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JP2008117748A - 異方性導電フィルム、異方性導電フィルムの製造方法、配線板、配線板接続体および配線板モジュール - Google Patents

異方性導電フィルム、異方性導電フィルムの製造方法、配線板、配線板接続体および配線板モジュール Download PDF

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JP2008117748A
JP2008117748A JP2007073081A JP2007073081A JP2008117748A JP 2008117748 A JP2008117748 A JP 2008117748A JP 2007073081 A JP2007073081 A JP 2007073081A JP 2007073081 A JP2007073081 A JP 2007073081A JP 2008117748 A JP2008117748 A JP 2008117748A
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anisotropic conductive
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conductive film
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Masamichi Yamamoto
正道 山本
Hideaki Toshioka
英昭 年岡
Hideki Kashiwabara
秀樹 柏原
Takeshi Miyazaki
健史 宮崎
Masanari Mikage
勝成 御影
Tatsutama Boku
辰珠 朴
Keiji Koyama
惠司 小山
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

【課題】配線板の導体の接続に異方性導電樹脂を用い、対向する導体間に導電部を確実に形成して、所要の導体同士を接続する。
【解決手段】異方性導電フィルム20が、厚さ方向の貫通穴21aが間隔をあけて穿設されると共に厚さ方向の両面に接着性を有する絶縁樹脂フィルム21と、前記各貫通穴21a内に貫通させて両端開口部に露出させる導電部23を備え、前記導電部23により前記絶縁樹脂フィルム21の厚さ方向の両側面に対向配置させる導体同士を導通固着する。
【選択図】図1

Description

本発明は、異方性導電フィルム、異方性導電フィルムの製造方法、配線板、配線板接続体および配線板モジュールに関し、特に、携帯電話機器、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の薄型且つ小型の電子機器内において、フレキシブルプリント配線板(FPC)と硬質プリント配線板(PCB)等の配線板同士の電気接続に好適に用いられるものである。
近時、電子機器は高機能化されていると共に、薄型化および小型化が促進されている。よって、これらの電子機器内に収容される配線板においては、導体ピッチが1mm以下、更には0.2mm以下と狭ピッチ化され、例えば、PCBからなる配線板に狭ピッチで配線した導体をFPCからなる配線板に狭ピッチで配線した導体と電気接続している。
この種の配線板の導体の電気接続方法としては、従来、主として下記の手法が採用されている。
(1)PCBに実装したコネクタ内の端子にFPCの導体を差し込み接続する。
(2)絶縁被覆を剥離して露出させた接続部の導体同士を直接半田接続する(特開平8−17259号公報等)。
(3)導体が露出させた接続部の導体同士を異方導電性接着剤を介して接続する(特開2006−176716号公報等)。
前記(3)の異方導電性接着剤を用いる場合、絶縁樹脂中に導電性粒子を分散したフィルムまたはペーストを用い、加熱・加圧により対向配置する導体同士を接続している。
特開平8−17259号公報 特開2006−176716号公報
前記(1)のコネクタによる接続は配線板同士を簡単に接続することができ、また、接続後に外すことも容易である利点があるが、コネクタの筐体はかさ張り、部品の高密度化に対応することが困難である。また、コネクタのリード線を半田付けする必要があり、接続端子の狭ピッチ化への対応も困難である。
前記(2)の導体同士を直接半田接続する場合、電気信頼性が高く、且つ接続作業が容易な利点を有するが、狭ピッチの導体同士を直接半田で強固に固着すると共に、通常、隣接する導体間の絶縁部を熱硬化性樹脂で形成して、強固に固着している剥離性が悪い問題がある。よって、接続作業をやり直す場合等において、剥離が容易でなめ接続箇所に損傷が生じて、再利用出来なくなる問題がある。
前記(3)の異方導電性接着剤による接続では、プリント配線板同士を直接接続できるため部品の小型化できる。また、コネクタに比べると狭ピッチの接続にも対応可能である。異方導電性接着剤において、厚み方向に相対峙する接続端子間の抵抗(接続抵抗)を低くする導通性能と、面方向に隣合う接続端子間の抵抗(絶縁抵抗)を高くするという絶縁性能が必要とされている。しかし、接続ピッチが小さくなると接続端子の幅が狭くなり、接続に寄与する導電性粒子の数が少なくなることで接触抵抗が高くなる。これを解消するために異方導電性接着剤中の導電性粒子を多くすると、隣り合う接続端子間に存在する導電性粒子同士が接触してしまい、絶縁抵抗が低くなる。
また、特に、微細な接続端子を持つ配線板同士の接続作業においては、位置ずれ等を修復するために、一度接続したものを剥離して再度接続(リペア)したいという要求がある。また、電気機器の修理を行う際に接続されて配線板同士を一旦剥離し、高価な部品が搭載されたPCBを再利用したいという要求もある。
しかし、異方導電性接着剤は接続対象である配線板同士を接着するとため永久接続となり、一度接続した後には容易に剥がすことができず、無理やり剥がすと配線板が破損することもある。リペア性を向上するために接着剤の接着力を低くすることも考えられるが、接着力を低くすると接続信頼性が低下する可能性がある。
本発明は、前記した問題に鑑みてなされたもので、
第一に、配線板の導体の接続に前記(3)の異方導電性接着剤を用いる場合と同様に、対向する導体配線間に導電部を確実に形成することができる異方性導電フィルムを提供することを課題としている。
第二に、簡単に高精度な異方性導電フィルムの製造できる製造方法を提供することを課題としている。
第三に、接続部における導体配線同士および絶縁樹脂同士を所要の接着力で接着できると共に、剥離時に導体配線に損傷が発生しないように剥離でき、リペア性の良い配線板接続体および、該配線板モジュールを提供することを課題としている。
前記第一の課題を解決するため、本発明は、
厚さ方向の貫通穴が間隔をあけて穿設され、厚さ方向の両面に接着性を有する絶縁樹脂フィルムと、
前記各貫通穴内に貫通させて両端開口部に露出させる導電部を備え、
前記導電部は前記絶縁樹脂フィルムの厚さ方向の両側面に対向配置させる導体同士を導通するものである異方性導電フィルムを提供している。
前記したように、従来の異方導電接着剤は、絶縁樹脂中に導電性粒子を分散させており、加熱、加圧して対向する端子間に導電性粒子をかみこませることで厚さ方向に導電性を付与しているが、本発明の異方性導電フィルムは、絶縁樹脂フィルムに貫通孔をあけ、該貫通孔に導電部を貫通させて厚さ方向にのみ導電性を付与している。よって、狭ピッチの導体同士を接続する場合に、本発明の異方性導電フィルムを介在させるだけで、確実に対向する導体同士を導通でき、隣接する導体間に短絡を発生させない。
前記導電部は絶縁樹脂フィルムの少なくとも一面側から突出していることが好ましい。該構成とすると、異方性導電フィルムの導電部と配線板の導体との接着力を高めて、接続信頼性を向上させることができると共に、配線板の導体との接着時に加圧力を小さくでき、配線板に負荷する圧縮力を低減することができる。
前記導電部は、半田、半田ペースト、半田メッキあるいは他の金属メッキ、導電性樹脂ペーストから選択される1種以上の導電材で形成している。
前記導電材が半田ペーストや導電性樹脂ペーストの場合には貫通孔内にスクリーン印刷、ディスペンサ等で充填され、半田メッキや他の金属メッキの場合には貫通孔の内周面にメッキ層が形成される。
導電部を半田、半田ペーストで形成すると、配線板の導体との接着力を高めることができる。
さらに、前記絶縁樹脂フィルムの一面または両面に接着用樹脂層を有し、該接着用樹脂層の加熱時の溶融粘度が前記絶縁樹脂フィルムの加熱時の溶融粘度よりも低いことが好ましい。
前記導電部を導電性樹脂やメッキで形成する場合には、配線板の導体との接着力は低いため、配線板の隣接する導体間の絶縁樹脂部と接着力を高めるため、前記した接着用樹脂層を設けている。
前記した二層構造とすると、接着用樹脂層が溶融して、導体配線間を埋めることができると共に、導電部のある絶縁フィルム層は大きく溶融せず、導電部の形状を保つことができる。かつ、接着時に溶融する接着樹脂層を介して配線板の基板と絶縁樹脂フィルムとを接着するため、この点からも加圧力を低減でき、配線板の基板に負荷される圧縮力を低減できる。
該接着用樹脂層は主成分として熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
この種の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等が挙げられる。
該接着用樹脂層は、剥離しやすいように、加熱時における溶融粘度を前記導電部を設けた絶縁樹脂フィルムの溶融粘度よりも低くし、配線板の導体間の絶縁樹脂部と容易に剥離できるようにしている。
該接着用樹脂層は、絶縁樹脂フィルムの貫通穴を除く全面に固着されるが、配線板と加熱・加圧して接着する時に導電部の表面から流れるものであれば全面に設けてよい。
このように、異方性導電フィルムを容易に剥離できるようにすることにより、配線板の損傷を低減でき、配線板の再利用が可能となる。
前記絶縁樹脂フィルムは、導電部を保持できれば、フェノキシ樹脂、ブラチール樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂で形成してもよい。
また、前記絶縁樹脂フィルムは熱硬化性樹脂で形成してもよい。熱硬化性樹脂は高湿での接着力に優れるため接続信頼性が向上する。さらに、熱可塑樹脂と熱硬化性樹脂を併用すると特性のバランスが取れてより好ましい。
本発明の異方性導電フィルムに設ける貫通孔は導体幅以下とし、隣接する導体間に跨がないようにして導体間の短絡を防止している。
また、貫通孔は縦横方向に所要ピッチで設け、導電部を設けた貫通孔を1つの導体に対して長さ方向の複数箇所で接続することが好ましい。
前記した第二の課題を解決するため、前記異方性導電フィルムの製造方法として、前記絶縁樹脂フィルムの貫通穴と対応位置に開口を設けたマスクフィルムを積層し、あるいは前記絶縁樹脂フィルムとマスクフィルムを積層した後に貫通穴を設け、
ついで、前記貫通穴内に導電材を充填して導電部を形成し、
その後、前記マスクフィルムを剥離することを特徴とする異方性導電フィルムの製造方法を提供している。
前記貫通孔内に導電材を充填して導電部を形成する工程は、半田ペーストや導電性樹脂ペーストをマスクフィルムの開口を通して貫通孔に充填し、あるいは、貫通孔の内面に電解メッキあるいは無電解メッキでメッキして形成している。
前記マスクフィルムとしては、離型性のよいPETフィルムが好適に用いられる。
前記のように、マスクフィルムを絶縁樹脂フィルムの表面に被せて、貫通孔に導電部を形成すると、該マスクフィルムの厚に対応した寸法で前記絶縁樹脂フィルムの表面より導電部を突出させることができる。
さらに、接着用樹脂層を設ける場合には、前記マスクフィルムの剥離後に前記縁樹脂フィルムの表面に接着用絶縁樹脂を塗布して形成している。あるいは接着用の絶縁樹脂フィルムを載置した後に溶融して形成している。
この接着用樹脂層の形成工程において、前記絶縁樹脂フィルムの表面から突出させた導電部の先端面を覆うように接着用樹脂フィルムを前記絶縁樹脂フィルムの表面に配置し、
ついで、前記接着用樹脂フィルムを加熱溶融して、溶融した樹脂を前記導電材の先端面からは流出させて導電材間の隙間に充填していることが好ましい。
また、本発明は、間隔をあけて設けた複数の導体配線を接続部とする配線板であって、前記異方性導電フィルムを前記接続部の表面に予め取り付けている異方性導電フィルムを有することを特徴とする配線板を提供している。
本発明で提供する前記配線板は、フレキシブルプリント配線板(FPC)、フレキシブルフラットケーブル(FFC)、硬質プリント配線板(PCB)のいずれでもよく、これらの総称とする。
前記異方性導電フィルムを接続部に固着した配線板では、配線板の隣接する導体間の絶縁樹脂部と、前記異方性導電フィルムの前記絶縁樹脂フィルムあるいは前記接着用樹脂層とが固着され、該固着部の剥離強度は前記導電部と導体配線との剥離強度よりも低く設定されていることが好ましい。
該構成とすると、樹脂部同士の接着面積が導体同士の接着面積よりも小さいため、配線板と異方性導電フィルムとの剥離時に無理なく剥離ができ、配線板の損傷を低減、防止でき、再利用可能となる。
なお、前記異方性導電フィルムの導電部を半田等の接着力が高い場合には、該導電部と配線板の配線導体とを接着し、導体配線間の絶縁樹脂部と異方性導電フィルムの前記絶縁樹脂フィルムとは必ずしも固着しなくともよい。
該構成とすると、異方性導電フィルムと配線板との剥離時に絶縁樹脂部同士は接着していないため、容易に剥離できる。
さらに、本発明では、間隔をあけて設けた複数の導体配線を第一の接続部とする第一の配線板と、間隔をあけて設けた複数の導体配線を第二の接続部とする第二の配線板との接続体であって、
前記第一の接続部と第二の接続部とを前記した異方性導電フィルムで電気的に接続していることを特徴とする配線板接続体を提供している。
例えば、前記第一の配線板はフレキシブルプリント配線板(FPC)で、前記第二の配線板は硬質プリント配線板(PCB)からなり、
前記異方性導電フィルムの一面に、FPCが配置されると共に他面にPBCが配置され、前記異方性導電フィルムの前記導電材の一端が前記FPCの配線導体と固着されると共に他端が前記PBCの配線導体と固着されている。
前記FPCからなる第一の配線板とPBCからなる第二の配線板とを異方性導電フィルムを介在させて固着する方法は、例えば、異方性導電フィルムをFPCの端末接続部に仮接着させておき、これをPBCの接続部に所要圧力で加圧して圧着し、FPCの配線導体とPBCの配線導体とを異方性導電フィルムの導電部の厚さ方向の両端に所要圧力で接触させ、ついで、所要温度で加熱して、異方性導電フィルムの絶縁樹脂フィルムあるいは接着用樹脂層を溶融して、FPCとPBCの絶縁樹脂部と接着している。
前記異方性導電フィルムを介して接着したFPCとPCBとは、PBCに対してFPCを90度屈曲させ、配線導体の配線方向へと引張して剥離した状態において、100℃での剥離強度が500g/cm以下としていることが好ましい。
この剥離時には、異方性導電フィルムの絶縁樹脂フィルム、あるいは絶縁樹脂フィルムの表面に前記接着用樹脂層があれば該接着用樹脂層の樹脂のガラス転移温度以上、または該樹脂の軟化点以上に加熱することが好ましい。あるいは室温で溶剤に浸してもよい。
さらに、異方性導電フィルムとPBCとの剥離強度が、異方性導電フィルムとFPCとの剥離強度よりも低いことがより好ましい。このように、異方性導電フィルムとPBCとの剥離強度を低くすることで、剥離時におけるPBCの損傷を防止、低減することができる。
前記のように、第一の配線板がFPC、第二の配線板がPBCの場合に限定されず、第一と第二の配線板の両方がFPC、FFCであってもよく、さらに、FFCとPBCであってもよい。
前記した異方性導電フィルムを第一、第二配線板のいずれか一方に予め取り付けておく場合、FPCからなる第一の配線板に異方性導電フィルムを取り付けておくことが好ましいが、PBC側に異方性導電フィルムを予め取り付けておいてもよい。
さらに、本発明は前記配線板接続体の前記第一の配線板と第二の配線板の少なくともいずれか一方に電子部品が実装されていることを特徴とする配線板モジュールを提供している。
前記電子部品は第一の配線板と第二の配線板の両方に実装してもよい。
前記本発明の異方性導電フィルムはリペア性に優れているため、電子部品を実装した後に前記異方性導電フィルムを用いて接続した場合に、接続不良を起こしても再接続することができ、電子部品を実装した高価な配線板を再利用することができる。
該配線板モジュールは、前記第二配線板がPCBからなる場合、該PCBの一面に前記異方性導電フィルムが接着されると共に、該異方性導電フィルムの接着側と対向するPCBの背面側に電子部品が実装することができる。
さらに、本発明は前記配線板モジュールを内蔵している電子機器を提供している。
前記のように、PCBを含む配線板モジュールとした場合、コネクタ接続に比べて接続部分を小さくできることで、小型化を図ることができる。また、高密度に部品および回路パターンを形成できるため、配線板モジュール自体も小型化できる。
前記配線板モジュールを内蔵する電子機器としては、例えば、携帯電話機器、デジタルカメラやビデオカメラ等のカメラ、ポータブルオーディオプレーヤー、ポータブルDVDプレーヤ、ポータブルノートパソコン等の小型、軽量且つ薄型で携帯可能な電子機器が挙げられる。
前述したように、本発明の異方性導電フィルムは、絶縁樹脂フィルムに貫通孔を設け、該貫通孔に導電部を設けているため、該導電部を異方性導電フィルムの厚さ方向に対向配置する導体間に配置すると、確実に導体を電気接続することができる。よって、特に狭ピッチで配線する導体同士の接続に適したものとなる。かつ、絶縁樹脂フィルムに厚さ方向に貫通した導電部を設け、絶縁樹脂フィルムの表面に導電部を露出させ、配線板の導体との接続時に表面に接着用樹脂層が溶融して絶縁樹脂フィルムと配線板との基板とを接着するため、負荷する加圧力を低減でき、その結果、配線板への圧縮力を低減できる。
さらに、前記異方性導電フィルムを介して配線板の配線導体同士を電気接続した配線板接続体では、異方性導電フィルムの樹脂成分を調整することにより、配線板の絶縁樹脂部との接着力を調整でき、一旦接続した後に剥離する必要が生じた場合、配線板の導体に損傷の発生を防止した状態で剥離することが可能となり、リペア性能を高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4に、本発明の第1実施形態を示す。
配線板接続体10は、図1に示すように、第一の配線板であるフレキシブルプリント配線板30(以下、FPC30と称す)の導体配線32と、第二の配線板である硬質プリント配線板40(以下、PCB40)の導体配線42を、互いの接続部33と43において接続している。
詳細には、FPC30の導体32とPCB40の導体42を、FPC30の接続部33に設けた異方性導電フィルム20の導電部23で電気的に接続及び接着すると共に、FPC30の絶縁樹脂フィルム31とPCB40の基板41とを異方性導電フィルム20の接着用樹脂層22で接着しており、前記FPC30とPCB40との100℃での剥離強度を500g/cm以下としている。
前記FPC30の接続部22に設けた異方性導電フィルム20は、図2に示すように、絶縁樹脂フィルム21の両面に接着用樹脂層22を有し、絶縁樹脂フィルム21に間隔をあけて穿設された厚さ方向の貫通穴21aと接着用樹脂層22を貫通させた導電部23を設けており、該導電部23の両端を両面の接着用樹脂層22の外面に露出させている。
前記絶縁樹脂フィルム21は熱硬化性樹脂からなる一方、接着用樹脂層22はフェノキシ樹脂(熱可塑性樹脂)を主成分とする樹脂からなり、接着用樹脂層22の加熱時の溶融粘度を絶縁樹脂フィルム21の加熱時の溶融粘度よりも低くしている。また、導電部23は半田からなる。
また、異方性導電フィルム20の導電部23の径を導体配線32、42の幅および導体配線32、42間の隙間幅よりも小さく設定して、1つの導体配線32、42に複数の導電部23が固着されるが、1つの導電部23にはそれぞれ1つの導体配線32、42だけが固着されるようにしている。これにより、接続しない導体間が導電部23により短絡しないようにしている。
前記異方性導電フィルム20の製造は、まず、図3(A)(B)に示すように、貫通穴21aが穿設された絶縁樹脂フィルム21の両面に、貫通穴21aの対応位置に開口24aを設けたPETフィルムからなるマスクフィルム24を積層し、次いで、図3(C)に示すように、貫通穴21a内に半田を充填して導電部23を形成する。
その後、図3(D)に示すように、マスクフィルム24を剥離し、絶縁樹脂フィルム21の両面に導電部23が突出した状態とする。
次いで、図3(E)に示すように、絶縁樹脂フィルム21の表面から突出させた導電部23の先端面を覆うように接着用樹脂フィルム25を絶縁樹脂フィルム21の両面に配置し、接着用樹脂フィルム25を加熱溶融して、図3(F)に示すように、溶融した樹脂を導電部23の先端面から流出させて導電部23間の隙間に充填して接着用樹脂層22を形成する。
前記FPC30は、図4に示すように、銅からなる導体配線32が0.2mm以下のピッチ形成されており、これら導体32の両面を絶縁樹脂フィルム31で被覆している。該FPC30の端末位置において、一面側の絶縁樹脂フィルム31が積層されておらず、導体32を露出させた接続部33を設けている。
前記接続部33に前記方法により製造した異方性導電フィルム20を取り付け、接続部33に異方性導電フィルム20の厚さ方向の一面が接触するように異方性導電フィルム20を載置し、この状態で加圧すると共に加熱している。これにより、導体32と異方性導電フィルム20の導電部23を固着すると共に、溶融した一方の接着用樹脂層22Aを導体32間の隙間および両側に充填して、該接着用樹脂層22Aと絶縁樹脂フィルム31の導体32間及び両側の絶縁樹脂部31aを固着している。
前記接着用樹脂層22Aと絶縁樹脂部31aとの固着部の剥離強度は導電部23と導体32との剥離強度よりも低く設定している。
一方、FPC30と接続するPCB40は、図1に示すように、硬質のプリント基板41の周縁の所要箇所に接続部43を設けており、該接続部43では基板表面に導体42をFPC30の導体32と同一の0.2mm以下のピッチで配線している。
次に、前記FPC30とPCB40との接続による配線板接続体10の製造方法について説明する。
まず、互いに導通させるPCB40の導体42とFPC30の導体32を対向させると共に、FPC30に設けた異方性導電フィルム20の厚さ方向の他面をPCB40の接続部に接触させる。
次いで、FPC30とPCB40を加圧すると共に加熱して、導体42と異方性導電フィルム20の導電部23を固着すると共に、溶融した他方の接着用樹脂層22Bを導体42間の隙間および両側に充填して、該接着用樹脂層22Bと基板41の導体42間及び両側の絶縁樹脂部41aを固着している。
前記構成からなる本発明の配線板では、異方性導電フィルム20は、絶縁樹脂フィルム21に貫通孔21aをあけ、該貫通孔21aに導電部23を貫通させて厚さ方向にのみ導電性を付与しているため、狭ピッチの導体同士を接続する場合に、異方性導電フィルム20を介在させるだけで、確実に対向する導体同士を導通でき、隣接する導体間に短絡を発生させない。かつ、導電部23は絶縁樹脂フィルムを貫通させ、さらに接着用樹脂層も貫通させて両端を露出させているため、PCB40への接着時に加圧力をさほど高める必要はなく、従来と比べて加圧力を大幅に低減でき、PCB40への圧縮荷重を低減できる。
一方、FPC30とPCB40を剥離する必要が生じた場合には、接着用樹脂層22を熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂により形成しているため、加熱することで接着用樹脂層22を軟化させ、あるいは、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度で加熱して溶融させることで、PCB40の樹脂部から容易に剥離することができる。かつ、導電部23も低融点金属で形成しているため、接着界面を溶融して容易に剥離することができる。
また、接着用樹脂層22の溶融粘度をFPC30の絶縁樹脂フィルム31の溶融粘度よりも低くしているため、接着用樹脂層22が溶融してもFPC30の絶縁樹脂フィルム31は溶融せず、導通部の形状を保ったまま、導体配線間を接着用樹脂で埋めて接着することができる。
このように、接着用樹脂層22を溶融し、かつ、低融点金属からなるメッキ層24を溶融することで容易に剥離できることにより、剥離時におけるFPC30及びPCB40の損傷、特に導体の損傷を防止でき、FPC30及びPCB40の再利用が可能となる。
図5に、本発明の第1実施形態の変形例を示す。
本変形例では、異方性導電フィルム20の製造方法を第1実施形態と相違させている。
図5(A)及び図5(B)に示すように、貫通穴を設けていない絶縁樹脂フィルム21の両面に貫通穴を設けていないマスクフィルム24を積層した後、図5(C)に示すように、積層したに絶縁樹脂フィルム21とマスクフィルム24に連通する貫通穴21aと開口24aを設けている。それ以降の製造方法は第1実施形態と同様のため説明を省略する。
前記構成によれば、絶縁樹脂フィルム21とマスクフィルム24を積層する際に、絶縁樹脂フィルム21の貫通穴21aとマスクフィルムの開口24aを位置合わせする必要がないため、積層作業を容易にすることができる。
図6に、本発明の第2実施形態を示す。
本実施形態の異方性導電フィルム20では、絶縁樹脂フィルム21の一面にのみ接着用樹脂層22を設ける一方、他面には接着用樹脂層を設けず、該他面側では絶縁樹脂フィルム21の貫通穴21aの開口端から導電部23を突出させている。
前記構成の場合にも、配線板接続体の接続した配線板同士を剥離するときに、加熱により片面にのみ設けた接着用樹脂層が溶融して該接着用樹脂層で容易に剥離することができる。また、接着時における加圧力を低減して、接続する配線板に負荷する圧縮荷重を低減できる。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
図7に、本発明の第3実施形態を示す。
本実施形態の異方性導電フィルム20では、絶縁樹脂フィルム21の貫通孔21aに導電材を充填せず、貫通穴21aの内面に半田をメッキして導電部23を形成している。
図7(A)では絶縁樹脂フィルム21の両面に接着用樹脂層を設けておらず、図7(B)では絶縁樹脂フィルム21の両面に接着用樹脂層22を設けている。
前記構成によれば、異方性導電フィルム20の導電部23と配線板の導体との接触面積が小さくなるため、固着力が小さくなり、接続した配線板同士の剥離を容易にすることができる。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
図8および図9に第4実施形態を示す。
第4実施形態は、前記異方性導電フィルム20を介して接続したFPC30とPCB40を備え、PCB40に電子部品50を実装したプリント配線板モジュール100からなる。
図8中において、40−1はメインPCBであり、該メインPCB40−1の配線導体(図示せず)に複数のFPC30−1〜30−4の一端の配線導体(図示せず)を電気接続部P1〜P4で接続している。また、前記FPC30−1の他端の配線導体をサブPCB40−2の配線導体と電気接続部P5で接続し、前記FPC30−2の他端の配線導体をサブPCB40−3に電気接続部P6で接続している。該サブPCB40−3にはFPC30−5の一端を電気接続部P7で接続し、該FPC30−5の他端をインカメラ55を実装したPCB40−4と電気接続部P8で接続している。
前記FPC30−3の他端はメインディスプレイ56と電気接続部P9で接続し、FPC30−4の他端はサブディスプレイ57と電気接続部P10で接続している。
さらに、メインPCB40−1にコネクタ接続した配線60をPCB40−5にコネクタ接続し、該PCB40−5にも電気接続部P11を介してFFC30−6と接続し、該FFC30−6をPCB40−6と接続している。図中、59はアウトカメラである。
前記メインPCB40−1および40−5の基板42には、その両面に、内蔵メモリ、ベースバンドLSI、電源制御IC、音源IC、RF受信LSI、RF送信LSI、スイッチIC、パワーアンプ等の電子部品53を実装している。
また、サブPCP40−2、40−3の基板にも所要の電子部品53を実装している。
前記電気接続部P1〜P11は、図9に示すFPC30−1とメインPCB40−1との電気接続部P1と同様に、FPC30に予め取り付けた異方性導電性フィルム20をPCB40に、前記したように、加圧、加熱して接続している。
前記異方性導電フィルム20をPCB40に加圧加熱して接続する際、図9に示すように、PCB40の基板42の背面側に実装した電子部品53に負荷がかからないように、荷重受け治具54を基板42の背面側に配置し、該荷重受け治具54の支持部54aの上面を基板42の背面に当接して支持している。
なお、基板42で接続時の荷重を受け止め、背面側の電子部品に荷重負荷による影響を与えない場合には、前記荷重受け治具を用いる必要はない。
前記荷重受け治具54を使用した場合、異方性導電フィルムの加圧力が大となり、基板42へ負荷される圧縮荷重が高くなると、前記荷重受け治具54の強度を高めるために支持部54aは太く且つ突出量を大とする必要がある。しかしながら、荷重受け治具54の支持部54aを太くすると、荷重受け治具54の支持部54aの占有面積が増大するが、基板42の裏面にも高密度に配線導体が形成されていると共に、電子部品53が実装されているスペース確保が困難であり、基板42を大型化する必要がある。
このように、基板42へ負荷される圧縮荷重が高くなると、基板42が厚く且つ大型化せざるを得ないが、本発明の異方性導電フィルム20では、前記のように、絶縁樹脂フィルム21の厚さ方向に貫通した導電部23を設け、該導電部を絶縁樹脂フィルム21の表面から突出させると共に、該絶縁樹脂フィルム21の表面の接着用樹脂層22の外面にも露出させているため、接着時の加圧力を低減でき、その結果、基板42へ負荷される圧縮荷重を低くすることができる。
よって、前記基板42の裏面に荷重受け治具54を配置する場合においても、該荷重受け治具の耐圧強度を低減でき、該荷重受け治具54の支持部54aを細くすることもでき、基板42の面積の増大を抑制できる。
前記のように、プリント基板モジュール100には、異方性導電フィルム20により接続する電気接続部はP1〜P11と多数箇所に存在し、これら異方性導電フィルム20の接続部における基板42の厚さ増大および面積増大を抑制できると、プリント基板モジュール100の全体がより小型化することができる。
前記第4実施形態は携帯電話機器に内蔵するプリント基板モジュールであるが、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ポータブルオーディオプレーヤー、ポータブルDVDプレーヤー等の携帯用の電子機器に適用した場合においても、小型化を促進することができる。
なお、前記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
本発明の第1実施形態の配線板接続体を示し、(A)は製造過程の斜視図、(B)は長さ方向の断面図、(C)は幅方向の断面図である。 異方性導電フィルムを示し、(A)は斜視図、(B)はA−A線断面図である。 (A)〜(F)は異方性導電フィルムの製造方法を示す図面である。 FPCからなる配線板を示し、(A)は斜視図、(B)はB−B線断面図、(C)はC−C線断面図である。 (A)〜(C)は第1実施形態の変形例を示す図面である。 第2実施形態の異方性導電フィルムの断面図である。 (A)(B)は第3実施形態の異方性導電フィルムの断面図である。 第3実施形態のプリント配線板モジュールを示す図面である。 図8の要部拡大図面である。
符号の説明
10 配線板接続体
20 異方性導電フィルム
21 絶縁樹脂フィルム
22 接着用樹脂層
23 導電部
24 マスクフィルム
30(30−1〜30−6) フレキシブルプリント配線板(FPC)
32 導体
40(40−1〜40−5) 硬質プリント配線板(PCB)
42 導体
53 電子部品
100 プリント配線板モジュール

Claims (12)

  1. 厚さ方向の貫通穴が間隔をあけて穿設され、厚さ方向の両面に接着性を有する絶縁樹脂フィルムと、
    前記各貫通穴内に貫通させて両端開口部に露出させる導電部を備え、
    前記導電部は前記絶縁樹脂フィルムの厚さ方向の両側面に対向配置させる導体同士を導通するものである異方性導電フィルム。
  2. 前記導電部が前記絶縁樹脂フィルムの少なくとも一面側から突出している請求項1に記載の異方性導電フィルム。
  3. 前記導電部は、半田、半田ペースト、半田メッキあるいは他の金属メッキ、導電性樹脂ペーストから選択される1種以上の導電材で形成している請求項1または請求項2に記載の異方性導電フィルム。
  4. 前記絶縁樹脂フィルムの一面または両面に接着用樹脂層を有し、該接着用樹脂層の加熱時の溶融粘度が前記絶縁樹脂フィルムの加熱時の溶融粘度よりも低いことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の異方性導電フィルム。
  5. 前記接着用樹脂層は熱可塑性樹脂を主成分とする請求項4に記載の異方性導電フィルム。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の異方性導電フィルムの製造方法であって、
    前記絶縁樹脂フィルムの貫通穴と対応位置に開口を設けたマスクフィルムを積層し、あるいは前記絶縁樹脂フィルムとマスクフィルムを積層した後に貫通穴を設け、
    ついで、前記貫通穴内に導電材を充填して導電部を形成し、
    その後、前記マスクフィルムを剥離することを特徴とする異方性導電フィルムの製造方法。
  7. さらに、接着用樹脂層を設ける工程を有し、前記マスクフィルムの剥離後に接着用樹脂層を設けることを特徴とする請求項6に記載の異方性導電フィルムの製造方法。
  8. 間隔をあけて設けた複数の導体配線を接続部とする配線板であって、前記接続部の表面に請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の異方性導電フィルムを有することを特徴とする配線板。
  9. 間隔をあけて設けた複数の導体配線を第一の接続部とする第一の配線板と、間隔をあけて設けた複数の導体配線を第二の接続部とする第二の配線板との接続体であって、
    前記第一の接続部と第二の接続部とを請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の異方性導電フィルムで電気的に接続していることを特徴とする配線板接続体。
  10. 前記第一の配線板はフレキシブルプリント配線板(FPC)で、前記第二の配線板は硬質プリント配線板(PCB)からなり、
    前記FPCとPCBとの100℃での剥離強度が500g/cm以下である請求項9に記載の配線板接続体。
  11. 請求項9または請求項10に記載の配線板接続体の前記第一の配線板と第二の配線板の少なくともいずれか一方に電子部品が実装されていることを特徴とする配線板モジュール。
  12. 請求項11に記載の配線板モジュールを内蔵している電子機器。
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JP2011204839A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Sumitomo Electric Printed Circuit Inc 接続部材、配線板接続体及び電子機器
CN111136971A (zh) * 2020-01-16 2020-05-12 北京华清凯尔空气净化技术有限公司 一种复合材料

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