JP2008224323A - ステレオ写真計測装置、ステレオ写真計測方法及びステレオ写真計測用プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】計測対象の寸法計測精度を向上させる。
【解決手段】3次元座標計算手段15は、幾何学的情報から定まる拘束条件、投影変換行列、相対位置関係及び三角測量の原理を用いて、一方の画像データの特徴点で構成される第一特徴部及びこの第一特徴部に対応して他方の画像データの特徴点で構成される第二特徴部に対応する計測対象の3次元座標を計算し、寸法計算手段16は3次元座標から寸法計測箇所の寸法を計算する。
【選択図】図1
【解決手段】3次元座標計算手段15は、幾何学的情報から定まる拘束条件、投影変換行列、相対位置関係及び三角測量の原理を用いて、一方の画像データの特徴点で構成される第一特徴部及びこの第一特徴部に対応して他方の画像データの特徴点で構成される第二特徴部に対応する計測対象の3次元座標を計算し、寸法計算手段16は3次元座標から寸法計測箇所の寸法を計算する。
【選択図】図1
Description
この発明は、互いに離れた2箇所よりカメラを用いて撮影された2枚の画像データから計測対象の寸法を計算するステレオ写真計測装置、ステレオ写真計測方法及びステレオ写真計測用プログラムに関するものである。
ステレオ立体視の原理を用いた立体形状復元及び寸法計測には、ステレオ画像ペアにおいて点・線・領域等の特徴点をどのように対応付けすれば良いかという課題があるが、従来のステレオ写真計測装置として、例えば特許文献1に示す3次元復元装置では、3次元幾何形状の復元に際して、セグメントの連結関係から平面拘束条件を求め、平面拘束条件を満たすように対応点を修正する手法が提案されている。
すなわち、上記特許文献1に示す3次元復元装置は、ステレオ画像において、エッジを検出して局所的形状によりセグメントに分割し、セグメントの特徴量を求める手段と、上記特徴量に基づき、セグメントを対応単位とするステレオ対応探索処理によりステレオ画像間の対応関係を求める手段と、ステレオ画像において、対応関係を求めやすくするため座標系の変換を行う手段と、上記対応関係に基づき、対応部分から対応点を計算する手段と、上記対応関係に基づき、セグメントの連結関係から平面拘束条件を求める手段と、ステレオ画像において、平面拘束条件を満たすように対応点を修正する手段と、ステレオ画像において、対応点の関係から3次元形状を復元する手段と、3次元形状を復元するに際し、セグメントの属性に応じて直・曲線当てはめを行う手段を備えている。
従来のステレオ写真計測装置は以上のように構成され、特徴点同士の連結性から求められた平面拘束条件は、撮影対象現場で成立している現実の座標軸に基づく拘束条件と一致する保証はないため、寸法計測時に実測値との誤差が発生し、計測対象の寸法計測精度が低下するという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、現実の座標軸に基づく拘束条件を使用して座標復元を実現し、計測対象の寸法計測精度を向上させることができるステレオ写真計測装置、ステレオ写真計測方法及びステレオ写真計測用プログラムを得ることを目的とする。
この発明に係るステレオ写真計測装置は、互いに離れた2箇所からカメラを用いて基準位置を示すマーカー及び計測対象を撮影した2枚の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、上記計測対象の寸法計測箇所並びに上記計測対象の稜線の直線方向成分及び平面の法線方向成分のいずれか一方又は両方の幾何学的情報を含む設計情報を記憶する設計情報記憶手段と、上記画像データから上記マーカーを画像処理によって認識して、上記カメラと上記マーカーとの相対位置関係を、上記カメラのレンズの投影変換行列を用いて求めるカメラ位置認識手段と、上記画像データの画像に撮影された点、線、平面及び立体形状の特徴点を画像処理によって又は入力デバイスからの入力情報によって抽出する特徴点抽出手段と、上記幾何学的情報から定まる拘束条件、上記投影変換行列、上記相対位置関係及び三角測量の原理を用いて、一方の画像データの特徴点で構成される第一特徴部及びこの第一特徴部に対応して他方の画像データの特徴点で構成される第二特徴部に対応する上記計測対象の3次元座標を計算する3次元座標計算手段と、上記3次元座標から上記寸法計測箇所の寸法を計算する寸法計算手段とを備えたものである。
この発明により、計測対象の寸法計測精度を向上させることができるという効果が得られる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるステレオ写真計測装置の構成を示すブロック図である。ステレオ写真計測装置に含まれるステレオ写真計測処理手段10は、互いに離れた2箇所からデジタルカメラ6を用いて撮影された撮影対象現場7の2枚の画像データ21とカメラ内部パラメータ22と設計情報23を読み込んで、計測対象の寸法計測箇所の寸法を計算する。撮影対象現場7には基準位置を示すカメラ外部キャリブレーション用のマーカー8が設置され、デジタルカメラ6は計測対象の寸法計測箇所とマーカー8が写り込むように撮影する。撮影対象現場7として、本例ではエレベーター昇降路としている。
図1はこの発明の実施の形態1によるステレオ写真計測装置の構成を示すブロック図である。ステレオ写真計測装置に含まれるステレオ写真計測処理手段10は、互いに離れた2箇所からデジタルカメラ6を用いて撮影された撮影対象現場7の2枚の画像データ21とカメラ内部パラメータ22と設計情報23を読み込んで、計測対象の寸法計測箇所の寸法を計算する。撮影対象現場7には基準位置を示すカメラ外部キャリブレーション用のマーカー8が設置され、デジタルカメラ6は計測対象の寸法計測箇所とマーカー8が写り込むように撮影する。撮影対象現場7として、本例ではエレベーター昇降路としている。
デジタルカメラ6により撮影された撮影対象現場7の2枚の画像データ21、カメラ内部パラメータ22、設計情報23は記憶手段2に記憶されている。ここで、カメラ内部パラメータ22としては、例えばデジタルカメラ6の画面解像度、レンズの焦点距離、放射方向レンズ歪曲収差の中心座標、レンズ歪み係数が記憶されており、設計情報23としては、計測対象の寸法計測箇所、画像上で濃淡が変化するエッジ上の点である特徴点、並びに計測対象の稜線の直線方向成分及び平面の法線方向成分のいずれか一方又は両方の幾何学的情報を含む設計情報が記憶されている。
ステレオ写真計測処理手段10は、レンズ歪み補正手段11、カメラ位置認識手段12、特徴点認識手段13、特徴点入力手段14、3次元座標計算手段15、寸法計算手段16及び寸法表示手段17を備えている。
レンズ歪み補正手段11は、記憶手段2に記憶されている2枚の画像データ21を入力し、記憶手段2に記憶されているカメラ内部パラメータ22を用いて、2枚の画像データ21のレンズ歪みを補正する。カメラ位置認識手段12は、レンズ歪み補正手段11によりレンズ歪みが補正された2枚の画像データ21からマーカー8を画像処理により認識して、デジタルカメラ6とマーカー8との相対位置関係及びマーカー8を基準にした座標系を、デジタルカメラ6のレンズの投影変換行列を用いて求める。なお、投影変換行列はデジタルカメラ6のレンズが撮像対象を画像へ投影する投影変換の行列である。
特徴点抽出手段100(図示せず)は2枚の画像データ21の各画像に撮影された点、線、平面及び立体形状の特徴点を画像処理によって抽出する特徴点認識手段13及び入力デバイスからの入力情報によって抽出する特徴点入力手段14等を含む。本実施の形態では特徴点認識手段13において、レンズ歪み補正手段11によりレンズ歪みが補正された2枚の画像データ21の画像に撮影された点、線、平面及び立体形状等の特徴点を画像処理により認識する。続いて特徴点入力手段14において、2枚の画像データ21から特徴点認識手段13により認識されなかったその他の特徴点を入力デバイスからの入力情報によって入力する。
3次元座標計算手段15は、設計情報23を入力し、幾何学的情報から定まる拘束条件、投影変換行列、相対位置関係及び三角測量の原理を用いて、一方の画像データの特徴点で構成される第一特徴部及びこの第一特徴部に対応して他方の画像データの特徴点で構成される第二特徴部に対応する計測対象の3次元座標を計算する。なお、特徴部とは、特徴点で構成され、1画像中の計測対象の部分を指し、幾何学的情報から定まる拘束条件としては、具体的には、直線方向成分の直線上にあるという拘束条件、又は法線方向を有する平面上にあるという拘束条件である。
寸法計算手段16は、設計情報23を入力し、3次元座標計算手段15により計算された3次元座標から寸法計測箇所の寸法を計算する。寸法表示手段17は寸法計算手段16により計算された寸法計測箇所の寸法を表示する。
図2はこの発明の実施の形態1によるステレオ写真計測装置のハードウェア構成を示すブロック図であり、ステレオ写真計測装置は、演算処理手段1、記憶手段2、一時記憶手段3、入力手段4及び表示手段5を備えている。記憶手段2は、画像データ21、カメラ内部パラメータ22、設計情報23、プログラム24を記憶し、入力手段4は、画像データ21、カメラ内部パラメータ22、設計情報23、ユーザからの情報を取り込む。
演算処理手段1は、記憶手段2に記憶されているプログラム24を読み込んで、画像データ21、カメラ内部パラメータ22、設計情報23を使用して、一時記憶手段3にデータや計算結果等を一時的に記憶させながら処理を行い、画像データ21や設計情報23や処理結果等を表示手段5に表示することにより、図1に示すステレオ写真計測処理手段10の機能を実現する。
図3はこの発明の実施の形態1による寸法計測箇所の寸法を計測するための処理を示すフローチャートである。図3に示す処理のうち、ステップST3からステップST12までの処理がステレオ写真計測処理手段10が行う処理である。
ステップST1において、ユーザは撮影対象現場7の任意の位置にカメラ外部キャリブレーション用のマーカー8を設置する。このマーカー8としては、可搬品であり、寸法が既知であり、かつ座標系により定められる直交3軸の識別が容易なものを用いるのが好ましい。このマーカー8をデジタルカメラ6を用いて撮影することにより、デジタルカメラ6とマーカー8の相対位置関係を正確に求めることができる。また、マーカー8は、後のステップST7〜ST10の3次元座標計算処理において、設計情報23として指定されている幾何学的情報を使用することから、撮影対象現場7にて成立している座標系により定められる設計情報23における3軸方向と、マーカー8を基準にした座標系により定められる3軸方向とがほぼ一致(完全に一致する必要はない)するように設置する。
撮影対象現場7にマーカー8を設置する場合、撮影対象現場7にて成立している現実の座標系(すなわち設計情報23における3軸方向)とマーカー8を基準にした座標系を完全に一致させることが望ましい。しかし、現実の座標軸とマーカー8を基準にした座標系を完全に一致させるには、マーカー8を設置する際に水準器等を使用してマーカー8の向きや角度等を厳密に調整する必要がある。そこで、この実施の形態1では、この手間を省くために、撮影対象現場7にて成立している現実の座標系により定められる設計情報23における3軸方向と、マーカー8を基準にした座標系により定められる3軸方向とがほぼ一致するように設置し、寸法計測誤差の要因となっている撮影対象現場7にて成立している現実の座標系により定められる3軸方向とマーカー8を基準にした座標系により定められる3軸方向との不一致を、後述の3次元座標計算手段15が、設計情報23として定められている幾何学的情報から定まる拘束条件を使用して特徴点の3次元座標を計算することにより、寸法計測精度を向上させている。
なお、設計情報23として指定されている計測対象の寸法計測箇所は、寸法を計算するための両端点となる特徴点及び座標系における寸法計測方向を最低限含むものとする。また、設計情報23は記憶手段2に記憶されているものとするが、入力手段4から入力しても良い。
図4は撮影対象現場7に設置されるカメラ外部キャリブレーション用のマーカー8の例を示す図であり、マーカー8としては、例えば図4に示すように、平面で白黒の市松模様が描かれているものを用いる。このマーカー8をデジタルカメラ6により撮影した画像データのマーカー部分に対して画像処理を行うことによって、マーカー8を基準にした座標系により定められる3軸方向とデジタルカメラ6とマーカー8の相対位置関係を計算することができる(Intel OpenCVライブラリ参照)。マーカー8を基準にした座標系により定められる3軸方向としては、用紙の短軸方向をX方向、用紙の長軸方向をY方向、用紙の垂直方向をZ方向とする。
また、マーカー8としては、撮影対象現場7にて成立している座標系により定められる設計情報23における3軸方向とほぼ一致する3軸方向が復元できるのであれば、撮影対象現場7に埋め込まれているタイルのように、撮影対象現場7に固定されており、認識が容易なものを用いても良い。
図3のステップST2において、互いに離れた2箇所に設置されたデジタルカメラ6は計測対象とマーカー8を撮影して2枚の画像データ21を出力する。この2枚の画像データ21は入力手段4から入力され、記憶手段2に記憶され、一時記憶手段3に読み出された上で各種演算がなされる。なお、画像データ21の1画素に相当するデータ(RGB等のデータ)は一時記憶手段3の所定の記憶領域に記憶され、演算結果も一時記憶手段3の記憶領域に記憶される。
ステップST3において、ステレオ写真計測処理手段10のレンズ歪み補正手段11は、記憶手段2から2枚の画像データ21と予め高精度に求めたデジタルカメラ6のカメラ内部パラメータ22を一時記憶手段3に読み出し、カメラ内部パラメータ22として、レンズの焦点距離、放射方向レンズ歪曲収差の中心座標、レンズ歪み係数を用いて、一時記憶手段3上の画像データ21について、広角レンズによる固有の放射方向レンズ歪曲収差とレンズ歪みを例えばIntel OpenCVライブラリのcvUnDistort関数により補正し、補正後の画像データ21を一時記憶手段3に記憶させる。
なお、デジタルカメラ6のカメラ内部パラメータ22は、コンピュータビジョンの分野で広く用いられているTsaiの手法やZhangの手法等を用いて精度良く求めることができる。
ステップST4において、ステレオ写真計測処理手段10のカメラ位置認識手段12は、一時記憶手段3に記憶された補正後の2枚の画像データ21からマーカー8を画像処理により認識して、デジタルカメラ6とマーカー8との相対位置関係及びマーカー8を基準にした座標系を、デジタルカメラ6のレンズの投影変換行列を用いて求める。
ここで、カメラ位置認識手段12は、デジタルカメラ6とマーカー8との相対位置関係として、具体的には、マーカー8を基準にした座標系におけるデジタルカメラ6の投影中心の座標と、その視線方向及び画素座標軸の方向を求める。例えば、図4に示すカメラ外部キャリブレーション用のマーカー8を用いた場合には、Intel OpenCVライブラリを用いて、デジタルカメラ6とマーカー8の相対位置関係を求めることができる。
例えば、カメラ位置認識手段12は、一時記憶手段3に記憶された補正後の2枚の画像データ21からマーカー8を画像処理により認識し、具体的には次の処理を行うことにより、マーカー8を基準にした座標系により定められる3軸方向を求める。すなわち、カメラ位置認識手段12は、マーカー8の2つの白マスと2つの黒マスとに挟まれた境界点である格子点を、濃度勾配の変化の度合いの最も高い画素を特定することにより検出し、マーカー8全体の格子点の並び度合いから、まず2軸(例えばx軸とy軸)を特定し、これらの2軸に垂直になるように最後の1軸(例えばz軸)を求めることで、マーカー8を基準にした座標系により定められる3軸方向を求める。
また、カメラ位置認識手段12は、格子点同士の間隔は既知であることから、カメラ外部パラメータを計算するための行列を用いて、次の式(1)で表される連立方程式を解くことにより、デジタルカメラ6とマーカー8の相対位置関係、すなわち、カメラ外部パラメータである、マーカー8を基準にした座標系におけるデジタルカメラ6の投影中心の座標と、その視線方向及び画素座標軸の方向を求める。
(格子点の2次元画素位置)*(カメラ外部パラメータを計算するための行列)
=(格子点の3次元位置) (1)
ここで、格子点の2次元画素位置はマーカー8を基準にした座標系を求める際に特定したものである。
(格子点の2次元画素位置)*(カメラ外部パラメータを計算するための行列)
=(格子点の3次元位置) (1)
ここで、格子点の2次元画素位置はマーカー8を基準にした座標系を求める際に特定したものである。
なお、カメラ外部パラメータを計算するための行列は、デジタルカメラ6のレンズの投影変換行列であり、後述の3次元座標計算手段15が使用する投影変換行列m1,m2である。また、このカメラ位置認識手段12により求められたマーカー8を基準にした座標系及びカメラ外部パラメータは、3次元座標計算手段15が投影変換行列m1,m2を使用し画像上の2次元画素位置を3次元座標に変換する処理で使用される。
ステップST5において、ステレオ写真計測処理手段10の特徴点認識手段13は、画像処理によって画像データ21に含まれる全ての認識可能な特徴点を認識した上で出力手段5に表示し、入力手段4を用いて設計情報23に記載されている特徴点のみをユーザに選択させる。特徴点の認識手法については、例えば各画像データ中の色情報、濃淡情報から濃度変化勾配が大きな点を抽出する、又は抽出後の濃度変化勾配が大きな点同士をつなげて線を抽出する等の手法がある。
ステップST6において、ステレオ写真計測処理手段10の特徴点入力手段14は、設計情報23に記載され出力手段5に表示されている画像上に表示されている特徴点のうち、特徴点認識手段13により認識されていない特徴点について、入力手段4を用いてユーザに特徴点を入力させる。
ステップST6の処理を終了後、ステレオ写真計測処理手段10の3次元座標計算手段15は、計算対象である特徴点が点で表現されている場合にはステップST7の処理に進み、計算対象である特徴点が線、平面又は立体で表現されている場合にはステップST8の処理に進む。このとき、計算対象である特徴点が平面又は立体で表現されている場合には、3次元座標計算手段15は平面又は立体における1つの線を抽出してステップST8の処理に進む。
ステップST7〜ST10において、3次元座標計算手段15は、設計情報23を入力し、幾何学的情報から定まる拘束条件、カメラ位置認識手段12により求められたデジタルカメラ6とマーカー8の相対位置関係及びマーカー8を基準にした座標系、ある3次元座標点を画像a上に投影変換する投影変換行列m1、ある3次元座標点を画像b上に投影変換する投影変換行列m2、三角測量の原理を使用して、特徴点認識手段13により認識された特徴点及び特徴点入力手段14により入力された特徴点の3次元座標、すなわち、一方の画像データの特徴点で構成される第一特徴部及びこの第一特徴部に対応して他方の画像データの特徴点で構成される第二特徴部に対応する計測対象の3次元座標を計算する。
このとき、3次元座標計算手段15は、2枚の画像データ21に含まれる特徴点をユーザに提示し、どれととれが一方の画像データの特徴点で構成される第一特徴部とこの第一特徴部に対応して他方の画像データの特徴点で構成される第二特徴部との組合せである特徴部ペアであるかをユーザに選択・指定させる。
3次元座標計算手段15は、特徴点が点で表現されており、拘束条件が直線で与えられている場合に、ステップST7で、3次元座標において特徴部ペアを構成する点が同一の直線上にあるという拘束条件を使用して、特徴点の3次元座標を計算する。
また、3次元座標計算手段15は、特徴点が線、平面又は立体で表現されており、拘束条件が直線で与えられている場合に、ステップST8、ST9で、3次元座標において特徴部ペアを構成する各線分の両端点が同一の直線上にあるという拘束条件を使用して、特徴点の3次元座標を計算する。
さらに、3次元座標計算手段15は、特徴点が線、平面又は立体で表現されており、拘束条件が平面で与えられている場合に、ステップST8、ST10で、3次元座標において特徴部ペアを構成する各線分の両端点が同一平面上にあるという拘束条件を使用して、特徴点の3次元座標を計算する。
図5は特徴点が点で表現されており、拘束条件として、2枚の画像データ21に撮影されている特徴部ペアが同一点ではなく同一直線上にあるとした場合のステップST7における3次元座標計算手段15の処理を説明する図である。図5において、1つの特徴点で構成される点が1画像中の計測対象の部分である特徴部であり、ここで、計測対象となる特徴部ペアは、設計情報23として、鉛直方向成分を持つ、すなわち方向ベクトルがL=(0,0,1)であるという撮影対象現場7で成立している現実の座標系に基づく位置関係の拘束条件が与えられているものとする。実際には、Lは鉛直方向だけでなく任意の方向について本手段の適用が可能である。
図5において、計測対象となる特徴部ペアは画像a上では点51、画像b上では点52として指定されているものとする。また、画像a上の点51を投影変換行列m1により3次元座標系に投影した点61と画像b上の点52を投影変換行列m2により3次元座標系に投影した点62は、3次元座標において同一直線上にある任意の点とする。
ステップST7において、3次元座標計算手段15は、設計情報23を入力し、設計情報23として指定された点51の3次元座標点61と点52の3次元座標点62は同一の直線上(ここでは鉛直方向成分を持つ同一の直線上)にあるという拘束条件、カメラ位置認識手段12により求められたデジタルカメラ6とマーカー8の相対位置関係及びマーカー8を基準にした座標系、投影変換行列m1、投影変換行列m2、三角測量の原理を使用して、点61,62の3次元座標及び点61と点62を通る直線(ここでは鉛直線)を計算する。
図5において、点61は画像aを撮影したデジタルカメラ6の位置と点51とを通る直線上に必ずあり、点62は画像bを撮影したデジタルカメラ6の位置と点52とを通る直線上にあり、まず、3次元座標計算手段15は、直線51・61と直線52・62の方程式を求める。このとき、投影変換行列m1,m2を用いて表記しても良い。そして、3次元座標計算手段15は、ねじれの位置にあるであろう直線51・61と直線52・62の双方と交わる鉛直線を求めることにより直線61・62の方程式を求める。この直線61・62と直線51・61の交点座標を求めることにより、点61の3次元座標を求めることができる。3次元座標計算手段15は点62に対しても同様の方法により3次元座標を計算する。
図6は特徴点が線で表現されており、拘束条件として、2枚の画像データ21に撮影されている特徴部ペアが同一線分ではなく同一直線上にあるとした場合のステップST8、ST9における3次元座標計算手段15の処理を説明する図である。図6において、1画像中の2つの特徴点間を結ぶ線分が1画像中の計測対象の部分である特徴部であり、計測対象となる特徴部ペアは、鉛直方向成分を持つ、すなわち方向ベクトルがL=(0,0,1)であるという拘束条件が与えられているものとする。実際には、Lは任意の方向について本手段の適用が可能である。
図6において、計測対象となる特徴部ペアは、画像a上では点101と点102を結ぶ線分、画像b上では点103と点104を結ぶ線分として指定されているものとする。また、画像a上の点101を投影変換行列m1により3次元座標系に投影した点131と画像b上の点103を投影変換行列m2により3次元座標系に投影した点133とは必ずしも3次元座標系上での同一箇所である必要はなく、画像a上の点102を投影変換行列m1により3次元座標系に投影した点132と画像b上の点104を投影変換行列m2により3次元座標系に投影した点134とは必ずしも3次元座標系上での同一箇所である必要はなく、点131,132,133,134は、それぞれ3次元座標系において同一直線上にある任意の点とする。
点131,132,133,134は、それぞれ3次元座標系において同一直線上にあるのであれば、点131と点132の中点及び点133と点134の中点もこれらと同一直線上にあるはずである。よって、ステップST8において、3次元座標計算手段15は、設計情報23を入力し、画像aにおいて点101と点102とを結ぶ線分101・102の中点111を求め、同様に画像bにおいて点103と点104とを結ぶ線分103・104の中点112を求め、点111の3次元座標点121と点112の3次元座標点122は同一の直線上(ここでは鉛直方向成分を持つ同一の直線上)にあるという拘束条件、カメラ位置認識手段12により求められたデジタルカメラ6とマーカー8の相対位置関係及びマーカー8を基準にした座標系、投影変換行列m1、投影変換行列m2、三角測量の原理を使用して、点121,122の3次元座標及び点121と点122を通る直線(この場合は鉛直線)を計算する。
続いて、ステップST9において、3次元座標計算手段15は、カメラ位置認識手段12により計算されたデジタルカメラ6とマーカー8の相対位置関係及びマーカー8を基準にした座標系、投影変換行列m1、投影変換行列m2、三角測量の原理を使用して、点101,102,103,104の3次元座標を計算し、計算した点101,102,103,104の3次元座標を、上記ステップST8で求めた点121と点122を通る直線(この場合は鉛直線)の最近点に近似する。このとき、3次元座標計算手段15は、点101,102,103,104の3次元座標を計算する際に拘束条件を使用しない。
すなわち、3次元座標計算手段15は、画像aの投影変換行列m1を用いて、線分101・102をZ=0平面上に投影した直線Laを計算し、同様に、画像bの投影変換行列m2を用いて線分103・104をZ=0平面上に投影した直線Lbを計算する。この直線Laと画像aの投影中心を通る平面と、直線Lbと画像bの投影中心を通る平面との交線上に線分101・102の復元先直線131・132及び線分103・104の復元先直線133・134があるとすると、3次元座標計算手段15は、三角測量の原理を使用して、点101と画像aの投影中心とを通る直線と先ほど求めた交線との交点座標を計算することにより、点131の3次元座標を求めることができる。
3次元座標計算手段15は点132,133,134に対しても同様の方法により3次元座標を計算する。
3次元座標計算手段15は点132,133,134に対しても同様の方法により3次元座標を計算する。
この時点で、点131と点132を通る直線は点121と点122を通る鉛直線と点121で交わるが、点131と点132を通る直線は必ずしも鉛直とは限らず、点121と点122を通る鉛直線と一致するとは限らない。よって、点131と点132のそれぞれとの距離が最小となり、点121と点122を通る鉛直線上の点141と点142を計算し、この点141と点142を画像a上の点101と点102の3次元座標とする。
同様に、画像bにおいて点103と点104に投影されている3次元座標点133と点134の3次元座標を画像bの投影変換行列m2を用いて計算し、点133と点134のそれぞれとの距離が最小となる、点121と点122を通る鉛直線上の点143と点144を計算し、画像b上の点103と点104の3次元座標点とする。
特徴点が線で表現されており、拘束条件として、2枚の画像データ21に撮影されている特徴点ペアが同一平面上にあるとした場合のステップST8、ST10における3次元座標計算手段15の処理を以下に説明する。すなわち、図6における拘束条件L=(0,0,1)の代わりに特徴点ペアは法線ベクトルがN=(0,1,0)の同一平面上にあるという拘束条件が与えられている場合には、点131と点132の中点及び点133と点134の中点もこれらと同一直線上にあるはずである。よってステップST8において、3次元座標計算手段15は、図6における点111と点112の3次元座標の計算において平面の法線ベクトルを拘束条件として用いて点121,122の3次元座標及び点121と点122とを通る直線、点121と点122を含む平面を計算する。
続く本来の座標復元対象である点101,102,103,点104の3次元座標を計算するステップST10において、3次元座標計算手段15は、点101,102の3次元座標計算時には、点121,122を含む平面上の3次元座標点141,142の3次元座標を画像aの投影変換行列m1を用いて求める。また、3次元座標計算手段15は、同様に、点103,104の3次元座標計算時には、点121,122を含む平面上の3次元座標点143,144の3次元座標を画像bの投影変換行列m2を用いて求める。
ステップST11において、寸法計算手段16は、設計情報23を入力し、3次元座標計算手段15により計算された各特徴点の3次元座標に基づき、設計情報23として指定された寸法計測箇所の寸法を計算する。計算された寸法計測箇所の各寸法は一時記憶手段3に記憶される。
ステップST12において、寸法表示手段17は一時記憶手段3に記憶された寸法計測箇所の寸法を表示手段5に表示する。
以上のように、この実施の形態1によれば、カメラ外部キャリブレーションが正確にできていない場合、すなわち、撮影対象現場7にて成立している現実の座標系(設計情報23における3軸方向)とマーカー8を基準にした座標系が完全に一致しない場合でも、3次元座標計算手段15が現実の座標系に基づく拘束条件を使用して特徴点の3次元座標を計算することにより、計測対象の寸法計測精度を向上させることができるという効果が得られる。
また、この実施の形態1によれば、特徴点認識手段13が2枚の画像データ21から特徴点を画像処理により認識することにより、計算機の操作に不慣れなユーザでも簡単に本ステレオ写真計測装置を用いることができるという効果が得られる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2によるステレオ写真計測装置の構成を示すブロック図は、上記実施の形態1の図1に示す構成から特徴点認識手段13を削除したものである。
図7はこの発明の実施の形態2による寸法計測箇所の寸法を計測するための処理を示すフローチャートであり、上記実施の形態1の図3に示すフローチャートからステップST5の処理を削除したものである。図7に示す処理のうち、ステップST3からステップST12までの処理がステレオ写真計測処理手段10が行う処理である。
この発明の実施の形態2によるステレオ写真計測装置の構成を示すブロック図は、上記実施の形態1の図1に示す構成から特徴点認識手段13を削除したものである。
図7はこの発明の実施の形態2による寸法計測箇所の寸法を計測するための処理を示すフローチャートであり、上記実施の形態1の図3に示すフローチャートからステップST5の処理を削除したものである。図7に示す処理のうち、ステップST3からステップST12までの処理がステレオ写真計測処理手段10が行う処理である。
この実施の形態2では、上記実施の形態1の特徴点認識手段13による画像データ21からの特徴点認識処理を行わずに、図7のステップST6において、特徴点入力手段14は、設計情報22に記載されている特徴点で出力手段5に表示されている画像上に対応点が存在するものについて、入力手段4を用いてユーザに特徴点を入力させる。
その他のステップST1〜ST4,ST7〜ST12の処理は上記実施の形態1と同様である。
その他のステップST1〜ST4,ST7〜ST12の処理は上記実施の形態1と同様である。
以上のように、この実施の形態2によれば、カメラ外部キャリブレーションが正確にできていない場合でも、3次元座標計算手段15が現実の座標系に基づく拘束条件を使用して特徴点の3次元座標を計算することにより、計測対象の寸法計測精度を向上させることができるという効果が得られる。
また、この実施の形態2によれば、上記実施の形態1の特徴点認識手段13を削除することにより、ステレオ写真計測装置を操作するユーザの負荷を軽減することができない代わりに、性能が低いステレオ写真計測装置を用いても、カメラ外部キャリブレーションが正確にできていない場合に、計測対象の寸法計測精度を向上させることができるという効果が得られる。
なお、上記実施の形態1及び上記実施の形態2によるステレオ写真計測装置は、コンピュータと、このコンピュータを上記実施の形態1及び上記実施の形態2における各手段として機能させるためのステレオ写真計測用プログラムにより実現することも可能である。
1 演算処理手段、2 記憶手段、3 一時記憶手段、4 入力手段、5 表示手段、6 デジタルカメラ、7 撮影対象現場、8 マーカー、10 ステレオ写真計測処理手段、11 レンズ歪み補正手段、12 カメラ位置認識手段、13 特徴点認識手段、14 特徴点入力手段、15 3次元座標計算手段、16 寸法計算手段、17 寸法表示手段、21 画像データ、22 カメラ内部パラメータ、23 設計情報、24 プログラム。
Claims (6)
- 互いに離れた2箇所からカメラを用いて基準位置を示すマーカー及び計測対象を撮影した2枚の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
上記計測対象の寸法計測箇所並びに上記計測対象の稜線の直線方向成分及び平面の法線方向成分のいずれか一方又は両方の幾何学的情報を含む設計情報を記憶する設計情報記憶手段と、
上記画像データから上記マーカーを画像処理によって認識して、上記カメラと上記マーカーとの相対位置関係を、上記カメラのレンズの投影変換行列を用いて求めるカメラ位置認識手段と、
上記画像データの画像に撮影された点、線、平面及び立体形状の特徴点を画像処理によって又は入力デバイスからの入力情報によって抽出する特徴点抽出手段と、
上記幾何学的情報から定まる拘束条件、上記投影変換行列、上記相対位置関係及び三角測量の原理を用いて、一方の画像データの特徴点で構成される第一特徴部及びこの第一特徴部に対応して他方の画像データの特徴点で構成される第二特徴部に対応する上記計測対象の3次元座標を計算する3次元座標計算手段と、
上記3次元座標から上記寸法計測箇所の寸法を計算する寸法計算手段とを備えたステレオ写真計測装置。 - 上記3次元座標計算手段は、上記特徴点が点で表現されており、上記拘束条件が直線で与えられている場合に、3次元座標において上記第一特徴部と上記第二特徴部の組合せである特徴部ペアを構成する点が同一の直線上にあるという拘束条件を使用して、上記特徴点の3次元座標を計算することを特徴とする請求項1記載のステレオ写真計測装置。
- 上記3次元座標計算手段は、上記特徴点が線、平面又は立体で表現されており、拘束条件が直線で与えられている場合に、3次元座標において、上記第一特徴部と上記第二特徴部の組合せである特徴部ペアを構成する線分の中点が同一の直線上にあり、各特徴点の両端点が上記各中点を通過する直線上にあるという拘束条件を使用して、上記特徴点の3次元座標を計算することを特徴とする請求項1記載のステレオ写真計測装置。
- 上記3次元座標計算手段は、上記特徴点が線、平面又は立体で表現されており、拘束条件が平面で与えられている場合に、3次元座標において、上記第一特徴部と上記第二特徴部の組合せである特徴点ペアを構成する線分の中点が同一の平面上にあり、各線分の両端点が上記各中点を通過する平面上にあるという拘束条件を使用して、上記特徴点の3次元座標を計算することを特徴とする請求項1記載のステレオ写真計測装置。
- 互いに離れた2箇所からカメラを用いて基準位置を示すマーカー及び計測対象を撮影した2枚の画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
上記計測対象の寸法計測箇所並びに上記計測対象の稜線の直線方向成分及び平面の法線方向成分のいずれか一方又は両方の幾何学的情報を含む設計情報を記憶する設計情報記憶手段とを備えて、上記寸法計測箇所の寸法を計算するステレオ写真計測方法であって、
カメラ位置認識手段が、上記画像データから上記マーカーを画像処理によって認識して、上記カメラと上記マーカーとの相対位置関係を、上記カメラのレンズの投影変換行列を用いて求めるステップと、
特徴点抽出手段が上記画像データの画像に撮影された点、線、平面及び立体形状の特徴点を画像処理によって又は入力デバイスからの入力情報によって抽出するステップと、
3次元座標計算手段が、上記幾何学的情報から定まる拘束条件、上記投影変換行列、上記相対位置関係及び三角測量の原理を用いて、一方の画像データの特徴点で構成される第一特徴部及びこの第一特徴部に対応して他方の画像データの特徴点で構成される第二特徴部に対応する上記計測対象の3次元座標を計算するステップと、
寸法計算手段が上記3次元座標から上記寸法計測箇所の寸法を計算するステップとを備えたことを特徴とするステレオ写真計測方法。 - コンピュータを、
互いに離れた2箇所からカメラを用いて基準位置を示すマーカー及び計測対象を撮影した2枚の画像データを記憶する画像データ記憶手段、
上記計測対象の寸法計測箇所並びに上記計測対象の稜線の直線方向成分及び平面の法線方向成分のいずれか一方又は両方の幾何学的情報を含む設計情報を記憶する設計情報記憶手段、
上記画像データから上記マーカーを画像処理によって認識して、上記カメラと上記マーカーとの相対位置関係を、上記カメラのレンズの投影変換行列を用いて求めるカメラ位置認識手段、
上記画像データの画像に撮影された点、線、平面及び立体形状の特徴点を画像処理によって又は入力デバイスからの入力情報によって抽出する特徴点抽出手段、
上記幾何学的情報から定まる拘束条件、上記投影変換行列、上記相対位置関係及び三角測量の原理を用いて、一方の画像データの特徴点で構成される第一特徴部及びこの第一特徴部に対応して他方の画像データの特徴点で構成される第二特徴部に対応する上記計測対象の3次元座標を計算する3次元座標計算手段、
上記3次元座標から上記寸法計測箇所の寸法を計算する寸法計算手段、
として機能させるためのステレオ写真計測用プログラム。
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JP2007060684A JP2008224323A (ja) | 2007-03-09 | 2007-03-09 | ステレオ写真計測装置、ステレオ写真計測方法及びステレオ写真計測用プログラム |
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2007
- 2007-03-09 JP JP2007060684A patent/JP2008224323A/ja active Pending
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