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JP2008127804A - 建設現場の噴霧冷却システムと噴霧冷却方法 - Google Patents

建設現場の噴霧冷却システムと噴霧冷却方法 Download PDF

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JP2008127804A
JP2008127804A JP2006312220A JP2006312220A JP2008127804A JP 2008127804 A JP2008127804 A JP 2008127804A JP 2006312220 A JP2006312220 A JP 2006312220A JP 2006312220 A JP2006312220 A JP 2006312220A JP 2008127804 A JP2008127804 A JP 2008127804A
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spray cooling
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JP2006312220A
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Naoki Baba
直樹 馬場
Shoji Oda
昭二 小田
Masashi Kondo
政志 近藤
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Fukuda Corp
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Fukuda Corp
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Abstract

【課題】水道を用いて、建設現場において安価で且つ簡便に使用することができる建設現場の噴霧冷却システムを提供する。
【解決手段】建設現場の立孔103を降温する噴霧冷却システムにおいて、噴霧ノズル2と水道3とこれらを直結する管路4とを備え、噴霧ノズル2からは水道3の水圧で水道水を噴霧する。噴霧ノズル2と管路4と水道3からなる構成であるため、極めて簡便で安価な噴霧冷却システムを提供でき、冷却による作業環境の改善作業効率の向上を図ることができる。また、水道3と直結し水を溜める必要がないため、途中に貯水槽や加圧ポンプなどの設備を要しない。このため、軽量で設置・移動・撤去が容易となり、建設現場の仮設備として好適である。また、余剰水、水溜めの時間、設備の設置場所などのロスが発生せず、水道3の水圧を利用することで、水道の持つエネルギーをロスさせない。
【選択図】図1

Description

本発明は、建設現場の作業空間を降温する噴霧冷却システムと噴霧冷却方法に関する。
従来、この種のものとして、上水道一次水または地下水を貯水層に溜め、この溜めた水を、建造物の外壁面または屋根材の全面に散水する気化熱冷却システム(例えば特許文献1)が提案されている。
また、水道から供給された水を加圧水供給装置により加圧し、噴霧ノズルからミストとして噴霧する噴霧システム(例えば特許文献2)が提案されている。
さらに、送風機の排気側外周に噴霧ノズルを設け、この噴霧ノズルに、水管と空気管とを接続した噴霧式クーラー(例えば特許文献3)が提案されている。
一方、建設現場で用いるものとして、仮設屋根を設けた建設現場で、噴霧装置と送風機で噴霧を拡散し対象空間を降温する建設現場の環境改善システム(例えば特許文献4)が提案されている。
特開2006−138511号公報 特開2006−177575号公報 実用新案登録第3011640号公報 特開2004−124419号公報
上記特許文献1では、水道水を貯水槽に溜めた後、ポンプを用いて加圧するものであり、上記特許文献2では、水道から供給された水を加圧水供給装置により加圧するものであり、これらはポンプや加圧水供給装置を必要とするから設備が大となり、設備費などが掛かり、移設などの対応が難しく、建設現場での使用には不向きである。さらに、上記特許文献3では、送風機を用いる上に、水管と空気管とに水と空気を供給する手段が必要となる。
一方、特許文献4では、噴霧装置本体が必要で、設備が大きくなる。その分、設備費用等がかかるほか、移動等の対応が難しく、また、余剰水、水溜めの時間、設備の設置用場所などのロスが発生する。
そこで、本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、水道を用いて、建設現場において安価で且つ簡便に使用することができる建設現場の噴霧冷却システムと噴霧冷却方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、建設現場の作業空間を降温する噴霧冷却システムにおいて、噴霧ノズルと水道とこれらを直結する管路とを備え、前記噴霧ノズルからは水道の水圧で水道水を噴霧するものである。
また、請求項2の発明は、前記噴霧ノズルは、水道の水圧により回転又は揺動するものである。
また、請求項3の発明は、前記管路の先端に前記噴霧ノズルを1個設け、前記管路の基端に前記水道の出口を直結し、この出口における水道の水圧で前記1個の噴霧ノズルから水道水を噴霧するものである。
また、請求項4の発明は、前記水道水をドライミストとして噴霧するものである。
また、請求項5の発明は、前記管路の内面を平滑面としたものである。
また、請求項6の発明は、前記管路の内面は、粗度係数が平均で0.01以下である。
また、請求項7の発明は、前記水道の出口に、水量を調整する調整弁を有するものである。
また、請求項8の発明は、建設現場の作業空間が屋根および/または側壁を有しない開放空間である。
また、請求項9の発明は、前記噴霧ノズルを水道の出口より下方に設置するものである。
また、請求項10の発明は、管路において前記水道水を増圧する増圧ポンプを備えるものある。
また、請求項11の発明は、1〜10のいずれか1項に記載の建設現場の噴霧冷却システムを用い、屋根および/または側壁に噴霧して該屋根および/または側壁の輻射冷却で作業空間を降温する方法である。
また、請求項12の発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の建設現場の噴霧冷却システムを用い、建築の立上り施工で、噴霧ノズルを各立上り毎の最上階に移動して設置する方法である。
請求項1の構成によれば、噴霧ノズルと管路と水道の構成であるため、極めて簡便で安価な噴霧冷却システムを提供でき、冷却による作業環境の改善(作業効率の向上、熱中症対策)を図ることができる。
そして、水道と直結し水を溜める必要がないため、途中に貯水槽や加圧ポンプなどの設備を要しない。このため、軽量で設置・移動・撤去が容易となり、建設現場の仮設備として好適である。また、余剰水、水溜めの時間、設備の設置場所などのロスが発生せず、水道の水圧を利用することで、水道の持つエネルギーをロスさせない。
また、請求項2の構成によれば、噴霧ノズルの回転または揺動により広い作業空間に噴霧でき、これにより、噴霧ノズルの設置個数が少なくて済む。
また、請求項3の構成によれば、噴霧ノズルを管路先端に一個だけ設けたため、分岐管を必要としないで取付けがし易い。また、複数の噴霧ノズルを取付けるのに比して、水圧の減衰(損失水頭)が少なく、噴霧の拡散範囲が遠くまで及ぶ。
また、請求項4の構成によれば、ドライミストは、人体に触れてもベトつかないで、爽快な作業空間が提供できる。
また、請求項5の構成によれば、水が通りやすくなり、摩擦による水道の水圧の減衰(損失水頭)が少なく噴霧の拡散範囲が遠くまで及ぶ。
また、請求項6の構成によれば、摩擦による損失水頭をできるだけ小さくし、水道の圧力水頭を維持することができる。
また、請求項7の構成によれば、水道の出口の調整弁で水量を調整するため、噴霧ノズルや管路に調整弁を設ける必要がなく、また、噴霧ノズルを手の届きにくいところに設置しても、噴霧量や拡散範囲の調整が容易にできる。
また、請求項8の構成によれば、屋根または側壁を有しない開放空間であっても、霧によって冷却された空気は重く下に溜まるため、作業空間の冷却に適用できる。また、直射日光で、霧に含まれる水滴が気化し易くなり、水滴の粒径が大きくてもベトつかない。
また、請求項9の構成によれば、噴霧ノズルを水道の出口より下方に設置することで、位置水頭が加算され、水道の水圧(圧力水頭)とあわせて噴霧に有利となる。
また、請求項10の構成によれば、水道側に負荷をかけることなく、水道の水圧を増圧して噴霧を行うことができ、システムの適用範囲が広がる。
また、請求項11の構成によれば、屋根/側壁の輻射冷却で作業空間を降温するため、ドライミストでない粒径の大きい水滴でも使用でき、システムの適用範囲が広がる。
また、請求項12の構成によれば、建築の立上り施工では、噴霧ノズルを各立上り毎の最上階に移動して設置するため、設備が転用でき経費の節減につながる。また、最上階は日射をまともに受ける箇所で、作業環境の改善が大きくあらわれる。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な建設現場の噴霧冷却システムと噴霧冷却方法を採用することにより、従来にない建設現場の噴霧冷却システムと噴霧冷却方法が得られ、建設現場の噴霧冷却システムと噴霧冷却方法を夫々記述する。
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。図1〜図2は本発明の実施例1を示し、同図に示すように、建築物の地下部分や地下構造物を施工するため、鋼矢板などからなる土留め壁101,101を構築し、これら土留め壁101,101間を掘削し、その掘削に伴いて、両土留め壁101,101に水平方向の切梁102を複数段に設けて立孔103を構築する。尚、図中104は、立孔103の外側で地上に設けた柵であり、単管などから形成される。
このような建築現場において用いる噴霧冷却システム1は、噴霧ノズル2と、水道3と、これらを直結する管路4とを基本構成として備える。
水道3は、公共で用いる上水道であり、図1に示すように、一般的な水道用の蛇口5に前記管路4を直結する。そして、現場でポンプ圧送することなく、水道3の水圧を用いて噴霧を行う。また、水圧の高い地域で使用する場合、噴霧ノズル2を水道3の出口より低い箇所に設置する場合などで有効になる。また、水道3の出口にある調整弁たる蛇口5で水量を調整し、また、蛇口5と別個に調整弁を設けてもよい。
噴霧ノズル2は、水圧のみを用いる一次流体式ノズルが用いられ、前記水道3の圧力で水道水を噴霧する。図1に示すように、水道3の蛇口5より下方で、前記土留め壁101に配置されている。尚、水道3の出口たる蛇口5の位置は、地面位置又は建築物では1階位置を基準とする。
図1では、水道3の1つ蛇口5に対応して、1つ噴霧ノズル2を設け、それら蛇口5と噴霧ノズル2とは、単独の管路4により直結され、この管路4には分岐などが設けられておらず、1つの蛇口5の水圧により対応する1つの噴霧ノズル2から水道水を噴霧するように構成している。
一方、管路4に複数の噴霧ノズルを取付けた場合は、管路4上に噴霧範囲を確保できるが、圧力水頭が下がる分、個別ノズルでの噴霧の拡散範囲は狭まる。本実施例のように、管路4の先端に1個の噴霧ノズル2を取付けた場合は、分岐管を必要としないで取付が容易になるほか、圧力水頭が維持されて噴霧の拡散範囲が遠くまで及ぶ。また、わざわざ貯水槽に水道水を移す必要がなく、水道水の持つエネルギーを損失させない。
また、噴霧ノズル2を水道3の水圧により回転させたり、揺動させてもよい。このようにすると、広い作業空間に噴できる。尚、揺動としては、スプリンクラーのように、一定の角度範囲を往復動する角度回動が例示される。噴霧ノズル2を回転させたり揺動させたりするには、水圧を用いたり、噴霧の反力などを用いる。例えば、図2に示すように、噴霧ノズル2は、回転軸111に、放射状に配置したノズル管112を回転可能に設け、ノズル管112の先端から水道水を噴霧することにより、その噴霧の力でノズル管112が回転するようにすればよい。
好ましくは水道3の出口に調整弁を設けるが、各噴霧ノズル2毎に調整弁(図示せず)を設けても良い。
尚、噴霧ノズル2と送風機(図示せず)と組合わせて用いてもよく、送風機を用いることにより、広い作業空間に噴霧できる。また、噴霧ノズル2の噴霧口は、ノズル式に代表させるが、複数の孔により構成してもよい。
噴霧ノズル2から噴霧する水滴(霧)は蒸発する際に外気(または物質)の熱を奪い付近の温度を数度下げる効果がある。ここで、霧とは落下速度が極めて遅い水の浮遊体をいう。微霧と霧雨の境界の100μm以下程度の水滴が通常霧と言われ、それ以上は、雨滴と呼ばれている。但し、100〜300μmの細霧(霧雨)を噴霧してもよい。
噴霧ノズル2からは、ドライミスト(別名ドライフォグ)を噴霧することが好ましく、この噴霧された細かな霧であるドライミストは、人体に触れてもベトつかないものを言い、気温や湿度などの条件を受けるため一概に言えないが、平均粒径で数十μm程度以下の微霧が該当する。
管路4の材質は鋼、コンクリート、樹脂、ゴムなど特に問わない。また、途中で材質、管径が変わってもよい。例えば、管路4には、鉄管、ヒューム管のように硬質なものや、ビニールホース、耐圧ホース、サニーホースのようにフレキシブルなものが用いられる。
また、管路4の粗度係数について説明する。尚、粗度係数は、マニングの式による。
管路4に用いる管とその粗度係数を下記に示す。
1)ヒューム管(コンクリート):n=0.013程度
2)陶管(セラミックス) :n=0.013程度
3)ハイセラミックス管 :n=0.010程度
4)塩ビ管(硬質) :n=0.010程度
本実施例では、水道3の水圧を生かし、効果的な噴霧を可能とするため、管路4の平均粗度係数を好ましくは0.010以下とした。これにより、損失水頭をできるだけ小さくし、水道3の圧力水頭を維持することができる。
また、管路4の材質を選定する以外にも、フッ素樹脂などを内面にコーティングして管路4の内面を平滑面にして、粗度係数を小さくする。
尚、管路4に水量の調整弁をつけてもよい。
前記立孔103は、上方が開口した開放空間であるが、立孔103の上に屋根などの覆いを設け、閉塞空間としてもよい。どちらでも、噴霧により冷却した空気は重く下に降りるため、立孔103の底部で作業する作業員に冷気を与える。
そして、閉塞空間の方が冷却効率は優れる。一方、直射日光に曝された屋根などの覆いのない開放空間では水滴が気化しやすくなり、水滴の粒径が大きくてもベトつかない。
図1に示したように、噴霧ノズル2は、空気中に向かって噴霧を行うが、屋根/側壁等に噴霧し冷却して間接的な冷気を与えてもよく、この例でも、被噴霧物たる土留め壁101に向かって噴霧してもよい。このように、被噴霧物に水滴が付着するように噴霧する場合は、ドライミストより粒径が大きい粒径で噴霧することが好ましく、このように比較的粒径の大きい水滴とし、濡れる程度が効果的であり、作業者に霧がかからないから、ベトつくことがなく、屋根/側壁等を用いた間接的な冷気で作業環境の冷却を行うことができる。
そして、水道3の蛇口5を開き、管路4を通った水道水が噴霧ノズル2から噴霧され、噴霧された霧状の水道水が気化することにより、作業空間が冷却される。そして、建設現場では、真夏の炎天下、開放された建設現場では強い日射に長時間さらされて仕事をすることが多い。また、閉塞空間でも機械・人の排熱、地熱などで高温となることがある。これに対して、水道水の水圧を用いた噴霧により、建設作業空間を降温する。
熱中症対策として従来は、水分・塩分を補給する、睡眠を十分確保する、更に冷却機能付きのヘルメットをかぶる、など個々人への対策を取っていたが、作業空間を冷却することにより、作業効率の低下を防止できる。また、ヒューマンエラー・熱中症等の発生を防止できる。また、副次的効果として、粉塵を鎮めることができる。
このように本実施例では、建設現場の作業空間たる立孔103を降温する噴霧冷却システム1において、噴霧ノズル2と水道3とこれらを直結する管路4とを備え、噴霧ノズル2からは水道3の水圧で水道水を噴霧するから、噴霧ノズル2と管路4と水道3の構成であるため、極めて簡便で安価な噴霧冷却システムを提供でき、冷却による作業環境の改善(作業効率の向上、熱中症対策)を図ることができる。
そして、水道3と直結し水を溜める必要がないため、途中に貯水槽や加圧ポンプなどの設備を要しない。このため、軽量で設置・移動・撤去が容易となり、建設現場の仮設備として好適である。また、余剰水、水溜めの時間、設備の設置場所などのロスが発生せず、水道3の水圧を利用することで、水道3の持つエネルギーをロスさせない。
また、このように本実施例では、噴霧ノズル2は、水道3の水圧により回転又は揺動するから、噴霧ノズル2の回転または揺動により広い作業空間に噴霧でき、これにより、噴霧ノズル2の設置個数が少なくて済む。
また、このように本実施例では、管路4の先端に噴霧ノズル2を1個設け、管路4の基端に水道3の出口たる蛇口5を直結し、この蛇口5における水道3の水圧で1個の噴霧ノズル2から水道水を噴霧するから、噴霧ノズル2を管路4先端に一個だけ付けるため、分岐管を必要としないで取付けがし易い。また、複数の噴霧ノズル2を取付けるのに比して、水圧の減衰(損失水頭)が少なく、噴霧の拡散範囲が遠くまで及ぶ。
また、このように本実施例では、水道水をドライミストとして噴霧するから、ドライミストは、人体に触れてもベトつかないで、爽快な作業空間が提供できる。
また、このように本実施例では、管路4の内面を平滑面としたから、水が通りやすくなり、摩擦による水道の水圧の減衰(損失水頭)が少なく噴霧の拡散範囲が遠くまで及ぶ。
また、このように本実施例では、管路4の内面は、粗度係数が平均で0.01以下であるから、摩擦による損失水頭をできるだけ小さくし、水道3の圧力水頭を維持することができる。
また、このように本実施例では、水道3の出口に、水量を調整する調整弁たる蛇口5を有するから、噴霧ノズル2や管路4に調整弁を設ける必要がなく、また、噴霧ノズル2を手の届きにくいところに設置しても、噴霧量や拡散範囲の調整が容易にできる。
また、このように本実施例では、建設現場の作業空間が屋根を有しない開放空間であるから、噴霧によって冷却された空気は重く下に溜まるため、作業空間の冷却に適用できる。また、直射日光で、霧に含まれる水滴が気化し易くなり、水滴の粒径が大きくてもベトつくことがない。
また、このように本実施例では、噴霧ノズル2を水道3の出口より下方に設置するから、噴霧ノズル2を水道3の出口より下方に設置することで、位置水頭が加算され、水道3の水圧(圧力水頭)とあわせて噴霧に有利となる。
図3〜図4は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、複数階からなる建築物の現場作業に噴霧冷却システムを用いている。同図に示すように、建築物11の現場を囲むように足場12を組み、地上の水道3の蛇口5に、管路4の先端を接続し、該管路4を足場12に沿って配管し、作業階まで立ち上げ、その管路4の基端に、作業階13の上方に配置した噴霧ノズル2を接続する。
図4は建築物11の平面図の一例を示し、建築物11の周囲に複数の噴霧ノズル2を設け、各噴霧ノズル2から噴霧範囲Fに水道水を噴霧する。
この例では、噴霧ノズル2を斜め上方に向け、建築中の最上階13に噴霧する。すなわち、1階部分を建築する際には、噴霧ノズル2を高さ位置H1に配置し、2階部分を建築する際には、噴霧ノズル2を高さ位置H2に配置し、3階部分を建築する際には、噴霧ノズル2を高さ位置H3に配置し、3階部分の上の4階部分を構築する際には、図3に示すように、最上階13である4階部分に水道水を噴霧する。このように噴霧ノズル2を各立ち上り毎の最上階13に移動して設置し、最上階13の作業空間に水道水を噴霧する。そして、建築物11の立上りでは、最上階13が直射日光にさらされる。そこで、立上り階ごとに噴霧ノズル2の移動設置を行う。
このように、噴霧ノズル2を水道3の出口より上方に設置して使用する。こうすると、位置水頭が減算されて、噴霧の水圧が低くなるが、水道3の水圧が高い地域で使える。尚、水圧が低いと、噴霧範囲が狭くなり、狭い範囲の作業空間のカバーとなり、噴射ノズル2の数を増やして対処する。
このように本実施例では、上記実施例1と同様な作用・効果を奏し、また、このように本実施例では、上述した記載の建設現場の噴霧冷却システムを用い、建築物11の立上り施工で、噴霧ノズル2を各立上り毎の最上階13に移動して設置するから、設備が転用でき経費の節減につながる。また、最上階13は日射をまともに受ける箇所で、作業環境の改善が大きくあらわれる。
また、建築物11の1階毎に噴霧ノズル2を移動したが、2階毎に噴霧ノズル2を移動してもよい。
図5は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、建設現場である建築物の解体現場21などを示し、その解体現場21の周囲を、屋根22と側壁23,23とからなる仮囲い24により覆い、前記解体現場21を略密閉空間とし、その仮囲い24の外側から、噴霧ノズル2により側壁23の外面に水道水を噴霧している。尚、この例では、噴霧ノズル2,2を比較的低い位置で使用するから、1つの水道3に複数(図では左右の2個)の噴霧ノズル2,2から水道水を噴霧するようにしてもよい。
そして、この例のように、屋根22や側壁23の外側に噴霧する場合、日光や湿度が低いことで気化し易くなる。また、屋根22や側壁23の材質としては、布(テント生地)、鋼材、多孔質材料など各種のものを用いることができ、多孔質材料を使うと、余剰な噴霧をしても保水することができる。
このような閉塞空間の外側に噴霧ノズル2により水道水を噴霧することにより、その気化熱によって内部を冷却することができる。このように、閉塞空間の方が、空気移動がなく、冷却効率は優れる。尚、図5の中央に示すように、噴霧ノズル2から屋根22の外面に水道水を噴霧してもよい。この場合は、水道水の噴霧を比較的粒径の大きい水滴とし、屋根22又は側壁23が濡れる程度が効果的である。尚、図5中央の噴霧ノズル2は、屋根22上に設けた図示しないサポートなどにより支持され、屋根22上に固定されている。
また、仮囲いした中で湿気を嫌う場合などでは外側から噴霧が効果的である。特に、噴霧する方法は、1箇所の噴霧ノズル2で広範囲に対応でき、現場作業において有利となる。さらに、間接的な冷気は輻射冷却でまろやかな空気環境を作ることができる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
図6は本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、建設現場である建築物の解体現場21などを示し、その解体現場21の周囲を、屋根22と柱25,25とからなる仮囲い24Aにより覆い、前記解体現場21の側面を開放した開放空間とし、柱25に噴霧ノズル2を設け、解体現場21内に向かって水道水を噴霧し、且つ一部を屋根22の下面に向って噴霧する。
このように側面が開放した開放空間でも同様な作用・効果を奏し、閉塞空間と開放空間のどちらでも、冷却した空気は重く下に降りるため、作業員に冷気を与えることができ、また、屋根22の下面に噴き付けた水道水の気化熱によって屋根22を冷却し、間接的な輻射冷却でまろやかな空気環境を作ることができる。
尚、屋根22の上から水道水を噴霧してもよく、解体現場21内に噴霧する噴霧ノズル2からはトライミストを噴霧し、屋根22の上に噴霧する噴霧ノズル2からは、比較的粒径の大きい水滴とし、屋根22が濡れる程度が効果的である。また、解体現場21内に噴霧を行うことにより、作業により発生する粉塵などの飛散を防止することができる。
尚、複数ある噴射ノズル2の少なくとも1つから、仮囲い24Aの内部にドライミストを噴霧し、他の噴霧ノズル2から屋根22の下面など向って水道水を噴霧してもよい。
そして、この例のように、屋根22の上面や下面に噴霧する場合、日光や湿度が低いことで気化し易くなる。また、屋根22の材質としては、布(テント生地)、鋼材、多孔質材料など各種のものを用いることができ、多孔質材料を使うと、余剰な噴霧をしても保水することができる。
また、上記実施例3においても、屋根22の下面や側壁23の内面に水道水を噴霧してよい。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、このように本実施例では、建設現場の作業空間が側壁を有しない開放空間であるから、霧によって冷却された空気は重く下に溜まるため、作業空間の冷却に適用できる。また、直射日光で、霧に含まれる水滴が気化し易くなり、水滴の粒径が大きくてもベトつかない。
図7〜図8は本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、管路4に増圧ポンプ31を設けて該管路4を流れる水道水を増圧している。すなわち、通常の高圧ポンプでは、水道3に過度の負圧を加えるため、直接接続することができず、受水槽を設けるなど必要があったが、増圧ポンプ31により、水道3の水圧を生かしつつ、必要な状況で水道水を増圧する。
前記増圧ポンプ31としては、吐出側の配管圧力が起動圧力まで低下すると、吐出側の圧力センサーで検知し、ポンプ本体(図示せず)を起動し、ポンプの吐出圧力または末端圧力(推定)を一定に保つもので、ホンプ本体を挟んでバイパス管(図示せず)を設け、水道水の圧力のみで噴霧する場合はバイパス管を通して噴霧ノズル2に水道水を送り、増圧する場合は、ポンプ本体を通して増圧する所謂ブースターポンプや、図8に示すように、管路4に駆動高圧水を噴射する噴射管32を接続し、この噴射管32に接続した高圧水噴射手段33から高圧水を水道水の流れ方向に噴出し、水圧を増圧するものや、高圧水噴射手段33に替えて高圧空気噴射手段33Aを設け、この噴射管32に接続した高圧空気噴射手段33Aから高圧空気を水道水の流れ方向に噴出し、水圧を増圧するものが用いられ、或いは噴射管32に高圧水と高圧空気とを同時に噴出し、水圧を増圧するものなどが用いられ、何れも、水道3の水圧を生かし、この水圧を増圧するポンプが用いられる。尚、前記ブースターポンプにより、水道に負荷がかからない。
このように本実施例では、上記実施例1と同様な作用・効果を奏し、また、このように本実施例では、管路3において水道水を増圧するから、水道3側に負荷をかけることなく、水道3の水圧を増圧して噴霧を行うことができる。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、建設現場には土木の現場を含み、また、建設現場としては、建築や土木に用いる鉄筋などを現場で加工する鉄筋などの現場加工場などでもよい。さらに、噴霧ノズルの噴霧する向きは手動などにより可変とすることができる。
本発明の実施例1を示す断面図である。 同上、噴霧ノズルの平面図である。 本発明の実施例2を示す断面図である。 同上、平面図である。 本発明の実施例3を示す断面図である。 本発明の実施例4を示す断面図である。 本発明の実施例5を示す断面図である。 同上、管路の要部を示す断面説明図である。
符号の説明
1 システム
2 噴霧ノズル
3 水道
4 管路
5 蛇口(調整弁)
11 建築物
12 足場
13 作業階
21 解体現場(建築現場)
22 屋根
23 側壁
31 増圧ポンプ
101 土留め壁(側壁)
103 立孔(建築現場)

Claims (12)

  1. 建設現場の作業空間を降温する噴霧冷却システムにおいて、噴霧ノズルと水道とこれらを直結する管路とを備え、前記噴霧ノズルからは水道の水圧で水道水を噴霧することを特徴とする建設現場の噴霧冷却システム。
  2. 前記噴霧ノズルは、水道の水圧により回転又は揺動することを特徴とする請求項1記載の建設現場の噴霧冷却システム。
  3. 前記管路の先端に前記噴霧ノズルを1個設け、前記管路の基端に前記水道の出口を直結し、この出口における水道の水圧で前記1個の噴霧ノズルから水道水を噴霧することを特徴とする請求項1記載の建設現場の噴霧冷却システム
  4. 前記水道水をドライミストとして噴霧することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の建設現場の噴霧冷却システム。
  5. 前記管路の内面を平滑面としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の建設現場の噴霧冷却システム。
  6. 前記管路の内面は、マニングの粗度係数が平均で0.01以下であることを特徴とする請求項5記載の建設現場の噴霧冷却システム。
  7. 前記水道の出口に、水量を調整する調整弁を有することを特徴とする請求項1記載の建設現場の噴霧冷却システム。
  8. 建設現場の作業空間が屋根および/または側壁を有しない開放空間であることを特徴とする請求項1記載の建設現場の噴霧冷却システム。
  9. 前記噴霧ノズルを水道の出口より下方に設置することを特徴とする請求項1記載の建設現場の噴霧冷却システム。
  10. 前記管路において前記水道水を増圧する増圧ポンプを備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載建設現場の噴霧冷却システム。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の建設現場の噴霧冷却システムを用い、屋根および/または側壁に噴霧して該屋根および/または側壁の輻射冷却で作業空間を降温することを特徴とする建設現場の噴霧冷却方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の建設現場の噴霧冷却システムを用い、建築の立上り施工で、噴霧ノズルを各立上り毎の最上階に移動して設置することを特徴とする建設現場の噴霧冷却方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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