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JP2008101436A - 調湿性を有する内装薄付仕上塗材、及びその製造方法、調湿性を有する内装薄付仕上壁材及びその施工方法 - Google Patents

調湿性を有する内装薄付仕上塗材、及びその製造方法、調湿性を有する内装薄付仕上壁材及びその施工方法 Download PDF

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JP2008101436A JP2006286626A JP2006286626A JP2008101436A JP 2008101436 A JP2008101436 A JP 2008101436A JP 2006286626 A JP2006286626 A JP 2006286626A JP 2006286626 A JP2006286626 A JP 2006286626A JP 2008101436 A JP2008101436 A JP 2008101436A
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Abstract

【課題】ひび割れ抵抗性、付着強さ、保水性、耐摩耗性、耐変退色性、吸放湿性、マイナスイオン発生効果を併せ持つ調湿性を有する内装薄付仕上塗材及びその製造方法、調湿性を有する内装薄付仕上壁材、及びその施工方法を提供する。
【解決手段】本発明の調湿性を有する内装薄付け仕上用塗材は、シラス又はシラスバルーン3〜7wt%、再乳化型水溶性樹脂2〜10wt%、無機質粉体5〜40wt%、骨材10〜75wt%、増粘剤0.5〜10wt%、有機質繊維1〜3wt%を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ひび割れ抵抗性、付着強さ、保水性、耐摩耗性、耐変退色性、吸放湿性、マイナスイオン発生効果を併せ持つ調湿性を有する内装薄付仕上塗材及びその製造方法、調湿性を有する内装薄付仕上壁材、及びその施工方法に関する。
従来、調湿性を有する仕上塗材として漆喰や土壁が知られており、漆喰は消石灰に、スサ、のり、藁、水等を加えて練り合わせたものであって、土壁は粘土に、砂、藁、麻等を加えて練り合わせたものである。また、珪藻土を添加したものも知られている。
これらは、調湿性ばかりでなく、耐火性、蓄熱性、消臭性をも併せ持つものであって、近年の揮発性有機化合物過敏症やシックハウス症候群に対する対策として見なおされてきている。
一方、天然の産出堆積物であるシラスの活用法として、乾燥シラスを白セメント又は石膏と組み合わせて建材、建築仕上塗材に混合して用いる方法が提案されている(例えば特許文献1など)。
特許第3283799号公報
しかしながら、前記珪藻土は近年、結晶性シリカの発ガン性が問題となっているため、この珪藻土の代替品として乾燥シラスを使用するものであって、乾燥シラスは吸水が激しくセメント又は石膏を用いて水和反応により強制硬化させる以外に硬化させることは困難であった。例えば空気中の炭酸ガス及び空気乾燥及び樹脂の重合による石灰又及び再乳化型水溶性樹脂を硬化剤として壁材にするのは極めて困難であり、特に、塗り壁面を平滑にするテクスチャーにはコテ滑りが悪く水引が早く硬化速度が遅い事から、消石灰又は再乳化型水溶性樹脂で硬化させる方法には、乾燥シラスは不向きな原料であるという一般的な評価があった。
そこで、本発明は、上記問題点を解消でき、ひび割れ抵抗性、付着強さ、保水性、耐摩耗性、耐変退色性、吸放湿性、マイナスイオン発生効果を併せ持つ健康に良い塗壁材を提供することを目的とする。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、シラス又はシラスバルーンと硬化剤として消石灰又は再乳化型水溶性樹脂を特定の組成範囲にて含有し、さらに他の成分を組み合わせることにより、前記目的を達成し得ることを見出した。
即ち本発明は、シラス又はシラスバルーン3〜7wt%、再乳化型水溶性樹脂2〜10wt%、無機質粉体5〜40wt%、骨材10〜75wt%、増粘剤0.5〜10wt%、有機質繊維1〜3wt%を含有することを特徴とする調湿性を有する内装薄付仕上塗材、及びその製造方法に関するものである。
また、本発明は、シラス又はシラスバルーン5〜20wt%、消石灰5〜30wt%、無機質粉体5〜40wt%、骨材10〜60wt%、増粘剤0.5〜7wt%、有機質繊維1〜3wt%を含有することを特徴とする調湿性を有する内装薄付仕上塗材、及びその製造方法をも提案する。
さらに、本発明は、前記組成割合の内装薄付仕上塗材に水を加えて混練し、下地の上に塗布し、各種デザインによる表面仕上げ加工を施工現場で施して乾燥させたことを特徴とする調湿性を有する内装薄付仕上壁材をも提案する。
また、本発明は、前記組成割合の内装薄付仕上塗材に水を加えて混練し、下地の上に塗布し、各種デザインによる表面仕上加工を施工現場で施して乾燥させることを特徴とする調湿性を有する内装薄付仕上壁材の施工方法をも提案する。
本発明の調湿性を有する内装薄付仕上塗材は、ひび割れ抵抗性、付着強さ、保水性、耐摩耗性、耐変退色性、吸放湿性、マイナスイオン発生効果を持ち、JIS A 6909に規定する70g以上の調湿性、並びに建築用仕上塗材の性能を満たす。
また、それぞれの測定値は後記表3および表4に示す。
また、本発明の調湿性を有する内装薄付仕上壁材は、規定量の清水を加え混練りし、通常の左官工法により容易に施工できる。
本発明に用いる各材料について以下に説明する。
〔シラス〕
シラス(白砂)とは、南九州の方言で白い砂を意味するが、地質学的には鹿児島県を始めとする南九州一帯に厚く堆積している、白色の火山噴出物(細粒の軽石や火山灰など)が集積した地層をいう。シラスの大部分が約2.5万年前に発生した姶良(あいら)カルデラの大噴火時に発生した入戸火砕流により形成されたと推定されている。この火砕流の噴出量は現在の赤城山の容積(約100km3)の約2倍に達し(200km3)、それに加えて火山灰約150km3が日本全国に降り注いだ(広域テフラ姶良Tn)。姶良カルデラは桜島より北側の鹿児島湾奥部に相当する窪地(直径約20km)である。なおこのとき噴出したマグマは二酸化ケイ素分が多く、白っぽく見える為、シラス(白砂)と呼ばれる。また、南九州にはシラスと呼ばれる火山噴出物が広く分布し、台地あるいは丘陵地を形成している。そのシラスは第3紀末から第4紀にかけて現在の鹿児島湾奥及び、湾口の姶良・阿多火山から噴出したものと言われ、軽石流(発砲部)降下軽石及びこれらの二次堆積層(狭義のシラス)などからなっている。それらは一般に白い砂質堆積物であるため、古くから白砂または白洲と呼ばれ現在はシラスと言われている。総じて噴火による噴出物(ガラス質火山灰)を現在、九州地区では「シラス」と呼んでいる。シラスは1000℃を越す温度で自然焼成された完全無機質粉状の物質で、南九州だけの埋蔵量だけでも90km3と考えられている。成分は、下表1に示すように珪酸70%、アルミナ14%、カルシウム3%、ナトリウム3%、磁鉄2%、カリウム2%、その他マグネシウム、チタン、マンガンなどを含む。
Figure 2008101436
〔シラスバルーン〕
シラスを高温で焼成し、発泡させたもので、シラス中の火山ガラスを選別、乾燥し高温で熱処理すると、火山ガラスの粒子が発砲して微細な中空状の発泡粒になる。成分の一例を、下表2に示す。
Figure 2008101436
これらのシラス又はシラスバルーンは、再乳化型水溶性樹脂を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材において、3〜7wt%配合されることが望ましい。3wt%以下ではマイナスイオンの発生及び、調湿機能が低く、7wt%以上になると仕上げ表面強度が弱くなる。
また、消石灰を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材において、シラス又はシラスバルーンは5〜20wt%配合されることが望ましい。5wt%以下では調湿性、マイナスイオンの発生等の機能が低下し、20wt%以上になると表面強度が弱くなる。
尚、参考としてシリカヒュームについて説明すると、高純度SiO2の非晶質球状微粒子であって、吸水性を有していないため、消石灰又は再乳化型水溶性樹脂を硬化剤として壁材としてどのような組成割合であっても、何等問題は生じない。そのため、このシリカヒュームは、既に多くの製品、並びに提案に用いられている。
〔再乳化型水溶性樹脂〕
酢酸ビニル=ベオバ、エチレン酢酸ビニル、アクリル樹脂等の再乳化型水溶性樹脂は、水に可溶で、粉末状であるため、予め乾燥状態で混合しておくことができる。
また、この再乳化型水溶性樹脂を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材において、再乳化型水溶性樹脂は2〜10wt%配合されることが望ましい。2wt%以下では付着性能の向上がみられず、また、硬化はするものの時間を要する。10wt%以上になると付着性能は上がるが、透湿性が低下する。
〔消石灰〕
石灰岩は有孔虫,サンゴ、二枚貝、巻き貝、石灰藻など、CaCO3の殻や骨格をもつ生物の遺骸が堆積して作られたもので、石灰岩を炉で熱すると、二酸化炭素CO2を出して、酸化カルシウム(生石灰)CaOになる。生石灰に水を加えると、発熱して水酸化カルシウム(消石灰)Ca(OH)2が得られる。
また、この消石灰を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材において、消石灰は5〜30wt%配合されることが望ましい。5wt%以下では表面強度が弱く、30wt%以上になると湿度調節機能が低下する。
尚、本発明の再乳化型水溶性樹脂を硬化剤とする内装薄付仕上塗材については、前記のシリカ又はシリカバルーンと再乳化型水溶性樹脂の割合を規準として、後述する他の成分の割合を検討し、特定した。
また、本発明の消石灰を硬化剤とする内装薄付仕上塗材についても、前記のシリカ又はシリカバルーンと消石灰の割合を規準として、後述する他の成分の割合を検討し、特定した。
〔無機質粉体〕
無機質粉体は、粒径約100μm以下の公知の仕上げ塗材に用いられる各種の無機質粉体を用いることができ、例えばドロマイトプラスター、炭酸カルシウム粉末、クレー等を使用すればよい。
再乳化型水溶性樹脂を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材においても、消石灰を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材においても、この無機質粉体は5〜40wt%の範囲で使用することができ、好ましくは10〜30wt%がよく、作業性、表面強度、調湿性を考慮し、決定すればよい。
〔骨材〕
骨材は、粒径約1.2mm以下の公知の仕上げ塗材に用いられる各種の骨材を用いることができ、例えばゼオライト、炭酸カルシウム等を使用すればよい。
再乳化型水溶性樹脂を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材において、この骨材は10〜75wt%配合されることが望ましい。10wt%以下では臭いを吸着する機能および調湿性能、各種デザインによる表面仕上げ施工性が悪く、75wt%以上になると施工性が悪くなる。
消石灰を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材において、この骨材は10〜60wt%配合されることが望ましい。10wt%以下では臭いを吸着する機能および調湿性能、各種デザインによる表面仕上げ施工性が悪く、60wt%以上になると施工性が悪くなる。
〔増粘剤〕
増粘剤は、公知の仕上げ塗材に用いられる各種の増粘剤を用いることができ、例えばメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース等の合成高分子質あるいは海藻類等の天然高分子物質から選ばれる1種類以上の水溶性増粘剤を使用することができる。この水溶性増粘剤は、こて塗り作業性を向上する効果をもたらし、接着性を向上するものも多い。また、合成有機材料よりも植物等から得られた天然有機物を用いるようにしてもよい。
この水溶性増粘剤の選定に当たっては消石灰の凝結に影響を与えるものは避け、施工時の作業性、仕上がり状態を考慮し、1種類あるいは2種類以上を適宜に選定して使用することにより、流動性および粘性を任意に制御することができる。
再乳化型水溶性樹脂を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材において、この増粘剤は0.5〜10wt%配合されることが望ましい。0.5wt%以下では十分な粘性が得られず、多種のデザインによる表面仕上げ施工性が悪く、また、保水性能も劣る。10wt%以上になると作業性、仕上げ精度、さらには施工後に乾燥も悪くなる。
消石灰を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材において、この増粘剤は0.5〜7wt%配合されることが望ましい。0.5wt%以下では十分な粘性が得られず、多種のデザインによる表面仕上げ施工性が悪く、また、保水性能も劣る。7wt%以上になると作業性、仕上げ精度、さらには施工後の乾燥も悪くなる。
〔有機質繊維〕
有機質繊維は、粘性の改良のために添加されるものであって、公知の仕上げ塗材に用いられる各種の有機質繊維を用いることができる。
再乳化型水溶性樹脂を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材においても、消石灰を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材においても、この有機質繊維は1〜3wt%配合されることが望ましい。1wt%以下では、保水性能が劣り、3wt%以上になると表面状態が悪く、多種のデザインによる表面仕上げ施工性が悪い。
〔顔料〕
顔料は、公知の仕上げ塗材に用いられる各種の顔料を用いることができる。
再乳化型水溶性樹脂を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材においても、消石灰を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材においても、この顔料は適宜2wt%以下で配合されることが望ましく、2wt%以上入ると作業性が悪くなる。また、各種色味をつけることによって意匠性も向上する。
〔ワラスサ〕
ワラスサは、公知の仕上げ塗材に用いられる各種のワラスサを用いることができる。
再乳化型水溶性樹脂を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材においても、消石灰を硬化剤として用いる本発明の内装薄付仕上塗材においても、このワラスサは適宜2wt%以下で配合されることが望ましく、2wt%以上入ると作業性が悪くなる。テクスチャーの幅を広げることが出来、また、ワラスサを添加することで、ひび割れを防ぐ効果もある。
〔その他〕
作業性を良くするために作業性改良材や、防カビ性能を付与するために天然のホウ酸カルシウム(コレマナイト)を併用して用いても良い。また、VOCを吸着固定するためにVOC吸着剤を混合、併用しても良い。
また、硬化剤として用いる再乳化型以外の水溶性樹脂を、保水剤として、或いは接着補助剤として用いてもよい。この再乳化型以外の水溶性樹脂は、消石灰を硬化剤として用いる内装薄付仕上塗材において、0.1〜5wt%配合されることが望ましい。0.1wt%に満たないと保水性能を保つことが難しく、5wt%を越えると透湿性能が低下する。
これらの保水剤又は接着補助剤として用いる水溶性樹脂としては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の合成高分子質あるいは澱粉類、海藻類等の天然高分子物質を用いる。
本発明の内装薄付仕上塗材は、前記各材料を、前記の特定の組成範囲にて含有することにより、硬化剤として消石灰又は再乳化型水溶性樹脂を用いて壁材にすることができ、塗り壁面を平滑にするテクスチャーに適用することもできる。
そして、本発明の再乳化型水溶性樹脂を硬化剤として用いる内装薄付仕上塗材は、前記のようにシラス又はシラスバルーン3〜7wt%、再乳化型水溶性樹脂2〜10wt%、無機質粉体5〜40wt%、骨材10〜75wt%、増粘剤0.5〜10wt%、有機質繊維1〜3wt%を含有するものであって、これらの乾燥状態のものを調合し、撹拌し、製造する。
上記の範囲を外れた場合には、壁材とすることが困難であり、特に塗り壁面を平滑にするテクスチャーにはコテ滑りが悪く、水引が早く、硬化速度が遅いものとなる。
より好ましくはシラス又はシラスバルーン3〜5wt%、再乳化型水溶性樹脂2〜3wt%、無機質粉体18〜22wt%、骨材68〜72wt%、増粘剤0.5〜2wt%、有機質繊維2〜3wt%である。
さらに好ましくはシラスバルーン3.5〜4.5wt%、再乳化型水溶性樹脂2.3〜2.7wt%、無機質粉体19〜21wt%、骨材69〜71wt%、増粘剤0.8〜1.2wt%、有機質繊維2.3〜2.7wt%である。
また、本発明の消石灰を硬化剤として用いる内装薄付仕上塗材は、前記のようにシラス又はシラスバルーン5〜20wt%、消石灰5〜30wt%、無機質粉体5〜40wt%、骨材10〜60wt%、増粘剤0.5〜7wt%、有機質繊維1〜3wt%を含有するものであって、これらの乾燥状態のものを調合し、撹拌し、製造する。
上記の範囲を外れた場合には、壁材とすることが困難となり、特に塗り壁面を平滑にするテクスチャーにはコテ滑りが悪く、水引が早く、硬化速度が遅いものとなる。
より好ましくはシラス又はシラスバルーン6〜10wt%、消石灰25〜30wt%、無機質粉体20〜25wt%、骨材29〜34wt%、増粘剤4〜6.5wt%、有機質繊維1〜2wt%である。
さらに好ましくはシラス又はシラスバルーン8〜9.5wt%、消石灰27〜29wt%、無機質粉体22〜24wt%、骨材30〜33wt%、増粘剤5〜6wt%、有機質繊維1.2〜1.7wt%である。
本発明の調質性を有する内装薄付け仕上用塗材が、JIS A 6909建築用仕上塗材の性能を満たすことについては説明したが、JIS A 6909建築用仕上塗材の性能とは以下の表3のとおりである。また、マイナスイオン発生量測定結果を表4に示す。
Figure 2008101436
Figure 2008101436
表8及び表9に示す組成割合にて、実施例A,B及び比較例1〜10の内装薄付仕上塗材を作成し、作業性、表面強度、水もちについて以下のように試験、評価した。
〔作業性〕
作業性確認方法は本発明の調湿性を有する内装薄付仕上塗材に水を加えて混練し、下地の上に塗付け、各種デザインによる表面仕上加工が可能であるか否か,また、作業時の粘性の強さ,こての切れ具合の確認をする。材料の水もちも影響する。
評価指標を下表5に示す。
Figure 2008101436
〔表面強度〕
表面強度の確認方法としては、JIS A 6909の耐衝撃性試験および耐摩耗性試験を行い、判定するものとする。評価指標を下表6に示す。
Figure 2008101436
〔水もち〕
水もちの確認方法としては本発明の調湿性を有する内装薄付仕上塗材に水を加えて混練し、下地の上に塗付け、各種デザインによる表面仕上加工が可能な時間、水分を保持することができるか。広い面積の壁面を施工する際、水の引きが早すぎて作業に追われることはないか等の確認をする。評価指標を下表7に示す。
Figure 2008101436
〔組成割合及び試験結果〕
Figure 2008101436
Figure 2008101436
〔考察〕
表8,9より、本発明の特定の組成範囲を満足する実施例A,Bでは、作業性、表面強度、水もちの何れの試験においても満足する結果が得られた。これに対し、構成原材料自体は同じであっても、幾つかの成分が本発明の特定の組成範囲から外れる比較例1〜10では、作業性、表面強度、水もちの何れかにおいて満足できない結果となった。
尚、表8,9には記載していないが、同表中の実施例A,Bは、前記表3の性能を示し、前記表4のマイナスイオン発生作用を備えていることを確認した。
[実施例1]
平成18年7月 岡山県真庭市勝山 木造 1戸建、1階部分リビング 66m2において、シラスを使用し、再乳化型水溶性樹脂を硬化剤に使用した内装薄付仕上塗材である表8に示した実施例Aの組成に水を加えて混練し、厚さ1〜2mmの内装薄付仕上壁材を施工した。
内装薄付仕上壁材は作業性も良く、施工後3ヶ月経過したが、湿度も安定し(調湿機能がある)、匂いも部屋に残りづらく、以前より住み良い住環境であると評価された。また、割れ、剥離等も発生していない。
[実施例2]
平成18年8月 横浜市磯子区洋光台 RC造10階立て、集合住宅 洋室 30m2において、シラスを使用し、再乳化型水溶性樹脂を硬化剤に使用した内装薄付仕上塗材である表8に示した実施例Aの組成に水を加えて混練し、厚さ1〜2mmの内装薄付仕上壁材を施工した。
内装薄付仕上壁材は作業性も良く、施工後2ヶ月経過したが、湿度も安定し(調湿機能がある)、匂いも部屋に残りづらく、以前より住み良い住環境であると評価された。また、割れ、剥離等も発生していなかった。
[実施例3]
平成18年9月 岡山県真庭市湯原 RC造5階建の和室 132m2において、シラスを使用し、石灰を硬化剤に使用した内装薄付仕上塗材である表9に示した実施例Bの組成に水を加えて混練し、厚さ1〜3mmの内装薄付仕上壁材を施工した。
内装薄付仕上壁材は作業性も良く、施工後1ヶ月経過したが、湿度も安定し、快適な環境であると評価された。また、割れ、剥離等も発生していなかった。
[実施例4]
平成18年9月 岡山県真庭市湯原 RC造5階建の和室 20m2において、シラスを使用し、消石灰を硬化剤に使用した内装薄付仕上塗材である表9に示した実施例Bの組成に水を加えて混練し、厚さ1〜3mmの内装薄付仕上壁材を施工した。
内装薄付仕上壁材は作業性も良く、施工後1ヶ月経過したが、湿度も安定し、快適な環境であると評価された。また、割れ、剥離等も発生していなかった。

Claims (8)

  1. シラス又はシラスバルーン3〜7wt%、再乳化型水溶性樹脂2〜10wt%、無機質粉体5〜40wt%、骨材10〜75wt%、増粘剤0.5〜10wt%、有機質繊維1〜3wt%を含有することを特徴とする調湿性を有する内装薄付仕上塗材。
  2. シラス又はシラスバルーン5〜20wt%、消石灰5〜30wt%、無機質粉体5〜40wt%、骨材10〜60wt%、増粘剤0.5〜7wt%、有機質繊維1〜3wt%を含有することを特徴とする調湿性を有する内装薄付仕上塗材。
  3. シラス又はシラスバルーン3〜7wt%、再乳化型水溶性樹脂2〜10wt%、無機質粉体5〜40wt%、骨材10〜75wt%、増粘剤0.5〜10wt%、有機質繊維1〜3wt%を含有することを特徴とする調湿性を有する内装薄付仕上塗材の製造方法。
  4. シラス又はシラスバルーン5〜20wt%、消石灰5〜30wt%、無機質粉体5〜40wt%、骨材10〜60wt%、増粘剤0.5〜7wt%、有機質繊維1〜3wt%を含有することを特徴とする調湿性を有する内装薄付仕上塗材の製造方法。
  5. シラス又はシラスバルーン3〜7wt%、再乳化型水溶性樹脂2〜10wt%、無機質粉体5〜40wt%、骨材10〜75wt%、増粘剤0.5〜10wt%、有機質繊維1〜3wt%を含有する内装薄付仕上塗材に水を加えて混練し、下地の上に塗布し、各種デザインによる表面仕上げ加工を施工現場で施して乾燥させたことを特徴とする調湿性を有する内装薄付仕上壁材。
  6. シラス又はシラスバルーン5〜20wt%、消石灰5〜30wt%、無機質粉体5〜40wt%、骨材10〜60wt%、増粘剤0.5〜7wt%、有機質繊維1〜3wt%を含有する内装薄付仕上塗材に水を加えて混練し、下地の上に塗布し、各種デザインによる表面仕上げ加工を施工現場で施して乾燥させたことを特徴とする調湿性を有する内装薄付仕上壁材。
  7. シラス又はシラスバルーン3〜7wt%、再乳化型水溶性樹脂2〜10wt%、無機質粉体5〜40wt%、骨材10〜75wt%、増粘剤0.5〜10wt%、有機質繊維1〜3wt%を含有する仕上げ用塗材に水を加えて混練し、下地の上に塗布し、各種デザインによる表面仕上げ加工を施工現場で施して乾燥させることを特徴とする調湿性を有する内装薄付仕上壁材の施工方法。
  8. シラス又はシラスバルーン5〜20wt%、消石灰5〜30wt%、無機質粉体5〜40wt%、骨材10〜60wt%、増粘剤0.5〜7wt%、有機質繊維1〜3wt%を含有する内装薄付け仕上塗材に水を加えて混練し、下地の上に塗布し、各種デザインによる表面仕上げ加工を施工現場で施して乾燥させることを特徴とする調湿性を有する調湿性を有する内装薄付仕上壁材の施工方法。
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