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JP2008212278A - 使い捨て吸収性物品 - Google Patents

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JP2008212278A
JP2008212278A JP2007051474A JP2007051474A JP2008212278A JP 2008212278 A JP2008212278 A JP 2008212278A JP 2007051474 A JP2007051474 A JP 2007051474A JP 2007051474 A JP2007051474 A JP 2007051474A JP 2008212278 A JP2008212278 A JP 2008212278A
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Yuuki Takahashi
勇樹 高橋
Masaru Fujioka
勝 藤岡
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Livedo Corp
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Abstract

【課題】柔軟性(肌に対する風合い)及び通気性等を損なわずに、尿等が吸収部材から外装材側に漏れ出すのを効果的に抑制できる使い捨て吸収性物品を提供する。
【解決手段】外装材2と吸収部材3とを接合するホットメルト接着剤が塗布された複数の筋状塗布部41の縦方向Yに沿った各幅のうち、股下部8aに位置する筋状塗布部41の幅が最も大きく設定されている。より具体的には、その複数の筋状塗布部41の縦方向Yに沿った各幅は、吸収部材3の前後の縁部側から股下側にいくに従って段階的に大きくなるように設定されている。筋状塗布部41へのホットメルト接着剤の塗布は接触塗布方式が採用される。脚用弾性部材18,19の股下部8aに付与された部分が切断されて弱化されており、股下部8aに位置する筋状塗布部41が、脚用弾性部材18,19が切断されている外装材2の領域の少なくとも一部を覆っている。
【選択図】図4

Description

本発明は、使い捨て吸収性物品に関する。
従来の使い捨て吸収性物品として、外装材と、その肌面側に付与される吸収部材とを、ストライプ状に間欠塗工された接着剤により接合したものがある(特許文献1)。これによって、この吸収性物品では、肌に対して優しい風合いやムレ防止等を図っている。
しかし、この従来技術では、吸収部材と外装材との接合面における前後方向の全域に亘って一定の塗布幅で接着剤の筋状塗布部が設けられる構成であるため、着座姿勢時等に体重がかかりやすい股下部では、吸収部材から漏れた尿等が股下部で筋状塗布部間の隙間から外装材側に漏れ出すおそれがある。その対策として、全体的に接着剤の筋状塗布部の塗布幅を大きくする方法が考えられるが、筋状塗布部の塗布幅を大きくすると、肌に対する風合い及び通気性等が損なわれるおそれがある。
例えば、特許文献2のように、股下部で脚用弾性部材を切断して脚用弾性部材の収縮力を弱化させたものでは、脚用弾性部材の切断処理が施された外装材の部分の防水性能が低下する場合がある。このような場合において、尿等が吸収部材から外装材側に漏れ出すと、その尿等が防水性能が低下した外装材の股下部を介して外部に漏れ出すおそれがある。
特開2005− 95261号公報 特開2004−167043号公報
そこで、本発明の解決すべき課題は、柔軟性(肌に対する風合い)及び通気性等を損なわずに、尿等が吸収部材から外装材側に漏れ出すのを効果的に抑制できる使い捨て吸収性物品を提供することである。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明では、外装材と、前記外装材の肌面側に付与され、吸収体を有する吸収部材と、塗布面に実質的に接触する塗工部によりホットメルト接着剤が塗布される接触塗布方式により、前記外装材及び前記吸収部材の両対向面のうちのいずれか一方に、当該吸収性物品を略平面状に展開したときに略横方向に沿って延びる筋状に前記ホットメルト接着剤が塗布されてなり、前記外装材と前記吸収部材とを接合する複数の筋状塗布部とを備え、前記複数の筋状塗布部の当該吸収性物品の縦方向に沿った各幅のうち、股下部に位置する筋状塗布部の幅が最も大きく設定されている。
また、請求項2の発明では、請求項1の発明に係る使い捨て吸収性物品において、前記複数の筋状塗布部の前記縦方向に沿った各幅は、前後の縁部側から股下側にいくに従って大きくなる。
また、請求項3の発明では、請求項1又は請求項2の発明に係る使い捨て吸収性物品において、前記外装材の左右の脚周りに位置する脚周り部から前記股下部にかけて付与された脚用弾性部材をさらに備え、前記脚用弾性部材における前記股下部に付与された部分は、前記外装材に付与された状態で切断されて弱化させており、前記複数の筋状塗布部のうちの股下部に位置する筋状塗布部が、前記脚用弾性部材が切断されている前記外装材の領域の少なくとも一部を覆っている。
また、請求項4の発明では、外装材と、前記外装材の肌面側に付与され、吸収体を有する吸収部材と、塗布面に実質的に接触する塗布面に実質的に接触した塗工部によりホットメルト接着剤が塗布される接触塗布方式により、前記外装材及び前記吸収部材の両対向面のうちのいずれか一方に、前記ホットメルト接着剤が筋状に塗布されてなり、前記外装材と前記吸収部材とを接合する複数の筋状塗布部と、前記外装材及び前記吸収部材の両対向面のうちのいずれか他方における股下部の少なくとも一部に、前記ホットメルト接着剤が面状に塗布されてなり、前記外装材と前記吸収部材とを接合する面状塗布部とを備える。
また、請求項5の発明では、請求項4の発明に係る使い捨て吸収性物品において、前記外装材の左右の脚周りに位置する脚周り部から前記股下部にかけて付与された脚用弾性部材をさらに備え、前記脚用弾性部材における前記股下部に付与された部分は、前記外装材に付与された状態で切断されて弱化させており、前記面状塗布部が、前記脚用弾性部材が切断されている前記外装材の領域の少なくとも一部を覆っている。
また、請求項6の発明では、請求項4又は請求項5の発明に係る使い捨て吸収性物品において、前記面状塗布部に塗布される前記ホットメルト接着剤は、吸水性樹脂を含有している。
請求項1に記載の発明によれば、外装材と吸収部材とを接合するホットメルト接着剤が塗布された複数の筋状塗布部の当該吸収性物品の縦方向に沿った各幅のうち、股下部に位置する筋状塗布部の幅が最も大きく設定されている。それ故、着座時等に体重がかかりやすく漏れ等が生じやすい股下部において、接着剤の筋状塗布部の塗布幅を他の領域の筋状塗布部の塗布幅よりも大きくするとことにより、尿等が吸収部材から外装材側に漏れ出すのを接着剤の筋状塗布部により効果的に遮ることができる。その結果、全体的なホットメルト接着剤の塗布面積や塗布量を抑制して吸収性物品の柔軟性(肌に対する風合い)及び通気性等を損なわずに、尿等が吸収部材から外装材側に漏れ出すのを効果的に抑制できる。
また、外装材と吸収部材とを接合するホットメルト接着剤が接触塗布方式により塗布されるため、スパイラルスプレー塗布方式等のように塗布処理時にホットメルト接着剤が飛散して製品や製造ラインの不必要な部分に付着して、製品の品質が低下したり、製造ラインのメンテナンスの負荷が増大するのを防止することができる。
また、筋状塗布部のパターン(塗布幅、隙間間隔及びそれらの分布等)は、例えば塗工ヘッド部のストライプ状の塗布パターンを規定するための櫛刃状部材等を交換するだけで容易に変更することができるため、筋状塗布部のパターンの変更等に容易に対応することができる。
請求項2に記載の発明によれば、外装材と吸収部材とを接合するホットメルト接着剤が塗布された複数の筋状塗布部の縦方向に沿った各幅は、前後の縁部側から股下側にいくに従って大きくなるように設定されている。それ故、着座時等に体重がかかりやすく漏れ等が生じやすい股下部の近くに位置する部分ほどホットメルト接着剤の筋状塗布部の塗布幅を大きくすることにより、吸収性物品の柔軟性及び通気性等を保持しつつ、股下部及びその周辺にて尿等が吸収部材から外装材側に漏れ出すのを接着剤の筋状塗布部によってより効果的に遮ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、脚用弾性部材の股下部に付与された部分が切断されて弱化されているため、脚用弾性部材の締め付けが強すぎて着用感が損なわれたり、脚用弾性部材の収縮により吸収部材の吸収体によじれが生じる等の不都合を回避できる。
また、外装材と吸収部材とを接合するホットメルト接着剤の複数の筋状塗布部のうちの股下部に位置する筋状塗布部が、脚用弾性部材が切断されている外装材の領域の少なくとも一部を覆っている。それ故、脚用弾性部材の切断処理が施された外装材の部分の防水性能が低下している場合であっても、その部分に設けらたホットメルト接着剤の筋状塗布部により、脚用弾性部材が切断された外装材の部分を介して尿等が外部に漏れるのを抑制できる。
請求項4に記載の発明によれば、外装材及び吸収部材の対向面のほぼ全域に、ホットメルト接着剤が筋状に塗布された複数の筋状塗布部が設けられ、着座時等に体重がかかりやすく漏れ等が生じやすい股下部については、その筋状塗布部に加えてホットメルト接着剤が面状に塗布された面状塗布部が追加された構成である。それ故、全体的なホットメルト接着剤の塗布面積や塗布量を抑制して吸収性物品の柔軟性(肌に対する風合い)及び通気性等を維持しつつ、股下部において尿等が吸収部材から外装材側に漏れ出すのを効果的に遮ることができる。特に、外装材及び吸収部材の両対向面における股下部以外の部分については、ホットメルト接着剤を筋状の間欠塗工する構成であるため、良好な通気性等が得られる。
また、外装材と吸収部材とを接合するための筋状塗布部において、ホットメルト接着剤が接触塗布方式により塗布されるため、スパイラルスプレー塗布方式等のように塗布処理時にホットメルト接着剤が飛散して製品や製造ラインの不必要な部分に付着して、製品の品質が低下したり、製造ラインのメンテナンスの負荷が増大するのを防止することができる。
また、筋状塗布部のパターン(塗布幅、隙間間隔及びそれらの分布等)は、例えば塗工ヘッド部のストライプ状の塗布パターンを規定するための櫛刃状部材等を交換するだけで容易に変更することができるため、筋状塗布部のパターンの変更等に容易に対応することができる。
請求項5に記載の発明によれば、脚用弾性部材の股下部に付与された部分が切断されて弱化されているため、脚用弾性部材の締め付けが強すぎて着用感が損なわれたり、脚用弾性部材の収縮により吸収部材の吸収体によじれが生じる等の不都合を回避できる。
また、外装材と吸収部材とを接合するホットメルト接着剤の面状塗布が、脚用弾性部材が切断されている外装材の領域の少なくとも一部を覆っている。それ故、脚用弾性部材の切断処理が施された外装材の部分の防水性能が低下している場合であっても、その部分に設けらたホットメルト接着剤の面状塗布部により、脚用弾性部材が切断された外装材の部分を介して尿等が外部に漏れるのを抑制できる。
請求項6に記載の発明によれば、外装材と吸収部材との対向面における股下部に設けられる面状塗布部には、吸水性樹脂を含有したホットメルト接着剤が塗布されるため、面状塗布部に塗布されたホットメルト接着剤に吸収部材から漏れ出した尿等を吸収させることができ、その結果、吸収部材から漏れ出した尿等が外装材の股下部から外部に漏れ出すのをより確実に防止できる。
また、吸水樹脂を含有したホットメルト接着剤は股下部のみの使用で済むため、吸収性物品の製造コストを抑制できる。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る使い捨て吸収性物品(以下、単に「吸収性物品」という)の正面図であり、図2は図1の吸収性物品において左右のサイド接合部を展開した状態を示す図であり、図3は図2のA−A線に沿った断面構造を模式的に示す図である。なお、本明細書において前後左右というときは着用者を基準としており、例えば、その着用者の左手側を左、右手側を右と呼んでいる。また、吸収性物品1の縦方向Y(図2参照)とは吸収性物品1の上下又は前後方向に対応した方向をいい、吸収性物品1の横方向X(図2参照)とは吸収性物品1の左右方向に対応した方向をいう。
この吸収性物品1は、図1ないし図3に示すように、この吸収性物品1の外側に設けられる外装材2と、外装材2の肌面側に接合される吸収部材3とを備えている。
外装材2は、着用者の前腹部、後背部及び股部にそれぞれあてがわれる前部6、後部7及び股部8を備えている。なお、ここでは外装材2が前部6、後部7及び股部8に渡って一体に構成された例について示したが、外装材2が前側の部分と後側の部分とが股部で分断されて別々の部材として構成されていてもよい。
外装材2の前部6の左右の縁部6aと後部7の左右の縁部7aとは、互いに向き合った状態で所定の接合手段により接合され、これによって左右のサイド接合部9が形成されている。このため、この吸収性物品1は、ウエスト用開口部11と、左右の脚用開口部12L,12Rを有するパンツ型の構成を有している。サイド接合部9の接合手段としては、超音波溶着、加熱溶着、接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)による接着等のいずれか一つ又はそれの複数の組み合わせ等により行われる。
吸収部材3は、外装材2のほぼ股部8に対応する部分の肌面側にホットメルト接着剤を用いて接合されている。このホットメルト接着剤の塗布形態については、後に詳述する。なお、変形例として吸収部材3の前後の端縁部の上から押さえシートを外装材2の肌面側に貼着するようにしてもよい。
外装材2の前部6の上縁部には、その上縁部に沿ってウエスト用弾性部材16が伸張された状態で付与されている。また、後部7の上縁部には、その上縁部に沿ってウエスト用弾性部材17が伸張された状態で付与されている。また、股部8の脚用開口部12L,12Rを形成する左右の縁部には、その縁部に沿って脚用弾性部材18,19が伸張された状態で付与されている。また、前部6の左右の着用者の胴周りに位置する部分(前部6の縦方向Yの中間部)には、横方向Xに沿ってボディ用弾性部材20が伸張された状態で付与されている。また、後部7における着用者の胴周りに位置する部分(後部7の縦方向Yの中間部)には、横方向Xに沿ってボディ用弾性部材21が伸張された状態で付与されている。
外装材2は、不織布からなる2枚のシート材26,27(図3参照)の間に、弾性部材16〜21を挟み込んで構成されている。シート材26,27同士の接合及び弾性部材16〜21のシート材26,27への接合は、接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)、熱溶着、超音波溶着等の接合手段を用いて行われる。なお、本実施形態では両シート材26,27は同じ平面形状を有しているが、互いに異なる平面形状としてもよい。また、本実施形態ではシート材26,27の少なくともいずれか一方は撥水性のものを使用しているが、両シート材26,27ともに親水性ものを使用してもよい。
吸収部材3は、着用者の排泄物を吸収する吸収体31が備えられた本体部32と、その本体部32に設けられた左右の起立部33とを備えて構成されている。本体部32は、吸収体31を図示しない撥水性又は不透液性のバックシートと透液性のトップシートとによって挟み込んで構成されている。起立部33の自由端部には1又は複数の起立用弾性部材34が伸張された状態で付与されており、この起立用弾性部材34の収縮力によって、起立部33が着用者の肌面側に立ち上がり、肌面にフィットするようになっている。
また、この吸収性物品1では、脚用弾性部材18,19は外装材2の左右の脚周り部2aから股下部8aにかけて連続的に付与された後、弾性部材18,19の股下部8aに位置する部分にて、弾性部材18,19を短く切断して弱化させる弱化処理が施されている。このように、弾性部材18,19の股下部8aに付与された部分が弱化されているので、弾性部材18,19の締め付けが強すぎて着用感が損なわれたり、弾性部材18,19の収縮により吸収部材3の吸収体31によじれが生じる等の不都合を回避できるようになっている。
図4は、外装材2と吸収部材3とを接合するホットメルト接着剤の塗工部の構成を示す図である。なおこの図4では、図示の便宜上、弾性部材16〜21等を省略している(後述の図10につていも同様)。
本実施形態では、図4に示すように、外装材2及び吸収部材3の両対向面のうちのいずれか一方(例えば、外装材2の吸収部材3との対向面)に、この吸収性物品1を略平面状に展開したときに略横方向Xに沿って延びる筋状にホットメルト接着剤が塗布されてなる複数の筋状塗布部41が設けられ、この複数の筋状塗布部41によって吸収部材3が外装材2に接合されている。このようにホットメルト接着剤を筋状に間欠塗布することにより、吸収性物品1の柔軟性(肌に対する風合い)及び通気性等が向上するようになっている。
このようなストライプ状に設けられた複数の筋状塗布部41の縦方向Yに沿った各幅のうち、股下部8aに位置する筋状塗布部41の幅が最も大きく設定されている。より具体的には、複数の筋状塗布部41の縦方向Yに沿った各幅は、吸収部材3の前後の縁部側から股下側にいくに従って段階的に大きくなっている。図5(a)は前後の端縁部の筋状塗布部41の構成を示す図であり、図5(b)は股下部8aの筋状塗布部41の構成を示す図である。前後の端縁部における筋状塗布部41の縦方向Yの幅Waの最小値は、例えば約0.5〜約5mmの範囲内(具体的な数値例としては、例えば約1mm)に設定され、股下部8aにおける筋状塗布部41の縦方向Yの幅Waの最大値は、例えば約30〜約130mmの範囲内(具体的な数値例としては、例えば約50mm)に設定される。また、縦方向Yに沿った各筋状塗布部41間の隙間部の幅Wbは、例えば約0.5〜約10mmの範囲内で一定の値(具体的な数値例としては、例えば約1mm)に設定される。なお、変形例として、各筋状塗布部41間の隙間部の幅Wbを吸収性物品1内の場所によって変化させるようにしてもよい。また、吸収部材3の前後の端縁部については、剥離防止等のために例外的に、幅広の塗布幅でホットメルト接着剤が塗布されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、図6に示すように、複数の筋状塗布部41のうちの股下部8aに位置する筋状塗布部41が、脚用弾性部材18,19が短く切断されている外装材2の領域の少なくとも一部(好ましくは全域)を覆っている。
ここで、脚用弾性部材18,19の切断処理について説明する。脚用弾性部材18,19の切断処理は、図7に示すように、前工程で形成された外装材連続体51に対して行われる。この外装材連続体51は、外装材2を構成するための材料が吸収性物品1を基準として横方向Xに連続的に連なってなるものであり、シート材26,27の連続体の間に、弾性部材16〜21が連続的に連なった状態で挟み込まれて構成されている。具体的には、例えば図7に示すように、カッターとして機能する刃ロール52とアンビルロール53との間に、所定の搬送方向B1に搬送される外装材連続体51の股下部8aに対応する部分を通すことにより行われる。ロール52の外周には複数の刃52aが設けられており、外装材連続体51の通過に伴ってその刃52aが外装材連続体51に当てられ、外装材連続体51の股下部8aに対応する部分に付与された弾性部材18,19が、刃ロール52の刃52aにより短く切断されて弱化される。なお、弾性部材18,19の切断は刃ロール52等を用いた構成に限らず、外装材2の弾性部材18,19が付与された部分を加圧部により加圧して切断するようにしてもよい。
このような脚用弾性部材18,19に対する切断処理により、弾性部材18,19の切断処理が施された外装材2の領域では、刃ロール52の刃52aが外装材2に当てられるため、小さな亀裂や孔等が生じ、防水性能が低下する。
そこで、本実施形態では、脚用弾性部材18,19が短く切断されている外装材2の領域の少なくとも一部(好ましくは全域)を、股下部8aに位置する筋状塗布部41で覆うことによって、弾性部材18,19が切断された外装材2の領域での防水を図っている。
次に、筋状塗布部41へのホットメルト接着剤の塗布工程について説明する。筋状塗布部41へのホットメルト接着剤の塗布は、接触塗布方式により行われる。この接触塗布方式では、図8に示すように、所定の搬送方向B2に搬送される塗布対象55(本実施形態では、外装材2又は吸収部材3)の塗布面に実質的に接触した塗工部としての塗工ヘッド部56により塗布が行われる。なお、この「塗布面に塗工ヘッド部56が実質的に接触する」とは、塗工ヘッド部56が塗布面に接触した状態でホットメルト接着剤57が塗布される状態と、塗工ヘッド部56と塗布面にわずかな隙間が空けられた状態でホットメルト接着剤57が塗布される状態とを含む概念である。
塗工ヘッド部56内に形成されたホットメルト接着の流路内には、図9に示すような櫛刃状部材58が挟み込まれている。この櫛刃状部材58には、筋状塗布部41のパターン(塗布幅、隙間間隔及びそれらの分布等)に対応した複数のスリット58aが設けられている。所定の供給管路等を介して塗工ヘッド部56内に供給されたホットメルト接着剤57は、櫛刃状部材58のスリット58a内に導入され、塗工ヘッド部56の先端部にて各スリット58aの下端から塗布面上に押し出されて筋状に塗布される。例えば筋状塗布部41のパターンの変更は、櫛刃状部材58の種類等を交換することにより簡単に行えるようになっている。
以上のように、本実施形態によれば、外装材2と吸収部材3とを接合するホットメルト接着剤が塗布された複数の筋状塗布部41の縦方向Yに沿った各幅のうち、股下部8aに位置する筋状塗布部41の幅が最も大きく設定されている。より具体的には、その複数の筋状塗布部41の縦方向Yに沿った各幅は、吸収部材3の前後の縁部側から股下側にいくに従って段階的に大きくなるように設定されている。それ故、着座時等に体重がかかりやすく漏れ等が生じやすい股下部8aの近くに位置する部分ほどホットメルト接着剤の筋状塗布部41の塗布幅を大きくすることにより、吸収性物品1の柔軟性及び通気性等を保持しつつ、股下部8a及びその周辺にて尿等が吸収部材3から外装材2側に漏れ出すのを接着剤の筋状塗布部41によって効果的に遮ることができる。
また、外装材2と吸収部材3とを接合するホットメルト接着剤が接触塗布方式により塗布されるため、スパイラルスプレー塗布方式等のように塗布処理時にホットメルト接着剤が飛散して製品や製造ラインの不必要な部分に付着して、製品の品質が低下したり、製造ラインのメンテナンスの負荷が増大するのを防止することができる。
また、筋状塗布部41のパターン(塗布幅、隙間間隔及びそれらの分布等)は、例えば塗工ヘッド部56のストライプ状の塗布パターンを規定するための櫛刃状部材58等を交換するだけで容易に変更することができるため、筋状塗布部41のパターンの変更等に容易に対応することができる。
また、脚用弾性部材18,19の股下部8aに付与された部分が短く切断されて弱化されているため、脚用弾性部材18,19の締め付けが強すぎて着用感が損なわれたり、脚用弾性部材18,19の収縮により吸収部材3の吸収体31によじれが生じる等の不都合を回避できる。
また、複数の筋状塗布部41のうちの股下部8aに位置する筋状塗布部41が、脚用弾性部材18,19が短く切断されている外装材2の領域の少なくとも一部を覆っている。それ故、脚用弾性部材18,19の切断処理が施された外装材2の部分の防水性能が低下している場合であっても、その部分に設けらたホットメルト接着剤の筋状塗布部41により、脚用弾性部材18,19が切断された外装材2の部分を介して尿等が外部に漏れるのを抑制できる。
[第2実施形態]
図10は本発明の第2実施形態に係る吸収性物品における外装材と吸収部材とを接合するホットメルト接着剤の塗工部の構成を示す図であり、図11は図10の吸収性物品の股下部の断面構成を模式的に示す図である。本実施形態に係る吸収性物品1aが上述の第1実施形態に係る吸収性物品1と実質的に異なる点は、外装材2と吸収部材3とを接合するためのホットメルト接着剤の塗布形態のみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を伏して説明の重複を回避する。
本実施形態では、図10及び図11に示すように、ホットメルト接着剤が筋状に塗布された複数の筋状塗布部61と、ホットメルト接着剤が股下部8aにて面状に塗布された1つの面状塗布部62とによって、外装材2と吸収部材3とが接合さている。
複数の筋状塗布部61は、この吸収性物品1を略平面状に展開したときに略横方向Xに沿って延びる筋状にホットメルト接着剤が塗布されて形成されている。この筋状塗布部61へのホットメルト接着剤の塗布は、第1実施形態の筋状塗布部41の場合と同様に接触塗布方式により行われる。このようにホットメルト接着剤を筋状に間欠塗布することにより、吸収性物品1aの柔軟性(肌に対する風合い)及び通気性等が向上するようになっている。
より詳細には、複数の筋状塗布部61の塗布幅及びそれの間隔は、吸収部材3の縦方向Yの全域においてほぼ一定に設定されている。例えば、筋状塗布部61の縦方向Yの塗布幅は、例えば約0.5〜約5mmの範囲内(具体的な数値例としては、例えば約1mm)に設定され、筋状塗布部61間の間隔は、例えば約0.5〜約10mmの範囲内(具体的な数値例としては、例えば約1mm)に設定されている。なお、変形例として、筋状塗布部61の塗布幅及び間隔を吸収性物品1内の場所によって変化させるようにしてもよい。例えば、吸収部材3の前後の端縁部については、剥離防止等のために例外的に、幅広の塗布幅でホットメルト接着剤が塗布されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、複数の筋状塗布部61を横方向Xに沿って延びるように形成したが、変形例として、複数の筋状塗布部61を縦方向Yに沿って延びるように形成してもよい。
また、面状塗布部62は、外装材2及び吸収部材3の両対向面のうちのいずれか他方(例えば、吸収部材3の外装材2との対向面)における股下部8aの少なくとも一部に、ホットメルト接着剤が面状に塗布されて形成されている。この面状塗布部62へのホットメルト接着剤の塗布については、第1実施形態の筋状塗布部41の場合と同様な接触塗布方式を採用してもよく、他の塗布方式を採用してもよい。
また、この面状塗布部62は、股下部8aの防水性能の向上を図るべく、図12に示すように、脚用弾性部材18,19が短く切断されている外装材2の領域の少なくとも一部を覆うように形成されているとともに、塗布されるホットメルト接着剤として吸水性樹脂を含有したものが用いられている。
ここで、面状塗布部62の形状及び寸法等について具体例を挙げて説明する。面状塗布部62は、略四角状(正方形及び長方形を含む)の平面形状を有し、縦方向Y及び横方向Xに沿った各辺の寸法(長さ)が、約30〜約130mmの範囲内のいずれかの値、より好ましくは、約60〜約100mmの範囲内のいずれかの値に設定される。あるいは、面状塗布部62の形成位置及び寸法を、面状塗布部62が脚用弾性部材18,19が短く切断されている外装材2の領域の全域を完全に覆うように(あるいは、ほぼ全域を覆うように)設定するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、外装材及2び吸収部材3の対向面のほぼ全域に、ホットメルト接着剤が筋状に塗布された複数の筋状塗布部61が設けられ、着座時等に体重がかかりやすく漏れ等が生じやすい股下部8aについては、その筋状塗布部61に加えてホットメルト接着剤が面状に塗布された面状塗布部62が追加された構成である。それ故、全体的なホットメルト接着剤の塗布面積や塗布量を抑制して吸収性物品1の柔軟性(肌に対する風合い)及び通気性等を維持しつつ、股下部8aにおいて尿等が吸収部材3から外装材2側に漏れ出すのを効果的に遮ることができる。特に、外装材2及び吸収部材3の両対向面における股下部8a以外の部分については、ホットメルト接着剤を筋状の間欠塗工する構成であるため、良好な通気性等が得られる。
また、筋状塗布部61についてはホットメルト接着剤が接触塗布方式により塗布されるため、スパイラルスプレー塗布方式等のように塗布処理時にホットメルト接着剤が飛散して製品や製造ラインの不必要な部分に付着して、製品の品質が低下したり、製造ラインのメンテナンスの負荷が増大するのを防止することができる。
また、筋状塗布部61のパターン(塗布幅、隙間間隔及びそれらの分布等)は、例えば塗工ヘッド部のストライプ状の塗布パターンを規定するための櫛刃状部材等を交換するだけで容易に変更することができるため、筋状塗布部61のパターンの変更等に容易に対応することができる。
また、脚用弾性部材18,19の股下部8aに付与された部分が短く切断されて弱化されているため、脚用弾性部材18,19の締め付けが強すぎて着用感が損なわれたり、脚用弾性部材18,19の収縮により吸収部材3の吸収体31によじれが生じる等の不都合を回避できる。
また、面状塗布部62が、脚用弾性部材18,19が短く切断されている外装材2の領域の少なくとも一部を覆っている。それ故、脚用弾性部材18,19の切断処理が施された外装材2の部分の防水性能が低下している場合であっても、その部分に設けらたホットメルト接着剤の面状塗布部62により、脚用弾性部材18,19が切断された外装材2の部分を介して尿等が外部に漏れるのを抑制できる。
また、外装材2と吸収部材3との対向面における股下部8aに設けられる面状塗布部62には、吸水性樹脂を含有したホットメルト接着剤が塗布されるため、面状塗布部62に塗布されたホットメルト接着剤に吸収部材3から漏れ出した尿等を吸収させることができ、その結果、吸収部材3から漏れ出した尿等が外装材2の股下部8aから外部に漏れ出すのをより確実に防止できる。
また、吸水樹脂を含有したホットメルト接着剤は股下部8aのみの使用で済みため、吸収性物品1の製造コストを抑制できる。
なお、上述の第1及び第2実施形態に係る吸収性物品1,1aはパンツ型のものであるが、上述の各実施形態に係る技術をテープ型の使い捨ておむつに適用してもよく、あるいはパンツ・おむつ共用型の使い捨て吸収性物品に適用してもよい。なお、パンツ・おむつ共用型の使い捨て吸収性物品とは、腰周りの部分を破断するための破断部と、破断後の再締結用の締結部材とを有し、破断部を破断しないときはパンツ型の構成となり、破断部を破断したときはテープ型の構成となるものをいう。
本発明の第1実施形態に係る使い捨て吸収性物品の正面図である。 図1の使い捨て吸収性物品において左右のサイド接合部を展開した状態を示す図である。 図2のA−A線に沿った断面構造を模式的に示す図である。 外装材と吸収部材とを接合するホットメルト接着剤の塗工部の構成を示す図である。 (a)は前後の端縁部の筋状塗布部の構成を示す図であり、(b)は股下部の筋状塗布部の構成を示す図である。 図4の股下部の構成を拡大して示す図である。 脚用弾性部材の切断工程を示す図である。 ホットメルト接着剤を塗布する塗工ヘッド部の断面構成及びそれによる塗布工程を示す図である。 図8の塗工ヘッド部に備えられる櫛刃状部材の要部構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る使い捨て吸収性物品における外装材と吸収部材とを接合するホットメルト接着剤の塗工部の構成を示す図である。 図10の使い捨て吸収性物品の股下部の断面構成を模式的に示す図である。 図10の股下部の構成を拡大して示す図である。
符号の説明
1 吸収性物品、2 外装材、2a 脚周り部、3 吸収部材、6 前部、7 後部、8 股部、8a 股下部、9 サイド接合部、11 ウエスト用開口部、12L,12R 脚用開口部、16,17 ウエスト用弾性部材、18,19 脚用弾性部材、20,21 ボディ用弾性部材、26,27 シート材、31 吸収体、32 本体部、33 起立部、34 起立用弾性部材、41 筋状塗布部、51 外装材連続体、52 刃ロール、53 アンビルロール、56 塗工ヘッド部、57 ホットメルト接着剤、58 櫛刃状部材、61 筋状塗布部、62 面状塗布部。

Claims (6)

  1. 外装材と、
    前記外装材の肌面側に付与され、吸収体を有する吸収部材と、
    塗布面に実質的に接触する塗工部によりホットメルト接着剤が塗布される接触塗布方式により、前記外装材及び前記吸収部材の両対向面のうちのいずれか一方に、当該吸収性物品を略平面状に展開したときに略横方向に沿って延びる筋状に前記ホットメルト接着剤が塗布されてなり、前記外装材と前記吸収部材とを接合する複数の筋状塗布部と、
    を備え、
    前記複数の筋状塗布部の当該吸収性物品の縦方向に沿った各幅のうち、股下部に位置する筋状塗布部の幅が最も大きく設定されていることを特徴とする使い捨て吸収性物品。
  2. 請求項1に記載の使い捨て吸収性物品において、
    前記複数の筋状塗布部の前記縦方向に沿った各幅は、前後の縁部側から股下側にいくに従って大きくなることを特徴とする使い捨て吸収性物品。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の使い捨て吸収性物品において、
    前記外装材の左右の脚周りに位置する脚周り部から前記股下部にかけて付与された脚用弾性部材をさらに備え、
    前記脚用弾性部材における前記股下部に付与された部分は、前記外装材に付与された状態で切断されて弱化させており、
    前記複数の筋状塗布部のうちの股下部に位置する筋状塗布部が、前記脚用弾性部材が切断されている前記外装材の領域の少なくとも一部を覆っていることを特徴とする使い捨て吸収性物品。
  4. 外装材と、
    前記外装材の肌面側に付与され、吸収体を有する吸収部材と、
    塗布面に実質的に接触する塗工部によりホットメルト接着剤が塗布される接触塗布方式により、前記外装材及び前記吸収部材の両対向面のうちのいずれか一方に、前記ホットメルト接着剤が筋状に塗布されてなり、前記外装材と前記吸収部材とを接合する複数の筋状塗布部と、
    前記外装材及び前記吸収部材の両対向面のうちのいずれか他方における股下部の少なくとも一部に、前記ホットメルト接着剤が面状に塗布されてなり、前記外装材と前記吸収部材とを接合する面状塗布部と、
    を備えることを特徴とする使い捨て吸収性物品。
  5. 請求項4に記載の使い捨て吸収性物品において、
    前記外装材の左右の脚周りに位置する脚周り部から前記股下部にかけて付与された脚用弾性部材をさらに備え、
    前記脚用弾性部材における前記股下部に付与された部分は、前記外装材に付与された状態で切断されて弱化させており、
    前記面状塗布部が、前記脚用弾性部材が切断されている前記外装材の領域の少なくとも一部を覆っていることを特徴とする使い捨て吸収性物品。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の使い捨て吸収性物品において、
    前記面状塗布部に塗布される前記ホットメルト接着剤は、吸水性樹脂を含有していることを特徴とする使い捨て吸収性物品。
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