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JP2008291137A - 硬化性組成物 - Google Patents

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JP2008291137A
JP2008291137A JP2007139050A JP2007139050A JP2008291137A JP 2008291137 A JP2008291137 A JP 2008291137A JP 2007139050 A JP2007139050 A JP 2007139050A JP 2007139050 A JP2007139050 A JP 2007139050A JP 2008291137 A JP2008291137 A JP 2008291137A
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JP2007139050A
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Norikatsu Ichiyanagi
典克 一柳
Masayuki Fujita
雅幸 藤田
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Kaneka Corp
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Abstract

【課題】良好な発泡抑制を奏する変性ポリオルガノシロキサン化合物、光学的透明性に優れた硬化物を与えうる、良好な発泡抑制を奏する硬化性組成物を提供することである。
【解決手段】下記化合物のヒドロシリル化反応生成物である、1分子中にエポキシ基及び/又はオキセタニル基を2個以上有する変性ポリオルガノシロキサン化合物:
(α1)1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を2〜6個有する有機化合物、
(β1)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン化合物、
(γ1)1分子中に、エポキシ基又はオキセタニル基を少なくとも1個とSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個とを有する有機化合物、及び、
(ε1)1分子中に、SiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個有する化合物。
【選択図】 なし

Description

本発明は硬化性組成物に関するものであり、更に詳しくは、光学的透明性、耐熱性、耐光性に優れた硬化物を与えるエポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する変性ポリオルガノシロキサン化合物、それを含有する硬化性組成物、それを硬化させて得られる硬化物に関する。
一般に、光半導体装置は発光ダイオード、フォトダイオード等の光半導体素子をエポキシ樹脂組成物などによって樹脂封止することによって構成されている。近年注目されている青色LEDや白色LEDの場合、封止樹脂には光学的透明性や耐光性の他に、通電時の発熱にも耐え得る耐熱性も強く求められている。
封止樹脂として従来のエポキシ樹脂組成物を用いると耐熱耐光性が不十分であり、短期間に輝度の低下が起こる。そこで、例えば特許文献1や特許文献2では、耐光性を向上させる手段として次のような脂環式エポキシ樹脂を用いる検討が開示されている。
しかし、これら脂環式エポキシ樹脂を用いる技術では、未だ耐熱透明性が不十分であり、更なる耐熱透明性の向上が強く求められている。
また、例えば、特許文献3においては、次のようなエポキシ基を有するシリコーン樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物を光半導体素子の封止樹脂として用いる検討が開示されている。
しかしながら、一般に、エポキシ基のカチオン重合により生成するポリエーテル構造は耐熱性に劣るため、多量のエポキシ基を有する硬化性組成物からなる硬化物では耐熱耐光性に課題を有しており、さらに、光学的透明性を有する耐熱耐光性樹脂の開発が強く求められている。また、エポキシ基を有するシリコーン樹脂のカチオン重合硬化物は、ポリエーテル構造や、その分子構造からも推測されるように樹脂の極性が低く、クラックが発生しやすいという課題を有しており、樹脂強度の向上も求められている。
特開2003−292568号公報 特開2001−19742号公報 特開2004−238589号公報
上記事情に鑑み本発明者らが鋭意検討し、2〜6個の炭素−炭素二重結合を有する有機化合物、少なくとも2個のSiH基を有するポリオルガノシロキサン化合物、および、少なくとも1個のエポキシ基又はオキセタニル基と1個の炭素−炭素二重結合を有する有機化合物のヒドロシリル化反応物を硬化剤として使用することが有効である可能性を見出した。
そこで、本発明者らは更なる検討を重ねていたところ、上記のような変性ヒドロシリル化反応物は泡を発生しやすい傾向があることを突き止め、発生した泡を取り除く作業が必要になるという製造上の煩わしさや、硬化物に気泡が残ってしまうという問題点を改善する必要性に気づいた。
そこで、本発明の目的は、良好な発泡抑制を奏する変性ポリオルガノシロキサン化合物を提供することである。また、光学的透明性に優れた硬化物を与えうる、良好な発泡抑制を奏する硬化性組成物を提供する。
本発明者らが鋭利検討した結果、2〜6個の炭素−炭素二重結合を有する有機化合物、少なくとも2個のSiH基を有するポリオルガノシロキサン化合物、少なくとも1個のエポキシ基又はオキセタニル基と1個の炭素−炭素二重結合を有する有機化合物に、さらに1個の炭素−炭素二重結合を有する化合物をヒドロシリル化反応させて得られる生成物が発泡抑制に優れ、当該生成物を硬化剤として使用して得られる硬化物は光学的透明性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
下記化合物のヒドロシリル化反応生成物である、1分子中にエポキシ基及び/又はオキセタニル基を2個以上有する変性ポリオルガノシロキサン化合物:
(α1)1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を2〜6個有する有機化合物(以下、単に「化合物(α1)」と称することがある)、
(β1)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン化合物(以下、単に「化合物(β1)」と称することがある)、
(γ1)1分子中に、エポキシ基又はオキセタニル基を少なくとも1個とSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個とを有する有機化合物(以下、単に「化合物(γ1)」と称することがある)、及び、
(ε1)1分子中に、SiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個有する化合物(以下、単に「化合物(ε1)」と称することがある)(請求項1)に関する。
上記化合物(α1)が、下記一般式(I)
(式中R1は炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよく、少なくとも2個のR1はSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含む)である、請求項1に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物(請求項2)に関する。
化合物(α1)が、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノベンジルイソシアヌレート、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3−ビス(ビニルオキシ)アダマンタン、1,4−シクロへキサンジメタノールジビニルエーテル、ジシクロペンタジエン、5−ビニルビシクロ〔2.2.1〕へプタ−2−エン、ジビニルベンゼン、ビニルシクロへキセン、1,5−ヘキサジエン、1,9−デカジエン、ジアリルエーテル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、1,3,5−トリス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(ビニルオキシ)アダマンタン、および、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物(請求項3)に関する。
上記化合物(β1)が、下記一般式(II)
(式中R2は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す)で表されるSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサン化合物である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物(請求項4)に関する。
上記化合物(γ1)が、カチオン重合性官能基であるエポキシ基又はオキセタニル基を少なくとも1個と、SiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個とを有する有機化合物である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物(請求項5)に関する。
上記化合物(γ1)が、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサン、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、および、1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物(請求項6)に関する。
上記化合物(ε1)が、エチレン、1−ヘキセンおよびアリルトリメチルシランからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物(請求項7)に関する。
上記化合物(ε1)が、エチレン、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンおよびビニルトリメチルシランからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物(請求項8)に関する。
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物、および、カチオン重合開始剤を含有する、硬化性組成物(請求項9)に関する。
上記カチオン重合開始剤が、ボロン系芳香族ヨードニウム塩、アンチモン系芳香族ヨードニウム塩、および、リン系芳香族ヨードニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項9に記載の硬化性組成物(請求項10)に関する。
上記カチオン重合開始剤の含有量が変性ポリオルガノシロキサン化合物100重量部に対して0.01〜1.0重量部である、請求項9又は10に記載の硬化性組成物(請求項11)に関する。
更に、カチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物を含有する、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の硬化性組成物(請求項12)に関する。
上記カチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物のカチオン重合性官能基が、脂環式エポキシ基、グリシジル基、オキセタニル基、および、ビニルエーテル基からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項12に記載の硬化性組成物(請求項13)に関する。
上記カチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物が、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、ビス〔1−エチル(3−オキセタニル)〕メチルエーテル、および、3,4−エポキシシクロへキセニルメチル−3',4'−エポキシシクロへキセンカルボキシレ−トからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項12または13に記載の硬化性組成物(請求項14)に関する。
上記カチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物の含有量が、変性ポリオルガノシロキサン化合物100重量部に対して1〜100重量部である、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の硬化性組成物(請求項15)に関する。
本発明の硬化物は、請求項9乃至15のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化してなる。
本発明のエポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する変性ポリオルガノシロキサン化合物は良好な発泡抑制を奏することができ、当該変性ポリオルガノシロキサン化合物を使用した硬化性組成物は良好な発泡抑制を奏するとともに、当該硬化性組成物によれば、光学的透明性に優れ気泡を含まない硬化物を得られうる。
(化合物(α1))
本発明の化合物(α1)について説明する。
化合物(α1)はSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に2〜6個含有する有機化合物であれば特に限定されない。有機化合物としてはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素としてC、H、N、O、S、および、ハロゲンからなる群から選ばれる少なくとも1種のみを含むものであることが好ましい。シロキサン単位を含むものの場合は、ガス透過性やはじきの問題がある。
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
化合物(α1)の有機化合物は、有機重合体系化合物と有機単量体系化合物に分類できる。
有機重合体系化合物としては例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。
有機単量体系化合物としては例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系:直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水素系:複素環系の化合物およびこれらの混合物等が挙げられる。
化合物(α1)のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一般式(III)
(式中R3は水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される基が反応性の点から好適である。また、原料の入手の容易さからは、
で示される基が特に好ましい。
化合物(α1)のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(IV)で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。
(式中R4は水素原子あるいはメチル基を表す。)また、原料の入手の容易さからは、下記式で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が好適である。
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は化合物(α1)の骨格部分に直接結合していてもよく、2価以上の置換基を介して共有結合していても良い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基であれば特に限定されないが、構成元素としてC、H、N、O、S、およびハロゲンからなる群から選ばれる少なくとも1種のみを含むものが好ましい。これらの置換基の例としては、
が挙げられる。また、これらの2価以上の置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成していてもよい。
以上のような骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、ビニルエーテル基、
が挙げられる。
化合物(α1)の具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノベンジルイソシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ノナンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロへキサンジメタノールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ビスフェノールSのジアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3−ビス(ビニルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(ビニルオキシ)アダマンタン、ジシクロペンタジエン、5−ビニルビシクロ〔2.2.1〕へプタ−2−エン、ビニルシクロへキセン、1,5−ヘキサジエン、1,9−デカジエン、ジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、テトラアリルビスフェノールA、2,5−ジアリルフェノールアリルエーテル、およびそれらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン(1、2比率10〜100%のもの、好ましくは1、2比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールのアリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、
の他、従来公知のエポキシ樹脂のグルシジル基の一部または全部をアリル基に置き換えたもの等が挙げられる。
化合物(α1)としては、上記のように骨格部分とアルケニル基(SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合)とに分けて表現しがたい、低分子量化合物も用いることができる。これらの低分子量化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、デカジエン等の脂肪族鎖状ポリエン化合物、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−ビニルビシクロ〔2.2.1〕へプタ−2−エン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の脂肪族環状ポリエン化合物、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン等の置換脂肪族環状オレフィン化合物等が挙げられる。
化合物(α1)のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数は、平均して1分子当たり2〜6個あればよいが、硬化物の力学強度をより向上したい場合には2を越えることが好ましく、3個以上であることがより好ましい。化合物(α1)のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数が1分子中当たり1個以下の場合は、化合物(β1)と反応してもグラフト構造となるのみで架橋構造とならない。一方、化合物(α1)のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数が1分子中当たり6個より多い場合は、変性ポリオルガノシロキサン化合物を合成する際に、ゲル化し易くなり、また、硬化性組成物の貯蔵安定性が悪くなる。
化合物(α1)としては反応性が良好であるという観点からは、1分子中に炭素−炭素二重結合を3個以上含有していることが好ましい。また貯蔵安定性が良好となりやすいという観点からは、1分子中に炭素−炭素二重結合を4個以下含有していることがより好ましい。
化合物(α1)としては、力学的耐熱性が高いという観点および原料液の糸引き性が少なく成形性、取扱い性、塗布性が良好であるという観点からは、分子量が900未満のものが好ましく、700未満のものがより好ましく、500未満のものがさらに好ましい。
化合物(α1)としては、良好な作業性を得るためには、23℃における粘度が100Pa・s未満のものが好ましく、30Pa・s未満のものがより好ましく、3Pa・s未満のものがさらに好ましい。上記粘度はE型粘度計による測定値である。
化合物(α1)としては、着色、特に黄変の抑制の観点からはフェノール性水酸基および/またはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物の含有量が少ないものが好ましく、フェノール性水酸基および/またはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物を含まないものが好ましい。本発明におけるフェノール性水酸基とはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等に例示される芳香族炭化水素核に直接結合した水酸基を示し、フェノール性水酸基の誘導体とは上述のフェノール性水酸基の水素原子をメチル基、エチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、アセトキシ基等のアシル基等により置換された基を示す。
得られる硬化物の着色が少なく、耐光性が高いという観点からは、化合物(α1)としてはビニルシクロヘキセン、ジシクロペンタジエン、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが好ましく、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが特に好ましい。
化合物(α1)はその他の反応性基を有していてもよい。この場合の反応性基としては、エポキシ基、オキセタニル基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。これらの官能基を有している場合には得られる硬化性組成物の接着性が高くなりやすく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性がより高くなりうるという点からは、これらの官能基のうちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、反応性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
化合物(α1)としては、特に、耐熱性、耐光性が高いという観点から下記一般式(I)で表されるイソシアヌレート誘導体が特に好ましい。
(式中R1は炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよく、少なくとも2個のR1はSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含む)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(I)のR1としては、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、炭素数1〜20の一価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜10の一価の有機基であることがより好ましく、炭素数1〜4の一価の有機基であることがさらに好ましい。本発明において有機基は、特に限定されないわけではないが、エーテル結合、エステル結合、アセタール結合、イミド結合、アミド結合、ハロゲン化合物を有していてもよい炭化水素系の官能基であることが好ましい。以下においても同じである。
これらの好ましいR1の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、グリシジル基、
等が挙げられる。
上記一般式(I)のR1としては、得られる硬化物の各種材料との接着性が良好になりうるという観点からは、3つのR1のうち少なくとも1つがエポキシ基を一つ以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、
で表されるエポキシ基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることがより好ましい。これらの好ましいR1の例としては、グリシジル基、
等が挙げられる。
上記一般式(I)のR1としては、得られる硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観点からは、2個以下の酸素原子を含みかつ構成元素としてC、HおよびOからなる群から選ばれる少なくとも一種のみを含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜50の一価の炭化水素基であることがより好ましい。これらの好ましいR1の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、グリシジル基、
等が挙げられる。
上記一般式(I)のR1としては、反応性が良好になるという観点からは、3つのR1のうち少なくとも1つが
で表される基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、下記一般式(V)
(式中R5は水素原子あるいはメチル基を表す。)で表される基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることがより好ましく、
3つのR1のうち少なくとも2つが下記一般式(VI)
(式中R6は直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の有機基を表し、R7は水素原子あるいはメチル基を表す。)で表される有機化合物(複数のR6およびR7はそれぞれ異なっていても同一であってもよい。)であることがさらに好ましい。
上記一般式(VI)のR6は、直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の有機基であるが、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、直接結合あるいは炭素数1〜20の二価の有機基であることが好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜10の二価の有機基であることがより好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜4の二価の有機基であることがさらに好ましい。これらの好ましいR6の例としては、
等が挙げられる。
上記一般式(VI)のR6としては、得られる硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観点からは、直接結合あるいは2つ以下の酸素原子を含みかつ構成元素としてC、HおよびOからなる群から選ばれる少なくとも1種のみを含む炭素数1〜48の二価の有機基であることが好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の炭化水素基であることがより好ましい。これらの好ましいR6の例としては、
が挙げられる。
上記一般式(VI)のR7は、水素原子あるいはメチル基であるが、反応性が良好であるという観点からは、水素原子が好ましい。
ただし、上記のような一般式(I)で表される有機化合物の好ましい例においても、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に2〜6個含有することは必要である。耐熱性をより向上し得るという観点からは、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に3個以上含有する有機化合物であることがより好ましい。
以上のような一般式(I)で表される有機化合物の好ましい具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、
等が挙げられる。
硬化物の接着性向上のためには、化合物(α1)としてはジアリルモノグリシジルイソシアヌレートが好ましい。
上記した各種化合物(α1)は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
(化合物(β1))
次に、化合物(β1)について説明する。
化合物(β1)については1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のオルガノポリシロキサン化合物であれば特に限定されず、例えば国際公開WO96/15194に記載される化合物で、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するもの等が使用できる。
これらのうち、入手性および化合物(α1)との反応性が良いという観点からは、さらに、下記一般式(II)
(式中、R2は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する環状オルガノポリシロキサンが好ましい。
一般式(II)で表される化合物中の置換基R2は、C、HおよびOからなる群から選ばれる少なくとも1種から構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
一般式(II)で表される化合物としては、入手容易性及び反応性の観点からは、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
上記した各種化合物(β1)は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
(化合物(γ1))
次に、化合物(γ1)について説明する。
化合物(γ1)については、1分子中にエポキシ基又はオキセタニル基を少なくとも1個とSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個とを有する有機化合物であれば特に限定されない。
SiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、上述の化合物(α1)のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合と同様のものが好ましい。
エポキシ基としては、下記一般式(VII)
(但し、R8は炭素数が1〜10、酸素数が0〜2の2価の有機基)が挙げられる。
オキセタニル基としては、下記一般式(VIII)
(但し、R9は炭素数が1〜10、酸素数が0〜2の2価の有機基)が挙げられる。
化合物(γ1)の具体例としては、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサン、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパン、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、
が挙げられる。
化合物(γ1)としては、入手性容易性及び耐熱性の観点からは、1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンが好ましい。
化合物(γ1)としては、入手性容易性及びカチオン重合性が良好であるという観点からは、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンが好ましい。
化合物(γ1)としては、化合物(β1)のSiH基とのヒドロシリル化反応性が良好であるという観点からは、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサン、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンが好ましい。
上記した各種化合物(γ1)は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
(化合物(ε1))
次に、化合物(ε1)について説明する。
化合物(ε1)については、1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個有する化合物であれば特に限定されない。
SiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、上述の化合物(α1)のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合と同様のものが好ましい。
化合物(ε1)の具体的な例としては、エチレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、シクロペンテン、シクロヘキセン、カンフェン、α−ピネン、β−ピネン、ヒドロキシジシクロペンタジエン、(パーフルオロブチル)ビニル、(パーフルオロヘキシル)ビニル、(パーフルオロオクチル)ビニル、(パーフルオロデシル)ビニル、ビニルペンタフルオロベンゼン、(パーフルオロブチル)アリル、(パーフルオロヘキシル)アリル、(パーフルオロオクチル)アリル、(パーフルオロデシル)アリル、アリルペンタフルオロベンゼン、ビニルトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ビニルアニソール、アリルアニソール、4−ビニロキシアニソール、4−アリロキシアニソール、ビニルベンゼン、アリルベンゼン、ビニルトルエン、アリルトルエン、ビニルフェノール、アリルフェノール、2−ビニロキシトルエン、2−アリロキシトルエン、4−ビニロキシトルエン、4−アリロキシトルエン、ビニルベンゾエート、アリルベンゾエート、ビニルベンジルエーテル、アリルベンジルエーテル、ビニルメチルエーテル、アリルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、アリルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、アリルブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル、アリルフェニルエーテル、ビニルシクロペンタン、アリルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、アリルシクロヘキサン、1−ビニル−3,4−ジメトキシベンゼン、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼン、N−ビニルモルホリン、N−アリルモルホリン、N−ビニロキシフタルイミド、N−アリロキシフタルイミド、ビニルフェニルスルホン、アリルフェニルスルホン、ビニルコハク酸無水物、アリルコハク酸無水物、4−ビニルビフェニル、4−アリルビフェニル、2−ビニロキシテトラヒドロフラン、2−アリロキシテトラヒドロフラン、2−ビニルピラジン、2−アリルピラジン、2−ビニルピリジン、2−アリルピリジン、4−ビニルピリジン、4−アリルピリジン、1−ビニル−2−ピロリドン、1−アリル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
化合物(ε1)としては、入手性が良いという点からは、エチレン、1−ヘキセン、アリルトリメチルシラン、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンが好ましい。
化合物(ε1)としては、変性ポリオルガノシロキサン化合物の粘度が低くなるために、作業性が良いという点からは、エチレン、1−ヘキセン、アリルトリメチルシランが好ましい。これらのような化合物を用いた場合、変性ポリオルガノシロキサン化合物間の相互作用が排除体積効果によって低減されるために、粘度が低くなるものと考えられる。
化合物(ε1)としては、変性ポリオルガノシロキサン化合物を用いた硬化物の樹脂強度が高くなるために、硬化物の耐クラック性が向上するという点からは、エチレン、ビニルトリメチルシラン、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンが好ましい。これらのような化合物を用いた場合、変性ポリオルガノシロキサン化合物間の相互作用が高くなるために、耐クラック性が向上するものと考えられる。
上記した各種化合物(ε1)は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
(ヒドロシリル化触媒)
化合物(β1)、化合物(α1)、化合物(γ1)、化合物(ε1)をヒドロシリル化反応させる場合の触媒としては、例えば次のようなものを用いることができる。白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH22(PPh32、Pt(CH2=CH22Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)34、Pt[P(OBu)34)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。更に、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるため好ましいの添加量の下限は、化合物(β1)のSiH基1モルに対して10-8モル、より好ましくは10-6モルであり、好ましい添加量の上限は化合物(β1)のSiH基1モルに対して10-1モル、より好ましくは10-2モルである。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレート等の1、2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10-2モル、より好ましくは10-1モルであり、好ましい添加量の上限は102モル、より好ましくは10モルである。
(化合物(α1)、化合物(β1)、化合物(γ1)、及び化合物(ε1)の反応)
1分子中にエポキシ基及び/又はオキセタニル基を合わせて2個以上有する変性ポリオルガノシロキサン化合物は、1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を2〜6個有する有機化合物(化合物(α1))、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン化合物(化合物(β1))、1分子中にエポキシ基又はオキセタニル基を少なくとも1個とSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個とを有する有機化合物(化合物(γ1))、及び、1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個有する化合物(化合物(ε1))を、ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させることにより得られる化合物である。
化合物(α1)、化合物(β1)、化合物(γ1)及び化合物(ε1)の反応方法としては、種々挙げられるが、好ましい合成方法としては、次の二つの合成方法が挙げられる。
一つは、過剰量の化合物(β1)と、化合物(α1)とをヒドロシリル化反応させた後、一旦、未反応の化合物(β1)を除き、得られた化合物(β1)と化合物(α1)の反応物に、化合物(γ1)、及び、化合物(ε1)をヒドロシリル化反応させる合成方法(A)である。
もう一つは、化合物(β1)と、化合物(γ1)と、化合物(ε1)とをヒドロシリル化反応させた後、続けて、化合物(α1)をヒドロシリル化反応させて、未反応の化合物を除去する合成方法(B)である。
合成方法としては、低分子量体が少ないために、反応性が良好であり、硬化物の耐熱性、耐光性が良くなるという点からは、合成方法(A)が好ましい。
合成方法としては、ワンポットでの合成が可能であり、製造コストに優れるという点からは、合成方法(B)が好ましい。
合成方法(A)としては、
化合物(α1)と化合物(β1)をヒドロシリル化反応させる場合の化合物(α1)と化合物(β1)との混合比率は、特に限定されないが、得られる化合物の粘度が低く、取扱い性が良いという点からは、化合物(α1)中のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の総数(X)と、混合する化合物(β1)中のSiH基の総数(Y)との比(モル比)が、Y/X≧3であることが好ましく、Y/X≧6であることがより好ましく、Y/X≧9であることがさらに好ましい。
化合物(α1)と化合物(β1)とをヒドロシリル化反応させた後に、未反応の化合物(β1)及び/又は溶媒を除去する方法としては、例えば、減圧脱揮が挙げられる。減圧脱揮する場合には低温で処理することが好ましい。この場合の好ましい温度の上限は100℃であり、より好ましくは80℃である。高温で処理すると増粘等の変質を伴いやすい(以下、「未反応の化合物(β1)を除去した化合物(α1)と化合物(β1)との反応物」を、「反応物(αβ)」と呼ぶことがある)。
反応物(αβ)と、化合物(γ1)、及び、化合物(ε1)をヒドロシリル化反応させる場合の、混合方法は各種取ることができるが、化合物(γ1)のエポキシ基又はオキセタニル基を全ての分子中に一様に導入されるようにヒドロシリル化反応させたい場合は、化合物(γ1)を反応させた後に、化合物(ε1)を反応させる方法が好ましい。一方、化合物(γ1)のエポキシ基又はオキセタニル基の開環重合を抑えたい場合は、化合物(ε1)を反応させた後に、化合物(γ1)を反応させる方法が好ましい。
反応物(αβ)と、化合物(γ1)との反応比率は特に限定されないが、得られる変性ポリオルガノシロキサン化合物の硬化性が良好であり、硬化物の架橋密度が高くなるという点からは、化合物(γ1)中のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の総数(X’)と、反応物(αβ)中のSiH基の総数(Y’)との比(モル比)が、X’/Y’≧1/3であることが好ましく、X’/Y’≧2/3であることがより好ましい。X’/Y’<1/3の場合、エポキシ基又はオキセタニル基が変性ポリオルガノシロキサン化合物中に1個以下の反応物が得られ易くなるために、硬化物性が悪くなることがある。一方、得られる変性ポリオルガノシロキサン化合物の粘度が低くなるために作業性が良くなり、また、硬化物の耐熱性と耐光性が良くなり、さらに、硬化物の架橋密度が低くなるために低収縮性の硬化物が得られるという点からは、X’/Y’≦2/3であることが好ましく、X’/Y’≦1/3であることがより好ましい。
反応物(αβ)と、化合物(γ1)と、化合物(ε1)との反応比率は特に限定されないが、硬化性組成物と硬化物の発泡が抑制されるという点からは、得られる変性ポリオルガノシロキサン化合物中のSiH基の官能基濃度が5mmol/g以下であることが好ましく、3mmol/g以下であることがより好ましく、1mmol/g以下であることがさらに好ましい。SiH基の官能基濃度が高い場合、硬化性組成物中のSiH基同士や、SiH基と水分の反応により水素ガスが発生し易くなるために発泡し易くなると考えられる。変性ポリオルガノシロキサン化合物中のSiH基の官能基濃度は、各化合物の分子量の理論値から算出することができる。
反応物(αβ)と、化合物(ε1)の反応比率は特に限定されないが、得られる変性ポリオルガノシロキサン化合物の粘度を下げて作業性を良くしたい場合や、硬化物の耐クラック性を良くしたい場合には、化合物(ε1)中のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の総数(Z’)と、反応物(αβ)中のSiH基の総数(Y’)との比が、Z’/Y’≧1/4であることが好ましく、Z’/Y’≧1/2であることがより好ましい。Z’/Y’<1/4の場合、所望の効果が得られないときがある。
合成方法(B)としては、
化合物(α1)と、化合物(β1)と、化合物(γ1)と、化合物(ε1)とをヒドロシリル化反応させる場合の反応比率は特に限定されないが、反応の仕込み計算において、化合物(β1)が化合物(α1)に対して1分子のみ反応すると仮定し、化合物(β1)の1分子中のSiH基とヒドロシリル化反応する、化合物(γ1)と化合物(ε1)のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の合計平均数(X’’)とし、化合物(β1)の1分子中のSiH基の数(Y’’)とすると、これら(X’’)と(Y’’)の関係は、得られる反応物をゲル化することなく、ヒドロシリル化反応終了後に反応液中に未反応状態で残る化合物(β1)が、反応に使用した化合物(β1)の5.0%以下であるという点からは、(Y’’−X’’)≦3.5であることが好ましく、(Y’’−X’’)≦3.0であることがより好ましく、(Y’’−X’’)≦2.5であることがさらに好ましい。(X’’)と(Y’’)は各化合物の分子量と仕込み時の秤量値から算出できる。
合成方法としては、化合物(α1)、化合物(β1)、化合物(γ1)及び化合物(ε1)の混合方法は、各種方法をとることができるが、化合物(α1)、化合物(γ1)及び化合物(ε1)からなる群から選ばれる少なくとも一つに触媒を混合したものを、化合物(β1)と混合する方法が好ましい。化合物(α1)、化合物(γ1)及び化合物(ε1)からなる群から選ばれる少なくとも一つと化合物(β1)との混合物に触媒を混合する方法だと反応の制御が困難である。化合物(β1)と触媒を混合したものに化合物(α1)、及び/又は、化合物(γ1)、及び/又は、化合物(ε1)を混合する方法をとる場合は、触媒により化合物(β1)が混入している水分と反応性を有するため、変質することがある。
反応温度としては種々設定できるが、この場合好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、より好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと実用的でない。反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々設定できる。
ヒドロシリル化反応の際に酸素を使用できる。反応容器の気相部に酸素を添加することで、ヒドロシリル化反応を促進できる。酸素の添加量を爆発限界下限以下とする点から、気相部の酸素体積濃度は3%以下に管理する必要がある。酸素添加によるヒドロシリル化反応の促進効果が見られるという点からは、気相部の酸素体積濃度は0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましい。
ヒドロシリル化反応の際に溶媒を使用してもよい。使用できる溶剤はヒドロシリル化反応を阻害しない限り特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量も適宜設定できる。
化合物(α1)、化合物(β1)、化合物(γ1)および化合物(ε1)をヒドロシリル化反応させた後に、溶媒及び/又は未反応の化合物を除去することもできる。これらの揮発分を除去することにより、得られる反応物が揮発分を有さないため、該反応物を用いて硬化物を作成する場合に、揮発分の揮発によるボイド、クラックの問題が生じにくい。除去する方法としては、例えば、減圧脱揮が挙げられる。減圧脱揮する場合、低温で処理することが好ましい。この場合の好ましい温度の上限は100℃であり、より好ましくは80℃である。高温で処理すると増粘等の変質を伴いやすい。
本発明の製造方法では、目的によって種々の添加剤を使用できる。
(ゲル化抑制剤)
得られる反応物の保存安定性を改良する目的、或いは、化合物(α1)、化合物(β1)、化合物(γ1)および化合物(ε1)をヒドロシリル化反応させた後に、溶媒及び/又は未反応の化合物を減圧脱揮により除去する場合における加熱処理による増粘等の変質を抑制する目的で、ゲル化抑制剤を使用することができる。ゲル化抑制剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、これらを併用してもかまわない。
脂肪族不飽和結合を含有する化合物としては、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、3−ヒドロキシ−3−フェニル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のプロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、ジメチルマレート等のマレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノホスフィン類、ジオルガノホスフィン類、オルガノホスフォン類、トリオルガノホスファイト類等が例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。
これらのゲル化抑制剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、トリフェニルホスフィンが好ましい。
ゲル化抑制剤の添加量は種々設定できるが、使用するヒドロシリル化触媒1モルに対する好ましい添加量の下限は10-1モル、より好ましくは1モルであり、好ましい添加量の上限は103モル、より好ましくは102モルである。添加量が少ないと、所望の保存安定性や減圧脱揮時のゲル化抑制効果が得られない。添加量が多いと、硬化反応時の硬化阻害剤になり得る。
また、これらのゲル化抑制剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
以上のような、化合物(α1)、化合物(β1)、化合物(γ1)、および化合物(ε1)のヒドロシリル化反応物である、変性ポリオルガノシロキサン化合物の例としては、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−ヘキセンの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンと1−ヘキセンの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンと1−ヘキセンの反応物、
ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−ヘキセンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンと1−ヘキセンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンと1−ヘキセンの反応物、
ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−ヘキセンの反応物、ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンと1−ヘキセンの反応物、ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンと1−ヘキセンの反応物、
ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−ヘキセンの反応物、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキ
シ−2,3−エポキシプロパンと1−ヘキセンの反応物、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンと1−ヘキセンの反応物、
1,2,4−トリビニルシクロヘキサンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−ヘキセンの反応物、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンと1−ヘキセンの反応物、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオ
キシメチルオキセタンと1−ヘキセンの反応物、
ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−ヘキセンの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンと1−ヘキセンの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンと1−ヘキセンの反応物、
1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−ヘキセンの反応物、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンと1−ヘキセンの反応物、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンと1−ヘキセンの反応物、
トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとエチレンの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとエチレンの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンとエチレンの反応物、
ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとエチレンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとエチレンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンとエチレンの反応物、
ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとエチレンの反応物、ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとエチレンの反応物、ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンとエチレンの反応物、
ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとエチレンの反応物、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとエチレンの反応物、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンとエチレンの反応物、
1,2,4−トリビニルシクロヘキサンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとエチレンの反応物、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとエチレンの反応物、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンとエチレンの反応物、
ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとエチレンの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとエチレンの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンとエチレンの反応物、
1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとエチレンの反応物、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとエチレンの反応物、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンとエチレンの反応物、
トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとビニルトリメチルシランの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとビニルトリメチルシランの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンとビニルトリメチルシランの反応物、
ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとビニルトリメチルシランの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとビニルトリメチルシランの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンとビニルトリメチルシランの反応物、
ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとビニルトリメチルシランの反応物、ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとビニルトリメチルシランの反応物、ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンとビニルトリメチルシランの反応物、
ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとビニルトリメチルシランの反応物、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとビニルトリメチルシランの反応物、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンとビニルトリメチルシランの反応物、
1,2,4−トリビニルシクロヘキサンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとビニルトリメチルシランの反応物、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとビニルトリメチルシランの反応物、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンとビニルトリメチルシランの反応物、
ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとビニルトリメチルシランの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとビニルトリメチルシランの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンとビニルトリメチルシランの反応物、
1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとビニルトリメチルシランの反応物、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとビニルトリメチルシランの反応物、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンとビニルトリメチルシランの反応物、
トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、
ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、
ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、
ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、
1,2,4−トリビニルシクロヘキサンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、
ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、
1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタンと1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンの反応物、等を挙げることができる。
これらの変性ポリオルガノシロキサン化合物について、硬化物の耐熱性と耐光性が良く、耐クラック性にも優れるという点からは、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとビニルトリメチルシランの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとビニルトリメチルシランの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンとビニルトリメチルシランの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンとビニルトリメチルシランの反応物が好ましい。
硬化物の耐熱性と耐光性が良く、硬化性組成物の粘度が低いために作業性にも優れるという点からは、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−ヘキセンの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンと1−ヘキセンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンと1−ヘキセンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンと1−ヘキセンの反応物が好ましい。
これらの反応物は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
(硬化性組成物)
本発明の硬化性組成物は、本発明の変性ポリオルガノシロキサン化合物およびカチオン重合開始剤を含有する。
変性ポリオルガノシロキサン化合物としては、上述した変性ポリオルガノシロキサン化合物を使用できるが、これらは単独で使用してもよく、2種以上のものを組み合わせて使用してもよい。
(カチオン重合開始剤)
カチオン重合開始剤としては、活性エネルギー線によりカチオン種又はルイス酸を発生する、活性エネルギー線カチオン重合開始剤、又は熱によりカチオン種又はルイス酸を発生する熱カチオン重合開始剤であれば、特に限定されず使用できる。
活性エネルギー線カチオン重合開始剤としては、米国特許第3379653号に記載されたような金属フルオロ硼素錯塩及び三弗化硼素錯化合物;米国特許第3586616号に記載されたようなビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メタン金属塩;米国特許第3708296号に記載されたようなアリールジアゾニウム化合物;米国特許第4058400号に記載されたようなVIa族元素の芳香族オニウム塩;米国特許第4069055号に記載されたようなVa族元素の芳香族オニウム塩;米国特許第4068091号に記載されたようなIIIa〜Va族元素のジカルボニルキレート;米国特許第4139655号に記載されたようなチオピリリウム塩;米国特許第4161478号に記載されたようなMF6-陰イオン(ここでMは燐、アンチモン及び砒素から選択される)の形のVIb元素;米国特許第4231951号に記載されたようなアリールスルホニウム錯塩;米国特許第4256828号に記載されたような芳香族ヨードニウム錯塩及び芳香族スルホニウム錯塩;W.R.Wattらによって「ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス、ポリマー・ケミストリー版」、第22巻、1789頁(1984年)に記載されたようなビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロ金属塩(例えば燐酸塩、砒酸塩、アンチモン酸塩等);陰イオンがB(C654 -である芳香族ヨードニウム錯塩及び芳香族スルホニウム錯塩の一種以上が包含される。
好ましい陽イオン系活性エネルギー線カチオン重合開始剤には、アリールスルホニウム錯塩、ハロゲン含有錯イオンの芳香族スルホニウム又はヨードニウム塩並びにII族、V族及びVI族元素の芳香族オニウム塩が包含される。これらの塩のいくつかは、FX−512(3M社)、UVR−6990及びUVR−6974(ユニオン・カーバイド社)、UVE−1014及びUVE−1016(ジェネラル・エレクトリック社)、KI−85(デグッサ社)、SP−152及びSP−172(旭電化社)並びにサンエイドSI−60L、SI−80L及びSI−100L(三新化学工業社)、WPI113及びWPI116(和光純薬工業社)、RHODORSIL PI2074(ローディア社)として商品として入手できる。
熱カチオン重合開始剤としては、スルホニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、トリフル酸塩、三弗化硼素エーテル錯化合物、三弗化硼素等のようなカチオン系又はプロトン酸触媒が用いることができる。加熱によってカチオン種を発生するまでは高い安定性を持っているため潜在性硬化触媒と言える。置換基の種類やオニウム塩の陰イオンの種類により重合活性が変化し、特に、陰イオンについては、BF-<AsF6 -<PF6 -<SbF6 -<B(C654 -の順で重合活性が高くなることが知られている。この他、アルミニウム錯体とシラノール化合物、アルミニウム錯体とビスフェノールSなど特定のフェノール化合物がカチオン重合触媒になることが知られている。
また、活性エネルギー線カチオン重合開始剤としても用いられる芳香族オニウム塩のうち、熱によりカチオン種を発生するものがあり、これらも熱カチオン重合開始剤として用いることができる。例としては、サンエイドSI−60L、SI−80L及びSI−100L(三新化学工業社)、WPI116(和光純薬工業社)、RHODORSIL PI2074(ローディア社)などがある。
上記のカチオン重合開始剤の中でも、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する変性ポリオルガノシロキサン化合物に対する相溶性と硬化性が優れるという点で、ボロン系芳香族ヨードニウム塩またはアンチモン系芳香族ヨードニウム塩が好ましい。
ボロン系芳香族ヨードニウム塩としては、下記一般式(IX)
(但し、式中R10は−CH(CH32、−C(CH33、−Cn2n+1(n=0〜20)、−OCn2n+1(n=1〜20)を表し、それぞれのR10は異なっていても同一であってもよい)で表されるものが使用できる。
ボロン系芳香族ヨードニウム塩の中でもRHODORSIL PI2074(ローディア社)が入手性の点で好ましい。
アンチモン系芳香族ヨードニウム塩としては、下記一般式(X)
(但し、式中R11は−CH(CH32、−C(CH33、−Cn2n+1(n=0〜20)、−OCn2n+1(n=1〜20)を表し、それぞれのR11は異なっていても同一であってもよい)で表されるものが使用できる。
アンチモン系芳香族ヨードニウム塩の中でもWPI116(和光純薬工業社)が入手性の点で好ましい。
上記のカチオン重合開始剤の中でも、有害性が低く汎用性に優れるという点で、リン系芳香族ヨードニウム塩が好ましい。
リン系芳香族ヨードニウム塩としては、下記一般式(XI)
(但し、式中R12は−CH(CH32、−C(CH33、−Cn2n+1(n=0〜20)、−OCn2n+1(n=1〜20)を表し、それぞれのR12は異なっていても同一であってもよい)で表されるものが使用できる。
リン系芳香族ヨードニウム塩の中でもWPI113(和光純薬工業社)が入手性の点で好ましい。
カチオン重合開始剤の使用量は、変性ポリオルガノシロキサン化合物100重量部に対して、好ましくは0.01〜1.0重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部の量である。カチオン重合開始剤量が少ないと、硬化に長時間を要したり、十分に硬化した硬化物が得られない。カチオン開始剤量が多いと、開始剤の色が硬化物に残ったり、急硬化のために着色や隆起したり、硬化物の耐熱耐光性を損なうために好ましくない。
(カチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物)
本発明の硬化性組成物は、本発明の変性ポリオルガノシロキサン化合物およびカチオン重合開始剤に、更にカチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物を含有しても良い。これらの化合物は反応性希釈剤、樹脂強度付与剤、接着性改良剤などとして使用することができ、目的に応じて、低粘度化、樹脂強度付与、接着性改良などの効果を奏することができる。
カチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物が挙げられる。
カチオン重合性官能基としては、脂環式エポキシ基、グリシジル基、オキセタニル基、ビニルエーテル基などが挙げられる。
これらのカチオン重合性官能基のうち、本発明の変性ポリオルガノシロキサン化合物に含有して、カチオン硬化性が良好である官能基としては、脂環式エポキシ基、オキセタニル基が好ましい。
これらのカチオン重合性官能基の1分子あたりの官能基数としては、樹脂強度を高め、またガラス転移温度を高くし硬化物の耐熱耐光透明性をあまり損なわないという点では、1分子あたりの官能基数は、2個以上が好ましく、3個以上がさらに好ましい。
カチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物の具体例としては、例えば、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、1−メチル−4−(2‐メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ〔4.1.0〕へプタン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、ビス〔1−エチル(3−オキセタニル)〕メチルエーテル、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルへキシロキシメチル)オキセタン、シクロへキシルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ノナンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等を挙げることができる。
これらのカチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物のうち、本発明の変性ポリオルガノシロキサン化合物との相溶性が良好で、硬化性組成物を低粘度化できて、カチオン硬化性が良好であるという点では、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、ビス〔1−エチル(3−オキセタニル)〕メチルエーテル、3,4−エポキシシクロへキセニルメチル−3',4'−エポキシシクロへキセンカルボキシレ−トが好ましい。
カチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物の添加量としては種々設定できるが、変性ポリオルガノシロキサン化合物100重量部に対して、好ましい添加量は1〜100重量部、より好ましくは10〜50重量部である。添加量が少ないと所望の低粘度化効果、樹脂強度付与効果、接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
また、これらのカチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(添加剤)
本発明の硬化性組成物は、上記変性ポリオルガノシロキサン化合物、上記カチオン重合開始剤、および上記カチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物の他に、本発明の目的および効果を損なわない範囲において各種添加剤を含有することができる。
(リン化合物)
本発明の硬化性組成物を光又は熱により硬化させ、特に透明性を要求される用途で使用する場合は、光又は熱による硬化後の色相を改善するために、リン化合物を使用するのが好ましい。リン化合物の具体例としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス[2−t−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイト等のホスファイト類から選ばれる酸化防止剤、又は、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のオキサホスファフェナントレンオキサイド類から選ばれる着色防止剤が好ましく使用される。
リン化合物の使用量は、変性ポリオルガノシロキサン化合物100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。リン化合物の使用量が0.01重量部より少ないと、色相の改善効果が少なくなる場合がある。使用量が10重量部より多くなると、硬化性や硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
(接着性改良剤)
本発明の組成物には、接着性改良剤を添加することもできる。接着性改良剤としては、一般に用いられている接着剤の他、例えば種々のカップリング剤、フェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体、ポリエチルメチルスチレン、芳香族ポリイソシアネート等を挙げることができる。なお、上述したように、カチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物として挙げられているエポキシ化合物やオキセタン化合物も、接着性改良剤として作用することができ、上記接着性改良剤と併用することもできる。
カップリング剤としては例えばシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
シランカップリング剤の添加量としては種々設定できるが、変性ポリオルガノシロキサン化合物100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.3〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化性や硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
また、これらのカップリング剤、シランカップリング剤等は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
本発明においてはカップリング剤、エポキシ化合物、オキセタン化合物などの効果を高めるために、カルボン酸類および/または酸無水物類を用いることができ、接着性の向上及び/または安定化が可能である。このようなカルボン酸類、酸無水物類としては特に限定されないが、
2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、メチルシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルハイミック酸、ノルボルネンジカルボン酸、水素化メチルナジック酸、マレイン酸、アセチレンジカルボン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、桂皮酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、およびそれらの単独あるいは複合酸無水物が挙げられる。
これらのカルボン酸類および/または酸無水物類のうち、得られる硬化物の物性を損ない難いという点においては、好ましいカルボン酸類および/または酸無水物類としては、例えば、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸およびそれらの単独あるいは複合酸無水物等が挙げられる。
カルボン酸類および/または酸無水物類を用いる場合の使用量は種々設定できるが、カップリング剤および/またはエポキシ化合物および/またはオキセタン化合物100重量部に対しての好ましい添加量の範囲は0.1〜50重量部、より好ましくは1〜10重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
また、これらのカルボン酸類あるいは/および酸無水物類は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(熱可塑性樹脂)
硬化性組成物には特性を改質する等の目的で、種々の熱可塑性樹脂を添加することも可能である。熱可塑性樹脂としては種々のものを用いることができるが、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体あるいはメチルメタクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリメチルメタクリレート系樹脂(例えば日立化成社製オプトレッツ等)、ブチルアクリレートの単独重合体あるいはブチルアクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリブチルアクリレート系樹脂等に代表されるアクリル系樹脂、ビスフェノールA、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノール等をモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート系樹脂(例えば帝人社製APEC等)、ノルボルネン誘導体、ビニルモノマー等を単独あるいは共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、あるいはその水素添加物等のシクロオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTON等)、エチレンとマレイミドの共重合体等のオレフィン−マレイミド系樹脂(例えば東ソー社製TI−PAS等)、ビスフェノールA、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン等のビスフェノール類やジエチレングリコール等のジオール類とテレフタル酸、イソフタル酸等のフタル酸類や脂肪族ジカルボン酸類を重縮合させたポリエステル等のポリエステル系樹脂(例えば鐘紡社製O−PET等)、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の他、天然ゴム、EPDMといったゴム状樹脂が例示されるがこれに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂としては、分子中にエポキシ基またはオキセタニル基と反応性を有する官能基(エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、酸無水物、アルコキシルシラン)を有していてもよい。得られる硬化物がより強靭となりやすいという点においては、分子中にエポキシ基またはオキセタニル基と反応性を有する官能基(エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、酸無水物、アルコキシルシラン)を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
熱可塑性樹脂としてはその他の架橋性基を有していてもよい。この場合の架橋性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、架橋性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
熱可塑性樹脂の数平均分子量としては、特に限定はないが、変性オルガノシロキサン化合物との相溶性が良好となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。逆に、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以上であることが好ましく、100000以上であることがより好ましい。分子量分布についても特に限定はないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂の配合量としては特に限定はないが、好ましい使用量の範囲は硬化性組成物全体の5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。添加量が少ないと得られる硬化物が脆くなり易い傾向がある。添加量が多いと耐熱性(高温での弾性率)が低くなり易い傾向がある。
熱可塑性樹脂としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂は変性オルガノシロキサン化合物に溶解して均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合する等して分散状態としてもよい。得られる硬化物がより透明になりやすいという点においては、変性オルガノシロキサン化合物に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱可塑性樹脂を変性オルガノシロキサン化合物に直接溶解させてもよいし、溶媒等を用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態或いは/お及び混合状態としてもよい。
熱可塑性樹脂を分散させて用いる場合は、平均粒子径は種々設定できるが、好ましい平均粒子径の下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は10μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となり易いという観点からは、粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
(充填材)
硬化性組成物には必要に応じて充填材を添加してもよい。
充填材としては各種のものが用いられるが、例えば、石英、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系充填材、窒化ケイ素、銀粉、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、無機バルーン等の無機充填材をはじめとして、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として一般に使用或いは/及び提案されている充填材等を挙げることができる。
(老化防止剤)
本発明で得られる硬化性組成物には老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、ヒンダートフェノール系等一般に用いられている老化防止剤の他、クエン酸やリン酸、硫黄系老化防止剤等が挙げられる。
ヒンダートフェノール系老化防止剤としては、チバスペシャリティーケミカルズ社から入手できるイルガノックス1010をはじめとして、各種のものが用いられる。
硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
また、これらの老化防止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(ラジカル禁止剤)
本発明で得られる硬化性組成物にはラジカル禁止剤を添加してもよい。ラジカル禁止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール(BHT)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス(メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン等のフェノール系ラジカル禁止剤や、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系ラジカル禁止剤等が挙げられる。
また、これらのラジカル禁止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(紫外線吸収剤)
本発明で得られる硬化性組成物には紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート等が挙げられる。
また、これらの紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(溶剤)
得られる反応物が高粘度である場合、溶剤に溶解して用いることも可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)、エチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。
溶剤としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、クロロホルムが好ましい。
使用する溶剤量は適宜設定できるが、用いる硬化性組成物1gに対しての好ましい使用量の下限は0.1mLであり、好ましい使用量の上限は10mLである。使用量が少ないと、低粘度化等の溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラック等の問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。
これらの、溶剤は単独で使用してもよく、2種類以上の混合溶剤として用いることもできる。
(その他添加剤)
本発明の硬化性組成物には、その他、着色剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、アンチモン−ビスマス等のイオントラップ剤、チクソ性付与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤等を本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
(硬化性組成物の調整方法および硬化方法)
硬化性組成物の調製方法は特に限定されず、種々の方法で調製可能である。各種成分を硬化直前に混合調製しても良く、全成分を予め混合調製した一液状態で低温で貯蔵しておいても良い。変性ポリオルガノシロキサン化合物の他に、物性改良の目的で熱可塑性樹脂等の添加剤を使用する場合は、これらの添加剤とカチオン重合開始剤を予め混合して貯蔵しておき、硬化直前にそれぞれの所定量を混合して調製しても良い。熱可塑性樹脂等の添加剤にカチオン重合開始剤を予め溶解させておくことで、混合時間を短縮でき、カチオン重合開始剤を揮発性の溶剤に溶解する必要が無くなる。変性ポリオルガノシロキサン化合物にカチオン重合開始剤を混合調整し、保存する場合は、エポキシ基又はオキセタニル基が反応性を有するために、貯蔵中に変質する可能性がある。
熱硬化温度としては種々設定できるが、好ましい温度の下限は30℃、より好ましくは60℃、さらに好ましくは90℃である。好ましい温度の上限は250℃、より好ましくは200℃、さらに好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなる場合がある。反応温度が高いと着色や隆起する場合がある。
硬化は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。一定の温度で行うより多段階的あるいは連続的に温度を上昇させながら反応させた方が、着色が少なく、歪の少ない硬化物が得られやすいという点において好ましい。
光硬化させるための光源としては、通常200〜450nmの範囲の波長を含む光源、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、発光ダイオードなどを使用できる。使用するカチオン重合開始剤や増感剤の吸収波長を発光する光源を使用すればよい。露光量は特に制限されないが、好ましい露光量の範囲は10〜5000mJ/cm2、より好ましくは20〜1000mJ/cm2である。露光量が少ないと硬化しない。露光量が多いと急硬化のために変色することがある。好ましい硬化時間の範囲は30〜120秒、より好ましくは1〜60秒である。硬化時間が長いと、光硬化の速硬化の特徴が活かされない傾向がある。
(用途)
本発明の硬化性組成物或いは硬化物は種々の用途に用いることができる。従来のエポキシ樹脂接着剤が使用される各種用途に応用することが可能である。
例えば、透明材料、光学材料、光学レンズ、光学フィルム、光学シート、光学部品用接着剤、光導波路用材料、光導波路結合用光学接着剤、光導波路周辺部材固定用接着剤、DVD貼り合せ用接着剤、粘着剤、ダイシングテープ、電子材料、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、高電圧絶縁材料、層間絶縁膜、絶縁用パッキング、絶縁被覆材、接着剤、高耐熱性接着剤、高放熱性接着剤、光学接着剤、LED素子の接着剤、各種基板の接着剤、ヒートシンクの接着剤、塗料、UV粉体塗料、インク、着色インク、UVインクジェット用インク、コーティング材料(ハードコート、シート、フィルム、剥離紙用コート、光ディスク用コート、光ファイバ用コート等を含む)、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、シーリング材料、ポッティング材料、封止材料、発光ダイオード用封止材料、光半導体封止材料、液晶シール剤、表示デバイス用シール剤、電気材料用封止材料、太陽電池の封止材料、高耐熱シール材料、レジスト材料、液状レジスト材料、着色レジスト、ドライフィルムレジスト材料、ソルダーレジスト材料、カラーフィルター用材料、光造形用材料、発光ダイオード用材料、液晶ディスプレイ用材料、有機EL用材料、プラズマディスプレイ用材料、電子ペーパー用材料、ホログラム用材料、太陽電池用材料、燃料電池用材料、表示材料、記録材料、防振材料、防水材料、防湿材料、熱収縮ゴムチューブ、オーリング、複写機用感光ドラム、電池用固体電解質、ガス分離膜に応用できる。また、コンクリート保護材、ライニング、土壌注入剤、蓄冷熱材、滅菌処理装置用シール材、コンタクトレンズ、酸素富化膜の他、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
本発明の実施例および比較例で作製された、反応物(αβ)のSiH基価、変性ポリオルガノシロキサン化合物の残存SiH基価およびエポキシ基価は以下のように測定した。
(NMR)
バリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッド製、300MHz NMR装置を用いた。
反応物(αβ)合成でのアリル基の反応率は、反応液を重クロロホルムで1%程度まで希釈したものを1H−NMR測定し、未反応アリル基由来のメチレン基のピークと、反応アリル基由来のメチレン基のピークから算出した。反応物(αβ)と、変性ポリオルガノシロキサン化合物の官能基価は、ジブロモエタン換算でのSiH基価(mmol/g)と、エポキシ基価(mmol/g)を求めた。
(合成実施例1)
2Lオートクレーブにトルエン602g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン626gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温105℃で加熱、攪拌した。トリアリルイソシアヌレート90.0g、トルエン90.0g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0570gの混合液を40分かけて滴下した。滴下終了から4時間後に1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン及びトルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物1」を得た。
「反応物1」は、1H−NMR測定より、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がトリアリルイソシアヌレートのアリル基と反応したものであり、SiH基価9.2mmol/gであることがわかった。
次に、2Lオートクレーブにトルエン300g、「反応物1」100gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温105℃で加熱、攪拌した。1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサン38.2gとトルエン38.2gの混合液を30分かけて滴下した。滴下終了から30分後に1H−NMR測定でビニル基の反応率が95%以上であることを確認した。続けて、内温100℃とし、2Lオートクレーブ内のゲージ圧力を0.02MPaまで下げてから、エチレンガスをゲージ圧力0.20MPaまで加えた。エチレンの反応に伴ってゲージ圧力は下がるため、ゲージ圧力0.07MPaまで下がったところで、再度、エチレンガスをゲージ圧力0.20MPaまで加えた。エチレンガスの添加は合計3回実施し、約10時間で反応終了した。ゲル化抑制剤としてトリフェニルホスフィン0.729gをトルエン10gに溶かして加えた後、反応液を冷却した。この反応液を脱揮することにより、無色透明の変性ポリオルガノシロキサン化合物を得た。得られた変性ポリオルガノシロキサン化合物は、1H−NMR測定より、「反応物1」のSiH基の一部が、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンのビニル基、および、エチレンと反応したものであり、エポキシ基価2.3mmol/g、残存SiH基価2.0mmol/gであることがわかった。
(合成実施例2)
2Lオートクレーブにトルエン450g、合成実施例1で得られた「反応物1」150gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温100℃で加熱、攪拌した。1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサン57.2gとトルエン57.2gの混合液を30分かけて滴下した。滴下終了から60分後に1H−NMR測定でビニル基の反応率が95%以上であることを確認した。続けて、1−へキセン38.8gとトルエン38.8gの混合液を30分かけて滴下した。滴下終了から60分後に1H−NMR測定でビニル基の反応率が95%以上であることを確認した。ゲル化抑制剤としてトリフェニルホスフィン0.0109gをトルエン100倍希釈液で添加した後、反応液を冷却した。この反応液を脱揮することにより、無色透明の変性ポリオルガノシロキサン化合物を得た。得られた変性ポリオルガノシロキサン化合物は、1H−NMR測定より、「反応物1」のSiH基の一部が1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンのビニル基、および、1−へキセンのビニル基と反応したものであり、エポキシ基価2.1mmol/g、残存SiH基価2.1mmol/gであることがわかった。
(合成実施例3)
2Lオートクレーブにトルエン300g、合成実施例1で得られた「反応物1」100gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温100℃で加熱、攪拌した。1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサン38.1gとトルエン38.1gの混合液を30分かけて滴下した。滴下終了から90分後に1H−NMR測定でビニル基の反応率が95%以上であることを確認した。続けて、ビニルトリメチルシラン30.8gとトルエン30.8gの混合液を30分かけて滴下した。滴下終了から60分後に1H−NMR測定でビニル基の反応率が95%以上であることを確認した。ゲル化抑制剤としてトリフェニルホスフィン0.00729gをトルエン100倍希釈液で添加した後、反応液を冷却した。この反応液を脱揮することにより、無色透明の変性ポリオルガノシロキサン化合物を得た。得られた変性ポリオルガノシロキサン化合物は、1H−NMR測定より、「反応物1」のSiH基の一部が1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンのビニル基、および、ビニルトリメチルシランのビニル基と反応したものであり、エポキシ基価2.0mmol/g、残存SiH基価2.0mmol/gであることがわかった。
(合成比較例1)
2Lオートクレーブにトルエン600g、合成実施例1で得られた「反応物1」200gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温105℃で加熱、攪拌した。1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサン76.2gとトルエン76.2gと白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0200gの混合液を30分かけて滴下した。滴下終了から30分後に1H−NMR測定でビニル基の反応率が95%以上であることを確認した。ゲル化抑制剤としてトリフェニルホスフィン0.0403gをトルエン100倍希釈液で添加した後、反応液を冷却した。この反応液を脱揮することにより、無色透明の変性ポリオルガノシロキサン化合物を得た。得られた変性ポリオルガノシロキサン化合物は、1H−NMR測定より、「反応物1」のSiH基の一部が1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサンのビニル基と反応したものであり、エポキシ基価2.5mmol/g、残存SiH基価4.5mmol/gであることがわかった。
(実施例1〜5)
エポキシ基を有する変性ポリオルガノシロキサン化合物として、合成実施例1〜3で得た変性ポリオルガノシロキサン化合物、カチオン重合開始剤としてボロン系芳香族ヨードニウム塩(ローディア社、商品名 RHODORSIL PI2074)の50wt%PGMEA溶液、オキセタン化合物(東亞合成株式会社、商品名 OXT−121)を表1に示した配合割合で硬化性組成物を作製した。配合方法については、エポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物と、カチオン重合開始剤を所定量混合し、攪拌、脱泡したものを硬化性組成物とした。得られた硬化性組成物中の泡の有無を観察し、粘度を測定した。
硬化性組成物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとして挟み込んで作製したセルに流し込み、90℃2時間、110℃2時間、130℃2時間、150℃2時間加熱後、徐冷し、硬化物を得た。
得られた各硬化物中の泡の有無を観察し、ガラス転移温度の測定、光線透過率の測定、および、冷熱衝撃試験による耐クラック性を下記の通り行い、これらの結果を表1に示す。
(硬化性組成物中の泡の有無)
作製した硬化性組成物を室温で2h放置し、目視により評価した。
(粘度測定)
東京計器(株)製、E型粘度計を用いて、23℃の条件にて、硬化性組成物の粘度を測定した。
(硬化物中の泡の有無)
作製した硬化物を白紙の上に置き、目視により評価した。
(ガラス転移温度)
作製した硬化物より3mm×5mm×30mmの試験片を切り出し、アイティー計測制御社製DVA−200を用いて、引張りモード、測定周波数10Hz、歪0.01%、静/動力比1.5、昇温速度5℃/分の条件にて、試験片の動的粘弾性を測定した。tanδのピーク温度を硬化物のガラス転移温度とした。
(光線透過率)
作製した硬化物から3mm×10mm×30mmの試験片を切り出し、(株)日立製作所製U−3300を用いて、スキャンスピード300nm/minの条件で、試験片の光線透過率を測定した。
(冷熱衝撃試験)
作製した硬化物より3mm×5mm×30mmの試験片を切り出し、試験片を265℃のハンダ浴に20秒浸し、直ちに5℃以下の氷水浴に20秒浸した後、試験片のクラックの有無を目視で観察した。試験片中のクラック数が0〜1を○、2〜3を△、4以上を×とした。
(比較例1〜2)
エポキシ基を有する変性ポリオルガノシロキサン化合物として、合成比較例1で得た変性ポリオルガノシロキサン化合物を用いた以外は、実施例1〜5と同様にして硬化性組成物を作製し、硬化物を得た。得られた各硬化性組成物および硬化物の外観観察、ガラス転移温度の測定、光線透過率測定、冷熱衝撃試験は実施例1〜5と同様に行い、これらの結果を表1に示す。
表1に示されるとおり、本発明の変性ポリオルガノシロキサン化合物を使用して得られた硬化性組成物は、比較例で作製された硬化性組成物に対して、発泡抑制に優れていることがわかる。実施例で作製された熱硬化物は、比較例で作製された熱硬化物に劣らず、光学的透明性に優れており、比較例で作製された硬化物に対して、発泡抑制に優れていることがわかる。さらに、化合物(ε1)としてビニルトリメチルシランまたはエチレンを使用して得られた変性ポリオルガノシロキサン化合物を用いてなる硬化物(実施例2,3、5)では、さらに耐クラック性をも奏することがわかる。また、化合物(ε1)としてヘキセンを使用して得られた変性ポリオルガノシロキサン化合物を用いてなる硬化性組成物(実施例1,4)では、さらに、粘度が低くなっているため作業性に優れることがわかる。

Claims (16)

  1. 下記化合物のヒドロシリル化反応生成物である、1分子中にエポキシ基及び/又はオキセタニル基を2個以上有する変性ポリオルガノシロキサン化合物:
    (α1)1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を2〜6個有する有機化合物、
    (β1)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン化合物、
    (γ1)1分子中に、エポキシ基又はオキセタニル基を少なくとも1個とSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個とを有する有機化合物、及び、
    (ε1)1分子中に、SiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個有する化合物。
  2. 前記化合物(α1)が、下記一般式(I)
    (式中R1は炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよく、少なくとも2個のR1はSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含む)である、請求項1に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物。
  3. 前記化合物(α1)が、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノベンジルイソシアヌレート、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3−ビス(ビニルオキシ)アダマンタン、1,4−シクロへキサンジメタノールジビニルエーテル、ジシクロペンタジエン、5−ビニルビシクロ〔2.2.1〕へプタ−2−エン、ジビニルベンゼン、ビニルシクロへキセン、1,5−ヘキサジエン、1,9−デカジエン、ジアリルエーテル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、1,3,5−トリス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(ビニルオキシ)アダマンタン、および、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物。
  4. 前記化合物(β1)が、下記一般式(II)
    (式中R2は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す)で表されるSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサン化合物である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物。
  5. 前記化合物(γ1)が、カチオン重合性官能基であるエポキシ基又はオキセタニル基を少なくとも1個と、SiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1個とを有する有機化合物である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物。
  6. 前記化合物(γ1)が、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロへキサン、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、および、1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパンからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物。
  7. 前記化合物(ε1)が、エチレン、1−ヘキセンおよびアリルトリメチルシランからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物。
  8. 前記化合物(ε1)が、エチレン、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンおよびビニルトリメチルシランからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の変性ポリオルガノシロキサン化合物、および、カチオン重合開始剤を含有する、硬化性組成物。
  10. 前記カチオン重合開始剤が、ボロン系芳香族ヨードニウム塩、アンチモン系芳香族ヨードニウム塩、および、リン系芳香族ヨードニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項9に記載の硬化性組成物。
  11. 前記カチオン重合開始剤の含有量が変性ポリオルガノシロキサン化合物100重量部に対して0.01〜1.0重量部である、請求項9または10に記載の硬化性組成物。
  12. 更に、カチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物を含有する、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  13. 前記カチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物のカチオン重合性官能基が、脂環式エポキシ基、グリシジル基、オキセタニル基、および、ビニルエーテル基からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項12に記載の硬化性組成物。
  14. 前記カチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物が、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、ビス〔1−エチル(3−オキセタニル)〕メチルエーテル、および、3,4−エポキシシクロへキセニルメチル−3',4'−エポキシシクロへキセンカルボキシレ−トからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項12または13に記載の硬化性組成物。
  15. 前記カチオン重合性官能基を少なくとも1個有する有機化合物の含有量が、変性ポリオルガノシロキサン化合物100重量部に対して1〜100重量部である、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  16. 請求項9乃至15のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化してなる硬化物。
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