JP2008108210A - 自走式掃除機 - Google Patents
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Abstract
【課題】障害物の周り、部屋の隅、壁際等に掃除残しが無く掃除するように走行する自走式掃除機を提供する。
【解決手段】自走式掃除機は、第1移動範囲22aの外周の壁21に沿って点P1まで走行する。点P1に到達すると、X軸25a方向に旋回し、掃除機本体1の幅である点P2まで走行する。点P2まで走行したら、掃除機本体1をY軸25b方向に旋回し、往復走行を開始する。往復走行中、検出センサ7が障害物23を検出すると、自走式掃除機は、点P5まで走行し、掃除機本体1をX軸25a方向に旋回し、障害物23に沿って掃除機本体1の幅分走行し、掃除機本体1をY軸25b方向に旋回する。
【選択図】図4
【解決手段】自走式掃除機は、第1移動範囲22aの外周の壁21に沿って点P1まで走行する。点P1に到達すると、X軸25a方向に旋回し、掃除機本体1の幅である点P2まで走行する。点P2まで走行したら、掃除機本体1をY軸25b方向に旋回し、往復走行を開始する。往復走行中、検出センサ7が障害物23を検出すると、自走式掃除機は、点P5まで走行し、掃除機本体1をX軸25a方向に旋回し、障害物23に沿って掃除機本体1の幅分走行し、掃除機本体1をY軸25b方向に旋回する。
【選択図】図4
Description
本発明は、壁や家具等の障害物の近傍においても掃除残しが無く掃除する自走式掃除機に関する。
従来の床面上を自動走行して掃除を行なう自走式掃除機においては、移動検出センサを用いて掃除機の移動距離や旋回角度を計測し、掃除機が適切な移動経路に沿って走行するものがある。
例えば、特許文献1には、所定の間隔だけ走行位置をずらしながら往復することで掃除領域を隈なく掃除するように走行する自走式掃除機が開示されている。また、特許文献2には、掃除領域の外周の壁に沿って移動し、掃除領域の内側へ略垂直方向に移動して掃除領域を隈なく掃除するように走行する自走式掃除機が開示されている。
特開2003−241835号公報
特開2005−309700号公報
ところで、特許文献1では、自走式掃除機は、部屋の両端を往復するため、直進する距離が長くなる。そのため、実際の走行方向が適正な走行方向からずれが生じ、掃除残しが生じる問題がある。
また、特許文献2では、自走式掃除機は、壁に沿って掃除機本体の幅分移動して掃除領域の内側へ略垂直方向に掃除を行なうが、掃除領域の一辺の長さが掃除機本体の幅の倍数とならない場合、掃除領域の端部の近傍に掃除残しが生じる問題がある。
さらに、特許文献1および特許文献2では、障害物と壁との間に走行しない領域が生じるため、掃除残しとなる問題がある。
そこで、本発明は、上記に鑑み、壁や家具等の障害物の近傍においても掃除残しが無く掃除するように走行する自走式掃除機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、掃除領域を走行するための走行手段と、周囲の状況を検出する検出センサと、検出結果に応じて前記走行手段を制御する制御部とを備え、前記掃除領域が複数の移動範囲に分割され、前記制御部は、前記移動範囲毎に走行するように前記走行手段を制御し、前記移動範囲は、隣り合う移動範囲の一部と重なり合うことを特徴とする。
上記構成によると、自走式掃除機は、隣り合う移動範囲が重なった範囲を2度掃除する。すなわち、掃除領域は、2度掃除されたことになる。例えば、最初の移動範囲を掃除した後、次の移動範囲を掃除するとき、最初の移動範囲で掃除できなかった部分を掃除できる。
また、制御部は、移動範囲内において、掃除機本体を直進、反転を繰り返して往復走行しながら一側から他側に向かって移動させることを特徴とする。この構成によると、重なり合う移動範囲の一部は、網目状に走行することとなる。そのため、移動範囲を隈なく掃除することができる。
自走式掃除機は、障害物に接触したときに反転すると、その軌跡は円弧を描くように走行する。すなわち、自走式掃除機は、反転する際、壁や家具等の障害物際に接触しない場所が生じるため、掃除残しが発生する。そこで、掃除機本体が反転する際、制御部は、掃除機本体の幅分ずらして反転させる。この構成によると、自走式掃除機は、反転する際、掃除機本体の幅分、障害物際に沿って移動する。これにより、自走式掃除機は、障害物の周り、部屋の隅、壁際等に掃除残しが無く掃除するように走行することができる。
また、検出センサが障害物を検出したとき、制御部は、前記障害物を避けられるか否かを判断し、前記障害物を避けられないと判断した場合は、前記制御部は、反転させて往復走行を継続させ、前記障害物を避けられると判断した場合は、往復方向と直交する方向に掃除機本体の幅分ずらしながら往復方向に走行させることを特徴とする。
上記構成によると、自走式掃除機は、掃除機本体に対する障害物の位置に応じて障害物に沿って走行する。例えば、掃除機本体に対して左側に障害物を検出した場合、自走式掃除機は、障害物の右側に掃除していない範囲があると判断し、その障害物が掃除機本体の左側となるように障害物に沿って走行を行なう。また、掃除機本体に対して右側に障害物を検出した場合は、障害物の左側に掃除していない範囲があると判断し、その障害物が掃除機本体の右側となるように障害物に沿って走行を行なう。さらに、掃除機本体の前方に障害物を検出した場合は、掃除機本体が左右どちらかの方向に旋回し、その障害物が掃除機本体の左側あるいは右側となるように障害物に沿って走行を行なう。
また、制御部は、反転するとき、現在の掃除機本体の走行方向と往復方向とのずれを算出し、算出された前記ずれに基づいて前記掃除機本体の走行方向を軌道修正することを特徴とする。この構成によると、自走式掃除機は、常に適正な方向に走行することができるため、確実に掃除領域内を隈なく掃除することができる。
また、走行した移動範囲を記憶する記憶手段を備え、制御部は、記憶した移動範囲に基づいて重複する移動範囲の一部に係る往復走行を省略するように走行経路を決めることを特徴とする。一度通過した移動範囲では掃除残しがないため、隣り合う移動範囲で重なり合う部分を再度掃除する必要が無い。重複している部分の往復運動を省略することにより、走行時間を短縮することができる。
また、制御部は、掃除領域の端に沿って一周走行させて、前記検出センサから入力された情報に基づいて前記掃除領域の詳細地図を作成し、前記詳細地図に基づいて掃除領域を複数の移動範囲に分割することを特徴とする。
上記構成によると、自走式掃除機は、自動的に掃除領域を把握するため、ユーザから掃除領域に関する入力する必要がない。これにより、入力に係るユーザの手間を省ける。
また、記憶手段は、一度走行した掃除領域の詳細地図を再度作成することがないように、前記詳細地図を記憶することを特徴とする。この構成によると、再度、同じ掃除領域を掃除する場合、掃除領域の詳細地図を作成する時間を省略することができる。
以上のように、本発明によれば、隣り合う移動範囲において、互いの走行方向が交差するように往復走行するため、掃除領域を網目状に掃除することができる。
また、掃除機本体が反転する際、掃除機本体の幅分だけずらして旋回し、壁や障害物に沿って走行後、再び反転させて往復走行を再開する。そのため、自走式掃除機は、掃除残し無く往復走行をすることができる。
さらに、検出センサが障害物を検出し、障害物を避けられると判断した場合、障害物に沿って避け、往復方向と直交する方向に掃除機本体の幅分ずらして往復走行を継続するため、家具や壁等の障害物周辺等も掃除残し無く掃除をすることができる。
以下、本発明の自走式掃除機を図に基づいて説明する。本願発明の自走式掃除機は、図1に示すように、電動送風機を内装した掃除機本体1と、床面のゴミや埃等を吸引する掃除装置と、掃除をする掃除領域を走行するための走行手段と、周囲の状況を検出する検出センサ7と、検出センサ7の検出結果に基づいて掃除装置と移動装置を制御する制御部2とから構成される。
掃除機本体1の底面は平坦な矩形上とされ、上面も平坦とされる。この上面から前面にかけて、なだらかな曲面とされ、上部の角が障害物に当たらないようにしている。また、掃除機本体1の上面には、ユーザが自走式掃除機に対する操作指示を入力するための入力部9が設けられている。入力部9は、掃除領域の大きさを入力したり、発進や停止等の動作の切替えを入力したりする入力スイッチとされる。
掃除装置は、掃除機本体1の前部側底面に配される。掃除装置は、一般的な掃除機と同様の構成とされ、掃除機本体1の前方底面に設けられたノズル8から空気と共にゴミや埃等を吸入し、掃除機本体1内部に装着された集塵袋(図示せず)にゴミや埃等の塵埃が回収される。その際、塵埃と共に吸入された空気は、排気口(図示せず)から排気される。ノズル8は、掃除機本体1の幅より広い幅に形成されており、掃除機本体1が家具や壁等の障害物23に沿って走行したり、前方に押し付けたときに、障害物23沿いを掃除残しなく行なうことができる。
走行手段は、本体に内蔵された駆動モータ5と、駆動モータ5によって駆動される左右一対の駆動輪3と、走行の際に掃除機本体1を支える補助輪4と、駆動モータ5の回転量を検出するエンコーダ6とから構成されている。駆動モータ5は、掃除機本体1に内装され、シャフトやギア等の動力伝達部(図示せず)を介して駆動輪3に動力を伝達する。エンコーダ6は、駆動モータ5の回転量を検出し、検出結果を制御部2に送信する。
駆動輪3は、掃除機本体1側面の後両側に設けられており、左右が夫々独立して回転する。前進のときは、両駆動輪3が前進方向に同時に回転し、後退のときは、両駆動輪3が後退方向に同時に回転する。旋回のときは、夫々の駆動輪3が異なる方向に回転するか、一方の駆動輪3が停止し他方の駆動輪3が回転するように駆動される。
補助輪4は、本体前面に設けられたノズル8と駆動輪3との間に配設されている。補助輪4は、駆動輪3の動きに沿って掃除機本体1がスムーズに走行できるように、垂直軸周りに回転自在に支持されている。したがって、自走式掃除機は、前進と後退と旋回と停止等の動作の組合せにより自在に走行することができる。なお、走行手段は、特に駆動輪3に限られず、例えば、無限軌道や歩行装置等、掃除機本体1が走行できるものであれば良い。
検出センサ7は、赤外線センサや超音波センサ等の非接触式センサからなるセンサとされる。検出センサ7は、掃除機本体1の側面に設けられる。検出センサ7は、掃除機本体1の周囲を検出できるように等間隔に配置される。これにより、掃除機本体1は、その周囲の家具や壁等の障害物の位置を検出することができる。
制御部2は、内部にRAM、ROMおよびCPUを有する一般的なマイクロコンピュータから構成されており、検出センサ7からの入力に基づいて、決められた掃除パターンにしたがって、掃除装置と移動手段とを制御する。制御部2は、掃除機本体1を移動させながら検出センサ7の出力によって外壁21に囲まれた掃除領域の情報を収集し、収集された情報に基づいて掃除領域の詳細地図を作成する地図作成手段と、検出センサ7から得られた周囲の状況に関する情報に応じて掃除領域を分割する分割手段とを有する。
地図作成手段は、掃除領域における詳細な地図を作成する。作成方法は、掃除領域内を走行しながら周囲の状況を検出センサ7によって検出し、その検出結果から詳細地図を作成する。なお、詳細地図は、検出センサ7の検出結果に基づいて作成するだけでなく、入力部9から入力された掃除領域の大きさから作成しても良い。
詳細地図とは、掃除する掃除領域の形状や状況、すなわち、家具や壁21等の障害物23の位置等に関する検出センサ7からの検出結果に基づいて作成された地図である。この詳細地図上には、図2に示すように、掃除領域が複数の移動範囲に分割され、各移動範囲に壁21、障害物23、障害物近傍範囲24等に関する情報が付加される。例えば、図2中に示す黒色のセルは障害物23を示し、ハッチングされた範囲は障害物近傍範囲24を示し、掃除領域の外周を囲む黒線は掃除領域の外周の壁21を示す。
分割手段は、掃除領域を複数の移動範囲に分割する。分割手段は、隣り合う移動範囲の一部が重なり合うように分割する。例えば、図2に示すように、掃除領域を正方形の領域とした場合、4等分して、4つの範囲に分ける。隣り合う2つの範囲を合体して、1つの移動範囲とする。縦横に4つの移動範囲が形成される。縦方向の移動範囲の1つの範囲と横方向の移動範囲の中の1つの範囲とが重なり合う。なお、移動範囲の大きさは、設定した掃除領域の大きさの半分が理想的であるが、移動誤差によって掃除残しが生じないように半分の値より若干大きい値が良い。
このように掃除領域を分割することで、自走式掃除機が走行する往復距離を短くすることができる。通常、自走式掃除機は、走行する距離が長くなるのと比例して、実際の走行方向と適正な走行方向とに角度ずれが生じ、その結果、掃除機本体1の位置がずれ、往復する距離が大きくずれる。掃除領域を移動範囲の単位に分割することで走行する往復距離を短くしているため、走行方向のずれを小さくできる。
また、制御部2は、エンコーダ6から入力される駆動モータ5の回転量に基づいて、掃除機本体1の移動量、すなわち、走行開始地点に対する自走式掃除機の位置と進行方向を算出する。具体的には、制御部2は、エンコーダ6から、例えば、1/1000秒というような所定時間毎に駆動モータ5の回転量を受信する。受信した回転量を積算していくことで制御部2は、自走式掃除機の位置と進行方向を算出する。
制御部2は、作成された詳細地図、検出センサ7から入力される検出結果、エンコーダ6から入力される駆動モータ5の回転量を参照しながら、移動範囲内において掃除残しが無いように、自走式掃除機を往復走行するように走行手段を制御する。
具体的には、制御部2は、直進、反転を繰り返して移動範囲内を一側から他側に向かうような走行経路を決める。制御部2は、決定した走行経路に沿って掃除機本体1が走行するように走行手段を制御する。
次に、自走式電気掃除機の動きを、図3〜図7に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、掃除領域の各辺の中点を結ぶ2つの直線をそれぞれX軸25a、Y軸25bとする。
先ず、掃除機本体1は、第1移動範囲22aの掃除をする。掃除機本体1は、スタート地点Oから開始し(S1)、図3中の二重線矢印で示すように、掃除領域の外周が掃除機本体1の進行方向に対して右側となるように、第1移動範囲22aの壁21に沿って走行する(S2)。掃除機本体1は、壁21沿い走行を継続し、第1掃除機範囲22aの右辺にある点P1まで走行し、壁21沿い走行を終了する(S3)。
点P1に到達すると、掃除機本体1は、図4に示すように、往復方向に直行する方向、すなわち、X軸25a方向に旋回し、掃除機本体1の幅分走行する。掃除機本体1の幅分、すなわち、点P2まで走行したら、掃除機本体1をY軸25b方向に旋回し、往復走行を開始する(S4)。
往復走行中、検出センサ7が壁21を検出すると(S7)、制御部2は、詳細地図に基づいて第1移動範囲22aに係る往復走行が終了したかを判断する(S9)。往復走行が終了していないと判断した場合、図4に示すように、掃除機本体1を点P3まで走行し、掃除機本体1をX軸25a方向に旋回する。そして、壁21に沿って掃除機本体1の幅分走行する(S6)。掃除機本体1が点P4まで走行したら(S8)、掃除機本体1をY軸25b方向に旋回して、往復走行を再開する(S4)。
検出センサ7が障害物23を検出すると(S5)、制御部2は、その障害物23を避けられるか否かを判断する。例えば、制御部2は、検出した障害物23の端部が掃除機本体1から見て一側に位置している場合に、その障害物23を避けられると判断する。障害物23の端部を検出できなかった場合に、その障害物23を避けられないと判断する。
制御部2が障害物23を避けられないと判断した場合は、掃除機本体1は、点P5まで走行し、X軸25a方向に旋回し障害物23に沿って走行する(S6)。掃除機本体1は、障害物23に沿って掃除機本体1の幅分走行したら(S8)、掃除機本体1をY軸25b方向に旋回して、往復走行を再開する(S4)。
制御部2が障害物23を避けられると判断した場合、すなわち、掃除機本体1の幅分走行する前に障害物23の端部に到達してしまうと判断した場合は、掃除機本体1は、点P6まで走行し、X軸25a方向に旋回して障害物23に沿って掃除機本体1の端部まで走行する(S6)。掃除機本体1が障害物23の端部に到達したら、掃除機本体1は、Y軸25b方向に旋回し、そのまま障害物23に沿って移動範囲の境界まで走行する。移動範囲の境界まで走行したら、掃除機本体1は、再びX軸25a方向に旋回し、残りの掃除機本体1の幅分を移動範囲の境界に沿って走行する。掃除機本体1は、移動範囲の境界に沿って残りの掃除機本体1の幅分走行したら(S8)、掃除機本体1をY軸25b方向に旋回して、往復走行を再開する(S4)。
なお、掃除機本体1に対する障害物23の位置によって壁21沿い走行が異なる。例えば、掃除機本体1に対して左側に障害物23を検出した場合は、掃除機本体1の右側が障害物23となるように障害物23に沿って走行を行なう。掃除機本体1に対して右側に障害物23を検出した場合は、掃除機本体1の右側が障害物23となるように障害物23に沿って移動範囲の境界まで走行を行なう。掃除機本体1の前方に障害物23を検出した場合は、掃除機本体1がX軸25a方向、あるいは、Y軸25b方向に旋回し、障害物23に沿って走行を行なう。
図4に示すように、掃除機本体1が点P6に到達すると、制御部2は掃除機本体1の位置を確認し、第1移動範囲22aの終端に到達したかを詳細地図を用いて判定する(S9)。掃除機本体1が第1移動範囲22aの終端に到達していると判断した場合は、分割した移動範囲が何個終了したかを判定する(S10)。この時点で、図4に示す第1移動範囲22aを往復走行で掃除し、その外周の右下部分(XY平面の右下部分)を壁21沿い走行で掃除したことになる。なお、図4において、壁21沿い走行を行った軌跡は二重線矢印で示し、往復走行を行った軌跡は矢印で示す。
第1移動範囲22aの掃除が終了すると、掃除機本体1は、第2移動範囲22bの掃除を開始する。掃除機本体1は、第1移動範囲22aでの走行と同様に、先ず、図5中の二重線矢印で示すように、掃除領域の外周が掃除機本体1の進行方向に対して右側となるように、第2移動範囲22bの壁21に沿って走行する(S2)。掃除機本体1は、第2掃除機範囲22bの右辺にある点P8で障害物23を検出すると、壁21沿い走行を終了し(S3)、往復方向に直行する方向、すなわち、Y軸25b方向に旋回し、障害物23に沿って掃除機本体1の幅分走行する。掃除機本体1の幅分、すなわち、点P9まで走行したら、掃除機本体1をX軸25a方向に旋回し、往復走行を開始する(S4)。第2移動範囲22bの上辺にある点P10まで第1移動範囲22aと同様に往復走行を繰り返し、第2移動範囲の掃除を行なう。これにより、移動範囲の一部の走行経路は交差する。すなわち、隣り合う移動範囲の重なり合う範囲は、2度掃除される。
第3移動範囲22c、第4移動範囲22dも同様に掃除を行なう。すなわち、第3掃除機範囲22cの場合は、その移動範囲の右辺にある点P10まで外周の壁21に沿って走行し、その後、往復走行を開始する。すなわち、第4掃除機範囲22dの場合は、図6に示すように、第4移動範囲22dの右辺にある点P9まで外周の壁21に沿って走行し、その後、往復走行を開始する。そして、自走式掃除器がスタート地点Oに到達したら、制御部2は、第4移動範囲22dの終端に到達したかを詳細地図を用いて判定し(S9)、第4移動範囲22dの終端に到達していると判断した場合は、分割した移動範囲が全て終了したかを判定し(S10)、掃除領域の掃除を終了する(S11)。
ところで、第1移動範囲22aおよび第2移動範囲22bを掃除したとき、図5および図6に示すように、未掃除範囲A,Bが存在する。これら未掃除範囲A,Bは、障害物23によって走行することができなかった範囲である。しかし、未掃除範囲Aは、第4移動範囲22dを掃除する際に掃除される。また、未掃除範囲Bは、第1移動範囲22aを掃除する際に掃除される。すなわち、未掃除範囲A,Bは、必ず掃除することとなるため、掃除残しが無い。
自走式掃除機は、走行して行くうちに走行経路からずれていく。これを修正する必要が生じる。そこで、制御部2は、壁21を検出したときに軌道修正をする。
制御部2は、往復方向と直交する壁21を基準として、現在の掃除機本体1の走行方向と往復方向とのずれを算出し、算出されたずれに基づいて掃除機本体1の走行方向を軌道修正する。詳しくは、図8に示すように、3つの検出センサ7a,7b,7cは、各検出センサ7a,7b,7cが向いている方向の延長線と検出された壁21との接点L1,L2,L3までの距離を検出する。制御部2は、検出した接点L1,L2,L3から壁21の位置を算出する。
制御部2は、検出された接点L1,L2,L3のうち、いずれか1つの接点(本実施形態では接点L1とする)を通る往復方向と直交する水平線Lを作成する。3つの検出センサ7の内、真中に配された検出センサ7bから、水平線Lに対して垂直となる垂直線Hを作成する。垂直線Hと水平線Lとの交点をaとする。そうすると、接点L1、接点L2、交点aを結ぶと、交点aを直角とする直角三角形が形成される。この直角三角形の接点L1と接点L2の距離、および、接点L1と交点aの距離は、それらの接点座標から算出される。
壁21の傾きθは、接点L1と接点L2の距離と接点L1と交点aの距離から算出される。この傾きθを用いて、垂直線Hと壁21との傾きを算出する。この傾きが、現在の走行方向と往復方向とのずれとされる。制御部2は、算出されたずれに基づいて走行方向を軌道修正する。なお、本実施形態においては、検出センサ7が壁21を検出する度に行なう。また、本実勢形態では壁21を検出したときに軌道修正を行なっているが、障害物23を検出したときに軌道修正を行なっても良い。
次に、壁21を検出したときに軌道修正をする場合の自走式電気掃除機の動きを、図9に基づいて説明する。なお、軌道修正をする以外は、上述した移動範囲の走行と同じように移動範囲において往復走行を行なうので、その説明は省略し、軌道修正の動作を詳細に説明する。
自走式掃除機は、検出センサ7が壁21を検出したときに軌道修正を行なう。すなわち、往復走行中、検出センサ7が壁21を検出すると(T7)、制御部2は、検出センサ7の検出結果に基づいて、現在の掃除機本体1の走行方向と往復方向とのずれを算出する(T9)。現在の掃除機本体1の走行方向と往復方向とにずれがある場合は、検出した壁21に到達する前に、算出されたずれに基づいて走行方向を軌道修正する。現在の掃除機本体1の走行方向と往復方向とにずれがない場合は、そのまま検出した壁21まで走行する。
壁21に到達したら、自走式掃除機は、掃除機本体1を往復方向に直交する方向に旋回し、壁21に沿って掃除機本体1の幅分走行する(T6)。自走式掃除機が掃除機本体1の幅分走行したら(T8)、掃除機本体1を往復方向に旋回して、往復走行を再開する(T4)。
そして、往復走行を同様に行い、自走式掃除機が走行を開始したスタート地点Oまで戻ってきたところで、全ての移動範囲の掃除が終了したと判断し(T11)、走行を終了する(T12)。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で修正・変更を加えることができるのは勿論である。上記実施形態では、最初の移動範囲を掃除し、次の移動範囲を掃除する際に、隣り合う移動範囲で重なりあう部分においても再度掃除しているが、既に掃除済みの部分、すなわち、重なり合った部分に関しては、省略しても良い。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で修正・変更を加えることができるのは勿論である。上記実施形態では、最初の移動範囲を掃除し、次の移動範囲を掃除する際に、隣り合う移動範囲で重なりあう部分においても再度掃除しているが、既に掃除済みの部分、すなわち、重なり合った部分に関しては、省略しても良い。
また、自走式掃除機は、例えば、図10に示すように、移動範囲に障害物がない第4移動範囲22dを掃除する場合、その移動範囲において隈なく走行することができる。そのため、自走式掃除機は、掃除領域の右下部分(XY平面の右下部分)を一度通過することで掃除残しがない。すなわち、隣り合う移動範囲で重なり合う部分は、再度掃除する必要が無いため、その重複している部分の往復運動を省略する。これにより、自走式掃除機は、走行時間を短縮することができる。
また、本実施形態は、障害物を検出した場合、図4に示すように、X軸25aの負の方向に旋回し、障害物23に沿って移動してから往復走行をしているが、掃除機本体に対して左側に障害物を検出した場合、自走式掃除機は、障害物の右側に掃除していない範囲があると判断して、一度、図11に示すような左壁沿いに走行し、障害物23の右側の障害物近傍24を掃除してからX軸25aの負の方向に再び移動して往復方向を開始しても良い。これにより、例えば、掃除領域の外周の壁から障害物の距離が往復走行の旋回する幅の倍数の距離でなくても、障害物の近傍を掃除することができる。
また、自走式掃除機の軌道修正は、検出センサが障害物を検出する度に行なっているが、特にこの限りではなく、制御部の演算負担を考慮して、所定回数毎に行なっても良い。
また、掃除機本体の位置や向きをエンコーダで算出しているが、この限りではなく、ジャイロセンサーを用いても良い。また、天井に設置されたカメラで掃除機本体を撮像することで、掃除機本体の位置や向き等を検出しても良い。また、入力部は、入力スイッチだけではなく、赤外線等の無線操作するための受信器としても良い。
また、分割手段は、掃除領域内の環境情報を付加して掃除領域を分割しても良い。環境情報とは、掃除領域の広さ、掃除する床の種類、障害物の位置等の掃除領域内の状況である。また、分割手段は、掃除領域の大きさを均等に分割しているが、障害物の位置や間隔、あるいは、掃除領域の外形に応じて掃除領域を不均等に分割しても良い。
1 掃除機本体
2 制御部
3 駆動輪
4 補助輪
5 駆動モータ
6 エンコーダ
7 検出センサ
7a 検出センサ
7b 検出センサ
7c 検出センサ
8 ノズル
9 入力部
21 壁
22a 第1移動範囲
22b 第2移動範囲
22c 第3移動範囲
22d 第4移動範囲
23 障害物
24 障害物近傍範囲
25a X軸
25b Y軸
A 未掃除範囲
B 未掃除範囲
H 垂直線
L 水平線
L1 接点
L2 接点
L3 接点
2 制御部
3 駆動輪
4 補助輪
5 駆動モータ
6 エンコーダ
7 検出センサ
7a 検出センサ
7b 検出センサ
7c 検出センサ
8 ノズル
9 入力部
21 壁
22a 第1移動範囲
22b 第2移動範囲
22c 第3移動範囲
22d 第4移動範囲
23 障害物
24 障害物近傍範囲
25a X軸
25b Y軸
A 未掃除範囲
B 未掃除範囲
H 垂直線
L 水平線
L1 接点
L2 接点
L3 接点
Claims (6)
- 掃除領域を走行するための走行手段と、周囲の状況を検出する検出センサと、検出結果に応じて前記走行手段を制御する制御部とを備え、
前記掃除領域が複数の移動範囲に分割され、
前記制御部は、前記移動範囲毎に走行するように前記走行手段を制御し、
前記移動範囲は、隣り合う移動範囲の一部と重なり合うことを特徴とする自走式掃除機。 - 制御部は、移動範囲内において、掃除機本体を直進、反転を繰り返して往復走行しながら一側から他側に向かって移動させることを特徴とする請求項1に記載の自走式掃除機。
- 検出センサが障害物を検出したとき、制御部は、前記障害物を避けられるか否かを判断し、
前記障害物を避けられないと判断した場合は、前記制御部は、反転させて往復走行を継続させ、前記障害物を避けられると判断した場合は、往復方向と直交する方向に掃除機本体の幅分ずらしながら往復方向に走行させることを特徴とする請求項2に記載の自走式掃除機。 - 制御部は、反転するとき、現在の掃除機本体の走行方向と往復方向とのずれを算出し、算出された前記ずれに基づいて前記掃除機本体の走行方向を軌道修正することを特徴とする請求項2または3に記載の自走式掃除機。
- 走行した移動範囲を記憶する記憶手段を備え、
制御部は、記憶した移動範囲に基づいて重複する移動範囲の一部に係る往復走行を省略するように走行経路を決めることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の自走式掃除機。 - 制御部は、掃除領域の端に沿って一周走行させて、前記検出センサから入力された情報に基づいて前記掃除領域の詳細地図を作成し、前記詳細地図に基づいて掃除領域を複数の移動範囲に分割することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の自走式掃除機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006292788A JP2008108210A (ja) | 2006-10-27 | 2006-10-27 | 自走式掃除機 |
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JP (1) | JP2008108210A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2006
- 2006-10-27 JP JP2006292788A patent/JP2008108210A/ja active Pending
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