロックが他のデータブロックよりも映像ビットレートが低くなるように各データブロックの映像ビットレートを変換する配信用データ生成装置を備え、
    前記映像配信サーバは、前記配信用データ生成装置によって生成された各データブロックを先頭から順に前記車載装置に送信する
    ことを特徴とする映像配信システム。
  2. 請求項1に記載の映像配信システムにおいて、
    前記配信用データ生成装置は、
    前記映像配信サーバと前記車載装置との間の通信速度を検出する通信速度検出部を有し、
    前記データブロックのそれぞれの映像ビットレートを、前記通信速度検出部により検出された通信速度以下にすることを特徴とする映像配信システム。
  3. 請求項1又は2に記載の映像配信システムにおいて、
    前記映像データは、複数に分割可能なフレーム構成を有することを特徴とする映像配信システム。
  4. 映像配信サーバからネットワークを介して車両に搭載された車載装置に対し、所定の映像ビットレートで符号化された映像データを先頭から順に配信する映像配信方法であって、
    前記映像配信サーバが配信する映像データを、先頭から順に複数のデータブロックに分けると共に、少なくとも先頭のデータブロックが他のデータブロックよりも映像ビットレートが低くなるように各データブロックの映像ビットレートを変換し、前記先頭のデータブロックから順番に前記車載装置に送信することを特徴とする映像配信方法。
  5. ネットワークに接続された無線基地局と通信する無線部を備えた車載装置に対し、前記ネットワークを介して、所定の映像ビットレートで符号化された映像データを先頭から順に配信する映像配信サーバであって、
    前記映像データを先頭から順に複数のデータブロックに分けると共に、少なくとも先頭のデータブロックが他のデータブロックよりも映像ビットレートが低くなるように各データブロックの映像ビットレートを変換する配信用データ生成装置を備え、
    前記配信用データ生成装置により生成した各データブロックを先頭から順番に前記車載装置に送信することを特徴とする映像配信サーバ。
  6. ネットワークに接続された無線基地局と通信する無線部を備えた車載装置に対し、前記ネットワークを介して、所定の映像ビットレートで符号化された映像データを先頭から順に配信する映像配信サーバを、
    前記映像データを先頭から順に複数のデータブロックに分けると共に、少なくとも先頭のデータブロックが他のデータブロックよりも映像ビットレートが低くなるように各データブロックの映像ビットレートを変換し、各データブロックを先頭から順番に前記車載装置に送信する手段
    として機能させることを特徴とする映像配信プログラム。
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