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JP2008229966A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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JP2008229966A
JP2008229966A JP2007070977A JP2007070977A JP2008229966A JP 2008229966 A JP2008229966 A JP 2008229966A JP 2007070977 A JP2007070977 A JP 2007070977A JP 2007070977 A JP2007070977 A JP 2007070977A JP 2008229966 A JP2008229966 A JP 2008229966A
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JP2007070977A
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Tsutomu Obata
力 小幡
Yoji Ara
洋治 荒
Takeaki Shima
丈明 島
Eiichi Adachi
栄一 安立
Naoaki Wada
直晃 和田
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Abstract

【課題】 プラテンに形成されたインク受け口にインクを吐出するときに、吸引機構内のインクの堆積による吸引能力の低下を防ぐことができるインクジェット記録装置を提供する。インク受け口にインクを吐出するときに、インクミストが装置内へ飛散することを防ぐことができるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】 記録ヘッド4から吐出されるインクを受けるためにプラテン3に形成されたインク受け口18と、装置内の空気を吸引する吸引機構21、25と、インク受け口に吐出されたインクのインクミストを吸引機構へ導入するための連通口22と、吸引機構に導入されたインクミストを液化するための液化手段24と、液化手段で液化されたインクを回収するためのインク回収部16と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録ヘッドからプラテン上の被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関する。
コンピュータやワークステーションの出力装置として、記録ヘッドにより画像情報に基づいてシート状の被記録材に記録を行う記録装置が使用されている。記録装置には、インクジェット式、熱転写式、感熱式、レーザービーム式、ワイヤドット式など種々の記録方式ものがある。走査方式には、被記録材の幅方向に記録ヘッドを移動させる主走査と被記録材を所定ピッチで搬送する副走査とを交互に繰り返して記録を行うシリアルタイプと、被記録材幅方向に長い記録ヘッドを用いて副走査のみで記録を行うラインタイプがある。被記録材の材質には、紙、布、プラスチックシート、写真調印画紙、OHPシートなどの種々の材質がある。
インクジェット式の記録装置(インクジェット記録装置)では、画像情報に基づいて記録ヘッドの吐出口から被記録材へインクを吐出して記録を行う。インクジェット記録装置においては、記録ヘッドのインク吐出性能を維持回復するための回復ユニットが使用されている。回復ユニットは、例えば、キャップ、吸引ポンプ、ワイパーなどを備えている。キャップは、記録ヘッドの吐出口を覆うことでインクの乾燥を防止したり吐出面を保護するものである。吸引ポンプは、キャップ内に負圧を作用させて吐出口からインクを吸引することで吐出口内のインクをリフレッシュするのに使用される。ワイパーは、吐出面に付着したインク等の異物を拭き取り除去するものである。さらに、良好なインク吐出を維持するために記録以外のインクを吐出する予備吐出も行われており、その場合は、吐出インクを受けるための予備吐出口であるインク受け口が設けられる。
上記の吸引ポンプで吸引されたインクは、装置本体に配された廃インクタンク等のインク回収部へ導かれる。上記の予備吐出されたインクも、廃インクタンク等のインク回収部で回収される。インク回収部には、廃インクを吸収して貯蔵するためのインク吸収体が配されている。インク回収部は、一般に着脱可能であり、廃インクの吸収量がインク吸収体の容量の限界に達すると、その旨をユーザーに知らせることで交換を促される。
このようなインクジェット記録装置においては、鮮明な画像形成のために微細なインク滴を吐出する必要があり、そのためには、微細な吐出口を高密度で配置することが要請される。一方、正常なインク吐出のためには、各吐出口における増粘インクや気泡等による目詰まりを解消する必要がある。そのための一つの手段として、各吐出口から記録以外のインクを周期的に吐出する予備吐出が行われている。予備吐出を行うためには、吐出されるインクを受けとめて回収するためのインク受け口及びインク回収部が必要である。このインク回収部は、上記の回復ユニットからの廃インクを回収するために使用することもできる。
図8は予備吐出されるインクを処理するための従来の第1の構成例を示す平面図である。図9は図8の中央縦断面図である。図8及び図9において、記録ヘッドに対向して配置されたプラテン103に複数のインク受け口118が配置されている。これらのインク受け口118は、ふちなし記録(余白無し記録)において被記録材の外側に吐出されるインクを受けるための開口であり、被記録材のサイズに応じて複数箇所に配置されている。また、プラテン103とは別の左右の2箇所に予備吐出口117が配されている。この予備吐出口は、上記の予備吐出で吐出されるインクを受けるための開口部である。各予備吐出口117の下方には、タンク構造をしたインク回収部116が配されている。
プラテン103の下側には、図示右側のインク回収部116に通じるプラテンダクト121が一体的に設けられている。このプラテンダクト内の底面はインク回収部116へ向けて低くなるように傾斜している。ふちなし記録によりはみ出したインクは、インク受け口118を通してプラテンダクト121内へ落下し、傾斜した底面に沿ってインク回収部116へ導入され、そこに収容される。廃インクタンクであるインク回収部116は、プラテン103を外れた位置に配設された回復ユニット111の下方に配されている。
第1の構成例で予備吐出を行うときは、両側の予備吐出口117のいずれかの位置まで記録ヘッドを移動させてインクを吐出することになる。しかし、これでは、予備吐出の度に、記録シートSのサイズに関わらず、記録ヘッドを装置本体の端部まで移動させる必要がある。このため、記録シートSが小さい場合でも、記録動作の速度が向上せず、記録動作のスループットを向上させることができない。
また、各インク受け口118は、ふちなし記録の際のインクミスト発生による装置内部の汚染を防ぐために負圧に保たれている。しかし、第1の構成例では、各インク受け口118は共通のプラテンダクト121に連通しており、独立空間になっていない。このため、プラテンダクト内でインク堆積が生じる可能性がある。すなわち、図9に示すように、プラテンダクト121内部のC個所でインクの堆積を生じたとすると、次にA個所及びB個所で予備吐出されたインクがC個所でせき止められてしまう。このため、予備吐出されたインクがインク回収部116へ導入されなくなり、該インク中のインクミストが装置内に飛散して内部の部品や部材を汚してしまう可能性がある。
図10は備吐出されるインクを処理するための従来の第2の構成例を示す平面図である。図11は図10中のインク受け口の内部構造を示す断面斜視図である。図10及び図11において、記録ヘッド104に対向する位置で記録シートSを支持するプラテン103の複数箇所に、インク受け口118が設けられている。各インク受け口118は、ふちなし(余白無し)記録において被記録材の端縁の外側に吐出されるはみ出しインクを受けるための開口であり、被記録材のサイズに応じた複数位置に配されている。プラテン103の下側にプラテンダクト121が一体に配置されており、このプラテンダクトの下側にはインク回収部116が配置されている。プラテンダクト121は空気を吸引する不図示の排気ファンに通じている。プラテン103の上面には、複数の吸引孔120が所定の配列で形成されている。各吸引孔120は、プラテンダクト121に通じており、装置内の空気を吸引することができる。そして、吸引孔120から空気を吸引することで、搬送される記録シートSをプラテン上に密着させ、記録ヘッド104と記録シートSとの間に正確な隙間を形成している。
第2の構成例では、ふちなし記録のための各インク受け口118を予備吐出口としても使用している。その場合、記録シートSの幅基準と反対側から1つ目のインク吐出口を利用して予備吐出を行うことができる。このため、記録シートSのサイズに関わらず、予備吐出のための記録ヘッド104の移動量を大幅に低減することができ、記録動作のスループットの向上を図ることができる。つまり、第1の構成例におけるスループットの低下の課題を解決することができる。さらに、各インク受け口118に吐出されたインクは、プラテン103の下方に設置されたインク回収部116に直接回収することができる。このため、プラテンダクト121内に生じるインク堆積(図9中のインク体積C)により廃インクがせき止められることもない。なお、回復ユニット111から排出される廃インクは、チューブ123を介してインク回収部116へ導入される。また、各インク受け口118の近傍で発生するインクミストは、ミスト吸引口122を通してプラテンダクト121内へ吸引することができる。
一方、第2の構成例においては、次のような課題がある。すなわち、インク受け口118に予備吐出されるインク(その主滴)が、インク回収部116内に着弾する際の衝突、並びにミスト吸引口122による引き込みなどに起因して霧状に飛散し、かかるインク飛散によりインクミストが発生するという不都合がある。こうして発生したインクミストは、記録ヘッド104の移動に伴って、その後方に発生する負圧によって巻き上げられ、装置内部の部品や部材に付着する。この付着インクミストは、メンテナンスの際にユーザーの手を汚したり、摺動部の円滑な動きを阻害したり、エンコーダやセンサの誤動作を引き起こすなどの不都合の原因となることがある。
このような不都合を防止するため、特許文献1には、装置内部のインクミストを外部に排出する排気ファンとインク回収ダクトとから吸引機構を設ける構成が開示されている。また、このような構成に、図11中のミスト吸引口122を設けることで、予備吐出したインクの一部であるインクミストをプラテンダクト121内に回収し、装置内への飛散を防止することは可能である。
特開2001−191557号公報
しかしながら、このような従来の構成では、予備吐出されてプラテンダクト内に収容された一部のインクが蒸発、乾燥すると、粘度が高い成分のみが析出されてプラテンダクト内に堆積する可能性がある。インクの堆積が生じると、インクミストを吸引する吸引機構の機能が低下してしまい、装置内へのインクミストの飛散に伴う部品や部材のインク汚れや機能不全を防ぐことが困難になってしまう。
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、プラテンに形成されたインク受け口にインクを吐出するときに、吸引機構内のインクの堆積による吸引能力の低下を防ぐことができるインクジェット記録装置を提供することである。また、本発明の目的は、インク受け口にインクを吐出するときに、インクミストが装置内へ飛散することを防ぐことができるインクジェット記録装置を提供することである。
本発明は、記録ヘッドからプラテン上の被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、記録ヘッドから吐出されるインクを受けるために前記プラテンに形成されたインク受け口と、装置内の空気を吸引する吸引機構と、前記インク受け口に吐出されたインクのインクミストを前記吸引機構へ導入するための連通口と、前記吸引機構に導入されたインクミストを液化するための液化手段と、前記液化手段で液化されたインクを回収するためのインク回収部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、プラテンに形成されたインク受け口にインクを吐出するときに、吸引機構内のインクの堆積による吸引能力の低下を防ぐことができるインクジェット記録装置が提供される。また、本発明によれば、インク受け口にインクを吐出するときに、インクミストが装置内へ飛散することを防ぐことができるインクジェット記録装置が提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。図2は本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の斜視図である。図2において、被記録材である記録シートSは、搬送ローラ1とこれに従動回転する複数のするピンチローラ2とに挟持され、搬送ローラ1の回転によりプラテン3に支持されながら矢印A方向に搬送される。ピンチローラ2は不図示のピンチローラホルダに回転自在に保持され、弾性力により搬送ローラ1に押圧されている。記録ヘッド4は、記録シートSに向かってインクを吐出する姿勢でキャリッジ7に着脱可能に搭載されている。
記録ヘッド4は、画像情報に基づいて複数の吐出口から選択的に被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドである。また、記録ヘッド4には、それぞれが異なる色のインクを吐出する複数の吐出口列が設けられている。そして、記録ヘッド4から吐出されるインク色に対応して複数のインクタンク8が、タンク装着ユニット9に着脱可能に装着されている。タンク装着ユニット9と記録ヘッド4は、各インク色に対応した複数のインクチューブ10によって接続されている。各インクタンク8をタンク装着ユニット9に装着することで、各インクタンク8内のインクを、各インクチューブ10を通して、記録ヘッド4の対応する各吐出口列に個別に供給することができる。
プラテン3は、搬送される記録シートSと記録ヘッド4の吐出面(吐出口が配列されたフェイス面)との間に適正な隙間を維持するように、該記録シートSの裏面を支持する。プラテン3の一端部にはシート押さえ14が設けられている。このシート押さえは、搬送方向Aと交差する方向における記録シートSの端部の浮きを規制するものである。記録ヘッド4を搭載したキャリッジ7は、2本のガイドレール5、6に沿って移動可能に支持されており、不図示の駆動源により往復駆動される。キャリッジ7の移動方向は、記録シートSの搬送方向(矢印A方向)と交差する主走査方向である。記録シートSの搬送方向は副走査方向である。プラテン3上に支持された記録シートSに対し、記録ヘッド4により画像を記録する。記録された記録シートSは、排出ローラ12と拍車13で挟持され、排出ローラ12の搬送ローラ1との同期回転により装置本体外へ排出される。
記録ヘッド4の移動範囲内であって、記録シートSの通過範囲を外れた領域の所定位置(例えば記録ヘッドのホームポジション)には、記録ヘッド4のインク吐出性能を維持回復するための回復ユニット11が配置されている。回復ユニット11には、記録ヘッド4の吐出口を覆うためのキャップ、このキャップに接続された吸引ポンプ、並びに記録ヘッドの吐出面を拭き取り清掃するためのワイパーなどが設けられている。キャップは吐出口内のインクの増粘を防ぐとともに吐出面を保護する。吸引ポンプは、キャッピングした吐出口から強制的にインクを吸引することで、吐出口内のインクをリフレッシュする。ワイパーは、吐出面に付着したインクや紙粉等の異物を除去する。プラテン3の下側には廃インクタンク16が装着されている。回復ユニット11から排出された廃インクはタンク構造をしたインク回収部16内へ導入される。
インク回収部16はユーザーによって交換可能である。インク回収部16はプラテン3の下側に着脱可能に装着されるものであり、プラテン3には、被記録材搬送方向と交差する方向における複数箇所にインク受け部18が設けられている。各インク受け口18は、後述するように、記録シートSにふちなし記録を行う場合に該記録シートの外側(はみ出し位置)に吐出されたインクを受けるための開口部である。このインク受け口18は、予備吐出で吐出されるインクを受けるためにも使用される。予備吐出は、インク色の異なる吐出口間の混色を解消したり、吐出口内のインクをリフレッシュしたりするために、記録以外のインクを吐出する操作であり、通常、一定の周期ごとに行われる。インク回収部16は、ふちなし記録や予備吐出でインク受け口18に吐出されたインクを回収するものであり、本実施形態ではタンク構造をしている。
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置のインク受け口と吸引機構とインク回収部を示す縦断面図である。図3は図1の平面図である。図4は図3中のD部のプラテンダクトの内部構造を示す平面断面図である。図1〜図4を用いて、本実施形態に係るインクジェット記録装置の予備吐出のための構成及び動作について説明する。図1〜図4において、装置本体に固定されたプラテンダクト21の上側にはプラテン3が一体的に配されており、プラテンダクト21の下側にはインク回収部16が交換可能に装着されている。プラテン3には、プラテンダクト21の内部に通じる複数の吸引孔20が所定の配列をなして形成されている。プラテンダクト21の所定位置には吸引ファン(又は排気ファン)25が配されている。吸引ファン25の作動により、プラテンダクト21を介して吸引孔20から装置内の空気を吸引する。その際に各吸引孔20に作用する負圧吸引力により、プラテン3上の記録シートSは該プラテンの上面に吸着された状態で搬送される。つまり、本実施形態では、被記録材をプラテン3に密着させるために吸引孔20から空気を吸引するように構成されている。これにより、被記録材である記録シートSの記録面と記録ヘッドの吐出面との距離が適正に維持される。
プラテン3には、記録シートにふちなし記録を行う際に端縁の外側に吐出されるインクを受けるためのインク受け口18が設けられている。インク受け口18は、使用される各種サイズの記録シートSの端縁に対応する複数箇所に設けられている。本実施形態では、記録ヘッド4の吐出口から記録以外のインクを吐出する予備吐出が行われるが、この予備吐出はインク受け口18に向けて行われる。複数のインク受け口18のうち、予備吐出を行うインク受け口としては、通常、ふちなし記録が行われる記録シートの端縁に対応する位置より、記録シート基準側と反対側へ1つ目の位置にあるインク受け口が選択される。すなわち、記録中の記録シートは片側の端縁を基準として搬送されるが、本実施形態における予備吐出は、通常、記録中の記録シートの端縁の位置よりも非基準側へ1つ分だけ離れた位置のインク受け口に向けて行われる。そして、記録シートSのサイズが大きくなるのに伴って、それぞれサイズよりも1つ分だけ非基準側に離れた位置にあるインク受け口18において予備吐出が行われる。
以上の構成により、吸引ファン25、プラテンダクト21及び吸引孔20により、プラテン3に形成された吸引孔20から装置内の空気を吸引する吸引機構が構成されている。また、プラテン3には、ふちなし記録の際に被記録材(記録シートS)の外側に吐出されるインクを受けるインク受け口18が形成されており、このインク受け口18は予備吐出で吐出されるインクを受けるためにも使用される。なお、本実施形態では、プラテンダクト21がプラテン3の下側に一体的に構成されていることから、インク受け口18はプラテン3に開口する形で形成され、その内部はプラテン3及びプラテンダクト21によって形成されている。さらに、プラテンダクト21の下側にインク回収部16が装着されることから、インク受け口18はインク回収部16の一部によっても形成されている。
ふちなし記録もしくは予備吐出で記録ヘッド4から吐出されるインクは、インク受け口18内で主滴とインクミストに分けられ、それぞれ別の経路を経てインク回収部16内に回収される。すなわち、記録ヘッド4からインク受け口18へ吐出されるインクの主滴は、図1中の矢印Kで示すように、その重力によって、インク受け口18の下方に配されたインク回収部16内に直接、直ちに収容される。インク回収部16内のインクの主滴を収容する部分30には、廃インクを吸収して貯蔵するためのインク吸収体19が装填されている。
一方、インク受け口18中に吐出されるインク中のミスト状部分(インクミスト)は、自重が非常に小さく着弾能力が乏しいため、吐出されるときの初速を直ちに失ってしまう。ここで、インク受け口18の壁面には、該インク受け口の内部とプラテンダクト21の内部とを連通する連通口22が形成されており、プラテンダクト21の内部には吸引ファン25による吸引力が作用している。このため、インク受け口18に吐出されたインクのインクミストは、連通口22を通してプラテンダクト21内へ引き込まれる。つまり、インク受け口18内のインクミストは、装置内の空気を吸引する吸引機構へ導入される。
プラテンダクト21の内部には、連通口22から吸引機構に導入されたインクミスト及び空気が衝突する仕切り壁24が設けられている。連通口22から導入されるインクミストは、液化面を形成する仕切り壁24に衝突することによって液化され、液状のインクに戻される。つまり、仕切り壁24は、吸引機構に導入されたインクミストを液化するための液化手段を構成している。液化手段である液化壁24の下方には、プラテンダクト21内からインク回収部16の内部へ通じるインク導入口26が形成されている。従って、インク受け口18から吸い込まれたインクミストは、プラテンダクト21内の液化壁24に衝突して液化された後、流動性をもった状態で、図1中の矢印Mで示すように、インク導入口26を通してインク回収部16内落下する。従って、インクミストを液状化したインクは、インク回収部16内の上記主滴を回収する部分30とは別の収容部分31に回収される。
この際、インクミストとともに吸い込まれた空気は、液化されたインクミストが分離された後、液化壁24を迂回して再びプラテンダクト21内に流入し、吸引ファン25から外部へ排出される。図示の例では、矢印で示すように、インク導入口26を通して一旦インク回収部16内へ進入した後、別の開口からプラテンダクト21内へ吸い込まれるように構成されている。このように、本実施形態では、インク回収部16は、その一部が吸引機構(プラテンダクト21)の一部を構成している。換言すれば、吸引機構のプラテンダクト21の一部がインク回収部16の一部で構成されている。なお、本実施形態では、図1に示すように、インク受け口18に吐出されるインクの主滴を回収する回収部30と、インクミストを液化させたインクを収容する回収部31は、タンク構造をした1つのインク回収部16内に配されている。つまり、着脱可能な同じ容器内に設けられている。しかし、これは、必要に応じて、別のインク収容部で構成しても良く、さらに、別の場所に配しても良い。
なお、液化手段24等を設けず、インクミストを液化させない場合は、このミストインクがプラテン3の吸引孔20から装置内へ飛散し、記録シート4の背面を汚したり、装置内を汚したりする可能性がある。特に、装置内に飛散したインクミストは、キャリッジ7の動きによって装置内に浮遊し、部品や部材のインク汚染の原因となる。本実施形態では、液化手段としての液化壁24を設けるので、このようなインク汚染を防止することができる。
ところで、インク受け口18とプラテンダクト21の間の連通口22は、その断面を十分に小さくすることができ、そのままでも負圧維持に問題が生じることはない。これに対し、インク導入口26は、インクミストが液化して流動性をもったインクをインク回収部16内へ確実に導くために、ある程度の大きさの開口面積が必要である。また、インク回収部16は吸引機構を構成するプラテンダクト21に対し着脱可能に装着されており、インク導入口26はプラテンダクト21及びインク回収部16を貫通して形成されている。従って、プラテンダクト21内の負圧を維持するためには、インク導入口26における密封性を確保する必要がある。そこで、インク回収部16のインク導入口26の周囲には、密封性を確保するための封止構造が設けられている。次に、図5〜図7を用いて、インク導入口26の封止構造について説明する。
図5はプラテンダクト21及びインク回収部16のインク導入口26の近傍の縦断面図である。図6は図5中の線6−6に沿ったインク回収部16の上面の平面図である。図7は図5中の線7−7に沿ったインク回収部16の上ケースと下ケースの間の断面平面図である。なお、図6及び図7中には、プラテンダクト21の対応部分の構成が二点鎖線で示されている。図5〜図7において、インク回収部16は、タンク構造(又は密閉容器構造)をしており、上ケース16aと下ケース16bを接合して構成されている。
プラテンダクト21とインク回収部16との間、すなわちプラテンダクト21の下面と上ケース16aの上面との間でインク導入口26の周囲を密封するために、上ケース16aの上面にシール部材27が接着等により固着されている。インク回収部16を装置本体側に装着する際、シール部材27をプラテンダクト21の下面に押し付けることで、インク回収部16とプラテンダクト21との間の密封性が確保されている。シール部材27としては、通常、ゴム等の弾性部材が使用される。
インク回収部16の上ケース16aと下ケース16bの間でインク導入口26の周囲を密封するために、下ケース16bの上面(上ケース16aとの当接面)にシール部材28が接着等により固着されている。インク回収部16を組み立てる際に、シール部材28を上ケース16aの下面に押し付けることで、下ケース16bと上ケース16aとの間の密封性、すなわちインク回収部16の密封性が確保されている。シール部材28としても、通常、ゴム等の弾性部材が使用される。
以上の実施形態に係るインクジェット記録装置によれば、ふちなし記録や予備吐出において記録ヘッド4から吐出されたインクをそのインクミストと共に直ちにインク回収部16内へ導いて回収することができる。従って、引き続いて吐出されるインクがインク受け口18やインク導入口26などのインク捕集経路に堆積することがなく、インク捕集経路が閉塞されることもない。また、吐出されるインクのインクミストの飛散を最小限に低減することができる。このため、インク漏れやインク汚染等のない安全性のインク吐出を実現することができる。
なお、以上説明した実施形態では、記録ヘッド4を搭載して往復移動するキャリッジ7を用いるシリアルタイプの記録装置を例に挙げた。本発明は、被記録材を搬送する方向の副走査のみで記録するラインタイプの記録装置など、他の記録方式の場合も同様に適用可能である。また、本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の単体の記録装置の他、複合機器やシステム構成などにおける記録装置に対しても同様に適用可能である。さらに、被記録材に関しても、紙、プラスチックシート、OHPシート、布、写真調印画紙など、画像記録が可能なものであれば、種々の材質のものを使用することができる。
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置のインク受け口と吸引機構とインク回収部を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の斜視図である。 図1の平面図である。 図3中のD部のプラテンダクトの内部構造を示す平面断面図である。 図1中の図5はプラテンダクト及びインク回収部のインク導入口の近傍の縦断面図である。 図5中の線6−6に沿ったインク回収部の上面の平面図である。 図5中の線7−7に沿ったインク回収部の上ケースと下ケースの間の断面平面図である。 予備吐出されるインクを処理するための従来の第1の構成例を示す平面図である。 図8の中央縦断面図である。 予備吐出されるインクを処理するための従来の第2の構成例を示す平面図である。 図10中のインク受け口の内部構造を示す断面斜視図である。
符号の説明
3 プラテン
4 記録ヘッド
16 インク回収部
16a 上ケース
16b 下ケース
18 インク受け口
20 吸引孔
21 プラテンダクト(吸引機構)
22 連通口
24 液化手段(液化壁)
25 吸引ファン(吸引機構)
26 インク導入口
27、28 シール部材
S 被記録材(記録シート)

Claims (10)

  1. 記録ヘッドからプラテン上の被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
    記録ヘッドから吐出されるインクを受けるために前記プラテンに形成されたインク受け口と、
    装置内の空気を吸引する吸引機構と、
    前記インク受け口に吐出されたインクのインクミストを前記吸引機構へ導入するための連通口と、
    前記吸引機構に導入されたインクミストを液化するための液化手段と、
    前記液化手段で液化されたインクを回収するためのインク回収部と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. ふちなし記録の際に被記録材の外側に吐出されるインクを前記インク受け口で受けることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 予備吐出で吐出されるインクを前記インク受け口で受けることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 記録ヘッドから前記インク受け口に吐出されるインクは、該インク受け口の下方に配されたインク回収部に回収されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記吸引機構は、前記プラテンに形成された吸引孔から空気を吸引することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 被記録材を前記プラテンに密着させるために前記吸引孔から空気を吸引することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記液化手段は、吸引機構に導入されるインクミストが衝突する仕切壁であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記インク回収部は前記吸引機構に着脱可能に装着されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記インク回収部は、その一部が前記吸引機構の一部を構成することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記液化手段で液化されたインクの回収部と、前記記録ヘッドから前記インク受け口に吐出されるインクの主滴の回収部は、着脱可能な同じ容器内に設けられていることを特徴とする請求項8または9に記載のインクジェット記録装置。
JP2007070977A 2007-03-19 2007-03-19 インクジェット記録装置 Pending JP2008229966A (ja)

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