JP2008109212A - Condenser microphone unit and manufacturing method thereof - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、コンデンサーマイクロホンユニットおよびその製造方法に関するもので、特に、振動板と固定電極との間隔を適切に設定可能な構造および製造方法に関するものである。 The present invention relates to a condenser microphone unit and a manufacturing method thereof, and more particularly, to a structure and a manufacturing method capable of appropriately setting an interval between a diaphragm and a fixed electrode.
コンデンサーマイクロホンユニットは、音波を受けて振動するフィルム状の振動板と、この振動板との間に適宜の間隔をおいて対向配置された固定電極を主要な構成要素とする。振動板が振動すると、振動板と固定電極とで形成されるコンデンサーの静電容量が変化することによって電気音響変換され、音声信号として出力される。したがって、コンデンサーマイクロホンユニットにおいては、振動板と固定電極との間隔を精度よく設定しかつ安定に保持することが、所定の性能を維持すのに必要なことであり、それに適した構成がとられる。 The condenser microphone unit mainly includes a film-like diaphragm that receives a sound wave and vibrates, and a fixed electrode that is disposed to face the diaphragm at an appropriate interval. When the diaphragm vibrates, the capacitance of the capacitor formed by the diaphragm and the fixed electrode changes, so that electroacoustic conversion is performed and an audio signal is output. Therefore, in the condenser microphone unit, it is necessary to accurately set and stably maintain the distance between the diaphragm and the fixed electrode, and to maintain a predetermined performance, and a configuration suitable for that is taken. .
図8、図9は、従来のコンデンサーマイクロホンユニットの一例を示す。図8、図9において、円筒形状のユニットケース101は前端(図において左端)側において内向きのフランジ121を有し、このフランジ121で囲まれた円形の窓孔111を有している。ユニットケース101内には、前側から順に、振動板保持体102とこの振動板保持体102の後ろ側の面に固着された振動板103、スペーサ108、固定電極105、絶縁座106が重ねられて収納されている。これらの各内蔵部品をユニットケース101に収納した後、ユニットケース101の開放後端部内周のねじ孔に押さえリング107がねじ込まれることにより、上記各部材に適度の押圧力が加えられてユニットケース101内に固定されている。振動板103は、音波を受けて振動するように、周縁部が振動板保持体102の後ろ側の周縁に沿って形成された円形の突堤に、適度の張力が与えられて固着されている。振動板103との間に間隔をおいて対向する振動板保持体102の本体部分には、前部音響端子となる複数の孔112が形成されている。振動板保持体102の外周縁部前面はユニットケース101のフランジ121の内面(後ろ面)に当接している。
8 and 9 show an example of a conventional condenser microphone unit. 8 and 9, the
上記スペーサ108は、振動板103と固定電極105との間に適宜の間隙を形成するためのもので、プラスチック材料などの絶縁体からなるフィルム状の部材をリング状に打ち抜いて形成されている。このスペーサ108は振動板103の外周縁部と固定電極105の前面側外周縁部との間に介在し、振動板103と固定電極105との間にスペーサ108の厚さに相当する間隔があけられている。スペーサ108と固定電極105が重なる部分はストレー容量となる。ストレー容量があるとマイクロホンとしての感度を低下させるので、ストレー容量は小さいのが望ましい。そこで図8、図9に示す例では、絶縁座106の前面側周縁部に段付きの突堤161を形成し、この突堤161で固定電極105の外周を囲むとともに、突堤161の段部で固定電極105の外周縁部後面を押し、固定電極105の外周縁部前面がスペーサ108の一部に当接している。要するに、固定電極105の外径が振動板保持体102の外径よりも小さく、スペーサ108と固定電極105との接触面積を小さくして、ストレー容量が小さくなるようにしている。なお、固定電極105の表面を所定の精度に仕上げるために、絶縁座106に圧入または接着等によって固定した後、固定電極105の表面を研磨し、次にスペーサ108を振動板103に押し付けることも行なわれている。
The
図8、図9に示す従来例によれば、スペーサ108と固定電極105との接触面積を小さくしてストレー容量を小さくするという工夫はなされている。しかし、振動板103と固定電極105との間隔はスペーサ108の厚さに依存し、したがってスペーサ108の素材であるフィルムの厚さに依存し、上記間隔を自由に設定することができないという難点がある。
According to the conventional example shown in FIGS. 8 and 9, a device is devised in which the contact area between the
図10、図11は、従来のコンデンサーマイクロホンユニットの別の例を示す。図10、図11において、有底円筒形状のユニットケース201はその底板に相当する部分が前(図において左)側なっていて、この底板に相当する部分に、複数のスリット状の溝211が半径方向に形成され、この溝211が前側音響端子となっている。ユニットケース201内には、前側から順に、振動板保持体202とこの振動板保持体202の後ろ側の面に固着された振動板203、スペーサ208、外周が絶縁リング204で保持された固定電極205、絶縁座206が重ねられて収納されている。これらの各部材をユニットケース201に収納した後、ユニットケース201の開放後端部内周のねじ孔に押さえリング207がねじ込まれることにより、上記各部材に適度の押圧力が加えられてユニットケース201内に固定されている。振動板203は、音波を受けて振動するように、周縁部がリング状の振動板保持体202の後ろ側の面に、適度の張力が与えられて固着されている。振動板保持体202の外周縁部前面はユニットケース201の前寄りの内周面に形成された段部221に当接している。
10 and 11 show another example of a conventional condenser microphone unit. 10 and 11, the bottomed
上記絶縁リング204の前端部には内向きのフランジ214が形成されている。固定電極205の外周縁部215は、上記内向きフランジ214の厚さに相当する分、前面側から落ち込んで段部215となっていて、この段部215が上記内向きフランジ214の後面に当接している。固定電極205の後端面が絶縁座206に当接し、絶縁リング204の後端面と絶縁座206との間には隙間が生じている。スペーサ208には絶縁リング204の前端面が接触し、固定電極205は接触しない。固定電極205の前面と絶縁リング204の前面が精度よく同一面上に位置するように、固定電極205と絶縁リング204とが嵌め合わせられて結合された状態で固定電極205の前面と絶縁リング204の前面が研磨される。
An
図10、図11に示す従来例によれば、スペーサ208に絶縁リング204が当たるため、ストレー容量を小さくすることができる。しかし、この従来例の場合も、振動板203と固定電極205との間隔はスペーサ208の厚さに依存し、したがってスペーサ208の素材であるフィルムの厚さに依存し、上記間隔を自由に設定することができないという難点がある。
According to the conventional example shown in FIGS. 10 and 11, since the
本発明の目的は、上記従来のコンデンサーマイクロホンユニットに見られる問題点を解消し、振動板とこれに対向する固定電極との間隔を精度よく設定することができるとともに安定に保つことができるコンデンサーマイクロホンユニットを提供することにある。
本発明はまた、振動板とこれに対向する固定電極との間隔を精度よく設定する作業を容易に行うことができるコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法を提供することを目的とする。
An object of the present invention is to eliminate the problems seen in the above-described conventional condenser microphone unit, and to accurately set the distance between the diaphragm and the fixed electrode facing the condenser microphone and to keep it stable. To provide a unit.
Another object of the present invention is to provide a method of manufacturing a condenser microphone unit that can easily perform an operation of accurately setting a distance between a diaphragm and a fixed electrode facing the diaphragm.
ところで、本願発明に関連のある発明を記載した特許文献として特許文献1、特許文献2がある。特許文献1記載の発明は、信号を取り出す半導体素子が形成された半導体ウェファよりなる振動板と、振動板の表面に蒸着法により形成された絶縁膜の周囲を残し中央部をエッチングして形成したスペーサと、振動板の絶縁膜を除去した中央部およびスペーサ上に設けたレジストに蒸着して設けたメタルをエッチングして形成した背面電極板よりなる音響センサに関する。そして、特許文献1には、振動板に蒸着とエッチングで形成したスペーサおよび背面電極板をエレクトレットマイクロホンに利用する旨の記載もある。
By the way, there are Patent Document 1 and
特許文献1記載の発明は、半導体素子の製造プロセスを応用してエレクトレットマイクロホンユニットを製造することが可能であるため、振動板と固定電極との間隔を精度よく製造することができ、かつ、上記間隔を安定に保持できるであろうと推測できる。しかし、課題の解決手段が、本願発明とは全く異なっている。 Since the invention described in Patent Document 1 can manufacture an electret microphone unit by applying a semiconductor element manufacturing process, the distance between the diaphragm and the fixed electrode can be accurately manufactured, and It can be assumed that the interval can be kept stable. However, the means for solving the problem is completely different from the present invention.
特許文献2記載の発明は、ケーシング内に、振動板、背電極(固定電極)、絶縁筒、接触リング、FET等を固定した端子基板を収納し、上記接触リングは導電材からなっていて背電極の背面と端子基板の表面間に介在し、ケーシングの内周面に沿う絶縁筒部とその前端部内側に突出させたスペーサリング部を一体に有する絶縁材を備え、この絶縁材の上記スペーサリング部を振動板と背電極間に介在させ、上記絶縁筒部により背電極および接触リングとケーシングとの間を絶縁してなるコンデンサーマイクロホンに関するものである。
In the invention described in
特許文献2記載の発明によれば、背電極と端子基板を、スペーサを兼ねた接触リングで電気的に接続することができ、また、背電極および接触リングとケーシングとの間を絶縁する絶縁材で、振動板と背電極間の間隔を決めるスペーサとして兼用させることができるため、部品点数を少なくすることができるという利点がある。しかしながら、課題の解決手段が、本願発明とは全く異なっている。
According to the invention described in
本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットは、振動板保持体に保持され音波を受けることによって振動する振動板と、振動板との間に所定の間隙をおいて対向配置されることにより振動板とともにコンデンサーを構成する固定電極と、上記振動板および固定電極を含む内蔵部品を収納するユニットケースと、を備え、上記振動板が振動することによる振動板と固定電極との間の静電容量の変化で電気音響変換するコンデンサーマイクロホンユニットであって、上記固定電極は、外周面がリング状絶縁座の内周面に中心軸線方向に相対移動可能に嵌められ、上記リング状絶縁座の一端面は上記振動板の外周縁部を上記振動板保持体に押し付け、上記固定電極は、上記リング状絶縁座の一端面が上記振動板の外周縁部を上記振動板保持体に押し付けた状態で、振動板との間に所定の間隙を形成する位置でリング状絶縁座に接着固定されていることを最も主要な特徴とする。 The condenser microphone unit according to the present invention includes a diaphragm that is held by a diaphragm holding body and vibrates by receiving sound waves, and is disposed opposite to the diaphragm with a predetermined gap therebetween. And a unit case that houses the diaphragm and a built-in component including the fixed electrode, and is electrically connected with a change in capacitance between the diaphragm and the fixed electrode caused by the vibration of the diaphragm. A condenser microphone unit for acoustic conversion, wherein the fixed electrode is fitted on the inner peripheral surface of the ring-shaped insulating seat so as to be relatively movable in the central axis direction, and one end surface of the ring-shaped insulating seat is the diaphragm The outer peripheral edge portion of the diaphragm is pressed against the diaphragm holder, and the fixed electrode has one end face of the ring-shaped insulating seat at the outer peripheral edge portion of the diaphragm. In pressing state, the most important feature that is bonded and fixed to the ring-shaped insulator seat in a position to form a predetermined gap between the diaphragm.
本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法は、上記の特徴を有するコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法であって、平板電極上に、リング状絶縁座とこのリング状絶縁座の内周側にリング状絶縁座の内径より小さい径の弾力板を載せる工程と、リング状絶縁座に嵌められている固定電極を上記弾力板に押し付けながら固定電極と平板電極との間の静電容量を計測する工程と、上記静電容量の計測値が所定の値になる位置でリング状絶縁座と固定電極相互を接着して一体化する工程と、一体化したリング状絶縁座と固定電極を他の部材とともにユニットケースに組み込む工程を備えていることを特徴とする。 A method of manufacturing a condenser microphone unit according to the present invention is a method of manufacturing a condenser microphone unit having the above-described characteristics, and includes a ring-shaped insulating seat on a flat plate electrode and a ring-shaped insulating member on the inner peripheral side of the ring-shaped insulating seat. A step of placing an elastic plate having a diameter smaller than the inner diameter of the seat, a step of measuring the capacitance between the fixed electrode and the flat plate electrode while pressing the fixed electrode fitted to the ring-shaped insulating seat against the elastic plate; The step of bonding and integrating the ring-shaped insulating seat and the fixed electrode at the position where the measured value of the capacitance becomes a predetermined value, and the unit case with the integrated ring-shaped insulating seat and the fixed electrode together with other members It is characterized by having a process of incorporating in
本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットによれば、固定電極は、その外周面がリング状絶縁座の内周面に中心軸線方向に相対移動可能に嵌められ、リング状絶縁座が振動板の外周縁部を上記振動板保持体に押し付けるように構成されているため、振動板と固定電極との間の間隙を連続的に設定することができ、振動板と固定電極との間の間隙を精度よく所望の間隙に設定することができる。間隙を設定した後はリング状絶縁座と固定電極を接着することにより、上記間隙を安定に維持することができる。 According to the condenser microphone unit of the present invention, the fixed electrode is fitted to the inner peripheral surface of the ring-shaped insulating seat so that the outer peripheral surface is relatively movable in the central axis direction, and the ring-shaped insulating seat is the outer peripheral edge of the diaphragm. Since the gap between the diaphragm and the fixed electrode can be set continuously, the gap between the diaphragm and the fixed electrode can be accurately set. It can be set to a gap. After setting the gap, the gap can be stably maintained by bonding the ring-shaped insulating seat and the fixed electrode.
本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法によれば、単に固定電極と平板電極との間の静電容量を計測するのではなく、固定電極と平板電極との間に弾力板を介在させて計測するため、固定電極の押し付け力を調整することによって静電容量が大小に変化し、所望の静電容量位置を容易に求めることができる。また、リング状絶縁座と固定電極を接着する接着剤が硬化するまでは何度でも調整することができる。 According to the method for manufacturing a condenser microphone unit according to the present invention, the capacitance between the fixed electrode and the plate electrode is not simply measured, but the measurement is performed by interposing the elastic plate between the fixed electrode and the plate electrode. Therefore, by adjusting the pressing force of the fixed electrode, the capacitance changes to a large or small value, and a desired capacitance position can be easily obtained. Moreover, it can be adjusted any number of times until the adhesive that bonds the ring-shaped insulating seat and the fixed electrode is cured.
以下、本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットおよびその製造方法の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1乃至図3は、本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットの実施例を示す。図1乃至図3において、符号1は有底円筒状のユニットケースを示す。有底円筒状のユニットケース1は底板に相当する部分が前側(図1、図2において左側)で、後ろ側は開放されている。ユニットケース1の底板に相当する部分には、複数のスリット状の溝11が放射状に形成されていて、これらの溝11は前側の音響端子になっている。ユニットケース1内には、前から順に、振動板3を一体に保持した振動板保持体2、固定電極5を一体的に保持したリング状絶縁座4、絶縁座6が収納されている。ユニットケース1の開放端側内周面に形成されたねじに、押さえリング7の外周面に形成されたねじ部がねじ込まれることにより、押さえリング7が絶縁座6をユニットケース1の前側に向かって押している。
Embodiments of a condenser microphone unit and a manufacturing method thereof according to the present invention will be described below with reference to the drawings.
1 to 3 show an embodiment of a condenser microphone unit according to the present invention. 1 to 3, reference numeral 1 denotes a bottomed cylindrical unit case. The bottomed cylindrical unit case 1 has a portion corresponding to the bottom plate on the front side (left side in FIGS. 1 and 2) and the rear side open. A plurality of slit-
振動板3はフィルム状の素材からなる円形の部材で、音波を受けて振動するように、周縁部がリング状の振動板保持体2の後ろ側の面に固着されている。振動板3には適度の張力が与えられて固着されている。ユニットケース1の内周には、ユニットケース1の前端寄りの位置において内径が僅かに小さくなることによって段部12が形成され、この段部12に振動板保持体2の前面外周縁部が当たるようになっている。
The
上記固定電極5はその外周面がリング状絶縁座4の内周面に嵌められるとともに、リング状絶縁座4に対して固定電極5が中心軸線方向に相対移動可能となっている。ただし、マイクロホンユニットの製造段階において、後述の製造方法の実施例からわかるように、リング状絶縁座4と固定電極5の相対位置関係が調整され、マイクロホンユニットとして完成した状態では、固定電極5と振動板3との間の間隙が所望の間隙に調整され、固定電極5と振動板3が接着によって一体化されている。リング状絶縁座4はその前端面が振動板3の外周縁部を上記振動板保持体2に押し付けている。固定電極5の前面とこれに対向する振動板3との間には所定の間隙が生じるように、固定電極5の前面がリング状絶縁座4の前面から後退している。リング状絶縁座4の後端面に、円板状の絶縁座6の外周縁部が当接している。固定電極5の後端面は絶縁座6の前面から離間している。
The outer peripheral surface of the fixed
以上説明した構成から明らかなように、押さえリング7によって絶縁座6が押されると、絶縁座6により、リング状絶縁座4、振動板3、振動板保持体2が押され、振動板保持体2がユニットケース1の前記段部12に当接し、上記各部材が相互間に押圧力が作用している状態でユニットケース1内に固定されている。リング状絶縁座4に対する固定電極5の相対位置関係が調整されて接着により一体化され、これがユニットケース1に組み込まれることにより、振動板3と固定電極5との間に所定の間隙が形成され、振動板3と固定電極5との間でコンデンサーが形成されている。リング状絶縁座4と固定電極5の相対位置関係が調整可能であることによって、振動板3と固定電極5との間の間隙を精度よく設定し、かつ、振動板3と固定電極5を接着することにより上記間隙を安定に維持することができる。
As is clear from the configuration described above, when the insulating
次に、上記のように構成されるコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法の実施例について説明する。本発明にかかる製造方法は、リング状絶縁座4に対する固定電極5の相対位置関係の調整および接着による一体化に特徴があるので、この特徴部分を中心に順を追って説明する。
Next, an embodiment of a method for manufacturing a condenser microphone unit configured as described above will be described. The manufacturing method according to the present invention is characterized by the adjustment of the relative positional relationship of the fixed
図4は最初の工程を示す。本発明にかかる製造方法に必要な機材は、弾力板8と、平板電極9を上面側から埋め込んで上面を平板電極9の上面と同一面にした冶具10と、図示されない静電容量計である。弾力板8は弾力性のある一種のスペーサで、「ウェーブダイヤフラム」と称して、例えば2μm程度の厚さのPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂に波打ち状の微小な凹凸を無数に形成した素材を用いることができる。上記PPS樹脂に微小な凹凸を無数に形成する手段として、例えば、ナイロンメッシュを押し付けて加熱成形し、上記ナイロンメッシュの形状を転写するという手段を用いることができる。上記PPS樹脂の片面には予め500Å程度の厚さに金の蒸着膜が形成されている。弾力板8は波打ち状の微小な凹凸を無数に有することにより、荷重がかからない自然の状態で厚さ(裏面から凸部の上端までの寸法)は12μm程度であるが、厚さ方向に荷重をかけることにより凸部が押しつぶされて全体の厚さ寸法が薄くなる。上記無数の凹凸が均一に形成されているため、極端に偏った荷重をかけない限り、均一に厚さ寸法が変化する。
FIG. 4 shows the first step. The equipment necessary for the manufacturing method according to the present invention is an elastic plate 8, a
上記弾力板8は前記リング状絶縁座の内径よりも多少小さい外径の円板状に形成されていて、この弾力板8を冶具10の平板電極9の上に載せる。また、平板電極9の上に、固定電極5が嵌められたリング状絶縁座4を載せる。リング状絶縁座4を先に載せ、次に弾力板8を載せてもよい。
The elastic plate 8 is formed in a disk shape having an outer diameter slightly smaller than the inner diameter of the ring-shaped insulating seat, and the elastic plate 8 is placed on the
次に、図5に示すように、固定電極5に電気的に接続した端子Aと平板電極9と電気的に一体の冶具10に接続した端子Bとの間に図示されない静電容量計を接続し、固定電極5と平板電極9との間の静電容量を測定しながら固定電極5に荷重Wをかける。荷重Wは徐々に大きくしていく。リング状絶縁座4が冶具10の上面から浮き上がらないように、何らかの押さえ手段を用いるのが望ましい。加重Wが大きくなるに従い、リング状絶縁座4に対して固定電極5がその中心軸線方向に相対移動し、弾力板8を押しつぶし、固定電極5と平板電極9との間隔が徐々に狭くなっていく。これに従い静電容量計で測定される固定電極5と平板電極9との間の静電容量が徐々に増大していく。固定電極5と平板電極9との間隔が所望の間隔になるときの静電容量はあらかじめわかっているので、静電容量計の表示値があらかじめ定められた値に達したとき、上記荷重の増大を停止し、そのときの荷重を維持したまま、固定電極5と平板電極9との間に接着剤を塗布して硬化させ、固定電極5と平板電極9を一体化する。
Next, as shown in FIG. 5, a capacitance meter (not shown) is connected between the terminal A electrically connected to the fixed
図6はこのときの様子を示しており、固定電極5と平板電極9との対向面相互の間隔が所定の間隔に精度よく設定される。固定電極5と一体のリング状絶縁座4の前端(図6において下端)面は、前記ユニットケース1に組み込まれた状態では振動板3に当接する。製造過程においては、振動板3に対応するものは平板電極9であり、固定電極5と平板電極9との間隔が、マイクロホンユニットとして組み立てられた状態では固定電極5と振動板3との間隔と等しくなる。よって、マイクロホンユニットとして組み立てる前に、固定電極5と振動板3との間隔を精度よく調整することができる。また、マイクロホンユニットとして組み立てる前に、固定電極5と振動板3との間隔を調整することができるため、この間隔調整がきわめて容易になる利点がある。加えて、静電容量計により定量的に測定することができるので、固定電極5と振動板3との間隔を精度よく、ばらつきが少なく安定に調整することができる利点もある。
FIG. 6 shows the state at this time, and the interval between the opposing surfaces of the fixed
接着剤は、塗布してから硬化するまである程度の時間を要するので、固定電極5と振動板3との間に接着剤を塗布した状態で静電容量を測定しながら、固定電極5と振動板3との間隔を調整してもよく、接着剤が硬化するまでは、何度でも静電容量を測定しつつ固定電極5とリング状絶縁座4の相対位置関係を調整することができる。
Since the adhesive requires a certain amount of time from application to curing, the fixed
固定電極5と平板電極9との間隔調整に当たり、固定電極5と平板電極9との間に弾力板8を介在させて固定電極5と平板電極9との間の静電容量を測定している。この際に懸念されることは、弾力板8が押しつぶされることによって弾力板8の誘電率が変化しないか、あるいは、弾力板8の無数の凹凸がその都度異なったつぶれ方をして、静電容量と、固定電極5と平板電極9との間隔が一定の関係にならないのではないか、ということである。
In adjusting the distance between the fixed
本発明者は、測定装置のモデルを作成してこの点を検証した。金属ベースの上に固定電極を載せ、この固定電極の上に厚さ2μmで片面に金の蒸着膜を形成したPPSウェーブダイヤフラムを、上記蒸着膜を上にして載せ、その上にガラス板を載せた。PPSウェーブダイヤフラムの蒸着膜と上記金属ベースとの間に静電容量計を接続した。1個の重さ23.4kgの重りを4個用意し、上記ガラス板の上に何も載せない場合、1個の重りを載せた場合、2個の重りを載せた場合、3個の重りを載せた場合、4個の重りを載せた場合について、静電容量計によりPPSウェーブダイヤフラムと金属ベースとの間の静電容量を測定した。その結果は以下のとおりである。
ガラス板のみの場合 0.597(μF)
重り1個の場合 0.667(μF)
重り2個の場合 0.692(μF)
重り3個の場合 0.710(μF)
重り4個の場合 0.719(μF)
The inventor has created a model of the measuring apparatus and verified this point. A fixed electrode is placed on a metal base, a PPS wave diaphragm having a thickness of 2 μm and a gold deposited film formed on one side is placed on the fixed electrode, the deposited film is placed on top, and a glass plate is placed thereon. It was. A capacitance meter was connected between the deposited film of the PPS wave diaphragm and the metal base. 4 weights of 13.4kg are prepared, and when nothing is placed on the glass plate, when 1 weight is placed, when 2 weights are placed, 3 weights are placed. When four weights were placed, the capacitance between the PPS wave diaphragm and the metal base was measured with a capacitance meter. The results are as follows.
In the case of only glass plate 0.597 (μF)
In case of one weight 0.667 (μF)
0.692 (μF) for 2 weights
In the case of 3 weights 0.710 (μF)
In the case of 4 weights 0.719 (μF)
上記測定結果をグラフに表したものが図7である。横軸に荷重をとり、縦軸に静電容量をとっている。荷重は、冶具のみ、すなわち上記ガラス板のみが載せられている場合と、重りを1個、2個、3個、4個と増やし、そのときの静電容量をプロットしている。このグラフから分かるとおり、重りが1個から3個まで、したがって、荷重が約23kgから約70kgまでの範囲で静電容量がリニアに変化していて、この範囲では所定の荷重をかければ、固定電極5と平板電極9との間隔を所定の間隔に設定することができる。
FIG. 7 is a graph showing the measurement results. The horizontal axis represents load, and the vertical axis represents capacitance. For the load, only the jig, that is, only the glass plate is placed, and the weights are increased to 1, 2, 3, and 4, and the capacitance at that time is plotted. As can be seen from this graph, the capacitance varies linearly from 1 to 3 weights, and therefore the load ranges from about 23 kg to about 70 kg. If a predetermined load is applied within this range, the load is fixed. The interval between the
以上説明した本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットおよび本発明にかかる製造方法で製造されたコンデンサーマイクロホンユニットは、これをマイクロホンケースに収納し、その他必要な電装品、例えば、回路基板、コネクタなどを組み込むことによってコンデンサーマイクロホンを構成することができる。 The condenser microphone unit according to the present invention described above and the condenser microphone unit manufactured by the manufacturing method according to the present invention are housed in a microphone case, and other necessary electrical components such as a circuit board and a connector are incorporated therein. Thus, a condenser microphone can be configured.
1 ユニットケース
2 振動板保持体
3 振動板
4 リング状絶縁座
5 固定電極
6 絶縁座
7 押さえリング
8 弾力板
9 平板電極
10 冶具
11 音響端子
12 段部
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
Claims (6)
上記固定電極は、外周面がリング状絶縁座の内周面に中心軸線方向に相対移動可能に嵌められ、
上記リング状絶縁座の一端面は上記振動板の外周縁部を上記振動板保持体に押し付け、
上記固定電極は、上記リング状絶縁座の一端面が上記振動板の外周縁部を上記振動板保持体に押し付けた状態で、振動板との間に所定の間隙を形成する位置でリング状絶縁座に接着固定されているコンデンサーマイクロホンユニット。 A diaphragm that is held by a diaphragm holder and vibrates by receiving sound waves, a fixed electrode that constitutes a capacitor together with the diaphragm by being opposed to the diaphragm with a predetermined gap, and the diaphragm And a unit case that houses a built-in component including a fixed electrode, and a condenser microphone unit that performs electroacoustic conversion by a change in capacitance between the diaphragm and the fixed electrode caused by the vibration of the diaphragm. ,
The fixed electrode is fitted to the inner peripheral surface of the ring-shaped insulating seat so that the outer peripheral surface is relatively movable in the central axis direction,
One end surface of the ring-shaped insulating seat presses the outer peripheral edge of the diaphragm against the diaphragm holder,
The fixed electrode has a ring-shaped insulation at a position where a predetermined gap is formed between the fixed electrode and the diaphragm in a state where one end surface of the ring-shaped insulating seat presses the outer peripheral edge of the diaphragm against the diaphragm holding body. Condenser microphone unit that is fixed to the seat.
平板電極上に、リング状絶縁座とこのリング状絶縁座の内周側にリング状絶縁座の内径より小さい径の弾力板を載せる工程と、
リング状絶縁座に嵌められている固定電極を上記弾力板に押し付けながら固定電極と平板電極との間の静電容量を計測する工程と、
上記静電容量の計測値が所定の値になる位置でリング状絶縁座と固定電極相互を接着して一体化する工程と、
一体化したリング状絶縁座と固定電極を他の部材とともにユニットケースに組み込む工程を備えたコンデンサーマイクロホンユニットの製造方法。 A diaphragm that is held by a diaphragm holder and vibrates by receiving sound waves, a fixed electrode that constitutes a capacitor together with the diaphragm by being opposed to the diaphragm with a predetermined gap, and the diaphragm And a unit case that houses a built-in component including the fixed electrode, and the fixed electrode is fitted on the inner peripheral surface of the ring-shaped insulating seat so as to be relatively movable in the direction of the central axis, and the diaphragm vibrates. A method of manufacturing a condenser microphone unit that performs electroacoustic conversion by changing a capacitance between a diaphragm and a fixed electrode,
On the plate electrode, a step of placing a ring-shaped insulating seat and an elastic plate having a diameter smaller than the inner diameter of the ring-shaped insulating seat on the inner peripheral side of the ring-shaped insulating seat;
Measuring the capacitance between the fixed electrode and the flat plate electrode while pressing the fixed electrode fitted in the ring-shaped insulating seat against the elastic plate;
Adhering and integrating the ring-shaped insulating seat and the fixed electrode at a position where the measured capacitance value is a predetermined value;
A method of manufacturing a condenser microphone unit comprising a step of incorporating an integrated ring-shaped insulating seat and a fixed electrode together with other members into a unit case.
5. The position at which the measured value becomes a predetermined value is determined by measuring the capacitance between the fixed electrode and the flat plate electrode until the adhesive that bonds the ring-shaped insulating seat and the fixed electrode is cured. Of manufacturing a condenser microphone unit.
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