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JP2008222962A - 無機顔料、その製造方法、インクジェット用インク、加飾セラミック体及びその製造方法 - Google Patents

無機顔料、その製造方法、インクジェット用インク、加飾セラミック体及びその製造方法 Download PDF

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Takeshi Hibino
毅 日比野
Naoyuki Takeda
直行 竹田
Keiji Fujimori
敬二 藤森
Takeshi Adachi
竹志 足立
Tomoji Yoshikawa
友次 吉川
Kojiro Watanabe
耕二郎 渡邉
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Inax Corp
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Abstract

【課題】発色性が向上した無機顔料と、これを用いたインクジェット用インクとを提供する。
【解決手段】2種類以上の金属化合物よりなる原料粉体を混合し、焼成した後、粉砕して製造された、平均粒径が500nm以下の複合酸化物系無機顔料において、該原料粉体として平均粒径が1000nm以下のものを用いたことを特徴とする無機顔料。この無機顔料を含有するインクジェット用インク。
【選択図】図1

Description

本発明は無機顔料、その製造方法、インクジェット用インク、加飾セラミック体及びその製造方法に関するものである。本発明の無機顔料は、詳しくは、複合酸化物よりなるものである。
I. タイル等のセラミック基材にインクジェット法によって絵付けを行うことが種々研究されている。しかしながらインクジェット法による高解像度の加飾を焼き付ける場合、「4原色が得られにくい」、「顔料を微細化するため発色が著しく低下する」、「発色を良くするために1000℃以下低温焼き付けが必要となり、焼成回数が増え生産性に劣る」、「赤発色に金顔料を使うため高価」といった問題がある。
II. 一般に陶磁器の加飾に用いられる顔料は、平均粒径が細かくても0.8μm程度、通常は2〜5μmの原料を用いて製造される。これは、顔料の使用粒度が1μm程度以上の場合、原料粒度が細かすぎると、表面での乱反射が多くなり、発色が悪くなってしまうからである。
III. 特開2005−350327号公報には、セラミック基材の表面に赤色系顔料による絵付けが施された釉薬層が形成されている加飾セラミック体において、該釉薬の組成が
SiO 60〜76モル%
Al 4〜11モル%
O 4〜10モル%
NaO 0.5〜5モル%
LiO 0〜0.5モル%
0〜2モル%
CaO 4〜10モル%
BaO 0〜6モル%
ZnO 0〜5モル%
MgO 0〜2モル%
SrO 0〜1モル%
MnO 0〜0.6モル%
ZrO 0〜6モル%
Fe 0〜0.15モル%
であり、前記赤色系顔料は粒径500nm以下の酸化クロム・酸化スズ系酸化物顔料であることを特徴とする加飾セラミック体が記載されている。
この釉薬層は1190℃以上の高温で焼成される場合でも、金属酸化物顔料を劣化させることがない。
また、この金属酸化物顔料を粒径500nm以下に微粉砕した場合でも、上記組成の釉薬層は焼成時に金属酸化物顔料を劣化させない。
この結果、釉薬として高融点のものを用いることが可能となり、例えば1140〜1260℃での焼成が可能となり、釉薬層の耐久性が向上する。
また、平均粒径500nm以下に微粉砕した顔料を用いることにより、インクジェットによって高解像度の絵柄を描画することができる。
IV. 複合酸化物よりなる無機顔料を含有したインクジェット用インク自体は公知である(特開平9−25589号公報)。
特開2005−350327号公報 特開平9−25589号公報
本発明は、微細に粉砕されていても発色性が良好な無機顔料及びその製造方法と、この無機顔料を用いたインクジェット用インクと、このインクジェット用インクを用いた加飾セラミック体及びその製造方法とを提供することを目的とする。
請求項1の無機顔料は、2種類以上の金属化合物よりなる原料粉体を混合し、焼成した後、粉砕して製造された、平均粒径が500nm以下の複合酸化物系無機顔料において、該原料粉体として平均粒径が1000nm以下のものを用いたことを特徴とするものである。
請求項2の無機顔料は、請求項1において、前記原料粉体として、平均粒径が無機顔料の平均粒径の2倍以下のものを用いたことを特徴とするものである。
請求項3の無機顔料は、請求項1又は2において、無機顔料の平均粒径が100〜400nmであり、原料粉体の平均粒径が80〜800nmであることを特徴とするものである。
請求項4の無機顔料の製造方法は、2種類以上の金属化合物よりなる原料粉体を混合し、焼成した後、粉砕することにより、平均粒径が500nm以下の複合酸化物よりなる無機顔料を製造する方法において、該原料粉体として平均粒径が1000nm以下のものを用いることを特徴とするものである。
請求項5の無機顔料の製造方法は、請求項2において、前記原料粉体として、平均粒径が無機顔料の平均粒径の2倍以下のものを用いることを特徴とするものである。
請求項6の無機顔料の製造方法は、請求項4又は5において、無機顔料の平均粒径が100〜400nmであり、原料粉体の平均粒径が80〜800nmであることを特徴とするものである。
請求項7のインクジェット用インクは、基材表面に釉薬層が成形されているセラミック体に絵付けするためのインクジェット用インクにおいて、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の無機顔料を含有することを特徴とするものである。
請求項8の加飾セラミック体の製造方法は、セラミック基材の上に釉掛けして未焼成の釉薬層を形成し、その上に無機顔料を含むインクジェット用インクによる絵付けを施し、その後焼成して釉薬層を溶融させて加飾セラミック体を製造する方法において、前記インクジェット用インクは請求項7に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするものである。
なお、本発明において、平均粒径は動的光散乱法によって測定した値である。
本発明の無機顔料は、平均粒径が1000nm以下の微細な原料粉体を焼成し、平均粒径500nm以下に粉砕して得られたものである。
本発明者は、原料粉体として平均粒径が1000nm以下の微細粉体を用いることにより、無機顔料の発色性が良好になることを見出した。この理由は、次の(1),(2)の通りであると推察される。
(1) 原料粉体粒子同士が焼成工程で焼結して生成した焼結粒子は、全体的に均質な複合酸化物となっているのではなく、成分の相互拡散が生じ易い原料粒子同士の界面近傍や粒子表面付近において複合酸化物の存在割合が高く、該界面や表面から離れると複合酸化物の存在割合が小さくなる。
(2) 焼結粒子を粉砕した場合、上記界面から離れた部位で焼結粒子が割れると、複合酸化物の割合が少ない面が露呈する。
本発明の無機顔料は、微細に粉砕されても発色性が良好であり、インクジェット用インクに好適である。このインクジェット用インクを用いることにより、精緻な加飾面を有した加飾セラミック体を製造することができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の無機顔料は、金属化合物の原料粉体を混合し、焼成し、粉砕することにより製造される。
金属化合物としては、金属酸化物、金属水酸化物のほか金属炭酸塩、金属硝酸塩などの金属塩を用いることができる。
金属としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、錫(スズ)、珪素、チタン、クロム、鉄、コバルト、マンガン、ジルコニウム、バナジウム、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、カドミウム、アンチモン、ダングステン、金、鉛、ビスマス、ランタン、ユーロピウム、ジスプロシウム、プラセオジウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類などの2種以上が挙げられる。この2種の組み合わせ及び配合割合は、焼成により発色するものの中から選ばれる。
具体的な複合酸化物としては、次のものが例示される。
赤色用の複合金属酸化物系顔料としては、酸化クロム−酸化スズ系顔料が好適であり、特に
Cr 1〜5wt%
SnO 35〜55wt%
SiO 15〜30wt%
CaO 16〜30wt%
であるものが好適である。この酸化クロム−酸化スズ系顔料は、釉薬上に塗着されて約1140〜1260℃程度の高温で焼成されることにより、彩やかな赤色を呈する。
黄色用複合金属酸化物顔料としては、酸化クロム−酸化アンチモン系顔料が好適であり、特に
Cr 1〜5wt%
Sb 3〜10wt%
SiO 0〜10wt%
TiO 75〜95wt%
であるものが好適である。
黄色用複合酸化物顔料としては、酸化ジルコニウム、酸化プラセオジウム系も好適であり、例えば
ZrO 50〜70wt%
Pr11 2〜15wt%
SiO 25〜35wt%
が好適である。
黒色系無機顔料としては酸化鉄−酸化クロム−酸化コバルト−酸化マンガン系のもの、例えば
Fe 0〜80wt%
Cr 0〜30wt%
CoO 0〜50wt%
Mn 0〜50wt%
NiO 0〜30wt%
のものが好適である。
複合酸化物よりなる青色用無機顔料としては、コバルト・アルミナ系無機顔料例えば
CoO 40〜45wt%
Al 60〜55wt%
ZnO 0〜30wt%
のものが好適である。
原料粉体の平均粒径は1000nm以下、好ましくは100〜1000nm特に好ましくは100〜500nmさらに好ましくは200〜400nmである。
原料粉体の平均粒径が上記範囲を超えると、粉砕後の複合酸化物の発色性が低下する。原料粉体の平均粒径が上記範囲よりも小さくなると、粉砕コストが過度に高くなる。
上記の2種以上の原料粉体は、ボールミル、サンドミル、ビーズミルなどの媒体撹拌ミルを用いて十分に粉砕、混合された後、焼成される。
焼成温度は、原料粉体によって異なるが、概略800〜1400℃の範囲から選択される。焼成時間は好ましくは2〜72時間程度の間から選択される。この焼成温度及び時間は、焼成後の焼結物が十分に発色しており且つ適度に粉砕し易い焼結物となるように選択されるのが好ましい。
焼結物は、好ましくは媒体撹拌ミルなどの粉砕機によって平均粒径500nm以下、好ましくは100〜500nm特に好ましくは100〜400nmさらに好ましくは100〜300nmに粉砕されて無機顔料とされる。無機顔料の平均粒径の上限を500nmとしたのは、これをインクジェット用インク等の精緻な加飾の用途に用いるためである。なお、無機顔料の平均粒径が上記範囲よりも小さくなると、粉砕コストが過大になると共に、発色性も低下する。
インクジェット用インクとしては、微粉砕された赤、黄、青及び黒の各顔料をそれぞれ分散剤によって分散させた赤、黄、青及び黒のインクを用いる。
分散剤としては、アニオン、カチオン、ノニオン及び両性の界面活性剤いずれかを適宜選択して使用できる。例えばポリカルボン酸塩、アクリル酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどを用いることが望ましい。
インクには、その他、必要に応じ、グリセリン、ポリエチレングリコールなど多価アルコール類、メタノール、エタノールなどエタノール類、エトキシブトキシエーテルのエーテル類などの各種水溶性有機溶媒、ドデシルベンゼンスルホン酸塩などの各種界面活性剤などを添加し、湿潤性、粘性、表面張力などのレオロジーを調整する。
本発明では、インクジェット用インクに酸化チタンを1〜20wt%特に10〜20wt%添加してもよい。これにより、インク中の顔料が焼成工程において受ける脱色作用を抑制することができる。
なお、本発明のインクジェット用インクでは、無機顔料の一部として複合酸化物以外の顔料を用いてもよい。
本発明では、必要に応じ、酸化スズ等の白色顔料を含む白色用インクを用いて加飾を行ってもよい。
本発明の加飾セラミック体を製造するには、セラミック基材の表面にインクジェットにより絵付けを行い、その上から、釉薬を幕掛け等の手法により層状に均一厚さに塗着させる。なお、インクジェットノズルから滴下するためには、釉薬をある一定の粘度にしなければならないが、釉薬と顔料を混ぜて用いると、その粘度にするためかなり薄めなくてはならず、顔料濃度が低くなる。
これに対し、釉薬と顔料を別々にしておく場合には、最小限薄めるだけでよく、釉薬の顔料濃度を高くすることができる。
セラミック基材は、焼成されていない生素地であってもよく、仮焼されたものであってもよいが、内装用タイルの場合、生素地であることが望ましい。
次に、セラミック基材の表面に塗着する釉薬の好適例について説明する。
一般に、インクジェット加飾用に微細磨した、酸化クロム−酸化錫系顔料及び酸化チタン−酸化クロム−酸化アンチモン系顔料は、加飾された釉薬面で釉薬中のアルカリなどにより分解作用を受け発色が劣化する。そこで、本発明では、釉薬中に酸化チタンを含有させ、この酸化チタンに顔料分解作用を抑制し、酸化クロム−酸化錫系顔料の赤の発色及び酸化チタン−酸化クロム−酸化アンチモン系顔料の黄の発色が向上するために釉薬として組成が
SiO 60〜76モル%好ましくは65〜74モル%
Al 4〜11モル%好ましくは5〜8モル%
TiO 0.1〜10モル%好ましくは2〜5モル%
O 4〜10モル%好ましくは4〜9モル%
NaO 0.5〜5モル%好ましくは0.6〜3モル%
LiO 0〜0.5モル%好ましくは0〜0.2モル%
0〜7モル%好ましくは0.05〜1.6モル%
CaO 4〜10モル%好ましくは4〜9モル%
BaO 0〜6モル%好ましくは0〜5モル%
ZnO 0〜5モル%好ましくは0〜4モル%
SrO 0〜1モル%好ましくは0〜0.5モル%
MgO 0〜2モル%好ましくは0〜1モル%
MnO 0〜0.6モル%好ましくは0〜0.5モル%
ZrO 0〜6モル%好ましくは0〜5モル%
Fe 0〜0.15モル%好ましくは0〜0.1モル%
であるものを用いるのが好ましい。
この釉薬は、融点が高く、しかも青、黄、黒のみならず赤色系の金属酸化物顔料に対しても良好に発色させることが見出された。
この釉薬の組成特定理由は次の通りである。
SiOは釉薬を焼成することにより生成するガラス中の珪酸塩のネットワークを構成する成分である。SiOが60モル%未満であると、焼成されて生じた釉薬面の光沢が乏しくなり、また76モル%超では釉薬の融点が過度に高くなる。このため、SiOの配合量は60〜76モル%好ましくは65〜74モル%とする。
Alは、焼成されて生じた釉薬層の耐薬品性及び耐水性を高めるための成分である。Alが4モル%未満であるとこの釉薬層の耐薬品性及び耐水性が低下し、11モル%超の場合、釉薬の耐火度が過度に高くなる。従って、Alは4〜11モル%好ましくは5〜8モル%配合する。
TiOは、釉薬中のアルカリ成分が顔料に与える分解脱色作用を緩和する作用を有する。TiOが0.1モル%よりも少ないと、この脱色抑制作用が不足する。一方、TiOが10モル%を超えると、釉薬が黄色を帯びるため、求める加飾がしにくくなる。特に好ましいTiOの範囲は2〜5モル%である。
O及びNaOはいずれもフラックス作用を有するものである。KOが4モル%未満であると、またNaOが0.5モル%未満であると、釉薬の融点が過度に高くなる。また、KOが10モル%超、NaOが9モル%超であると、溶融している釉薬(ガラス)が金属酸化物顔料を溶解させて顔料の発色を阻害するため、KOの配合量は4〜10モル%好ましくは4〜9モル%とし、NaOの配合量は0.5〜5モル%好ましくは0.6〜3モル%とする。
LiOもフラックス作用があるので、添加してもよいが、発色阻害作用が強いので、0.5モル%以下好ましくは0.2モル%以下とする。
もフラックス作用があるので、添加してもよいが、過剰に添加すると、金属酸化物顔料を溶解させて顔料の発色を阻害するため、7モル%以下、好ましくは0.05〜1.6モル%とする。
CaO及びBaOは、適量配合された場合に釉薬の融点を低下させる作用があり、CaOは4〜10モル%好ましくは4〜9モル%配合され、BaOは0〜6モル%好ましくは0〜5モル%配合される。CaO及びBaOの配合量が上記範囲を外れると、釉薬の融点が高くなる。
ZnO、MgO及びSrOは、いずれも少量添加された場合にはフラックス作用を有するので配合してもよいが、ZnOの配合量が5モル%超、MgOの配合量が2モル%超、SrOの配合量が1モル%超であると金属酸化物顔料の発色を阻害するので、ZnOは0〜5モル%好ましくは0〜4モル%とし、SrOは0〜1モル%好ましくは0〜0.5モル%とし、MgOは0〜2モル%好ましくは0〜1モル%とする。
MnOは、微量配合することにより焼成後の釉薬表面に光沢を与えるため配合してもよいが、0.6モル%超になると金属酸化物顔料の発色を阻害するので、0.6モル%以下好ましくは0.5モル%以下とする。
ZrOは、少量配合した場合には、焼成後の釉薬に乳白を生じさせ、これにより顔料の発色を彩やかなものとする作用を発揮するが、5モル%超配合すると、釉薬の耐火度(融点)が高くなり、また焼成された釉薬にピンホール状の欠陥が生じ易くなるので、5モル%以下好ましくは4モル%以下とする。
なお、SnOも、ZrOと同様の理由により、5モル%以下、特に4モル%以下配合してもよい。
Feは、釉薬自体を黄色ないし褐色にするため、0.15モル%以下、好ましくは0.1モル%以下とする。
インクジェット用インクによって印刷を行うためのノズルとしては、ノズル径が80μm以下特に50μm以下、例えば30〜50μm以下の細径ノズルを用いるのが好ましく、これにより極めて繊細な像をインクジェット印刷することができる。
インクジェット等により絵柄を印刷した後、乾燥し、焼成して加飾セラミック体とする。内装用タイルの場合、焼成温度は1140〜1260℃特に1150〜1250℃程度が好適である。焼成にはローラーハースキルン、トンネル窯などを用いる。ローラーハースキルンの場合、炉の入口から出口までの炉内滞留時間は20〜100分特に20〜60分程度が好適である。
以下、実施例及び比較例について説明する。
なお、以下の実施例及び比較例においては陶石、粘土等を主原料とした内装用タイルの生素地成形体上に幕掛け法により下記組成の下地用釉薬を掛け、乾燥後、インクジェットにより絵付けし、乾燥させた後、ローラーハースキルンにて焼成して1辺が200mmの内装用タイルを製造した。
SiO 68.90モル%
ZrO 3.38モル%
Al 5.66モル%
Br 4.92モル%
O 3.84モル%
NaO 1.76モル%
CaO 7.08モル%
ZnO 2.31モル%
MgO 0.51モル%
Fe 0.02モル%
TiO 1.64モル%
インクジェットヘッドとしては、ノズル径40μm、ピエゾ素子方式のヘッド(コニカ318WT)を使用した。
なお、平均粒径の測定には日機装(株)ナノトラック250の動的光散乱法による測定装置を用いた。測定時の溶媒は水、粘度は0.001Pa・secとした。
[実施例1及び比較例1]
ピンク系顔料の原料、酸化錫47部、石灰25部、シリカ25部、酸化クロム3部をボールミルで平均粒径3μmまで細磨した。このうち一部を分取し、媒体撹拌ミルで更に平均粒径0.2μmまで細磨した。これらを乾燥後、1250℃で18h同じ窯を使って焼成しいわゆるクロムスズピンク顔料を得た。
この顔料を分散剤などと共に平均粒径0.5、0.4、0.3、0.15、又は0.1μmまで媒体撹拌ミルで細磨し、顔料濃度が変わらないように注意して粘性、表面張力を調整した後、上記釉薬を施釉した面に、インクジェットヘッドで印刷し、1150℃で30分焼成した。
加飾面について行った測色計での測色データを表1及び第1図に示す。
Figure 2008222962
表1及び図1のように、原料粒度が細かい顔料は、細磨初期の粗い粒度では発色がやや劣るが、粉砕が進み細かくなっても、発色の劣化が進みにくい。原料粒度が粗いと、0.5μm以下の粒度では急激に発色が低下してしまった。
[実施例2及び比較例2]
上記と同様の試験黄色系顔料でも試験を実施した。
原料である酸化チタン85部、酸化クロム4部、酸化アンチモン4部をボールミルで平均粒径3μmまで細磨した。このうち一部を分取し、媒体撹拌ミルで更に平均粒径0.25μmまで細磨した。これらを乾燥後、1000℃で14h同じ窯を使って焼成し、いわゆるチタンクロム黄顔料を得た。
この顔料を分散剤などと共に平均粒径0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1μmまで媒体撹拌ミルで細磨し、顔料濃度が変わらないように注意して粘性、表面張力を調整した後、上記釉薬を施釉した面に、インクジェットヘッドで吐出印刷し、1150℃で30分焼成した。
加飾面について行った測色計での測色データを表2及び第2図に示す。
Figure 2008222962
[実施例3及び比較例3]
一般に発色の安定性に優れるジルコン系顔料として、ジルコンプラセオ黄について試験を行った。
酸化ジルコニウム64%、酸化プラセオジウム6%、シリカ30%を混合しボールミルを使って平均粒径4μmに細磨した。このうち一部を分取し、媒体撹拌ミルで更に平均粒径0.3μmまで細磨した。これらを乾燥後、1000℃で12hで同じ窯を使って焼成し、いわゆるジルコンプラセオ黄顔料を得た。
この顔料を分散剤などと共に平均粒径0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1μmまで媒体撹拌ミルで細磨し、顔料濃度が変わらないように注意して粘性、表面張力を調整した後、特開2005−350327に示される釉薬を施釉した面に、インクジェットヘッドで吐出印刷し、1150℃で30分焼成した。
加飾面について行った測色計での測色データを表3及び第3図に示す。
Figure 2008222962
[実施例4及び比較例4]
一般的な黒顔料として、クロム鉄系顔料について試験を行った。
酸化鉄25%、酸化クロム25%、酸化コバルト25%、酸化マンガン25%を混合しボールミルを使って平均粒径6μmに細磨した。このうち一部を分取し、媒体撹拌ミルで更に平均粒径0.2μmまで細磨した。これらを乾燥後、1300℃で16h同じ窯を使って焼成し、いわゆるクロム鉄顔料を得た。
この顔料を分散剤などと共に平均粒径0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1μmまで媒体撹拌ミルで細磨し、顔料濃度が変わらないように注意して粘性、表面張力を調整した後、特開2005−350327に示される釉薬を施釉した面に、インクジェットヘッドで吐出印刷し、1150℃で30分焼成した。
加飾面について行った測色計での測色データを表4及び第4図に示す。
Figure 2008222962
表1〜4、図1〜4より本発明によると500nm以下の微粒子として複合金属顔料を使う場合、その顔料は使用する予定の粒度の2倍以下の粒度の原料から合成されると微細化による発色の低下を抑制できることが明らかに認められた。
実施例及び比較例の結果を示すグラフである。 実施例及び比較例の結果を示すグラフである。 実施例及び比較例の結果を示すグラフである。 実施例及び比較例の結果を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 2種類以上の金属化合物よりなる原料粉体を混合し、焼成した後、粉砕して製造された、平均粒径が500nm以下の複合酸化物系無機顔料において、
    該原料粉体として平均粒径が1000nm以下のものを用いたことを特徴とする無機顔料。
  2. 請求項1において、前記原料粉体として、平均粒径が無機顔料の平均粒径の2倍以下のものを用いたことを特徴とする無機顔料。
  3. 請求項1又は2において、無機顔料の平均粒径が80〜400nmであり、原料粉体の平均粒径が80〜800nmであることを特徴とする無機顔料。
  4. 2種類以上の金属化合物よりなる原料粉体を混合し、焼成した後、粉砕することにより、平均粒径が500nm以下の複合酸化物よりなる無機顔料を製造する方法において、
    該原料粉体として平均粒径が1000nm以下のものを用いることを特徴とする無機顔料の製造方法。
  5. 請求項2において、前記原料粉体として、平均粒径が無機顔料の平均粒径の2倍以下のものを用いることを特徴とする無機顔料の製造方法。
  6. 請求項4又は5において、無機顔料の平均粒径が80〜400nmであり、原料粉体の平均粒径が80〜800nmであることを特徴とする無機顔料の製造方法。
  7. 基材表面に釉薬層が成形されているセラミック体に絵付けするためのインクジェット用インクにおいて、
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の無機顔料を含有することを特徴とするインクジェット用インク。
  8. セラミック基材の上に釉掛けして未焼成の釉薬層を形成し、その上に無機顔料を含むインクジェット用インクによる絵付けを施し、その後焼成して釉薬層を溶融させて加飾セラミック体を製造する方法において、
    前記インクジェット用インクは請求項7に記載のインクジェット用インクであることを特徴とする加飾セラミック体の製造方法。
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