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JP2008254100A - ネジ取付作業用治具 - Google Patents

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JP2008254100A
JP2008254100A JP2007097557A JP2007097557A JP2008254100A JP 2008254100 A JP2008254100 A JP 2008254100A JP 2007097557 A JP2007097557 A JP 2007097557A JP 2007097557 A JP2007097557 A JP 2007097557A JP 2008254100 A JP2008254100 A JP 2008254100A
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JP2007097557A
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Kenichi Yoshinaga
憲市 吉永
Hiromi Negi
裕己 根木
Masao Kawagoe
正男 川越
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Yamaha Corp
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Abstract

【課題】簡単で且つコンパクトな構成で、締結用穴の上にネジを容易に位置決めして、ネジの螺合作業を容易にする。
【解決手段】主取付用治具10の案内部20において、底面12の左右方向中央に案内溝部15が形成される。側壁11、11間の側壁間幅Bは、下流側にいくにつれて狭くなっている。天井高さHexは、下流側にいくにつれて徐々に小さく、出口位置において最小の天井高さHex2となる。側壁間幅Bin1は、ネジ24の全長nLよりも十分に大きく、側壁間幅Bex2は全長nLより小さく且つネジ24の頭部25の最大外形hDよりも大きい。天井高さHex2は最大外形hDよりも小さく且つ頭部25の厚みhLよりも大きい。案内溝部15の溝幅mBは最大外形hDより小さく、ネジ24の軸部26の最大外形nDより大きい。案内溝部15の深さdpは、ネジ24の首下長さsLよりも深い。
【選択図】図4

Description

本発明は、ネジを締結用穴上に位置させて工具で螺合する際に用いられるネジ取付作業用治具に関する。
従来、ワークをネジで締結固定する工程において、ネジを、締結用穴の位置まで給送し、ドライバ等の工具での螺合を行えるようにしたネジ取付作業用治具が知られている。例えば、下記特許文献1の装置では、複数のネジをサブホッパに投入すると、各ネジが、メインホッパを経てベルトコンベアで順次移送されるようになっている。
特開2002−60061号公報
しかしながら、上記特許文献1の装置をはじめとする各種の装置では、多数のネジを自動螺合するのに向いているが、その一方で、動力が必要であったり、大量のネジを整列させつつ給送したりする等の必要から、装置が大がかりとなり、構成が大型化、複雑化するという問題があった。
そのため、例えば、1穴ずつ手作業で螺合する作業には向いていない。また、鍵盤楽器のケースと鍵盤ユニットとの締結等のように、同時期に同じ生産ラインで生産される製品の機種数が多い場合は簡単に対応ができず、機種変更が頻繁になされるような場合は改造等の費用が多くかかるという不利もあった。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単で且つコンパクトな構成で、締結用穴の上にネジを容易に位置決めして、ネジの螺合作業を容易にすることができるネジ取付作業用治具を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1のネジ取付作業用治具は、1個ずつ投入されるネジ(24)を、出口(18)から一定の姿勢で排出して締結用穴(45、43)の上に位置させるためのネジ取付作業用治具(1)であって、前記ネジが投入される投入部(20in)と、前記投入部よりも前記出口寄りに設けられ前記出口が形成された出口側部(20ex)とを有し、当該ネジ取付作業用治具の使用時に前記出口位置が最下位置となるように傾斜する底部(12)が、前記投入部から前記出口にかけて連続的に形成され、前記投入部から投入されるネジを前記出口まで案内するための案内部(20)と、前記案内部の前記底部において前記投入部から前記出口にかけて連続的に形成された案内溝部(15)とを有し、前記案内部の前記投入部は、当該ネジ取付作業用治具の使用時において上方が開口した断面コ字状となっていて、且つ、前記出口側部は、実質的な天井部(22)を有して断面略環状となっており、前記案内部の前記投入部から前記出口にかけての各断面の内側の最大幅(B)が、前記出口方向にいくにつれて拡大することなく徐々に縮小して、前記出口位置において最小となっており、前記案内部の前記出口側部における各断面の前記天井部と前記底部との最大間隔(Hex)が、前記出口方向にいくにつれて拡大することなく徐々に縮小して、前記出口位置において最小となっており、前記案内部の前記投入部の断面のうち前記出口側部から最も遠い位置における断面の内側の最大幅(Bin1)は、前記ネジの全長(nL)よりも大きく、前記案内部の前記出口側部の前記出口位置における内側の最大幅(Bex2)は、前記ネジの全長よりも小さく且つ前記ネジの頭部(25)の最大外形(hD)よりも大きく、前記案内部の前記出口側部の前記出口位置における前記天井部と前記底部との最大間隔(Hex2)は、前記ネジの前記頭部の最大外形よりも小さく且つ前記ネジの前記頭部の厚み(hL)よりも大きく、前記案内溝部は、全長に亘ってその深さ(dp)が前記ネジの首下長さ(sL)よりも深いと共に、その幅(mB)が前記ネジの軸部(26)の最大外形(nD)よりも大きく且つ前記ネジの前記頭部の最大外形よりも小さいことを特徴とする。
好ましくは、当該ネジ取付作業用治具の使用時において前記出口に対して近接して使用され、前記出口から排出されるネジが通過するためのガイド穴(37)が形成された補助治具(30)を有し、当該ネジ取付作業用治具の使用時において、前記補助治具の前記ガイド穴は、前記締結用穴に対して同心であって、前記出口より下方で且つ前記締結用穴の上側に位置し、且つ、前記ガイド穴の内径(gD)は、前記ネジの前記頭部の最大外形よりも大きく且つ前記ネジの全長よりも小さい(請求項2)。
なお、上記括弧内の符号は例示である。
本発明の請求項1によれば、簡単な構成で、締結用穴の上にネジを容易に位置決めして、ネジの螺合作業を容易にすることができる。
請求項2によれば、適用可能な締結用穴の対象を広げることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るネジ取付作業用治具の使用時における正面側の立面図である。図2は、同ネジ取付作業用治具の使用時における右側の立面図である。
このネジ取付作業用治具1は、主取付用治具10及び補助治具30からなる。ネジ取付作業用治具1は、2つの部材をネジで締結するネジを、所望の締結用穴に位置させるための簡易治具である。
本実施の形態では、一例として、鍵盤楽器装置における複数の鍵からなる鍵ユニット44(の共通基端部)を、鍵フレーム41に対して締結固定するためのネジ24を、鍵フレーム41の締結用の下穴43及び鍵ユニット44の締結用穴(バカ穴)45に仮挿入状態にする作業を容易にする目的で使用される。螺合作業は、主に手作業を想定している。ネジ24としては、一例としてタッピングネジを想定している。
使用態様の概略としては、ネジ取付作業用治具1を鍵フレーム41に対する適切な位置に設置して、主取付用治具10の投入部20inにネジ24を1個投入すると、そのネジ24が出口18に案内され、一定の姿勢で排出される。さらに、ネジ24が、補助治具30を介して締結用穴45に対して自然に仮挿入状態となる。仮挿入状態となった後にネジ24をドライバ46で1本ずつ螺合する。
図3は、補助治具30の平面図である。図4(a)は、主取付用治具10の平面図、図4(b)は、図4(a)のA−A線に沿う断面図、図4(c)は、主取付用治具10の投入側の立面図である。
以降、ネジ取付作業用治具1について、上下方向は、使用時における姿勢を基準として呼称する。また、前後方向については、図2の左側が鍵盤楽器奏者側となるので、図2の左側を前側とする。また、左右方向については、前側からみた方向を基準とし、従って、図1の右側を右側とする。ただし、主取付用治具10を単独で説明する際には、図4(a)の右側を上流側、左側を下流側、図4(b)の上側を上側、図4(a)の下側を右側とする。
図1〜図3に示すように、ネジ取付作業用治具1において、主取付用治具10と補助治具30とは、いずれも樹脂等でそれぞれ一体に形成され、さらに両者が固着等によって一体的となっている。すなわち、図2に示すように、主取付用治具10の出口側の上側傾斜面19と補助治具30の当接面34とが当接固着されると共に、主取付用治具10の出口側の下側傾斜面23と補助治具30の当接面33とが当接して接着等によって固着されることで、一体的に構成される。
図2に示すように、補助治具30は、側面視く字状に屈曲し、後方延設部31と上方延設部32とを有する。後方延設部31の上面が、上記当接面33であり、上方延設部32の後面が、上記当接面34である。上方延設部32の後部から補助治具30の下面にかけて、導入穴35と、導入穴35より小径のガイド穴37とが鉛直方向において同心に形成され、これらの穴が縮径部36で繋がっている。縮径部36は、導入穴35の下部からガイド穴37の上部にかけて徐々に縮径している。
図3に示すように、導入穴35は断面が欠円状で、縮径部36と共に、後方に開口している。ガイド穴37の内径gD(図2参照)は、頭部25及び軸部26でなるネジ24の頭部25の最大外形hD(図5(a)参照)よりも少し大きく、ネジ24の全長nL(図5(a)参照)よりも十分に小さい。これにより、ネジ24の軸心が鉛直方向に沿った状態で鍵ユニット44の締結用穴45までネジ24を導くことができる。
図1、図2に示すように、鍵フレーム41からは、位置決めピン42が上方に突設され、鍵ユニット44には、位置決め穴44aが形成されている。これら位置決めピン42、位置決め穴44aは、互いに対応して複数箇所に設けられる。鍵ユニット44は、鍵フレーム41の上に積層される際、各位置決め穴44aを対応する位置決めピン42が貫通することで、鍵ユニット44と鍵フレーム41との水平方向の仮位置決めがなされる。これにより、鍵フレーム41の下穴43と鍵ユニット44の対応する締結用穴45とが同心に位置するようになる。
補助治具30の下面には、位置決めピン42に対応する1つの嵌合穴38が形成されている。ネジ取付作業用治具1の使用時には、位置決め穴44aから突き出た1つの位置決めピン42に嵌合穴38を嵌合するように、鍵ユニット44の上に補助治具30の下面を当接させる。これにより、補助治具30のガイド穴37と鍵ユニット44の締結用穴45とが同心となる。
ここで、鍵ユニット44の下穴43及び鍵フレーム41の締結用穴45はいずれも複数存在する。鍵フレーム41において、1つの位置決めピン42と該位置決めピン42の右側に隣接する下穴43との水平方向における相対的位置関係は、全箇所で同じとなっている。また、鍵ユニット44において、位置決め穴44aと該位置決め穴44aの右側に隣接する締結用穴45との水平方向における相対的位置関係も、全箇所で同じとなっている。
従って、同心となっている、ある締結用穴45及び下穴43にネジ24を螺合する際には、それらの左側に隣接する位置決めピン42に対して嵌合穴38を嵌合すれば、ネジ取付作業用治具1を適切な位置に簡単にセットすることができる。ところで、本実施の形態では、ネジ取付作業用治具1を手で保持することで、ネジ取付作業用治具1がセットされた状態を維持して螺合作業を行うことになるが、ネジ取付作業用治具1のセット状態を手放しでも維持できるための機構を、ネジ取付作業用治具1と鍵ユニット44との間に設けてもよい。
次に、主取付用治具10の構成を説明する。図5(a)は、図4(a)のB−B線に沿う断面図である。図5(b)は、図4(a)のC−C線に沿う断面図である。図5(c)は、主取付用治具10の出口側(下流側)の立面図である。
図4(a)〜(c)に示すように、主取付用治具10は、左右対称に構成され、台座部21を有する。主取付用治具10は、投入側面視矩形で、出口側の端部には、互いに直角をなす上記した上側傾斜面19、下側傾斜面23が形成される。台座部21の上側において、案内部20が構成される。案内部20は、上流側(投入側)の半部における、ネジ24が投げ入れられる投入部20inと、下流側(出口側)の半部における、ネジ24を出口18まで案内して排出する出口側部20exとから構成される。
主取付用治具10において、台座部21の上に、左右対称の側壁11、11が突設形成されている。側壁11、11は、側壁上流部11a、11a、第1縮小部11b、11b、第2縮小部11c、11cが連続形成されてなる。
以降、2つの側壁11、11間の幅(各々の内側面13同士の左右方向の距離)を、「側壁間幅B」とし、位置によって個々に特定するときは、後述するように、「Bin1、Bin2、Bex1、Bex2」という呼称を用いる。
側壁上流部11a、11aは、台座部21の左右両端部において、互いに平行に、上流側端から下流方向に真っ直ぐ延び、両者間の幅である側壁間幅Bin1(図4(c)参照)は一定である。第1縮小部11b、11bは、側壁上流部11a、11aに連接し、下流側にいくにつれて互いの幅である側壁間幅Bin2(図5(a)参照)が、徐々に小さくなっている。第2縮小部11c、11cは、第1縮小部11b、11bに連接し、下流側にいくにつれて互いの幅である側壁間幅Bex1(図5(b)参照)が、徐々に小さくなっている。第2縮小部11c、11cの出口側端部においては、内側面13が平行になっていて、出口18近傍では、側壁間幅Bex2(図5(c)参照)が一定となっている。内側面13の内側の領域における台座部21の上面は、平坦な底面12となっている。
図4(b)に示すように、第2縮小部11c、11cは、側壁上流部11a、11a及び第1縮小部11b、11bに比し低くなっていて、第2縮小部11c、11cの上端に、平面視台形の上板部17が被装されている。上板部17の下面である天井面22は、上流側から途中まで下流側にいくにつれて徐々に低くなっていて、途中から一定となっている。
図5(b)、(c)に示すように、上板部17の下面である天井面22と底面12との間隔を「天井高さHex」とし、特に、上流側の徐々に低くなっている部分の天井高さをHex1、出口18まで一定となっている下流側の部分の天井高さをHex2と呼称する。天井高さは出口18及び出口18近傍において最小のHex2となる。天井面22は、ネジ24が逆さ状態で出口側部20exに進入することを回避して、ネジ24の姿勢を適切にする。また、投入部20inに投げ入れられたネジ24が跳ねて、出口側部20ex付近で上方に飛び出すことを回避する役割も果たす。
図4(a)〜(c)に示すように、底面12の左右方向中央には、下方に凹の案内溝部15が、上流側から下流側までの全長に亘って形成されている。案内溝部15の上部には、面取り部16が形成されている。
投入部20inは、側壁上流部11a、11a、第1縮小部11b、11bと、底面12と、案内溝部15とで構成される。投入部20inは、図5(a)に示すように、上方が開口した断面コ字状となっている。この上方が開口した領域に、ネジ24が投げ入れられる。出口側部20exは、第2縮小部11c、11cと、底面12と、上板部17と、案内溝部15とで構成される。出口側部20exは、図5(b)に示すように、天井面22を有するので、断面が矩形の環状となっている。
案内部20における各部の寸法は、ネジ24に対して次のように設定されている。まず、側壁間幅Bin1(図4(c)参照)は、ネジ24の全長nL(図4(b)参照)よりも十分に大きい。これにより、投入部20inにネジ24を投げ入れ易くなっている。側壁間幅Bin2(図5(a)参照)の最小値は側壁間幅Bex1(図5(b)参照)の最大値と一致するが、この値は、ネジ24の全長nLとほぼ同程度である。ただし、これに限定はされない。側壁間幅Bin2が下流ほど徐々に縮小していることで、ネジ24が案内溝部15に近寄りやすくなっている。
側壁間幅Bex2(図5(c)参照)は、ネジ24の全長nLより小さく且つネジ24の頭部25の最大外形hD(図5(a)参照)よりも大きい。天井高さHex1のうち最も上流側の最大となるところの値は、ネジ24の全長nLより十分に小さい。また、出口18における天井高さHex2(図5(c)参照)は、ネジ24の頭部25の最大外形hDよりも小さく且つ頭部25の厚みhL(図5(a)参照)よりも大きい。これらにより、ネジ24の軸部26が案内溝部15に嵌入されていない姿勢のままネジ24が排出されることが防止される。また、軸部26が案内溝部15に嵌入された状態であれば、頭部25が第2縮小部11c、11cに干渉することなくネジ24が通過できる。
案内溝部15は、図4(c)に示すように、幅がmB、深さ(底面12から溝底15aまでの長さ)がdpで、全長に亘って一様に形成される。溝幅mBは、ネジ24の頭部25の最大外形hD(図5(a)参照)より小さく、ネジ24の軸部26の最大外形nD(図4(b)参照)より大きい。また、深さdpは、ネジ24の首下長さsL(図5(a)参照)よりも深い。これらにより、底面12のうち案内溝部15の上端に相当する部分(乃至面取り部16)で、軸部26を下に向けたネジ24の頭部25が安定支持されやすく、その状態でも、軸部26の先端が案内溝部15の溝底15aに干渉することがない。
図2、図3に示すように、主取付用治具10と補助治具30とが一体化されたネジ取付作業用治具1においては、主取付用治具10の出口18と補助治具30の導入穴35とが繋がる。導入穴35の後方への開口幅は、側壁間幅Bex2(図5(c)参照)よりも大きい。出口18は、主取付用治具10の下流側からみると、T字状を呈するが(図5(c)参照)、ネジ取付作業用治具1においては、出口18のT字状の全部分が、導入穴35内に臨む。
ところで、主取付用治具10は一体に形成されたが、これに限られず、主取付用治具10の各部(例えば、側壁11、上板部17等)を一体でなく別体で構成して、各部を接着等によって固定して一体化してもよい。補助治具30についても同様である。
かかる構成において、作業者は、まず、鍵ユニット44の位置決め穴44aに、鍵フレーム41の対応する位置決めピン42を通して、鍵ユニット44(の共通基端部)を、鍵フレーム41に積層する。次に、螺合しようとする鍵ユニット44の締結用穴45に対応した位置決めピン42、すなわち、本実施の形態では、当該締結用穴45の左側に隣接する位置決めピン42に対して補助治具30の嵌合穴38を嵌合させることで、ネジ取付作業用治具1を適切な位置にセットする。この状態では、主取付用治具10の底面12は、前方にいくほど下方に傾斜して、出口18の位置が最下位置となる(図2参照)。
次に、作業者は、ネジ24を1つ、投入部20in(図1参照)に投げ入れる。すると、ネジ24は、自重により、傾斜した底面12上を下流側に移動する。また、側壁間幅Bが、下流側にいくにつれて拡大することなく基本的に狭くなっているので、ネジ24は、左右方向中央に寄ってくる。そのため、ほとんどの場合、ネジ24が出口側部20exに進入する前に、ネジ24の軸部26が案内溝部15に入って鉛直方向に沿った状態になり、遅くとも、出口18から排出される十分前にはそのような状態となる。特に、面取り部16があることで、案内溝部15への軸部26の嵌入が円滑になっている。一旦、軸部26が案内溝部15に嵌入されると、案内溝部15の上端で、ネジ24の頭部25が安定支持されるので、軸部26が案内溝部15から抜けることがほとんどない。
そして、ネジ24は、軸部26を下に向けたまま出口18から導入穴35内に排出される(図2参照)。すると、ネジ24は、縮径部36に案内されて、軸部26を下に向けたままガイド穴37内に入っていく。その後、軸部26の先端が鍵ユニット44の締結用穴45を貫通して鍵フレーム41の下穴43内に少し入り込んだ状態で止まる。この状態では、ネジ24は、螺合されるのに適した姿勢となっている。
この後、ネジ取付作業用治具1を取り外してネジ24を螺合することも可能であるが、本実施の形態では、ネジ取付作業用治具1をセットしたまま螺合作業を行う。ここで、ドライバ46の外形よりも、ガイド穴37の内径gDの方が少し大きくなっている(図2参照)。従って、導入穴35を通じてドライバ46をガイド穴37に差し込み、ネジ24を締結用穴45の上で起立させた状態で、ドライバ46で螺合作業を容易に行える。しかも、ガイド穴37が、ドライバ46をネジ24の頭部25上に導くガイド機能を果たすと共に、螺合前にネジ24の起立状態を安定させる機能も果たすので、作業がやりやすい。
螺合が完了したら、次に螺合しようとする締結用穴45に応じて、上記と同様にネジ取付作業用治具1を適切な位置にセットし直して、新たなネジ24を投げ入れる。その後の作業は同様である。作業の一態様としては、ネジ取付作業用治具1のセット及び保持を片手(例えば、左手)で行い、ネジ24の投げ入れ及びドライバ46の操作をもう一方の手(例えば、右手)で行うことが考えられる。
本実施の形態によれば、ネジ24を、その方向を意識することなく無造作に投入部20inに投げ入れるだけで、締結用穴45の上にネジ24を位置させることができる。また、補助治具30を用いて締結用穴45の上にネジ24を安定して起立させることができる。従って、ネジ24の螺合作業を容易にすることができる。しかも、ネジ取付作業用治具1をセットしたまま、ドライバ46の操作が可能であるので、ネジ取付作業用治具1を各位置にセットした状態で、各ネジ24の螺合作業を完結させることができる。
また、ネジ取付作業用治具1は、動力を用いることなくネジ24を送ることができ、次のネジ24を螺合する際にはセット位置を簡単にずらせるので、装置が大がかりとならず、構成が簡単で、コンパクトでもある。
また、補助治具30を用いたので、ネジ24が自立できないようなタイプの締結用穴45であっても、ネジ24の姿勢を螺合容易な姿勢に維持することができる。従って、適用可能な締結用穴の対象を広げることができる。
なお、本実施の形態では、主取付用治具10と補助治具30とを組み合わせて用いたが、これに限られず、主取付用治具10のみで作業を行うこともできる。例えば、凹んだ部分の底部に締結用穴45があるような場合は、凹んだ部分がガイド穴37と同じような役割を果たせるので、補助治具30を用いなくとも円滑に螺合作業が可能である。
次に、図6で、主取付用治具10の変形例を説明する。図6(a)は、主取付用治具10における投入部20inから出口側部20exの断面形状の第1変形例を示す断面図である。図6(b)、(c)は、同断面形状の第2変形例を示す断面図である。図6(a)、(b)は、図5(a)と同じ断面位置、図6(c)は、図5(b)と同じ断面位置の断面を示している。
本実施の形態では、案内溝部15の上部に面取り部16(図5(a)参照)を設けて、ネジ24の軸部26が案内溝部15内へ誘導されやすくしたが、面取り部16の大きさや角度は例示の構成に限られない。このような考え方をさらに展開し、図6(a)に示すように、平坦な底面12に代えて、案内溝部15側に低く傾斜した傾斜底面51を採用してもよい。
すなわち、図6(a)に示す第1変形例では、上流側から下流側にかけての内側面13の側壁間幅Bの変化は、図1〜図5の例と同じである。しかし、底面12に代えて傾斜底面51が採用される。面取り部16は存在しないが、設けても良い。この第1変形例の構成であっても、ネジ24の軸部26が案内溝部15内へ円滑に誘導される。
ここで、この第1変形例では、傾斜底面51を、面取り部16を非常に大きく拡大したものと考えることもでき、その意味では、内側面13近傍に、底面12に相当する面を非常に小さくした平坦面があったとしても支障はない。
図6(b)、(c)に示す第2変形例では、上流側から下流側にかけて、内側面13(図4(a)、図5(a)参照)に代えて、弧状の内側面113が採用される。投入部20inでは、図1〜図5の例と同様に、内側面113の上方が開口しているが(図6(b)参照)、出口側部20exでは上方が閉塞され、環状になっている(図6(c)参照)。
この第2変形例の場合、側壁間幅Bは、各断面における左右方向の幅のうち最大となる位置を指す。また、出口側部20exにおける天井高さHexは、各断面における内側面113の最下部と最上部との間隔を指す。
上流側から下流側にかけての側壁間幅Bの変化は、図1〜図5の例と同じである。この第2変形例では、内側面113が、図1〜図5の例における内側面13と底面12とが滑らかに連続して一体となったものに相当、出口側部20exにおいてはさらに天井面22とが滑らかに連続して一体となったものに相当すると考えることができる。この構成であっても、ネジ24の軸部26が案内溝部15内へ円滑に誘導される。
この第2変形例では、案内溝部15の近傍における内側面113の、案内溝部15側への傾斜の度合いを強くすれば、第1変形例に近くなるので、その場合は、面取り部16を廃止してもよい。
なお、図1〜図5の例において、内側面13及び底面12の形状は、平坦な面に限られず、例えば、内側面13のみ、あるいは底面12のみに、内側に凹の弧状の曲面を採用してもよい。それらのような場合は、上記第2変形例で示したのと同様に、上流側から下流側への側壁間幅B、天井高さHexの各変化を設計する際には、各断面における左右方向の幅のうち最大となる位置、最下部と最上部との間隔を、それぞれ側壁間幅B、天井高さHexとすればよい。
なお、側壁間幅B、天井高さHexの変化は、段階的であっても無段階であってもよい。下流側に向けて一旦大きくなる箇所がなく、概ね徐々に小さくなるように設計されていればよい。
なお、本実施の形態において、主取付用治具10は左右対称としたが、これに限られず、左右いずれかの端部に案内溝部15を設け、内側面13及び底面12は、ネジ24を自重で案内溝部15に誘導するような形状に構成すればよい。
なお、本実施の形態において、出口側部20exは完全な環状で、上方は天井面22で閉塞されていたが、これに限られない。例えば、天井面22に、ネジ24が飛び出さない程度の幅のスリットを案内溝部15に対して平行に形成してもよい。天井面22が実質的に天井部として機能すればよい。
なお、本実施の形態において、主取付用治具10の投入部20in及び出口側部20ex、補助治具30の導入穴35、縮径部36、ガイド穴37は、1組であったが、これに限られず、複数組を左右方向等に連設してもよい。この場合は、複数の投入部20inにネジ24をそれぞれ1個ずつ投入し、対応する締結用穴45の上にほぼ同時に位置させることができる。
なお、本実施の形態において、位置決めピン42(図1、図2参照)は、鍵ユニット44ではなく鍵フレーム41から突設してもよい。その場合は、鍵ユニット44と鍵フレーム41との仮位置決めのための係合部を、両者間に別途設ければよい。
なお、鍵ユニット44と鍵フレーム41との水平方向の仮位置決めを行うための機構は、位置決め穴44aと位置決めピン42との組合せに限られない。例えば、互いに設けた凹部と凸部を噛み合わせる機構でもよく、または規制壁とそれに当接する当接部の組合せ等であってもよい。あるいは、両者の一方に設けた目盛りや目印をたよりに、他方を、作業者が目視によって位置合わせする構成であってもよい。補助治具30と鍵ユニット44との位置決め機構についてもこれらと同様であり、嵌合穴38と位置決めピン42との組合せに限られない。
なお、主取付用治具10と補助治具30とを別体に構成し、少なくとも使用時に、両者を締結具で締結し、一体化して用いるような構成であってもよい。また、主取付用治具10と補助治具30とは、使用時において、手または保持機構を用いて個別に保持してもよい。その場合、主取付用治具10の上側傾斜面19、下側傾斜面23と補助治具30の当接面34、33とは、必ずしも当接状態としなくてもよく、少なくとも近接していればよい。
なお、ネジ24としてタッピングネジを例示したが、ネジの種類はこれに限られず、頭部の最大外形が軸の最大外形よりも大きいものであれば、各種のネジに適用可能である。また、螺合対象となる締結用穴は、下穴43や締結用穴45に限られず、予め雌ねじを設けてあるネジ穴であってもよい。
また、ネジ取付作業用治具1は、鍵盤装置の組み立てだけでなく、ネジで締結される各種の装置の各種部分の組み立てに適用可能である。
本発明の一実施の形態に係るネジ取付作業用治具の使用時における正面側の立面図である。 同ネジ取付作業用治具の使用時における右側の立面図である。 補助治具の平面図である。 主取付用治具の平面図(図(a))、図(a)のA−A線に沿う断面図(図(b))、主取付用治具の投入側の立面図(図(c))である。 図4(a)のB−B線に沿う断面図(図(a))、図4(a)のC−C線に沿う断面図(図(b))、主取付用治具の出口側の立面図(図(c))である。 主取付用治具における投入部から出口側部の断面形状の第1変形例(図(a))、第2変形例(図(b)、(c))を示す断面図である。
符号の説明
1 ネジ取付作業用治具、 10 主取付用治具、 12 底面(底部)、 15 案内溝部、 18 出口、 20 案内部、 20in 投入部、 20ex 出口側部、 22 天井面(天井部)、 24 ネジ、 25 頭部、 26 軸部、 30 補助治具、 37 ガイド穴、 43 下穴(締結用穴)、 45 締結用穴(締結用穴)、 B 側壁間幅(断面の最大幅)、 Hex 天井高さ(最大間隔)、 nL 全長、 hD 頭部の最大外形、 nD 軸部の最大外形、 hL 厚み、 sL 首下長さ、 dp 深さ、 mB 溝幅、 gD 内径

Claims (2)

  1. 1個ずつ投入されるネジを、出口から一定の姿勢で排出して締結用穴の上に位置させるためのネジ取付作業用治具であって、
    前記ネジが投入される投入部と、前記投入部よりも前記出口寄りに設けられ前記出口が形成された出口側部とを有し、当該ネジ取付作業用治具の使用時に前記出口位置が最下位置となるように傾斜する底部が、前記投入部から前記出口にかけて連続的に形成され、前記投入部から投入されるネジを前記出口まで案内するための案内部と、
    前記案内部の前記底部において前記投入部から前記出口にかけて連続的に形成された案内溝部とを有し、
    前記案内部の前記投入部は、当該ネジ取付作業用治具の使用時において上方が開口した断面コ字状となっていて、且つ、前記出口側部は、実質的な天井部を有して断面略環状となっており、
    前記案内部の前記投入部から前記出口にかけての各断面の内側の最大幅が、前記出口方向にいくにつれて拡大することなく徐々に縮小して、前記出口位置において最小となっており、
    前記案内部の前記出口側部における各断面の前記天井部と前記底部との最大間隔が、前記出口方向にいくにつれて拡大することなく徐々に縮小して、前記出口位置において最小となっており、
    前記案内部の前記投入部の断面のうち前記出口側部から最も遠い位置における断面の内側の最大幅は、前記ネジの全長よりも大きく、
    前記案内部の前記出口側部の前記出口位置における内側の最大幅は、前記ネジの全長よりも小さく且つ前記ネジの頭部の最大外形よりも大きく、
    前記案内部の前記出口側部の前記出口位置における前記天井部と前記底部との最大間隔は、前記ネジの前記頭部の最大外形よりも小さく且つ前記ネジの前記頭部の厚みよりも大きく、
    前記案内溝部は、全長に亘ってその深さが前記ネジの首下長さよりも深いと共に、その幅が前記ネジの軸部の最大外形よりも大きく且つ前記ネジの前記頭部の最大外形よりも小さいことを特徴とするネジ取付作業用治具。
  2. 当該ネジ取付作業用治具の使用時において前記出口に対して近接して使用され、前記出口から排出されるネジが通過するためのガイド穴が形成された補助治具を有し、当該ネジ取付作業用治具の使用時において、前記補助治具の前記ガイド穴は、前記締結用穴に対して同心であって、前記出口より下方で且つ前記締結用穴の上側に位置し、且つ、前記ガイド穴の内径は、前記ネジの前記頭部の最大外形よりも大きく且つ前記ネジの全長よりも小さいことを特徴とする請求項1記載のネジ取付作業用治具。
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