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JP2008286995A - 光導波路の製造方法 - Google Patents

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JP2008286995A JP2007131741A JP2007131741A JP2008286995A JP 2008286995 A JP2008286995 A JP 2008286995A JP 2007131741 A JP2007131741 A JP 2007131741A JP 2007131741 A JP2007131741 A JP 2007131741A JP 2008286995 A JP2008286995 A JP 2008286995A
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敬司 清水
Toru Fujii
徹 藤居
Toshihiko Suzuki
俊彦 鈴木
Kazutoshi Tanida
和敏 谷田
Shigemi Otsu
茂実 大津
Hidekazu Akutsu
英一 圷
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Abstract

【課題】複数の導波路コアの位置ズレが抑制されると共に、不良率が低減され生産性良く、3次元構造の光導波路が得られる光導波路の製造方法を提供すること。
【解決手段】第1クラッド層14Aを有し、当該第1クラッド層14A上にコア層12A及び第2クラッド層16Aをこの順で交互に少なくともコア層12Aが2層以上となるように積層した高分子フィルム10A(積層体)を準備する工程と、コア層12A及び第2クラッド層16Aが積層された側から第1クラッド層14Aに到達し且つ第1クラッド層14Aを切断しないように、高分子フィルム10A(積層体)を切削し、光が伝播する導波路コア12を形成する工程と、高分子フィルム10A(積層体)の少なくとも切削部を第3クラッド層18Aで埋め込む工程と、を特徴とする光導波路の製造方法である。
【選択図】図4

Description

本発明は、光導波路の製造方法に関するものである。
配線の高密度化のためには平面的(2次元的)な配線だけでなく、3次元配線が必要となる。光配線、すなわち光導波路の3次元配線の利用法としてはたとえば特許文献1が挙げられる。このような高密度配線は光インターコネクション、すなわち機器内、機器間の光接続に要求される特性で、接続の容易さからコア口径50μm程度のマルチモード導波路が要求される。口径50μm程度の導波路コアを3次元的に配列する技術としては、平面に形成された光導波路を積層する方法が考えられる(例えば特許文献2参照)。
特開2004−177730 特開2004−069742
本発明の課題は、複数の導波路コアの位置ズレが抑制されると共に、不良率が低減され生産性良く、3次元構造の光導波路が得られる光導波路の製造方法を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
第1クラッド層を有し、当該第1クラッド層上にコア層及び第2クラッド層をこの順で交互に少なくとも前記コア層が2層以上となるように積層した積層体を準備する工程と、
前記コア層及び前記第2クラッド層が積層された側から前記第1クラッド層に到達し且つ前記第1クラッド層を切断しないように、前記積層体を切削し、光が伝播する導波路コアを形成する工程と、
前記積層体の少なくとも切削部を第3クラッド層で埋め込む工程と、
を特徴とする光導波路の製造方法である。
請求項2に係る発明は、
前記積層体を、ダイシングソーを用いて切削することを特徴とする請求項1に記載の光導波路の製造方法である。
請求項3に係る発明は、
前記切削における前記積層体の面に対する垂直加工角度誤差をθ(rad)、前記積層体の厚みをt(μm)、前記導波路コアの径の設計値をD(μm)としたとき、
式:θ≦0.1(D/t)(rad)の関係を満たすように、
前記ダイシングソーによる切削を行うことを特徴とする請求項2に記載の光導波路の製造方法である。
本発明によれば、複数の導波路コアの位置ズレが抑制されると共に、不良率が低減され生産性良く、3次元構造の光導波路が得られる光導波路の製造方法を提供することできる。
以下、本発明について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、実質的に同一の機能・作用を有する部材には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
図1は、実施形態に係る光導波路フィルムを示す斜視図である。図2は、実施形態に係る光導波路フィルムを示す部分断面図である。図3は、実施形態に係る光導波路フィルムが柔軟性を有することを示す斜視図である。
実施形態に係る光導波路フィルム10は、例えば、光インターコネクションにおいて使用され、光を伝播する導波路コアがアレイ状に配列された3次元構造の光導波路である。
本実施形態に係る光導波路フィルム10は、図1乃至図2に示すように、例えば、長尺状の光導波路であり、第1クラッド14上に、例えば、第2クラッド16及び第3クラッド18を介して、複数の導波路コア12が互いに伝播光が並進するようにn(光導波路幅方向の導波路コアの個数)×m(光導波路厚み方向の導波路コアの個数)でアレイ状(格子状)に配列さている。
ここで、本実施形態では、導波路コア12が、例えば、コア径50μm(幅・厚み共に50μmの矩形のコア)で、100μmピッチで4×4でアレイ状に配列されている。
導波路コア12は、その厚み方向両端面が第2クラッド16で覆われ、その幅方向両端面が第3クラッド18で覆われるように取り囲まれて配列されている。但し、配列された導波路コア12のうち、光導波路フィルム10の厚み方向の両端に位置するものは、その光導波路フィルム10厚み方向の端面側が、それぞれ第1クラッド14又は第3クラッド18で覆われている。
なお、第1クラッド14、第2クラッド16、第3クラッド18は、導波路コア12よりも屈折率が低い材料で構成され、特に導波路コア12との屈折率差を0.01以上とすることが望ましい。
以下、本実施形態に係る光導波路フィルム10の製造方法について説明する。図4は、実施形態に係る光導波路フィルムの製造方法を示す工程図である。
実施形態に係る光導波路フィルム10の製造方法では、まず、図4(A)に示すように、クラッド層とコア層とが交互に積層された高分子フィルム10A(積層体)を準備する。
高分子フィルム10Aは、第1クラッド14に相当する第1クラッド層14A上に、導波路コア12に相当するコア層12Aと第2クラッド16に相当する第2クラッド層16Aがこの順で交互に積層されている。但し、高分子フィルム10Aは、コア層12Aが2層以上となるように構成されている。本実施形態では、高分子フィルム10Aは、第1クラッド層14A上に4つのコア層12Aと3つの第2クラッド層16Aが交互に積層されて構成されている。つまり、第1クラッド層14A及び第2クラッド層16Aと、コア層12Aと、が同数(本実施形態では4層)交互に積層されて高分子フィルム10Aは、が構成されている。
なお、本実施形態では、最下層がクラッド層(第1クラッド層)で、最上層(第1クラッド層とは反対側の厚み方向の端面)がコア層である高分子フィルム10Aを準備する形態を説明するが、最下層及び最上層が共にクラッド層である積層体、即ち、コア層と当該コア層の数より1つ多いクラッド層とを順次積層(但しクラッド層から積層)された高分子フィルム10Aであってもよい。
ここで、高分子フィルム10Aは、ラミネート法などの方法により各層に相当するシートを積層することで作製される。この作製には、各シートのアライメントを行う必要が無いため、簡易且つ低コストである。
高分子フィルム10Aは、クラッド層とコア層とで屈折率差が設定され得る材質であれば、特に制限されるわけではなく、例えば、脂環式オレフィンフィルム、アクリル系フィルム、エポキシ系フィルム、ポリイミド系フィルム等が用いられる。
次に、図4(B)に示すように、コア層12A及び第2クラッド層16A側(第1クラッド層14Aとは高分子フィルム10A厚み方向反対側)から、高分子フィルム10Aを切削する。具体的には、例えば、高分子フィルム10Aを、そのフィルム長手方向に沿って延在する溝20(例えば、深さ350μm、幅50μmの溝20:切削部)が、フィルム幅方向に所定間隔で並列するように、高分子フィルム10Aを切削する。
そして、この切削は、第1クラッド層14Aに到達し且つ切断しないように行われる。なお、第1クラッド層14Aを切削しないように実施(即ち、第1クラッド層14A表面が露出したところで切削を中止するように実施)してもよいし、第1クラッド層14Aの一部を切削してもよいが、第1クラッド層を切断しないように切削は行う。
この切削により、4×4でアレイ状(格子状)に配列された導波路コア12が形成される。
ここで、本実施形態では、ダイシングソーによる機械的な切削を行う。ダイシングソーによる切削は、機械的な切削方法としては、精度と加工時間の兼ね合いから有効である。無論、切削には、反応性イオンエッチングやエキシマレーザーなどの手段を用いてもよい。
ダイシングソーで用いるブレード厚みは20μm程度から300μm程度まで任意のものを用いることができるが、本実施形態では導波路コア12の配列ピッチ100μmを達成するためにブレード厚み50μmのものを用いるのが望ましい。
なお、ダイシングソーによる切削では、ダイシングソーのブレードがテーパ状となっていることから、高分子フィルム10A(光導波路フィルム10)の厚み方向に配列されて形成される導波路コア12の形状が異なることがある。即ち、すなわち理想的にはダイシングソーでは、フィルム面に対して垂直な溝加工がなされるところ、実際には溝の垂直面に角度誤差が生じる。
そのため、導波路コア12のピッチは高分子フィルム10A厚み方向に配列されたもの同士で一定でも、高分子フィルム10Aの厚み方向に配列された導波路コア12同士で幅が異なる、具体的には、高分子フィルム10Aの切削側の導波路コア12の幅がそれとは反対側(第1クラッド層14A側)の導波路コア12の幅よりも小さくなる。この如く、導波路コア12の径に例えば2割以上の誤差が生じると、光ファイバーや受発光素子との結合に無視できない悪影響が生じる。
そこで、ダイシングソーによる切削における高分子フィルム10A面に対する垂直加工角度誤差をθ(rad)、高分子フィルム10A(積層体)の厚みをt(μm)、導波路コア12の径の設計値をD(μm)としたとき、コアの両側が加工誤差の影響を受ける可能性を勘案すると
式:θ≦0.1(D/t)(rad)の関係を満たすように、ダイシングソーによる切削を行うことがよい。これにより、高分子フィルム10A(光導波路フィルム10)の厚み方向に配列された導波路コア12同士の幅の誤差を抑制し、光ファイバーや受発光素子との良好な結合が実現される。
ここで、高分子フィルム10A面(積層体面)に対する垂直加工角度誤差θとは、高分子フィルム10A面と直交する法線に対する、ダイシングソーのブレード側面がなす角度(鋭角)を意味する。
上記関係式において、例えば、高分子フィルム10A(積層体)の厚みをt=400μm、導波路コア12の径の設計値をD=50μmとすると、θ≦0.0125radとなる。この値の垂直加工角度誤差θを達成するには、例えば、専用ダイシングブレードを取り付けたディスコ社製ダイシングソーDAD321を利用することがよい。このディスコ社製ダイシングソーDAD321では、幅20μmから200μm程度までのブレードを用いて溝加工を行うと0.005rad程度の垂直加工角度誤差θに抑えられる。
ただし、ダイシングブレードの加工精度から、高分子フィルム10A(光導波路フィルム10)の総厚が例えば1mm以上では、高分子フィルム10Aの厚み方向に配列された導波路コア12同士の径の誤差を許容範囲に抑えることができないことがある。またこの場合、導波路コア12部分の幅が50μm程度なのに対して、高さが1mm以上にもなるとアスペクト比で20を超える構造となり、加工中に千切れてしまったりブレが大きく導波路コア12側面(フィルム幅方向の両端面)が荒れてしまうため、歩留まりが悪くなることがある。また、逆に高分子フィルム10A(光導波路フィルム10)の総厚が総厚0.1mm以下では、例えば、導波路コア12の径が45μmとしてもクラッド厚みが5μm程度になってしまうことから、良好な切削が実現できなくなることがある。従って、ダイシングソーによる切削により、導波路コア12を形成する場合、高分子フィルム10A(積層体)の厚みは、0.1mm以上1mm以下(望ましくは0.15mm以上0.8mm以下)であることがよい。
また、光導波路にフレキシブル性を付与させたい場合、光導波路フィルム10は、その厚さが0.5mm以下であることが望ましく、より望ましくは0.2mm以下である。一方、取り扱いの容易さと捻り性能の両立から光導波路フィルム10は、その幅が0.1mm以上10mm以下であることが望ましく、より望ましくは、0.5mm以上3mm以下である。光導波路フィルム10の厚さ及び幅を上記範囲とすることで、図3(図3(A)及び(B))に示すようなねじりや曲げに対する柔軟性を確保させつつ、強度が得やすくなる。
なお、高分子フィルム10A(積層体)の材質や厚みによってダイシングソーによる加工が難しい場合には、反応性イオンエッチングやエキシマレーザーなどの手段を利用することがよい。
次に、図4(C)に示すように、高分子フィルム10Aに形成した溝20に、第3クラッド層形成用硬化性樹脂を流し込み、これを硬化させて、第3クラッド18に相当する第3クラッド層18Aを形成する。また、本実施形態では、溝20に第3クラッド層形成用硬化性樹脂を流し込むと共に、高分子フィルム10Aの最上層(第1グラット層とはフィルム厚み方向で反対側に位置する層)に位置するコア層12A(導波路コア12)の表面(露出面)塗布し、第3クラッド層18Aを形成する。
ここで、第3クラッド層18Aを形成するための硬化性樹脂は、液状の物質であり、例えば、放射線硬化性、電子線硬化性、熱硬化性等の樹脂を用いられる。中でも、硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂が望ましく用いられるが、紫外線硬化性樹脂を選択することが望ましい。紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂としては、紫外線硬化性、熱硬化性のモノマー、オリゴマーあるいはモノマーとオリゴマーの混合物が望ましく用いられる。紫外線硬化性樹脂としては、エポキシ系、ポリイミド系、アクリル系の紫外線硬化性樹脂が望ましく用いられる。
なお、各クラッド層の屈折率差は小さい方が望ましく、その差は0.01以内、望ましくは0.001以内、更に望ましくは差がないことが光の閉じ込めの点からみて望ましい。
このようにして、光導波路フィルム10が作製される。
以上説明した本実施形態に係る光導波路フィルム10は、コア層12A及びクラッド層(第1クラッド層14A、第2クラッド層16A)が交互に積層された高分子フィルム10Aを切削することで3次元構造(3次元に配列された構造)の導波路コアを形成する。そして、切削という簡易な手法を利用し、且つこの導波路コア12を切削により形成する際、第1クラッド層(最下層のクラッド層)を切断するため、3次元構造の複数の導波路コア同士の位置ズレ(即ちピッチ誤差)が抑制されると共に、不良率が低減され生産性良く、3次元構造の光導波路が得られる。

以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
上記実施形態に係る光導波路フィルムの製造方法に従って、以下のように光導波路フィルムを作製した。
まず、アクリル系高分子で構成され、屈折率1.51厚み75μmのクラッド層、屈折率1.55厚み50μmのコア層を4層ずつ、計8層を交互に積層した厚み500μmの積層高分子フィルムを用意した。次に、高分子フィルムにクラッド層側が下側になるように積層高分子フィルムに対してダイシングテープに貼り付けた。
そして、ディスコ社製ダイシングソーDAD321に幅50μmのダイシングブレードを取り付け、積層高分子フィルムを425μmの深さで125μmピッチで5箇所切削加工し、フィルム長手方向に沿った溝をフィルム幅方向に5本形成した。これにより、径が50μm(設計値:幅・厚みともに50μm)、4×4でアレイ状(格子状)に配列された導波路コアを形成した。ここで、このとき実際の加工した溝幅は、最深部で51μm、フィルム上部側(フィルム切削面側)で53μmであり、フィルム面に対する垂直加工角度誤差θは0.005radであった。なお、0.1(D/t)=0.1(50/500)=0.01であった。
次に、屈折率1.51、粘度500cPsのアクリル系紫外線硬化性樹脂(JSR社製)を積層高分子フィルムに塗布して、当該フィルムに形成した溝に硬化樹脂を充填すると共に、フィルム面を硬化性樹脂で覆った。そして、硬化性樹脂に対し、窒素雰囲気下で波長365nmの強度50mW/cmの紫外線を2分照射し、硬化性樹脂を硬化させクラッド層を形成した。
このようにして、総厚575μmの埋め込み型積層導波路フィルムを完成させた。前記ダイシングソーにより外形切断を行い、上下方向(フィルム厚み方向)及び左右方向(フィルム幅方向)とも125μmピッチで、導波路コアがアレイ状に配列された3次元構造を持つ光導波路フィルムを完成させた。
完成した光導波路フィルムは、その導波路コア幅が46μm以上48μm以下となり、口径50μmのグレーデッドインデックス (GI)型マルチモードファイバとの結合損失は最大0.3dBと良好であった。また、光導波路フィルムは、導波路コアのピッチ誤差は最大でも2μm程度に収まり、ハーフピッチのファイバーアレイや受発光素子に対する接続性も良好であった。
(実施例2)
上記実施形態に係る光導波路フィルムの製造方法に従って、以下のように光導波路フィルムを作製した。
まず、アクリル系高分子で構成され、屈折率1.51のクラッド層、屈折率1.55厚み50μmのコア層を4層ずつ、計8層を交互に積層した厚み850μmの積層高分子フィルムを用意した。ここで、クラッド層の厚みは、最下層(切削面とは反対側に位置する層)を50μmとし、それ以外の層を200μmとした。次に、高分子フィルムにクラッド層側が下側になるように積層高分子フィルムに対してダイシングテープに貼り付けた。
そして、ディスコ社製ダイシングソーDAD321に幅198μmのダイシングブレードを取り付け、積層高分子フィルムを800μmの深さで250μmピッチで5箇所切削加工し、フィルム長手方向に沿った溝をフィルム幅方向に5本形成した。これにより、径が50μm(設計値:幅・厚みともに50μm)、4×4でアレイ状(格子状)に配列された導波路コアを形成した。ここで、このとき実際の加工した溝幅は、最深部で48μm、フィルム上部側(フィルム切削面側)で53μmであり、フィルム面に対する垂直加工角度誤差θは0.005radであった。なお、0.1(D/t)=0.1(50/850)=0.00588であった。
次に、屈折率1.51、粘度500cPsのアクリル系紫外線硬化性樹脂(JSR社製)を積層高分子フィルムに塗布して、当該フィルムに形成した溝に硬化樹脂を充填すると共に、フィルム面を硬化性樹脂で覆った。そして、硬化性樹脂に対し、窒素雰囲気下で波長365nmの強度50mW/cmの紫外線を2分照射し、硬化性樹脂を硬化させクラッド層を形成した。
このようにして、総厚900μmの埋め込み型積層導波路フィルムを完成させた。前記ダイシングソーにより外形切断を行い、上下方向(フィルム厚み方向)及び左右方向(フィルム幅方向)とも250μmピッチで、導波路コアがアレイ状に配列された3次元構造を持つ光導波路フィルムを完成させた。
完成した光導波路フィルムは、その導波路コア幅が46μm以上52μm以下となり、口径50μmのグレーデッドインデックス (GI)型マルチモードファイバとの結合損失は最大0.4dBと良好であった。また、光導波路フィルムは、導波路コアのピッチ誤差は最大でも2μm程度に収まり、ハーフピッチのファイバーアレイや受発光素子に対する接続性も良好であった。
(実施例3)
上記実施形態に係る光導波路フィルムの製造方法に従って、以下のように光導波路フィルムを作製した。
まず、アクリル系高分子で構成され、屈折率1.51厚み25μmのクラッド層、屈折率1.55厚み50μmのコア層を2層ずつ、計4層を交互に積層した厚み150μmの積層高分子フィルムを用意した。次に、高分子フィルムにクラッド層側が下側になるように積層高分子フィルムに対してダイシングテープに貼り付けた。
そして、ディスコ社製ダイシングソーDAD321に幅50μmのダイシングブレードを取り付け、積層高分子フィルムを125μmの深さで75μmピッチで5箇所切削加工し、フィルム長手方向に沿った溝をフィルム幅方向に5本形成した。これにより、径が50μm(設計値:幅・厚みともに50μm)、4×2でアレイ状(格子状)に配列された導波路コアを形成した。ここで、このとき実際の加工した溝幅は、最深部で50.5μm、フィルム上部側(フィルム切削面側)で52μmであり、フィルム面に対する垂直加工角度誤差θは0.005radであった。なお、0.1(D/t)=0.1(50/150)=0.03333であった。
次に、屈折率1.51、粘度500cPsのアクリル系紫外線硬化性樹脂(JSR社製)を積層高分子フィルムに塗布して、当該フィルムに形成した溝に硬化樹脂を充填すると共に、フィルム面を硬化性樹脂で覆った。そして、硬化性樹脂に対し、窒素雰囲気下で波長365nmの強度50mW/cmの紫外線を2分照射し、硬化性樹脂を硬化させクラッド層を形成した。
このようにして、総厚175μmの埋め込み型積層導波路フィルムを完成させた。前記ダイシングソーにより外形切断を行い、上下方向(フィルム厚み方向)及び左右方向(フィルム幅方向)とも75μmピッチで、導波路コアがアレイ状に配列された3次元構造を持つ光導波路フィルムを完成させた。
完成した光導波路フィルムは、その導波路コア幅が48μm以上48μm以下となり、口径50μmのグレーデッドインデックス(GI)型マルチモードファイバとの結合損失は最大0.3dBと良好であった。また、光導波路フィルムは、導波路コアのピッチ誤差は最大でも2μm程度に収まり、ハーフピッチのファイバーアレイや受発光素子に対する接続性も良好であった。また、完成した光導波路フィルムは、曲率半径3mmで破壊せずに曲げることが可能で柔軟性を有していた。
(実施例4)
上記実施形態に係る光導波路フィルムの製造方法に従って、以下のように光導波路フィルムを作製した。
まず、アクリル系高分子で構成され、屈折率1.51のクラッド層、屈折率1.55厚み50μmのコア層を6層ずつ、計12層を交互に積層した厚み1350μmの積層高分子フィルムを用意した。ここで、クラッド層の厚みは、最下層(切削面とは反対側に位置する層)を50μmとし、それ以外の層を200μmとした。次に、高分子フィルムにクラッド層側が下側になるように積層高分子フィルムに対してダイシングテープに貼り付けた。
そして、ディスコ社製ダイシングソーDAD321に幅198μmのダイシングブレードを取り付け、積層高分子フィルムを1300μmの深さで198μmピッチで5箇所切削加工し、フィルム長手方向に沿った溝をフィルム幅方向に7本形成した。これにより、径が50μm(設計値:幅・厚みともに50μm)、6×6でアレイ状(格子状)に配列された導波路コアを形成した。ここで、このとき実際の加工した溝幅は、最深部で199μm、フィルム上部側(フィルム切削面側)で215μmであり、若干ではあるが、導波路コアが千切れてしまう部分も見られた。また、フィルム面に対する垂直加工角度誤差θは0.005radであった。なお、0.1(D/t)=0.1(50/1350)=0.0037であり、垂直加工誤差がこの値より大きくなっているため、コア径誤差により結合損失が若干増加する懸念があった
次に、屈折率1.51、粘度500cPsのアクリル系紫外線硬化性樹脂(JSR社製)を積層高分子フィルムに塗布して、当該フィルムに形成した溝に硬化樹脂を充填すると共に、フィルム面を硬化性樹脂で覆った。そして、硬化性樹脂に対し、窒素雰囲気下で波長365nmの強度50mW/cmの紫外線を2分照射し、硬化性樹脂を硬化させクラッド層を形成した。
このようにして、総厚1499μmの埋め込み型積層導波路フィルムを完成させた。前記ダイシングソーにより外形切断を行い、上下方向(フィルム厚み方向)及び左右方向(フィルム幅方向)とも198μmピッチで、導波路コアがアレイ状に配列された3次元構造を持つ光導波路フィルムを完成させた。
完成した光導波路フィルムは、その導波路コア幅が35μm以上52μm以下となり、口径50μmのグレーデッドインデックス(GI)型マルチモードファイバとの結合損失は最大1.2dBとなり、若干損失が増加した。
実施形態に係る光導波路フィルムを示す斜視図である。 実施形態に係る光導波路フィルムを示す部分断面図である。 実施形態に係る光導波路フィルムが柔軟性を有することを示す斜視図である。 実施形態に係る光導波路フィルムの製造方法を示す工程図である。
符号の説明
10 光導波路フィルム
10A 高分子フィルム
12 導波路コア
12A コア層
14 第1クラッド
14A 第1クラッド層
16 第2クラッド
16A 第2クラッド層
18 第3クラッド
18A 第3クラッド層
20 溝

Claims (3)

  1. 第1クラッド層を有し、当該第1クラッド層上にコア層及び第2クラッド層をこの順で交互に少なくとも前記コア層が2層以上となるように積層した積層体を準備する工程と、
    前記コア層及び前記第2クラッド層が積層された側から前記第1クラッド層に到達し且つ前記第1クラッド層を切断しないように、前記積層体を切削し、光が伝播する導波路コアを形成する工程と、
    前記積層体の少なくとも切削部を第3クラッド層で埋め込む工程と、
    を特徴とする光導波路の製造方法。
  2. 前記積層体を、ダイシングソーを用いて切削することを特徴とする請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  3. 前記切削における前記積層体の面に対する垂直加工角度誤差をθ(rad)、前記積層体の厚みをt(μm)、前記導波路コアの径の設計値をD(μm)としたとき、
    式:θ≦0.1(D/t)(rad)の関係を満たすように、
    前記ダイシングソーによる切削を行うことを特徴とする請求項2に記載の光導波路の製造方法。
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