JP2008289732A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水浸法において超音波探触子を3次元的に移動しなくとも画質のよい超音波画像の提供を可能とする。
【解決手段】液体が入った水槽に浸水された被検体の一部分を機械的に移動される超音波探触子2を介して超音波で走査する超音波診断装置1において、超音波探触子2を移動可能に支持する支持機構3と、超音波探触子2による受信信号に基づいて超音波画像のデータを発生する画像発生部6と、発生された超音波画像に基づいて被検体の一部分の表面を計算する表面計算部7と、計算された表面に基づいて超音波探触子2の位置の変化に応じて超音波ビームの偏向角度とフォーカス点との少なくとも一方を変化させるスキャン制御部8と、を具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】液体が入った水槽に浸水された被検体の一部分を機械的に移動される超音波探触子2を介して超音波で走査する超音波診断装置1において、超音波探触子2を移動可能に支持する支持機構3と、超音波探触子2による受信信号に基づいて超音波画像のデータを発生する画像発生部6と、発生された超音波画像に基づいて被検体の一部分の表面を計算する表面計算部7と、計算された表面に基づいて超音波探触子2の位置の変化に応じて超音波ビームの偏向角度とフォーカス点との少なくとも一方を変化させるスキャン制御部8と、を具備する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液体を介して被検体をスキャンする水浸法が可能な超音波診断装置に関する。
近年、超音波診断装置による乳がん検診が多く行なわれている。乳がん検診は、水が入った水槽に被検体の乳房と超音波探触子の少なくとも超音波送受信面とを入れ、水を介して乳房に対して超音波を送受信することで行なわれる。この様なスキャン方法は、水浸法と呼ばれている。
水浸法において超音波画像の解像度を良くするためには、乳房表面の接線に対して垂直に超音波ビームをあてることが重要である。しかし、乳房は平面ではないため、乳房表面の接線に対して超音波ビームが斜めに照射され、解像度が落ちてしまうという問題がある。この問題は、超音波探触子を機械的に3次元的に動かして超音波ビームを乳房表面に垂直に当てることで対処可能である(例えば、特許文献1参照)。だが、超音波探触子を3次元的に動かす機構は、構造が複雑であり価格やメンテナンスコストが上昇するという問題が生じてしまう。
一方、水浸法において超音波探触子を単に機械的に水平に移動する場合、超音波探触子の超音波送受信面と乳房表面との間隔が一定でないため、フォーカス点の位置を固定すると、超音波探触子の位置によりフォーカス点と乳房表面との距離が変わってしまうという問題がある。これも3次元的に超音波探触子を動かすことでも距離を一定に保つことが出来るが、上述のようにこのような機構は、構造が複雑であり価格やメンテナンスコストが上昇するという問題が生じてしまう。
特表2004−516865号
本発明の目的は、水浸法において超音波探触子を3次元的に移動しなくとも画質のよい超音波画像の提供を可能とする超音波診断装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係る超音波診断装置は、ある局面において、液体が入った水槽に被検体の一部分と超音波探触子の少なくとも超音波送受信面とを入れ、前記超音波探触子を機械的に移動させながら前記被検体の一部分に超音波を送受信する超音波診断装置において、前記超音波探触子を移動可能に支持する支持機構と、前記超音波探触子による受信信号に基づいて超音波画像のデータを発生する画像発生部と、前記発生された超音波画像に基づいて前記被検体の一部分の表面を計算する表面計算部と、前記計算された表面と前記超音波探触子の位置とに基づいて前記超音波探触子の位置の変化に応じて超音波ビームの偏向角度とフォーカス点との少なくとも一方を変化させるスキャン制御部と、を具備することを特徴とする。
本発明に係る超音波診断装置は、更なる局面において、液体が入った水槽に被検体の一部分と超音波探触子の少なくとも超音波送受信面とを入れ、前記超音波探触子を機械的に移動させながら前記被検体の一部分に超音波を送受信する超音波診断装置において、前記超音波探触子を移動可能に支持する支持機構と、前記超音波探触子による受信信号に基づいて超音波画像のデータを発生する画像発生部と、前記発生された超音波画像を表示する表示部と、前記表示された超音波画像の特定領域を指定する指定部と、前記指定された特定領域の表面を計算する表面計算部と、前記計算された前記特定領域の表面と前記超音波探触子の位置とに基づいて、前記超音波探触子の位置の変化に応じて前記超音波ビームの偏向角度及び前記フォーカス点を変化させるスキャン制御部と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、水浸法において超音波探触子を3次元的に移動しなくとも画質のよい超音波画像の提供が可能となる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態に係る超音波診断装置は、超音波探触子全体及び被検体の一部分、特に乳房を水の入った水槽に入れ、超音波探触子を機械的に移動させながら水を介して被検体の乳房に対して超音波を送受信する水浸法が可能な超音波診断装置であるとする。なお、第1実施形態における水浸法では、超音波探触子全体を水中に入れるとしたが、超音波探触子の超音波送受信面のみを水中に入れるタイプであってもよい。
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態に係る超音波診断装置は、超音波探触子全体及び被検体の一部分、特に乳房を水の入った水槽に入れ、超音波探触子を機械的に移動させながら水を介して被検体の乳房に対して超音波を送受信する水浸法が可能な超音波診断装置であるとする。なお、第1実施形態における水浸法では、超音波探触子全体を水中に入れるとしたが、超音波探触子の超音波送受信面のみを水中に入れるタイプであってもよい。
図1は、第1実施形態における超音波診断装置1の構成を示す図である。図1に示すように超音波診断装置1は、超音波探触子2、支持機構3、位置検出器4、送受信部5、画像発生部6、構造決定部7、スキャン制御部8、表示部9、指定部10、記憶部11及びシステム制御部12を有する。以下、個々の構成要素について説明する。
超音波探触子2は、一列に配列された複数の超音波振動子を有する。超音波探触子2は、送受信部5からの超音波駆動パルスの印加を受けて超音波を被検体に送信する。被検体等によって反射された超音波は、受信信号として個々の超音波振動子で受信され、送受信部5に送信される。超音波探触子2は、典型的には水槽に入っており水に浸されている。
図2は、水槽内に規定された座標系を示す図である。図2に示すように、Z軸は水槽の高さ方向で、Z軸に垂直な平面をXY平面に規定する。X軸及びY軸は水槽の壁に沿う方向に規定されている。超音波探触子2の複数の超音波振動子の配列方向をX方向に規定する。また、超音波の伝播方向をZ方向に規定する。
支持機構3は、水槽に取り付けられ超音波探触子2を水槽内の3次元空間を移動可能に支持する。
位置検出器4は、典型的には超音波探触子2に装備されており、超音波探触子2の角度や水槽内に規定された実際の3次元空間(以下、実3次元空間と呼ぶ)における位置を示す座標等の位置情報を検出する。
送受信部5は、スキャン制御部8からの制御信号に従って、超音波を発生させるための駆動信号を発生し、発生した駆動信号を超音波探触子2に供給することにより、制御信号に応じた偏向角度及びフォーカス点で超音波ビームを発生させる。また、送受信部5は、超音波探触子2からの受信信号に包絡線検波等の処理をする。
画像発生部6は、包絡線検波等された受信信号に基づいて超音波画像を発生する。発生された超音波画像は、検出された超音波探触子2の位置と関連付けられており、発生された超音波画像内の座標は、図2に示す水槽内の実3次元空間の座標と対応づけられている。
表面計算部7は、表面抽出機能と近似機能とを有する。表面抽出機能において表面計算部7は、発生された複数の超音波画像各々から輝度値に基づいて被検体の乳房表面を抽出する。そして近似機能において表面計算部7は、抽出された複数の乳房表面のデータに基づいて乳房表面を放物線や円弧等で近似する。近似した乳房表面を、近似乳房表面を呼ぶことにする。乳房表面の座標は、実3次元空間の座標と対応づけられている。
スキャン制御部8は、計算された又は予め設定された超音波ビームの偏向角度、フォーカス点、超音波探触子の移動速度、移動経路等のスキャン条件に基づいて送受信部5や支持機構3を制御する。
具体的にはスキャン制御部8は、偏向角度計算機能と支持機構制御機能とを有する。偏向角度計算機能においてスキャン制御部8は、生成された近似乳房表面に基づいて、乳房表面の接線に対して略直交に超音波ビームが発生されるような複数の超音波ビームの偏向角度を複数の超音波探触子2の位置についてそれぞれ計算する。そしてスキャン制御部8は、計算された偏向角度で超音波ビームを発生するような制御信号を生成し、生成した制御信号を送受信部5に供給する。
支持機構制御機能においてスキャン制御部8は、支持機構3を制御することにより所定の速度又は移動経路で超音波探触子2を機械的に移動(機械走査)させる。なおスキャン中、超音波探触子2はZ座標固定のもとXY平面を移動するとし、このスキャン中に移動するXY平面を移動平面と呼ぶことにする。超音波探触子2の超音波送受信面は、移動平面と同一のZ座標にあるとし、そのZ座標はゼロに規定する。移動平面は水平面内にある。
表示部9は、発生された超音波画像を表示する。
指定部(入力装置)10は、キーボード、後述するプリスキャン開始ボタン及び本スキャン開始ボタン等の各種ボタン、マウス等を備えた入力装置である。
記憶部11は、発生された超音波画像のデータを検出された超音波探触子2の位置のデータと関連付けて記憶する。また、記憶部11は、計算された乳房表面の3次元構造のデータや種々のデータ、種々の処理を行うためのプログラム等を記憶する。
システム制御部12は、超音波診断装置1としての動作を実現するように各構成要素を制御する。システム制御部1は、CPU及びRAMを含み、記憶部11からプログラム読み出して上記RAM上に展開し、このプログラムに従った処理を上記CPUが実行することによって制御機能を実現する。
以下、本実施形態における超音波診断装置1の処理の一例を説明する。第1実施形態における処理では、2回のスキャンが行なわれる。初めに行なわれるスキャンは、超音波ビームの偏向角度を計算するために乳房表面のデータを得るためのスキャンである。この初めに行なわれるスキャンをプリスキャンと呼ぶことにする。2番目は、計算された偏向角度に従って行なわれるスキャンである。この2番目に行なわれるスキャンを本スキャンと呼ぶことにする。
図3は、第1実施形態に係る本スキャンでの超音波探触子2の移動経路の一例を示す図である。図3に示すように、スキャン制御部8は所定の手順に従って超音波探触子2を所定の始点SPに移動させる。典型的に始点SPは、超音波探触子2の移動範囲IRの端である。超音波探触子2は始点SPからX方向に沿って移動し(スキャン経路PA1)、X方向の移動範囲の端まで到達する。次にスキャン制御部8は、超音波探触子2をY方向に所定の間隔(以下、経路間隔と呼ぶ)dだけ移動する。そしてスキャン制御部8は、移動したY座標において再び超音波探触子2をX方向に移動範囲の端から端まで移動させる(スキャン経路PA2)。これを繰り返し、スキャン経路PA3、スキャン経路PA4を移動し、超音波探触子2がスキャン経路PA5の所定の終点EPに到達するとスキャンは終了する。
プリスキャンは、発生される超音波画像から乳房表面が識別できれば良いので、本スキャンよりも解像度が低くても良い。プリスキャンにおいてスキャン制御部8は、本スキャンにおける移動速度よりも速くしたり、本スキャンにおけるスキャン経路の幾つかを間引いたりして超音波探触子2を移動させ、プリスキャンに係るスキャン時間を本スキャンに係るスキャン時間よりも短くする。
図4は、第1実施形態に係るプリスキャンでの超音波探触子2の移動経路の一例を示す図である。図4に示すように、プリスキャンにおいてスキャン制御部8は、超音波探触子2を所定の始点SPから移動させ、順番にスキャン経路PB1、スキャン経路PB2そしてスキャン経路PB3を移動させる。そして、超音波探触子2が終点EPに到達するとプリスキャンは終了する。プリスキャンにおける経路間隔2dは、本スキャンにおける経路間隔dの2倍であるとする。また、本スキャンにおけるスキャン経路PA1とプリスキャンにおけるスキャン経路PB1、本スキャンにおけるスキャン経路PA3とプリスキャンにおけるスキャン経路PB2、そして本スキャンにおけるスキャン経路PA5とプリスキャンにおけるスキャン経路PB1とのY座標は略等しいとする。プリスキャンでは、本スキャンにおけるスキャン経路PA2及び本スキャンにおけるスキャン経路PA4は、通らない。
次に第1実施形態における超音波診断装置1の処理の流れを説明する。
図5は、第1実施形態における処理の流れを示す図である。入力装置(指定部)10を介した操作者からのプリスキャン開始の要求を受けて、システム制御部12は各構成要素を制御することにより本スキャンよりも解像度が低いスキャン(プリスキャン)を行なう(ステップSA1)。
図6は、プリスキャンにおける超音波ビームの発生方向を示す図である。図6に示すようにプリスキャンにおける超音波ビームの偏向角度αは、超音波探触子2の位置に応じて変化せず一定であり、例えば略90度である。また、超音波ビームのフォーカス点は一定の位置に設定されており、超音波探触子2の位置に応じて変化せず一定である。
プリスキャンが終了するとシステム制御部12は、画像発生部6に画像発生処理を行なわせる。プリスキャンで得た超音波探触子2による受信信号に基づいて、画像発生部6は、複数の超音波画像のデータを発生する(ステップSA2)。発生された超音波画像のデータはXZ断面画像のデータである。
図7は、図4のスキャン経路PB1、PB2及びPB3に対応する3つの超音波画像を示す図である。図7(a)はスキャン経路PB1での超音波画像I1、図7(b)はスキャン経路PB2での超音波画像I2、図7(c)はスキャン経路PB3での超音波画像I3を示す図である。超音波画像I1は、記憶部にスキャン経路PB1のY座標と関連付けられる。他の超音波画像も同様であり、超音波画像I2はスキャン経路PB2のY座標と、超音波画像I3はスキャン経路PB3のY座標と関連付けられる。
ステップSA2にて超音波画像が発生されると、システム制御部12は、表面計算部8に表面抽出処理及び近似処理を行なわせる。表面抽出処理において表面計算部8は、ステップSA2にて発生した複数の超音波画像各々から乳房表面を抽出し(ステップSA3)、近似処理において表面計算部8は、ステップSA3にて抽出した複数の乳房表面のデータを放物線や円弧等で近似することにより近似乳房表面のデータを生成する(ステップSA4)。
以下、ステップSA3及びステップSA4の処理を具体的に説明する。
まず、表面計算部8は、図7(a)、図7(b)及び図7(c)に示すように、超音波画像における体領域BRと水領域WRとの境にある複数の連続する画素、つまり乳房表面MRの画素のデータを輝度値に基づいて抽出する。そして抽出した複数の乳房表面MRの画素のデータを放物線や円弧等に近似し、複数の近似乳房表面のデータを生成する。
図8はステップSA3にて生成された近似乳房表面を示す図である。図8に示すように、ステップSA4において表面計算部7は、ステップSA3にて抽出した3つの近似乳房表面(乳房表面MR1、MR2及びMR3)のデータを、それぞれの近似乳房表面の位置情報(Y座標)に応じてRAM上の3次元空間に配置する。
プリスキャンを本スキャンでのスキャン経路を間引いて行なったため、間引いたスキャン経路に対応する近似乳房表面のデータは生成されない。今後の処理のため、本スキャンでの全てのスキャン経路に対応する近似乳房表面を用意する必要がある。
具体的には、プリスキャンでは、本スキャンにおけるスキャン経路PA2及びPA4を間引いたので、スキャン経路PA2及びPA4に対応する近似乳房表面のデータは生成されない。そこで表面計算部7は、近似乳房表面MR1、MR2及びMR3のデータに基づいて、スキャン経路PA2及びPA4と同じY座標における近似乳房表面(CMR1及びCMR2)のデータを補間する。この結果、本スキャンでの全てのスキャン経路に対応する近似乳房表面のデータが全て生成されたことになる。
近似乳房表面のデータが生成されると、システム制御部12は、スキャン制御部8に偏向角度計算処理を行なわせる。偏向角度計算処理においてスキャン制御部8は、ステップSA4にて生成した近似乳房表面のデータに基づいて超音波ビームと乳房表面の接線とが略直交するような超音波ビームの偏向角度を超音波探触子2の位置に応じて計算する(ステップSA5)。以下、ステップSA5の処理を説明する。
図9は、ステップSA5を説明するための図であり、ステップSA4にて計算した近似乳房表面と超音波探触子2の移動平面とのXZ平面を示す図である。まず、スキャン制御部8は、ステップSA4にて計算された近似乳房表面に複数のサンプル点S1、S2、…、Snを設定する。設定した複数のサンプル点S1、S2、…、Snのそれぞれについて、スキャン制御部8は、乳房内側から外側へ向かう法線ベクトルV1、V2、…、Vnを計算する。計算された複数の法線ベクトルV1、V2、…、Vnそれぞれについて、スキャン制御部8は、それぞれの法線ベクトルV1、V2、…、Vnの延長上にある超音波探触子2の移動平面上の座標点O1、O2、…、Onを特定する。ここで、特定された座標点Oが超音波探触子2の移動範囲外にある場合(図9の座標点O1及びOn)、その座標点は、今後の処理の対象外とする。そして、通常の幾何学的計算により、スキャン制御部8は、サンプル点S2、…、Sn-1とそれに対応する座標点O2、…、On-1とに基づいて線分OSと移動平面とがなす角度α2、…、αn-1を計算する。計算した角度α2、…、αn-1が、座標点O2、…、On-1における超音波ビームの偏向角度である。なお、各座標点間における偏向角度は、直近の2つの偏向角度の線形補間等によって計算される。この偏向角度計算処理は、ステップSA4にて生成された近似乳房表面それぞれについて行なわれる。
ステップSA5にて偏向角度が計算されると、システム制御部12は、操作者による本スキャンの開始要求を待機する。操作者による入力装置11を介した本スキャンの開始要求を受信するとシステム制御部12は、超音波診断装置1の各構成要素を制御することにより、本スキャンを開始する。本スキャンにおいてスキャン制御部8は、ステップSA5にて計算した座標点と偏向角度とに従って本スキャンを行なう(ステップSA6)。なお、ステップSA5が終了したら、自動的に本スキャンが開始されるとしても良い。
図10は、ステップSA6にて行なわれる本スキャンを説明するための図である。スキャン制御部8は、所定の手順で超音波探触子2を移動平面で移動させながら、計算した超音波探触子2の位置(座標点)に応じた偏向角度に従って超音波ビームを偏向させる。偏向角度αで偏向された超音波ビームは、乳房表面のY方向に垂直な接線に対して垂直に入射する。ステップSA4にて処理の対象外とされたサンプル点では、所定の超音波ビームの偏向角度、例えば90°で超音波ビームが発生される。
本スキャンが終了するとシステム制御部12は、画像発生部6に画像発生処理を行なわせる。画像発生処理において画像発生部6は、ステップSA6にて行なった本スキャンで得た超音波探触子2による受信信号に基づいて、超音波画像を発生する(ステップSA7)。ステップSA7にて発生される超音波画像は、超音波ビームが乳房表面のY方向に平行な接線に対して垂直に入射されるため、垂直に入射されない場合に比して画質が向上する。
ステップSA7にて画像が発生されると、システム制御部12は、発生した超音波画像を表示部9に表示させる。(ステップSA8)。
以上で、第1実施形態における処理が終了する。
なお、プリスキャンにおける超音波探触子2のスキャン経路は、上記の例にとどまらない。図11は、図4とは異なるプリスキャンのスキャン経路を示す図である。図11に示すスキャン経路を用いるプリスキャンにおいて超音波探触子2は、十字のようにX方向とY方向とに沿ってそれぞれ一回ずつ移動する。ここでX方向に移動するスキャン経路をスキャン経路PX、Y方向に移動するスキャン経路をスキャン経路PYとする。スキャン経路PXとスキャン経路PYとは直角に交わるとする。この図11に示すスキャン経路を用いるプリスキャンを、十字型プリスキャンと呼ぶことにする。
表面計算部7は、スキャン経路PXに基づく超音波画像及びスキャン経路PYに基づく超音波画像それぞれから、乳房表面を抽出し、抽出したそれぞれの乳房表面に基づいて近似乳房表面APX及び近似乳房表面APYのデータを生成する。
十字型プリスキャンを行なう場合、表面計算部7は、表面抽出機能と近似機能とに加え3次元構造計算機能を有する。3次元構造計算機能において表面計算部7は、生成した近似乳房表面APX及びAPYのデータに基づいて近似乳房表面の3次元構造を計算する。
図12は、図11の十字型プリスキャンを行なった場合の乳房表面の3次元構造を生成する処理を説明するための図である。図12(a)は、生成された近似乳房表面APXと近似乳房表面APYとの位置関係を示す。まず表面計算部7は、図12(a)に示すように、近似乳房表面APX及びAPYをそれぞれの位置情報に基づいてRAM上に配置する。ここで、近似乳房表面APXの径を径R1及び近似乳房表面APYの径を径R2とし、径R1と径R2との成す角をθとする。そして表面計算部7は、計算した径R1及び径R2に公知の技術であるモーフィングと呼ばれる技術を適用して乳房表面の3次元構造を計算する。図12(b)は、縦軸をあるZ座標における径の長さRに、横軸を角度θに規定したグラフである。図12(a)との対応からθ=0°の径RはR1、θ=90°の径RはR2である。θ=0°とθ=90°との間における径の長さRは、R1とR2との線形補間である。表面計算部7は、モーフィング技術を用いて、図12(a)に示した乳房表面APXと乳房表面APYとを図12(b)の関係に従ってRを変化させながら90°回転させることによって、乳房表面の3次元構造を計算する。
偏向角度計算処理において、乳房表面の3次元構造に対して設定されるサンプル点は、本スキャンにおけるスキャン経路に対応する乳房表面の3次元構造の直線上に一定間隔で設定される。
上記構成により、超音波探触子2をXY平面に移動させるだけで、超音波探触子2の位置に応じて超音波ビームを乳房表面の接線に対して略直角に発生させることが可能となる。その結果、超音波探触子2を3次元的に移動しなくとも画質の良い超音波画像を提供することが可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、近似乳房表面に基づいて、超音波探触子2の位置の変化に応じて超音波ビームのフォーカス点を変化させる超音波診断装置1の例を説明する。なお、なお以下の説明において、第1実施形態と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
第2実施形態では、近似乳房表面に基づいて、超音波探触子2の位置の変化に応じて超音波ビームのフォーカス点を変化させる超音波診断装置1の例を説明する。なお、なお以下の説明において、第1実施形態と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
第2実施形態におけるスキャン制御部8は、支持機構制御機能に加えフォーカス点計算機能を有する。フォーカス点計算機能においてスキャン制御部8は、生成された近似乳房表面のデータに基づいて、複数の超音波探触子2の位置に応じた複数のフォーカス点の位置を計算する。このフォーカス点の位置は、超音波探触子2の位置に依らず、常に乳房表面から一定の距離にある。そしてスキャン制御部8は、計算したフォーカス点を有する超音波ビームを発生するような制御信号を生成し、生成した制御信号を送受信部5に供給する。なお第2実施形態における超音波ビームの偏向角度は常に略90°であるとする。
次に第2実施形態における超音波診断装置1の処理の一例を説明する。図13は、第2実施形態における処理の流れの一例を示す図である。
まずシステム制御部12は、プリスキャンを行ない(ステップSB1)、プリスキャンで得た超音波探触子2による受信信号に基づいて複数の超音波画像を発生する(ステップSB2)。そしてシステム制御部12は、ステップSB2にて発生した複数の超音波画像各々から乳房の表面を抽出し(ステップSB3)、抽出した複数の表面に基づいて複数の近似乳房表面を生成する(ステップSB4)。
複数の近似乳房表面が生成されるとシステム制御部12は、スキャン制御部8にフォーカス点計算処理を行なわせる。フォーカス点計算処理においてスキャン制御部8は、ステップSB4にて生成した複数の近似乳房表面それぞれと超音波探触子2の送受信面との距離を超音波探触子2の位置に応じて計算する(ステップSB5)。
図14は、ステップSB5を説明するための図である。図14に示すように、まずスキャン制御部8は、近似乳房表面に複数のサンプル点S1、S2、…、Snを設定する。次に、複数のサンプル点S1、S2、…、Snについて、スキャン制御部8は、サンプル点S1、S2、…、Snのそれぞれと同じXY座標を有する移動平面上の座標点O1、O2、…、Onを特定する。この座標点は、本スキャンにおける超音波探触子2の超音波送受信面の位置となる。超音波送受信面の位置とは、例えば、超音波送受信面のX方向に沿う中心である。
次にスキャン制御部8は、複数のサンプル点S1、S2、…、Snとそれに対応する座標点O1、O2、…、Onとの距離DA1、DA2、…、DAnを計算する。そしてスキャン制御部8は、計算した複数の距離DA1、DA2、…、DAnと所定の値(例えば、1cm程度)DBとを加算する。この所定の値DBは、超音波探触子2の位置に依らず一定である。座標点O1、O2、…、Onから移動平面に垂直にDA1+DB、DA2+DB、…、DAn+DBの距離にある点をフォーカス点FP1、FP2、…、FPnとする。所定の値DBは、操作者等により任意に変更可能である。なお、各座標点間におけるフォーカス点は、直近の2つのフォーカス点の線形補間等によって計算される。フォーカス点算出処理は、ステップSB4にて生成された近似乳房表面の数だけ行なわれる。
ステップSB5にてフォーカス点が計算されると、システム制御部12は、操作者による本スキャンの開始要求を待機する。操作者による入力装置11を介した本スキャンの開始要求を受信するとシステム制御部12は、超音波診断装置1の各構成要素を制御することにより、本スキャンを開始する。本スキャンにおいてスキャン制御部8は、ステップSB5にて計算した座標点とフォーカス点とに従って本スキャンを行なう(ステップSB6)。なお、ステップSB5が終了したら、自動的に本スキャンが開始されるとしても良い。
図15は、ステップSB6にて行なわれる本スキャンを説明するための図である。図15に示すように、スキャン制御部8は、超音波探触子2を移動平面内で移動させながら、ステップSB5にて計算した位置にフォーカス点を有する超音波ビームを発生させる。ステップSB5にて計算した移動平面と乳房表面との距離に所定の値を加算した距離をフォーカス点とすることにより、乳房の形状によらず常に乳房表面から一定距離をフォーカス点とすることが可能となる。なお本スキャン中、超音波ビームの偏向角度は一定であり、例えば90°である。
ステップSB6にて行なった本スキャンで得た超音波探触子2による受信信号に基づいて、超音波画像を発生し(ステップSB7)、ステップSB7にて発生した超音波画像を表示する(ステップSB8)。
上記構成により、超音波探触子2を平面上で動かすだけで、超音波探触子2の位置や乳房の大きさや形状等に依らず、常に乳房表面から一定の距離にフォーカス点を合わせた超音波ビームを発生することが可能である。その結果、その結果、超音波探触子2を3次元的に移動しなくとも画質の良い超音波画像を提供することが可能となる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、近似乳房表面のデータに基づいて、超音波探触子2の位置の変化に応じて超音波ビームの偏向角度及びフォーカス点を変化させることが可能な超音波診断装置1の例を説明する。さらに、第3実施形態では、本スキャンに基づく超音波画像上に特定領域を指定し、指定した特定領域のデータに基づいて超音波ビームの偏向角度及びフォーカス点を変化させる例も説明する。なお、なお以下の説明において、第1実施形態又は第2実施形態と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
第3実施形態では、近似乳房表面のデータに基づいて、超音波探触子2の位置の変化に応じて超音波ビームの偏向角度及びフォーカス点を変化させることが可能な超音波診断装置1の例を説明する。さらに、第3実施形態では、本スキャンに基づく超音波画像上に特定領域を指定し、指定した特定領域のデータに基づいて超音波ビームの偏向角度及びフォーカス点を変化させる例も説明する。なお、なお以下の説明において、第1実施形態又は第2実施形態と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
スキャン制御部8は、偏向角度計算機能とフォーカス点計算機能と支持機構制御機能とを有する。
図16は、第3実施形態における処理の流れの一例を示す図である。
まずシステム制御部12は、プリスキャンを行ない(ステップSC1)、プリスキャンで得た超音波探触子2による受信信号に基づいて複数の超音波画像を発生する(ステップSC2)。そしてシステム制御部12は、ステップSC2にて発生した複数の超音波画像各々から乳房の表面を抽出し(ステップSC3)、抽出した複数の乳房表面に基づいて複数の近似乳房表面のデータを生成する(ステップSC4)。
ステップSC4にて生成した近似乳房表面のデータに基づいて超音波探触子2の位置に応じた超音波ビームの偏向角度を計算するとともに、フォーカス点を計算する(ステップSC5)。ステップ5は、第1実施形態における偏向角度計算処理と第2実施形態におけるフォーカス点計算処理とを実行することで容易に達成できる。従って説明は省略する。
ステップSC5にて偏向角度及びフォーカス点が計算されると、システム制御部12は、操作者による本スキャンの開始要求を待機する。操作者による入力装置11を介した本スキャンの開始要求を受信するとシステム制御部12は、超音波診断装置1の各構成要素を制御することにより、本スキャンを開始する。なお、ステップSC5が終了したら、自動的に本スキャンが開始されるとしても良い。
図17は、ステップSC6にて行なわれる本スキャンを説明するための図である。図17に示すようにスキャン制御部8は、超音波探触子2を移動平面内で移動させながら、ステップSC5にて計算した偏向角度とフォーカス点FPとに従って超音波探触子2の位置の変化に応じて超音波ビームの偏向角度とフォーカス点FPとを変化させる。これにより、超音波探触子2をXY平面内で移動させるだけで、乳房の形状や位置等によらず、常に乳房表面のY方向に垂直な接線に直交し、且つ乳房表面から一定距離をフォーカス点とした超音波ビームを発生することが可能となる。
ステップSC6の本スキャンが終了すると、システム制御部12は、画像発生部6に画像発生処理を行なわせる。画像発生処理において画像発生部6は、本スキャンでの超音波探触子2による受信信号に基づいてXY断面の超音波画像を発生する。(ステップSC7)。
ステップSC7にてXY断面の超音波画像が発生されると、システム制御部12は、表示部9に発生されたXY断面の超音波画像を表示する(ステップSC8)。XY断面の超音波画像が表示部9に表示されると操作者は、指定部10を介して超音波画像上の精査したい領域を指定する。
図18は、ステップSC8にて表示されたXY断面の超音波画像上に領域を指定する処理を説明するための図である。図18に示すように表示画面Dには、XY断面の乳房が描出された超音波画像が表示されている。操作者は、このXY断面の超音波画像の精査したい領域に指定部10を介して詳細スキャン領域DRを指定する。詳細スキャン領域DRは、乳房表面に対して指定される。図18では、詳細スキャン領域DRの形状は四角であるが、円や楕円等の閉曲面や、線或いは点で指定しても良い。また、操作者が指定部10を介してフリーハンドで詳細スキャン領域を指定しても良い。
システム制御部12は、ステップSC8にて表示されたXY断面の超音波画像に詳細スキャン領域が指定されたか否かを判断する(ステップSC9)。操作者は詳細スキャン領域を指定すると、例えば指定部(入力装置)10等に備えられた詳細スキャン開始ボタンを押す。詳細スキャン開始ボタン等が押されることを契機としてシステム制御部12は、ステップSC10に進む。
ステップSC9にて領域が指定されるとシステム制御部12は、スキャン制御部8に領域特定処理を行なわせる。領域特定処理においてスキャン制御部8は、指定された詳細スキャン領域の位置情報に基づいて、当該詳細スキャン領域に対応する近似乳房表面の領域を特定する(ステップSC10)。ステップSC10にて特定される領域を、詳細表面領域と呼ぶことにする。
ステップSC10にて詳細表面領域が特定されるとシステム制御部12は、スキャン制御部8に偏向角度計算処理及びフォーカス点計算処理を行なわせる。偏向角度計算処理及びフォーカス点計算処理においてスキャン制御部8は、特定した詳細表面領域のデータに基づいて超音波ビームの偏向角度及びフォーカス点を超音波探触子2の位置に応じて再計算する(ステップSC11)。
図19は、ステップSC11の処理を説明するための図である。まず、スキャン制御部8は、近似乳房表面の詳細表面領域の両端とその中間の複数点に、サンプル点S1、S2、…、Snを設定する。そしてスキャン制御部8は、設定した複数のサンプル点S1、S2、…、Snに対して、ステップSC5と同様の処理を行なうことにより超音波探触子2の位置に応じた偏向角度及びフォーカス点を再計算する。詳細表面領域の両端のサンプル点S1及びSnに対応する座標点O1及びOnの間隔は、詳細スキャンにおける移動範囲となる。なお、フォーカス点を計算する際に加算される所定の値DBは、精査したい部位の乳房表面からの深さに応じて変更されてもよい。
ステップSC11にて偏向角度及びフォーカス点が再計算されると、システム制御部12は、操作者による詳細スキャンの開始要求を待機する。操作者による入力装置11を介した詳細スキャンの開始要求を受信するとシステム制御部12は、超音波診断装置1の各構成要素を制御することにより、詳細スキャンを開始する(ステップSC12)。詳細スキャンにおいてスキャン制御部8は、ステップSC11にて再計算した偏向角度とフォーカス点とに従って詳細スキャンを行なう。具体的には、スキャン制御部8は、超音波探触子2をステップSC11にて特定された詳細スキャンの移動範囲に限って移動させ、その各々の位置に応じた偏向角度及びフォーカス点に従って超音波ビームを発生させる。
ステップSC12の詳細スキャンが終了すると、システム制御部12は、画像発生部6に画像発生処理を行なわせる。画像発生処理において画像発生部6は、ステップSC12の詳細スキャンにて得られた超音波探触子2による受信信号に基づいて超音波画像を発生する(ステップSC13)。
ステップSC13にて超音波画像を発生すると、システム制御部12は、発生した超音波画像を表示部9に表示する(ステップSC14)。
以上で第3実施形態における処理は終了する。
上記構成により、超音波探触子2を平面上で動かすだけで、超音波探触子2の位置や乳房の大きさや形状等に依らず、常に乳房表面のY方向に垂直な接線に直交し、且つ乳房表面から一定の距離にフォーカス点を合わせた超音波ビームを発生することが可能である。その結果、超音波探触子2を3次元的に移動しなくとも画質の良い超音波画像を提供することが可能となる。
また、発生された超音波画像に対して詳細スキャン領域を設定し、設定した詳細スキャン領域に応じた超音波ビームの偏向角度及びフォーカス点を計算することで、詳細スキャン領域の大きさ、形状及び乳房表面からの距離に依らず、常に詳細スキャン領域に対応する乳房表面のY方向の接線に直交し、且つ精査したい領域にフォーカス点を合わせた超音波ビームを発生することが可能である。その結果詳細スキャンの範囲及び乳房表面からの深さに応じた最適なスキャンが可能となる。その結果、検査部位の特定領域をスキャンする場合においても、超音波探触子2を3次元的に移動しなくとも画質の良い超音波画像を提供することが可能となる。
(変形例)
上記の第1、第2及び第3実施形態では、一列に配列された複数の超音波振動子を有する超音波探触子2であるとした。しかしながら本発明に係る超音波探触子は、これに限定する必要はなく、2次元状に配列された複数の超音波振動子を有するいわゆる2次元アレイ型の超音波探触子50であってもよい。2次元アレイ型の超音波探触子50の場合、X方向にもY方向にも超音波ビームを偏向させることが可能である。そのため、変形例における本スキャンにおいて、超音波探触子50を移動平面で移動させるだけで、図20に示すように超音波ビームを乳房の立体表面に対して垂直に入射させることが可能となる。また同時に、超音波探触子50に位置に依らず、常に超音波ビームのフォーカス点を乳房の立体表面から一定距離に合わせることが可能となる。変形例における超音波ビームの偏向角度及びフォーカス点は、第1実施形態の偏向角度計算処理及び第2実施形態のフォーカス点計算処理を単に3次元に拡張するだけで簡単に計算される。
上記の第1、第2及び第3実施形態では、一列に配列された複数の超音波振動子を有する超音波探触子2であるとした。しかしながら本発明に係る超音波探触子は、これに限定する必要はなく、2次元状に配列された複数の超音波振動子を有するいわゆる2次元アレイ型の超音波探触子50であってもよい。2次元アレイ型の超音波探触子50の場合、X方向にもY方向にも超音波ビームを偏向させることが可能である。そのため、変形例における本スキャンにおいて、超音波探触子50を移動平面で移動させるだけで、図20に示すように超音波ビームを乳房の立体表面に対して垂直に入射させることが可能となる。また同時に、超音波探触子50に位置に依らず、常に超音波ビームのフォーカス点を乳房の立体表面から一定距離に合わせることが可能となる。変形例における超音波ビームの偏向角度及びフォーカス点は、第1実施形態の偏向角度計算処理及び第2実施形態のフォーカス点計算処理を単に3次元に拡張するだけで簡単に計算される。
上記構成により、2次元アレイ型の超音波探触子50を用いることにより、乳房の立体表面に対して垂直に、且つ乳房の立体表面から一定距離にフォーカス点を合わせ超音波ビームを発生することが可能となる。その結果、2次元アレイ型の超音波探触子50を用いた場合、1次元アレイ型の超音波探触子2に比して更なる画質の向上が可能となる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…超音波診断装置、2…超音波探触子、3…支持機構、4…位置検出器、5…送受信部、6…画像発生部、7…表面計算部、8…スキャン制御部、9…表示部、10…指定部(入力装置)、11…記憶部、12…システム制御部。
Claims (7)
- 液体が入った水槽に浸水された被検体の一部分を機械的に移動される超音波探触子を介して超音波で走査する超音波診断装置において、
前記超音波探触子を移動可能に支持する支持機構と、
前記超音波探触子による受信信号に基づいて超音波画像のデータを発生する画像発生部と、
前記発生された超音波画像に基づいて前記被検体の一部分の表面を計算する表面計算部と、
前記計算された表面に基づいて前記超音波探触子の位置の変化に応じて超音波ビームの偏向角度とフォーカス点との少なくとも一方を変化させるスキャン制御部と、
を具備する超音波診断装置。 - 前記スキャン制御部は、超音波ビームが前記表面に対して略直交するための複数の超音波ビームの偏向角度を複数の前記超音波探触子の位置についてそれぞれ決定し、前記決定された複数の偏向角度に従って超音波ビームの偏向角度を変化させることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記スキャン制御部は、前記表面と前記超音波探触子との距離に基づいて前記表面から一定の距離にある複数のフォーカス点を複数の前記超音波探触子の位置についてそれぞれ決定し、前記決定された複数のフォーカス点に従って超音波ビームのフォーカス点を変化させることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記スキャン制御部は、
超音波ビームが前記表面に対して略直交するための複数の超音波ビームの偏向角度を複数の前記超音波探触子の位置についてそれぞれ決定し、
前記表面と前記超音波探触子との距離に基づいて前記表面から一定の距離にある複数のフォーカス点を複数の前記超音波探触子の位置についてそれぞれ決定し、
前記決定された複数の偏向角度及び複数のフォーカス点に従って超音波ビームの偏向角度及びフォーカス点を変化させることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。 - 前記超音波探触子は、一列に配列された複数の超音波振動子を有し、
前記スキャン制御部は、超音波ビームが前記表面の接線に対して略直交するための複数の超音波ビームの偏向角度を複数の前記超音波探触子の位置についてそれぞれ計算することを特徴とする請求項2又は4記載の超音波診断装置。 - 前記超音波探触子は、2次元状に配列された複数の超音波振動子を有し、
超音波ビームが前記表面の接面に対して略直交するための複数の超音波ビームの偏向角度を複数の前記超音波探触子の位置についてそれぞれ計算することを特徴とする請求項2又は4記載の超音波診断装置。 - 液体が入った水槽に浸水された被検体の一部分を機械的に移動される超音波探触子を介して超音波で走査する超音波診断装置において、
前記超音波探触子を移動可能に支持する支持機構と、
前記超音波探触子による受信信号に基づいて超音波画像のデータを発生する画像発生部と、
前記発生された超音波画像を表示する表示部と、
前記表示された超音波画像の特定領域を指定する指定部と、
前記指定された特定領域の表面を計算する表面計算部と、
前記計算された前記特定領域の表面と前記超音波探触子の位置とに基づいて、前記超音波探触子の位置の変化に応じて前記超音波ビームの偏向角度及び前記フォーカス点を変化させるスキャン制御部と、
を具備する超音波診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2007
- 2007-05-25 JP JP2007139574A patent/JP2008289732A/ja not_active Withdrawn
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