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JP2008110620A - 車両走行制御装置 - Google Patents

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JP2008110620A JP2006293023A JP2006293023A JP2008110620A JP 2008110620 A JP2008110620 A JP 2008110620A JP 2006293023 A JP2006293023 A JP 2006293023A JP 2006293023 A JP2006293023 A JP 2006293023A JP 2008110620 A JP2008110620 A JP 2008110620A
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Abstract

【課題】周囲の走行環境に適応して安全な車両走行が行える車両走行制御装置を提供すること。
【解決手段】車両状態と外部環境に基づいて自車の目標速度パターンをECU10にて随時生成し、他車と隊列して走行する際に自車の目標速度パターン及び他車の目標速度パターンに基づいて隊列走行速度パターンを随時生成し、その隊列走行速度パターンに応じて
スロットルアクチュエータ32などを作動させて車両の走行制御を行う。これにより、隊列内における先行車両の走行制御誤差の重畳によって後方側の車両の走行制御誤差が大きくなることを防止できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両の走行制御を行う車両走行制御装置に関するものである。
従来、車両の走行制御を行うものとして、例えば特許第3632533号公報に記載されるように、所定地点に目標時刻に到達するように車両の走行制御を行う自動走行制御装置が知られている。この装置は、予め走行環境に応じた速度パターンを記憶しており、その速度パターンに従って車両の自動走行制御を行うものである。
特許第3632533号公報
このような車両の走行制御装置は、自動走行車の専用道路で走行制御する場合に適したものであり、一般道で走行制御する場合には、手動運転者の動きなど周囲の状況に合わせた走行が困難である。また、複数の車両により隊列を組んで走行制御を行おうとすると、さらに周囲の走行環境に対する適応が困難となる。
そこで本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、周囲の走行環境に適応して安全な車両走行が行える車両走行制御装置を提供することを目的とする。
すなわち本発明に係る車両走行制御装置は、車両状態と外部環境に基づいて自車の目標速度パターンを随時生成する目標速度パターン生成手段と、他車と隊列して走行する際に、自車の目標速度パターン及び他車の目標速度パターンに基づいて隊列走行速度パターンを随時生成する隊列走行速度パターン生成手段と、前記隊列走行速度パターンに応じて車両の走行制御を行う走行制御手段とを備えて構成されている。
この発明によれば、車両状態と外部環境に基づいて自車の目標速度パターンを動的に生成しつつ、隊列を組む自車及び他車の目標速度パターンに基づいて隊列走行速度パターンを随時生成し、その隊列走行速度パターンに応じて車両の走行制御を行う。これにより、一般道であっても道路状態や周囲の車両の動きに適応しつつ、安全な隊列走行制御が行える。
また本発明に係る車両走行制御装置において、前記隊列走行速度パターン生成手段は、自車の目標速度パターン及び前後を走行する他車の目標速度パターンに基づいて安全車間パターンを設定し、その安全車間パターン及び自車の目標速度パターンに基づいて隊列走行速度パターンを設定することが好ましい。
この発明よれば、安全車間パターン及び自車の目標速度パターンに基づいて隊列走行速度パターンを設定することにより、安全な自動隊列走行が可能となる。
また本発明に係る車両走行制御装置において、前記走行制御手段は、前記隊列走行速度パターンから得られる所定の時刻における車両位置を制御目標位置として車両の走行制御を行うことが好ましい。
この発明によれば、隊列する各車両について独立した制御量である制御目標位置に対して走行制御を行うことにより、制御誤差が後方の車両制御に影響を与えにくく、安全な隊列走行が行える。
また本発明に係る車両走行制御装置において、前記走行制御手段は、所定時刻における先行車両の制御目標位置及び自車と先行車両の前記隊列走行速度パターンから得られる目標車間距離に基づいて前記制御目標位置を算出することが好ましい。
また本発明に係る車両走行制御装置において、先行車両の隊列走行速度パターンと先行車両の時刻情報を取得する先行車両情報取得手段と、先行車両の時刻情報が取得できない場合にその先行車両における時刻を推定する時刻推定手段と、推定した時刻及び先行車両の隊列走行速度パターンに基づいて先行車両の制御目標位置を算出する制御目標位置算出手段とを備えたことが好ましい。
この場合、推定した先行車両における時刻及び先行車両の隊列走行速度パターンに基づいて先行車両の制御目標位置を算出することにより、通信途絶などにより先行車両の情報が取得できない場合であっても、先行車両の制御目標位置を推定できるため、円滑な走行制御が維持できる。
また本発明に係る車両走行制御装置において、自車の隊列走行速度パターンから算出される制御目標位置における車速を制御目標速度として車両の走行制御を行うことが好ましい。
この発明によれば、制御目標位置のみにより車両の走行制御を行う場合と比べて、制御誤差を低減することができる。
本発明によれば、周囲の走行環境に適応して安全な車両走行制御を行うことができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に本発明の実施形態に係る車両走行制御装置の構成概要図を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る車両走行制御装置は、車両に搭載され、その車両の走行制御を行うものである。車両走行制御装置1は、ECU10を備えている。ECU10は、ECU(Electronic Control Unit)は、車両走行制御装置1の装置全体の制御を行う電子制御ユニットであり、例えばCPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。
このECU10は、車両状態と外部環境に基づいて自車の目標速度パターンを随時生成する目標速度パターン生成手段と機能するものである。また、他車と隊列して走行する際に、自車の目標速度パターン及び他車の目標速度パターンに基づいて隊列走行速度パターンを随時生成する隊列走行速度パターン生成手段としても機能する。さらに、生成した隊列走行速度パターンに応じて自車の走行制御を行う走行制御手段として機能する。また、ECU10は、先行車両の隊列走行速度パターンと先行車両の時刻情報を取得する先行車両情報取得手段として機能するものである。また、先行車両の時刻情報が取得できない場合には、その先行車両における時刻を推定する時刻推定手段として機能する。さらに、推定した時刻及び先行車両の隊列走行速度パターンに基づいて先行車両の制御目標位置を算出する制御目標位置算出手段として機能する。
車両走行制御装置1を搭載した車両は、主要な駆動源であるエンジン(内燃機関)30と、各車輪に制動力を与えるブレーキ装置34とを備えている。そして、この車両には、エンジン30の駆動力を調節するための手段としてスロットルバルブの開度を調節するスロットルアクチュエータ32が設けられている。また、車両には、ブレーキ装置34の制動力を調節するための手段として、ブレーキ装置34に供給される油圧を調節するブレーキアクチュエータ36が設けられている。
また、車両には、車輪の回転を検出する車輪速センサ41、GPS(Global PositioningSystem)装置40が設けられている。ECU10は、これらのセンサ類の検出出力を取り込み、センサ類の検出値に応じた動作指令をスロットルアクチュエータ32及びブレーキアクチュエータ36のそれぞれに与えて、エンジン30及びブレーキ装置34に所望の制駆動力を発生させる。
車輪速センサ41は、車速検出手段として機能するものであり、例えば電磁ピックアップ式のものが用いられる。GPS装置40は、衛星から発信された電波を受信し、その電波情報に基づいて現在位置を検出するものであり、車両の位置検出手段として機能する。この位置検出手段としては、GPS装置40に代えてその他の装置を用いてもよい。例えば、路面に沿って一定間隔で埋設された磁気マーカを検出する磁気センサを用いてもよい。
車両には、路車間通信部42が設けられている。路車間通信部42は、路面に埋設されたループアンテナAと通信を行い、交通情報、気象情報などを通信するものであり、例えば電波を情報伝達媒体として通信を行う通信機が用いられる。路面内のループアンテナAは、インフラ設備として設けられる路車間通信器90に接続されている。なお、車両走行制御装置において、路車間通信部42の設置を省略する場合もある。
車両には、車々間通信部43が設けられている。車々間通信部43は、他車との通信を行う車々間通信手段であり、車両の現在位置、目標速度パターン、制御目標位置などの車両情報を互いに通信する。
図2に本実施形態に係る車両走行制御装置を搭載した車両の隊列走行の説明図である。
図2に示すように、車両B、B、B、B及びBは、車両走行システムの走行制御に従って隊列を組んで走行車線61を走行しており、一つの車群を形成している。車両B〜Bには、それぞれ本実施形態に係る車両走行制御装置が搭載されており、車両の現在位置、車速、目標制御位置、目標速度パターンなどの車両情報を相互に通信している。車両B、B、B、B及びBのように隊列走行している場合、各車両の車間距離は短い方が望ましい。すなわち、車間距離を短くすることにより、隊列への他車の割り込みを防止でき走行安全性を向上させることができる。また、後方走行車の走行空気抵抗を低減でき、燃費の低減が図れる。
次に、本実施形態に係る車両走行制御装置における隊列走行目標設定処理について説明する。
図3に本実施形態に係る車両走行制御装置における隊列走行目標設定処理のフローチャートを示す。この隊列走行目標設定処理は、自動隊列走行を行う際に走行目標となる隊列走行速度パターンを設定する処理である。この隊列走行目標設定処理は、例えばECU10により所定の周期(例えば、50ms)で繰り返し実行される。
まず、図3のS10に示すように、車両情報の読み込み処理が行われる。この処理で読み込まれる車両情報は、自車の目標速度パターンを生成するための車両情報である。この車両情報としては、例えば、車両加速性能、車両減速性能、車重、許容最大加速度、許容最大減速度、許容最大ジャーク、最高速度、最大横加速度、最大ハンドル角速度、最小定常速度、最小定常加速度、最小定常ジャーク、車々間通信車間距離、加減速時の加減速変化回数、緊急ブレーキ性能、故障判定時間、速度制御誤差、位置制御誤差、同時発信停止情報が読み込まれる。
例えば、車両加速性能は、車両基本性能に走行中の加速指示に対する追従性学習を加味して算出されるものが読み込まれる。車両減速性能は、車両基本性能に走行中の減速指示に対する追従性学習を加味して算出される。車重は、車両基本仕様に対し図示しない重量センサの値を加えて算出される。許容最大加速度は、希望乗り心地レベル指定に基づいて算出され、例えば0.05Gとされる。許容最大減速度は、希望乗り心地レベル指定に基づいて算出され、例えば0.05Gとされる。許容最大ジャークは、希望乗り心地レベル指定に基づいて算出される。
最高速度は、法定速度、気象情報などに基づいて算出される。最大横加速度は、希望乗り心地レベル指定に基づいて算出される。最大ハンドル角速度は、自動操舵アクチュエータ性能に応じて設定される。最小定常速度は、車速センサ、エンジン特性、ブレーキ特性などにより決定される。最小定常加速度は、車速センサ、エンジン特性、ブレーキ特性などにより決定される。最小定常ジャークは、車速センサ、エンジン特性、ブレーキ特性などにより決定される。
車々間通信車間距離は、隊列内の車々間通信可能な距離であり、車々間通信部の性能に応じて設定される。加減速時の加減速変化回数は、希望乗り心地レベル指定に基づいて算出される。緊急ブレーキ性能は、緊急ブレーキ仕様に応じて設定される。故障判定時間は、車々間通信途絶判定時間、ECU故障確定時間に基づいて算出される。速度制御誤差は、基本性能に走行中の学習結果を加味して算出される。位置制御誤差は、基本性能に走行中の学習結果を加味して算出される。同時発進停止情報は、交通流円滑化のために極力同時発進、停止が可能となるようにする。
そして、S12に移行し、道路情報の読み込みが行われる。この処理で読み込まれる道路情報は、自車の目標速度パターンを生成するための用いられる外部環境情報である。この道路情報としては、例えば、道路勾配、道路カーブRが読み込まれる。これらの道路情報は、最高速度の算出に用いられる。
そして、S14に移行し、自車の目標速度パターンの生成処理が行われる。目標速度パターンは、例えば各時刻における車両位置を設定したパターンが用いられる。この目標速度パターンは、各時刻における車両速度を設定したものであってもよい。自車の目標速度パターンの生成処理は、車両状態と外部環境に基づいて目標速度パターンを生成する処理であり、例えばS12及びS14により読み込まれた車両情報及び道路情報に基づいて目標速度パターンが生成される。
その際、S12及びS14により読み込まれた車両情報及び道路情報の一部を用いて目標速度パターンを生成してもよい。また、目標速度パターンを生成する際に、生成の中間条件値として定常カーブ走行速度、緩和カーブ走行速度、車両加速度、車両減速度を算出し、その定常カーブ走行速度、緩和カーブ走行速度、加速度、減速度を用いて目標速度パターンを生成することが好ましい。定常カーブ走行速度は、道路曲率、最大横加速度に基づいて算出される。緩和カーブ走行速度は、ハンドル角速度に基づいて算出される。車両加速度は、許容最大加速度、車両加速度性能、道路勾配に基づいて算出される。車両減速度は、許容最大減速度、車両減速度性能に基づいて算出される。
そして、S16に移行し、通信処理が行われる。この通信処理は、目標速度パターンを隊列する他車と送受信する処理である。この処理により、自車の目標速度パターンが隊列する他車に送信され、他車の目標速度パターンが受信される。
そして、S18に移行し、安全車間パターンの演算が行われる。この安全車間パターンは、各時刻における先行車両との車間距離を示したパターンである。この安全車間パターンは、不具合が同時発生など想定される最悪事態が発生した場合にも隊列内の追突を回避でき、空気抵抗軽減による燃費向上などの効果が得られるように設定される。
例えば、加速中及び定常走行中において、先行車両にあっては、故障発生により即時停止開始する際に、緊急停止発生時点での制御位置がその時刻の目標位置に対して誤差範囲内で最も後方の位置であり、緊急停止開始速度が誤差範囲内で最低となる場合を考慮し、追従車両(後続車両)にあっては、先行車両の緊急停止発生時点で制御位置がその時刻の目標位置に対して誤差範囲内で最も前方の位置であり、緊急停止開始速度が誤差範囲内で最低となり、先行車両の故障発生通信開始時点から通信途絶同時発生した場合を考慮して、安全車間パターンが設定される。
一方、減速中において、先行車両にあっては、加速中及び定常走行中と同様に、故障発生により即時停止開始する際に、緊急停止発生時点での制御位置がその時刻の目標位置に対して誤差範囲内で最も後方の位置であり、緊急停止開始速度が誤差範囲内で最低となる場合を考慮し、追従車両にあっては、先行車両の緊急停止発生時点で制御位置がその時刻の目標位置に対して誤差範囲内で最も後方な位置であり、緊急停止開始速度が誤差範囲内で最低となり、先行車両の故障発生通信開始時点から通信途絶同時発生した場合を考慮して、安全車間パターンが設定される。
そして、S20に移行し、安全車間パターンを満たしているか否かが判断される。この判断処理は、先行車両と追従車両の目標速度パターンから算出される車間パターンがS18にて演算される安全車間パターンを満たしているか否かを判断する処理である。S20にて安全車間パターンを満たしていると判断された場合には、S24に移行する。
一方、S20にて安全車間パターンを満たしていないと判断された場合には、目標速度パターンの修正処理が行われる(S22)。目標速度パターンの修正処理は、安全車間パターンを満たすように目標速度パターンを修正する処理である。例えば、安全車間パターンを満たさない区間について、先行車両の速度を速くしたり、追従車両の速度を遅くするなどして、安全車間パターンが満たされるようにする。このように修正した目標速度パターンは、複数車両が隊列して走行する際に、安全な隊列走行を可能とする隊列走行速度パターンとなる。この隊列走行速度パターンは、例えば時刻に対する車両位置として設定される。また、時刻に対する車速として設定してもよい。
そして、S24に移行し、目標速度パターンの調整処理が行われる。目標速度パターンの調整処理は、S22にて修正した目標速度パターンに対し定常速走行状態における車間距離を短く調整する処理である。S22にて修正した目標速度パターンは、加減速走行状態においても安全性を確保するように設定されるため、定常速走行状態において車間距離が長めになる傾向がある。これを是正すべく、修正した目標速度パターンにおいて、定常速走行区間の前後に車間調整区間を設定して、車間距離が短くなるようにする。S24の目標速度パターンの調整処理を完了したら、隊列走行目標設定処理の一連の制御処理を終了する。
このような隊列走行目標設定処理を行うことにより、隊列を組む先行車両と追従車両の目標速度パターンが安全車間パターンを満たす隊列走行速度パターンとして設定することができる。このため、先行車両が緊急ブレーキをかけた場合に通信途絶となるような最悪な事態が生じた場合であっても、隊列内での追突を回避することができる。一方、空気抵抗軽減による燃費向上などの効果を十分に得られるような車間距離として隊列走行が行える。
なお、この隊列走行目標設定処理は、追従車両とそれに追従する車両との間でも実行される。この場合、隊列する全車両の目標速度パターン、安全車間パターン及び隊列走行速度パターンを隊列内の一つの車両に搭載される車両走行制御装置にて算出し、他車の車両走行制御装置に通信で各パターン情報を伝達することが好ましい。
次に、本実施形態に係る車両走行制御装置における隊列走行制御処理について説明する。
図4に本実施形態に係る車両走行制御装置における先行車両の隊列走行制御処理のフローチャートを示す。図5に本実施形態に係る車両走行制御装置における追従車両の隊列走行制御処理のフローチャートを示す。これらの隊列走行制御処理は、隊列を組んだ車両の走行制御を行う処理である。これらの隊列走行制御処理は、例えばECU10により所定の周期で繰り返し実行される。
先行車両の隊列走行制御処理は、まず、図4のS40に示すように、先行車両情報の送信処理が行われる。この送信処理は、先行車両時刻における先行車両位置情報、先行車両位置に対する先行車両速度情報を追従車両に送信する処理である。この送信処理は、車々間通信部43を通じて行われる。その際、ジャーク(加速度変化率)の変化点を区切りとした圧縮処理を用いて通信することが好ましい。この場合、この圧縮処理によって通信効率を高めることができる。
そして、S42に移行し、走行制御処理が行われる。走行制御処理は、先行車両の隊列走行速度パターンに従って車両を走行制御する処理である。例えば、先行車両における時刻に対し先行車両が隊列走行速度パターンに定められた制御位置を走行するように、ECU10からスロットルアクチュエータ32に指令信号が出力され、走行制御が行われる。その際、目標位置のみに対してフィードバック制御するだけでなく、隊列走行速度パターンに基づいて目標速度を設定しその目標速度に対してフィードバック制御を行うことが好ましい。この場合、制御誤差の低減を図ることができる。このS42の走行制御処理を完了したら、一連の先行車両の隊列走行制御処理を終了する。
追従車両の隊列走行制御処理は、まず、図5のS50に示すように、先行車両情報の受信処理が行われる。この受信処理は、先行車両時刻における先行車両位置情報、先行車両位置に対する先行車両速度情報を先行車両から受信する処理である。この受信処理は、車々間通信部43を通じて行われる。その際、追従車両時刻における追従車両位置情報、追従車両位置に対する追従車両速度情報を先行車両に対して送信することが好ましい。この場合、先行車両において追従車両の走行状態を考慮して隊列走行速度パターンの更新が行える。
そして、S52に移行し、制御目標位置の演算処理が行われる。制御目標位置の演算処理は、先行車両の位置に対する追従車両の目標位置を各車両の速度パターンに基づいて演算する処理である。そして、S54に移行し、目標速度の算出処理が行われる。目標速度の算出処理は、追従車両の現時点における位置に対する目標速度を速度パターンに基づいて算出する処理である。
そして、S56に移行し、走行制御処理が行われる。走行制御処理は、追従車両の隊列走行速度パターンに従って車両を走行制御する処理である。例えば、追従車両における時刻に対し追従車両が隊列走行速度パターンに定められた制御位置を走行するように、ECU10からスロットルアクチュエータ32に指令信号が出力され、走行制御が行われる。その際、目標位置のみに対してフィードバック制御するだけでなく、隊列走行速度パターンに基づいて目標速度を設定しその目標速度に対してフィードバック制御を行うことが好ましい。この場合、制御誤差の低減を図ることができる。このS52の走行制御処理を完了したら、一連の追従車両の隊列走行制御処理を終了する。
この隊列走行制御処理によれば、車両位置および目標車間情報に基づいて追従車両を制御目標位置に合わせる走行制御が行われる。このため、複数の車両の隊列走行において、後方を走行する車両が制御誤差の重畳によってその走行制御が発散してしまうことを回避できる。
例えば、従来の追従走行制御にあっては、先行車両と追従車両の車間距離、追従車両の速度、先行車両の速度によって追従車両の走行目標を決定するため、三台以上の隊列により追従車両が多くなると、後方を追従する車両ほど目標速度に対する誤差が大きくなりやすい。また、その誤差の変動を抑えるために、追従性を弱くして走行制御を行うと、車間距離が大きく変動し、安全な走行を維持することが困難となる。さらに、走行制御装置の同時故障、通信途絶、追従車両の非常ブレーキの同時故障発生などの最悪条件を考えると、自動走行制御における安全性を確保するためには、大きな車間を確保するなどの評価が必要となってくる。
これに対し、本実施形態に係る車両走行制御装置によれば、車両位置により車両走行を制御することにより、追従車両が何台に増えても制御が発散することがなく、快適で安全な自動走行制御が行える。
次に、本実施形態に係る車両走行制御装置における不安定通信の影響回避処理について説明する。
この不安定通信の影響回避処理は、隊列走行する車両間の通信が途絶した場合に行われる処理である。隊列車両間で通信が途絶した場合には、予め通信により取得した他車両の目標速度パターン又は隊列走行速度パターンと他車両の時刻情報に基づき他車の時刻を推定して他車の制御目標位置を求め、その他車の制御目標位置に応じて自車の隊列走行速度パターンを生成し、自車の目標位置を定めてフィードバック制御を行う。この不安定通信の影響回避処理は、隊列内の車々間通信が不連続となる場合にも有効である。
このように不安定通信の影響回避処理を行うことにより、他車からの位置情報、速度情報などが通信途絶した場合、通信周期の乱れがあった場合などに走行制御のバラツキを生ずることを抑制でき、走行制御の安定性を確保でき、安全車間を確保して車両走行を行うことができる。
次に、本実施形態に係る車両走行制御装置における追突防止のための停止頻度の低減処理について説明する。
この追突防止のための停止頻度の低減処理は、車両走行について制御異常を生じた場合に隊列走行を停止する頻度を低減する処理である。複数の車両により隊列を組んで走行制御する場合、隊列内の車両の目標位置、目標速度が誤差限界値(例えば、±2m、±3km/h)を超えたときには制御異常として隊列走行を停止することが考えられる。この場合、単に各車両ごとの目標位置、目標速度の誤差限界値のみによって制御異常を生じているか否かを判断せずに、前後を走行する車両の安全車間距離にも応じて制御異常を生じているか否かを判断する。
例えば、先行車両の車速と後続車両の車速に応じた安全車間距離のマップ、すなわち相対車速−車間マップを予め設定しておく。この相対車速−車間マップは、先行車両の車速に対し後続車両の車速が速いほど安全車間距離が長くなるように設定され、先行車両の車速に対し後続車両の車速が同じ場合又は遅い場合には車間距離が短く設定される。
このように安全車間距離によって制御異常の発生を判断することにより、単独の車両の目標位置、目標速度の誤差限界値を小さく設定することができ、制御異常と判断される頻度を低減することができる。これにより、隊列走行制御を円滑に行うことできる。
次に、本実施形態に係る車両走行制御装置における路面摩擦係数適応処理について説明する。
この路面摩擦係数適応処理は、隊列走行する道路の路面摩擦係数が低い場合に車間距離を広くとるなどして路面摩擦係数に応じた走行制御を行う処理である。例えば、隊列内の先行車両が走行中に定期的に前後輪駆動力及び制動力に不整合を発生させ、その際の空転度合いを車輪速度などから算出し、路面摩擦係数を推定する。前後輪駆動力及び制動力に不整合度合いは、十分な制動力が得られる晴天の舗装路などでは、空転やスリップなどが生じない弱い力の不整合でよい。そして、推定された路面摩擦係数が低いほど安全車間距離を大きく設定して隊列走行制御を行う。
これにより、雨天時や積雪時など路面摩擦係数が低い場合であっても、隊列走行を安全に行うことができる。
以上のように本実施形態に係る車両走行制御装置によれば、車両状態と外部環境に基づいて自車の目標速度パターンを動的に生成しつつ、隊列を組む自車及び他車の目標速度パターンに基づいて隊列走行速度パターンを随時生成し、その隊列走行速度パターンに応じて車両の走行制御を行う。これにより、一般道であっても道路状態や周囲の車両の動きに適応しつつ、安全な隊列走行制御が行える。また、隊列内における先行車両の走行制御誤差の重畳によって後方側の車両の走行制御誤差が大きくなることを防止でき、車間距離の大きな変動を防止することができる。従って、周囲の走行環境に適応した安全な隊列走行が行える。
また、本実施形態に係る車両走行制御装置において、自車の目標速度パターン及び前後を走行する他車の目標速度パターンに基づいて安全車間パターンを設定し、その安全車間パターン及び自車の目標速度パターンに基づいて隊列走行速度パターンを設定することにより、安全車間距離を保って隊列走行を行うことができ、安全な自動隊列走行が可能となる。
また、本実施形態に係る車両走行制御装置において、隊列走行速度パターンから得られる所定の時刻における車両位置を制御目標位置として車両の走行制御を行うことにより、制御誤差が隊列後方の車両の走行制御に影響を与えにくく、安全な隊列走行が行える。
また、本実施形態に係る車両走行制御装置において、先行車両の隊列走行速度パターンと先行車両の時刻情報が取得できない場合に、先行車両の時刻を推定し先行車両の隊列走行速度パターンに基づいて先行車両の制御目標位置を算出する。これにより、通信途絶などにより先行車両の情報が取得できない場合であっても、先行車両の制御目標位置を推定できるため、円滑な走行制御が維持できる。
さらに、本実施形態に係る車両走行制御装置において、自車の隊列走行速度パターンから算出される制御目標位置における車速を制御目標速度として車両の走行制御を行うことにより、制御目標位置のみにより車両の走行制御を行う場合と比べて、制御誤差を低減することができる。
なお、上述した実施形態は本発明に係る車両走行制御装置一例を示すものである。本発明に係る車両走行制御装置は、この実施形態に係る車両走行制御装置に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、実施形態に係る車両走行制御装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
本発明の実施形態に係る車両走行制御装置の構成概要図である。 図1の車両走行制御装置を搭載した車両における隊列走行の説明図である。 図1の車両走行制御装置における隊列走行目標設定処理を示すフローチャートである。 図1の車両走行制御装置における先行車両の走行制御処理を示すフローチャートである。 図1の車両走行制御装置における追従車両の走行制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1…車両走行制御装置、10…ECU、30…エンジン、32…スロットルアクチュエータ、34…ブレーキ装置、36…ブレーキアクチュエータ、40…GPS装置、41…車輪速センサ、42…路車間通信部、43…車々間通信部。

Claims (6)

  1. 車両状態と外部環境に基づいて自車の目標速度パターンを随時生成する目標速度パターン生成手段と、
    他車と隊列して走行する際に、自車の目標速度パターン及び他車の目標速度パターンに基づいて隊列走行速度パターンを随時生成する隊列走行速度パターン生成手段と、
    前記隊列走行速度パターンに応じて車両の走行制御を行う走行制御手段と、
    を備えた車両走行制御装置。
  2. 前記隊列走行速度パターン生成手段は、自車の目標速度パターン及び前後を走行する他車の目標速度パターンに基づいて安全車間パターンを設定し、その安全車間パターン及び自車の目標速度パターンに基づいて隊列走行速度パターンを設定すること、
    を特徴とする請求項1に記載の車両走行制御装置。
  3. 前記走行制御手段は、前記隊列走行速度パターンから得られる所定の時刻における車両位置を制御目標位置として車両の走行制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両走行制御装置。
  4. 前記走行制御手段は、所定時刻における先行車両の制御目標位置及び自車と先行車両の前記隊列走行速度パターンから得られる目標車間距離に基づいて前記制御目標位置を算出することを特徴とする請求項3に記載の車両走行制御装置。
  5. 先行車両の隊列走行速度パターンと先行車両の時刻情報を取得する先行車両情報取得手段と、
    先行車両の時刻情報が取得できない場合にその先行車両における時刻を推定する時刻推定手段と、
    推定した時刻及び先行車両の隊列走行速度パターンに基づいて先行車両の制御目標位置を算出する制御目標位置算出手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項4に記載の車両走行制御装置。
  6. 自車の隊列走行速度パターンから算出される制御目標位置における車速を制御目標速度として車両の走行制御を行うことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の車両走行制御装置。
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