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JP2008209966A - 一以上のセカンダリストレージシステムで複数のバックアップを取得するバックアップ制御方法 - Google Patents

一以上のセカンダリストレージシステムで複数のバックアップを取得するバックアップ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のボリュームペアについて一以上のセカンダリストレージシステムで取得する複数のバックアップのコンシステンシーを保ち、指定時刻におけるデータを迅速にリストアできるようにする。
【解決手段】制御装置が、現在よりも将来の時刻を指定した時刻である指定時刻を一以上のセカンダリストレージシステムの全てに設定する。各セカンダリストレージシステムが、バックアップ用の論理ボリューム(BVOL)を有し、指定時刻までのジャーナルが確定した場合、バックアップの準備完了状態とし、準備完了状態を示す情報を、制御装置に報告する。制御装置が、一以上のセカンダリストレージシステムの全てから、準備完了状態を示す情報の報告があった場合に、一以上のセカンダリストレージシステムの全てに、バックアップ命令を発行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リモートコピーのために利用されるジャーナルの転送先のストレージシステムでバックアップを取得する技術に関する。
プライマリストレージシステムからセカンダリストレージシステムへのリモートコピーに関する技術が知られている。リモートコピーの一つの方法として、プライマリ論理ボリューム(以下、PVOL)の更新履歴に関する情報であるジャーナルを利用する方法がある。具体的には、例えば、プライマリストレージシステムが、PVOLにデータが書かれる場合、そのデータを含んだジャーナルを準備し、そのジャーナルを、セカンダリストレージシステムに転送する。セカンダリストレージシステムは、そのジャーナル中のデータを、セカンダリ論理ボリューム(以下、SVOL)に書く。
セカンダリストレージシステムにおいて、指定時刻の状態におけるデータのバックアップを取得することが望まれることがあり得る。指定時刻の状態におけるデータのバックアップの取得に関する技術として、例えば、特許文献1に開示の技術がある。
また、ジャーナルを利用して任意の時点におけるデータをリストアする技術として、例えば、特許文献2に開示の技術がある。
特開2006−155676号公報 特開2005−18738号公報
一以上のプライマリストレージシステムに存在する複数のPVOLとそれぞれ複数のボリュームペアを構成する複数のSVOLを有した一以上のセカンダリストレージシステムがあり、それら一以上のセカンダリストレージシステムにおいて、各ボリュームペア毎に、指定時刻におけるデータのバックアップを取得することを想定する。
この場合、特許文献1では、少なくとも一つのボリュームペアについてのバックアップの取得に失敗しても、他のボリュームペアについてはバックアップが取得される。このため、一以上のセカンダリストレージシステムにおける複数のバックアップのコンシステンシーが保たれない。
特許文献2に開示の技術によれば、或る時点のスナップショットに対し、或る時点から指定時刻までに用意された複数のジャーナル中のデータを順次にそのスナップショットに書いていくことで、指定時刻におけるデータをリストアすることができる。しかし、或る時点から指定時刻までのジャーナルの数が多いほど、リストアに時間がかかるおそれがある。
従って、本発明の目的は、複数のボリュームペアについて一以上のセカンダリストレージシステムで取得する複数のバックアップのコンシステンシーを保ち、指定時刻におけるデータを迅速にリストアできるようにすることにある。
本発明の更なる目的は、後の記載から明らかになるであろう。
一以上のセカンダリストレージシステムの各々が、バックアップ用の論理ボリュームを備える。制御装置が、現在よりも将来の時刻を指定した時刻である指定時刻を、一以上のセカンダリストレージシステムの全てに設定する。一以上のセカンダリストレージシステムの各々が、指定時刻より未来の時刻を表す時刻情報を含んだジャーナルを検出した場合、又は、自分が有するセカンダリ論理ボリュームとボリュームペアを構成するプライマリ論理ボリュームを備えたプライマリストレージシステムで指定時刻より未来の時刻を示す時刻情報を含んだジャーナルが記憶されていないことがわかった場合に、バックアップ用の論理ボリュームに対するバックアップの準備完了状態とし、準備完了状態を示す情報を、制御装置に報告する。制御装置が、一以上のセカンダリストレージシステムの全てから、準備完了状態を示す情報の報告があった場合に、一以上のセカンダリストレージシステムの全てに、バックアップ命令を発行する。各セカンダリストレージシステムは、そのバックアップ命令を受けた場合に、指定時刻までのデータをBVOLに書く。
本発明の一つの実施形態では、複数のPVOLを備えた一以上のプライマリストレージシステムに、複数のPVOLとそれぞれ複数のボリュームペアを構成する複数のSVOLを備えた一以上のセカンダリストレージシステムが接続されており、それら一以上のセカンダリストレージシステムの制御装置が存在する。一以上のセカンダリストレージシステムが、複数のボリュームペアの各々について、時刻情報とプライマリ論理ボリュームに書かれるデータとを含んだジャーナルを、他のボリュームペアについてのジャーナルが転送されるパスとは異なるパスを経由して受信する。具体的には、例えば、一以上のプライマリストレージシステムと一以上のセカンダリストレージシステムとの少なくとも一方が複数台存在する。或いは、例えば、複数のボリュームペアの各々に異なるパス(ストレージシステム間のパス)が割当てられている。
一以上のセカンダリストレージシステムの各々が、バックアップ用の論理ボリューム(以下、「BVOL」と記載)と、ジャーナル記憶資源と、ジャーナル制御部と、時刻指定受付部と、状態管理部と、バックアップ実行部とを備えることができる。ジャーナル制御部は、受信したジャーナルをジャーナル記憶資源に書込み、ジャーナル記憶資源に記憶されている、SVOLに未書込みのジャーナル中のデータをSVOLに書込むことができる。時刻指定受付部は、現在よりも未来の時刻を指定した時刻である指定時刻の指定を制御装置から受け付けることができる。状態管理部は、指定時刻より未来の時刻を表す時刻情報を含んだジャーナルを検出した場合(例えば、そのジャーナルがジャーナル記憶資源に書かれた場合)、又は、上記SVOLとボリュームペアを構成するPVOLを備えたプライマリストレージシステムで指定時刻より未来の時刻を表す時刻情報を含んだジャーナルが記憶されていないことがわかった場合(以下、「指定時刻までのジャーナルが確定した場合」と言う)、BVOLに対するバックアップの準備完了状態とし、準備完了状態を示す情報を制御装置に送信することができる。バックアップ実行部は、制御装置からバックアップ命令を受信した場合に、指定時刻までのジャーナル中のデータをBVOLに書込むバックアップ処理を実行することができる。
制御装置は、時刻指定部とバックアップ制御部とを備えることができる。時刻指定部は、指定時刻を一以上のセカンダリストレージシステムの全てに指定することができる。バックアップ制御部は、一以上のセカンダリストレージシステムの全てから、準備完了状態を示す情報を受信した場合に、それら一以上のセカンダリストレージシステムの全てに、バックアップ命令を送信することができる。
ここで、「指定時刻より未来の時刻」とは、指定時刻を所定時間超える時刻とすることができる。所定時間は、極めて短い時間であっても良いし、数秒或いは数分といった時間長であっても良い。
また、「指定時刻までのデータ」とは、例えば、指定時刻よりも過去の或る時刻から指定時刻までの時間帯に属する時刻を示す時刻情報を含んだ複数のジャーナルの各々に含まれているデータである。
また、ジャーナル記憶資源は、一つの記憶領域(例えば論理ボリューム)であっても良いし、複数の記憶サブ領域で構成された記憶資源であっても良い。後者の場合、例えば、ジャーナル中のデータが、第一の記憶サブ領域(例えば論理ボリューム)に記憶され、ジャーナル中の時刻情報が、第二の記憶サブ領域(例えばメモリ)に記憶され、時刻情報とデータとがポインタ等で紐付けられてもよい。
一つの実施形態では、ジャーナル制御部が、所定の場合(例えば指定時刻までのジャーナルが確定した場合)、指定時刻以前の時刻を示す時刻情報を含んだジャーナル中のデータをSVOLに書込み、指定時刻より未来の時刻を示す時刻情報を含んだジャーナル中のデータをSVOLに書込まないようにすることができる。バックアップ実行部が、バックアップ命令の受信があった場合、SVOLからBVOLへのデータコピー(つまりバックアップ処理)を実行することができる。
一つの実施形態では、例えば、SVOL(コピー元)とBVOL(コピー先)とで構成されるボリュームペアのペア状態として、スプリット状態(SVOLが更新されてもBVOLが更新されない状態)と、前述した準備完了状態と、コピー状態(SVOLが更新されたらBVOLも更新される状態)とを用意することができる。この場合、状態管理部が、指定時刻までのジャーナルが確定する前、ペア状態をスプリット状態とし、指定時刻までのジャーナルが確定した場合、ペア状態を準備完了状態とし、バックアップ命令の受信があった場合、ペア状態をコピー状態とし、データコピーが完了した場合、ペア状態をスプリット状態とすることができる。バックアップ実行部は、ペア状態が準備完了状態からコピー状態に変更されたことに応答して、データコピー(バックアップ処理)を実行し、ペア状態がコピー状態からスプリット状態に変更されたことに応答して、指定時刻より未来の時刻を表す時刻情報を含んだジャーナル中のデータをSVOLに書込むようになることができる。
一つの実施形態では、バックアップ実行部は、バックアップ処理として、ジャーナル記憶資源からBVOLに、ジャーナル記憶資源に記憶されているジャーナル中のデータを書込むよう構成されている。バックアップ実行部は、バックアップ命令の受信があった場合、直前回のバックアップ処理において最後に書込んだデータを含んだジャーナルに対応する時刻情報が表す時刻の次の時刻から指定時刻までのジャーナル中のデータを、BVOLに書込むことができる。
一つの実施形態では、PVOLとSVOLとのボリュームペア1つにつき、BVOLを1つとすることができる。
一つの実施形態では、各セカンダリストレージシステムの状態管理部が、そのセカンダリストレージシステムが備えるSVOLを有したボリュームペアに関して異常が検知された場合(例えば、そのボリュームペアの状態、及び/又は、そのボリュームペアについてジャーナル転送で使用されるストレージシステム間パスの状態が、異常であることを検知した場合)、異常状態を示す情報を制御装置に送信することができる。
一つの実施形態では、時刻指定部は、一以上のセカンダリストレージシステムのうちの少なくとも一つから、異常状態を示す情報を受信した場合、一以上のセカンダリストレージシステムの全てに、キャンセル命令を送信することができる。バックアップ実行部が、制御装置からのキャンセル命令の受信に応答して、準備完了状態を解除することができる。
一つの実施形態では、ジャーナル制御部が、現在より一定時間以前のジャーナル中のデータをSVOLに書込むことができる。時刻指定部が、一以上のセカンダリストレージシステムのうちの少なくとも一つから、異常状態を示す情報を受信した場合、異常状態を示す情報の送信元のセカンダリストレージシステムから、SVOLに最近書かれたデータを有するジャーナルに対応した時刻情報を取得し、その時刻情報が表す時刻を指定時刻として一以上のセカンダリストレージシステムの全てに指定することができる。
一つの実施形態では、時刻指定部が、一以上のセカンダリストレージシステムのうちの少なくとも一つから、異常状態を示す情報を受信した場合、指定時刻より未来の時刻を新たな指定時刻として一以上のセカンダリストレージシステムの全てに指定することができる。
一つの実施形態では、時刻指定部が、指定時刻を一以上のセカンダリストレージシステムの全てに指定した後、待ち時間が経過しても、一以上のセカンダリストレージシステムの少なくとも一つから、所定種類の情報(例えば、準備完了状態を示す情報又は異常状態を示す情報)を受信しなければ、一以上のセカンダリストレージシステムの全てに、所定種類の命令(例えばキャンセル命令)を送信することができる。
一つの実施形態では、バックアップ実行部が、準備完了状態を示す情報が送信された後、第一の待ち時間が経過しても、制御装置からバックアップ命令を受信しない場合、準備完了状態を解除する、或いは、BVOL又は別のBVOLに対してバックアップ処理を実行することができる。
一つの実施形態では、時刻指定部が、指定時刻を一以上のセカンダリストレージシステムの全てに指定した後、第二の待ち時間が経過しても、一以上のセカンダリストレージシステムの少なくとも一つから、所定種類の情報を受信しなければ、一以上のセカンダリストレージシステムの全てに、所定種類の命令を送信するよう構成されている。この実施形態では、第二の待ち時間に比して第一の待ち時間の方が長い。
制御装置が、指定受付部と、判断部と、通知部とを更に備えることができる。指定受付部は、コンシステンシーを保つ範囲(例えば後述するコンシステンシーグループ)としての一以上のボリュームペアの指定を受け付けることができる。判断部は、指定された一以上のボリュームペアについてのジャーナル転送で異なるパスが使用されるか否か(例えば、一以上のプライマリストレージシステムと一以上のセカンダリストレージシステムとのうちの少なくとも一方が複数台か否か)の判断を行うことができる。通知部は、一以上のセカンダリストレージシステムのうちの上記指定された一以上のボリュームペアに関わるセカンダリストレージシステムに、上記の判断の結果に関する情報(例えば、判断の結果それ自体を示す情報、或いは、その判断の結果に応じて行った処理の結果を示す情報)を通知することができる。この実施形態では、各セカンダリストレージシステムの状態管理部が、受けた情報が、肯定的な判断結果に関する情報である場合には、準備完了状態にし、その後でバックアップ命令を受けた場合に、バックアップ処理を実行し、受けた情報が、否定的な判断結果に関する情報である場合には、準備完了状態にすることなく、準備完了状態にせず前記バックアップ命令を受けることなく、バックアップ処理を実行するよう構成されている。
前述した制御装置としては、複数のPVOLを更新する一以上の上位装置のうちのいずれか一つ、一以上のプライマリストレージシステムのうちのいずかれ一つ、一以上のセカンダリストレージシステムのうちのいずれか一つ、一以上のセカンダリストレージシステムに接続された一以上の上位装置のうちのいずれか一つ、及び、一以上のセカンダリストレージシステムを管理する管理計算機のうちのいずれか一つとすることができる。上位装置は、ホスト計算機とすることもできるし、ストレージシステムとすることもできる。
また、前述した各部(ジャーナル制御部、時刻指定受付部、状態管理部、バックアップ実行部、時刻指定部、バックアップ制御部など)は、ハードウェア(例えば回路)、コンピュータプログラム、或いはそれらの組み合わせ(例えば、一部をコンピュータプログラムで実現し残りをハードウェアで実現する)によって実現することもできる。各コンピュータプログラムは、コンピュータマシンに備えられる記憶資源(例えばメモリ)から読み込むことができる。その記憶資源には、CD−ROMやDVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体を介してインストールすることもできるし、インターネットやLAN等の通信ネットワークを介してダウンロードすることもできる。
以下、本発明の幾つかの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、プライマリストレージシステムもセカンダリストレージシステムも2つであるとする。
<第一の実施形態>。
図1は、本発明の第一の実施形態に係るコンピュータシステムの構成例を示す。
第一サイト100Aと、第二サイト100Bとがある。
第一サイト100Aに、第一のプライマリストレージシステム40P1及び第二のプライマリストレージシステム40P2と、第一及び第二のプライマリストレージシステム40P1及び40P2に接続された一以上(例えば一つ)のホスト計算機10Aとがある。一方、第二サイト100Bに、第一のプライマリストレージシステム40P1に接続された第一のセカンダリストレージシステム40S1と、第二のプライマリストレージシステム40P2に接続された第二のセカンダリストレージシステム40S2とがある。第一サイト100Aと第二サイト100Bとのように別れておらず、一つのサイトであっても良い。
以下、プライマリストレージシステムが一以上のプライマリストレージシステムのうちのいずれでも良い場合には、そのプライマリストレージシステムを「プライマリストレージシステム40P」と記載する。同様に、セカンダリストレージシステムが一以上のセカンダリストレージシステムのいずれでも良い場合には、そのセカンダリストレージシステムを「セカンダリストレージシステム40S」と記載する。
第一及び第二のプライマリストレージシステム40P1及び40P2は、それぞれ、プライマリ論理ボリューム(PVOL)と、プライマリのジャーナル用の論理ボリューム(以下、PJVOL)とを有する。第一及び第二のセカンダリストレージシステム40S1及び40S2は、それぞれ、PVOLとボリュームペアを構成するセカンダリ論理ボリューム(SVOL)と、セカンダリのジャーナル用の論理ボリューム(以下、SJVOL)と、バックアップ用の論理ボリューム(以下、BVOL)とを有する。以下、前述したストレージシステムに存在する同種の構成要素のうち、第一のストレージシステムに存在する構成要素を、第一の構成要素と称し(例えば、第一のプライマリストレージシステム内のPVOLを「第一のPVOL」と称し)、第二のストレージシステムに存在する構成要素を、第二の構成要素と称する(例えば、第二のプライマリストレージシステム内のPVOLを「第二のPVOL」と称する)ことがある。また、PVOLとSVOLとのボリュームペアを「リモートコピーペア」と言い、リモートコピーペアの状態を「リモートコピー状態」と言うことがある。
ホスト計算機10Aは、オペレーティングシステム(以下、OS)103、I/O(入力/出力)制御プログラム104、及びコピー制御プログラム105を有することができる。以下、コンピュータプログラムが主語になる場合は、実際にはそのコンピュータプログラムを実行するCPUによって処理が行われるものとする。I/O制御プログラム104は、所定の業務を実行するアプリケーションプログラムであって良く、第一のPVOLや第二のPVOLを指定したライトコマンドの送信を入出力要求としてOS103に指示することができる。コピー制御プログラム105は、ジャーナルを利用した非同期型のリモートコピーや指定時刻のデータのデータコピー(バックアップ)を入出力要求としてOS103に指示することができる。OS103は、I/O制御プログラム104やコピー制御プログラム105からの入出力要求を処理することができる。OS103はメインフレーム系のOSとすることができる。このため、第一及び第二のプライマリストレージシステム40P1及び40P2とホスト計算機10Aは、メインフレーム系の通信として、例えば、ESCON(Enterprise Systems Connection)(登録商標)、或いはFICON(Fibre Connection)(登録商標)に従う通信を行うことができる。なお、OS103は、オープン系のOSであっても良い。この場合、第一及び第二のプライマリストレージシステム40P1及び40P2とホスト計算機10Aは、オープン系の通信として、例えば、iSCSI(Internet Small Computer System Interface)或いはFibre Channelに従う通信を行ってもよい。
プライマリストレージシステム40Pからセカンダリストレージシステム40Sには、ジャーナルを利用した非同期型のリモートコピーが実行される。そのリモートコピーについて、第一のプライマリストレージシステム40P1と第一のセカンダリストレージシステム40S1とを代表的に例に採り説明する。ホスト計算機10AのI/O制御プログラム104からOS103を通じて、第一のPVOLを指定したライトコマンドが第一のプライマリストレージシステム40P1に送信される。そのライトコマンドには、ライトコマンドを送信する際の時刻(以下、更新時刻)を示す情報(以下、更新時刻情報)がOS103により含められている。第一のプライマリストレージシステム40P1が、そのライトコマンドに従うライト対象のデータを、第一のPVOLに書込み、且つ、そのライト対象のデータと、ライトコマンドに含まれている更新時刻情報と、ライト対象データの書込み先の位置を示す情報である更新位置情報(例えば、第一のPVOLの論理ユニット番号と第一のPVOLにおける論理ブロックアドレス)とを含んだジャーナルを作成し、そのジャーナルを、第一のPJVOLに書込む。第一のプライマリストレージシステム40P1が、第一のセカンダリストレージシステム40S1からの要求に応答して或いは能動的に、第一のセカンダリストレージシステム40S1に未送信のジャーナルを第一のPJVOLから読出し、そのジャーナルを、第一のセカンダリストレージシステム40S1に転送する。第一のセカンダリストレージシステム40S1が、受信したジャーナルを、第一のSJVOLに書込む。第一のセカンダリストレージシステム40S1が、第一のSJVOLに記憶されている、第一のSVOLに未反映の一以上のジャーナルを、第一のPVOLに対する更新順序通りに(例えば、更新時刻情報が示す更新時刻が最も過去のジャーナルから順次に)反映する。ここで、ジャーナルをSVOLに反映するとは、ジャーナル中のデータを、ジャーナル中の更新位置情報が表す更新箇所(例えば、SVOLにおける論理ブロックアドレスに該当するブロック)に書込むことである。以上の一連の流れにより、結果として、図1に点線矢印で示すように、第一のPVOLから第一のSVOLに非同期型でデータがリモートコピーされる。なお、非同期型のリモートコピーでは、ホスト計算機10Aからライトコマンドを受信したプライマリストレージシステムが、SVOLにデータが書かれたことの報告をセカンダリストレージシステムから受けたときではなく、ライトコマンドに従うライト対象データを、自分が有するキャッシュメモリ又はPVOLに書込んだ時点で、ライト完了をホスト計算機10Aに報告し、後に、ジャーナルをセカンダリストレージシステムに転送する処理が行われる。また、非同期型に限らず同期型のリモートコピーが行われても良い。例えば、プライマリストレージシステム40P1が、ジャーナルを作ったら直ちにセカンダリストレージシステム40S1に送信し、セカンダリストレージシステム40S1が、そのジャーナルを直ぐにSVOLに反映させてもよい。
ホスト計算機10Aが、全てのセカンダリストレージシステム40S1及び40S2に、どの時刻におけるPVOL中のデータのデータコピーを取得するかを指定したデータコピー指定時刻(以下、単に「指定時刻」と言うことがある)を含む第一のバックアップ命令(以下、指定時刻データコピー取得指示)を送信する。以下、セカンダリストレージシステム40S1及び40S2で行われる処理を、第一のセカンダリストレージシステム40S1を代表的に例に採り説明する。第一のSVOLと第一のBVOLとのボリュームペア(以下、データコピーペア)のペア状態(以下、「データコピー状態」ということがある)がスプリット状態とされている。第一のセカンダリストレージシステム40S1は、指定時刻までのジャーナルが確定した時点で、指定時刻より未来の時刻を示す更新時刻情報を含んだジャーナルを第一のSVOLに反映しないようにし、第一のデータコピーペアのペア状態を準備完了状態に遷移し、準備完了状態を示す情報を、第一のプライマリストレージシステム40P1を介して(或いは介さないで)、ホスト計算機10Aに送信する。指定時刻までのジャーナルが確定した時点とは、指定時刻をより未来の時刻を示す更新時刻情報を含んだジャーナルを第一のセカンダリストレージシステム40S1が検出した時点、又は、第一のSVOLとリモートコピーペアを構成する第一のPVOLを備えた第一のプライマリストレージシステム40P1で指定時刻より未来の時刻を示す更新時刻情報を含んだジャーナルが記憶されていないことが第一のセカンダリストレージシステム40S1が第一のプライマリストレージシステム40P1に問合せを出すことによりわかった時点である。ホスト計算機10Aは、全てのセカンダリストレージシステム40S1及び40S2から準備完了状態を示す情報を受信した場合に、全てのセカンダリストレージシステム40S1及び40S2に、第一及び第二のプライマリストレージシステム40P1及び40P2をそれぞれ介して(或いは介さないで)、第二のバックアップ命令(以下、指定時刻データコピー命令)を送信する。第一のセカンダリストレージシステム40S1は、準備完了状態を示す情報をホスト計算機10Aに送信した後、ホスト計算機10Aから第一のプライマリストレージシステム40P1を介して(或いは介さないで)指定時刻データコピー命令を受信した場合、その指定時刻データコピー命令に応答して、第一のデータコピーペアのペア状態を準備完了状態からコピー状態に遷移し、それにより、第一のSVOL内のデータを第一のBVOLにコピーする。もし、コピー状態中に、指定時刻以前の時刻を示す更新時刻情報を含んだ未反映のジャーナルが第一のSVOLに反映された場合には(つまり第一のSVOLに新たにデータが書かれた場合には)、第一のセカンダリストレージシステム40S1は、第一のSVOLに新たに書かれたそのデータを第一のBVOLにコピーしてよい。コピー完了後(指定時刻までのデータを第一のBVOLにコピーし終えた後)、第一のセカンダリストレージシステム40S1は、第一のデータコピーペアのペア状態を、準備完了状態からスプリット状態に遷移し、その後、指定時刻より未来の時刻を示す更新時刻情報を含んだジャーナルを第一のSVOLに反映することを開始する。
以上の処理は、第二のセカンダリストレージシステム40S2でも同様に行われる。以上の処理によれば、ホスト計算機10Aは、全てのセカンダリストレージシステム40S1及び40S2から準備完了状態を示す情報を受信した場合に、全てのセカンダリストレージシステム40S1及び40S2に指定時刻データコピー命令を送信し、それにより、全てのセカンダリストレージシステム40S1及び40S2において、データコピーペアがコピー状態に遷移されてSVOLからBVOLへのコピーが行われる。言い換えれば、ホスト計算機10Aは、少なくとも一つのセカンダリストレージシステム40S1及び/又は40S2から準備完了状態を示す情報を受信しなかった場合は、全てのセカンダリストレージシステム40S1及び40S2にデータコピー命令を送信しない。これにより、複数のセカンダリストレージシステム40S1及び40S2にそれぞれ存在する複数のBVOLのコンシステンシーを保つことができる。また、BVOL内のデータは、指定時刻でのデータであるため、指定時刻におけるデータのリストアの際には、そのBVOLを使用すれば良いので、迅速なリストアが可能である。
なお、上述した説明において、もし、指定時刻までのジャーナルが確定した時点で、指定時刻以前の時刻を示す更新時刻情報を含んだ未反映のジャーナルがあれば、第一のセカンダリストレージシステム40S1は、そのジャーナルを第一のSVOLに反映し終えた後に、第一のデータコピーペアのペア状態を準備完了状態に遷移しても良い。
以下、第一の実施形態についてより詳細に説明する。
図33は、ホスト計算機10Aの構成例を示す。
ホスト計算機10Aは、一種の計算機であり、CPU1511と、メモリ1513(他種の記憶資源でも良い)と、ポート1515(第一及び第二のプライマリストレージシステム40P1及び40P2と通信するためのポート)と、入力装置1505(例えばキーボードやマウス)と、出力装置1507(例えば表示装置)とを備える。メモリ1513には、コンピュータプログラムとして、前述したOS103、I/O制御プログラム104及びコピー制御プログラム105が記憶される。それらのコンピュータプログラムは、CPU511で実行される。
図34Aは、プライマリストレージシステムの構成例を示す。
この図に示すプライマリストレージシステム40Pは、第一及び第二のプライマリストレージシステム40P1及び40P2のうちの少なくとも一つである。
プライマリストレージシステム40Pは、例えば、アレイ状に配列された多数のディスク1400を備えるRAID(Redundant Array of Independent (or Inexpensive) Disks)システムとすることができる。
プライマリストレージシステム40Pは、コントローラ部1020と、ディスク部1030とに大別することができる。
コントローラ部1020は、例えば、複数のインタフェース制御装置(以下、I/F)と、キャッシュメモリ1024と、共有メモリ1025と、スイッチング制御部1026とを備えている。複数のインタフェース制御装置として、メインフレーム用のホストI/F(以下、メインフレームI/F)1021Aと、他のストレージシステムとのI/F(以下、リモート通信I/F)1021Bと、ディスク1400とのI/F(以下、ディスクI/F)1022とがある。コントローラ部1020には、プライマリストレージシステム40Pを管理するための管理端末1250が接続されても良い。
各I/Fは、相手との通信を制御する装置であり、実質的に同様のハードウェア構成とすることができる。図34Bに、メインフレームI/F1021Aの構成例を示す。メインフレームI/F1021Aは、ホスト計算機10Aと通信するためのポート1601と、スイッチング制御部1026に接続されるポート1609と、メモリ1607と、CPU1603とが備えられる。
キャッシュメモリ1024は、例えば揮発性又は不揮発性のメモリであり、ホスト計算機10Aから受信したデータや、ディスク1400から読出されたデータを一時的に記憶することができる。共有メモリ1025は、例えば揮発性或いは不揮発性のメモリであり、プライマリストレージシステム40Pでの制御に関する情報(以下、制御データ群)が格納される。例えば、共有メモリ25とキャッシュメモリ24は、別々のメモリでなく、一つのメモリに共有メモリ領域とキャッシュメモリ領域とが設けられても良い。
スイッチング制御部26は、I/F1021A、1021B及び1022、キャッシュメモリ1024及び共有メモリ1025を相互に接続させる装置であり、例えば、高速スイッチング動作によってデータ伝送を行う超高速クロスバスイッチ等のような高速バスとして構成することができる。
ディスク部1030には、アレイ状に配列された複数のディスク1400が含まれている。ディスク1400としては、例えば、ハードディスク、フレキシブルディスク、光ディスクなどのディスク型記憶装置とすることができる。ディスク1400に代えて、他種の記憶装置、例えば、磁気テープ、半導体メモリ(例えばフラッシュメモリ)を用いることもできる。一以上のディスク1400(例えば、RAID構成となった二以上のディスク1400)の記憶領域上には、論理ボリュームが設けられる。プライマリストレージシステム40P内の論理ボリュームは、PVOL或いはJPVOLとなる。論理ボリュームには、ディスク1400に限らず、例えば、キャッシュメモリ1024など別種の記憶資源における記憶領域が利用されて良い。
セカンダリストレージシステム40S1及び40S2のうちの少なくとも一つは、図34Aに例示した構成であっても良い。また、ストレージシステム40P1、40P2、40S1及び40S2の少なくとも一つのコントローラ部1020は、例えば、CPU、メモリ及び通信ポートを備えた、図34Aに記載の構成よりも簡易な構成の回路基盤であっても良い。この場合、CPUが、複数のI/Fによって行われる処理を実行することができる。
図2は、ホスト計算機10A内のOS103を表す。
OS103は、入出力制御部202を有し、更新データ情報テーブル204を管理している。入出力制御部202は、I/O制御プログラム104からPVOLへのライトコマンド送信要求(更新要求)を受けたことに応答してライト対象データについての更新時刻を設定する更新時刻設定部203を有する。
図3は、ホスト計算機10A内のコピー制御プログラム104を表す。
コピー制御プログラム104は、非同期型のリモートコピーを制御する非同期コピー制御部302と、各セカンダリストレージシステム40Sでのデータコピーを制御するデータコピー制御部303とを有し、データコピー指示情報テーブル309を管理する。データコピー制御部303は、各セカンダリストレージシステム40Sに対して指定時刻を設定する指定時刻設定部304と、データコピーの取得に関わる監視を行うデータコピー監視部305とを備える。データコピー監視部305は、データコピー命令を発行するデータコピー命令部306と、リモートコピー状態やデータコピー状態を監視するコピー状態監視部307と、プライマリストレージシステム40Pとセカンダリストレージシステム40Sとを結ぶパスの状態を監視するパス状態監視部308とを有する。
図4は、プライマリストレージシステム40Pで実行されるコンピュータプログラムの一つであるプライマリ制御プログラムを示す。
プライマリ制御プログラム401は、例えばメインフレームI/F1021Aで実行される。プライマリ制御プログラム401は、PVOL制御部402を有し、プライマリデータコピー管理テーブル407を管理する。このテーブル407は、メインフレームI/F1021A上のメモリに記憶されても良いし、キャッシュメモリ1024又は共有メモリ1025に記憶されても良い。PVOL制御部402は、PVOLに書かれるデータを含んだジャーナルの作成やセカンダリストレージシステム40Sへのジャーナルの転送を制御するジャーナル制御部403と、ホスト計算機10Aからプライマリストレージシステム40P経由でセカンダリストレージシステム40Sに命令を出すためのリモートI/O制御部404と、リモートコピー状態の管理するコピー状態管理部405と、ストレージシステム間のパスの状態を管理するパス状態管理部406とを有する。
図5は、セカンダリストレージシステム40Sで実行されるコンピュータプログラムの一つであるセカンダリ制御プログラムを示す。
セカンダリ制御プログラム501は、例えばメインフレームI/F1021Aで実行される。セカンダリ制御プログラム501は、SVOL制御部502を有し、データコピー状態やリモートコピー状態を管理するためのセカンダリデータコピー管理テーブル508や、ジャーナルのSVOLへの反映状況を管理するためのジャーナル管理情報テーブル509を管理する。これらのテーブル508及び509は、メインフレームI/F1021A上のメモリに記憶されても良いし、キャッシュメモリ1024又は共有メモリ1025に記憶されても良い。SVOL制御部502は、ジャーナル制御部503と、データコピー状態やリモートコピー状態を管理するコピー状態管理部507とを有する。ジャーナル制御部503は、プライマリストレージシステム40Pからジャーナルを取得してSJVOLに書込むジャーナル取得部504と、SJVOL内のジャーナルをSVOLに反映するデータ反映部505と、指定時刻におけるデータについてのデータコピーを実行する指定時刻データコピー部506とを有する。
図6は、図2に示した更新データ情報テーブル204の一例を示す。
更新データ情報テーブル204には、OS103からライトコマンドが送信される都度に、一つのレコードに、送信されたライトコマンド中の更新データ情報が含まれる。更新データ情報は、更新時刻情報と、更新位置情報と、更新内容(ライト対象データ)とで構成される。レコードの数に上限があっても良く、テーブル204が満杯になった場合には、最も古いレコード(更新時刻情報が示す更新時刻が最も過去のレコード)に更新データ情報が上書きされても良い。
図7は、図3に示したデータコピー指示情報テーブル309の一例を示す。
データコピー指示情報テーブル309には、複数の情報要素として、ストレージ名称、指定時刻情報、異常時の対処、再設定時の設定時間、データ反映待ち時間、限界待ち時間、最新更新時刻、データコピー状態、リモートコピー状態及びパス状態が記録される。以下、テーブル上の情報要素(項目)を意味する場合には、記号“”を用いて表すことにする。また、情報要素の値を意味する場合には、記号『』を用いて表すことにする。
“ストレージ名称”は、プライマリストレージシステム40Pの名称を示す情報要素である。
“指定時刻”は、データコピーを取得する時刻として指定された時刻(取得を行う瞬間の実際の時刻ではなく、ジャーナル中の更新時刻情報が示す時刻)を示す情報要素である。
“異常時の対処”は、異常状態を示す情報を受信した場合に実行する処理を表す情報要素であり、その値としては、具体的には、例えば、解除、再設定、最新データ取得及びエラー報告の4種類がある。
“再設定時の設定時間”は、指定時刻を再設定するために現在設定されている指定時刻に加算する時間長を示す情報要素である。
“データ反映待ち時間”は、SVOLに反映するジャーナル中の更新時刻情報が示す時刻と現在時刻との最短の差(時間長)を示す情報要素である。例えば、“データ反映待ち時間”の値が『10分』であり、現在時刻が12:00の場合、SVOLに反映可能なジャーナルは、11:50以前の時刻を示す更新時刻情報を含んだジャーナルである。
“限界待ち時間”は、データコピーペア(すなわち、SVOLとBVOLとで構成されるボリュームペア)について準備完了状態を示す情報を報告した後からバックアップ命令を受信するまでの最大待ち時間を表す情報要素である。
“最新更新時刻”は、SJVOLに最後に書込まれたジャーナル中の更新時刻情報が示す時刻を表した情報要素である。
“データコピー状態”は、データコピーペアのペア状態を表す情報要素であり、例えば、その値としては、待機中、準備完了状態、処理中、完了、初期状態及び失敗の6種類がある。
“リモートコピー状態”は、リモートコピーペアのペア状態を表す情報要素であり、例えば、その値として、正常、異常及び初期状態の3種類がある。
“パス状態”は、プライマリストレージシステムとセカンダリストレージシステムとを結ぶパス(つまりストレージシステム間のパス)に関する状態を表す情報要素である。
図8は、図4のプライマリデータコピー管理テーブル407の一例を示す。
プライマリデータコピー管理テーブル407に記録される複数の情報要素として、リモートコピー状態及びパス状態がある。
“リモートコピー状態”は、リモートコピーペアのペア状態であり、例えば、その値として、正常、異常及び初期状態の3種類がある。
“パス状態”は、ストレージシステム間のパスに関する状態であり、例えば、その値として、正常、異常及び初期状態の3種類がある。
図9は、図5のセカンダリデータコピー管理テーブル508の一例を示す。
プライマリデータコピー管理テーブル508に記録される複数の情報要素として、指定時刻、データコピー状態、データ反映待ち時間、限界待ち時間、リモートコピー状態、最新データ時刻及び準備完了時刻がある。指定時刻、データコピー状態、データ反映待ち時間、限界待ち時間及びリモートコピー状態は、それぞれ、図7を参照して説明した情報要素と同様である。
“最新データ時刻”は、SJVOLからSVOLに最近反映したジャーナル中の更新時刻情報が示す更新時刻を表す情報要素である。
“準備完了時刻”は、準備完了状態を示す情報が送信された時刻を表す情報要素である。
図10Aは、図5に示したジャーナル管理情報テーブル509の一例を示す。図10Bは、SJVOLの一例を示す。
ジャーナル管理情報テーブル509には、SJVOLに書き込まれているジャーナルへのポインタを表す“ポインタ”と、そのジャーナルが反映済みか未反映かを表す“データ反映”(例えばフラグ)とが記録される。“データ反映”の値が『未』に対応した“ポインタ”の値を用いることで、SVJOLから未反映のジャーナル(更新時刻情報、更新位置情報及びデータを含んだ情報)を取得することができる。
なお、SJVOLには、ジャーナル中のデータのみが書かれ、更新時刻情報及び更新位置情報は、ジャーナル管理情報テーブル509に書込まれても良い。つまり、一つの記憶資源に一つの塊としてジャーナルが存在する必要は無く、ジャーナルを構成する情報要素が複数の記憶領域に分散して存在しても良い。また、プライマリストレージシステム40P1、40P2でも、同様にして、PJVOLのうちの未送信のジャーナルと送信済みのジャーナルとを区別することができる。
以下、本実施形態で行われる種々の処理の流れを説明する。
図11は、指定時刻データコピー指示処理の流れの一例を示す。
指定時刻設定部304が、データコピー指示情報テーブル309の妥当性を判定する(S101)。ここでは、例えば、“指定時刻”の値が、現在時刻から“データ反映待ち時間”の値だけ過去に戻した時刻よりも過去になっていれば、妥当ではないとの判定結果になる。また、例えば、“ストレージ名称”の値が、有り得ない値(例えば桁数が所定数を超えている)であれば、妥当ではないとの判定結果になる。
指定時刻設定部304は、妥当ではないとの判定結果になれば(S102:いいえ)、エラー処理(例えば、データコピー指示情報テーブル309に不適切な値があることを表示する処理)を行い(S103)、その後、データコピー監視部305を起動してコピー開始監視処理(図18乃至図20参照)を実行させる。
一方、指定時刻設定部304は、妥当であるとの判定結果になれば(S102:はい)、指定時刻データコピー取得指示を作成し、その指定時刻データコピー取得指示を、複数のプライマリストレージシステム40P1及び40P2をそれぞれ介して複数のセカンダリストレージシステム40S1及び40S2に送信する。作成された指定時刻データコピー取得指示には、データコピー指示情報テーブル309に記録されている複数種類の情報要素の値のうち、“指定時刻”の値、“データ反映待ち時間”の値、“限界待ち時間”の値、及び“リモートコピー状態”の値が含まれる。また、指定時刻データコピー取得指示の送信先は、データコピー指示情報テーブル309に記録されている”ストレージ名称”の値から特定されるプライマリストレージシステムとなる。そのプライマリストレージシステム40P1、40P2を通じて、指定時刻データコピー取得指示が、セカンダリストレージシステム40S1、40S2に転送される。なお、もし、一つのプライマリストレージシステムに複数のセカンダリストレージシステムが接続されている場合には、その一つのプライマリストレージシステムが、受信した指定時刻データコピー取得指示を複数のセカンダリストレージシステムに送信しても良いし、指定時刻データコピー取得指示に、その取得指示の宛先とするセカンダリストレージシステムの名称が書かれていても良い。
指定時刻データコピー取得指示を受信した各セカンダリストレージシステム40S1、40S2では、コピー状態管理部507が、その指定時刻データコピー取得指示中の”指定時刻”の値、“データ反映待ち時間”の値、“限界待ち時間”の値、及び“リモートコピー状態”の値を、セカンダリデータコピー管理テーブル508に設定する(S111)。また、コピー状態管理部507が、セカンダリデータコピー管理テーブル508に、“データコピー状態”の値として『待機中』を設定する(S112)。そして、コピー状態管理部507が、指定時刻データコピー取得指示に対する応答を、プライマリストレージシステム40P1、40P2を通じて、ホスト計算機10Aに送信する。
指定時刻設定部304は、全ての(或いは少なくとも一つの)セカンダリストレージシステム40S1、40S2から応答を受けた場合に、データコピー監視部305を起動してコピー開始監視処理(図18乃至図20参照)を実行させる。
図12は、データ更新処理の流れの一例を示す。
OS103が、I/O制御プログラム104からの更新要求に応答して、更新時刻情報(例えば、更新要求を受けた時点で図示しないタイマから取得された時刻を示す情報)を例えばメモリ1513に設定する(S121)。また、OS103が、I/O制御プログラム104からの更新要求に従うライト対象データ(更新内容)と、その更新要求で指定された更新位置を示す更新位置情報と、上記設定した更新時刻情報とを、更新データ情報テーブル204に記録する(S122)。そして、OS103が、更新時刻情報及び更新位置情報を含んだ入出力要求(ライト対象データのライト要求)を、プライマリストレージシステム40P1又は40P2に送信する(S123)。
その入出力要求を受信したプライマリストレージシステム40P1又は40P2において、ジャーナル制御部403が、その入出力要求に従うライト対象データを、その入出力要求中の更新位置情報が示す位置(PVOL内の位置)に書込み(S131)、入出力完了通知を、ホスト計算機10Aに送信する(S132)。また、ジャーナル制御部403が、その入出力要求中の更新時刻情報及び更新位置情報と、その入出力要求に従うライト対象データとを含んだジャーナルを、PJVOLに書込む(S133)。そのジャーナル中の更新時刻情報及び更新位置情報は、PJVOLではなく、共有メモリ1025等の別の場所に書込まれても良い。
図13は、ジャーナル取得処理の流れの一例を示す。
この処理は、各セカンダリストレージシステム40S1、40S2において、定期的且つ自動的に開始される。
各セカンダリストレージシステム40S1、40S2において、ジャーナル取得部504が、プライマリストレージシステム40P1又は40P2にジャーナル取得要求を送信する(S141)。プライマリストレージシステム40P1又は40P2では、ジャーナル取得要求に応答して、ジャーナル制御部403が、PJVOLから、未送信のジャーナルを取得し(S151)、取得したジャーナルを、ジャーナル取得要求の送信元のセカンダリストレージシステム40S1又は40S2に送信する(S151)。
ジャーナル取得部504は、ジャーナルを取得(受信)できたら(S142:はい)、そのジャーナルをSJVOLに書込み、且つ、そのジャーナルについて、“ポインタ”の値としてそのジャーナル書込み先のポインタと、“データ反映”の値として『未』とを、ジャーナル情報管理テーブル509に記録する。
なお、この例によれば、セカンダリストレージシステム40S1、40S2からの要求に応答して、プライマリストレージシステム40P1、40P2からジャーナルが取得されるが、プライマリストレージシステム40P1、40P2がそのような要求を受けることなく能動的にジャーナルをセカンダリストレージシステム40S1、40S2に送信しても良い。
図14乃至図17の組み合わせにより、ジャーナル反映制御処理の流れの一例が示される。
各セカンダリストレージシステム40S1、40S2において、データ反映部505が、”データ反映”の値が『未』であり、ジャーナル中の更新時刻情報が示す更新時刻が最も古いジャーナルを、SJVOLから取得する(S161)。
データ反映部505は、ジャーナルを取得できた場合(S162:はい)、プライマリデータコピー管理テーブル508において、”データコピー状態”の値が『初期状態』であれば(S163:はい)、図15のS167を実行し、その値が『待機中』であれば(S164:はい)、図16のS169を実行し、その値が『準備完了状態』であれば(S165:はい)、図17のS172を実行し、その値が『処理中』でなければ(S166:いいえ)、図15のS167を実行し、その値が『処理中』であれば(S166:はい)、終了となる。
図15に示すように、S167では、データ反映部505は、S161で取得したジャーナル中の更新時刻情報が示す更新時刻に、“データ反映待ち時間”の値を足した時刻は、現在時刻より古いか否かを判断する。古くなければ(S167:いいえ)、データ反映部505は、そのジャーナル中のデータをSVOLに書込むことなく終了となる。一方、古ければ(S167:はい)、データ反映部505は、そのジャーナル中のデータをSVOLに書込み、そのジャーナル中の更新時刻情報が示す更新時刻を、“最新データ時刻”の値としてプライマリデータコピー管理テーブル508に記録し、そのジャーナルに対応した“データ反映”を『済』に変更する(S168)。
図16に示すように、S169では、データ反映部505は、プライマリデータコピー管理テーブル508における“更新時刻”の値が、S161で取得したジャーナル中の更新時刻情報が示す更新時刻より新しい(未来)か否かを判断する。新しければ(S169:はい)、データ反映部505は、図15のS167を実行する。一方、新しくなければ(S169:いいえ)、データ反映部505は、“データコピー状態”の値を『準備完了状態』に変更し(S170)、“準備完了時刻”の値として、その変更時点の時刻(現在時刻)を示す値を記録する(S171)。
図17に示すように、S172では、データ反映部505は、“準備完了時刻”の値に“限界待ち時間”の値を足した時刻は現在時刻より古いか否かを判断する。古ければ(S172:はい)、終了となるが、古くなければ(S172:いいえ)、データ反映部505は、指定時刻データコピー処理(図24のS301〜S304)を実行する。なお、その指定時刻データコピー処理では、SVOLからBVOLへのデータコピーが実行されるが、それに代えて、別のBVOLを準備しSVOLからその別のBVOLへのデータコピーが実行されても良いし、データコピーを実行することなく終了となっても良い。
図18乃至図20の組み合わせにより、コピー開始監視処理の流れの一例が示される。
図18に示すように、データコピー監視部305が、全てのプライマリストレージシステム40P1、40P2に、コピー状態取得要求を送信する(S181)。各プライマリストレージシステム40P1、40P2では、そのコピー状態取得要求に応答して、コピー状態管理部405が、プライマリコピーデータ管理テーブル407における“リモートコピー状態”の値を取得し(S201)、その値を、ホスト計算機10Aに送信する。データコピー監視部305が、プライマリストレージシステム40P1、40P2から受けた全ての“リモートコピー状態”の値が『正常』であれば(S182:はい)、S183に進み、そうでないならば(S182:いいえ)、図20のS189に進む。
データコピー監視部305が、全てのプライマリストレージシステム40P1、40P2に、パス状態取得要求を送信する(S183)。各プライマリストレージシステム40P1、40P2では、そのパス状態取得要求に応答して、パス状態管理部406が、プライマリコピーデータ管理テーブル407における“パス状態”の値を取得し(S211)、その値を、ホスト計算機10Aに送信する。データコピー監視部305が、全てのプライマリストレージシステム40P1、40P2から受けた全ての“パス状態”の値が『正常』であれば(S184:はい)、S185に進み、そうでないならば(S184:いいえ)、図20のS189に進む。
データコピー監視部305から送信されたコピー状態取得要求が、各プライマリストレージシステム40P1、40P2のリモートI/O制御部404を通じて、各セカンダリストレージシステム40S1、40S2に送信される(S185)。各セカンダリストレージシステム40S1、40S2では、そのコピー状態取得要求に応答して、コピー状態管理部507が、セカンダリコピーデータ管理テーブル508における“リモートコピー状態”の値を取得し(S221)、且つ、“データコピー状態”の値を取得する(S222)。それらの値が、各プライマリストレージシステム40P1、40P2のリモートI/O制御部404を通じて、ホスト計算機10Aに送信される。データコピー監視部305が、全てのプライマリストレージシステム40P1、40P2から受けた全ての“リモートコピー状態”の値が『正常』であれば(S186:はい)、図19のS187に進み、そうでないならば(S186:いいえ)、図20のS189に進む。
図19に示すように、データコピー監視部305が、全てのプライマリストレージシステム40P1、40P2から受けた全ての“データコピー状態”の値が『準備完了状態』であれば(S187:はい)、データコピー開始命令処理(図17のS291)を行って、コピー完了監視処理(図21、22及び23参照)を実行する。一方、少なくとも一つの“データコピー状態”の値が『準備完了状態』でなく(S187:いいえ)、且つ、全ての“データコピー状態”の値が『完了』であれば(S188:はい)、終了となり、そうでなければ(S188:いいえ)、図18のS181に戻る。
図20に示すように、データコピー監視部305は、データコピー指示情報テーブル309に記録されている“異常時の対処”の値が『解除』であれば(S189:はい)、指定時刻データコピー解除命令を、全てのセカンダリストレージシステム40S1及び40S2に送信する(S190)。これに応答して、各セカンダリストレージシステム40S1、40S2では、コピー状態管理部507が、“データコピー状態”の値として『初期状態』を記録する(S231)。
データコピー監視部305は、データコピー指示情報テーブル309に記録されている“異常時の対処”の値が『エラー報告』であれば(S191:はい)、エラー情報を報告する(S192)。報告は、例えば、管理者のメールアドレスを記載した電子メールを送信するのであっても良いし、ホスト計算機10Aの表示装置に表示するのであっても良い。
データコピー監視部305は、データコピー指示情報テーブル309に記録されている“異常時の対処”の値が『再設定』であれば(S193:はい)、データコピー指示情報テーブル309に記録されている“指定時刻”の現在の値に、“再設定時の設定時間”の値を足した値(時刻)を、“指定時刻”の値として、データコピー指示情報テーブル309に記録する(S194)。その後、指定時刻設定部304を呼び出し、図11のS101を開始させる。これにより、再び、指定時刻データコピー指示処理が行われる。
データコピー監視部305は、データコピー指示情報テーブル309に記録されている“異常時の対処”の値が『最新データ取得』であれば(S193:いいえ)、“リモートコピー状態”の値として『異常』を返してきたセカンダリストレージシステム40S1及び/又は40S2に、“最新データ時刻”の値(SJVOLからSVOLに最近反映したジャーナル中の更新時刻情報が示す更新時刻)を問合せ、その問合せに対する応答として受けた“最新データ時刻”の値を、データコピー指示情報テーブル309に記録されている“指定時刻”の現在の値に記録する(S194)。その後、指定時刻設定部304を呼び出し、図11のS101を開始させる。これにより、再び、指定時刻データコピー指示処理が行われる。
以上が、コピー完了監視処理の流れの説明である。なお、上記流れにおいて、例えば、ホスト用の待ち時間があっても良い。その待ち時間のカウントの開始は、例えば、指定時刻データコピー取得指示の送信時、コピー状態取得要求の送信時など、種々の時点とすることができる。また、ホスト用の待ち時間のカウントは、例えば、“データパス状態”の値として『準備完了状態』を受けたとき、“リモートコピー状態”の値として『異常』を受けたときなど、種々の時点でキャンセルすることができる。そのキャンセルする時点が到来することなく、待ち時間が経過した場合には、コピー制御プログラム105は、指定時刻データコピー解除命令を送信しても良い。また、ホスト用の待ち時間は、“限界待ち時間”の値よりも短い。また、新たな指定時刻を示す情報又は再設定した指定時刻を示す情報を含んだ指定時刻データコピー取得指示を送信するタイミングとしては、“リモートコピー状態”の値として『正常』を受けたときなど、異常が回復したことが検知されたタイミングとすることができる。
図21乃至図23の組み合わせにより、コピー完了監視処理の流れの一例が示される。
図21に示すS241、S242、S243、S244、S245、S246、S251、S261、S271及びS272が、図18を参照して説明したS181、S182、S183、S184、S185、S186,S201、S211、S211及びS212にそれぞれ対応している。S242:いいえの場合、S244:いいえの場合、及び、S246:いいえの場合、図23のS248に進む。S246:はいの場合、図22のS247に進む。
図22のS247において、データコピー監視部305が、全てのセカンダリストレージシステム40S1、40S2から受けた“データコピー状態”の値が『完了』であれば(S247:はい)、終了となり、そうでなければ(S247:いいえ)、図21のS241に戻る。
図23のS248において、データコピー監視部305が、エラー情報を報告する。
図24は、データコピー開始命令処理と指定時刻データコピー処理とのそれぞれの流れの一例を示す。
S291で、データコピー開始命令処理が行われる。具体的には、コピー命令部306が、全てのセカンダリストレージシステム40S1、40S2に、指定時刻データコピー命令を送信する。
各セカンダリストレージシステム40S1、40S2において、S301〜S304で、指定時刻データコピー処理が行われる。具体的には、ジャーナル制御部503が、指定時刻データコピー命令に応答して、プライマリデータコピー管理テーブル508に、“データコピー状態”の値として『処理中』を設定する(S301)。その後、ジャーナル制御部503が、“指定時刻”の値より更新時刻が古く“データ反映”の値が『未』である全てのジャーナルをSVOLに反映し、それらのジャーナルに対応する“データ反映”の値を『済』に変更する(S302)。そして、ジャーナル制御部503が、SVOL内のデータをBVOLにデータコピーし(S303)、それが完了したならば、“データコピー状態”の値を『初期状態』に設定する。
以上、上述した第一の実施形態によれば、ホスト計算機10Aは、全てのセカンダリストレージシステム40S1、40S2から“データコピー状態”の値として『準備完了状態』を取得できた場合に、指定時刻データコピー命令を全てのセカンダリストレージシステム40S1、40S2に送信することで、SVOL内のデータをBVOLにバックアップさせる。少なくとも一つのセカンダリストレージシステム40Sから“データコピー状態”の値として『準備完了状態』を取得できない場合には、ホスト計算機10Aは、指定時刻データコピー命令を全てのセカンダリストレージシステム40S1、40S2に送信することを行わない。これにより、複数のセカンダリストレージシステム40S1、40S2に存在する複数のBVOLのコンシステンシーを保つことができる。また、このように複数のBVOLで常にコンシステンシーを保つことができるので、リモートコピーペア1つにつき、用意されるBVOLの数は1つであって良い。
また、上述した第一の実施形態によれば、“異常時の対処”の値として『最新データ取得』が設定されていれば、ホスト計算機10Aが、異常に関わるセカンダリストレージシステム40S1及び/又は40S2から“最新データ時刻”の値を取得し、取得した値を“指定時刻”の値として、再度、指定時刻データコピー取得指示を、全てのセカンダリストレージシステム40S1及び40S2に送信する。“最新データ時刻”の値は、SVOLに最近反映されたジャーナル中の更新時刻情報が示す更新時刻である。このため、全てのセカンダリストレージシステム40S1及び40S2において、障害時点における最も新しい時刻におけるデータのバックアップの取得が可能となる。
<第二の実施形態>。
以下、本発明の第二の実施形態を説明する。以下、第一の実施形態との相違点を主に説明し、第二の実施形態との共通点については説明を省略或いは簡略する(なお、この点は、後述の第三実施形態以降でも同様である)。
第二の実施形態では、第一のセカンダリストレージシステム40S1が、第二のセカンダリストレージシステム40S2から“データコピー状態”の値として『準備完了状態』を受け、指定時刻データコピー命令を、第二のセカンダリストレージシステム40S2に送信する。具体的には、例えば、図25に示すように、第一のセカンダリストレージシステム40S1のセカンダリ制御プログラム501´は、データコピー制御部510を更に備え、図26、27及び図28の組み合わせにより示されるコピー開始監視処理が実行される。以下、図26、27及び図28を参照して、第二の実施形態でのコピー開始監視処理を説明する。
データコピー制御部510が、全てのプライマリストレージシステム40P1、40P2に、コピー状態取得要求を送信する(S351)。各プライマリストレージシステム40P1、40P2では、そのコピー状態取得要求に応答して、コピー状態管理部405が、プライマリコピーデータ管理テーブル407における“リモートコピー状態”の値を取得し(S361)、その値を、第一のセカンダリストレージシステム40S1に送信する。データコピー制御部510が、プライマリストレージシステム40P1、40P2から受けた全ての“リモートコピー状態”の値が『正常』であれば(S352:はい)、S183に進み、そうでないならば(S352:いいえ)、図28のS359に進む。
データコピー制御部510が、全てのプライマリストレージシステム40P1、40P2に、パス状態取得要求を送信する(S353)。各プライマリストレージシステム40P1、40P2では、そのパス状態取得要求に応答して、パス状態管理部406が、プライマリコピーデータ管理テーブル407における“パス状態”の値を取得し(S371)、その値を、第一のセカンダリストレージシステム40S1に送信する。データコピー制御部510が、全てのプライマリストレージシステム40P1、40P2から受けた全ての“パス状態”の値が『正常』であれば(S354:はい)、S355に進み、そうでないならば(S354:いいえ)、図28のS359に進む。
データコピー制御部510が、コピー状態取得要求を、第二のセカンダリストレージシステム40S2に送信する(S185)。第二のセカンダリストレージシステム40S2では、そのコピー状態取得要求に応答して、コピー状態管理部507が、セカンダリコピーデータ管理テーブル508における“リモートコピー状態”の値を取得し(S381)、且つ、“データコピー状態”の値を取得する(S382)。それらの値が、第一のセカンダリストレージシステム40S1に送信される。データコピー制御部510が、第二のセカンダリストレージシステム40S2から受けた“リモートコピー状態”の値と、第一のセカンダリストレージシステム40S1における“リモートコピー状態”の値とが『正常』であれば(S356:はい)、図27のS357に進み、そうでないならば(S356:いいえ)、図28のS359に進む。
図27に示すように、データコピー制御部510が、第二のセカンダリストレージシステム40S2から受けた“データコピー状態”の値と、第一のセカンダリストレージシステム40S1における“データコピー状態”とが『準備完了状態』であれば(S357:はい)、指定時刻データコピー命令を、第二のセカンダリストレージシステム40S2と、第一のセカンダリストレージシステム40S1におけるジャーナル制御部503とに送信する(S360)。一方、データコピー制御部510は、少なくとも一つの“データコピー状態”の値が『準備完了状態』でなく(S357:いいえ)、且つ、全ての“データコピー状態”の値が『完了』であれば(S358:はい)、終了となり、そうでなければ(S358:いいえ)、図26のS351に戻る。
図28に示すように、S359では、データコピー制御部510は、データコピー失敗設定命令を、第二のセカンダリストレージシステム40S2に送信する。これに応答して、第二のセカンダリストレージシステム40S2では、コピー状態管理部507が、“データコピー状態”の値として『失敗』を設定する(S401)。
以上が、第二の実施形態についての説明である。なお、その説明では、第一の実施形態のホスト計算機10Aに代わって、第一のセカンダリストレージシステム40S1が、“データコピー状態”の値を受けたり、指定時刻データコピー命令を送信したりするが、第一のセカンダリストレージシステム40S1に代えて、他のいずれかのセカンダリストレージシステム、いずれかのプライマリストレージシステム、一又は複数のセカンダリストレージシステムを管理する管理計算機など、他の装置が採用されても良い。
<第三の実施形態>。
図29は、本発明の第三の実施形態に係るコンピュータシステムの構成例を示す。
第二サイト100Bに、第一のセカンダリストレージシステム40S1及び第二のセカンダリストレージシステム40S2のうちの少なくとも一方に接続されたホスト計算機10Bがある。ホスト計算機10Bが、オペレーティングシステム103及びコピー制御プログラム105を備える。ホスト計算機10Bのコピー制御プログラム105が、ホスト計算機10Aのコピー制御プログラム105に代わって、“データコピー状態”の値を受けたり、指定時刻データコピー命令を送信したりする。
<第四の実施形態>。
図30は、本発明の第四の実施形態に係るコンピュータシステムの構成例の一部分を示す。
この第四の実施形態では、各セカンダリストレージシステム40S1、40S2が、SJVOLから読み出されたジャーナルをBVOLに反映することで、指定時刻におけるデータのバックアップをBVOLに取得する。具体的には、各セカンダリストレージシステム40S1、40S2が、直前回に反映したジャーナル中の更新時刻情報が示す更新時刻の次の更新時刻を示す更新時刻情報を有したジャーナルから、指定時刻以下且つ指定時刻に最も近い更新時刻を示す更新時刻情報を有したジャーナルまでを、BVOLに反映する。図示の例によれば、業務A(06:00)までの区切りのデータを記憶したBVOLに対して、SJVOLに記憶されている、業務B(06:00〜12:00)分のジャーナルが、反映される。この第四の実施形態では、第一の実施形態と違って、指定時刻より新しい更新時刻を示す更新時刻情報を含んだジャーナルをSVOLに反映することを止める処理は必要ない。
図31は、第四の実施形態でのジャーナル取得処理の流れの一例を示す。
各セカンダリストレージシステム40S1、40S2において、ジャーナル取得部504が、プライマリストレージシステム40P1又は40P2にジャーナル取得要求を送信する(S411)。プライマリストレージシステム40P1又は40P2では、ジャーナル取得要求に応答して、ジャーナル制御部403が、PJVOLから、未送信のジャーナルを取得し(S421)、取得したジャーナルを、ジャーナル取得要求の送信元のセカンダリストレージシステム40S1又は40S2に送信する。
ジャーナル取得部504は、ジャーナルを取得(受信)できたら(S412:はい)、そのジャーナルをSJVOLに書込み、且つ、そのジャーナルについて、ジャーナル情報管理テーブル509に、“ポインタ”の値としてSJVOLにおける書込み先位置を記録し、“データ反映”の値として『未』を記録する(S413)。そして、ジャーナル取得部504は、SJVOLに書込んだジャーナルを、SVOLに反映する(S414)。
つまり、この第四の実施形態では、ジャーナル取得部504は、SJVOLにジャーナルを書込んだ場合、そのジャーナルをSVOLに直ちに反映することができる。
図32は、第四の実施形態でのデータコピー開始命令処理と指定時刻データコピー処理とのそれぞれの流れの一例を示す。
S431で、データコピー開始命令処理が行われる。具体的には、コピー命令部306が、全てのセカンダリストレージシステム40S1、40S2に、指定時刻データコピー命令を送信する。
各セカンダリストレージシステム40S1、40S2において、S441〜S443で、指定時刻データコピー処理が行われる。具体的には、ジャーナル制御部503が、指定時刻データコピー命令に応答して、プライマリデータコピー管理テーブル508に、“データコピー状態”の値として『処理中』を設定する(S441)。その後、ジャーナル制御部503が、“指定時刻”の値より更新時刻が古く“データ反映”の値が『未』の全てのジャーナルを、前回のデータコピー先のBVOLに反映し、反映したジャーナルに対応する“データ反映”の値を『済』に変更する(S442)。そして、ジャーナル制御部503が、
“データコピー状態”の値を『初期状態』に設定する(S443)。
この第四の実施形態によれば、SJVOLに記憶されている各ジャーナルについての“データ反映”の値は、SVOLにジャーナルが反映されたか否かではなく、BVOLにジャーナルが反映されたか否かを意味する。このため、SJVOLに記憶されている全てのジャーナルのうち、“データ反映”の値が『未』であり、“指定時刻”の値以下の更新時刻を示す情報を含んだ複数のジャーナルが、一区切り分のジャーナル群(例えば所定業務分のジャーナル群)となる。それ故、上記のような流れでSJVOLに記憶されているジャーナルをBVOLに反映することにより、一区切り分のデータのバックアップをBVOLに取得することができる。また、そのBVOLへのジャーナルの反映は、全ての“データコピー状態”の値が『準備完了状態』の場合に行われるので、複数のBVOLでのコンシステンシーを保つことができる。ちなみに、この第四の実施形態では、SVOLには、SJVOLにジャーナルが書込まれた場合にそのジャーナルがSVOLに反映されるので、SVOLにジャーナルが反映されたか否かを管理する必要は無い。
<第五の実施形態>。
本発明の第五の実施形態では、第一と第二のモードが用意されている。ホスト計算機10Aは、ユーザからコンシステンシーグループの指定を受け付ける。
図35Aは、コンシステンシーグループ指定処理の流れの一例を示す。
データコピー制御部303が、ユーザからコンシステンシーグループの指定を受け付ける(S501)。コンシステンシーグループとは、BVOLのコンシステンシーを保つ範囲であり、具体的には、リモートコピーペア(PVOLとSVOLとのペア)とそれに対応したBVOLとを含むボリューム群を一つ以上有するグループである。コンシステンシーグループの指定は、例えば、GUI(Graphical User Interface)を介して受けることができる。
データコピー制御部303は、指定されたコンシステンシーグループに属する複数のリモートコピーペアについて異なるパスが使用されるか否か(例えば、指定されたコンシステンシーグループに属するPVOLを有するプライマリストレージシステムと、そのコンシステンシーグループに属するSVOLを有するセカンダリストレージシステムとのうち、少なくとも一方が複数個存在するか否か)の判断を行う(S502)。その判断の結果が否定的であれば(S502:いいえ)、データコピー制御部303は、第一のモードを選択し、第一のモードを選択したことを、少なくとも各セカンダリストレージシステムに送信する(S503)。上記の判断の結果が肯定的であれば(S502:はい)、データコピー制御部303は、第二のモードを選択し、第二のモードを選択したことを、少なくとも各セカンダリストレージシステムに送信する(S504)。
ここで、S502の判断は、例えば、図35Bに例示するボリューム管理テーブル2501(例えば、このテーブル2051は、ホスト計算機10Aのメモリ1513に記憶されている)を参照することで、行うことができる。具体的には、例えば、データコピー制御部303は、一つのコンシステンシーグループに含めるPVOLとSVOLとのリモートコピーペアの指定を複数個受けた場合、複数のリモートコピーペアに属する複数のPVOL及び複数のSVOLのうちの一方が複数のストレージシステムに存在することをボリューム管理テーブル2501から検出した場合には、S504に進み、そうでない場合には、S503に進むことになる。また、データコピー制御部303は、コンシステンシーグループを構成するどのリモートコピーペアにどのストレージシステム間パスを割当てるかの指定を受けて、或るリモートコピーペアについて、他のリモートコピーペアでは使用できないパスが指定されたならば、S504に進み、そうでないならば(例えば、全てのリモートコピーペアで同一のパスが指定されたならば)、S503に進んで良い。パスは、物理的なパスであっても論理的なパスであっても良い。
以上のことから、S504に進むケースとしては、図36A〜図36Cに例示するように、複数のリモートコピーペアで複数のパスが使用されるケースであり、S503に進むケースとしては、図36Dに例示するように、一つのリモートコピーペアのケース、或いは、複数のリモートコピーペアで一つのパスが使用されるケースであるとすることができる。
図37は、第一のモードが選択された後に行われる制御の概要を示す。
セカンダリストレージシステムは、第一のモードが選択されたことを示す情報をホスト計算機10Aから受ける。この場合、セカンダリストレージシステムは、以下の制御を行う。すなわち、セカンダリストレージシステムは、指定時刻までのジャーナルが確定するまで、“データコピー状態”の値を、『スプリット状態』(例えば、前述した『待機中』或いは『初期状態』)に設定しておく。セカンダリストレージシステムは、指定時刻までのジャーナルが確定したことを検出した場合、“データコピー状態”の値を、『コピー状態』(例えば、前述した『処理中』)に変更し、SVOLからBVOLへのデータコピー(或いは、SJVOLからBVOLへのジャーナル反映)を実行する。それが完了したならば、セカンダリストレージシステムは、“データコピー状態”の値を、『スプリット状態』に変更する。つまり、第一のモードが選択されたことを示す情報をホスト計算機10Aから受信した場合、セカンダリストレージシステムは、ホスト計算機10Aから指定時刻データコピー取得指示を受けた後、指定時刻までのジャーナルが確定したことを検出したならば、指定時刻データコピー命令を受けることなく、SVOLからBVOLへのデータコピー(或いは、SJVOLからBVOLへのジャーナル反映)を実行する。言い換えれば、ホスト計算機10Aは、指定時刻データコピー取得指示を送信した後、指定時刻データコピー命令を送信することはしない。第一のモードにおいては、“データコピー状態”の値が、前述した『準備完了状態』という値に変更されることはない。
図38は、第二のモードが選択された後に行われる制御の概要を示す。
各セカンダリストレージシステムは、第二のモードが選択されたことを示す情報をホスト計算機10Aから受ける。この場合、各セカンダリストレージシステムは、第一〜第四の実施形態のいずれかの実施形態で説明した制御を行う。すなわち、概要としては、セカンダリストレージシステムは、指定時刻までのジャーナルが確定するまで、“データコピー状態”の値を、『スプリット状態』に設定しておく。各セカンダリストレージシステムは、指定時刻までのジャーナルが確定したことを検出した場合、“データコピー状態”の値を、『準備完了状態』に変更し、その変更後の値『準備完了状態』を、ホスト計算機10Aに通知する。ホスト計算機10Aは、コンシステンシーグループに関わる全ての“データコピー状態”の値が『準備完了状態』であるならば、指定時刻データコピー命令を全てのセカンダリストレージシステムに送信する。各セカンダリストレージシステムは、指定時刻データコピー命令を受けたならば、“データコピー状態”の値を『コピー状態』に変更し、SVOLからBVOLへのデータコピー(或いは、SJVOLからBVOLへのジャーナル反映)を実行する。それが完了したならば、各セカンダリストレージシステムは、“データコピー状態”の値を、『スプリット状態』に変更する。
第二のモードでは、ホスト計算機10Aは、コンシステンシーグループに関する障害を検出した場合には(例えば、“リモートコピー状態”或いは“パス状態”の値として『異常』を受けた場合には)、指定時刻データコピー解除命令を各セカンダリストレージシステムに送ることができる。また、第二のモードでは、ホスト計算機10Aは、コンシステンシーグループに関する障害の回復を検出した場合には(例えば、“リモートコピー状態”或いは“パス状態”の値として『異常』を受けた後に『正常』を受けた場合には)、別の指定時刻についての指定時刻データコピー取得指示を各セカンダリストレージシステムに送ることができる。
以上、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。
例えば、ホスト計算機10AのOS130がオープン系のOSである場合、プライマリストレージシステムが、ライトコマンドを受信した時刻を示す時刻情報を含んだジャーナルを作成してPJVOLに書込んでも良い。
また、例えば、データコピー指示情報テーブル309、プライマリデータコピー管理テーブル407及びセカンダリデータコピー管理テーブル508は、各コンシステンシーグループ毎に用意されても良い。この場合、指定時刻データコピー取得指示や、指定時刻データコピー命令には、コンシステンシーグループの識別子が含まれても良い。また、この場合、対象となるコンシステンシーグループに属する全てのリモートコピーペアについて、“データコピー状態”の値として『準備完了状態』を受けた場合に、ホスト計算機10Aが、その対象となるコンシステンシーグループに関わる全てのセカンダリストレージシステム40Sに、点線矢印で示すとおり、指定時刻データコピー命令を送信しても良い。
図1は、本発明の第一の実施形態に係るコンピュータシステムの構成例を示す。 図2は、ホスト計算機内のOSを表す。 図3は、プライマリストレージシステムの構成例を示す。 図4は、プライマリストレージシステムで実行されるコンピュータプログラムの一つであるプライマリ制御プログラムを示す。 図5は、セカンダリストレージシステムで実行されるコンピュータプログラムの一つであるセカンダリ制御プログラムを示す。 図6は、図2に示した更新データ情報テーブルの一例を示す。 図7は、図3に示したデータコピー指示情報テーブルの一例を示す。 図8は、図4に示したプライマリデータコピー管理テーブルの一例を示す。 図9は、図5に示したセカンダリデータコピー管理テーブルの一例を示す。 図10Aは、図5に示したジャーナル管理情報テーブルの一例を示す。図10Bは、SJVOLの一例を示す。 図11は、指定時刻データコピー指示処理の流れの一例を示す。 図12は、データ更新処理の流れの一例を示す。 図13は、ジャーナル取得処理の流れの一例を示す。 図14は、ジャーナル反映制御処理の流れの一例の第一部分を示す。 図15は、ジャーナル反映制御処理の流れの一例の第二部分を示す。 図16は、ジャーナル反映制御処理の流れの一例の第三部分を示す。 図17は、ジャーナル反映制御処理の流れの一例の第四部分を示す。 図18は、コピー開始監視処理の流れの一例の第一部分を示す。 図19は、コピー開始監視処理の流れの一例の第二部分を示す。 図20は、コピー開始監視処理の流れの一例の第三部分を示す。 図21は、コピー完了監視処理の流れの一例の第一部分を示す。 図22は、コピー完了監視処理の流れの一例の第二部分を示す。 図23は、コピー完了監視処理の流れの一例の第三部分を示す。 図24は、データコピー開始命令処理と指定時刻データコピー処理とのそれぞれの流れの一例を示す。 図25は、本発明の第二の実施形態において第一のセカンダリストレージシステムで実行されるセカンダリ制御プログラムを示す。 図26は、本発明の第二の実施形態におけるコピー開始監視処理の流れの一例の第一部分を示す。 図27は、本発明の第二の実施形態におけるコピー開始監視処理の流れの一例の第二部分を示す。 図28は、本発明の第二の実施形態におけるコピー開始監視処理の流れの一例の第三部分を示す。 図29は、本発明の第三の実施形態に係るコンピュータシステムの構成例を示す。 図30は、本発明の第四の実施形態に係るコンピュータシステムの構成例の一部分を示す。 図31は、本発明の第四の実施形態でのジャーナル取得処理の流れの一例を示す。 図32は、本発明の第四の実施形態でのデータコピー開始命令処理と指定時刻データコピー処理とのそれぞれの流れの一例を示す。 図33は、ホスト計算機の構成例を示す。 図34Aは、プライマリストレージシステムの構成例を示す。図34Bは、メインフレームI/Fの構成例を示す。 図35Aは、本発明の第五の実施形態におけるコンシステンシーグループ指定処理の流れの一例を示す。図35Bは、ボリューム管理テーブルの構成例を示す。 図36Aは、一つのコンシステンシーグループに属する複数のSVOLが複数のセカンダリストレージシステムに存在する一つの例を示す。図37Bは、一つのコンシステンシーグループに属する複数のPVOLが複数のプライマリストレージシステムに存在する一つの例を示す。図36Cは、一つのコンシステンシーグループに属する一以上のPVOLが一つのプライマリストレージシステムに存在し一以上のSVOLが一つのセカンダリストレージシステムに存在する一つの例を示す。 図37は、本発明の第五の実施形態において第一のモードが選択された後に行われる制御の概要を示す。 図38は、本発明の第五の実施形態において第二のモードが選択された後に行われる制御の概要を示す。
符号の説明
10A…ホスト計算機 40P1…第一のプライマリストレージシステム 40P2…第二のプライマリストレージシステム 40S1…第一のセカンダリストレージシステム 40S2…第二のセカンダリストレージシステム。

Claims (18)

  1. 複数のプライマリ論理ボリュームを備えた一以上のプライマリストレージシステムに接続された一以上のセカンダリストレージシステムと、
    前記一以上のセカンダリストレージシステムを制御する制御装置と
    を備え、
    前記一以上のセカンダリストレージシステムが、前記複数のプライマリ論理ボリュームとそれぞれ複数のボリュームペアを構成する複数のセカンダリ論理ボリュームを備え、前記複数のボリュームペアの各々について、時刻情報とプライマリ論理ボリュームに書かれるデータとを含んだジャーナルを、他のボリュームペアについてのジャーナルが転送されるパスとは異なるパスを経由して受信し、
    各セカンダリストレージシステムが、
    バックアップ用の論理ボリュームと、
    ジャーナル記憶資源と、
    受信したジャーナルを前記ジャーナル記憶資源に書込み、前記ジャーナル記憶資源に記憶されている、前記セカンダリ論理ボリュームに未書込みジャーナル中のデータを前記セカンダリ論理ボリュームに書込むジャーナル制御部と、
    現在よりも未来の時刻を指定した時刻である指定時刻の指定を前記制御装置から受け付ける時刻指定受付部と、
    前記指定時刻を超える時刻を表す時刻情報を含んだジャーナルを検出した場合、又は、前記セカンダリ論理ボリュームとボリュームペアを構成するプライマリ論理ボリュームを備えたプライマリストレージシステムで前記指定時刻よりも未来の時刻を示す時刻情報を含んだジャーナルが無いことがわかった場合、前記バックアップ用の論理ボリュームに対するバックアップの準備完了状態とし、前記準備完了状態を示す情報を前記制御装置に送信する状態管理部と、
    前記制御装置からバックアップ命令を受信した場合に、前記指定時刻までのデータを前記バックアップ用の論理ボリュームに書込むバックアップ処理を実行するバックアップ実行部と
    を備え、
    前記制御装置が、
    前記指定時刻を前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てに指定する時刻指定部と、
    前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てから、前記準備完了状態を示す情報を受信した場合に、前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てに、バックアップ命令を送信するバックアップ制御部と
    を備える、
    コンピュータシステム。
  2. 前記ジャーナル制御部が、前記指定時刻以前の時刻を示す時刻情報を含んだジャーナル中のデータを前記セカンダリ論理ボリュームに書込むが、前記指定時刻より未来の時刻を示す時刻情報を含んだジャーナル中のデータを前記セカンダリ論理ボリュームに書込まず、
    前記バックアップ実行部が、前記バックアップ命令の受信があった場合、前記セカンダリ論理ボリュームから前記バックアップ用の論理ボリュームへのデータコピーを実行する、
    請求項1記載のコンピュータシステム。
  3. 前記セカンダリ論理ボリュームをコピー元とし前記バックアップ用の論理ボリュームをコピー先としたボリュームペアのペア状態として、前記セカンダリ論理ボリュームが更新されても前記バックアップ用の論理ボリュームが更新されない状態であるスプリット状態と、前記準備完了状態と、前記セカンダリ論理ボリュームが更新されたら前記バックアップ用の論理ボリュームも更新される状態であるコピー状態とがあり、
    前記状態管理部が、前記指定時刻より未来の時刻を表す時刻情報を含んだジャーナルが前記ジャーナル記憶資源に書かれる前、又は、前記セカンダリ論理ボリュームとボリュームペアを構成するプライマリ論理ボリュームを備えたプライマリストレージシステムに前記指定時刻より未来の時刻を示す時刻情報を含んだジャーナルが記憶されていないことがわかる前、前記ペア状態を前記スプリット状態とし、前記指定時刻より未来の時刻を表す時刻情報を含んだジャーナルを検出した場合、又は、前記セカンダリ論理ボリュームとボリュームペアを構成するプライマリ論理ボリュームを備えたプライマリストレージシステムで前記指定時刻より未来の時刻を示す時刻情報を含んだジャーナルが記憶されていないことがわかった場合、前記ペア状態を前記準備完了状態とし、前記バックアップ命令の受信があった場合、前記ペア状態を前記コピー状態とし、前記データコピーが完了した場合、前記ペア状態を前記スプリット状態とし、
    前記バックアップ実行部は、前記ペア状態が前記準備完了状態から前記コピー状態に変更されたことに応答して、前記データコピーを実行し、前記ペア状態が前記コピー状態から前記スプリット状態に変更されたことに応答して、前記指定時刻より未来の時刻を表す時刻情報を含んだジャーナル中のデータを前記セカンダリ論理ボリュームに書込むようになる、
    請求項2記載のコンピュータシステム。
  4. 前記バックアップ実行部は、前記バックアップ処理として、前記ジャーナル記憶資源から読み出したジャーナル中のデータを前記バックアップ用の論理ボリュームに書込むよう構成されており、前記バックアップ命令が受信された場合、直前回の前記バックアップ処理において最後に書込んだデータを有するジャーナル中の時刻情報が表す時刻の次の時刻から前記指定時刻までのジャーナル中のデータを、前記バックアップ用の論理ボリュームに書込む、
    請求項1記載のコンピュータシステム。
  5. 前記プライマリ論理ボリュームと前記セカンダリ論理ボリュームとのボリュームペア1つにつき、前記バックアップ用の論理ボリュームは1つである、
    請求項1記載のコンピュータシステム。
  6. 前記各セカンダリストレージシステムの前記状態管理部が、そのセカンダリストレージシステムが備える前記セカンダリ論理ボリュームを有したボリュームペアに関して異常が検知された場合、異常状態を示す情報を前記制御装置に送信する、
    請求項1記載のコンピュータシステム。
  7. 前記時刻指定部が、前記一以上のセカンダリストレージシステムのうちの少なくとも一つから、前記異常状態を示す情報を受信した場合、前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てに、キャンセル命令を送信し、
    前記バックアップ実行部が、前記制御装置からの前記キャンセル命令の受信に応答して、前記準備完了状態を解除する、
    請求項6記載のコンピュータシステム。
  8. 前記ジャーナル制御部が、現在より一定時間以前のジャーナル中のデータを前記セカンダリ論理ボリュームに書込み、
    前記時刻指定部が、前記一以上のセカンダリストレージシステムのうちの少なくとも一つから、前記異常状態を示す情報を受信した場合、前記異常状態を示す情報の送信元のセカンダリストレージシステムから、前記セカンダリ論理ボリュームに最近書かれたデータを含んだジャーナルに対応した時刻情報を取得し、その時刻情報が表す時刻を前記指定時刻として前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てに指定する、
    請求項6記載のコンピュータシステム。
  9. 前記時刻指定部が、前記一以上のセカンダリストレージシステムのうちの少なくとも一つから、前記異常状態を示す情報を受信した場合、前記指定時刻より未来の時刻を新たな前記指定時刻として前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てに指定する、
    請求項6記載のコンピュータシステム。
  10. 前記時刻指定部が、前記指定時刻を前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てに指定した後、一定時間が経過しても、前記一以上のセカンダリストレージシステムの少なくとも一つから、前記準備完了状態を示す情報又は前記異常状態を示す情報を受信しなければ、前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てに、キャンセル命令を送信する、
    前記バックアップ実行部が、前記制御装置からの前記キャンセル命令の受信に応答して、前記準備完了状態を解除する、
    請求項6記載のコンピュータシステム。
  11. 前記バックアップ実行部が、前記準備完了状態を示す情報が送信された後、第一の待ち時間が経過しても、前記制御装置からバックアップ命令を受信しない場合、前記準備完了状態を解除する、或いは、前記バックアップ用の論理ボリューム又は別のバックアップ用の論理ボリュームに対して前記バックアップ処理を実行する、
    請求項1記載のコンピュータシステム。
  12. 前記時刻指定部が、第二の待ち時間が経過しても、前記一以上のセカンダリストレージシステムの少なくとも一つから、所定種類の情報を受信しなければ、前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てに、所定の命令を送信するよう構成されており、
    前記第二の待ち時間に比して前記第一の待ち時間の方が長い、
    請求項11記載のコンピュータシステム。
  13. 前記制御装置が、
    コンシステンシーを保つ範囲としての一以上のボリュームペアの指定を受け付けるペア指定受付部と、
    指定された一以上のボリュームペアについてのジャーナル転送で異なるパスが使用されるか否かの判断を行う判断部と、
    前記一以上のセカンダリストレージシステムのうちの前記指定された一以上のボリュームペアに関わるセカンダリストレージシステムに前記判断の結果に関する情報を通知する通知部と
    を更に備え、
    前記各セカンダリストレージシステムの前記状態管理部が、受けた情報が、肯定的な判断結果に関する情報である場合には、前記準備完了状態にし、その後でバックアップ命令を受けた場合に、前記バックアップ処理を実行し、受けた情報が、否定的な判断結果に関する情報である場合には、前記準備完了状態にすることなく、前記準備完了状態にせず前記バックアップ命令を受けることなく、前記バックアップ処理を実行するよう構成されている、
    請求項1記載のコンピュータシステム。
  14. 前記制御装置が、前記複数のプライマリ論理ボリュームを更新する一以上の上位装置のうちのいずれか一つ、前記一以上のプライマリストレージシステムのうちのいずかれ一つ、前記一以上のセカンダリストレージシステムのうちのいずれか一つ、前記一以上のセカンダリストレージシステムに接続された一以上の上位装置のうちのいずれか一つ、及び、前記一以上のセカンダリストレージシステムを管理する管理計算機のうちのいずれか一つである、
    請求項1記載のコンピュータシステム。
  15. 時刻情報とプライマリ論理ボリュームに書かれるデータとを含んだジャーナルをプライマリストレージシステムから受信するセカンダリストレージシステムであって、
    セカンダリ論理ボリュームと、
    バックアップ用の論理ボリュームと、
    ジャーナル記憶資源と、
    受信したジャーナルを前記ジャーナル記憶資源に書込み、前記ジャーナル記憶資源に記憶されている、前記セカンダリ論理ボリュームに未書込みジャーナル中のデータを前記セカンダリ論理ボリュームに書込むジャーナル制御部と、
    現在よりも未来の時刻を指定した時刻である指定時刻の指定を制御装置から受け付ける時刻指定受付部と、
    前記指定時刻を超える時刻を表す時刻情報を含んだジャーナルを検出した場合、又は、前記セカンダリ論理ボリュームとボリュームペアを構成するプライマリ論理ボリュームを備えたプライマリストレージシステムで前記指定時刻よりも未来の時刻を示す時刻情報を含んだジャーナルが無いことがわかった場合、前記バックアップ用の論理ボリュームに対するバックアップの準備完了状態とし、前記準備完了状態を示す情報を前記制御装置に送信する状態管理部と、
    前記制御装置からバックアップ命令を受信した場合に、前記指定時刻までのデータを前記バックアップ用の論理ボリュームに書込むバックアップ処理を実行するバックアップ実行部と
    を備えるストレージシステム。
  16. 複数のプライマリ論理ボリュームを備えた一以上のプライマリストレージシステムに接続され、前記複数のプライマリ論理ボリュームとそれぞれボリュームペアを構成する複数のセカンダリ論理ボリュームを備え、時刻情報とプライマリ論理ボリュームに書かれるデータとを含んだジャーナルをプライマリストレージシステムからそれぞれ受信し、現在より未来の時刻を指定した時刻である指定時刻までのジャーナル中のデータをバックアップ用の論理ボリュームに書き込むバックアップ処理を実行する一以上のセカンダリストレージシステム、を制御する制御装置であって、
    現在より未来の時刻を指定した時刻である指定時刻を前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てに指定する時刻指定部と、
    前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てから、バックアップ用の論理ボリュームに対するバックアップの準備完了状態を示す情報を受信した場合に、前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てに、バックアップ命令を送信するバックアップ制御部と
    を備える制御装置。
  17. 複数のプライマリ論理ボリュームを備えた一以上のプライマリストレージシステムから、時刻情報とプライマリ論理ボリュームに書かれるデータとを含んだジャーナルを、前記複数のプライマリ論理ボリュームとそれぞれボリュームペアを構成する複数のセカンダリ論理ボリュームを備えた一以上のセカンダリストレージシステムに送信し、一以上のセカンダリストレージシステムの各々が、受信したジャーナルをジャーナル記憶資源に記憶させ、該ジャーナル記憶資源に記憶されているジャーナル中のデータを前記セカンダリ論理ボリュームに書き込むコンピュータシステムでのバックアップ制御方法であって、
    現在よりも将来の時刻を指定した時刻である指定時刻を前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てに設定し、
    前記一以上のセカンダリストレージシステムの各々において、前記指定時刻を超える時刻を表す時刻情報を含んだジャーナルを検出した場合、又は、前記セカンダリ論理ボリュームとボリュームペアを構成するプライマリ論理ボリュームを備えたプライマリストレージシステムで前記指定時刻よりも未来の時刻を示す時刻情報を含んだジャーナルが無いことがわかった場合、前記バックアップ用の論理ボリュームに対するバックアップの準備完了状態とし、前記準備完了状態を示す情報を報告し、
    前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てから、前記準備完了状態を示す情報の報告があった場合に、前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てに、バックアップ命令を発行する、
    バックアップ制御方法。
  18. 前記一以上のセカンダリストレージシステムのうちの少なくとも一つから、そのセカンダリストレージシステムが備えるセカンダリ論理ボリュームを有したボリュームペアに関する異常状態を示す情報の報告があった場合、前記一以上のセカンダリストレージシステムの全てに、前記準備完了状態を解除することを意味するキャンセル命令を発行する、
    請求項24記載のバックアップ制御方法。
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