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JP2008292704A - 液晶表示装置 - Google Patents

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JP2008292704A JP2007137160A JP2007137160A JP2008292704A JP 2008292704 A JP2008292704 A JP 2008292704A JP 2007137160 A JP2007137160 A JP 2007137160A JP 2007137160 A JP2007137160 A JP 2007137160A JP 2008292704 A JP2008292704 A JP 2008292704A
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Atsushi Nakada
淳 中田
Asahi Yamato
朝日 大和
Kiyoshi Nakagawa
清志 中川
Kazuki Takahashi
和樹 高橋
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Abstract

【課題】オーバーシュート駆動におけるLUTのメモリを削減した液晶表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の液晶表示装置は、予め定めた複数の第2階調毎に、オーバーシュート階調を第1階調の三次関数にて表した場合の三次関数の係数を対応付けて格納したLUT4と、LUT4に係数を格納した三次関数のうち、現フレームの1フレーム前の第2階調によって係数を定めた三次関数を用いて、現フレームの第1階調からオーバーシュート階調を出力階調として求める第1の演算部3と、を有し、予め定めた複数の第2階調の各第2階調によって定まる各三次関数にて規定される第1階調とオーバーシュート階調との各関係は、これらの各関係を規定する第2階調および第1階調を用いてモジュール5に適したオーバーシュート階調を決めた場合の第1階調とオーバーシュート階調との各関係と近似している。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示モジュールを備えた液晶表示装置に関し、特に、オーバーシュート駆動を行なう液晶表示装置表示装置に関するものである。
近年、フラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display;FPD)の進歩は目覚しく、ブラウン管モニタが様々なFPDに置換えられつつある。特に、FPDの先駆け的な存在である液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)は、技術進歩が目覚しく、日常生活の様々な場面で利用されるようになり、その発展には、より一層の期待が高まっている。
しかしながら、LCDには、未だ大きな弱点がいくつか残されている。その代表的なものの1つは、動画表示が苦手であると言うことである。つまり、CRTと比較して応答速度が遅く、動画表示における残像や画像ブレが課題とされている。液晶の応答速度というと、白黒のスイッチング速度で考えることが多いが、前記のようなブラウン管モニタの置換えに伴い、中間調−中間調でのスイッチングが大きな割合を占めており、この状態での液晶の応答速度を考慮しなければならない。しかも、一般的には、応答速度は白黒スイッチングよりも中間調−中間調でのスイッチングの方が遅く、問題となっている。特に、VA(垂直配向)モードにおける液晶表示装置では中間階調からの応答が遅い。
このため、応答速度の高速化は、テレビをブラウン管からLCDに置換える際に避けて通れない問題であり、あらゆる階調間での液晶の応答を、いかにして高速化するかということが大きな課題となっている。上記課題の解決手段の1つとして提唱されているのが、オーバーシュート(Overshoot)駆動である。この駆動方法の例を図17に示す。液晶が、あるフレームの階調レベル(階調)Aから次のフレームの階調Bにスイッチングする時、一般に、階調Aと階調Bとの階調レベルの差が大きければ、大きいほど、液晶は高速スイッチングをする。
したがって、図17のようにA<Bのライズ応答であれば、B<Cとなる階調レベルのオーバーシュート階調Cを一瞬入力した後に、目標とする階調レベルBを入力することによって、通常のAからBへのスイッチング速度よりもより高速に液晶をスイッチングさせることが可能になる。また、A>Bのディケイ応答であれば、B>Cとなる階調レベルのオーバーシュート階調Cを入力した後に、目標とする階調レベルBを入力することによって、通常のAからBへのスイッチング速度よりもより高速に液晶をスイッチングさせることが可能になる。
実際には、フル階調スイッチング(たとえば、0階調から255階調へのスイッチング)時に、液晶は最も高速にスイッチングするので、オーバーシュート駆動による液晶の応答速度は、理論上、あらゆる階調間のスイッチングにおいて、フル階調スイッチングの応答速度まで高速化が可能になる。したがって、フル階調スイッチングが充分に高速応答をする液晶表示モードにおいて、オーバーシュート駆動を用いることによって、あらゆる階調間のスイッチングにおいて充分な高速応答が可能なLCDを得ることが可能である。
そして、オーバーシュート駆動において、重要になる要素の一つとして、上記の階調Cをいかにして決めるのかという点がある。
この階調Cを決定には、ルックアップテーブルを有するLUT−ROM(Lookup Table-Read Only Memory)が用いられている。つまり、あるフレームの階調Aと次のフレームの階調Bとを、ルックアップテーブルを参照することにより比較して、階調Cを決定できる。
なお、特許文献1には、8bitの入力データの上位4bitおよび8bitの前フレームデータの上位4bitをルックアップテーブルに入力し、このルックアップテーブルの出力に入力データの下位4bitを付加するという構成が開示されている。この構成によれば、ルックアップテーブルのメモリ容量を削減しつつ、出力データの段差を極力小さくできる。
また、近年、モバイル機器での動画再生が増える傾向にあり、それに伴って小規模な回路でオーバーシュート駆動を実現することが要求されている。
また、特許文献2・5には、温度等の付加条件を考慮して出力階調を決定する技術について開示されている。特許文献3には、現フレームと1フレーム前の階調とを比較し、この比較結果に基づき出力階調を決定する技術について開示されている。特許文献4には、符号化・復号化によりデータを圧縮する技術について開示されている。
特開2006−126256号公報(平成18年5月18日 公開) 特開2004−4629号公報(平成16年1月8日 公開) 特開2005−326633号公報(平成17年11月24日 公開) 特開2006−47993号公報(平成18年2月16日 公開) 特開2006−195231号公報(平成18年7月27日 公開)
しかしながら、上記の特許文献1のように、8bitデータのうち4bitデータを用いた場合、残りの4bitを考慮していないため、出力階調を求める精度が落ちる(つまり、入力階調に対して滑らかな出力階調を得ることができない)という課題と、LUTに格納するメモリが未だ大きくコストがかかるという課題があった。さらに、特許文献2〜5についても同様に、LUTのメモリが大きいという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、オーバーシュート駆動を行なう場合に、出力階調を求める精度を落とすことなく、ルックアップテーブルのメモリを削減するか、または、ルックアップテーブルを無くしてしまい、コストダウンを図った、液晶表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の液晶表示装置は、オーバーシュート駆動を行って処理した画像を表示する表示モジュールを有し、画像をフレーム分割した際に、現フレームの第1階調と、現フレームの1フレーム前の第2階調とから、表示モジュールに出力するオーバーシュート階調を出力階調として求める液晶表示装置であって、予め定めた複数の第2階調毎に、オーバーシュート階調を第1階調の三次関数にて表した場合の三次関数の係数を対応付けて格納した第1ルックアップテーブルと、第1ルックアップテーブルに係数を格納した三次関数のうち、現フレームの1フレーム前の第2階調によって係数を定めた三次関数を用いて、現フレームの第1階調からオーバーシュート階調を出力階調として求める第1演算部と、を有し、予め定めた複数の第2階調の各第2階調によって定まる各三次関数にて規定される第1階調とオーバーシュート階調との各関係は、これらの各関係を規定する各第2階調および第1階調を用いて表示モジュールに適したオーバーシュート階調を決めた場合の第1階調とオーバーシュート階調との各関係と近似することを特徴としている。
一般に、オーバーシュート駆動を行なうために、現フレームの階調と現フレームの1フレーム前の階調とから、最適な出力階調を定めたルックアップテーブルを用いた場合に、1フレーム前の階調毎に、現フレームの階調と出力階調との関係をグラフに表すと、最大で2つの変曲点を持つ曲線となる。
この点に着目し、上記構成では、予め定めた複数の第2階調(現フレームの1フレーム前の階調に相当)毎に、オーバーシュート階調(出力階調に相当)を第1階調(現フレームの階調に相当)の三次関数にて表し、この三次関数の係数を第2階調毎にルックアップテーブルに格納し、この三次関数を用いて第1階調および第2階調から、出力階調としてのオーバーシュート階調を求める第1演算部を備えている。
さらに、本発明では、予め定めた複数の第2階調の各第2階調によって定まる各三次関数にて規定される第1階調とオーバーシュート階調との各関係が、これらの各関係を規定する各第2階調および第1階調とに応じて表示モジュールに適したオーバーシュート階調を決めた場合の第1階調およびオーバーシュート階調の各関係と近似するようになっている。なお、第2階調および第1階調とに応じて表示モジュールに適したオーバーシュート階調の求め方は、従来の種々のやり方にて求めることができる。
従って、従来のように多数の第1階調および第2階調に応じたオーバーシュート階調をルックアップテーブルに格納しておく必要がなく、ルックアップテーブルには予め定めたいつくかの第2階調毎に三次関数の係数を格納するだけでよく、これらの三次関数のうち、第2階調によって決まる三次関数を用いて第1階調に応じた出力階調としてのオーバーシュート階調を求めることができると共に第1階調とオーバーシュート階調との関係に近似するように三次関数を決定しているので、出力階調の精度を落とすことなく、ルックアップテーブルに格納するメモリ量を大幅に削減することができ、コストダウンを図ることができる。
本発明の液晶表示装置では、現フレームの1フレーム前の第2階調が、予め定めた複数の第2階調のいずれでもない場合、予め定めた複数の第2階調のいずれかに対応した係数を用いて線形補間により、現フレームの1フレーム前の第2階調に応じた三次関数の係数を求める第1線形補間部を有することが好ましい。
上記構成によれば、現フレームの1フレーム前の第2階調が予めルックアップテーブルに格納したものでない場合であっても、予め格納しておいた第2階調のいずれかに対応した係数を線形補間することにより、現フレームの1フレーム前の第2階調に応じた係数を求める第1線形補間部を有している。従って、第2階調が予めルックアップテーブルに格納したものでない場合であっても、現フレームの第1階調から出力階調としてのオーバーシュート階調を求めることができる。
本発明の液晶表示装置では、現フレームの1フレーム前の第2階調が、予め定めた複数の第2階調のいずれでもない場合、予め定めた複数の第2階調のいずれかに対応した係数を用いて第1演算部が求めたオーバーシュート階調を用いて線形補間により、出力階調としてのオーバーシュート階調を求める第2線形補間部を有することが好ましい。
上記構成によれば、現フレームの1フレーム前の第2階調が予めルックアップテーブルに格納したものでない場合であっても、ルックアップテーブルに格納した第2階調のいずれかに対応した係数を用いて第1演算部が求めたオーバーシュート階調を線形補間して出力階調としてのオーバーシュート階調を求める第2線形補間部を有している。従って、第2階調が予めルックアップテーブルに格納したものでない場合であっても、現フレームの第1階調から出力階調としてのオーバーシュート階調を求めることができる。
上記課題を解決するために、本発明の液晶表示装置は、オーバーシュート駆動を行って処理した画像を表示する表示モジュールを有し、画像をフレーム分割した際に、現フレームの第1階調と、現フレームの1フレーム前の第2階調とから、表示モジュールに出力するオーバーシュート階調を出力階調として求める液晶表示装置であって、予め定めた複数の第2階調毎に、第1階調が、最小階調となる場合に表示モジュールに適したオーバーシュート階調、最大階調となる場合に表示モジュールに適したオーバーシュート階調、最小階調と最大階調との中間階調よりも小さい所定の階調aとなる場合に表示モジュールに適したオーバーシュート階調、および最小階調と最大階調との中間階調よりも大きい所定の階調bとなる場合に表示モジュールに適したオーバーシュート階調の4つのオーバーシュート階調を各第1階調と対応付けて格納した第2ルックアップテーブルを有することを特徴としている。
一般に、オーバーシュート駆動を行なうために、現フレームの階調と現フレームの1フレーム前の階調とから、最適な出力階調を定めたルックアップテーブルを用いた場合に、1フレーム前の階調毎に、現フレームの階調および出力階調の関係をグラフに表すと、最大で2つの変曲点を持つ曲線となる。また、現フレームの階調と現フレームの1フレーム前の階調とが等しくなるときに、変曲点となる。
この点に着目し、上記構成では、予め定めた第2階調毎に、第1階調が、最小階調となる場合に表示モジュールに適したオーバーシュート階調、最大階調となる場合に表示モジュールに適したオーバーシュート階調、最小階調と最大階調との中間階調よりも小さい所定の階調aとなる場合に表示モジュールに適したオーバーシュート階調、および最小階調と最大階調との中間階調よりも大きい所定の階調bとなる場合における表示モジュールに適したオーバーシュート階調の4つのオーバーシュート階調を各第1階調と対応付けて格納した第2ルックアップテーブルを有している。
第1階調が、最小階調と最大階調との中間階調(例えば、256階調であれば、128階調)になる場合が各1フレーム前の階調の変曲点のおよそ平均となる。上記構成によれば、第1階調がこの変曲点の平均(中間階調)より小さい階調aおよび大きい階調bのそれぞれとなる場合における適切なオーバーシュート階調の値を第2ルックアップテーブルに格納している。なお、第1階調が中間階調よりも大きい箇所、小さい箇所のそれぞれにおいて第1階調−オーバーシュート階調のグラフの上に凸、下に凸が少なくとも一回入れ替わることを利用している。
従って、これらのオーバーシュート階調から、第1階調-オーバーシュート階調との関係を一次関数に近似することができる。そのため、従来のように第1階調と第2階調とに応じたオーバーシュート階調をルックアップテーブルに格納する必要がなく、ルックアップテーブルには予め定めたいつくかの第2階調毎に、所定の第1階調に対応するオーバーシュート階調を格納しているだけであるので、ルックアップテーブルに格納するメモリ量を大幅に削減することができる。また、中間階調よりも大きい所定の階調aと中間階調よりも小さい階調bに適したオーバーシュート階調を求めているので、その精度の低下も防止することができる。
また、本発明の液晶表示装置では、階調aが、第2階調と最小階調との中間階調であると共に、階調bが第2階調と最大階調との中間階調となっていることが好ましい。
上記構成によれば、階調aが第2階調と最小階調との中間階調であると共に、階調bが第2階調と最大階調との中間階調となっている。つまり、第1階調が、第2階調と最小階調との中間階調となる場合と、第2階調と最大階調との中間階調となる場合の2つの場合における適切なオーバーシュート階調を求めている。
第1階調が第2階調と等しくなる場合、つまり、現フレームと1フレーム前の階調が等しくなる場合には、第1階調−オーバーシュート階調のグラフにおいて変曲点となる。上記構成によれば、変曲点と最小階調および最大階調との中間における第1階調に対するオーバーシュート階調の値を求めている。変曲点と最小階調および最大階調との中間付近においては、第1階調−オーバーシュート階調の関係を表すグラフにおける上に凸、下に凸の切り替わりが存在する可能性が高い。従って、この部分における第1階調に対するオーバーシュート階調を求めておくことにより、線形補間を用いて、全ての第1階調に対するオーバーシュート階調を求めることができる。従って、従来のように第1階調と第2階調とに応じたオーバーシュート階調をルックアップテーブルに格納する必要がなく、第2ルックアップテーブルには予め定めたいつくかの第2階調毎に、第1階調とオーバーシュート階調との関係を求めるだけでよく、ルックアップテーブルに格納するメモリ量を大幅に削減することができる。
本発明の液晶表示装置では、現フレームの1フレーム前の第2階調が、予め定めた複数の第2階調のいずれでもない場合で、かつ、現フレームの第1階調が、最小階調、最大階調、階調a、または階調bのいずれかと等しい場合、予め定めた複数の第2階調のいずれかに対応したオーバーシュート階調を線形補間して出力階調としてのオーバーシュート階調を求める第3線形補間部を有することが好ましい。
上記構成によれば、現フレームの1フレーム前の第2階調が予め第2ルックアップテーブルに格納したものでない場合であっても、予め格納しておいた第2階調のいずれかに対応したオーバーシュート階調を線形補間することにより、現フレームの1フレーム前の第2階調に応じたオーバーシュート階調を求める第3線形補間部を有している。従って、第2階調が予め第2ルックアップテーブルに格納したものでない場合であっても、現フレームの第1の階調から出力階調としてのオーバーシュート階調を求めることができる。
本発明の液晶表示装置では、現フレームの1フレーム前の第2階調が、予め定めた複数の第2階調のいずれかに等しい場合で、かつ、現フレームの第1階調が現フレームの第1階調が、最小階調、最大階調、階調a、または階調bのいずれとも等しくない場合、最小階調、最大階調、階調a、または階調bとなる第1階調のいずれかに対応したオーバーシュート階調を線形補間して出力階調としてのオーバーシュート階調を求める第4線形補間部を有することが好ましい。
上記構成によれば、現フレームの第1階調が最小階調、最大階調、第2階調と最小階調との中間の階調、または第2階調と最大階調との中間の階調のいずれとも等しくない場合であっても、予め格納しておいた第2階調のいずれかに対応したオーバーシュート階調を求める第4線形補間部を有している。従って、第1階調が予めルックアップテーブルに格納した現フレームの第1階調が最小階調、最大階調、第2階調と最小階調との中間の階調a、または第2階調と最大階調との中間の階調bでない場合であっても、現フレームの第1の階調から出力階調としてのオーバーシュート階調を求めることができる。
本発明の液晶表示装置では、現フレームの1フレーム前の第2階調が、予め定めた複数の第2階調のいずれでもない場合で、かつ、現フレームの第1階調が、最小階調、最大階調、階調a、または階調bのいずれとも等しくない場合、第2ルックアップテーブルに格納したいずれかの第2階調に対応したオーバーシュート階調から、現フレームの第1階調が、最小階調、最大階調、階調a、および階調bとなる場合に対応するオーバーシュート階調を求める第3線形補間部と、第1線形補間部にて求めたオーバーシュート階調を線形補間して出力階調としてのオーバーシュート階調を求める第4線形補間部を有することが好ましい。
上記構成によれば、現フレームの1フレーム前の第2階調が予め第2ルックアップテーブルに格納したものでない場合で、かつ、現フレームの第1階調が現フレームの第1階調が、最小階調、最大階調、第2階調と最小階調との中間の階調a、または第2階調と最大階調との中間の階調bのいずれとも等しくない場合であっても、第2ルックアップテーブルに格納したいずれかの第2階調に対応したオーバーシュート階調から、現フレームの第1階調が、最小階調、最大階調、第2階調と最小階調との中間の階調a、および第2階調と最大階調との中間の階調bとなる場合に対応するオーバーシュート階調を求める第3線形補間部と、第3線形補間部にて求めたオーバーシュート階調を線形補間して出力階調としてのオーバーシュート階調を求める第4線形補間部とを有している。従って、現フレームの第1の階調から出力階調としてのオーバーシュート階調を求めることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の液晶表示装置は、オーバーシュート駆動を行って処理した画像を表示する表示モジュールを有し、画像をフレーム分割した際に、現フレームの第1階調と、現フレームの1フレーム前の第2階調とから、表示モジュールに出力するオーバーシュート階調を出力階調として求める液晶表示装置であって、
現フレームの第1階調と現フレームの1フレーム前の第2階調との大小を比較する比較部と、
現フレームの第1階調が現フレームの1フレーム前の第2階調よりも大きいときに、第2階調に応じて定数が変化する所定の二次関数であって、第1階調の二次関数を用いて現フレームの第1階調からオーバーシュート階調を出力階調として求める第2演算部と、現フレームの第1階調が現フレームの1フレーム前の第2階調よりも小さいときに、第2階調に応じて定数が変化するが、上記二次関数とは異なる所定の二次関数であって、第1階調の二次関数を用いて現フレームの第1階調からオーバーシュート階調を出力階調として求める第3演算部と、を有し、任意の第2階調を用いて表示モジュールに適したオーバーシュート階調を決めた場合の第1階調およびオーバーシュート階調の関係と、この関係を規定する第2階調にて定数が定まる2つの二次関数にて規定される第1階調およびオーバーシュート階調の関係とが互いに近似することを特徴としている。
一般に、オーバーシュート駆動を行なうために、現フレームの階調と現フレームの1フレーム前の階調とから、最適な出力階調を定めたルックアップテーブルを用いた場合に、1フレーム前の階調毎に、現フレームの階調および出力階調の関係をグラフに表すと、最大で2つの変曲点を持つ曲線となる。また、2つの二次関数を組み合わせることにより、変曲点を持つ、曲線に近似させることができる。さらに、現フレームの階調と現フレームの1フレーム前の階調とが等しくなるときに、変曲点となる。
この点に着目し、上記構成では、現フレームの第1階調と現フレームの1フレーム前の第2階調との大小を比較する比較部と、現フレームの第1階調が現フレームの1フレーム前の第2階調よりも大きいときに、第2階調に応じて定数が変化する所定の二次関数であって、第1階調の二次関数を用いて現フレームの第1階調および現フレームの1フレーム前の第2階調からオーバーシュート階調を出力階調として求める第2演算部と、現フレームの第1階調が現フレームの1フレーム前の第2階調よりも小さいときに、第2階調に応じて定数が変化するが、上記二次関数とは異なる所定の二次関数であって、第1階調の二次関数を用いて現フレームの第1階調および現フレームの1フレーム前の第2階調からオーバーシュート階調を出力階調として求める第3演算部と、を有し、任意の第2階調を用いて表示モジュールに適したオーバーシュート階調を決めた場合の第1階調およびオーバーシュート階調の関係と、この関係を規定する第2階調にて定数が定まる2つの二次関数にて規定される第1階調およびオーバーシュート階調の関係とが互いに近似するようになっている。
つまり、変曲点を境にして2つの二次関数にて第1階調とオーバーシュート階調との関係を表すことにより、これら2つの関係を用いて演算する第2演算部および第3演算部を設けることにより、ルックアップテーブルが不要となり、メモリを大幅に削減し、コストダウンを図ることができる。さらに、任意の第2階調を用いて表示モジュールに適したオーバーシュート階調を決めた場合の第1階調およびオーバーシュート階調の関係と、この関係を規定する第2階調にて定数が定まる2つの二次関数にて規定される第1階調およびオーバーシュート階調の関係とが互いに近似するようにしているので、その精度を落とすことなく、出力階調を求めることができる。
また、本発明の液晶表示装置では、上記第2演算部の演算に用いる二次関数の係数、および上記第3演算部の演算に用いる二次関数の係数の少なくともいずれか一方を格納した第3ルックアップテーブルを備えていることが好ましい。
上記構成によれば、第3のルックアップテーブルには、第2演算部の演算に用いる二次関数の係数および上記第3演算部の演算に用いる二次関数の係数の少なくともいずれか一方が格納されている。
これにより、第3のルックアップテーブルに格納しておく係数を適宜調整することにより、近似の精度をより高めることができる。
以上のように、本発明の液晶表示装置は、オーバーシュート駆動を行って処理した画像を表示する表示モジュールを有し、画像をフレーム分割した際に、現フレームの第1階調と、現フレームの1フレーム前の第2階調とから、表示モジュールに出力するオーバーシュート階調を出力階調として求める液晶表示装置であって、予め定めた複数の第2階調毎に、オーバーシュート階調を第1階調の三次関数にて表した場合の三次関数の係数を対応付けて格納した第1ルックアップテーブルと、第1ルックアップテーブルに係数を格納した三次関数のうち、現フレームの1フレーム前の第2階調によって係数を定めた三次関数を用いて、現フレームの第1階調からオーバーシュート階調を出力階調として求める第1演算部と、を有し、予め定めた複数の第2階調の各第2階調によって定まる各三次関数にて規定される第1階調とオーバーシュート階調との各関係は、これらの各関係を規定する各第2階調および第1階調を用いて表示モジュールに適したオーバーシュート階調を決めた場合の第1階調とオーバーシュート階調との各関係と近似している。
また、本発明の液晶表示装置は、オーバーシュート駆動を行って処理した画像を表示する表示モジュールを有し、画像をフレーム分割した際に、現フレームの第1階調と、現フレームの1フレーム前の第2階調とから、表示モジュールに出力するオーバーシュート階調を出力階調として求める液晶表示装置であって、予め定めた複数の第2階調毎に、第1階調が、最小階調となる場合に表示モジュールに適したオーバーシュート階調、最大階調となる場合に表示モジュールに適したオーバーシュート階調、最小階調と最大階調との中間階調よりも小さい所定の階調aとなる場合に表示モジュールに適したオーバーシュート階調、および最小階調と最大階調との中間階調よりも大きい所定の階調bとなる場合に表示モジュールに適したオーバーシュート階調の4つのオーバーシュート階調を各第1階調と対応付けて格納した第2ルックアップテーブルを有している。
また、本発明の液晶表示装置は、オーバーシュート駆動を行って処理した画像を表示する表示モジュールを有し、画像をフレーム分割した際に、現フレームの第1階調と、現フレームの1フレーム前の第2階調とから、表示モジュールに出力するオーバーシュート階調を出力階調として求める液晶表示装置であって、
現フレームの第1階調と現フレームの1フレーム前の第2階調との大小を比較する比較部と、
現フレームの第1階調が現フレームの1フレーム前の第2階調よりも大きいときに、第2階調に応じて定数が変化する所定の二次関数であって、第1階調の二次関数を用いて現フレームの第1階調からオーバーシュート階調を出力階調として求める第2演算部と、
現フレームの第1階調が現フレームの1フレーム前の第2階調よりも小さいときに、上記二次関数とは異なり、第2階調に応じて定数が変化する所定の二次関数であって、第1階調の二次関数を用いて現フレームの第1階調からオーバーシュート階調を出力階調として求める第3演算部と、を有し、任意の第2階調を用いて表示モジュールに適したオーバーシュート階調を決めた場合の第1階調およびオーバーシュート階調の関係と、この関係を規定する第2階調にて定数が定まる2つの二次関数にて規定される第1階調およびオーバーシュート階調の関係とが互いに近似している。
従って、オーバーシュート駆動を行なう場合に、出力階調を求める精度を落とすことなく、ルックアップテーブルのメモリを削減するか、または、ルックアップテーブルを無くしてしまい、コストダウンを図った、液晶表示装置を提供することができる。
本発明は、オーバーシュート駆動を行なうための出力階調yを、現フレームの階調(到達階調)xと、1フレーム前の階調kとから決定する際に、所定の演算により求めることにより、オーバーシュート駆動用のルックアップテーブルのメモリ量を大幅に削減するか、または、ルックアップテーブル自体を無くしてしまうことによりコストダウンを図ることを可能としている。
〔実施の形態1〕
本実施の形態では、オーバーシュート駆動における、現フレームの階調(到達階調;特許請求の範囲に記載の「第1階調」に対応)xと出力階調(特許請求の範囲に記載の「オーバーシュート階調」に対応)yとの関係を示すグラフを三次関数で近似する場合について説明する。
なお、このように三次関数にて近似できるのは、VAモードの液晶モジュールにおいて、ノーマリーブラック方式では、低階調から低階調への応答が遅く、低階調から高階調への応答は速く、ノーマリーホワイト方式では、その逆となり、階調間によって応答速度が大きくなるという理由による。IPSモードでも階調間の応答速度の差が存在するが、特にVAモードによって顕著に見られる。また、この応答速度の差がどの程度であるかは液晶表示装置の機種によって異なり、理論的に算出することは困難であるため、以下に示すように実測データに基づいて三次関数のパラメータ(係数)を決定する。
〔液晶表示装置の構成について〕
本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施の形態の液晶表示装置を示すブロック図である。
この液晶表示装置は、いわゆるオーバーシュート(Overshoot)駆動を行なう装置である。ここで、「オーバーシュート駆動」とは、短時間に過大な信号電圧を液晶セルに印加する駆動方式であり、このオーバーシュート駆動により、液晶物質の分子配列の変化を加速して、動画の表現性を向上させることができる。
液晶表示装置は、図1に示すように、外部信号源(信号源)1、フレームメモリ2、第1の演算部(特許請求の範囲に記載の「第1演算部」に対応)3、ルックアップテーブル(LUT;特許請求の範囲に記載の「第1ルックアップテーブル」に対応)4、およびモジュール(特許請求の範囲に記載の「表示モジュール」に対応)5を備えている。
信号源1は、到達階調(現フレームの階調)xをフレームメモリ2、および、第1の演算部3、より詳細には、第1の演算部3の第1の出力階調演算部7(後述)へ送る。
フレームメモリ2は、1フレーム分の階調データを記憶することができる、FIFO(First-in First-out)方式のメモリである。したがって、フレームメモリ2はデータの入出力の同時処理を行なうことができるようになっている。このフレームメモリ2により、1フレーム分遅れた階調(1フレーム前の階調;特許請求の範囲に記載の「第2階調」に対応)kを生成することができる。フレームメモリ2は、1フレーム前の階調kを第1の演算部3、より詳細には、第1の演算部3の第1の線形補間部6(後述)および第1の出力演算部7へ送る。
モジュール5は、スイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)を備えたアクティブマトリクス型の液晶パネル(パネル)と、この液晶パネルを駆動するドライバ(ソースドライバ、ゲートドライバ;不図示)と、を備えている。液晶パネルは、画面縦方向に互いに平行に配置された複数のソースバスライン(不図示)と、画面横方向に互いに平行に配置された複数の走査ライン(不図示)とを有している。そして、液晶パネルの外側においてソースバスラインはソースドライバに接続されている一方、走査ラインはゲートドライバに接続されている。また、ソースバスラインと走査ラインとは互いに直交しており、その交点に対応して画素(不図示)が形成されている。これらの画素には、TFT(Thin Film Transistor;不図示)および液晶セル(不図示)が配置されている。この液晶パネルに画像を表示するには、ゲートドライバで各走査ラインに接続されたTFTを走査ライン毎に順次ONさせつつ、ソースドライバで各走査ラインに対応した階調データ(画像データ)に応じた階調電圧を各走査ラインに対応する画素に書き込んでいく。
次に、本発明の最重要部分である。LUT4および第1の演算部3について説明する。
〔LUT4について〕
LUT4について説明する。より具体的には、予めLUT4に格納されているデータについて説明する。
1フレーム前の階調kが、0、32、64、96、128、160、192、224、255のそれぞれの場合であるとき、到達階調xと出力階調yとの理想的な関係は、図2のようになる。つまり、図2は、本発明において近似の対象となっている到達階調x−出力階調yの関係を示すグラフであり、実験値(実測値)である。
本発明者らは、図2に示す三次関数(到達階調xと出力階調yとの関係を示す三次関数)を予め定めた複数の1フレーム前の階調k(0,32,64,96,128,160,192,224,255)毎に求める手法を見出した。
ところで、全ての3次関数は、次の一般式で表すことができる。
Y=a×X3+b×X2+c×X+d…(式1)
なお、説明の便宜上、Y=y/255(y;出力階調)、X=x/255(x;到達階調)と正規化する。また、a、b、c、dは、1フレーム前の階調kに依存して変化する可変パラメータである。各1フレーム前の階調kに対応する、a、b、c、dが決まれば、上記の(式1)に基づき、到達階調xから、出力階調yを求めることができる。
図2から、次の(A)〜(C)が成り立つ。
(A)1フレーム前の階調kの値によらず、各1フレーム前の階調kに対応したx−y曲線は、(0,0)と(1,1)とを通過する。
(B)1フレーム前の階調kと到達階調xが同じ階調の場合、出力階調yは、到達階調xと等しくなる。
(C)上記の(B)が成り立つのは、x−y曲線を三次関数に近似した場合の変曲点である。
(A)から、(式1)は、d=0、c=1−a−bとなる。よって、(式1)は、次の(式2)のように書き換えられる。
Y=a×X3+bX2+(1−a−b)×X…(式2)
さらに、(C)から、三次関数は、変曲点において二次微分(二階導関数)が0となる。また、変曲点において、(B)の条件を満たす、つまり、1フレーム前の階調kと到達階調xとが同じ階調となるため、下記の(式3)が0となる場合、x=kが成り立つ(1フレーム前の階調kと到達階調xが等しくなる)。
d2Y/dX2=3a×X+2b…(式3)
従って、K=k/255(k;1フレーム前の階調)とすると、(式2)は、さらに、次の(式4)のように書き換えることができる。
Y=a×X3−(3a/2)×X2+(1−a+(3a/2)K)×X…(式4)
なお、可変パラメータaは、1フレーム前の階調kの値に応じて決定される。従って、(式4)の可変パラメータaは、a(K)と書くこともできる。
また、全ての1フレーム前の階調kに対応する可変パラメータaの値を求めること、つまりa(K)を求めることが理想であるが、実際には、これを求めることは非常に難しい。そこで、本実施の形態では、(式4)におけるaの値を次のように離散的な1フレーム前の階調kに対して求める。すなわち、1フレーム前の階調kを、0として、(式4)にて描かれる三次関数のグラフと、上記の図2における1フレーム前の階調kが0に対応したx−y曲線とがより近似する、a(K)の値を決定する。ここで求めたaの値を、例えば、k0とする。
次に、kを、32とし、(式4)にて描かれる三次関数のグラフと、上記の図2における1フレーム前の階調kが32に対応したグラフとがより近似する、可変パラメータaの値を決定する。こうして求めたaの値を、例えば、k32とする。以下、同様にして、k64、k96、k128、k160、k192、k224、k255を求める。
このようにして求めた、k0〜k255が上記の(式4)の可変パラメータaとして、LUT4に格納されている。なお、可変パラメータaは、モジュール5に固有の値である。
〔第1の演算部3について〕
第1の演算部3は、図1に示すように、第1の線形補間部(特許請求の範囲に記載の「第1線形補間部」に対応)6と、第1の出力階調演算部7とを備えている。
第1の線形補間部6は、フレームメモリ2から受け取った、1フレーム前の階調kに基づき、LUT4に格納された値(k0〜k255)から、上記の可変パラメータaの値を選択するか、または、線形補間により求める。
第1の線形補間部6は、フレームメモリ2から1フレーム前の階調kを受け取り、この階調kが0、32、64、96、128、160、192、224、または255のいずれかであるかどうかを判定する。1フレーム前の階調kが、0、32、64、96、128、160、192、224、または255のいずれかである場合、第1の線形補間部6は、それぞれに対応する可変パラメータaの値を選択してLUT4から受け取り、第1の出力階調演算部7へ送る。
一方、1フレーム前の階調kが、0、32、64、96、128、160、192、224、および255のいずれでもない場合には、第1の線形補間部6は、次のようにして、可変パラメータaの値を決定する。すなわち、第1の線形補間部6は、例えば、1フレーム前の階調kが16の場合、(k0+k32)/2を計算し、この値を可変パラメータaとして、後段の第1の出力階調演算部7へ送る。つまり、第1の線形補間部6は、(式4)における可変パラメータaの値を、線形補間により求める。さらに、換言すれば、第1の線形補間部6は、1フレーム前の階調kが0、32、64、96、128、160、192、224、および255のいずれでもない場合には、0、32、64、96、128、160、192、224、および255のうち、任意の2つの階調に対応するLUT4に格納された可変パラメータaをLUT4から受け取り、線形補間により可変パラメータaの値を求める。
第1の出力階調演算部7は、信号源1から到達階調xを受け取るとともに、第1の線形補間部6から可変パラメータaの値を受け取るとともに、フレームメモリ2から1フレーム前の階調kを受け取り、これらの値から上記の(式4)に基づき、出力階調yを求め、モジュール5へ送る。なお、第1の出力階調演算部7は、到達階調xおよび1フレーム前の階調kを第1の線形補間部6を介して受け取ってもよい。
〔液晶表示装置の動作について〕
まず、信号源1が、到達階調xをフレームメモリ2、および、第1の演算部3へ送る。より詳細には、第1の演算部3の第1の出力階調演算部7へ送る。到達階調xを受け取ったフレームメモリ2は、1フレーム前の階調kを第1の演算部3の第1の線形補間部6、および、第1の出力階調演算部7へ送る。
1フレーム前の階調kを受け取った第1の線形補間部6は、この階調に対応した上記の可変パラメータaの値がLUT4に格納されているかどうかを判断する、つまり、第1の第1の線形補間部6は、1フレーム前の階調kが、0、32、64、96、128、160、192、224、または255のいずれかであるかどうかを判断する。
1フレーム前の階調kが、0、32、64、96、128、160、192、224、または255のいずれかである場合、第1の線形補間部6は、これらの階調kに対応する可変パラメータaの値をLUT4から受け取り、第1の出力階調演算部7へ送る。
一方、1フレーム前の階調kが、0、32、64、96、128、160、192、224、または255のいずれでもない場合、第1の線形補間部6は、LUT4に可変パラメータaの値が格納されている、任意の2つの1フレーム前の階調kに対応する可変パラメータaの値をLUT4から受け取り、線形補間により、上記1フレーム前の階調kに対応する可変パラメータaの値を演算により求め、第1の出力階調演算部7へ送る。
第1の出力階調演算部7は、上記の第1の線形補間部6から受け取った可変パラメータaの値、信号源1から受け取った到達階調xの値、フレームメモリ2から受け取った1フレーム前の階調kの値、および上記の(式4)に基づき、出力階調yを求め、モジュール5へ出力する。
以上のように、本実施の形態の液晶表示装置では、LUT4へは、可変パラメータaとして1フレーム前の階調k(0、32、64、96、128、160、192、224、または255)に対応する9つの値(k0〜k255)のみを格納しておくだけでオーバーシュート駆動を行なうことができる。従って、LUTに81個のメモリを格納していた従来よりも大幅にメモリ削減を図ることができ、コストを削減することができる。さらに、到達階調x−出力階調y間では線形補間を行なう必要が無いため連続値を得ることができる。なお、LUT4を外付けにして外部から可変パラメータaを入力するようにしてもよい。
(実施の形態1のバリエーション1)
上記の第1の演算部3では、1フレーム前の階調kが、0、32、64、96、128、160、192、224、および255のいずれでもない場合には、該1フレーム前の階調kに応じた可変パラメータaを線形補間により求めた後に、出力階調yを求めていた。しかしながら、これに限らず、可変パラメータaを線形補間するのではなく、出力階調yを線形補間してもよい。例えば、1フレーム前の階調kが16階調の場合、出力階調yを例えば1フレーム前の階調kが0、および32としたとき(つまり可変パラメータをk0、k32としたとき)のそれぞれの出力階調yを求め、これらの出力階調yを線形補間することにより、1フレーム前の階調kが16階調の場合の出力階調yを求める。
この場合には、図1における第1の線形補間部6は、aを線形補間せず、LUT4から受け取った1つまたは2つの値(可変パラメータa)を第1の出力階調演算部7へ送る。その後、第1の出力階調演算部7は、第1の出力階調演算部7は、1つの値を第1の線形補間部6から受け取った場合には、これを出力階調yとしてモジュール5へ送る。一方、第1の出力階調演算部7は、第1の線形補間部6から2つの値を受け取った場合には、第1の出力階調演算部7の後段に設けられた図示しない第1の線形補間部とは別の線形補間部(特許請求の範囲に記載の「第2線形補間部」に対応)にて出力階調yを1フレーム前の階調kの値に応じて線形補間することによりフレームメモリ2から受け取った1フレーム前の階調kに対応する出力階調yを求めてモジュール5へ送る。
(実施の形態1のバリエーション2)
上記の(式4)、および、LUT4に格納するデータは、上記したものに限らず、次のようなものでもよい。
上記の(式4)に替えて、次の(式5)を用いてもよい。
Y=b×(X−1)+b(X−1)+(1−b−c)×(X−1)+1…(式5)
つまり、上記の(式4)では、1フレーム前の階調kに応じて可変パラメータaを1つとしていたが、この可変パラメータを(式5)に示すように、b、cの2つとしてもよい。なお、この(式5)も上記の(A)〜(C)に基づき求めている。
また、この場合、LUT4には、各1フレーム前の階調k(0、32、64、96、128、160、192、224、または255)に応じて、2つの可変パラメータb、cが格納されている。
これらの可変パラメータb、cと、1フレーム前の階調kとの関係は一例として、図3に記載のものを用いることができる。これらの可変パラメータb、cは、上記のaと同様に、各1フレーム前の階調k毎に、図2に示すグラフにより近似するようにして求める。
この図3を用いて、各1フレーム前の階調k毎に、到達階調x−出力階調yとの関係を図示すると、図4のようになる。この場合にも従来に比べてLUTへのメモリ量を大幅に削減することができ、コストを削減することができる。
〔実施の形態2〕
本実施の形態では、オーバーシュート駆動における、現フレームの階調(到達階調)xと出力階調yとの関係を示すグラフを一次関数で近似する場合について説明する。つまり、本実施の形態では、上記の図2に示す曲線を複数の直線(一次関数)にて近似する手法について説明する。なお、実施の形態1とは異なる部分のみ説明し、同一の箇所についてはその説明を省略する。
一次関数に近似する場合の液晶表示装置のブロック図について説明する。
本実施の形態の液晶表示装置は、図5に示すように、外部信号源(信号源)11、フレームメモリ12、第2の演算部13、ルックアップテーブル(LUT;特許請求の範囲に記載の「第2ルックアップテーブル」に対応)14、およびモジュール(特許請求の範囲に記載の「表示モジュール」に対応)15を備えている。なお、本実施の形態では、第2の線形補間部16(後述)は、信号源11から到達階調xを受け取り、かつ、フレームメモリ12から1フレーム前の階調kを受け取るようになっている。
上記の実施の形態1との相違点は、LUT14に格納したデータおよび第2の演算部13であるので、この2点について説明し、他の部材の説明は省略する。
〔LUT14について〕
図2に基づき、1フレーム前の階調kが、0、32、64、96、128、160、192、224および255のそれぞれの場合において、到達階調xが64階調(特許請求の範囲に記載の「階調a」に対応)となる場合の出力階調y、および、160階調(特許請求の範囲に記載の「階調b」に対応)となる場合の出力階調yを求める。これらの出力階調yのデータを予めLUT14に書き込む。さらに、LUT14には、到達階調xが0階調(特許請求の範囲に記載の「最小階調」に対応)、255階調(特許請求の範囲に記載の「最大階調」に対応)となる場合の出力階調yも格納されている。図6は、このようにして求めたLUT14の内容を記載した図である。なお、このように到達階調xが64階調の場合の出力階調y、および到達階調xが160階調における出力階調yを求める理由については後述する。
〔第2の演算部13について〕
第2の演算部13は、図5に示すように、第2の線形補間部(特許請求の範囲に記載の「第3線形補間部」に対応)16と、第3の線形補間部(特許請求の範囲に記載の「第4線形補間部」に対応)17とを備えている。以下、これら第2の線形補間部16、および、第3の線形補間部17のそれぞれについて説明する。
〔第2の線形補間部16について〕
第2の線形補間部16は、1フレーム前の階調kが0、32、64、96、128、160、192、224、または255のいずれかに該当するかどうかを判定する。
第2の線形補間部16が1フレーム前の階調kが0、32、64、96、128、160、192、224、または255のいずれかに該当すると判定した場合、第2の線形補間部16は、さらに、到達階調xが0、64、160、または255のいずれかに該当するかどうかを判定する。
(D)第2の線形補間部16は、到達階調xが、0、64、160、または255のいずれかに該当すると判定した場合には、第2の線形補間部16は、LUT14から出力階調yのデータを受け取り、これを出力階調yとしてそのままモジュール15へ送る。例えば、図6に基づき、1フレーム前の階調kが32であり、到達階調xが160である場合、225を出力階調yとして、モジュール15へ送る。
(E)一方、第2の線形補間部16が、到達階調xが、0、64、160、または255のいずれでもないと判定した場合、第2の線形補間部16は、0、64、160、255のうち、到達階調xの前後の2つの階調のそれぞれに対応する出力階調yのデータをLUT14から受け取り、これらを第3の線形補間部17へ送る。例えば、第2の線形補間部16は、1フレーム前の階調kが64で、到達階調xが224の場合、例えば、207(到達階調xが160の場合の出力階調yのデータ)と255(到達階調xが255の場合の出力階調yのデータ)とを第3の線形補間部17へ送る。
一方、第2の線形補間部16が1フレーム前の階調kが0、32、64、96、128、160、192、224、または255のいずれでもないと判定した場合、第2の線形補間部16は、0、32、64、96、128、160、192、224、または255のうち、任意の2つの1フレーム前の階調kの到達階調(0、64、160、255)xに対応する出力階調yのデータをLUT14から受け取る。
例えば、仮に1フレーム前の階調kが16階調であるとき、第2の線形補間部16は、1フレーム前の階調kが0の場合、および、32の場合の出力階調y(0、203、249、255;0、117、225、255)をLUT14から受け取る。
その後、第2の線形補間部16は、線形補間により、1フレーム前の階調k(16階調)の場合に、それぞれの到達階調x(0、64、160、255)に対応する出力階調yのデータを求める。説明の便宜上、求めた出力階調yのデータをY、Y64、Y160、Y255とする。
さらに、第2の線形補間部16は、到達階調xが、0、64、160、または255のいずれかであるかどうかを判定する。
(F)第2の線形補間部16は、到達階調xが、0、64、160、または255のいずれかに該当すると判定した場合には、第2の線形補間部16は、上記で線形補間により求めた出力階調yのデータ、つまり、Y、Y64、Y160、またはY255のいずれかをモジュール15へ送る。例えば、到達階調xが64の場合には、第2の線形補間部16は、出力階調yのデータのうち、Y64を出力階調yのデータとしてモジュール15へ送る。
(G)一方、第2の線形補間部16が、到達階調xが、0、64、160、または255のいずれでもないと判定した場合、第2の線形補間部16は、Y、Y64、Y160、Y255のうち、現フレームの階調の任意の2つの階調に対応する出力階調yのデータを第3の線形補間部17へ送る。例えば、第2の線形補間部16は、到達階調xが96である場合には、Y64、および、Y160を第3の線形補間部17へ送る。
〔第3の線形補間部17について〕
第3の線形補間部17は、上記の(E)のとき、第2の線形補間部16から2つの出力階調yのデータを受け取り、これらの出力階調yのデータから線形補間により、1フレーム前の階調k、および、到達階調xに対応した出力階調yを求める。例えば、1フレーム前の階調kが192で、到達階調xが112の場合、出力階調yを226として、モジュール15へ送る。
また、第3の線形補間部17は、上記の(G)のとき、第2の線形補間部16から2つの出力階調yのデータを受け取り、これらの出力階調yのデータから線形補間により、1フレーム前の階調k、および、到達階調xに対応した出力階調yを求め、求めた出力階調yをモジュール15へ送る。例えば、到達階調xが、112である場合には、「Y64+(Y160−Y64/2)」を出力階調yとしてモジュール15へ送る。
本実施の形態のように、図2に示す曲線を一次関数で近似することにより、LUTへメモリするデータが、図6に示すように36となり、実施の形態1よりは精度が落ちるが、従来に比してLUTのメモリ削減を図ることができる。図7は、図6に示すLUT14を用いてオーバーシュート駆動を行った場合の現フレームの階調xおよび出力階調yの関係を示すグラフである。
なお、64階調、160階調は、単なる一例であり、一方が128階調よりも小さい階調であり、他方が128階調よりも大きい階調であれば、なんでもよい。
ここで、上記において、到達階調xが64階調の場合の出力階調y、および到達階調xが160階調における出力階調yを求めたのは、このような到達階調xを設定することにより、最も誤差が少なくなるからである。つまり、1フレーム前の階調k(0、32、64、96、128、160、192、224および255)それぞれにおける変曲点の平均を64階調(現フレーム)と160階調(現フレーム)との中間にあると仮定することにより、誤差を小さくすることができる。
この理由は、垂直配向(VA)モードによるものだと考えられる。つまり、VAモードの液晶モジュールにおいて、ノーマリーブラック方式では、低階調からの液晶分子の立ち上がりが非常に遅く、一方高階調からの立ち上がりは速く、ノーマリーホワイト方式ではその逆となる。そのため、低階調からの立ち上がりに用いるLUTは大きいパラメータとなり、逆に高階調からの立ち上がりでは相対的に小さいパラメータとなる。図8は、VAモードの液晶配向において応答速度を測定した例を示す図である。
階調によって応答速度が異なり、低階調から低階調への変化で一番遅くなるという性質に起因してLUTが特徴的な形状になる。また、開始階調と到達階調とが同じ場合には、LUTが到達階調と同じになるため、LUTの変曲点はこの点となる。上記のように、一次関数に近似する場合に、到達階調を64階調と160階調としているのは、この2箇所を選ぶことにより、最も元の形状との整合性が取れるからである。なお、変曲点は、1フレーム前の階調kに応じて変化するため、変曲点から最も遠い点を選ぶことにより、元の形状と近くなる。また、図8は、ノーマリーブラックのモジュールの場合であり、ノーマリーホワイトの場合は、階調が逆転するため、ピーク位置が高階調から高階調となる。
また、実施の形態2によれば、簡単な演算にて出力階調yを求めることができるので、実施の形態1よりも演算回路の規模を小さくすることができる。
(実施の形態2のバリエーション1)
上記の実施の形態2では、到達階調xが64階調、160階調と仮においてLUT14の値を設定していた。
しかしながら、1フレーム前の階調k毎に、1フレーム前の階調kと現フレームの階調xが等しくなる変曲点と最小階調との中間階調、および、この変曲点と最大階調との中間階調における出力階調yを求めてこれを図6の代わりにルックアップテーブルに格納してもよい。これにより、線形補間を用いることによって、より、図2のグラフに近似させることができる。
(実施の形態2のバリエーション2)
実施の形態2の変形例、つまり、図2に示す曲線を一次関数で近似する場合の変形例について説明する。この実施の形態2の変形例では、液晶表示装置における第2の演算部13は、図示しない第4の線形補間部および図示しない第2の出力階調演算部を備えて構成されている。
上記の実施の形態2では、到達階調xが64階調、160階調と仮においてLUT14の値を設定していた。しかしながら、上記の手法に限らず、次のようにしてもよい。以下の説明では、変曲点は2つであると仮定する。
求めた変曲点から、各1フレーム前の階調kの到達階調x−出力階調yのグラフを構成する3つの直線「Y=aX(0≦X≦f)、Y=bX+c(f≦X≦g)、Y=dX+e(g≦X≦255)」を求める。LUT14には、予め求めた各1フレーム前の階調kに対応するa〜gを格納されている。
なお、1フレーム前の階調kが0、32、64、96、128、160、192、224、および255のいずれでもない場合には、第4の線形補間部がa〜gの値を線形補間により求め第2の出力階調演算部へ送る一方、1フレーム前の階調kが0、32、64、96、128、160、192、224、または255のいずれかである場合には、第4の線形補間部は、LUT14に格納された1フレーム前の階調kに対応するa〜gの値を第2の出力階調演算部へ送る。
第2の出力階調演算部は、上記の「Y=aX(0≦X≦f)、Y=bX+c(f≦X≦g)、Y=dX+e(g≦X≦255)」に基づき出力階調を求め、求めた出力階調をモジュール15へ送る。
さらに、上記のfは、原点と変曲点との中間付近、gは変曲点と(255,255)との中間付近とするのがよく、またhは常に255をとるため、3つの直線の連続性から、c=a×f、e=b×g+a×fとすることで変数の数を減らすことができる。
〔実施の形態3〕
本実施の形態では、オーバーシュート駆動における、現フレームの階調(到達階調)xと出力階調yとの関係を示すグラフを二次関数で近似する場合について説明する。つまり、本実施の形態では、上記の図2に示す曲線を二次関数に近似する手法について説明する。なお、実施の形態1・2とは異なる部分のみ説明し、同一の箇所についてはその説明を省略する。
二次関数に近似する場合の液晶表示装置のブロック図について説明する。
本実施の形態の液晶表示装置は、図9に示すように、外部信号源(信号源)21、フレームメモリ22、第3の演算部(特許請求の範囲に記載の「第2演算部」に対応)23、第4の演算部(特許請求の範囲に記載の「第3演算部」に対応)24、モジュール(特許請求の範囲に記載の「表示モジュール」に対応)25、および比較部26を備えている。
本実施の形態の液晶表示装置は、上記の実施の形態1および2とは異なり、LUTを備えていない。また、本実施の形態の液晶表示装置は、演算部23・24を2つ有しており、さらなる構成として、比較部26を備えている。
一般に、二次関数は傾きの正負の変化は一度しか表現できないため、本発明者らは、変曲点において場合分けすることを見出した。さらに、1フレーム前の階調kと到達階調xが同じ場合、必ず出力階調yは到達階調xと等しくなり、かつ、このときの到達階調x−出力階調yのグラフにおける点が変曲点となることから、本発明者らは、K(k/255)=X(x/255)を境界として場合分けすることを見出した。この考え方に基づき、以下、本実施の形態に特有の構成について説明する。なお、境界は、1つの1フレーム前の階調kに対して境界は1つは限らず、複数の境界を有する場合もある。
〔比較部26について〕
比較部26は、信号源21から到達階調xを受け取ると共に、フレームメモリ22から1フレーム前の階調kを受け取る。比較部26は、これらの到達階調xと、1フレーム前の階調kとを比較し、大小関係を判定する。
比較部26は、到達階調xと1フレーム前の階調kとが互いに等しいと判定した場合には、到達階調xを出力階調yとしてモジュール25へ出力する。
比較部26は、到達階調xよりも1フレーム前の階調kが大きいと判定した場合には、1フレーム前の階調kおよび到達階調xを第3の演算部23へ送る。
比較部26は、到達階調xよりも1フレーム前の階調kが小さいと判定した場合には、1フレーム前の階調kおよび到達階調xを第4の演算部24へ送る。
〔第3の演算部23について〕
第3の演算部23は、比較部26から1フレーム前の階調kおよび到達階調xを受け取り、(1/K)Xを求め、求めた値を255倍した値を出力階調yとしてモジュール25へ出力する。なお、実施の形態1と同様に、K=k/255、X=x/255である。
つまり、第3の演算部23は、
Y=(1/K)X
を用いて演算して、出力階調yを求める。
なお、X=x/255、Y=y/255、およびK=k/255とする(本実施の形態において以下同様)。
〔第4の演算部24について〕
第4の演算部24は、比較部26から1フレーム前の階調kおよび到達階調xを受け取り、1−{(X−1)}/Kを求め、求めた値を255倍した値を出力階調yとしてモジュール25へ出力する。つまり、第4の演算部24は、
Y=1−{(X−1)}/K
を用いて演算して、出力階調yを求める。
図10は、実施の形態3の液晶表示装置を用いて決まる到達階調−出力階調の関係を示したグラフである。
これにより、ルックアップテーブルを設けなくてもオーバーシュート駆動をすることができ、大幅なコストダウンを図ることができる。
なお、上記の実施の形態では、いずれも8ビット、つまり256階調の表示について説明したが、これに限られるものではなく、6ビットなど他の階調での表示でもよい。
但し、二次関数で近似する場合に、図11に示すように、液晶表示装置にルックアップテーブル(第3ルックアップテーブル;LUT)30を設けてもよい。
以下に示すように、上記とは異なる二次関数を用い、この二次関数の係数を予めルックアップテーブルに格納しておいてもよい。
図11に示す液晶表示装置は、単に、図9に示す液晶表示装置に、第3の演算部23、および第4の演算部24に行なう演算に用いる二次関数の係数を格納したLUT30を設けただけである。
この図11に示すLUT30に格納されているデータについて説明する。このLUT30には、第3の演算部23の演算に用いる二次関数の第1係数と第4の演算部24の演算に用いる二次関数の第2係数とが格納されている。
LUT30を設ける場合にも、LUT30を設けない場合と同様に、各1フレーム前の階調毎に変局点の前後に分けて最小二乗法により近似を行います。(つまり、1フレーム前の階調に対して現フレームの階調が大きいか小さいかによる場合分けにより行なう。)
第3の演算部23にて演算を行なう場合(つまり、1フレーム前の階調よりも現フレームの階調の方が小さい、ディケイ応答の場合)の二次関数の係数a2、b2、c2、および第4の演算部24にて演算を行なう場合(つまり、1フレーム前の階調よりも現フレームの階調の方が大きい、ライズ応答の場合)の二次関数の係数a1、b1、c1は、次の〔表1〕に示す通りである。
Figure 2008292704
つまり、LUT30には、〔表1〕に示すデータが1フレーム前の階調に応じて予め二次関数の係数として格納されている。但し、a1、およびa2は、二次関数の二次の係数であり、b1、およびb2は、二次関数の一次の係数であり、c1、およびc2は、二次関数の0次の係数である。
図12は、図11に示す液晶表示装置を用いた場合、つまり、二次関数に近似した場合の、現フレームの階調と出力階調との関係を示すグラフである。
このように本実施の形態においてもLUT30を持たせることにより、図12における切片と関数の曲線の曲がり具合を調整することにより、図10のグラフよりも近似の精度を高めることができる。
一般式から、実際にどのようにして出力階調を求めるのかについて簡単に、説明する。オーバーシュート駆動させるためのICの内部にフレームメモリやルックアップテーブルを格納するメモリ領域以外にロジック演算部を持った構造とする。ロジック演算部は、AND,OR,NOT等の論理演算子から形成された論理回路である。このロジック演算部に本発明における三次関数などの近似関数を論理回路を作りこむことによって、出力階調を計算させることが可能である。
〔補足説明〕
ここで、補足説明として、三次関数、二次関数、一次関数への具体的な近似方法について説明する。
図13は、実験値(実測値)を示すグラフであり、上記図2と同様に理想的な出力階調と現フレームの階調との関係を各1フレーム前の階調毎に示すグラフである。
図2に示すグラフと図13に示すグラフとは多少異なる。これは、用いる液晶表示パネルの特性や温度などの実験条件により依存するためである。
このグラフを三次関数にて近似するために、データを90度回転させる。図14は、90度回転させたグラフである。このように、90度回転させる理由は、1フレーム前の階調は出力階調の関数であるが、出力階調は1フレーム前の階調の関数ではないため、出力階調自体に対しての多項式による近似ができないからである。
図14に示されたグラフの各1フレーム前の階調のそれぞれに対して最小二乗法によるフィッティングを行なう。
Figure 2008292704
表2は、近似によって算出したものである。この表1を用いることにより、図15に示すグラフを生成することができる。
最後に、図15を90度回転させることにより、図16に示すように、出力階調に対する、現フレームの階調を表した近似グラフを作成することができる。
なお、あるxとyに対して、xがある値を持った時にyの値が一意に定まる場合、yはxの関数であると呼ぶ。つまり、ある入力に対して必ず一つの出力がなされる場合は必ず何らかの形の関数によって近似することができる。近似を行なう場合に重要なことは、近似を行なう対象に対していかに精度をよくするかということあるが、一般的に多項式を用いて近似を行なう場合は変局点の数に1を足した次数を用いれば良い近似を行なうことができる。今回のケースでは最大で変局点を二つ持つLUTの近似を行ないたいため、三次の多項式による近似を試みる。もちろん、より高次の近似を行なうことによって、より精度の高い近似を行なうことができるが、ロジック部の複雑化によってメモリ削減効果のメリットが失われてしまうため最高で三次としている。また、二次、一次と次数を減らすことによって精度は低下するが近似自体を行なうことは可能である。
また、上記のように最小二乗法を用いて三次関数での近似を行っている場合のように、出力階調が現フレームの階調に対して関数となっていないため、理論的に算出が困難となっている。これは二次関数による近似も同様である。しかし、上記では二次関数を場合分けしているため、結果として出力階調が現フレームの1/2乗の関数となっている。そのため、最小二乗法等の近似を行なうことで出力階調を現フレームの関数として数式を求めることができ、理論的に出力階調を算出することができる。また、一次関数の場合はxがyの関数であるとき、必ずyもxの関数となるため出力階調を算出することは容易である。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の液晶表示装置は、モバイル機器に搭載される液晶表示装置に用いることができる。
本発明の実施の形態1の液晶表示装置を示すブロック図である。 所定の各1フレーム前の階調に対する理想的な(近似対象の)到達階調−出力階調の関係を示すグラフである。 実施の形態1において2つの可変パラメータを所定の各1フレーム前の階調毎に定めたテーブルである。 図3に示すテーブルにて定まる三次関数を用いて到達階調−出力階調の関係を示したグラフである。 本発明の実施の形態2の液晶表示装置を示すブロック図である。 実施の形態2において所定の各1フレーム前の階調および所定の現フレームの階調に対して決まる出力階調を定めたテーブルである。 図6に示すテーブルにて定まる三次関数を用いて到達階調−出力階調の関係を示したグラフである。 VAモードの液晶配向において応答速度を測定した例を示す図である。 本発明の実施の形態3の液晶表示装置を示すブロック図である。 実施の形態3の液晶表示装置を用いて決まる到達階調−出力階調の関係を示したグラフである。 実施の形態3における図9とは別の液晶表示装置を示すブロック図である。 図11に示す液晶表示装置を用いて決まる到達階調−出力階調の関係を示したグラフである。 図2とは別の所定の各1フレーム前の階調に対する理想的な(近似対象の)到達階調−出力階調の関係を示すグラフである。 図11のグラフを90度回転させたグラフである。 各1フレーム前の階調に対して最小二乗法によるフィッティグを行なった図12の近似グラフである。 図13のグラフを90度回転させたグラフである。 オーバーシュート駆動について説明する図である。
符号の説明
3 第1の演算部(第1演算部)
6 第1の線形補間部(第1線形補間部)
4 LUT(第1ルックアップテーブル)
5 モジュール(表示モジュール)
14 LUT(第2ルックアップテーブル)
15 モジュール(表示モジュール)
16 第2の線形補間部(第3線形補間部)
17 第3の線形補間部(第4線形補間部)
23 第3の演算部(第2演算部)
24 第4の演算部(第3演算部)
25 モジュール(表示モジュール)
26 比較部
30 LUT(第3ルックアップテーブル)

Claims (10)

  1. オーバーシュート駆動を行って処理した画像を表示する表示モジュールを有し、画像をフレーム分割した際に、現フレームの第1階調と、現フレームの1フレーム前の第2階調とから、表示モジュールに出力するオーバーシュート階調を出力階調として求める液晶表示装置であって、
    予め定めた複数の第2階調毎に、オーバーシュート階調を第1階調の三次関数にて表した場合の三次関数の係数を対応付けて格納した第1ルックアップテーブルと、
    第1ルックアップテーブルに係数を格納した三次関数のうち、現フレームの1フレーム前の第2階調によって係数を定めた三次関数を用いて、現フレームの第1階調からオーバーシュート階調を出力階調として求める第1演算部と、を有し、
    予め定めた複数の第2階調の各第2階調によって定まる各三次関数にて規定される第1階調とオーバーシュート階調との各関係は、これらの各関係を規定する各第2階調および第1階調を用いて表示モジュールに適したオーバーシュート階調を決めた場合の第1階調とオーバーシュート階調との各関係と近似することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 現フレームの1フレーム前の第2階調が、予め定めた複数の第2階調のいずれでもない場合、
    予め定めた複数の第2階調のいずれかに対応した係数を用いて線形補間により、現フレームの1フレーム前の第2階調に応じた三次関数の係数を求める第1線形補間部を有することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 現フレームの1フレーム前の第2階調が、予め定めた複数の第2階調のいずれでもない場合、
    予め定めた複数の第2階調のいずれかに対応した係数を用いて第1演算部が求めたオーバーシュート階調を用いて線形補間により、出力階調としてのオーバーシュート階調を求める第2線形補間部を有することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. オーバーシュート駆動を行って処理した画像を表示する表示モジュールを有し、画像をフレーム分割した際に、現フレームの第1階調と、現フレームの1フレーム前の第2階調とから、表示モジュールに出力するオーバーシュート階調を出力階調として求める液晶表示装置であって、
    予め定めた複数の第2階調毎に、第1階調が、最小階調となる場合に表示モジュールに適したオーバーシュート階調、最大階調となる場合に表示モジュールに適したオーバーシュート階調、最小階調と最大階調との中間階調よりも小さい所定の階調aとなる場合に表示モジュールに適したオーバーシュート階調、および最小階調と最大階調との中間階調よりも大きい所定の階調bとなる場合に表示モジュールに適したオーバーシュート階調の4つのオーバーシュート階調を各第1階調と対応付けて格納した第2ルックアップテーブルを有することを特徴とする液晶表示装置。
  5. 階調aが、第2階調と最小階調との中間階調であると共に、階調bが第2階調と最大階調との中間階調となっていることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
  6. 現フレームの1フレーム前の第2階調が、予め定めた複数の第2階調のいずれでもない場合で、かつ、現フレームの第1階調が、最小階調、最大階調、階調a、または階調bのいずれかと等しい場合、
    予め定めた複数の第2階調のいずれかに対応したオーバーシュート階調を線形補間して出力階調としてのオーバーシュート階調を求める第3線形補間部を有することを特徴とする請求項4または5に記載の液晶表示装置。
  7. 現フレームの1フレーム前の第2階調が、予め定めた複数の第2階調のいずれかに等しい場合で、かつ、現フレームの第1階調が現フレームの第1階調が、最小階調、最大階調、階調a、または階調bのいずれとも等しくない場合、
    最小階調、最大階調、階調a、または階調bとなる第1階調のいずれかに対応したオーバーシュート階調を線形補間して出力階調としてのオーバーシュート階調を求める第4線形補間部を有することを特徴とする請求項4または5に記載の液晶表示装置。
  8. 現フレームの1フレーム前の第2階調が、予め定めた複数の第2階調のいずれでもない場合で、かつ、現フレームの第1階調が、最小階調、最大階調、階調a、または階調bのいずれとも等しくない場合、
    第2ルックアップテーブルに格納したいずれかの第2階調に対応したオーバーシュート階調から、現フレームの第1階調が、最小階調、最大階調、階調a、および階調bとなる場合に対応するオーバーシュート階調を求める第3線形補間部と、
    第1線形補間部にて求めたオーバーシュート階調を線形補間して出力階調としてのオーバーシュート階調を求める第4線形補間部を有することを特徴とする請求項4または5に記載の液晶表示装置。
  9. オーバーシュート駆動を行って処理した画像を表示する表示モジュールを有し、画像をフレーム分割した際に、現フレームの第1階調と、現フレームの1フレーム前の第2階調とから、表示モジュールに出力するオーバーシュート階調を出力階調として求める液晶表示装置であって、
    現フレームの第1階調と現フレームの1フレーム前の第2階調との大小を比較する比較部と、
    現フレームの第1階調が現フレームの1フレーム前の第2階調よりも大きいときに、第2階調に応じて定数が変化する所定の二次関数であって、第1階調の二次関数を用いて現フレームの第1階調からオーバーシュート階調を出力階調として求める第2演算部と、
    現フレームの第1階調が現フレームの1フレーム前の第2階調よりも小さいときに、第2階調に応じて定数が変化するが、上記二次関数とは異なる所定の二次関数であって、第1階調の二次関数を用いて現フレームの第1階調からオーバーシュート階調を出力階調として求める第3演算部と、を有し、
    任意の第2階調を用いて表示モジュールに適したオーバーシュート階調を決めた場合の第1階調およびオーバーシュート階調の関係と、この関係を規定する第2階調にて定数が定まる2つの二次関数にて規定される第1階調およびオーバーシュート階調の関係とが互いに近似することを特徴とする液晶表示装置。
  10. 上記第2演算部の演算に用いる二次関数の係数、および上記第3演算部の演算に用いる二次関数の係数の少なくともいずれか一方を格納した第3ルックアップテーブルを備えていることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示装置。
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