JP2008120754A - 抗疲労剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】魚肉抽出物と、糖及び有機酸を含有する抗疲労剤、該抗疲労剤を含有する医薬組成物及び飲食品組成物、ならびに魚肉抽出物に由来する臭みのマスキング方法。
【選択図】なし
Description
項1.魚肉抽出物、糖及び有機酸を有効成分とする抗疲労剤。
項2.魚肉抽出物が、魚肉を原料として得られる分子量50000以下の抽出画分である、項1に記載の抗疲労剤。
項3.魚肉抽出物が、イミダゾールジペプチド及びその塩からなる群より選択される少なくともいずれか1種を含有するものである、項1又は2に記載の抗疲労剤。
項4.魚肉抽出物が、アンセリン、カルノシン、バレリン及びそれらの塩からなる群より選択される少なくともいずれか1種を含有するものである、項1又は2に記載の抗疲労剤。
項5.糖が、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、エリスリトール、キシリトール及びマルチトールからなる群より選択される少なくともいずれか1種である、項1〜4のいずれかに記載の抗疲労剤。
項6.有機酸が、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、酢酸、シュウ酸、リン酸、乳酸、酪酸、コハク酸、フマル酸及びグルコン酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種である、項1〜5のいずれかに記載の抗疲労剤。
項7.アンセリンを含有する魚肉抽出物と、グルコース及びクエン酸を含む、項1又は2に記載の抗疲労剤。
項8.項1〜7のいずれかに記載の抗疲労剤を、薬学的に許容される担体及び/又は添加剤と共に含有する医薬組成物。
項9.項1〜7のいずれかに記載の抗疲労剤を、アンセリン、カルノシン及びバレリンの総量に換算して0.01〜99重量%含有する、飲食品組成物。
項10.項1〜7のいずれかに記載の抗疲労剤を、アンセリン、カルノシン及びバレリンの総量に換算して0.1〜30重量%含有する、飲食品組成物。
項11.顆粒、カプセル、錠剤及びドリンク剤からなる群より選択されるいずれか1種の形態である、項10又は11に記載の飲食品組成物。
項12.包装容器に、疲労を予防する又は疲労回復に効果がある旨を表示した、項9〜11のいずれかに記載の飲食品組成物。
項13.魚肉抽出物又は魚肉抽出物を含有する組成物に、糖及び有機酸を配合することを特徴とする、魚肉抽出物に起因する臭みのマスキング方法。
項14.イミダゾールジペプチド及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種に、糖及び有機酸を配合することを特徴とする、イミダゾールジペプチド又はその塩に起因する臭みのマスキング方法。
本発明において抗疲労とは、心理的及び/又は身体的なストレスに伴う、倦怠感、不快感、脱力感、傾眠等の非特異的な症状を軽減及び/又は回復することを意味する。さらに、心理的及び/又は身体的なストレスによる場合のみならず、日常的な生活において感じられるこれらの症状の予防及び/又は軽減をも意味するものである。
本発明において使用される魚肉抽出物は、一般的に食用とされる魚肉を原料として得られる。原料となる魚肉としては、特に限定されないが、例えばメバチマグロ、ミナミマグロ、キハダマグロ、ビンナガマグロ、クロマグロ等のマグロ;シロザケ、ベニザケ、ギンザケ、キングサーモン等のサケ;クロカジキ、マカジキ、メカジキ、シロカジキ等のカジキ;カツオ;サメ等の魚の肉が挙げられる。
本発明において使用される糖としては、従来公知のものが挙げられるが、例えば、グルコース(D−グルコースを含む)、フルクトース、ガラクトース等の単糖;マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース等の二糖;エリスリトール、キシリトール、マルチトール等の糖アルコールが挙げられ、好ましくはグルコース、スクロースであり、より好ましくはグルコースである。これらの糖を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において使用される有機酸としては、従来公知のものが挙げられるが、例えば、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、酢酸、シュウ酸、リン酸、乳酸、酪酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸等であり、好ましくはクエン酸である。これらの有機酸を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記(1)〜(3)の成分以外に、従来公知の賦形剤、香料、着色料、風味剤、甘味剤、保存剤、コーティング剤、乳化剤、可溶化剤、滑沢剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて配合することができる。
本発明は、前記抗疲労剤を、薬学的に許容される担体及び/又は添加剤と共に含有する医薬組成物をも提供するものである。
さらに上記抗疲労剤を食品として許容される担体や添加剤と共にさまざまな飲食品形態に調製することができる。
魚肉抽出物には魚臭さがあり、摂取しにくいという問題がある。本発明は、魚肉抽出物又は魚肉抽出物を含有する組成物に、糖及び有機酸を組み合わせて配合することによって魚肉抽出物に由来する魚臭さをマスキングすることができる。本発明において魚肉抽出物を含有する組成物とは、魚肉抽出物を含有する組成物であって、魚肉抽出物に起因する魚臭さを有する医薬組成物、食品組成物等の全てを対象とするものである。
魚肉抽出物の含有成分であるイミダゾールジペプチドもしくはその塩も、独特の臭みがあり、摂取しにくい場合がある。従って、本発明は、イミダゾールジペプチド及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種に、糖及び有機酸を配合することにより、イミダゾールジペプチド又はその塩に起因する臭みのマスキング方法をも提供するものである。
[魚肉抽出物の調製方法]
マグロ及びカツオの肉を原料として水抽出を行い、得られた抽出物(5kg)に4倍量の水を加えて希釈した。その後、限外濾過膜(分画分子量5000〜50000)を用いて、希釈液から高分子タンパク質を除去して低分子タンパク質の画分を回収した。
[鶏肉加工品の調製方法]
鶏肉をミートグラインダーにて細切りにし、肉の重量に対して1.5倍の重量の温水を加え、さらにクエン酸を肉の重量に対して0.2%添加してpH5.5として、90℃にて4時間抽出した。得られた抽出物を、濾過し、100メッシュ以上の不溶物を除去した。濾過した抽出液にパパイン0.06%添加し、50℃にて1時間反応させた。その後、90℃にて15分間加熱し、酵素を失活させた。前記抽出物を凍結乾燥後、破砕し、50メッシュ以下の乾燥粉末とした。
魚肉抽出物、D-グルコース及びクエン酸を混合したときの抗疲労効果を検証した。STD DDY 雄性マウス(5週齢:各群n=3〜4)に対し、D-グルコース、クエン酸及び
参考例1の魚肉抽出物を組み合わせたサンプルを経口摂取させた。各サンプルは、摂取量が下記表1に示される量になるように純水に溶解させて調製した。コントロール群のマウスには、何も摂取させずに試験を行った。
試験方法は以下の通りである。
各サンプル摂取群について健康な成人4名を、被験者とした。抽出物の摂取量が、表2〜4に示される量になるように、各抽出物を含む組成物を摂取させ、30分間安静にした。その後スクワットを行い、5セット以降、主観的運動強度(表5)について評価を行った。スクワットは、20回×7セット行い、各セット毎にインターバル30秒をはさんだ。主観的運動強度は、運動強度スコアの値が高い程、主観的な運動の負荷が大きいことを示す。
魚肉抽出物には、魚臭さがあり、摂取しにくいという問題がある。そこで、魚肉抽出物とD-グルコース、クエン酸を組み合わせた場合の味質改善効果について検証した。
以下に処方例を示す。なお、以下の処方例で用いた魚肉抽出物には、約5重量%のアンセリンが含有される。
(1)錠剤 (1粒250mg中);1日の目安摂取量:1日6粒)
Claims (14)
- 魚肉抽出物、糖及び有機酸を有効成分とする抗疲労剤。
- 魚肉抽出物が、魚肉を原料として得られる分子量50000以下の抽出画分である、請求項1に記載の抗疲労剤。
- 魚肉抽出物が、イミダゾールジペプチド及びその塩からなる群より選択される少なくともいずれか1種を含有するものである、請求項1又は2に記載の抗疲労剤。
- 魚肉抽出物が、アンセリン、カルノシン、バレリン及びそれらの塩からなる群より選択される少なくともいずれか1種を含有するものである、請求項1又は2に記載の抗疲労剤。
- 糖が、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、エリスリトール、キシリトール及びマルチトールからなる群より選択される少なくともいずれか1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の抗疲労剤。
- 有機酸が、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、酢酸、シュウ酸、リン酸、乳酸、酪酸、コハク酸、フマル酸及びグルコン酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種である、請求項1〜5のいずれかに記載の抗疲労剤。
- アンセリンを含有する魚肉抽出物と、グルコース及びクエン酸を含む、請求項1又は2に記載の抗疲労剤。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の抗疲労剤を、薬学的に許容される担体及び/又は添加剤と共に含有する医薬組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の抗疲労剤を、アンセリン、カルノシン及びバレリンの総量に換算して0.01〜99重量%含有する、飲食品組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の抗疲労剤を、アンセリン、カルノシン及びバレリンの総量に換算して0.1〜30重量%含有する、飲食品組成物。
- 顆粒、カプセル、錠剤及びドリンク剤からなる群より選択されるいずれか1種の形態である、請求項10又は11に記載の飲食品組成物。
- 包装容器に、疲労を予防する又は疲労回復に効果がある旨を表示した、請求項9〜11のいずれかに記載の飲食品組成物。
- 魚肉抽出物又は魚肉抽出物を含有する組成物に、糖及び有機酸を配合することを特徴とする、魚肉抽出物に起因する臭みのマスキング方法。
- イミダゾールジペプチド及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種に、糖及び有機酸を配合することを特徴とする、イミダゾールジペプチド又はその塩に起因する臭みのマスキング方法。
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