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JP2008243435A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス装置 Download PDF

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JP2008243435A JP2007079060A JP2007079060A JP2008243435A JP 2008243435 A JP2008243435 A JP 2008243435A JP 2007079060 A JP2007079060 A JP 2007079060A JP 2007079060 A JP2007079060 A JP 2007079060A JP 2008243435 A JP2008243435 A JP 2008243435A
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Abstract

【課題】湿式成膜法により電子注入輸送層を形成する場合に、溶液の粘度を下げて安定した吐出性能を確保でき、発光特性の劣化や寿命の低下を防止することのできる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、電子注入輸送層6及び発光層5を含む2層以上の層からなる機能層7と、前記機能層7を挟持する一対の電極3,8とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記電子注入輸送層6の形成工程は、前記発光層5上に、ビニル基と電子注入輸送機能を有する官能基とを備えたモノマー又はオリゴマーからなる前駆体(当該前駆体を含む液体材料6a)を湿式成膜法により配置し、前記前駆体を加熱処理又は紫外線照射処理して重合させる工程を含むことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス装置に関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス素子は、発光層を含む少なくとも1層以上の有機薄膜を上下一対の電極で挟んだ構造を有する。有機薄膜を形成する有機分子は、低分子系と高分子系とに大別される。有機分子が低分子系の場合、主に真空蒸着法により有機薄膜を形成し、高分子系の場合、主に溶媒に溶解ないし分散させてからスピンコート法やインクジェット法等の湿式成膜法により有機薄膜を形成するのが一般的である。特に、インクジェット法は、有機エレクトロルミネッセンス材料を無駄にせず、簡便且つ微細にパターニングできる手段として大変有効である(例えば、特許文献1及び2を参照)。
特開2002−231447号公報 特開2005−100894号公報
インクジェット法では、吐出する溶液の粘度に最適な範囲が存在し、この範囲内で吐出行うことが、安定且つ均一な成膜を行う上で重要となる。例えば、特許文献1には、インクジェットヘッドの吐出ノズルに詰まりが生ずることがなく安定的に吐出できる溶液粘度として、2〜20cps程度が好ましく、特に7〜10cps程度が良いと記載されている。しかしながら、溶質がポリマーである場合、粘度が20cpsよりも大きくなる場合が多々あり、ポリマーの選定及び溶媒の選定が困難であった。溶質の濃度を小さくして粘度を下げる方法も考えられるが、その場合、複数回にわたる塗布が必要になり、プロセスが複雑化する。
特許文献2では、PEDOT(正孔注入層の形成材料)のモノマーであるEDOTと塩化鉄III等の重合触媒とを液滴吐出法で吐出し、基板上で重合させる方法が開示されている。この場合、モノマー及び重合触媒は低分子であるため、溶液状態での粘度も低く、上記課題を解決することが可能である。しかしながら、有機エレクトロルミネッセンス素子において重合触媒の残留は性能を悪化させてしまうため、好ましくない。また、上記方法は正孔注入層の形成材料に特化したものであり、電子注入輸送層の形成材料については未だ明らかにされていない。
なお、特許文献2では、ピエゾ方式を用いたインクジェット法について記載されているが、上記の課題は、ピエゾ方式以外のインクジェット法、及び液滴を吐出して成膜を行うインクジェット法以外の液滴吐出法において共通の課題である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、湿式成膜法により電子注入輸送層を形成する場合に、溶液の粘度を下げて安定した吐出性能を確保でき、発光特性の劣化や寿命の低下を防止することのできる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することを目的とする。また、このような有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることにより、信頼性が高く、発光特性に優れた有機エレクトロルミネッセンス装置及び電子機器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、電子注入輸送層及び発光層を含む2層以上の層からなる機能層と、前記機能層を挟持する一対の電極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記電子注入輸送層の形成工程は、前記発光層上に、ビニル基と電子注入輸送機能を有する官能基とを備えたモノマー又はオリゴマーからなる前駆体を湿式成膜法により配置し、前記前駆体を加熱処理又は紫外線照射処理して重合させる工程を含むことを特徴とする。この方法によれば、電子注入輸送層を低粘度であるモノマー又はオリゴマーの重合反応により形成するため、それぞれのモノマー又はオリゴマーを含む前駆体を液滴吐出法で吐出した場合でも、安定した吐出性能が確保できる。また、電子注入輸送層をビニル基のラジカル反応によって重合触媒なしで架橋させるため、触媒不純物による発光特性の劣化や有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命の低下等も生じない。なお、湿式成膜法としては、スピンコート法及び液滴吐出法等に代表される公知の方法を用いることができる。
本発明においては、前記前駆体は、下記式(1)〜(3)のいずれか1種又は2種以上のモノマー又はオリゴマーを含むことが望ましい(なお、Aは、下記式(4)〜(8)のいずれかの分子骨格を含むもの、又は下記式(9)に示す芳香環を一つ以上含む誘導体の分子骨格を含むものであり、前記ビニル基は、当該分子骨格中の水素基又はブチル基(t−Bu)を置換することにより導入されたものである)。この方法によれば、電子注入輸送効率の高い電子注入輸送層が形成できる。なお、式(1)は前記ビニル基を1つ含む1官能型のモノマー又はオリゴマーであり、式(2)は前記ビニル基を2つ含む2官能型のモノマー又はオリゴマーであり、式(3)は前記ビニル基を3つ含む3官能型のモノマー又はオリゴマーである。
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本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置は、前述した本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法により製造されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする。この構成によれば、信頼性が高く、発光特性に優れた有機エレクトロルミネッセンス装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではない。下記の実施形態において、各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
図1は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子。以下、「エレクトロルミネッセンス」を「EL」と略記する)を備えた有機EL装置の概略構成図である。有機EL装置1は、基板2上に、第1電極3、機能層7及び第2電極8を備えている。機能層7は、発光層5及び電子注入輸送層6を含む2層以上の層を備えており、第1電極3、機能層7及び第2電極8によって、発光素子である有機E素子9が構成されている。本実施形態の場合、第1電極3は陽極であり、第2電極8は陰極であるが、第1電極3を陰極、第2電極8を陽極としても良い。また、第1電極3として、ITO(インジウム錫酸化物)が用いられ、第2電極8として、LiF(フッ化リチウム)と、Mag、Ca又はBaの共蒸着膜の上にAlの膜を蒸着したものが用いられるが、電極の材料はこれに限定されない。
発光層5は、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料を含む。具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。またカルバゾール(CBP)などの低分子材料にこれらの低分子色素をドープして発光層とすることもできる。またトリス−8−キノリノラトアルミニウム錯体(Alq3)を電子輸送層として発光層の一部として加えることもできる。
電子注入輸送層6は、分子骨格にビニル基と電子注入輸送機能を有する官能基とを有するモノマー又はオリゴマーからなる前駆体を基体2上(より詳細には発光層5上)に配置し、該前駆体をビニル基のラジカル反応により重合させることにより形成されている。前記前駆体としては、下記式(1)〜(3)のいずれか1種又は2種以上のモノマー又はオリゴマーを含むものが用いられる。
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上記Aとしては、低分子系有機EL素子の電子注入輸送層形成材料である下記式(4)〜(8)の分子骨格を有するものが望ましい。この場合、前記ビニル基は、当該分子骨格中の水素基又はブチル基(t−Bu)を置換することにより導入される。また、これ以外にも、図3の化合物(芳香環)の1種又は複数種を含む誘導体を上記Aとして用いても良い。
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次に、図2を用いて有機EL装置1の製造方法を説明する。まず、図2(a)に示すように、第1電極3が形成された基体2上に、発光層5を形成する。第1電極3と発光層5との間には、必要に応じて正孔注入輸送層等を形成しても良い。発光層5の形成方法としては、スピンコート法及び液滴吐出法に代表される公知の湿式成膜法を用いることができる。具体的には、高分子発光材料を有機溶媒中に溶解ないし分散させ、スピンコート法又は液滴吐出法等で基体2上(より詳細には第1電極3上)に配置し、これを乾燥することにより形成することができる。
次に、図2(b)に示すように、発光層5上に、電子注入輸送材料の前駆体を含む液体材料6aを配置し、前記前駆体を基体2上で重合させることにより、図2(c)に示した電子注入輸送層6を形成する。液体材料6aは、液滴吐出法の一種であるインクジェット法により発光層5上に配置される。インクジェット法としては、ピエゾ方式、帯電制御方式、加圧振動方式、電気熱変換方式、静電吸引方式等が挙げられるが、特に限定されない。液体材料6aを配置する場合には、液滴吐出装置の液滴吐出ヘッドに液体材料6aを充填し、液滴吐出ヘッドのノズルを基体2に対向させ、液滴吐出ヘッドと基体2とを相対移動させながら、液滴吐出ヘッドから1滴当たりの液量が制御された液体材料6aを発光層5上に吐出する。ここで、電子注入輸送材料の前駆体は、分子量の小さいモノマー又はオリゴマーであるため、該前駆体を溶解ないし分散させた液体材料6aは、粘度の小さい液体材料である。したがって、液滴吐出ヘッドで基体2上に吐出する場合に、吐出性能の良好な液体材料となる。
電子注入輸送材料の溶媒としては、イソプロピルアルコール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサメチルホスソルアミド(HMPA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテル類を挙げることができる。
重合反応は、前記前駆体に含まれるビニル基のラジカル反応によって生じる。重合を行う場合には、必要に応じて、液体材料6aに対して加熱処理又は紫外線照射処理を行う。これにより、ビニル基のラジカル反応(重合反応)が促進される。重合を生じさせるための処理としては、加熱処理及び紫外線照射処理の他に、電子線照射処理等を用いることもできる。しかし、処理装置を小型化できること、有機膜に対するダメージが少ないこと等を考慮すると、加熱処理が好ましい。加熱処理は、不活性ガス雰囲気中で行うことが望ましい。例えば、窒素雰囲気中で、200℃、10分〜60分程度、加熱処理を行うことにより、重合反応を促進することができる。
そして、上述の工程によって発光層5及び電子注入輸送層6が形成されたら、図2(d)に示すように、電子注入輸送層6上に第2電極8を形成する。以上により有機EL素子9が完成する。
以上説明したように、本実施形態においては、電子注入輸送層6を低粘度であるモノマー又はオリゴマーの重合反応により形成した。そのため、当該モノマー又はオリゴマーを含む前駆体を液滴吐出法で吐出した場合でも安定した吐出性能が確保できる。例えば、本実施形態の場合、液体材料6aの粘度を2〜20Ps範囲内に抑えることが容易であり、液滴吐出ヘッドからの安定した吐出が可能である。また、電子注入輸送層6をビニル基のラジカル反応によって重合触媒なしで架橋させるため、触媒不純物による発光特性の劣化や有機EL素子9の寿命の低下等も生じない。これにより、優れた信頼性を有する有機EL装置が提供できる。
[実施例]
次に、本実施形態の実施例について説明する。まず、第1実施例として、第1電極(陽極)が形成された基体上に層厚50nm〜60nmの正孔注入輸送層をスピンコート法により形成し、150℃で加熱して焼成処理を行った。ここで、正孔注入輸送層の形成材料として、ポリオレフィン誘導体である3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホンサン(PEDOT/PSS)を用いた。
そして、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)の1.8wt%キシレン溶液をスピンコート法により60nm〜80nmの厚みに塗布し、窒素雰囲気中で、130℃、30分の焼成処理を施して、発光層を形成した。
次に、下記式(9)の前駆体をDMFに溶解し、液滴吐出法により、基体(発光層)上に製膜した。そして、基体を窒素雰囲気中で、200℃、10分〜60分程度、加熱処理することにより、高分子膜の電子注入輸送層を形成した。式(9)の前駆体の合成方法は、図4に示す通りである(参考文献:Macromolecules 2002, 35, 2529)。図4において、化合物A、B、C及び最終生成化合物(式(9)の構造を有するもの)の同定は質量分析により行った。
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その後、真空度が10−6Torr(1.33×10−4Pa)の真空雰囲気において、真空蒸着法により層厚4nmのLiF層、層厚10nmのCa層及び層厚200nmのAl層を積層して第2電極(陰極)を形成し、有機EL素子を完成した。
次に、第2実施例として、第1電極(陽極)が形成された基体上に層厚50nm〜60nmの正孔注入輸送層をスピンコート法により形成し、150℃で加熱して焼成処理を行った。ここで、正孔注入輸送層の形成材料として、ポリオレフィン誘導体である3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホンサン(PEDOT/PSS)を用いた。
そして、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)の1.8wt%キシレン溶液をスピンコート法により60nm〜80nmの厚みに塗布し、窒素雰囲気中で、130℃、30分の焼成処理を施して、発光層を形成した。
次に、下記式(10)の前駆体をDMFに溶解し、液滴吐出法により、基体(発光層)上に製膜した。そして、基体を窒素雰囲気中で、200℃、10分〜60分程度、加熱処理することにより、高分子膜の電子注入輸送層を形成した。式(10)の前駆体の合成方法は、図5に示す通りである(参考文献:Macromolecules 1993, 26, 2209)。図5において、最終生成化合物(式(10)の構造を有するもの)の同定は質量分析により行った。
Figure 2008243435
その後、真空度が10−6Torr(1.33×10−4Pa)の真空雰囲気において、真空蒸着法により層厚4nmのLiF層、層厚10nmのCa層及び層厚200nmのAl層を積層して第2電極(陰極)を形成し、有機EL素子を完成した。
次に、第3実施例として、第1電極(陽極)が形成された基体上に層厚50nm〜60nmの正孔注入輸送層をスピンコート法により形成し、150℃で加熱して焼成処理を行った。ここで、正孔注入輸送層の形成材料として、ポリオレフィン誘導体である3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホンサン(PEDOT/PSS)を用いた。
そして、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)をの1.8wt%キシレン溶液をスピンコート法により60nm〜80nmの厚みに塗布し、窒素雰囲気中で、130℃、30分の焼成処理を施して、発光層を形成した。
次に、上記記式(9)の第1前駆体及び上記式(10)の第2前駆体をDMFに溶解し、液滴吐出法により、基体(発光層)上に製膜した。そして、基体を窒素雰囲気中で、200℃、10分〜60分程度、加熱処理することにより、高分子膜の電子注入輸送層を形成した。
その後、真空度が10−6Torr(1.33×10−4Pa)の真空雰囲気において、真空蒸着法により層厚4nmのLiF層、層厚10nmのCa層及び層厚200nmのAl層を積層して第2電極(陰極)を形成し、有機EL素子を完成した。
次に、比較例として、第1電極(陽極)が形成された基体上に層厚50nm〜60nmの正孔注入輸送層をスピンコート法により形成し、150℃で加熱して焼成処理を行った。ここで、正孔注入輸送層の形成材料として、ポリオレフィン誘導体である3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホンサン(PEDOT/PSS)を用いた。
そして、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)の1.8wt%キシレン溶液をスピンコート法により60nm〜80nmの厚みに塗布し、窒素雰囲気中で、130℃、30分の焼成処理を施して、発光層を形成した。
次に、電子注入輸送層を設けずに、真空度が10−6Torr(1.33×10−4Pa)の真空雰囲気において、真空蒸着法により層厚4nmのLiF層、層厚10nmのCa層及び層厚200nmのAl層を積層して第2電極(陰極)を形成し、有機EL素子を完成した。
次に、このようにして製造した実施例1、実施例2、実施例3及び比較例の有機EL素子について、発光スペクトルを測定した。その結果、実施例1〜3の有機EL素子においては、約460nmの発光スペクトルが得られ、比較例の有機EL素子においては、約440nmの発光スペクトルが得られた。
次に、初期輝度を800cd/cmとして実施例1、実施例2、実施例3及び比較例の有機EL素子を定電流駆動し、電流効率及び輝度の半減時間を測定した。その結果、表1のような結果が得られた。なお、表1では、比較例を1として規格化してある。
Figure 2008243435
表1より、実施例1〜3において比較例よりも優位な結果が得られることがわかった。また、実施例3は実施例1及び実施例2と比較して電流効率及び寿命の双方において優れていた。これは、上記式(9)の第1前駆体及び上記式(10)の第2前駆体の共重合体が、第1前駆体のオキサゾール誘導体が持つ電子輸送能と、第2前駆体のトリアゾール誘導体のホールブロック能とを備え、それぞれが協奏的に機能しているためと推察される。
[画像形成装置]
次に、本発明の有機EL素子を備えた電子機器の第1実施形態である画像形成装置について説明する。図6は、図1の有機EL装置をラインヘッドとして備えた画像形成装置100を示す概略構成図である。
画像形成装置100は、転写媒体22の走行経路の近傍に、像担持体としての感光体ドラム16を備えている。感光体ドラム16の周囲には、感光体ドラム16の回転方向(図中に矢印で示す)に沿って、露光装置15、現像装置18及び転写ローラ21が順次配設されている。感光体ドラム16は、回転軸17の周りに回転可能に設けられており、その外周面には、回転軸方向中央部に感光面16Aが形成されている。露光装置15及び現像装置18は感光体ドラム16の回転軸17に沿って長軸状に配置されており、その長軸方向の幅は、感光面16Aの幅と概ね一致している。
この画像形成装置100では、まず、感光体ドラム16が回転する過程において、露光装置15の上流側に設けられた図示略の帯電装置により感光体ドラム16の表面(感光面16A)が例えば正(+)に帯電され、次いで露光装置15により感光体ドラム16の表面が露光されて表面に静電潜像LAが形成される。さらに、現像装置18の現像ローラ19により、トナー(現像剤)20が感光体ドラム16の表面に付与され、静電潜像LAの電気的吸着力によって静電潜像LAに対応したトナー像が形成される。なお、トナー粒子は正(+)に帯電されている。
現像装置18によるトナー像の形成後は、感光体ドラム16の更なる回転によりトナー像が転写媒体22に接触し、転写ローラ21により転写媒体22の背面からトナー像のトナー粒子とは逆極性の電荷(ここでは負(−)の電荷)が付与され、これに応じて、トナー像を形成するトナー粒子が感光体ドラム16の表面から転写媒体22に吸引され、トナー像が転写媒体22の表面に転写される。
露光装置15は、複数の有機EL素子9を有するラインヘッド1と、該ラインヘッド1から放射された光Lを正立等倍結像させる複数のレンズ素子13を有する結像光学素子12とを備えている。ラインヘッド1と結像光学素子12とは、互いにアライメントされた状態で図示略のヘッドケースによって保持され、感光体ドラム16上に固定されている。
ラインヘッド1は、複数の有機EL素子9を感光体ドラム16の回転軸17に沿って配列してなる発光素子列10と、有機EL素子9を駆動させる図示略の駆動素子からなる駆動素子群と、これら駆動素子(駆動素子群)の駆動を制御する制御回路群11とを備えている。有機EL素子9、駆動素子群及び制御回路群11は長細い矩形の素子基板(基体)2上に一体形成されている。
結像光学素子12は、日本板硝子株式会社製のセルフォック(登録商標)レンズ素子と同様の構成からなるレンズ素子13を感光体ドラム16の回転軸17に沿って千鳥状に2列配列(配置)してなるレンズ素子列14を備えている。
この画像形成装置100は、ラインヘッド1に形成された有機EL素子9が、上述した本発明の発光素子の構造を備えている。そのため、発光輝度が高く、露光不良の生じない画像形成装置となる。
[有機EL表示装置]
次に、本発明の有機EL素子を備えた電子機器の第2実施形態である有機EL表示装置について説明する。図7は、有機EL素子を画素としてマトリクス状に備えた有機EL表示装置200の概略構成図である。
有機EL表示装置200は、基体2上に、回路素子としての薄膜トランジスタを含む回路素子部30、陽極である画素電極(第1電極)3、発光層を含む有機機能層7、陰極である対向電極(第2電極)8、及び封止部32等を備えている。
基体2としては、例えば、ガラス基板が用いられる。本発明における基板としては、ガラス基板の他に、シリコン基板、石英基板、セラミックス基板、金属基板、プラスチック基板、プラスチックフィルム基板等、電気光学装置や回路基板に用いられる公知の様々な基板が適用される。
基体2上には、発光領域としての複数の画素領域Aがマトリクス状に配列されており、カラー表示を行う場合、例えば、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の各色に対応する画素領域Aが所定の配列で形成される。各画素領域Aには、画素電極3が配置され、その近傍には信号線42、共通給電線43、走査線41及び図示しない他の画素電極用の走査線等が配置されている。画素領域Aの平面形状は、図に示す矩形の他に、円形、長円形など任意の形状が適用可能である。
封止部32は、水や酸素の侵入を防いで対向電極8あるいは有機機能層7の酸化を防止するものであり、基体2に貼り合わされる封止基板(又は封止缶)34を含む。封止基板34は、ガラスや金属等からなり、基体2と封止基板34とはシール剤を介して貼り合わされている。基体2の内側には乾燥剤が配置されており、基板間に形成された空間には不活性ガスを充填した不活性ガス充填層33が形成されている。
画素領域Aには、走査線41を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用の第1の薄膜トランジスタ44と、この薄膜トランジスタ44を介して信号線42から供給される画像信号を保持する保持容量capと、保持容量capによって保持された画像信号がゲート電極に供給される駆動用の第2の薄膜トランジスタ45と、この薄膜トランジスタ45を介して共通給電線43に電気的に接続したときに共通給電線43から駆動電流が流れ込む画素電極3と、画素電極3と対向電極8との間に挟み込まれる有機機能層7とが設けられている。有機機能層7は発光層を含み、発光素子である有機EL素子9は、画素電極3、対向電極8、及び有機機能層7等を含んで構成される。
画素領域Aでは、走査線41が駆動されて第1の薄膜トランジスタ44がオンになると、そのときの信号線42の電位が保持容量capに保持され、この保持容量capの状態に応じて、第2の薄膜トランジスタ45の導通状態が決まる。また、第2の薄膜トランジスタ45のチャネルを介して共通給電線43から画素電極3に電流が流れ、さらに有機機能層7を通じて対向電極8に電流が流れる。そして、このときの電流量に応じて、有機機能層7が発光する。
有機EL表示装置200においては、有機機能層7から基体2側に発した光が、回路素子部30及び基体2を透過して基体2の下側(観測者側)に射出されるとともに、有機機能層7から基体2の反対側に発した光が対向電極8により反射されて、その光が回路素子部30及び基体2を透過して基体2の下側(観測者側)に射出される(ボトムエミッション型)。なお、対向電極8として、透明な材料を用いることにより対向電極側から発光する光を射出させることもできる(トップエミッション型)。この場合、対向電極用の透明な材料としては、ITO、Pt、Ir、Ni、もしくはPdを用いることができる。
この有機EL表示装置200は、画素領域Aに形成された有機EL素子9が、上述した本発明の発光素子の構造を備えている。そのため、発光輝度が高く、明るい表示が可能な有機EL表示装置となる。
有機EL素子の一実施形態を示す概略構成図である。 同有機EL素子の製造方法の説明図である。 電子注入輸送材料の分子骨格の一例である。 電子注入輸送材料の前駆体の合成方法の説明図である。 電子注入輸送材料の前駆体の合成方法の説明図である。 電子機器の第1実施形態である画像形成装置の概略構成図である。 電子機器の第2実施形態である有機EL表示装置の概略構成図である。
符号の説明
1…有機EL装置、2…基体、3…第1電極、5…発光層、6…電子注入輸送層、6a…液体材料、7…機能層、8…第2電極、9…有機EL素子、100…画像形成装置(電子機器)、200…有機EL表示装置(電子機器)

Claims (3)

  1. 電子注入輸送層及び発光層を含む2層以上の層からなる機能層と、前記機能層を挟持する一対の電極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    前記電子注入輸送層の形成工程は、前記発光層上に、ビニル基と電子注入輸送機能を有する官能基とを備えたモノマー又はオリゴマーからなる前駆体を湿式成膜法により配置し、前記前駆体を加熱処理又は紫外線照射処理して重合させる工程を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記前駆体は、下記式(1)〜(3)のいずれか1種又は2種以上のモノマー又はオリゴマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
    (なお、Aは、下記式(4)〜(8)のいずれかの分子骨格を含むもの、又は下記式(9)に示す芳香環を一つ以上含む誘導体の分子骨格を含むものであり、前記ビニル基は、当該分子骨格中の水素基又はブチル基(t−Bu)を置換することにより導入されたものである。)
    Figure 2008243435
    Figure 2008243435
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    Figure 2008243435
    Figure 2008243435
  3. 請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法により製造されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
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