JP2008201024A - インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents

Abstract

【課題】インクジェットヘッドにインクを充填するさいに、インク流路内部に空気が残らないインク流路を有するインクジェットヘッドを提供すること。
【解決手段】インクを供給するインク供給口１１と、当該インク供給口１１からインクを吐出するアクチュエータに向ってこのインク供給口１１に略直交するインク流路１０を有するインクジェットヘッドであって、インク供給口１１はインク流路１０の略中央に位置し、インク供給口１１からアクチュエータに向って放射状にテーパを有し、放射状の複数のリブを配設したことを特徴とする。
【選択図】図４

Description

本発明は、インクジェットヘッドにインクを充填する流路構造に関する。

従来、インクを吐出する複数のノズルを有するインクジェットヘッドを用いて被記録媒体に文字や画像を記録するインクジェット式記録装置が知られている。かかるインクジェット式記録装置では、インクジェットヘッドのノズルが被記録媒体に対向するようにヘッドホルダに設けられ、このヘッドホルダはキャリッジに搭載され被記録媒体の搬送方向とは直交する方向に走査されるようになっている装置と、ヘッドは固定しており記録媒体が移動して印字する装置がある。

このようなインクジェット式記録装置では、図１のようにインクジェットヘッド１にインクを供給するため、インクカートリッジ４や図示しないインクタンクなどが設置され、チューブ３の先端に小穴を穿いた針８をインクカートリッジ４のインク取り出し口９部分（以後スパウトと呼ぶ）に差込みインクを供給するような構造となっている（例えば特許文献１参照）。インクジェットヘッドとインクカートリッジが接続されると、インクカートリッジとインクジェットヘッドの間に設けたポンプを回転し、チューブ内に圧力加えてインクをインクジェットヘッドに加圧充填する。また、他の充填方法として、インクジェットヘッドのノズル面にゴムキャップを押し当て、密封状態とし、キャップに設けた小穴からインクを吸い出す、吸引充填方法がある。
特開２００２−１５３３７号公報

しかしながら、インクジェットヘッドに加圧または吸引充填方法でインクを供給し、インクがインクジェットヘッド内に充填される。インクジェットヘッドにはインクをアクチュエータに流す流路があるが、図２に流路の模式図を示す。流路にはインクのゴミを除去するためのフィルタ１２が設けてある。インクはジョイント１１を通して充填される。最初にフィルタ１２に接液する。フィルタメッシュのメニスカスによりインクはフィルタ１２を通過せずフィルタ１２の矢印のように延面方向へ流れるが、インクの圧力でフィルタメッシュのメニスカスが破れるとフィルタ１２を通過し、アクチュエータ側に流れる。

インクを充填すると、流路内の空気を押し出しながら充填するが、流路の両端部にはインクが流れ込まず空気１４が残ったままとなる。空気１４が残った部分のフィルタ１２はインクを流す機能はなく、フィルタ全面積の約１/３は使用していない状態でありインクを十分供給することが出来ず、印字率が高くなるとインク供給不足を発生し印字不良となることがある。

インクがインクジェットヘッド内に充填されると、ヘッド内はインクで濡れた状態になるためインクを抜いて空の状態にし、再度インクを充填しても流路内の濡れた部分しかインクは充填されない。

流路内に空気が残っていると、アクチュエータに空気が流れ込んで、ノズル穴を詰まらせたりすることがある。

本発明はこのような事情に鑑み、簡単な構造の部品で、インクを流路に十分供給し、空気残りを最少にすることを目的とする。

上記課題を解決する本発明の態様は、インクジェット式記録装置の流路の構造にある。
インクを流路に供給する部分は流路の中央か流路の端部に小穴を設け、小穴からインクを流しこむ構造となっている。図３のように中央から流し込む場合は流路の両端に空気１４が残りやすい。図示しないが流路の端部から流し込む場合は流路の片側に空気が残る。中央からインクを供給する方がアクチュエータに均一にインクを供給できるが空気が残る量が多くなる問題がある。本発明では中央からインクを供給するタイプの流路で、中央から流れ込んだインクが流路内に設けたインク分流リブによって効率よくインクジェットヘッドに供給される。

本発明にかかるインクジェットヘッドは、インクを供給するインク供給口と、前記インク供給口からインクを吐出するアクチュエータに向って前記インク供給口に略直交するインク流路を有するインクジェットヘッドであって、前記インク供給口は前記インク流路の略中央に位置し、前記インク供給口から前記アクチュエータに向って放射状にテーパを有することを特徴とする。

さらに、本発明にかかるインクジェットヘッドは、前上記本発明のインクジェットヘッドにおいて、前記インク流路が、前記インク供給口から前記アクチュエータに向って放射状の複数のリブを配設
したことを特徴とする。

さらに、本発明にかかるインクジェットヘッドは、前上記本発明のインクジェットヘッドにおいて、前記リブのリブ間の面積が、前記インク供給口の断面積の８０％以上１２０％以下であることをことを特徴とする。

さらに、本発明にかかるインクジェットヘッドは、前上記本発明のインクジェットヘッドにおいて、前記リブが前記インク供給路の近傍から前記アクチュエータに向って前記各リブの間の空間が広くなることを特徴とする。

さらに、本発明にかかるインクジェット記録装置は、前上記本発明のインクジェットヘッドを有することを特徴とする。

このような構成にすることにより本発明では、簡単な構造でインクジェットヘッドにインクを充填するとき、効率よくヘッド内の空気を排出できる。空気の残留が少ないため充填効率がよいので少量のインクで印字吐出が可能となる。またインクに空気が浸透せず、インクの特性劣化を遅らせることができる。

以下、本発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。図３にインクジェットヘッド全体の図を示す。図に示すように、流路１０の中央にインクが流入するための円柱状ジョイント部１１（インク供給口）があり、円柱状ジョイント１１にダンパ１２が接続されており、チューブ１３を通じてインクを供給する。

図４から図７に示すように、ジョイント１１から流路（インク流路）内に注入されたインクは、流路内にジョイント１１を中心に流路両端部へ放射状に設けたインクを分流する複数のリブ１５により流路１０の両端部へ導かれる。両端部の隅部に少量の空気が残るが従来の残量と比較すると大幅に減少することが出来る。

リブ１５は流路１０の内部にあり、通常の成形では金型構造上成形することが出来ないので図５に示すようにリブ部分を別体１０bとし、ベースとなる流路本体１０aへ接着、熱溶着などで固定する。一体化した流路１０をインクを吐出するアクチュエータ１６のインク流入口（マニホールド）１７面へ接着剤で固定する。

複数のリブ１５の間隔は、リブとリブの隙間の断面積合計が前記ジョイント１１の断面積と同等か多少大きめになるようリブ１５の厚さと間隔を決定する。例えば、前記リブのリブ間の面積は、前記インク供給口の断面積の８０％以上１２０％以下が好ましい。

流路１０のアクチュエータ１５とマニホールド１６を接着する面には０．５ｍｍから２ｍｍ奥まった部分に段差１７を設け、インクのゴミを除去するフィルタ１２を熱溶着または接着で固定する。

フィルタ１２は流路１０ではなく、アクチュエータ１６のマニホールド１７部分にフィルタ１２取付け用の段差を形成し、アクチュエータ側に取り付けても良い。

ここで、上述した流路１０を取り付けたインクジェットヘッド１を搭載したシリアル型のインクジェット式記録装置について説明する。なお、図６は、インクジェット式記録装置の概略斜視図である。

図７に示すように、色毎に設けられた複数のインクジェットヘッド１と、このインクジェットヘッド１が主走査方向に複数並設されて搭載されたキャリッジ２と、フレキシブルチューブからなるインクチューブ３を介してインクを供給するインクカートリッジ４とを具備し、キャリッジ２は、一対のガイドレール５ａ，５ｂ上に軸方向に移動自在に搭載されている。また、ガイドレール５ａ，５ｂの一端側には駆動モータ６が設けられており、この駆動モータ６による駆動力が、当該駆動モータ６に連結されたプーリと、ガイドレール５ａ，５ｂの他端側に設けられたプーリとの間に掛け渡されたタイミングベルトに沿って移動されるようになっている。

また、キャリッジ２の搬送方向と直交する方向の両端部側には、ガイドレール５ａ，５ｂに沿ってそれぞれ一対の搬送ローラ７，８が設けられている。これらの搬送ローラ７、８は、キャリッジ２の下方に当該キャリッジ２の搬送方向とは直交する方向に被記録媒体Ｓを搬送するものである。

本実施形態のインクジェットヘッド１は、単色のインクを吐出するものであり、本実施形態では、黒色（Ｂ）、イエロー（Ｙ）、マゼンダ（Ｍ）、シアン（Ｃ）の４色に対応して４つ並設されてキャリッジ２に搭載されている。

また、インク貯蔵手段であるインクカートリッジ４は、各インクジェットヘッド１に対応して各色毎に４つ設けられている。このようなインクカートリッジ４は、キャリッジ２の主走査方向の移動や、被記録媒体Ｓの移動の邪魔にならない位置で、且つインクジェットヘッド１内に負圧を与えるように、インクジェットヘッド１のインク吐出面よりも所定量低い位置に設けられている。

なお、上述したインクジェット式記録装置には、図示しないが、インク吐出面からインクを吸引、または加圧充填するいわゆるクリーニング動作に用いられるインク充填手段が設けられている。そして、このようなインク充填手段によって、インク吐出面側からインクを所定のタイミングで吸引、または加圧充填することによりインクジェットヘッドにはインクカートリッジからインクが供給され、ヘッドチップ内にインクが入る。入ったインクはヘッドチップのポンプ作用によってノズル穴を通過して印字メディアに着弾する。このポンプ作用時の負圧によってインクが供給され続ける。なお、本実施形態では、４色のインクカートリッジ１２１を搭載したインクジェット式記録装置を例示して説明したが、これに限定されず、５〜８色のインクカートリッジを搭載したインクジェット式記録装置であってもよい。

本発明にかかるインクジェット式記録装置の概略図である。 従来の流路の断面図である。 従来の流路構造のインクジェットヘッドの断面図である。 本発明の実施形態に係る流路の断面図である。 本発明の実施形態に係る流路の斜視図である。 本発明の流路を固定する斜視図である。 本発明のインクジェット印字装置の斜視図である。

符号の説明

１ インクジェットヘッド
２ キャリッジ
３ チューブ（インク供給路）
４ インクカートリッジ（インク貯蔵手段）
５ ガイドレール
１０ 流路（インク流路）
１１ ジョイント（インク供給口）
１２ ダンパー
１３ チューブ
１４ 空気
１５ リブ
１６ アクチュエータ
１７ マニホールド

Claims (5)

1. インクを供給するインク供給口と、前記インク供給口からインクを吐出するアクチュエータに向って前記インク供給口に略直交するインク流路を有するインクジェットヘッドであって、
   前記インク供給口は前記インク流路の略中央に位置し、前記インク供給口から前記アクチュエータに向って放射状にテーパを有することを特徴とするインクジェットヘッド。
2. 前記インク流路は、前記インク供給口から前記アクチュエータに向って放射状の複数のリブを配設
   したことを特徴とする請求項１に記載のインクジェットヘッド。
3. 前記リブのリブ間の面積は、前記インク供給口の断面積の８０％以上１２０％以下であることをことを特徴とする請求項１から請求項２に記載のインクジェットヘッド。
4. 前記リブは前記インク供給路の近傍から前記アクチュエータに向って前記各リブの間の空間が広くなることを特徴とする請求項１から請求項３に記載のインクジェットヘッド。
5. 請求項１から５に記載のインクジェットヘッドを有することを特徴とするインクジェット記録装置。

Images