JP2008133457A - 光硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)重量平均分子量が20,000〜45,000であり、ポリエステルポリオール残基を含むウレタン(メタ)アクリレート樹脂を、40〜70wt%の量で、
(B) 少なくとも一の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを20〜50wt%の量で、
(C)少なくとも一の極性基と少なくとも一の光重合性基とを有する化合物を2〜15wt%の量で、及び
(D)光重合開始剤を1〜6wt%の量で、含有する光硬化性組成物、但し各wt%は、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量に対する値である。
【選択図】なし
Description
(A)ポリエステルポリオール残基を含み、重量平均分子量が20,000〜45,000であるウレタン(メタ)アクリレート樹脂を、40〜70wt%の量で、
(B) 少なくとも一の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを20〜50wt%の量で、
(C)少なくとも一の極性基と少なくとも一の光重合性基とを有する化合物を2〜15wt%の量で、及び
(D)光重合開始剤を1〜6wt%の量で、含有する光硬化性組成物、但し各wt%は、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量に対する値である。
本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートとの双方を包含する。(A)ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、GPC測定により求められるスチレン換算の重量平均分子量が20,000〜45,000、好ましくは30,000〜45,000である。また、JISK−7117−1に従って測定される80℃の粘度が50,000〜300,000mPa・s、好ましくは、100,000〜250,000mPa・sである。粘度が前記下限値未満であると、貼合せの際に接着剤のはみ出しが生じやすい 。一方、前記上限値を超えると、均一に塗布することが困難となり、接着部の外観を損なう場合がある。
上記下限値未満であると、組成物の他の成分との相溶性が悪く、硬化物の透明性が悪い場合がある。一方、上記上限値を越えると、低温特性が悪化し、粘度が高くなる場合がある。上記エステル(1)及びエーテル(2)構造の各々における1Hのピークは、通常、図1に示すように、2〜4.5ppmに観察される。該範囲におけるピークの積分強度の合計の全積分強度に対する割合が上述の範囲である。
式(3)において、重量平均分子量が20,000〜45,000である範囲内において、mは1〜90、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜4の整数、及びnは1〜200、好ましくは10〜200、より好ましくは40〜200の整数、最も好ましくは40〜150の整数である。また、R1、R2、R3、及びR4は、炭素数2〜12、好ましくは4〜10のアルキレン基であり、分岐を有していてもよい。好ましくはR1、R2、R3、及びR4が、以下に示すアルキレン基である。
(B)ウレタンプレポリマーは、ポリエステルポリオールあるいはポリエーテルポリオールとジイソシアネートから合成され、少なくとも1の末端にイソシアネートを有する。ポリエステル系ポリオールとしてはポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリカプロラクトンポリオール(PCL)等が、ポリエーテルポリオールとして、ポリオキシテトラメチレンポリオール(PTMG)、ポリオキシプロピレンポリオール(PPG)等があげられる。ジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)等上述のジイソシアネートが挙げられる。好ましくは、硬化後の黄変が無いこと、及び柔軟性の面から、脂肪族ポリオール系のNCO末端ウレタンプレポリマーを含有するものが望ましい。
(C)少なくとも一の極性基と少なくとも一の光重合性基を有する化合物(以下「光重合成化合物」という)は、その光重合性基により、硬化物網目構造に結合され、且つ、極性基が基材、特にPET、と相互作用することによって、硬化物の初期接着性を向上させる作用を奏するものと考えられる。該極性基の例には水酸基、アミド、エステル基等が挙げられ、光重合性基としてはエチレン性不飽和結合が挙げられる。(C)光重合性化合物の例には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等の、水酸基を含むアクリレート;ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン等があげられる。好ましくは、ジメチルアクリルアミド及びジエチルアクリルアミドが使用される。
光重合開始剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルニオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンなどがあげられる。重合開始剤の光吸収波長を選択することによって、紫外線領域から可視光領域にいたる広い波長範囲にわたって硬化性を付与することができる。また、これらの光重合開始剤は、2種類以上を同時に使用してもよく、例えば、薄膜塗布向けの表面硬化性に優れた光重合開始剤と厚塗り向けの深部硬化性に優れた光重合開始剤を組合せることによって、接着剤に単独の開始剤の使用では得られないような優れた硬化性を付与することができる。本発明においては、配合した接着剤の保存性および接着剤の透明性の観点から、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルニオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンが望ましい。
本発明の組成物は、上記(A)、(B)、(C)及び(D)に加えて、(E)ヒンダードフェノール化合物、トコフェロール及びトコフェロール誘導体から選ばれる少なくとも1の熱安定剤を含んでよい。一般に、熱安定剤としては、キノン系、アミン系、ヒンダードフェノール系、及び天然化合物系、例えばトコフェロール系、アスコルビン酸系があるが、これらのうち、ヒンダードフェノール系及びトコフェロール系が好ましく使用される。ヒンダードフェノール系熱安定剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス−[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、及びオクタデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメートが挙げられる。トコフェロール系としては、α−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール等が挙げられる。これらのうち、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ペンタエリスリトールテトラキス−[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、及びd−及びdl−α−トコフェロールが好ましい。ペンタエリスリトールテトラキス−[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]は、商品名Irganox1010として、オクタデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメートはIrganox1076として、チバスペシャリティーケミカルズ社より市販されている。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中単に部とあるのは重量部を示す。使用した原料は以下の通りである。
実施例で使用した原料
(A)ウレタン(メタ)アクリレート樹脂:
実施例1〜3、7、8、参考例1、2:MJ−11、Mw37,000〜43,000、根上工業(株)製
実施例4:MJ−12、Mw23,000〜27,000、根上工業(株)製
実施例5:MJ−13、Mw30,000〜33,000、根上工業(株)製
実施例6:KHP−17、Mw33,000〜37,000、根上工業(株)製
(B)ウレタンプレポリマー硬化剤:タケネートXA−18(脂肪族系)、三井武田ケミカル(株)製)
(C)光硬化性化合物: ジメチルアクリルアミド(DMAA)、(株)興人製
(D)光重合開始剤:
イルガキュア651(商標)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
表1に示す各成分を同表に示す配合(wt%)で、(B)ウレタンプレポリマー、(A)ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、(C)光重合性化合物、(D)光重合開始剤の順にホモミキサー中で70℃で加熱混合した。均一な混合物が得られた後、遊星式撹拌機で脱泡処理を行い、以下に示す評価に供した。また、使用した各ウレタン(メタ)アクリレート樹脂のNMRスペクトルを図1〜4に示す。比較例1は(C)を、比較例2は(B)を配合しないことを除き、実施例と同様にして組成物を調製した。
(1)初期接着性
組成物を塗布する基材として、表面にUVインクによる印刷と、裏面に静電防止処理が施された160cm×170cm×300μmのA−PETシートを使用した。各組成物を加温し、塗布用のエアノズルによりA−PETシートの印刷面の端部に幅3mm、長さ150mm、厚さ90μmにて塗布し、貼合せ機で他の端部の裏面側と貼合せた後、該貼り合わせ部を直ちに高圧水銀ランプ光を 250mJ/cm2で照射したところ、直ちに接着部が形成された。接着部が室温になるまで冷却後、該接着部に手でひねりを加え、目視で観察することにより下記基準に従い、初期接着性を評価した。
A:剥離が起きない。
B:接着部の端部のみ剥離する。
C:全体的に剥離する。
300μm厚みのA−PETシートから、縦(D)44mm×横(W)45mm×高さ(H)162mmの六面体のケース用に糊代部を設けた展開図を打ち抜いた。糊代部は、高さ(H)162mmの側面部に幅約3mmで設けられ、該糊代部に、各組成物を長さ155mm、厚さ90μmの寸法で塗布した後、貼り合せされた状態で糊代部がケースの外側になるようにして貼り合わせた。貼り合わせ直後に高圧水銀ランプ光を250mJ/cm2で照射し、直ちに接着部を形成した。ケースは23℃、50RH%の条件で24時間保持した。評価をするため、ケースを−20℃の低温室に12時間置いた後、重さ1kgの円柱状のサンプルをケースに入れ、1mの高さより手に持ったケースを、凹凸の少ないコンクリート面に自由落下させた。落下試験は各条件30回行った。なお、実施例7ではA−PETシートに代えて、両面コロナ処理したPPを、実施例8では両面未処理のポリ乳酸シートを使用した。
A:糊剥がれが全くない。
B:1mm以上5mm未満の糊剥がれが1個以上確認された。
C:5mm以上の糊剥がれが1個以上確認された。
上記(2)低温衝撃強度測定用サンプルの接着部(幅3mm)を用いて、50mm/min、23℃の条件にてT型剥離試験(試験機:INTESCO IM20)によって強度を測定した。剥離強度は降伏点がある場合は降伏点と降伏点後の平均剥離強度との中間値を強度とした。降伏点がない場合は平均値を強度とした。
上記(2)低温衝撃強度測定用サンプルの接着部(幅3mm)を用いて、50mm/min,−20℃の条件にてT型剥離試験(試験機:INTESCO IM20)によって強度を測定した。剥離強度は降伏点がある場合は降伏点と降伏点後の平均剥離強度との中間値を強度とした。降伏点がない場合は平均値を強度とした。
Claims (10)
- (A)重量平均分子量が20,000〜45,000であり、ポリエステルポリオール残基を含むウレタン(メタ)アクリレート樹脂を、40〜70wt%の量で、
(B) 少なくとも一の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを20〜50wt%の量で、
(C)少なくとも一の極性基と少なくとも一の光重合性基とを有する化合物を2〜15wt%の量で、及び
(D)光重合開始剤を1〜6wt%の量で、含有する光硬化性組成物、但し各wt%は、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量に対する値である。 - (C)少なくとも一の極性基と少なくとも一の光重合性基とを有する化合物が、ジメチル(メタ)アクリルアミドおよび/またはジエチル(メタ)アクリルアミドである請求項1〜3のいずれか1項記載の光硬化性組成物。
- (B)ウレタンプレポリマーが、脂肪族ポリオール残基を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の光硬化性組成物。
- (D)光重合開始剤が2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンおよび/または2−メチル−1−[4−(メチルニオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンである、請求項1〜5のいずれか1項記載の光硬化性組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物を含む接着剤。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物を含む塗料。
- ポリエステルシートからなる箱体であって、前記ポリエステルシートの一の端部と他の一の端部が、請求項7に記載の接着剤により貼り合わせられてなることを特徴とする箱体。
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