JP2008296837A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】早期に温熱感的に快適な状態にすることができる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】加熱用熱交換器(17)と、送風機(15)と、フット吹出口(23)と、フット吹出口(23)から吹き出す空調空気を集中して吹き出す集中モードと、拡散状態で吹き出す拡散モードとを切り替え可能な吹出態様モード切替機構(30)と、冷却水温度(Tw)を検出する水温検出手段(27)とを備えた車両用空調装置において、冷却水温度(Tw)が、温風を送風可能な第1所定温度(A)に達した際に、送風機(15)の印加電圧(Vf)を立ち上げるブロワ印加電圧制御手段(26)と、冷却水温度(Tw)が、第1所定温度(A)より高温に設定された第2所定温度(B)より低い場合には集中モードに設定するとともに、冷却水温度(Tw)が第2所定温度(B)以上となった後には拡散モードに切り替えて制御する吹出態様モード制御手段(26)とを備えた。
【選択図】図5
【解決手段】加熱用熱交換器(17)と、送風機(15)と、フット吹出口(23)と、フット吹出口(23)から吹き出す空調空気を集中して吹き出す集中モードと、拡散状態で吹き出す拡散モードとを切り替え可能な吹出態様モード切替機構(30)と、冷却水温度(Tw)を検出する水温検出手段(27)とを備えた車両用空調装置において、冷却水温度(Tw)が、温風を送風可能な第1所定温度(A)に達した際に、送風機(15)の印加電圧(Vf)を立ち上げるブロワ印加電圧制御手段(26)と、冷却水温度(Tw)が、第1所定温度(A)より高温に設定された第2所定温度(B)より低い場合には集中モードに設定するとともに、冷却水温度(Tw)が第2所定温度(B)以上となった後には拡散モードに切り替えて制御する吹出態様モード制御手段(26)とを備えた。
【選択図】図5
Description
本発明は、車両用空調装置に関する。
一般に、車両用空調装置は、空調空気を吹き出す吹出口として、主に乗員の顔や上半身へ向けて吹き出すフェイス吹出口、主に乗員の足元へ向けて吹き出すフット吹出口、主に窓ガラスの曇り防止のためフロントガラスへ向けて吹き出すデフロスタ吹出口を備えている。
また、蒸発器およびヒータコア等の熱交換器を備えており、蒸発器で冷やされた後、ヒータコアを通過した暖かい空気と、ヒータコアを通過せずにヒータコアをバイパスするバイパス流路を通過した空気とを混ぜることによって、所望の空気温度を作り出すようにしている。ヒータコアは、走行用エンジンの冷却水を熱源として空気を加熱している。
そして、冬季の暖房時には、乗員の足元近傍に配置されたフット吹出口を中心に温風を吹き出すことで車室内の温度を快適に保つようにしている。
より具体的に説明すると、例えば、特許文献1に記載の車両用空調装置では、フット吹出口において、足元へ集中させて送風する集中モードと、足元から下腿へ拡散させて送風する拡散モードとを切り替える構成を備えている。そして、ウォームアップ初期時には、集中モードに設定するとともに、ブロワ印加電圧(送風量)を最大レベルであるHiにして効率的に送風し、エンジンスタート後しばらく経過して定常状態となったときには、拡散モードに切り替えるようにしている。
特開平6−156056号公報
しかし、エンジンスタート直後からしばらくの間(ウォームアップ初期時)は、エンジン冷却水の水温(以下、「冷却水温度」という。)が低く、エンジンの熱により冷却水温度がある程度まで温まるまでは、十分な温風を車室内へ送風することができない。そして、温風ではなく冷風が最大風量で吹き出されてしまうため、乗員に、かえって寒く感じるという不快感を与えてしまうとともに、迅速に車室内を暖めることができなかった。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、早期に温熱感的に快適な状態にすることができる車両用空調装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、エンジン冷却水を熱源とし、流路を通過する空気を加熱する加熱用熱交換器(17)と、加熱用熱交換器(17)側に送風する送風機(15)と、加熱用熱交換器(17)を通過した空調空気を主に乗員の足元へ吹き出すフット吹出口(23)と、フット吹出口(23)から吹き出す空調空気を集中して吹き出す集中モードと、フット吹出口から吹き出す空調空気を拡散状態で吹き出す拡散モードとを切り替え可能な吹出態様モード切替機構(30)と、エンジン冷却水の水温である冷却水温度(Tw)を検出する水温検出手段(27)とを備えた車両用空調装置において、水温検出手段(27)から検出される冷却水温度(Tw)が、温風を送風可能な第1所定温度(A)に達した際に、送風機(15)の印加電圧(Vf)を立ち上げるブロワ印加電圧制御手段(26)と、冷却水温度(Tw)が、第1所定温度(A)より高温に設定された第2所定温度(B)より低い場合には吹出態様モードを集中モードに設定するとともに、冷却水温度(Tw)が第2所定温度(B)以上となった後には集中モードから拡散モードに切り替えて制御する吹出態様モード制御手段(26)とを備えることを特徴とする。
本構成では、冷却水温度(Tw)が第1所定温度(A)を超えて、温風を送風するにあたって適度にエンジン冷却水が暖まった後に、送風機(15)の印加電圧(Vf)を立ち上げるため、ウォームアップ初期時にフット吹出口(23)から冷風が吹き出すことを抑制できる。
さらに、冷却水温度(Tw)が第2所定温度(B)以下であるウォームアップ初期時(送風機(15)の印加電圧立ち上げ時を含む。)には集中モードに設定する。
集中モードでは、流路を狭く絞って空調空気を集中させるため、拡散モードと比較して、圧力損失が上がり、流路を通過する空調空気の風量が下がる。よって、加熱用熱交換器(17)を通過した空調空気の温度を上げることができる。また、風速を上げることができるため、空調空気をより遠くに飛ばすことができる。
したがって、定常時(エンジン始動後、しばらく経過して冷却水温度(Tw)が第2所定温度(B)を超えるまで上昇して、暖房が進んだ状態)と比較して温度が低めの温風を小量しか送風することができないウォームアップ初期時において、限られた温風を例えば乗員のくるぶし近傍へ向けて確実に送風することができる。
一方、冷却水温度(Tw)が第2所定温度(B)を超えて、十分に高温の温風が送風可能となった後には、拡散モードに切り替える。
拡散モードでは、フット吹出口(23)から空調空気をまんべんなく拡散させて送風するため、より広範囲に温風を送風することができる。つまり、空調空気を乗員の下腿全体に向けて広範囲に送風させて、効率的かつ快適に暖めることができる。
請求項2に記載の発明では、ブロワ印加電圧制御手段(26)は、冷却水温度(Tw)が第2所定温度(B)に達した際に印加電圧(Vf)のレベルが最大となるように、印加電圧(Vf)を立ち上げ時から徐々に上昇させるように制御することを特徴とする。
本構成によれば、印加電圧(Vf)を制御することによって、冷却水温度(Tw)が第1所定温度(A)では風量が小さく、第2所定温度(B)では最大風量で送風されることになる。つまり、冷却水温度(Tw)の上昇とともに、送風量が徐々に増加されることになる。このため、冷却水温度(Tw)が第1所定温度(A)から第2所定温度(B)の間において、印加電圧(Vf)のレベルをいきなり最大とせず、送風量を抑えることにより、強い送風が直に身体に当たることでかえって寒く感じてしまうドラフト感を抑制することができ、より快適性を向上できるとともに、集中モードで効率的に車室内を暖めることができる。
請求項3に記載の発明では、吹出態様モード制御手段(26)は、冷却水温度(Tw)が第2所定温度(B)となった際に集中モードから拡散モードに切り替えて制御することを特徴とする。
本構成によれば、十分に高温の温風が送風可能となった第2所定温度(B)の点で速やかに拡散モードに切り替わるため、高温の温風が例えば乗員のくるぶし近傍に集中して暑すぎる、ムレてしまうといった虞を回避することができる。
請求項4に記載の発明では、吹出態様モード制御手段(26)は、冷却水温度(Tw)が上昇して安定した状態である定常状態となった場合に集中モードから拡散モードに切り替えて制御することを特徴とする。
本構成によれば、冷却水温度(Tw)に基づいて、簡単かつ確実に、十分に高温の温風を送風できるポイント(定常状態)を判断して拡散モードに切り替えることができる。
請求項5に記載の発明では、吹出態様モード切替機構(30)は、複数の回動部材(31)を有し、回動部材(31)を所定角度に回動動作させることで集中モードと拡散モードとを切り替えることを特徴とする。
本構成によれば、簡単な構成で吹出態様モード切替機構(30)を好適に実施することができる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態である車両用空調装置を示す模式図である。図1に示すように、車室内(空調室内)を空調する車両用空調装置1は、内部に空気流路が形成される空調ケーシング10を有し、この空調ケーシング10内の空気上流側部位には、内外気切換装置11が設けられている。内外気切換装置11には、内気を導入するための内気導入口12と外気を導入するための外気導入口13とが開口形成されているとともに、これらの各導入口12,13を選択的に開閉する内外気切換ドア14が設けられている。この内外気切換ドア14を回動作動させることで、各導入口12,13を選択的に開閉するようになっている。
図1は、本発明の一実施形態である車両用空調装置を示す模式図である。図1に示すように、車室内(空調室内)を空調する車両用空調装置1は、内部に空気流路が形成される空調ケーシング10を有し、この空調ケーシング10内の空気上流側部位には、内外気切換装置11が設けられている。内外気切換装置11には、内気を導入するための内気導入口12と外気を導入するための外気導入口13とが開口形成されているとともに、これらの各導入口12,13を選択的に開閉する内外気切換ドア14が設けられている。この内外気切換ドア14を回動作動させることで、各導入口12,13を選択的に開閉するようになっている。
内外気切換装置11の下流側部位には、両導入口12,13から吸入された空気を送風する送風機15が配設されている。送風機15は、ブロワモータM1により駆動される。送風機15の空気下流側には、室内に吹き出す空気を冷却する蒸発器16が配設されている。
蒸発器16の空気下流側には、空気を加熱するヒータコア17(加熱用熱交換器)が配設されている。このヒータコア17は、走行用エンジン18の冷却水を熱源として空気を加熱している。
蒸発器16の下流側には、ヒータコア17をバイパスするバイパス流路19が形成され、ヒータコア17の空気上流側には、ヒータコア17を通る風量とバイパス流路19を通る風量との風量割合を調節するエアミックスドア21が配設されている。
そして、空調ケーシング10の最下流側部位には、車室内乗員の上半身に空調空気を吹き出すためのフェイス吹出口22と、車室内乗員の足元に空気を吹き出すためのフット吹出口23と、フロントガラスの内面に向かって空気を吹き出すためのデフロスタ吹出口24とが形成されており、各吹出口22〜24の空気上流側部位には、吹出口モードを切り換える吹出口モード切換ドア25a〜25cが配設されている。
図2は、車室内を示し、各吹出口22〜24の態様を説明する図である。図2に示すように、フット吹出口23は、フロアパネルの上方であって、乗員着座時の足元近傍に、運転席用と助手席用とにそれぞれ設けられており、車室内の中央側からサイド側へ向かって送風するようになっている。
図3は、フット吹出口23の内部に設けられる吹出態様モード切替機構30を示す模式図である。図3(a)は集中モード時の態様を示しており、(b)は拡散モード時の態様を示している。なお、図3(a)では、エアコンECU26の電気的接続について、特に、吹出態様モード切替機構30に関する構成のみを破線で図示してある。
図3に示すように、吹出態様モード切替機構30は、図3における上下方向に並列して吹出口23内に設けられる複数のルーバー31を有している。各ルーバー31は、それぞれのシャフト32を中心に回動可能に配置されている。
一方、車両用空調装置1は、ブロワ印加電圧制御手段および吹出態様モード制御手段としてのエアコンECU26を有している。エアコンECU26は、CPU、ROMおよびRAM(いずれも図示略)等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。ROM内には、空調制御のための制御プログラムを記憶しており、その制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。
エアコンECU26には、上記した送風機15、エアミックスドア21、吹出口モード切換ドア24a〜24cの他、エンジン冷却水の水温(以下、「冷却水温度」という。)Twを検出する水温センサ27(水温検出手段)、車室内温度センサ等の各種センサ(図示略)が電気的に接続されている。そして、車両用空調装置1を作動させると、エアコンECU26は、送風機15、各種ドア駆動用の各モータ(図示略)、ルーバー31のシャフト駆動用のモータM2等の作動を制御するようになっている。
本実施形態では、エアコンECU26が集中モードを設定するときには、図3(a)に示すように、各ルーバー31は、その送風方向下流側端部(図3における右側端部)が、吹出口23の上下方向における中心線a側に接近する方向へ傾いた状態に回動制御される。すなわち、中心線aより上側に配置されるルーバー31はシャフト32を中心に右下がりとなり、中心線aより下側に配置されるルーバー31はシャフト32を中心に右上がりに制御される。これにより、フット吹出口23には絞り作用が与えられ、空調空気は中心線aの送風方向側に集中して吹出口23の中心部分から送風される。
この集中モードでは、絞り作用によってフット吹出口23の開口面積が小さくなるため空調空気に対する圧力損失が大きくなり、フット吹出口23から送風される空調空気の風量が下がるため、後述する拡散モードと比較してヒータコア17を通過する空調空気の温度を上げることができる。また、反面、風速を上げることができるため、空調空気をより遠くに飛ばすことができる。
一方、エアコンECU26が拡散モードを設定するときには、図3(b)に示すように、各ルーバー31の長辺と送風方向とが一致して平行となるように回動制御される。このようにすることで、絞り作用は解除されて、空調空気は、各種ルーバー31の間を送風方向へ流通してフット吹出口23全体から送風される。
次に、上記構成に基づく作動について説明する。図4は、本実施形態においてエアコンECU26が実行する空調制御を説明するフローチャートである。
本制御ルーチンはエンジンが始動されるとスタートし、まず、ステップS100で、目標吹出温度TAOの計算式に用いる定数と、エアミックスドア21の開度計算に用いる定数等、この空調制御で用いる定数の初期設定を行う。
次に、ステップS110で、外気温センサ(図示略)が検出した外気温、内気温センサ(図示略)が検出した車室内温度TR、日射量センサ(図示略)から検出した日射量、乗員の入力操作によって設定された設定室温Tset等の各種データを読み込む。
そして、読み込んだ各種データに基づいて、ステップS120で目標吹出温度TAOを算出し、この目標吹出温度TAOに基づいて、ステップS130で、エアミックスドア21の開度を算出する。
次に、ステップS140で、ROMに記憶された特性図から、目標吹出温度TAOに対応する吹出口モードを選択する。具体的には、目標吹出温度TAOが高いときにはフットモードが選択され、目標吹出温度TAOが低くなるに伴って、バイレベルモード、さらにはフェイスモードの順に選択される。
次に、ステップS150で、ROMに記憶された特性図から、目標吹出温度TAOに対応するブロワ印加電圧Vf、つまり送風機15のファンモータM1への印加電圧を算出する。
そして、ステップS160で、エアコンパネル(図示略)に設けられたデフロスタスイッチが乗員によってONされたか否かを判断する。そして、デフロスタスイッチがONされた場合(S160:YES)には、ステップS170で、吹出口モードをデフロスタモードに設定する。そして、ステップS180で、ブロワ印加電圧Vfを最も高いレベルであるHiに設定して送風を開始する。
デフロスタスイッチがONされたということは、フロントガラスが曇っており、まず、この曇りを晴らす必要がある。したがって、このステップS170・ステップS180では、先のステップS140・ステップS150で選択された吹出口モードやブロワ印加電圧に関わらず、強制的にデフロスタモードに設定するとともに、ブロワ印加電圧をHiに設定して、早急に曇りを晴らすようにしている。
一方、デフロスタスイッチがONされていない場合(S160:NO)には、ステップS190で、先のステップS140でフェイスモードが選択されているか否かを判断する。フェイスモードが選択されている場合(S190:YES)は、目標吹出温度TAOが低く、車両用空調装置1がクールダウン(冷房)運転を行うことを意味する。そして、このクールダウン(冷房)運転の場合には、ステップS200で、吹出口モードをフェイスモードに設定する。そして、ステップS210で、先のステップS150で算出された所定のブロワ印加電圧で印加して送風を開始する。
また、ステップS190でフェイスモードが選択されていないと判断された場合(S190:NO)は、すなわち、フット吹出口23からの送風を含む3つの吹出口モード(バイレベルモード、フットモード、フットデフモード)のうちいずれか一つのモードが選択されている場合であり、目標吹出温度TAOが高く、車両用空調装置1がウォームアップ(暖房)運転を行うことを意味する。
ここで、図5は、空調制御、特にウォームアップ(暖房)運転における冷却水温度、車室内温度、ブロワ印加電圧、吹出態様モードを示すタイムチャートである。図5において、冷却水温度Twを実線で、車室内温度TRを一点鎖線で、ブロワ印加電圧Vfを破線でそれぞれ示してある。これ以降、適宜、図5のタイムチャートを参照しつつ説明する。
ウォームアップ(暖房)運転の場合には、ステップS220で、吹出口モードを先のステップS140で選択したバイレベルモード、フットモード、フットデフモードのうちいずれかのモードに設定する。次に、ステップS230で、水温センサ27から検出される冷却水温度Twが第1所定温度Aより低いか否かを判断する。第1所定温度Aは、ヒータコア17によって加熱される空調空気が乗員に対する暖房用温風として送風可能な程度の温度に設定されている。
そして、冷却水温度Twが第1所定温度Aより低い場合(S230:YES)には、ステップS240で、ブロワモータM1を印加せずにOFF状態のままとする(図5、経過時間t<t1において破線で示す。)。一方、冷却水温度Twが第1所定温度A以上である場合(S230:NO)には、ステップS250で、冷却水温度Twが第2所定温度Bより低いか否か否かを判断する。第2所定温度Bは、第1所定温度Aより高温であって、十分に高温の暖房用温風として送風可能な程度の温度に設定されている。
そして、冷却水温度Twが第2所定温度Bより低い場合(S250:YES)には、すなわち、冷却水温度Twは第1所定温度A以上かつ第2所定温度Bより低い温度であることを意味する。この場合には、ステップS260で、フット吹出口23の吹出態様を集中モードに設定する。そして、ステップS270で、ブロワモータM1を印加して送風を開始する。なお、このステップS270でのブロワ印加電圧は、ブロワレベル(送風量)の最も低いLoから中間レベルのMiまで、冷却水温度Twの上昇に伴い徐々にレベルを上げていく段階制御を行うようになっている(図5、t1<t<t2において破線で示す。)。
一方、ステップS250で、第2所定温度B以上であると判断された場合(S250:NO)には、ステップS280で、フット吹出口23の吹出態様を拡散モードに設定する。そして、ステップS290で、ブロワ印加電圧をHiに設定して送風する(図5、冷却水温度Twが第2所定温度Bに達した時点から車室内温度TRが一定となるまで(t2≦t≦t4)に相当する)。そして、車室内温度TRが一定となって安定してきた後には、HiからLoまで、徐々にレベルを下げていく安定時段階制御を行うようになっている(図5、t>t4において破線で示す。)。
以上の空調制御において、それぞれの吹出口モード、ブロワ印加電圧、さらに、フット吹出口23においてはその吹出態様モードに応じて送風を開始(ステップS180、ステップS210、ステップS240、ステップS270、ステップS290)した後には、ステップS110に戻り、各種センサからデータを読み込み、以降の処理を繰り返し行う。
次に、上記制御における効果を述べる。
本実施形態では、冷却水温度Twが、暖房用温風として送風可能な程度の温度である第1所定温度Aより低い場合はフット吹出口23からの送風を開始せず、第1所定温度A以上となった後に送風を開始するようにしている。このため、送風開始時にフット吹出口23から冷風が吹き出すことを抑制できる。
また、冷却水温度Twが、第1所定温度A以上であって、かつ、十分に高温の暖房用温風として送風可能な程度の温度である第2所定温度Bより低い場合には、吹出態様を集中モードに設定している。
すなわち、定常時と比較して温度が低めの温風を小量しか送風することができないウォームアップ初期時(t<t2)において、集中モードに設定することで限られた温風を乗員のくるぶし近傍へ向けて確実に送風し、乗員の快適性を向上させることができる。なお、「定常」とは、エンジン始動後、しばらく経過して冷却水温度Twが第2所定温度(Bを超えるまで上昇して、暖房が進んだ状態を意味する。
特に、図2に示すように、フット吹出口23は、車室内の中央側からサイド側へ向かって送風するようになっているため、例えば、運転手であれば、通常、フット吹出口23に近い左足には空調空気が届きやすいがフット吹出口23から遠い右足には届きにくい。しかし、本実施形態では、集中モードに設定することで、フット吹出口23から遠い方の乗員の足に対しても空調空気を送風することができる。
また、冷却水温度Twが第2所定温度B以上となった後には拡散モードに切り替えるため、十分に高温の暖房用温風として送風可能となった際には、空調空気が乗員の下腿全体に向けて広範囲に送風され効率的かつ快適に暖めることができる。
さらに、冷却水温度Twが第1所定温度Aのときには、ブロワ印加電圧VfをLoに設定し、段階制御により徐々にレベルを上昇させて、冷却水温度Twが第2所定温度Bとなったときには、ブロワ印加電圧VfをHiに設定するようにしている。つまり、冷却水温度Twが第1所定温度Aから第2所定温度Bの間においては、最大風量で送風されることがないため、強い送風が直に身体に当たることでかえって寒く感じてしまうドラフト感を抑制することができ、より快適性を向上させることができる。なお、このドラフト感は、第2所定温度B以上となった際には、十分に高温の温風が送風されるため、生じない。
一方、冷却水温度Twが第2所定温度Bとなった時点で速やかに拡散モードに切り替えるため、高温の温風が乗員のくるぶし近傍に集中することでかえって暑すぎると感じたり、足元がムレたりしてしまうといった虞を回避することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図6を参照して説明する。図6は、第2実施形態において、エアコンECUが実行する空調制御を説明するフローチャートである。図6において、上記第1実施形態を示すフローチャート(図4)と同一ステップについては同一の符号を付している。以下、第1実施形態と異なる部分に着目して説明する。
次に、第2実施形態について図6を参照して説明する。図6は、第2実施形態において、エアコンECUが実行する空調制御を説明するフローチャートである。図6において、上記第1実施形態を示すフローチャート(図4)と同一ステップについては同一の符号を付している。以下、第1実施形態と異なる部分に着目して説明する。
上記第1実施形態では、集中モードから拡散モードへの切替ポイントを、冷却水温度Twが第2所定温度Bとなったとき(t=t2)に設定したが、本実施形態では、冷却水温度Twが第2所定温度B以上となった後であって、かつ、車室内が定常状態(t≧t3)となったとき(t=t3)に設定している点が異なる。
図6に示すように、ステップS250で、冷却水温度Twが第2所定温度B以上であると判断された場合(S250:NO)には、ステップS251で、車室内が定常状態であるか否かを判断する。そして、車室内が定常状態でない場合(S251:NO)には、ステップS260で、フット吹出口23の吹出態様を集中モードに設定する。一方、車室内が定常状態である場合(S251:YES)には、ステップS280で、フット吹出口23の吹出態様を拡散モードに設定する。
定常状態であるか否かは、冷却水温度Twが予め定めた所定値(第2所定温度Bよりも高温に設定される値)を超えた場合に定常と判断することができる。もしくは、冷却水温度Twの所定時間(例えば1秒)当りの変化量ΔTwが所定値以下となった場合に定常と判断するようにしてもよい。
本実施形態によれば、十分に高温の温風を送風できるポイント、すなわち定常状態を的確に判断して拡散モードに切り替えることができる。
(その他の実施形態)
上記各実施形態において拡散モードへの切替ポイントは、t=t2(第1実施形態)またはt=t3(第2実施形態)とした。
上記各実施形態において拡散モードへの切替ポイントは、t=t2(第1実施形態)またはt=t3(第2実施形態)とした。
定常状態では、十分に高温の温風が送風可能であり、乗員の下腿全体を効率良く暖める点においても、暑すぎると感じないようにする点においても拡散モードの方が好ましい。一方、冷却水温度Twが第2所定温度B以上であれば、ドラフト感を生じさせる虞はない。したがって、適当な暖房感と暑すぎないポイントとのチューニングにより、t2≦t≦t3の範囲内で、切替ポイントを適宜設定変更することができる。
上記各実施形態では、複数のルーバー31の回動制御による吹出態様モード切替機構30を採用したが、フット吹出口23の吹出態様を集中モードと拡散モードとに切り替えることが可能であれば、ルーバー31を有さないその他の機構により実施してもよい。例えば、図6に示すように、絞り羽根機構41によるフォーカスタイプの吹出態様モード切替機構としても良い。
上記各実施形態では、ブロワ印加電圧VfをLoからHiへ段階的に上昇させるようにしたが、必ずしも段階制御でなくてもよい。暖房感およびドラフト感とのチューニングによりブロワ印加電圧Vfは適宜設定変更することができる。
同様に、車室内温度TRが安定した後(t≧t4)、Hiから段階的にLoへ下降させる安定時段階制御においても、必ずしも段階制御でなくてもよい。
さらに、上記実施形態における段階制御(安定時段階制御を含む。)はLo、Mi、Hiの3段階としたが、2段階もしくはさらに細分化して4段階以上の複数段階制御としても良い。
1 車両用空調装置
15 送風機
17 ヒータコア(加熱用熱交換器)
23 フット吹出口
26 エアコンECU(吹出態様モード制御手段、ブロワ印加電圧制御手段)
27 水温センサ(水温検出手段)
30 吹出態様モード切替機構
31 ルーバー(回動部材)
A 第1所定温度
B 第2所定温度
Tw 冷却水温度
Vf ブロワ印加電圧
15 送風機
17 ヒータコア(加熱用熱交換器)
23 フット吹出口
26 エアコンECU(吹出態様モード制御手段、ブロワ印加電圧制御手段)
27 水温センサ(水温検出手段)
30 吹出態様モード切替機構
31 ルーバー(回動部材)
A 第1所定温度
B 第2所定温度
Tw 冷却水温度
Vf ブロワ印加電圧
Claims (5)
- エンジン冷却水を熱源とし、流路を通過する空気を加熱する加熱用熱交換器(17)と、
当該加熱用熱交換器(17)側に送風する送風機(15)と、
前記加熱用熱交換器(17)を通過した空調空気を主に乗員の足元へ吹き出すフット吹出口(23)と、
当該フット吹出口(23)から吹き出す空調空気を集中して吹き出す集中モードと、前記フット吹出口から吹き出す空調空気を拡散状態で吹き出す拡散モードとを切り替え可能な吹出態様モード切替機構(30)と、
前記エンジン冷却水の水温である冷却水温度(Tw)を検出する水温検出手段(27)と
を備えた車両用空調装置において、
前記水温検出手段(27)から検出される前記冷却水温度(Tw)が、温風を送風可能な第1所定温度(A)に達した際に、前記送風機(15)の印加電圧(Vf)を立ち上げるブロワ印加電圧制御手段(26)と、
前記冷却水温度(Tw)が、前記第1所定温度(A)より高温に設定された第2所定温度(B)より低い場合には吹出態様モードを前記集中モードに設定するとともに、前記冷却水温度(Tw)が第2所定温度(B)以上となった後には前記集中モードから前記拡散モードに切り替えて制御する吹出態様モード制御手段(26)と
を備えることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記ブロワ印加電圧制御手段(26)は、前記冷却水温度(Tw)が前記第2所定温度(B)に達した際に前記印加電圧(Vf)のレベルが最大となるように、前記印加電圧(Vf)を立ち上げ時から徐々に上昇させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記吹出態様モード制御手段(26)は、前記冷却水温度(Tw)が前記第2所定温度(B)となった際に前記集中モードから前記拡散モードに切り替えて制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
- 前記吹出態様モード制御手段(26)は、前記冷却水温度(Tw)が上昇して安定した状態である定常状態となった場合に前記集中モードから前記拡散モードに切り替えて制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
- 前記吹出態様モード切替機構(30)は、複数の回動部材(31)を有し、当該回動部材(31)を所定角度に回動動作させることで前記集中モードと前記拡散モードとを切り替えることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の車両用空調装置。
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2007
- 2007-06-01 JP JP2007147314A patent/JP2008296837A/ja active Pending
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